JP2016078278A - 自動車内装品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の端面に表皮材が巻き込まれた構造の自動車内装品を製造することが可能であり、且つ当該基材端部に接合された表皮が過度に薄くなることがない自動車内装品の製造方法を提供する。
【解決手段】減圧雰囲気下に基材2と加熱軟化した表皮材3を配置し、表皮材3の裏面側66を基材2の表面部5側に被せ、表皮材3の裏面側66に減圧雰囲気となっている減圧領域を残した状態で表皮材3の表面側65の圧力を上昇させて表皮材3を基材2に密着させ、その際に基材2を減圧領域側に移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、グローブボックスリッド、コンソールボックスリッド等の自動車内装品の製造方法に関するものである。また本発明は、自動車内装品を製造する製造装置に関するものである。
自動車内装品の構造として、剛性を有する基材に装飾性やクッション性を有する表皮材が積層されたものが知られている。
また基材の表面に表皮材を積層する方策として、真空成形を応用した技術が知られている(特許文献1,2)。
特許文献1,2に開示された方策では、基材と、シートを使用する。
基材は、あらかじめ射出成形等によって自動車内装品の形状に成形されたものである。シートは、熱可塑性樹脂を素材とするものである。
特許文献1,2に開示された方策では、基材の上に加熱軟化したシートを被せ、基材とシートとの間を減圧する。その結果、軟化したシートが基材の外形形状に沿った形状に成形され、同時に基材の表面に成形されたシート(表皮材)が接着される。
特開2008−37085号公報 特開2005−125735号公報
例えば、インストルメントパネル等の大型の自動車内装品は、端面が他の部材と接している場合が多く、端面が他の部材との間に隠れ、運転者等からは見えない場合が多い。しかしながら、グローブボックスリッドやコンソールボックスリッド等の小物の自動車内装品は、端面の一部が露出する場合があり、運転者等から見える場合がある。
そのため小物の自動車内装品は、基材の表面だけでなく、端面についても、表皮材が存在することが望ましい。
また表皮材の剥離強度を向上させる目的からも、基材の端面に表皮材が至っていることが望ましい。
しかしながら、基材に端面の領域は、段差が大きく、真空成形の際に深い絞りとなる。即ち真空成形の過程においては、図8に示す様に基材100の表面部にシート101が吸引され、シート101の周辺部は、真空成形機102のテーブル103に吸着される。そのためシート101の周辺部は、斜めに傾斜した姿勢となる。
そしてその後、シート101の周辺部が基材100の端面105に吸引される。このとき、シート101の傾斜した領域Aが延ばされて基材100の端面105に沿った形状に変形される。従って当該部分のシート101は、局所的に延ばされることとなる。
そのため当該部分のシート101が過度に薄くなり、強度が著しく低下する。また当該部分が破れてしまう場合もある。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、基材の端面の一部または全部に表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造することが可能であり、且つ当該基材端部に接合された表皮が過度に薄くなることがない自動車内装品の製造方法を提供することを課題とするものである。
また本発明は、上記した製造方法に使用される自動車内装品の製造装置を提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、基材と表皮材とが積層された自動車内装品を製造する自動車内装品の製造方法であって、前記基材は予め成形されたものであって表面部と裏面部が有り、前記基材の表面部と裏面部との間に小面積の端面があり、前記基材の表面部側に前記表皮材が積層されていると共に、前記基材の端面の一部または全部にも表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造する自動車内装品の製造方法において、減圧雰囲気下に前記基材と加熱軟化したシート状の表皮材を配置し、前記表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せ、前記表皮材の裏面側に減圧雰囲気となっている減圧領域を残した状態で前記表皮材の表面側の圧力を上昇させて前記表皮材を前記基材に密着させ、その際に前記基材を減圧領域側に移動させることを特徴とする自動車内装品の製造方法である。
本発明の自動車内装品の製造方法では、減圧雰囲気下に前記基材と加熱軟化した表皮材を配置し、表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せ、前記表皮材の裏面側に減圧雰囲気となっている減圧領域を残した状態で前記表皮材の表面側の圧力を上昇させて前記表皮材を前記基材に密着させる。
ここで本発明の自動車内装品の製造方法では、表皮材を基材に密着させる際に、基材を減圧領域側に移動させる。その結果、傾斜した領域Aに余裕が生じる。即ち基材を減圧領域側に移動させることにより、実質的に表皮材を吸引させる領域を減少させることができる。そのため表皮材(シート)の変形量が減少し、表皮材が過度に薄くなることが防止される。
請求項2に記載の発明は、基材は基材受け台に設置され、当該基材受け台は付勢部材によって減圧領域となる領域に対して反対側に付勢されており、前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際に、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする請求項1に記載の自動車内装品の製造方法である。
本発明の自動車内装品の製造方法では、表皮材の表面側の圧力を上昇させた際における、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台を減圧領域側に移動させる。そのため基材受け台を移動させるタイミングが理想的なものとなる。
また本発明の製造方法を実施するための装置は、構造が簡単なものとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動車内装品の製造方法を実施する自動車内装品の製造装置において、密閉可能な成形空間と、成形空間内を減圧する減圧手段と、成形空間内の圧力を大気圧に復帰または加圧雰囲気とする圧力上昇手段と、成形空間内にあって基材を保持する基材受け台と、成形空間内にあって基材受け台が設置されるテーブルを有し、前記基材受け台は、テーブルに対して近接方向に移動可能であって、常時付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されており、加熱軟化したシート状の表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際にテーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となり、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする自動車内装品の製造装置である。
本発明の自動車内装品の製造装置によると、成形空間内に基材受け台があり、基材は、当該基材受け台に設置される。ここで基材受け台は、バネ等の付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されている。
本発明の自動車内装品の製造装置では、加熱軟化した表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて、表皮材の表面側の圧力を上昇させた際に、テーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となる。
この際の圧力差によって表皮材が基材に押しつけられ、表皮材が基材の形状に成形される。また表皮材を境として表面側と裏面側に圧力差が生じ、この圧力差によって発生する押圧力が、付勢部材の付勢力に抗して基材受け台を減圧領域側に移動させる。
その結果、実質的に表皮材を吸着する領域が少なくなり、表皮材(シート)の変形量が減少し、表皮材が過度に薄くなることが防止される。
請求項4に記載の発明は、基材と表皮材とが積層された自動車内装品を製造する自動車内装品の製造装置であって、前記基材は予め成形されたものであって表面部と裏面部が有り、前記基材の表面部と裏面部との間に小面積の端面があり、前記基材の表面部側に前記表皮材が積層されていると共に、前記基材の端面の一部または全部にも表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造する自動車内装品の製造装置において、密閉可能な成形空間と、成形空間内を減圧する減圧手段と、成形空間内の圧力を大気圧に復帰または加圧雰囲気とする圧力上昇手段と、成形空間内にあって基材を保持する基材受け台と、成形空間内にあって基材受け台が設置されるテーブルを有し、前記基材受け台は、テーブルに対して近接方向に移動可能であって、常時付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されており、シート状の表皮材を保持するシート保持手段と、テーブル又は表皮材を移動させて表皮材を基材受け台側に移動させるシート近接手段とを有し、加熱軟化した表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際にテーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となり、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする自動車内装品の製造装置である。
本発明の自動車内装品の製造装置によると、成形空間内に基材受け台があり、基材は、当該基材受け台に設置される。ここで基材受け台は、バネ等の付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されている。
本発明の自動車内装品の製造装置では、シート状の表皮材を保持するシート保持手段があり、シート状の表皮材がシート保持手段によって保持される。
また本発明の自動車内装品の製造装置では、シート近接手段を有し、表皮材と基材受け台に設置された基材を近接することができる。
本発明の自動車内装品の製造装置についても、加熱軟化した表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際に、テーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となる。
この際の圧力差によって表皮材が基材に押しつけられ、表皮材が基材の形状に成形される。また表皮材を境として表面側と裏面側に圧力差が生じ、この圧力差によって発生する押し圧力が、付勢部材の付勢力に抗して基材受け台を減圧領域側に移動させる。
本発明の自動車内装品の製造方法によると、基材の端面の一部または全部に表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造することが可能であり、且つ当該基材端部に接合された表皮が過度に薄くなることはない。
そのため本発明の製造方法によって製造された自動車内装品は、見栄えがよく、且つ表皮が剥離しにくい。
また本発明によると、製造過程において表皮が破損する頻度が低下するので、歩留りの向上にも寄与する。
本発明の自動車内装品の製造装置によって作られた自動車内装品にも同様の効果が期待できる。
本発明の実施形態の自動車内装品の製造装置の断面図である。 (a)は、自動車内装品の製造工程における図1の製造装置の断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 (a)は、図2の状態に次ぐ自動車内装品の製造工程における図1の製造装置の断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 (a)は、図3の状態に次ぐ自動車内装品の製造工程における図1の製造装置の断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 (a)は、図4の状態に次ぐ自動車内装品の製造工程における図1の製造装置の断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 (a)は、図5の状態に次ぐ自動車内装品の製造工程における図1の製造装置の断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 自動車内装品の断面図である。 真空成形を行う際における表皮材と基材の端面との関係を説明する説明図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、小物の自動車内装品を製造する方法である。
製造される自動車内装品1は、例えばコンソールボックスリッドである。自動車内装品1は、図7の様に、基材2と表皮材3によって構成されている。
基材2は、ポプロピレン樹脂やABS樹脂を素材とし、射出成形等の公知の方法によって別途成形されたものであり、相当の剛性を有する。また基材2は、最終製品たるコンソールボックスリッドと同一の形状に成形されている。
基材2は自動車に装着された際に、車内側に向くこととなる表面部5と、その反対面たる裏面部6がある。そしてその境界部分に端面7がある。端面7は、図の様に表面部5及び裏面部6に比べて面積が小さい。
表皮材3は、後記する様にシート60を素材とし、これが真空成形されて所望の形状とされたものである。
表皮材3は、裏面側66が基材2の表面部5と接しており、表皮材3の表面側65は、露出している。表皮材3は、基材2に一体に貼り付けられている。表皮材3は、基材2の表面部5をすっぽりと覆い、且つ端面7に巻き込まれている。即ち表皮材3は、基材2の表面部5だけでなく、端面7にも積層されている。
次に、自動車内装品の製造装置10(以下、単に製造装置10と称する)について説明する。
製造装置10は、密閉可能な成形空間11を構成する外郭構成部材12と、外郭構成部材12内に配される機器によって構成されている。
外郭構成部材12は、図1の様に、下部側構成部材15と、上部側構成部材16によって構成されている。
製造装置10は、図示しない開閉装置を有し、下部側構成部材15と上部側構成部材16を分離することができる。
下部側構成部材15と、上部側構成部材16は、それぞれ内面に空間形成部17,18があり、下部側構成部材15と、上部側構成部材16が接合されると、二つの空間形成部17,18が一体化されて密閉空間となる。
上部側構成部材16の内部には、加熱ヒータ20が設けられている。
また上部側構成部材16には加圧用配管21と減圧用配管22が接続されている。加圧用配管21は、電磁弁等の開閉弁23を介してコンプレッサ等の加圧装置25に接続されている。
減圧用配管22は、電磁弁等の開閉弁26を介して真空ポンプ等の真空源28に接続されている。
下部側構成部材15には、開口端に外フランジ30と内フランジ31が設けられている。また外フランジ30には、シート60の端部を保持するクリップ(シート保持手段)33が設けられている。
下部側構成部材15には、減圧用配管35が接続されている。減圧用配管35は、電磁弁等の開閉弁36を介して真空ポンプ等の真空源28に接続されている。
下部側構成部材15には、本発明の主要構成たる、昇降テーブル40と、基材受け台41とが設けられる。
昇降テーブル40は、下部側構成部材15の空間形成部18内にあり、空間形成部18内で昇降する。即ち昇降テーブル40には、下部側構成部材15の外部に設けられたシリンダー(シート近接手段)43のロッドが接続されており、シリンダー43のロッドを伸縮することにより、昇降テーブル40が空間形成部18内で昇降する。
昇降テーブル40の表面には、多数の貫通孔50が設けられている。
また昇降テーブル40の表面側には、ガイド柱51が設けられている。ガイド柱51には複数のガイド穴52が形成されている。
基材受け台41は、基材2の裏面部6と接して基材2を保持するものである。基材受け台41は、基材2の裏面部6と接する基材支持部45と、基材支持部45から突出するガイド軸46を有している。
基材受け台41はガイド軸46が昇降テーブル40のガイド柱51のガイド穴52に挿入されている。
またガイド穴52の中には、バネ(付勢部材)55が設けられており、基材受け台41を常時昇降テーブル40から離れる方向に付勢している。ただし、ガイド穴52とガイド軸46との間には、図示しない係合部があり、ガイド軸46がガイド穴52から抜け出ることはない。
前記した様に、基材受け台41はガイド軸46がガイド柱51のガイド穴52に挿入されており、基材受け台41は昇降テーブル40に対して近接・離反する方向に移動することができる。ただし、前記した様に、昇降テーブル40は、付勢部材たるバネ55によって、常時昇降テーブル40から離れる方向に付勢されている。
また基材受け台41を昇降テーブル40側に押すと、バネ55の力に抗して基材受け台41は昇降テーブル40側に移動する。
次に、自動車内装品1を製造する方法を、工程を追って説明する。
本実施形態においては、製造装置10に基材2とシート状の表皮材3を装着する。
前記した様に基材2は、射出成形等によって成形されたものである。基材2には接着剤を塗布しておくことが望ましい。
表皮材3は、熱可塑性のシート60である。シート60の素材は、TPO樹脂、ABS樹脂、PVC樹脂等の公知の熱可塑性樹脂である。シート60は、単層であっても積層体であってもよい。またシート60は発泡層を有するものであってもよい。
本実施形態では、厚さが1mm以下であって単層の熱可塑性シートを使用している。
本実施形態では、図2の様に、基材2を基材受け台41に設置し、シート60を下部側構成部材15の空間形成部18の開口部分に設置する。
具体的には、図示しない開閉装置によって、上部側構成部材16を持ち上げ、上部側構成部材16と下部側構成部材15と分離して両者の間を開く。その結果、下部側構成部材15の空間形成部18が大きく開口する。
そして基材受け台41に基材2を設置する。また下部側構成部材15の開口部に、シート60を設置し、シート60の辺部をクリップ(シート保持手段)33で挟んで保持する。
本実施形態では、図においてシート60の上面側がシート60の表面側65であり、下面側がシート60の裏面側66である。
この状態で、上部側構成部材16を下部側構成部材15に接合し、上部側構成部材16と下部側構成部材15の間に密閉された成形空間11を形成させる。
上部側構成部材16と下部側構成部材15の間でシート60の辺部が挟まれている。そのため成形空間11は、シート60を境界として上部空間61と、下部空間62に仕切られる。
そして上部側構成部材16の内部に設けられた加熱ヒータ20に通電し、シート60を加熱する。これと前後して、成形空間11内を減圧する。
即ち上部側構成部材16の加圧用配管21に設けられた開閉弁23を閉じると共に、成形空間11と真空源28を繋ぐ減圧用配管22,35の開閉弁26,36を開く。そして真空源28を起動して、成形空間11を減圧する。即ちシート60を境界とする上部空間61と、下部空間62を共に同時に減圧する。
加熱ヒータ20は一定時間に渡って通電し、シート60を加熱して軟化させる。
その後、図3の様に、昇降テーブル40を上昇させる。その結果、基材受け台41に設置された基材2がシート60に近接し、さらには基材2をシート60を裏面側66から押し上げた状態となり、基材2がシート60に被さる。即ちシート60を裏面側66の一部が基材2に接し、シート60が基材2に被さる。
またこの際、昇降テーブル40の辺部の上面側が、下部側構成部材15の内フランジ31の下面側と接する。両者の間には、図示しないシール部材が設けられており、昇降テーブル40が下部側構成部材15の内フランジ31と接することにより、昇降テーブル40と内フランジ31との気密性が確保される。
またシート60は、上部空間61と、下部空間62の境界部分にあったが、シート60は基材2に押されて中央部が上方に膨らむ。
一方、昇降テーブル40が下部側構成部材15の内フランジ31と接することにより、昇降テーブル40によって成形空間11が、上部空間61と、下部空間62に仕切られることとなる。
ただし昇降テーブル40には、多数の貫通孔50が設けられており、且つシート60の辺部は、依然として上部側構成部材16と下部側構成部材15の間で挟まれている。そのため気密性の観点からは、依然としてシート60を境界として上部空間61側と下部空間62側が仕切られていると言える。即ちシート60を境界として上部空間61側と、下部空間62側との間には通気性はない。一方、気密性の観点からは、シート60の裏面側は、下部空間62を含めて一体の空間である。
この状態から上部空間61側を大気開放する。即ち加圧用配管21に設けられた開閉弁23を開き、上部空間61側に空気を導入して上部空間61側の圧力を上昇させる。言い換えると、シート60の表面側65の圧力を上昇させる。
また必要に応じてコンプレッサ等の加圧装置25を起動し、上部空間61側(シート60の表面側65)の圧力を大気圧以上に上昇させる。
一方、下部空間62側は減圧状態を維持させる。
前記した様に、気密性の観点からは、シート60を境界として上部空間61側と下部空間62側が仕切られている。また上部空間61側(シート60の表面側65)は大気圧またはそれ以上の気圧となり、下部空間62側(シート60の裏面側66)は真空状態である。そのため両者の圧力差によって、シート60が基材2側に吸引される。またシート60は熱軟化している状態であるから、シート60は容易に変形する。より具体的には、図4の様に、シート60の裏面が基材2の表面部5と接し、シート60が、基材2の表面部5に沿った形状に変形する。
ここで基材2の周辺部に注目すると、図4の様に、基材2の端面7にはまだシート60は密着しておらず、基材2の端面7を含む基材受け台41の輪郭部67の近傍には、空間68が残っている。
一方、上部空間61側と下部空間62側との圧力差によって、基材受け台41も昇降テーブル40側に押圧される。ここで基材受け台41は、昇降テーブル40に対して近接・離反方向に移動可能であるから、基材受け台41は、圧力差に基づく力に押され、バネ(付勢部材)55に抗して昇降テーブル40側に沈む。
その結果、図5の様に、シート60には基材受け台41の移動距離Bに相当する長さの余裕が生じる。
シート60はさらに基材2側に吸引され続け、ついには、シート60は、基材2の端面7を含む基材受け台41の輪郭部67に密着する。即ちシート60が基材2の端面7を巻き込む。
しかしながら、前記した様に、シート60には、基材受け台41の移動距離Bに相当する長さの余裕が生じているので、当該部分におけるシート60の延びは、従来技術に比べて小さい。
その後、シート60を冷却し、図示しない開閉装置によって、上部側構成部材16を持ち上げ、上部側構成部材16と下部側構成部材15と分離して両者の間を開き、基材2とシート60とが一体化された成形物を取り出す。
そして必要に応じて成形物をトリムし、自動車内装品1を完成させる。完成した自動車内装品1は、基材2の表面部だけでなく、端面7にも表皮材3が巻き込まれ、基材2に積層されている。また端面7の表皮材3も相当の厚さを有し、十分な強度を持っている。
次に本発明の効果を確認するための行った実施例及び比較例について説明する。
(実施例)
図1に示す製造装置を使用してトリムパネル(自動車内装品)を製造した。表皮材の素材として、厚さ0.5mmのTPO樹脂を使用した。
上部空間61側の昇圧は、上部空間61を大気開放するのに止め、上部空間61側は大気圧であって加圧はしていない。
製造されたトリムパネルは、端部にまで表皮材が回りこんでおり、且つ表皮の破れ等は発生していない。
(比較例)
図1に示す製造装置であって、基材受け台41を昇降テーブル40に固定したものを使用した。
他の条件は、すべて実施例と同一としたが、基材の端部に表皮材を回りこませることはできず、表皮に破れが生じた。
またシートの加熱温度を変更したり、上部空間61をコンプレッサで加圧する等の方策を試みたが、基材の端部に表皮材を回りこませることはできず、表皮の破れを解消することはできなかった。
1 自動車内装品
2 基材
3 表皮材
5 表面部
6 裏面部
7 端面
10 自動車内装品の製造装置
11 成形空間
12 外郭構成部材
15 下部側構成部材
16 上部側構成部材
20 加熱ヒータ
21 加圧用配管
22 減圧用配管
33 クリップ(シート保持手段)
35 減圧用配管
40 昇降テーブル
41 基材受け台
43 シリンダー(シート近接手段)
55 バネ(付勢部材)
61 上部空間
62 下部空間
65 表面側
66 裏面側

Claims (4)

  1. 基材と表皮材とが積層された自動車内装品を製造する自動車内装品の製造方法であって、
    前記基材は予め成形されたものであって表面部と裏面部が有り、前記基材の表面部と裏面部との間に小面積の端面があり、
    前記基材の表面部側に前記表皮材が積層されていると共に、前記基材の端面の一部または全部にも表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造する自動車内装品の製造方法において、
    減圧雰囲気下に前記基材と加熱軟化したシート状の表皮材を配置し、
    前記表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せ、
    前記表皮材の裏面側に減圧雰囲気となっている減圧領域を残した状態で前記表皮材の表面側の圧力を上昇させて前記表皮材を前記基材に密着させ、その際に前記基材を減圧領域側に移動させることを特徴とする自動車内装品の製造方法。
  2. 基材は基材受け台に設置され、当該基材受け台は付勢部材によって減圧領域となる領域に対して反対側に付勢されており、
    前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際に、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする請求項1に記載の自動車内装品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の自動車内装品の製造方法を実施する自動車内装品の製造装置において、
    密閉可能な成形空間と、成形空間内を減圧する減圧手段と、成形空間内の圧力を大気圧に復帰または加圧雰囲気とする圧力上昇手段と、
    成形空間内にあって基材を保持する基材受け台と、
    成形空間内にあって基材受け台が設置されるテーブルを有し、
    前記基材受け台は、テーブルに対して近接方向に移動可能であって、常時付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されており、
    加熱軟化したシート状の表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際にテーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となり、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする自動車内装品の製造装置。
  4. 基材と表皮材とが積層された自動車内装品を製造する自動車内装品の製造装置であって、
    前記基材は予め成形されたものであって表面部と裏面部が有り、前記基材の表面部と裏面部との間に小面積の端面があり、
    前記基材の表面部側に前記表皮材が積層されていると共に、前記基材の端面の一部または全部にも表皮材が積層された構造の自動車内装品を製造する自動車内装品の製造装置において、
    密閉可能な成形空間と、成形空間内を減圧する減圧手段と、成形空間内の圧力を大気圧に復帰または加圧雰囲気とする圧力上昇手段と、
    成形空間内にあって基材を保持する基材受け台と、
    成形空間内にあって基材受け台が設置されるテーブルを有し、
    前記基材受け台は、テーブルに対して近接方向に移動可能であって、常時付勢部材によってテーブルに対して離反する方向に付勢されており、
    シート状の表皮材を保持するシート保持手段と、テーブル又は表皮材を移動させて表皮材を基材受け台側に移動させるシート近接手段とを有し、
    加熱軟化した表皮材の裏面側を前記基材の表面部側に被せて前記表皮材の表面側の圧力を上昇させた際にテーブルと表皮材の裏面側とによって囲まれる空間が減圧領域となり、表面側の圧力と減圧領域との圧力差によって基材受け台が減圧領域側に移動することを特徴とする自動車内装品の製造装置。
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