JP2000326812A - エアバッグドアを有する表皮貼込み成形品およびその製造方法 - Google Patents

エアバッグドアを有する表皮貼込み成形品およびその製造方法

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JP2000326812A
JP2000326812A JP11136398A JP13639899A JP2000326812A JP 2000326812 A JP2000326812 A JP 2000326812A JP 11136398 A JP11136398 A JP 11136398A JP 13639899 A JP13639899 A JP 13639899A JP 2000326812 A JP2000326812 A JP 2000326812A
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JP11136398A
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Tomokazu Kudome
智和 久留
Fumihiko Mizutani
文彦 水谷
Hiroaki Suzuki
裕明 鈴木
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Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグドアの円滑な開放を許容するよう
構成したエアバッグドアを有する表皮貼込み成形品と、
これを好適に製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 基材11の外表面部を、基材11の破断
予定部14および表皮20の破断予定部21の間に位置
する開放剥離領域17と、これ以外の貼着固定領域18
とに区分した際に、開放剥離領域17の表面に対する表
皮20の裏面の接着強度が、貼着固定領域18の表面に
対する該表皮20の裏面の接着強度よりも小さくなるよ
う設定する。これにより、エアバッグドア12の開放時
には、基材11における開放剥離領域17と表皮20と
が容易に剥離して、該エアバッグドア12の円滑な開放
が許容される。なお、接着強度に差を付けるためには、
開放剥離領域17と貼着固定領域18の面粗度を変えた
り、貼着剥離領域18のみに表面処理を施す等の方法が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
を所要位置に有する基材の表面に、該ドアを被覆する表
皮を貼込んで形成される表皮貼込み成形品と、この表皮
貼込み成形品を好適に製造するための製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エアバッグドアを所要位置に有する基材
の表面に、該ドアを被覆する表皮を貼込んで形成される
表皮貼込み成形品として、例えば車両における乗員室前
方に組付けられるインストルメントパネル、サイドドア
の内側に設置されるドアトリム(内張り部材)、ピラー部
に設置されるピラーガーニッシュ等がある。図10は、
この表皮貼込み成形品であるインストルメントパネルの
一例を概略的に例示したもので、このインストルメント
パネル10では、計器盤45,グローブボックス46,空
調操作ユニット47およびオーディオユニット48等を
固定保持する強度を有しつつ所要形状に成形されたパネ
ル基材11の外表面に、表面に所要の「シボ」加工を施し
た表皮20を貼込んで質感の向上が図られている。
【0003】また前記インストルメントパネル10で
は、助手席乗員を衝突時の衝撃から保護するために、図
11に示すように助手席側の内部に、リィンフォースバ
ー52に固定したエアバッグ装置53を内蔵しており、
前記パネル基材11には、このエアバッグ装置53にお
けるケース体54の開口部55に整合するエアバッグド
ア12が設けられている。このエアバッグドア12は、
例えば前記パネル基材11と一体的に形成されてエアバ
ッグ装置53の作動前には該基材11の一部を構成し、
該エアバック装置53の作動により瞬間的に膨張したエ
アバッグの押圧力により破断予定部14が破断して乗員
室50側へ折曲げ開放することで、エアバッグ用の展開
開口部を形成するようになっている。また前記表皮20
では、前記エアバッグドア12の破断予定部14の形成
位置を前提として、断面V形またはU形等の溝部22の
凹設による破断予定部21が形成されており(図10参
照)、エアバッグによるエアバッグドア12の開放時に
この破断予定部21で破断することで、エアバッグドア
12の開放を許容するようになっている。
【0004】前記エアバッグ装置53は、様々な形式,
タイプのものが実用化されているが、助手席乗員用とし
てインストルメントパネル10内に設置されるもので
は、車種やグレード等に関係なく同一タイプのものを採
用することが多く、これにより生産コストの低減を図っ
ている。このため、各車種毎に独自に設計されるインス
トルメントパネル10では、パネル基材11のデザイン
や形状が全く異なったとしても、該パネル基材11に形
成されるエアバッグドア12は、エアバッグ装置53に
おけるケース体54の開口部55に整合する横長矩形状
に画一化される(図12)。しかるに、前記表皮20に形
成した前記破断予定部21(溝部22)は、乗員席の側か
ら直接視認し得る位置に形成されるので、当該インスト
ルメントパネルのデザイン形状にマッチした形状とさ
れ、例えば図10のインストルメントパネル10では、
横長台形状でかつ各隅部を適宜曲線として形成した異形
形状を呈している。すなわち、パネル基材11に形成し
たエアバッグドア12の破断予定部14と表皮20に形
成した破断予定部21とは、その形成位置および大きさ
が一致しておらず、一般的には、表皮20の破断予定部
21がエアバッグドア12の破断予定部14よりも所要
間隔だけ外側に位置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記パネル
基材11に対する前記表皮20の装着は、予め所要形状
に成形しかつ接着剤を塗布した該パネル基材11に、例
えば真空成形型を利用して表皮20を直接的に貼込むも
のである。ところが接着剤は、前記パネル基材11の外
表面部全体に均一的に塗布され、各破断予定部14,2
1間の領域(以後「開放剥離領域」と云う)17にも等しく
接着剤が塗布されていた。このため、前記エアバッグ装
置53が作動して膨張するエアバッグの押圧力によって
エアバッグドア12が開放する際に、前記開放剥離領域
17の部分におけるパネル基材11と表皮20との適切
な剥離を惹起することができず、エアバッグドア12の
円滑な開放が保証されない問題があった。すなわち、エ
アバッグドア12の開放が円滑になされないことによ
り、1/100秒程度で瞬時に膨張するエアバッグの乗
員室50への展開に支障を来たし、助手席乗員に対する
安全保護機能を最大限に発揮されないことが指摘されて
いた。なお、前記開放剥離領域17に接着剤を塗布しな
いようにすることも提案され得るが、この場合には太陽
光線の照射による熱によってこの領域17に位置する表
皮20がパネル基材11から浮き上がってしまい、イン
ストルメントパネル10の質感低下を来たす新たな問題
が発生することが指摘される。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたもので、基材の外表面部を、エアバッ
グドアの外周端縁部と表皮材の破断予定部との間に位置
する開放剥離領域と、これ以外の貼着固定領域とに区分
する前提において、開放剥離領域の表面および表皮の裏
面の接着強度が、貼着固定領域の表面および該表皮の裏
面の接着強度よりも適宜小さくなるよう設定すること
で、前記エアバッグドアの円滑な開放を許容するよう構
成したエアバッグドアを有する表皮貼込み成形品と、こ
の表皮貼込み成形品を好適に製造するための製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決して所期
の目的を達成するため、本発明に係るエアバッグドアを
有する表皮貼込み成形品は、エアバッグの瞬間的な膨張
により乗員室側へ開放するエアバッグドアを所要位置に
有する基材と、表面に前記エアバッグドアの開放により
破断する溝状の破断予定部が形成され、前記基材に対し
て接着剤で貼込まれる表皮とからなる表皮貼込み成形品
において、前記破断予定部は、前記エアバッグドアの外
周端縁部から所要間隔だけ外側に位置して、該エアバッ
グドアを囲繞する形状およびサイズに設定され、前記基
材の外表面部を、前記外周端縁部および前記破断予定部
の間に位置する開放剥離領域と、これ以外の貼着固定領
域とに区分した際に、前記開放剥離領域の表面に対する
表皮の裏面の接着強度が、前記貼着固定領域の表面に対
する該表皮の裏面の接着強度よりも小さくなるよう設定
し、これにより前記エアバッグドアの開放時に、前記基
材における開放剥離領域と表皮とが容易に剥離して、該
エアバッグドアの円滑な開放を許容するよう構成したこ
とを特徴とする。
【0008】また、前記課題を解決して所期の目的を達
成するため、本発明に係るエアバッグドアを有する表皮
貼込み成形品の製造方法は、エアバッグの瞬間的な膨張
により乗員室側へ開放するエアバッグドアを所要位置に
有する基材と、表面に前記エアバッグドアの開放により
破断する溝状の破断予定部が形成され、前記基材に対し
て接着剤で貼込まれる表皮とからなる表皮貼込み成形品
を製造するに際し、前記基材の外表面部において、前記
表皮に形成した破断予定部および前記エアバッグドアの
外周端縁部の間に位置する開放剥離領域の表面を面粗度
の小さな平滑面に成形すると共に、前記開放剥離領域以
外の貼着固定領域の表面に面粗度の大きな適宜の凹凸模
様を成形し、次いで、前記開放剥離領域の表面および前
記貼着固定領域の表面全体に、接着剤を均一に塗布した
後に前記表皮を貼込むことで、前記開放剥離領域の表面
および表皮の裏面の接着強度が、前記貼着固定領域の表
面および該表皮の裏面の接着強度よりも小さくなるよう
にしたことを特徴とする。
【0009】また、前記課題を解決して所期の目的を達
成するため、別の発明に係るエアバッグドアを有する表
皮貼込み成形品の製造方法は、エアバッグの瞬間的な膨
張により乗員室側へ開放するエアバッグドアを所要位置
に有する基材と、表面に前記エアバッグドアの開放によ
り破断する溝状の破断予定部が形成され、前記基材に対
して接着剤で貼込まれる表皮とからなる表皮貼込み成形
品を製造するに際し、前記基材の外表面部において、前
記表皮に形成した破断予定部および前記エアバッグドア
の外周端縁部の間に位置する開放剥離領域の表面に面粗
度の小さな浅い凹凸模様を形成すると共に、前記開放剥
離領域以外の貼着固定領域の表面に前記凹凸模様よりも
深くて面粗度の大きな凹凸模様を成形し、次いで、前記
開放剥離領域の表面および前記貼着固定領域の表面全体
に、接着剤を均一に塗布した後に前記表皮を貼込むこと
で、前記開放剥離領域の表面および表皮の裏面の接着強
度が、前記貼着固定領域の表面および該表皮の裏面の接
着強度よりも小さくなるようにしたことを特徴とする。
【0010】また、前記課題を解決して所期の目的を達
成するため、更に別の発明に係るエアバッグドアを有す
る表皮貼込み成形品の製造方法は、エアバッグの瞬間的
な膨張により乗員室側へ開放するエアバッグドアを所要
位置に有する基材と、表面に前記エアバッグドアの開放
により破断する溝状の破断予定部が形成され、前記基材
に対して接着剤で貼込まれる表皮とからなる表皮貼込み
成形品を製造するに際し、前記基材の外表面部におい
て、前記表皮に形成した破断予定部および前記エアバッ
グドアの外周端縁部の間に位置する開放剥離領域に表面
処理を何も施さず、前記開放剥離領域以外の貼着固定領
域に所定の表面処理を施して表面処理部を形成し、次い
で、前記開放剥離領域の表面および前記貼着固定領域の
表面全体に、接着剤を均一に塗布した後に前記表皮を貼
込むことで、前記開放剥離領域の表面および表皮の裏面
の接着強度が、前記貼着固定領域の表面および該表皮の
裏面の接着強度よりも小さくなるようにしたことを特徴
とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るエアバッグド
アを有する表皮貼込み成形品およびその製造方法につ
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以
下説明する。そこで本実施例では、表皮貼込み成形品と
して図10に示したインストルメントパネル10を例示
し、このインストルメントパネル10に本発明を実施し
た場合につき説明する。
【0012】(インストルメントパネルの概略説明)前記
インストルメントパネル10は、各種車載装置,機器等
の設置用基体としての機能を有し、スピードメータやタ
コメータその他各種表示灯等を備えた計器盤45が運転
席からの視認容易な位置に配設されると共に、身の回り
の各種小間物や車検証等を収納するグローブボックス4
6が助手席側に配設され、更にエアコンユニット用の空
調操作ユニット47やオーディオユニット48等が略中
央に設置される。また本実施例のインストルメントパネ
ル10は、樹脂素材を一体成形してなるパネル基材11
と、シート状素材から成形されて前記パネル基材11の
外表面部に貼込まれた表皮20とから構成され、ビスや
ボルト等を利用して乗員室50の前方の車体に強固に組
付けられる。そして、車体に組付けられたインストルメ
ントパネル10は、図11に示すように、乗員室50の
内部前方に設置された空調用のエアコンユニット51
や、車体補強用のリィンフォースバー52および該リィ
ンフォースバー52に固定された前記エアバッグ装置5
3等を完全に被覆した状態で車体に組付けられる。
【0013】(パネル基材)前記パネル基材11は、例え
ばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のオレ
フィン系の樹脂素材からなり、乗員室50の車幅方向の
略全幅に亘って延在するサイズに設定され、インジェク
ション成形を利用して所要のデザイン形状に一体成形さ
れる。そして、パネル基材11における助手席側の上面
において、前記エアバッグ装置53におけるケース体5
4の開口部55に整合する位置には、該エアバッグ装置
53の作動により膨張するエアバッグの押圧力で開放す
るエアバッグドア12が設けられている。このエアバッ
グドア12は、図1に示すように、パネル基材11に一
体的に形成されて常には該基材11の一部分を構成して
おり、パネル基材11の裏面に横長矩形状に凹設した溝
部13によって薄肉の破断予定部14が形成されてい
る。従ってエアバッグドア12は、前記エアバッグ装置
53の作動により瞬間的に膨張するエアバッグ56の押
圧力を裏側から受けると、前記破断予定部14に沿って
破断が生ずることで外周端縁部12aが乗員室50側へ
臨んだ状態に開放し、エアバッグ56用の展開開口部1
5を形成する(図2)。なおパネル基材11の裏面部に
は、開放時のヒンジポイントに沿って折曲げ案内溝16
が形成されてエアバッグドア12のスムーズな折曲げ変
位がなされると共に、エアバッグドア12の裏面にはオ
レフィン系樹脂等から所要形状に形成された補強板19
が取着されている。
【0014】(表皮)前記表皮20は、前記パネル基材1
1と同様に、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系の
樹脂素材から成形され、単一層として構成されるもの
や、裏側にポリエチレンフォームや発泡体等からなるク
ッション層を貼着した複数層から構成されるものが適宜
選択的に採用される。そして本実施例では、図示しない
真空成形型を利用することを前提として、外表面部に所
定の接着剤を塗布して前記成形型にセットしたパネル基
材11の該外表面部に、加熱により軟化したシート状表
皮素材を真空吸引して密着させることにより、表皮20
の成形および貼込みを行なうようになっている。
【0015】(表皮の破断予定部)また前記表皮20にお
いて、当該パネル基材11に設けたエアバッグドア12
に整合した部位の外面部に、インストルメントパネル1
0の装飾機能を有する溝部22が形成され、この溝部2
2による薄肉部が、エアバッグドア12の開放時に破断
する破断予定部21として形成されている。この溝部2
2(破断予定部21)は、表皮20の貼込み完了直後の加
熱軟化状態時に、図示しない凸片状の型部材を該表皮2
0に押付けることによって所望の溝状に形成され、図1
2に示すように、インストルメントパネル10のデザイ
ン形状を前提として、エアバッグドア12の外端縁部か
ら所要間隔だけ外側に位置して、該ドア12の破断予定
部14(外周端縁部12a)を囲繞する異形形状,サイズ
に設定されている。従って、前記エアバッグ56の膨張
によりエアバッグドア12が開放した際には、図2およ
び図3に示すように、パネル基材11の破断予定部14
と表皮20の破断予定部21との間で両者11,20が
剥離分離すると共に、該表皮20の破断予定部21が破
断することにより、エアバッグドア12の円滑な開放が
許容される。
【0016】そして、本実施例のインストルメントパネ
ル10では、前記パネル基材11の外表面部を、該基材
11に形成した破断予定部14と表皮20に形成した破
断予定部21との間に位置する開放剥離領域17と、こ
の開放剥離領域17以外(エアバッグドア12の表面を
含む)の貼着固定領域18とに便宜上区分すると、前記
開放剥離領域17の表面および表皮の裏面の接着強度
が、前記貼着固定領域18の表面および該表皮20の裏
面の接着強度よりも適宜小さくなるよう設定されてい
る。これにより、前記エアバッグドア12の開放前で
は、開放剥離領域17および貼着固定領域18からなる
パネル基材11の外表面部全面に表皮20が好適に貼着
されると共に、該エアバッグドア12の開放時には、パ
ネル基材11における開放剥離領域17の表面と表皮2
0の裏面との剥離が容易に起こるようにして、エアバッ
グドア12の円滑な開放が許容されるよう構成してあ
る。
【0017】そこで次に、パネル基材11に対する表皮
20の貼込みにおいて、開放剥離領域17の表面および
表皮20の裏面の接着強度を、貼着固定領域18の表面
および該表皮20の裏面の接着強度よりも小さく設定す
る方法につき、各実施例をもとに具体的に説明する。
【0018】
【第1実施例】図4は、本発明の第1実施例を示すもの
で、パネル基材11の開放剥離領域17およびその近傍
の貼着固定領域18を、パネル基材11と表皮20が分
離した状態で示す要部拡大側断面図である。この第1実
施例に係るインストルメントパネル10では、前述した
ように、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からパネ
ル基材11が形成されることを前提としたうえで、該基
材11における開放剥離領域17の表面と貼着固定領域
18の表面の各面粗度を変えることで、開放剥離領域1
7の表面と接着剤との機械的な接着強さ(定着効果(anch
or effect))と、貼着固定領域18の表面と接着剤との
機械的な接着強さに差を付けるようにしたものである。
具体的には、前記パネル基材11における開放剥離領域
17の表面は凹凸が殆どない平滑面25に形成すると共
に、該パネル基材11における貼着固定領域18の表面
は適宜の凹凸模様26を形成することで、前記開放剥離
領域17の面粗度が前記貼着固定領域18の面粗度より
もかなり小さく設定されている。
【0019】なお前記凹凸模様26に関しては、例えば
図5に示すように、幅Wが0.5〜1.0mm,深さRが
0.05〜0.5mm程度の溝27を格子状または一方向
に形成したものや、具体的に図示しないが、皮絞,なし
地絞,幾何学絞等を形成したもの等が採用される。
【0020】
【第1実施例の作用】第1実施例のインストルメントパ
ネル10は、パネル基材11の成形時に、前記開放剥離
領域17の表面を面粗度の小さな平滑面25に成形する
と共に、前記貼着固定領域18の表面に面粗度の大きな
凹凸模様26を成形し、開放剥離領域17および貼着固
定領域18を含むパネル基材11の表面全面に所定を接
着剤28を均一に塗布した後に、真空成形を利用して前
記表皮20を貼込むことで製造される。これにより表皮
20は、接着剤28によりパネル基材11の表面全面に
好適に貼着される。なお、開放剥離領域17の表面およ
び表皮20の裏面の接着強度は、貼着固定領域18の表
面および表皮20の裏面の接着強度と比較して、かなり
小さくなっている。
【0021】そして第1実施例のインストルメントパネ
ル10では、前記エアバッグ装置53の作動により瞬間
的に膨張したエアバッグ56がエアバッグドア12を裏
側から押圧した際には、先ずパネル基材11における破
断予定部14に沿って破断が起こり、これにより乗員室
50側へ徐々に開放変位するエアバッグドア12の押圧
力によって、接着強度が小さい開放剥離領域17の表面
と表皮20とが容易に剥離するに至る。しかし、貼着固
定領域18の表面と表皮20との接着強度は大きいので
この領域18に対する該表皮20の剥離は簡単に起ら
ず、開放剥離領域17の表面から剥離した表皮20がエ
アバッグドア12の開放変位に従って徐々に伸張される
と、ついには該表皮20は前記破断予定部21に沿って
破断するに至る。すなわちエアバッグドア12は、表皮
20と開放剥離領域17との容易な剥離と、該表皮20
の破断予定部21での破断により、乗員室50側への円
滑な開放が許容される。
【0022】
【第2実施例】図6は、本発明の第2実施例を示すもの
で、パネル基材11の開放剥離領域17およびその近傍
の貼着固定領域18を、パネル基材11と表皮20が分
離した状態で示す要部拡大側断面図である。この第2実
施例に係るインストルメントパネル10においても、前
述したように、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で
パネル基材11が形成されることを前提としたうえで、
該基材11における開放剥離領域17の表面と貼着固定
領域18の表面の各面粗度を変えることで、開放剥離領
域17の表面と接着剤との機械的な接着強さと、貼着固
定領域18の表面と接着剤との機械的な接着強さに差を
付けるようになっている。具体的には、前記パネル基材
11における開放剥離領域17の表面には、適宜の浅い
凹凸模様30を形成すると共に、該パネル基材11にお
ける貼着固定領域18の表面には、前記凹凸模様30よ
りも深い凹凸模様32を形成することで、前記開放剥離
領域17の面粗度が前記貼着固定領域18の面粗度より
も小さく設定されている。
【0023】なお前記凹凸模様32に関しては、例えば
図7(a)に示すように、幅Wが0.5〜1.0mm,深さ
Rが0.05〜0.5mm程度の溝31を格子状または一
方向に形成したものや、皮絞,なし地絞,幾何学絞等を形
成したもの等が実施される。また前記凹凸模様30に関
しては、例えば図7(b)に示すように、幅Wが0.5〜
1.0mm,深さRが0.02〜0.25mm程度の溝3
3を格子状または一方向に形成したものや、皮絞,なし
地絞,幾何学絞等を形成したもの等が実施される。これ
により第2実施例では、開放剥離領域17の表面および
表皮20の裏面の接着強度が、前記第1実施例の場合よ
りも適宜大きく設定される。
【0024】
【第2実施例の作用】第2実施例のインストルメントパ
ネル10は、パネル基材11の成形時に、前記開放剥離
領域17の表面に面粗度の小さな凹凸模様30を成形す
ると共に、前記貼着固定領域18の表面に面粗度の大き
な凹凸模様32を成形し、開放剥離領域17および貼着
固定領域18を含むパネル基材11の表面全面に所定を
接着剤34を均一に塗布した後に、真空成形を利用して
前記表皮20を貼込むことで製造される。これにより表
皮20は、接着剤34によりパネル基材11の表面全面
に好適に貼着される。なお、開放剥離領域17の表面お
よび表皮20の裏面の接着強度は、貼着固定領域18の
表面および表皮20の裏面の接着強度と比較して、適宜
小さくなっている。
【0025】そして第2実施例のインストルメントパネ
ル10では、前記エアバッグ装置53の作動により瞬間
的に膨張したエアバッグ56がエアバッグドア12を裏
側から押圧した際には、先ずパネル基材11における破
断予定部14に沿って破断が起こり、これにより乗員室
50側へ徐々に開放変位するエアバッグドア12の押圧
力によって、開放剥離領域17の表面と表皮20とが剥
離するに至る。しかし、貼着固定領域18の表面と表皮
20との接着強度は大きいのでこの領域18に対する該
表皮20の剥離は起らず、開放剥離領域17の表面から
剥離した表皮20がエアバッグドア12の開放変位に従
って徐々に伸張されると、ついには該表皮20は前記破
断予定部21に沿って破断するに至る。これによりエア
バッグドア12は、表皮20と開放剥離領域17との剥
離と、該表皮20の破断予定部18での破断により、乗
員室50側への開放が許容される。
【0026】
【第3実施例】図8は、本発明の第3実施例を示すもの
で、パネル基材11の開放剥離領域17およびその近傍
の貼着固定領域18を、パネル基材11と表皮20を分
離した状態で示す要部拡大側断面図である。この第3実
施例に係るインストルメントパネル10では、パネル基
材11における開放剥離領域17の表面と貼着固定領域
18の表面に所要の表面処理を施すか否かにより、開放
剥離領域17の表面と接着剤との機械的な接着強さと、
貼着固定領域18の表面と接着剤との機械的な接着強さ
に差を付けるようになっている。具体的には、前記パネ
ル基材11における開放剥離領域17の表面は何等の表
面処理を施さず、該パネル基材11における貼着固定領
域18の表面は、例えばプラズマ処理やフレーム処理等
による表面処理を施して表面処理部36を形成する。す
なわち、水溶性の接着剤37とポリプロピレン製のパネ
ル基材11とは、もともと接着性が弱いために前記表面
処理を施すことで接着性を強める方法が採られている。
従って、表面処理を施した貼着固定領域18の表面およ
び表皮20の裏面の接着強度は大きくなり、表面処理を
施さない開放剥離領域17の表面および表皮20の裏面
の接着強度は小さくなる。
【0027】
【第3実施例の作用】第3実施例のインストルメントパ
ネル10は、パネル基材11の成形後に、前記開放剥離
領域17の表面には何等の表面処理を施さず、前記貼着
固定領域18の表面にのみ所定の表面処理を施す。そし
て、開放剥離領域17および貼着固定領域18を含むパ
ネル基材11の表面全面に所定の接着剤37を均一に塗
布した後に、真空成形を利用して前記表皮20を貼込む
ことで製造される。これにより表皮20は、接着剤37
によりパネル基材11の表面全面に好適に貼着される。
なお、開放剥離領域17の表面および表皮20の裏面の
接着強度は、貼着固定領域18の表面および表皮20の
裏面の接着強度と比較して、適宜小さくなっている。
【0028】そして第3実施例のインストルメントパネ
ル10では、前記エアバッグ装置53の作動により瞬間
的に膨張したエアバッグ56がエアバッグドア12を裏
側から押圧した際には、先ずパネル基材11における破
断予定部14に沿って破断が起こり、これにより乗員室
50側へ徐々に開放変位するエアバッグドア12の押圧
力によって、開放剥離領域17の表面と表皮20とが容
易に剥離するに至る。しかし、貼着固定領域18の表面
と表皮20との接着強度は大きいのでこの領域18に対
する該表皮20の剥離は起らず、開放剥離領域17の表
面から剥離した表皮20がエアバッグドア12の開放変
位に従って徐々に伸張されると、ついには該表皮20は
前記破断予定部21に沿って破断するに至る。これによ
りエアバッグドア12は、表皮20と開放剥離領域17
との剥離と、該表皮20の破断予定部21での破断によ
り、乗員室50側への開放が許容される。
【0029】
【第4実施例】図9は、本発明の第4実施例を示すもの
で、パネル基材11の開放剥離領域17およびその近傍
の貼着固定領域18を、パネル基材11と表皮20を分
離した状態で示す要部拡大側断面図である。この第4実
施例に係るインストルメントパネル10では、パネル基
材11における開放剥離領域17の表面と貼着固定領域
18の表面に接着力の異なる特性を有する接着剤を夫々
塗布することにより、開放剥離領域17の表面および表
皮20の裏面の接着強度と、貼着固定領域18の表面お
よび表皮20の裏面の接着強度に差を付けるようになっ
ている。具体的には、前記パネル基材11における開放
剥離領域17の表面には、小なる接着力の接着剤40を
塗布すると共に、該パネル基材11における貼着固定領
域18の表面には、前記接着剤40よりも大なる接着力
の接着剤41を塗布する。
【0030】
【第4実施例の作用】第4実施例のインストルメントパ
ネル10は、パネル基材11の成形後に、該パネル基材
11の開放剥離領域17の表面に小なる接着力の接着剤
40を塗布すると共に、前記貼着固定領域18の表面に
該接着剤40より大なる接着力の接着剤41を均一に塗
布した後、真空成形を利用して前記表皮20を貼込むこ
とで製造される。これにより表皮20は、各接着剤4
0,41によりパネル基材11の表面全面に好適に貼着
される。なお、開放剥離領域17の表面および表皮20
の裏面の接着強度は、貼着固定領域18の表面および表
皮20の裏面の接着強度と比較して適宜小さくなってい
る。
【0031】そして第4実施例のインストルメントパネ
ル10では、前記エアバッグ装置53の作動により瞬間
的に膨張したエアバッグ56がエアバッグドア12を裏
側から押圧した際には、先ずパネル基材11における破
断予定部14に沿って破断が起こり、これにより乗員室
50側へ徐々に開放変位するエアバッグドア12の押圧
力によって、開放剥離領域17の表面と表皮20とが容
易に剥離するに至る。しかし、貼着固定領域18の表面
と表皮20との接着強度は大きいのでこの領域18に対
する該表皮20の剥離は起らず、開放剥離領域17の表
面から剥離した表皮20がエアバッグドア12の開放変
位に従って徐々に伸張されると、ついには該表皮20は
前記破断予定部21に沿って破断するに至る。これによ
りエアバッグドア12は、表皮20と開放剥離領域17
との剥離と、該表皮20の破断予定部21での破断によ
り、乗員室50側への開放が許容される。
【0032】このように、前記各実施例に係るインスト
ルメントパネル10では、パネル基材11に対する表皮
20の貼込みに際して、貼着固定領域18の表面および
表皮20の裏面の接着強度に対して、開放剥離領域17
の表面および表皮20の裏面の接着強度を適宜小さく設
定することにより、エアバッグドア12の乗員室50側
への容易な開放変位が許容される。これによりエアバッ
グ56は、エアバッグドア12の開放により画成された
展開開口部15を介して、乗員室50側へ瞬時に展開す
るに至る。
【0033】また、前記インストルメントパネル10の
製造方法では、パネル基材11の外表面部における開放
剥離領域17の表面および表皮20の裏面の接着強度
と、貼着固定領域18の表面および表皮20の裏面の接
着強度に差を付けるに際し、前記開放剥離領域17と貼
着固定領域18の各面粗度を変える方法や、接着特性の
異なる2種類の接着剤を使用する方法等が適宜採用され
る。そして、これら各製造方法では、大掛りな装置を必
要としないうえに、製造工程が大幅に増加することもな
いから、製造コストが嵩むことなく簡単に実施し得る。
なお、開放剥離領域17に対する接着剤の塗布方法と、
貼着固定領域18に対する接着剤の塗布方法を変えるこ
とにより、接着強度に差を付けるようにしてもよい。
【0034】なお前記実施例では、エアバッグドアを有
する表皮貼込み成形品としてインストルメントパネルを
例示したが、本願発明は、サイドドアの内側に設置され
るドアトリム(内張り部材)や、ピラー部に設置されるピ
ラーガーニッシュ等のエアバッグドアを有する表皮貼込
み成形品にも好適に対応し得る。
【0035】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るエアバ
ッグドアを有する表皮貼込み成形品によれば、基材の外
表面部を、エアバッグドアの外周端縁部と表皮の破断予
定部との間に位置する開放剥離領域とこれ以外の貼着固
定領域とに区分した際に、開放剥離領域の表面および表
皮の裏面の接着強度が、貼着固定領域の表面および該表
皮の裏面の接着強度よりも小さくなるよう設定した。こ
れによりエアバッグドアの開放時には、基材における開
放剥離領域と表皮とが容易に剥離するので該エアバッグ
ドアの開放が円滑に行われ、瞬間的に膨張するエアバッ
グが、展開開口部を介して乗員室側へスムーズに展開し
て、助手席乗員の保護に支障を来たさない有益な効果を
奏する。
【0036】また、別の発明に係るエアバッグドアを有
する表皮貼込み成形品の製造方法によれば、基材におけ
る外表面部の開放剥離領域の表面および表皮の裏面の接
着強度と、貼着固定領域の表面および該表皮の裏面の接
着強度に差を付けるに際し、前記開放剥離領域と貼着固
定領域の各面粗度を変える方法や、表面処理の施すが否
かによる方法等が適宜採用される。そして、これら各製
造方法では、大掛りな装置を必要としないうえに、製造
工程が大幅に増加することもないから、製造コストが嵩
むことなく簡単に実施し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例に係るエアバッグドア
を有する表皮貼込み成形品の要部を、該エアバッグドア
の開放前状態で示す側断面図である。
【図2】図1に示したエアバッグドアを有する表皮貼込
み成形品の要部を、該エアバッグドアが開放しエアバッ
グが乗員室へ展開した状態で示す側断面図である。
【図3】エアバッグドアを有する表皮貼込み成形品であ
るインストルメントパネルを、該エアバッグドアが開放
しエアバッグが乗員室へ展開した状態で示す要部斜視図
である。
【図4】本発明の第1実施例に係る表皮貼込み成形品に
おいて、基材における開放剥離領域およびその近傍の貼
着固定部分を、該基材と表皮を分離した状態で示す要部
拡大側断面図である。
【図5】第1実施例に係る表皮貼込み成形品において、
基材における貼着固定部分の表面に形成した凹凸模様の
大きさを示す説明図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る表皮貼込み成形品に
おいて、基材における開放剥離領域およびその近傍の貼
着固定部分を、該基材と表皮を分離した状態で示す要部
拡大側断面図である。
【図7】第2実施例に係る表皮貼込み成形品において、
(a)は基材における貼着固定領域の表面に形成した凹凸
模様の大きさを示し、(b)は該基材における開放剥離領
域の表面に形成した凹凸模様の大きさを示す説明図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例に係る表皮貼込み成形品に
おいて、基材における開放剥離領域およびその近傍の貼
着固定部分を、該基材と表皮を分離した状態で示す要部
拡大側断面図である。
【図9】本発明の第4実施例に係る表皮貼込み成形品に
おいて、基材における開放剥離領域およびその近傍の貼
着固定部分を、該基材と表皮を分離した状態で示す要部
拡大側断面図である。
【図10】エアバッグドアを有する表皮貼込み成形品で
あるインストルメントパネルの全体構成を示す概略斜視
図である。
【図11】図10に示したインストルメントパネルを、
乗員席前方の部位で破断した側断面図である。
【図12】図10に示したインストルメントパネルの乗
員席前方の部位を部分的に示す平面図であって、パネル
基材に形成した破断予定部と表皮に形成した破断予定部
との形状,サイズ等の仕様を示している。
【符号の説明】
11 パネル基材(基材) 12 エアバッグドア 12a 外周端縁部 17 開放剥離領域 18 貼着固定領域 20 表皮 21 破断予定部 25 平滑面 26 凹凸模様 28 接着剤 30 浅い凹凸模様 32 深い凹凸模様 34 接着剤 36 表面処理部 37 接着剤 40 接着剤 41 接着剤 50 乗員室 56 エアバッグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 文彦 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (72)発明者 鈴木 裕明 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB09 BB24 FF17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ(56)の瞬間的な膨張により乗
    員室(50)側へ開放するエアバッグドア(12)を所要位置に
    有する基材(11)と、表面に前記エアバッグドア(12)の開
    放により破断する溝状の破断予定部(21)が形成され、前
    記基材(11)に対して接着剤で貼込まれる表皮(20)とから
    なる表皮貼込み成形品において、前記破断予定部(21)
    は、前記エアバッグドア(12)の外周端縁部(12a)から所
    要間隔だけ外側に位置して、該エアバッグドア(12)を囲
    繞する形状およびサイズに設定され、前記基材(11)の外
    表面部を、前記外周端縁部(12a)および前記破断予定部
    (21)の間に位置する開放剥離領域(17)と、これ以外の貼
    着固定領域(18)とに区分した際に、前記開放剥離領域(1
    7)の表面に対する表皮(20)の裏面の接着強度が、前記貼
    着固定領域(18)の表面に対する該表皮(20)の裏面の接着
    強度よりも小さくなるよう設定し、これにより前記エア
    バッグドア(12)の開放時に、前記基材(11)における開放
    剥離領域(17)と表皮(20)とが容易に剥離して、該エアバ
    ッグドア(12)の円滑な開放を許容するよう構成したこと
    を特徴とするエアバッグドアを有する表皮貼込み成形
    品。
  2. 【請求項2】 前記基材(11)における開放剥離領域(17)
    の表面を平滑面(25)に形成すると共に、該基材(11)にお
    ける貼着固定領域(18)の表面に適宜の凹凸模様(26)を形
    成し、前記開放剥離領域(17)の面粗度を前記貼着固定領
    域(18)の面粗度よりも小さくすることで、接着剤(28)に
    よる前記開放剥離領域(17)の表面と表皮(20)の裏面との
    接着強度を、該接着剤(28)による前記貼着固定領域(18)
    の表面と該表皮(20)の裏面との接着強度より小さくなる
    よう設定した請求項1記載のエアバッグドアを有する表
    皮貼込み成形品。
  3. 【請求項3】 前記基材(11)における開放剥離領域(17)
    の表面に浅い凹凸模様(30)を形成すると共に、該基材(1
    1)における貼着固定領域(18)の表面に前記凹凸模様(30)
    より深い凹凸模様(32)を形成し、前記開放剥離領域(17)
    の面粗度を前記貼着固定領域(18)の面粗度よりも小さく
    することで、接着剤(34)による前記開放剥離領域(17)の
    表面と表皮(20)の裏面との接着強度を、該接着剤(34)に
    よる前記貼着固定領域(18)の表面と該表皮(20)の裏面と
    の接着強度より小さくなるよう設定した請求項1記載の
    エアバッグドアを有する表皮貼込み成形品。
  4. 【請求項4】 前記基材(11)の開放剥離領域(17)に表面
    処理を何も施さず、該基材(11)の貼着固定領域(18)にの
    み施した表面処理により表面処理部(36)を形成し、これ
    により接着剤(37)による前記開放剥離領域(17)の表面と
    表皮(20)の裏面との接着強度を、該接着剤(37)による前
    記貼着固定領域(18)の表面と該表皮(20)の裏面との接着
    強度より小さくなるよう設定した請求項1記載のエアバ
    ッグドアを有する表皮貼込み成形品。
  5. 【請求項5】 エアバッグ(56)の瞬間的な膨張により乗
    員室(50)側へ開放するエアバッグドア(12)を所要位置に
    有する基材(11)と、表面に前記エアバッグドア(12)の開
    放により破断する溝状の破断予定部(21)が形成され、前
    記基材(11)に対して接着剤で貼込まれる表皮(20)とから
    なる表皮貼込み成形品を製造するに際し、前記基材(11)
    の外表面部において、前記表皮(20)に形成した破断予定
    部(21)および前記エアバッグドア(11)の外周端縁部(12
    a)の間に位置する開放剥離領域(17)の表面を面粗度の小
    さな平滑面(25)に成形すると共に、前記開放剥離領域(1
    7)以外の貼着固定領域(18)の表面に面粗度の大きな適宜
    の凹凸模様(26)を成形し、次いで、前記開放剥離領域(1
    7)の表面および前記貼着固定領域(18)の表面全体に、接
    着剤(28)を均一に塗布した後に前記表皮(20)を貼込むこ
    とで、前記開放剥離領域(17)の表面および表皮(20)の裏
    面の接着強度が、前記貼着固定領域(18)の表面および該
    表皮(20)の裏面の接着強度よりも小さくなるようにした
    ことを特徴とするエアバッグドアを有する表皮貼込み成
    形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 エアバッグ(56)の瞬間的な膨張により乗
    員室(50)側へ開放するエアバッグドア(12)を所要位置に
    有する基材(11)と、表面に前記エアバッグドア(12)の開
    放により破断する溝状の破断予定部(21)が形成され、前
    記基材(11)に対して接着剤で貼込まれる表皮(20)とから
    なる表皮貼込み成形品を製造するに際し、前記基材(11)
    の外表面部において、前記表皮(20)に形成した破断予定
    部(21)および前記エアバッグドア(12)の外周端縁部(12
    a)の間に位置する開放剥離領域(17)の表面に面粗度の小
    さな浅い凹凸模様(30)を形成すると共に、前記開放剥離
    領域(17)以外の貼着固定領域(18)の表面に前記凹凸模様
    (30)よりも深くて面粗度の大きな凹凸模様(32)を成形
    し、次いで、前記開放剥離領域(17)の表面および前記貼
    着固定領域(18)の表面全体に、接着剤(34)を均一に塗布
    した後に前記表皮(20)を貼込むことで、前記開放剥離領
    域(17)の表面および表皮(20)の裏面の接着強度が、前記
    貼着固定領域(18)の表面および該表皮(20)の裏面の接着
    強度よりも小さくなるようにしたことを特徴とするエア
    バッグドアを有する表皮貼込み成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 エアバッグ(56)の瞬間的な膨張により乗
    員室(50)側へ開放するエアバッグドア(12)を所要位置に
    有する基材(11)と、表面に前記エアバッグドア(12)の開
    放により破断する溝状の破断予定部(21)が形成され、前
    記基材(11)に対して接着剤で貼込まれる表皮(20)とから
    なる表皮貼込み成形品を製造するに際し、前記基材(11)
    の外表面部において、前記表皮(20)に形成した破断予定
    部(21)および前記エアバッグドア(12)の外周端縁部(12
    a)の間に位置する開放剥離領域(17)に表面処理を何も施
    さず、前記開放剥離領域(17)以外の貼着固定領域(18)に
    所定の表面処理を施して表面処理部(36)を形成し、次い
    で、前記開放剥離領域(17)の表面および前記貼着固定領
    域(18)の表面全体に、接着剤(37)を均一に塗布した後に
    前記表皮(20)を貼込むことで、前記開放剥離領域(17)の
    表面および表皮(20)の裏面の接着強度が、前記貼着固定
    領域(18)の表面および該表皮(20)の裏面の接着強度より
    も小さくなるようにしたことを特徴とするエアバッグド
    アを有する表皮貼込み成形品の製造方法。
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