JP2015123589A - 自動車内装品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に天然皮革が貼られたインストルメントパネルを製造する方法であり、製造工程を簡略であり、且つ接着剤の含侵による凹凸や表面硬度のばらつきを無くする製造方法を提案する。【解決手段】下型21に、熱可塑性ウレタンフィルム12を被せる。熱可塑性ウレタンフィルム12は、100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPa、厚さが0.02mm乃至0.12mmである。その後、熱可塑性ウレタンフィルム12と表面側成形面33との間の空気を抜いて熱可塑性ウレタンフィルム12を表面側成形面33に密着させる。その後発泡成形型20内を密閉し、注型器28から液状のウレタン原料を成形キャビティ30に注入し、発泡層11と、熱可塑性ウレタンフィルム12が一体化した内包基材2を作る。内包基材2の表面に表皮材5が装着し、インストルメントパネルを完成する。【選択図】 図4
Description
本発明は、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラーガーニッシュ、アームレスト等の自動車内装品及び当該自動車内装品の部品たる自動車内装品用内包基材に関するものである。また本発明は、上記した自動車内装品、自動車内装品用内包基材を製造する方法に関するものである。
乗用車の室内には、インストルメントパネルやドアトリム等の自動車内装品が装着されている。自動車内装品は、運転者や搭乗車の目に触れ、且つ肌が直接接する。そのため自動車内装品は、布や合成樹脂等の表皮材で覆われている場合が多い。また特に高級な乗用車では、天然皮革を素材とする表皮材が使用されている。
天然皮革を素材とする表皮材は、牛革、馬革、豚革等を所定の形状に裁断し、これを縫製して作られる。
そして別途成形した樹脂製の内包基材に、表皮材を貼り込む。より具体的には、内包基材の表面に接着剤を塗り、表皮材を内包基材に接着する。この技術が特許文献1に開示されている。
そして別途成形した樹脂製の内包基材に、表皮材を貼り込む。より具体的には、内包基材の表面に接着剤を塗り、表皮材を内包基材に接着する。この技術が特許文献1に開示されている。
本発明者らは、肌触りがより柔らかい自動車内装品を開発すべく検討し、主として自動車内装品の剛性を担う芯材と、天然皮革を素材とする表皮材との間に発泡層を設けた自動車内装品を試作した。
試作品の自動車内装品は、次の様な工程で製造した。
自動車内装品は、芯材を成形する「芯材成形工程」と、芯材に発泡層を設ける「発泡層積層工程」と、表面に表皮材を貼り込む「貼り込み工程」によって構成されている。また別途、天然皮革を裁断して縫製する「表材成形工程」がある。
試作品の自動車内装品は、次の様な工程で製造した。
自動車内装品は、芯材を成形する「芯材成形工程」と、芯材に発泡層を設ける「発泡層積層工程」と、表面に表皮材を貼り込む「貼り込み工程」によって構成されている。また別途、天然皮革を裁断して縫製する「表材成形工程」がある。
「芯材成形工程」は、公知の射出成形技術で芯材を成形する工程である。
「発泡層積層工程」は、発泡成形型を使用して芯材に発泡層を設ける工程である。
「発泡層積層工程」で使用する発泡成形型は、成形キャビティを有し、成形キャビティの一部の表面形状が自動車内装品の表面形状と同一の形状となっている。
そして発泡成形型に芯材を装着し、成形キャビティに液状の発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させる。その結果、芯材の表面に発泡層が形成され、且つ、発泡層の表面形状が自動車内装品の表面形状と同一の形状となっている基材を成形することができた。
しかしながらこの方法は、発泡成形型の表面に発泡層が接着してしまい、離型性が悪いという問題があり、量産には適さないことが判明した。
「発泡層積層工程」は、発泡成形型を使用して芯材に発泡層を設ける工程である。
「発泡層積層工程」で使用する発泡成形型は、成形キャビティを有し、成形キャビティの一部の表面形状が自動車内装品の表面形状と同一の形状となっている。
そして発泡成形型に芯材を装着し、成形キャビティに液状の発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させる。その結果、芯材の表面に発泡層が形成され、且つ、発泡層の表面形状が自動車内装品の表面形状と同一の形状となっている基材を成形することができた。
しかしながらこの方法は、発泡成形型の表面に発泡層が接着してしまい、離型性が悪いという問題があり、量産には適さないことが判明した。
そこで本発明者らは、発泡成形型の表面に離型剤を塗布し、この状態で成形キャビティに発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させることとした。
本方法によると、発泡層が発泡成形型に付着せず、基材を量産することができることが判った。
本方法によると、発泡層が発泡成形型に付着せず、基材を量産することができることが判った。
しかしながら、離型剤を塗布した状態でウレタン原料を発泡させると、基材の表面に離型剤が付着し、次工程たる「貼り込み工程」で問題が発生した。
即ち基材の表面に離型剤が付着しているので、接着剤が基材に付かず、表皮材の接着強度が不十分となってしまった。
即ち基材の表面に離型剤が付着しているので、接着剤が基材に付かず、表皮材の接着強度が不十分となってしまった。
そこで、基材の成形後に表面を拭いたり、削るといった方法で、離型材を除去することを試みたが、作業が煩雑であり、量産に耐えないことが判った。
次に、発泡成形型の表面にポリエチレンシート等の、ウレタンとの接着性が低いシートを敷き、この状態で成形キャビティに発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させた。本方法によると、発泡ウレタン原料は発泡成形型の成形面に接触せず、発泡層が発泡成形型に付着することがないので、基材を容易に離型することができた。
そして離型後にポリエチレンシートを剥がした。即ち離型時には、基材の表面にポリエチレンシートが付着しているが、ポリエチレンシートのウレタンに対する接着強度は低い。そのため人手によってポリエチレンシートを容易に剥がすことができた。
そして離型後にポリエチレンシートを剥がした。即ち離型時には、基材の表面にポリエチレンシートが付着しているが、ポリエチレンシートのウレタンに対する接着強度は低い。そのため人手によってポリエチレンシートを容易に剥がすことができた。
そして基材の表面に接着剤を塗布し、表皮材を貼った。ところが、ポリエチレンシートを剥がした後の基材は、表面の発泡層の気泡が破壊され、接着剤が発泡層の内部にしみ込んでしまう場合があった。そのため表面硬度にばらつきが生じたり、表面に凹凸ができてしまった。また表皮材の部分的な剥離が生じ、商品特性が低下してしまうという問題があった。
そこでウレタンをコーティングしたシートを予め真空成形して下地表皮を作り、この下地表皮を発泡成形型に設置し、この状態で成形キャビティに発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させた。
即ちウレタンをコーティングしたシートを加熱して可塑化し、真空成形型に被せた後に、シートと真空成形型の間を減圧してシートを真空成形型に密着させ、その後にシートを冷却してシートを自動車内装品の形に成形する。この成形された下地表皮を発泡成形型に設置し、この状態で成形キャビティに発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させた。
即ちウレタンをコーティングしたシートを加熱して可塑化し、真空成形型に被せた後に、シートと真空成形型の間を減圧してシートを真空成形型に密着させ、その後にシートを冷却してシートを自動車内装品の形に成形する。この成形された下地表皮を発泡成形型に設置し、この状態で成形キャビティに発泡ウレタン原料を注入して成形キャビティ内でウレタン原料を発泡させた。
本方法によると、発泡ウレタン原料は発泡成形型の成形面に接触せず、発泡層が発泡成形型に付着することがないので、基材を容易に離型することができた。
そして下地表皮に表皮材を貼り込んだ。
本方法によると、表面硬度のばらつきが小さく、かつ表皮材の接着強度が高い自動車内装品を製造することができた。
そして下地表皮に表皮材を貼り込んだ。
本方法によると、表面硬度のばらつきが小さく、かつ表皮材の接着強度が高い自動車内装品を製造することができた。
しかしながら、前記した方法は、シートを予め真空成形して下地表皮を作る工程があり、製造工程が多く、さらに改良する必要があった。そこで本発明は、上記した試作の結果を踏まえ、製造工程を簡略しつつ要求品質を満たすことができる自動車内装品及びその製造方法を提案するものである。また本発明は、自動車内装品の部品たる自動車内装品用内包基材及びその製造方法を提案するものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、少なくとも芯材と、発泡層と、表皮とを有する自動車内装品を製造する方法であって、芯材の表面に発泡層が積層された内包基材を製造する内包基材製造工程と、前記内包基材の表面に接着剤で表皮材を貼着する貼り込み工程を有する自動車内装品の製造方法において、前記内包基材製造工程においては、成形キャビティを有する成形型であって、自動車内装品の表面側に相当する部位を形付ける表面側成形面と、芯材を設置する芯材設置部を備えた成形型を使用し、前記表面側成形面にフィルムを密着させ、前記芯材設置部に予め成形された芯材を設置した状態で、前記成形キャビティ内で発泡材料を発泡させて発泡層を形成させ、当該発泡層を介して前記芯材と、前記フィルムを接合する工程を含み、前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能な平面状の熱可塑性ウレタンフィルムであることを特徴とする自動車内装品の製造方法である。
本発明の自動車内装品の製造方法では、前記したポリエチレンシートに代わって、熱可塑性ウレタンフィルムを使用する。熱可塑性ウレタンフィルムは柔らかく且つ延びやすい。そのため、可塑化しなくても成形型の表面側成形面に沿わせることができる。そのため下地表皮を真空成形する工程を省略することができる。
また熱可塑性ウレタンフィルムは、発泡層との接着性にも優れ、且つ接着剤が着きやすい。そのため内包基材の表面に接着剤で表皮材を貼着することが可能である。
また熱可塑性ウレタンフィルムは、発泡層との接着性にも優れ、且つ接着剤が着きやすい。そのため内包基材の表面に接着剤で表皮材を貼着することが可能である。
請求項2に記載の発明は、前記フィルムは、前記フィルムは、100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPaであって厚さが0.02mm乃至0.12mmであることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装品の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、成形型には吸引孔が設けられており、フィルムを可塑化することなく成形型の表面側成形面に置き、吸引孔からフィルムと表面側成形面の空気を吸引して前記表面側成形面にフィルムを密着させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車内装品の製造方法である。
本発明によると、容易にフィルムを表面側成形面に密着させることができる。
請求項4に記載の発明は、表皮は天然皮革を縫製して成形したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車内装品の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、少なくとも芯材と、発泡層と、表皮とを有する自動車内装品の構成部品の一つであって、芯材の表面に発泡層が積層されており、別途工程によって表皮が貼り付けられる自動車内装品の内包基材を製造する方法において、成形キャビティを有する成形型であって、自動車内装品の表面側に相当する部位を形付ける表面側成形面と、芯材を設置する芯材設置部を備えた成形型を使用し、前記表面側成形面にフィルムを密着させ、前記芯材設置部に予め成形された芯材を設置した状態で、前記成形キャビティ内で発泡材料を発泡させて発泡層を形成させ、当該発泡層を介して前記芯材と、前記フィルムを接合する工程を含み、前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能な平面状の熱可塑性ウレタンフィルムであることを特徴とする自動車内装品の内包基材の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、天然皮革が接着剤で貼り付けられて自動車内装品を構成する自動車内装品用内包基材において、芯材と、発泡層と、フィルムが積層され、表面に前記フィルムが露出するものであり、前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能であり、且つ100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPaの熱可塑性ウレタンフィルムであって厚さが0.02mm乃至0.12mmであり、前記フィルムの表面形状が自動車内装品の表面形状と同一又は相似形であることを特徴とする自動車内装品用内包基材である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の自動車内装品用内包基材の表面に天然皮革が接着剤で貼り付けられて成る自動車内装品である。
本発明によると、表皮材がしっかりと接着され、かつ肌触りが柔らかい自動車内装品を製造することができる。また本発明の製造方法によると、下地表皮を真空成形する工程を省略することができる。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の製造方法によって作られたインストルメントパネル1である。
本実施形態のインストルメントパネル1は、図2、図3の様に、内包基材2の表面に表皮材5が装着されたものである。
表皮材5は、天然皮革を素材とする。ここで「天然皮革」とは、本革のことであり、養殖された獣の革を含む。本実施形態では、牛革が採用されている。
表皮材5は、牛革を裁断し、これを縫製してインストルメントパネル1の形に成形されたものである。
本実施形態のインストルメントパネル1は、図2、図3の様に、内包基材2の表面に表皮材5が装着されたものである。
表皮材5は、天然皮革を素材とする。ここで「天然皮革」とは、本革のことであり、養殖された獣の革を含む。本実施形態では、牛革が採用されている。
表皮材5は、牛革を裁断し、これを縫製してインストルメントパネル1の形に成形されたものである。
内包基材2は、射出成形によって成形された芯材10に発泡層11が積層され、さらその表面に、熱可塑性ウレタンフィルム12が積層されたものである。
インストルメントパネル1は、内装基材2の表面に図示しないウレタン系接着剤が塗布され、当該接着剤によって表皮材5が貼り込まれたものである。
インストルメントパネル1は、内装基材2の表面に図示しないウレタン系接着剤が塗布され、当該接着剤によって表皮材5が貼り込まれたものである。
以下、内包基材2を製造する内包基材製造工程について説明する。
内包基材2は、図4に示す様な発泡成形型20を使用して製造される。
発泡成形型20は、図4の様に下型21と、上型22によって構成されている。下型21は、上型22に比べて大きく、床面やコンベア上に設置される。上型22は、図示しないヒンジによって下型21に取り付けられており、下型21の成形凹部26を閉塞する機能を持つ。
内包基材2は、図4に示す様な発泡成形型20を使用して製造される。
発泡成形型20は、図4の様に下型21と、上型22によって構成されている。下型21は、上型22に比べて大きく、床面やコンベア上に設置される。上型22は、図示しないヒンジによって下型21に取り付けられており、下型21の成形凹部26を閉塞する機能を持つ。
下型21は、成形凹部26を有している。成形凹部26の表面は、自動車内装品1の表面側に相当する部位を形付ける表面側成形面33となっている。即ち表面側成形面33は、最終製品たる自動車内装品1の表面形状と同一の形状に作られている。
また表面側成形面33には、多数の吸引孔25が設けられている。吸引孔25は、図示しない真空源に接続されている。
また表面側成形面33には、多数の吸引孔25が設けられている。吸引孔25は、図示しない真空源に接続されている。
上型22は、中央が突出し、芯材設置部27が形成されている。また上型22には、注型器28が設けられている。
前記した様に上型22は、成形凹部26を閉じる蓋として機能し、上型22を閉じることによって発泡成形型20の内部に成形キャビティ30が形成される。
また注型器28によって成形キャビティ30内に液状のウレタン原料(ポリイソシアネートとポリオールり混合物)が注入される。
前記した様に上型22は、成形凹部26を閉じる蓋として機能し、上型22を閉じることによって発泡成形型20の内部に成形キャビティ30が形成される。
また注型器28によって成形キャビティ30内に液状のウレタン原料(ポリイソシアネートとポリオールり混合物)が注入される。
内包基材製造工程の最初の工程として、図4(a)の様に上型22に離型剤32が塗布される。下型21には離型剤32は塗らない。
そして図4(b)の様に下型21の成形凹部26に、熱可塑性ウレタンフィルム12が被せられる。熱可塑性ウレタンフィルム12は、100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPa、より好ましくは6MPa乃至7MPa、であって厚さが0.02mm乃至0.12mm、より好ましくは0.03mm乃至0.1mmのものが使用される。
熱可塑性ウレタンフィルム12は、単なる平面状のフィルムであり、予備成形等の加工はなされていない。また熱可塑性ウレタンフィルム12は、加熱されておらず、常温である。
また図4(b)の様に上型22の芯材設置部27に、芯材10を取り付ける。
そして図4(b)の様に下型21の成形凹部26に、熱可塑性ウレタンフィルム12が被せられる。熱可塑性ウレタンフィルム12は、100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPa、より好ましくは6MPa乃至7MPa、であって厚さが0.02mm乃至0.12mm、より好ましくは0.03mm乃至0.1mmのものが使用される。
熱可塑性ウレタンフィルム12は、単なる平面状のフィルムであり、予備成形等の加工はなされていない。また熱可塑性ウレタンフィルム12は、加熱されておらず、常温である。
また図4(b)の様に上型22の芯材設置部27に、芯材10を取り付ける。
そして図示しない真空弁を開き、吸引孔25から熱可塑性ウレタンフィルム12と表面側成形面33との間の空気を抜く。その結果、熱可塑性ウレタンフィルム12が表面側成形面33に密着する。
即ち熱可塑性ウレタンフィルム12は、素材自体が延びやすい。また熱可塑性ウレタンフィルム12は薄い。
そのため吸引孔25から成形凹部26内を脱気すると、図4(c)の様に熱可塑性ウレタンフィルム12が表面側成形面33に貼り付いて密着する。
ただし、熱可塑性ウレタンフィルム12は常温であって可塑化していないので、真空を切れば、熱可塑性ウレタンフィルム12は表面側成形面33から離すことができる。なお表面側成形面33から離れた熱可塑性ウレタンフィルム12は平面状である。
即ち熱可塑性ウレタンフィルム12は、素材自体が延びやすい。また熱可塑性ウレタンフィルム12は薄い。
そのため吸引孔25から成形凹部26内を脱気すると、図4(c)の様に熱可塑性ウレタンフィルム12が表面側成形面33に貼り付いて密着する。
ただし、熱可塑性ウレタンフィルム12は常温であって可塑化していないので、真空を切れば、熱可塑性ウレタンフィルム12は表面側成形面33から離すことができる。なお表面側成形面33から離れた熱可塑性ウレタンフィルム12は平面状である。
続いて図4(d)の様に上型22を閉じて発泡成形型20内を密閉し、注型器28から液状のウレタン原料を成形キャビティ30に注入する。
ウレタン原料は、成形キャビティ30内で反応し、発泡して体積膨張する。その際に、熱可塑性ウレタンフィルム12を表面側成形面33に押し付ける。
またウレタン原料は、熱可塑性ウレタンフィルム12及び芯材10の双方と接着する。ウレタン原料が反応を終えると硬化し、芯材10と、発泡層11と、熱可塑性ウレタンフィルム12が一体化する。
所定のキュア時間の間は、図4(e)の様に、芯材10等を発泡成形型20内に止め、キュア時間が経過すると図4(f)の様に上型22を開いて内包基材2を取り出す。
ウレタン原料は、成形キャビティ30内で反応し、発泡して体積膨張する。その際に、熱可塑性ウレタンフィルム12を表面側成形面33に押し付ける。
またウレタン原料は、熱可塑性ウレタンフィルム12及び芯材10の双方と接着する。ウレタン原料が反応を終えると硬化し、芯材10と、発泡層11と、熱可塑性ウレタンフィルム12が一体化する。
所定のキュア時間の間は、図4(e)の様に、芯材10等を発泡成形型20内に止め、キュア時間が経過すると図4(f)の様に上型22を開いて内包基材2を取り出す。
取り出された内包基材2は、表面が自動車内装品1と同一の形状(厳密にはやや小さい)に成形され、表面に熱可塑性ウレタンフィルム12が接着されたものとなっている。
そしてその後に、貼り込み工程を実施し、内包基材2の表面に本革製の表皮材5を装着する。
即ち内包基材2の表面に図示しないウレタン系接着剤を塗布する。ここで内包基材2の表面には熱可塑性ウレタンフィルム12が設けられており、表面が緻密であるから、接着剤が内部にしみ込むことはない。
また熱可塑性ウレタンフィルム12には、離型剤は塗布されていないので、可塑性ウレタンフィルム12に接着剤が着きやすい。
そして内包基材2の表面に本革製の表皮材5を被せ、表皮材5を内包基材2の表面に接着する。なお表皮材5内面には予め接着剤が塗布されている。
即ち内包基材2の表面に図示しないウレタン系接着剤を塗布する。ここで内包基材2の表面には熱可塑性ウレタンフィルム12が設けられており、表面が緻密であるから、接着剤が内部にしみ込むことはない。
また熱可塑性ウレタンフィルム12には、離型剤は塗布されていないので、可塑性ウレタンフィルム12に接着剤が着きやすい。
そして内包基材2の表面に本革製の表皮材5を被せ、表皮材5を内包基材2の表面に接着する。なお表皮材5内面には予め接着剤が塗布されている。
完成した自動車内装品1は、接着剤の含侵による凹凸や表面硬度のばらつき等がなく、外観は綺麗である。また表皮材5の部分的な浮きや剥がれもない。
熱可塑性ウレタンフィルム12として大倉工業株式会社製のウレタンフィルム「シルクロン(商標)」を使用し、前記した工程によって内包基材2を試作した。
熱可塑性ウレタンフィルム12には、グレードの異なるものがあり、本実施例では次の2種類のものを使用した。
第1グレード
硬度:JIS 85A
破断強度:70.4MPa
破断伸び:600パーセント
100パーセントモジュラス:5.8MPa
300パーセントモジュラス:13.2MPa
第2グレード
硬度:JIS 85A
破断強度:63.3MPa
破断伸び:620パーセント
100パーセントモジュラス:5.8MPa
300パーセントモジュラス:13.9MPa
また各グレードごとに3種類の厚さの熱可塑性ウレタンフィルム12を用意した。使用した熱可塑性ウレタンフィルム12の厚さは、0.03mm、0.045mm、0.1mmである。
熱可塑性ウレタンフィルム12には、グレードの異なるものがあり、本実施例では次の2種類のものを使用した。
第1グレード
硬度:JIS 85A
破断強度:70.4MPa
破断伸び:600パーセント
100パーセントモジュラス:5.8MPa
300パーセントモジュラス:13.2MPa
第2グレード
硬度:JIS 85A
破断強度:63.3MPa
破断伸び:620パーセント
100パーセントモジュラス:5.8MPa
300パーセントモジュラス:13.9MPa
また各グレードごとに3種類の厚さの熱可塑性ウレタンフィルム12を用意した。使用した熱可塑性ウレタンフィルム12の厚さは、0.03mm、0.045mm、0.1mmである。
熱可塑性ウレタンフィルム12を使用した作られた内包基材2は、その表面形状が、自動車内装品1の形状と同一に仕上がった。また熱可塑性ウレタンフィルム12には大きな皺はなく、表面に密着して貼りついていた。
各実施例で試作された内包基材2の表面に本革製の表皮材5を貼り込み、自動車内装品1を完成させた。完成した自動車内装品1は、接着剤の含侵による凹凸や表面硬度のばらつき等がなく、外観は綺麗である。また表皮材5の部分的な浮きや剥がれもなかった。
各実施例で試作された内包基材2の表面に本革製の表皮材5を貼り込み、自動車内装品1を完成させた。完成した自動車内装品1は、接着剤の含侵による凹凸や表面硬度のばらつき等がなく、外観は綺麗である。また表皮材5の部分的な浮きや剥がれもなかった。
比較実験として、可塑性ウレタンフィルム12に代わってポリエチレンシートを使用し、前記した工程によって内包基材2を製造した。使用したポリエチレンシートは、100パーセントモジュラスが30KPa乃至50KPa程度であり、厚さが0.6mm乃至1.0mm程度であった。
比較例の内包基材2は、表面形状が自動車内装品1の形状とは異なるものとなっており、不良品であった。
比較例の内包基材2は、表面形状が自動車内装品1の形状とは異なるものとなっており、不良品であった。
1 インストルメントパネル
2 内包基材
5 表皮材
10 芯材
11 発泡層
12 熱可塑性ウレタンフィルム
20 発泡成形型
25 吸引孔
27 芯材設置部
30 成形キャビティ
33 表面側成形面
2 内包基材
5 表皮材
10 芯材
11 発泡層
12 熱可塑性ウレタンフィルム
20 発泡成形型
25 吸引孔
27 芯材設置部
30 成形キャビティ
33 表面側成形面
Claims (7)
- 少なくとも芯材と、発泡層と、表皮とを有する自動車内装品を製造する方法であって、芯材の表面に発泡層が積層された内包基材を製造する内包基材製造工程と、前記内包基材の表面に接着剤で表皮材を貼着する貼り込み工程を有する自動車内装品の製造方法において、
前記内包基材製造工程においては、成形キャビティを有する成形型であって、自動車内装品の表面側に相当する部位を形付ける表面側成形面と、芯材を設置する芯材設置部を備えた成形型を使用し、
前記表面側成形面にフィルムを密着させ、前記芯材設置部に予め成形された芯材を設置した状態で、前記成形キャビティ内で発泡材料を発泡させて発泡層を形成させ、当該発泡層を介して前記芯材と、前記フィルムを接合する工程を含み、
前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能な平面状の熱可塑性ウレタンフィルムであることを特徴とする自動車内装品の製造方法。 - 前記フィルムは、100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPaであって厚さが0.02mm乃至0.12mmであることを特徴とする請求項1に記載の自動車内装品の製造方法。
- 成形型には吸引孔が設けられており、フィルムを可塑化することなく成形型の表面側成形面に置き、吸引孔からフィルムと表面側成形面の空気を吸引して前記表面側成形面にフィルムを密着させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車内装品の製造方法。
- 表皮は天然皮革を縫製して成形したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車内装品の製造方法。
- 少なくとも芯材と、発泡層と、表皮とを有する自動車内装品の構成部品の一つであって、芯材の表面に発泡層が積層されており、別途工程によって表皮が貼り付けられる自動車内装品の内包基材を製造する方法において、
成形キャビティを有する成形型であって、自動車内装品の表面側に相当する部位を形付ける表面側成形面と、芯材を設置する芯材設置部を備えた成形型を使用し、
前記表面側成形面にフィルムを密着させ、前記芯材設置部に予め成形された芯材を設置した状態で、前記成形キャビティ内で発泡材料を発泡させて発泡層を形成させ、当該発泡層を介して前記芯材と、前記フィルムを接合する工程を含み、
前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能な平面状の熱可塑性ウレタンフィルムであることを特徴とする自動車内装品の内包基材の製造方法。 - 天然皮革が接着剤で貼り付けられて自動車内装品を構成する自動車内装品用内包基材において、芯材と、発泡層と、フィルムが積層され、表面に前記フィルムが露出するものであり、前記フィルムは、前記発泡体と前記接着剤が接着可能であり、且つ100パーセントモジュラスが5MPa乃至9MPaの熱可塑性ウレタンフィルムであって厚さが0.02mm乃至0.12mmであり、前記フィルムの表面形状が自動車内装品の表面形状と同一又は相似形であることを特徴とする自動車内装品用内包基材。
- 請求項6に記載の自動車内装品用内包基材の表面に天然皮革が接着剤で貼り付けられて成る自動車内装品。
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