JPH11334490A - エアバッグドア部を有する車両内装部品及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグドア部を有する車両内装部品及びその製造方法

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JPH11334490A
JPH11334490A JP10139919A JP13991998A JPH11334490A JP H11334490 A JPH11334490 A JP H11334490A JP 10139919 A JP10139919 A JP 10139919A JP 13991998 A JP13991998 A JP 13991998A JP H11334490 A JPH11334490 A JP H11334490A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグ膨張時のエアバッグドアの開きが
一定かつスムーズとなり、しかも簡単かつ安価に製造で
きるエアバッグドアを有する車両内装部品及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 基材21と表面材31間にソフト層41
を有する少なくとも3層の積層成形品11からなってエ
アバッグドア部12の開裂予定部13が所定位置に形成
された車両内装部品10において、レーザ加工によって
前記開裂予定部が基材及びソフト層を通り表面材内ある
いは表面材表面まで貫通して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
部を有する車両内装部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年車両内装部品にエアバッグ装置が設
けられるようになった。例えば、インストルメントパネ
ルに用いられる車両内装部品おいては、その断面を示す
図11のように、助手席側に脆弱な開裂予定部61で区
画されるエアバッグドア部6262を設け、該エアバッ
グドア部62の裏側にエアバッグ装置70が設けられ
る。エアバッグ装置70はエアバッグ収容ケース(キャ
ニスター)71とその中に折り畳まれて収容されたエア
バッグ72とインフレータ73とよりなる。そして、車
両衝突時に、前記インフレータ73が作動してエアバッ
グ72が膨張し、そのエアバッグ72の膨張によってエ
アバッグドア部62が裏側から押されて脆弱な開裂予定
部61で破断し、エアバッグドア部62が車室内に開い
てエアバッグ72が車室内へ膨張展開する。
【0003】前記エアバッグドア部を有する車両内装部
品として、硬質樹脂等からなる基材63と樹脂シート等
からなる柔軟な表面材64との間にポリウレタン発泡体
等からなるソフト層65を有する少なくとも3層からな
る積層成形品66に開裂予定部61を形成したものが多
用されている。このソフト層65を有する車両内装部品
60においては、車両内装部品60の表面感触を良好に
できるのみならず、急ブレーキ等によって乗員の一部が
車両内装部品60にぶつかった際の衝撃を緩和できる利
点がある。なお、開裂予定部61は、エアバッグドア部
62をこの例のような両開きとする場合には略H字形と
され、また図示しない片開きとする場合には略U字形と
され、さらに場合によっては十字形に形成されることも
ある。
【0004】前記ソフト層65を有し、かつエアバッグ
ドア部62を有する車両内装部品の一般的な製造は、ス
ラッシュ成形や真空成形等により所定形状とした表面材
64の裏側にノッチ等からなる脆弱な表面材用開裂予定
部61aを形成し、他方基材63にはカッターやウォー
タージェット等の切断装置によってスリット状の開口を
基材用開裂予定部61bとして形成し、前記開裂予定部
を形成した基材63と表面材64間でソフト層65を発
泡成形したり、あるいはあらかじめ成形したソフト層6
5を前記開裂予定部形成後の基材63と表面材64間に
接着層を介して挟みプレス成形する等によってなされ
る。
【0005】しかし、前記製造方法による場合には、基
材63と表面材64とに別々に開裂予定部を形成しなけ
ればならず、作業が面倒な問題がある。さらに、前記ソ
フト層65が基材63と表面材64間に充填された液状
の発泡原料から形成される場合には、その発泡時に基材
63の開裂予定部61bのスリット等からソフト層の発
泡原料が漏出するため、その漏出防止用のシール部材を
基材63の開裂予定部61bに貼る等の処理が余分に必
要となる。しかも、前記の製造方法によって製造された
エアバッグドア部を有する車両内装部品60において
は、ソフト層65に開裂予定部が存在しないため、エア
バッグ72の膨張によって屈曲した基材61の開裂予定
部61b周縁で強引にソフト層65を分断させることに
なり、その開裂が一定しない問題がある。
【0006】また、特開平2−99324号公報には、
基材と緩衝材と表皮材が順次積層された内装部品の製造
方法として、基材の少なくともエアバッグドアを形成す
べき部分をヒンジで開閉可能とした透明材料からなるド
ア基材で構成し、基材側から透明材料を通してYAGレ
ーザ光を照射することによって、前記ドア基材を除いて
緩衝材または緩衝材と表皮材とにノッチを形成する技術
が提案されている。しかし、このYAGレーザを使用す
るものにあっては、YAGレーザが透明樹脂からなるド
ア基材を切断しないため、基材のエアバッグドア部分と
なる位置に開口を形成して該開口に透明材料からなるド
ア基材を開閉可能にヒンジで取り付けねばならず、製造
作業が面倒で、製品価格が高くなる問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、エアバッグ膨張時のエアバッグド
アの開きが一定かつスムーズとなり、しかも簡単かつ安
価に製造できるエアバッグドアを有する車両内装部品及
びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】エアバッグドア部を有す
る車両内装部品に係る発明として、請求項1ないし請求
項5の発明を開示する。請求項1の発明は、基材と表面
材間にソフト層を有する少なくとも3層の積層成形品か
らなってエアバッグドア部の開裂予定部が所定位置に形
成された車両内装部品において、レーザ加工によって前
記開裂予定部が基材及びソフト層を通り表面材内あるい
は表面材表面まで貫通して形成されていることを特徴と
するエアバッグドア部を有する車両内装部品に係る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において、レ
ーザ加工により形成された開裂予定部が破線状の断続し
たものからなることを特徴とし、請求項3の発明は、請
求項1または2において、開裂予定部で基材が薄くなっ
ていることを特徴とする。また、請求項4の発明は、請
求項1ないし3のいずれかにおいて、開裂予定部で基材
が表面材側へ屈曲してソフト層が薄くなっていることを
特徴とし、請求項5の発明は、請求項1または2におい
て、基材があらかじめ開裂予定部で開口したものからな
って、該基材とソフト層と表面材が一体となった少なく
とも3層の積層成形品に対してレーザ加工により基材か
らソフト層及び表面材内あるいは表面材表面まで貫通し
た開裂予定部が形成されていることを特徴とする。
【0010】また、エアバッグドア部を有する車両用内
装部品の製造方法に係る発明として、請求項6ないし請
求項10の発明を開示する。請求項6の発明は、基材と
表面材間にソフト層を有する少なくとも3層の積層成形
品を成形した後、前記積層成形品の所定位置にエアバッ
グドア部の開裂予定部を形成することによりエアバッグ
ドア部を有する車両内装部品を製造する方法において、
前記積層成形品の成形後、レーザ加工によって前記基材
及びソフト層を通り表面材内あるいは表面材表面まで貫
通した開裂予定部を形成することを特徴とするエアバッ
グドア部を有する車両内装部品の製造方法に係る。
【0011】請求項7の発明は、請求項6において、基
材の開裂予定部となる部分にあらかじめ薄肉部を形成し
ておき、該薄肉部の位置でレーザ加工することを特徴と
し、請求項8の発明は、請求項6または7において、基
材の開裂予定部となる部分にあらかじめ表面材側へ屈曲
する屈曲部を形成して該屈曲部と表面材間のソフト層を
薄く形成しておき、前記基材の屈曲部の位置でレーザ加
工することを特徴とする。また、請求項9の発明は、請
求項6において、基材の開裂予定部となる部分にあらか
じめ開口部を形成しておき、該基材の開口部位置でレー
ザ加工することを特徴とする。さらに請求項10の発明
は、請求項6ないし8のいずれかにおいて、レーザ加工
を、基材に対してレーザ加工する第1工程とその後にソ
フト層及び表面材に対してレーザ加工する第2工程との
2段階で行うことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を用いてこの発明
を詳細に説明する。図1は、請求項1の発明の一実施例
に係るインストルメントパネルの斜視図、図2は図1の
A−A断面図、図3は図1のB―B断面図、図4は他の
実施例について図1のB−Bと同位置の断面図、図5は
請求項2の発明の実施例について図1のB−Bと同位置
の断面図、図6は請求項3の発明の一実施例について図
1のA−Aと同位置の断面図、図7は請求項4の発明の
一実施例について図1のA−Aと同位置の断面図、図8
は請求項4の発明の他実施例について図1のA−Aと同
位置の断面図、図9は請求項5の発明の一実施例につい
て図1のA−Aと同位置の断面図、図10は開裂予定部
の形成時の不具合を示す断面図である。
【0013】図1及びそのA−A断面図である図2、B
−B断面図である図3に示すインストルメントパネル1
0は、請求項1の発明に係るエアバッグドア部を有する
車両内装部品(以下車両内装部品とする)の一実施例
で、請求項6に係る発明によって製造されたものであ
る。なお、記載の重複を防いで理解を容易とするため、
インストルメントパネル10をその製造方法と共に説明
する。
【0014】図示のインストルメントパネル10は、基
材21と、表面材31との間にソフト層41を有する少
なくとも3層の積層成形品11からなって助手席側にエ
アバッグドア部12が設けられている。このインストル
メントパネル10のエアバッグドア部12の裏側には図
11に示したのと同様のエアバッグ装置が取り付けら
れ、エアバッグの膨張によってエアバッグドア12が車
室内側へ押し開かれて、エアバッグが車室内に展開する
ようにされる。
【0015】基材21は、このインストルメントパネル
10の形状保持や車体への取り付け等のためのもので、
所要の剛性を有する硬質プラスチック等からなり、射出
成形等によって所要形状にされている。基材21の材質
は適宜選択されるが、例として、ポリプロピレン(P
P)、無機質添加ポリプロピレン(PPF)、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等を
挙げる。この例では、基材21のエアバッグドア部12
の裏側周縁位置に、エアバッグ収容ケースを取り付ける
ための略L形の取り付け金具22がボルト及びナットか
らなる固定部品23で固定されている。なお、前記取り
付け金具22に代えて基材21の射出成形時にリブ状の
取り付け部を基材21裏面に立設してもよい。
【0016】表面材31は、インストルメントパネル1
0の表面を構成するもので、スラッシュ成形または真空
成形等により所要形状とされた樹脂製のものが用いられ
る。表面材31の材質は適宜決定されるが、例として軟
質塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、熱可塑性ポリウレタ
ン(TPU)、ポリオレフィン系樹脂等を挙げる。
【0017】ソフト層41は、このインストルメントパ
ネル10の表面感触を良好とすると共に、インストルメ
ントパネル10表面に乗員がぶつかった際の衝撃緩和等
を目的として設けられるもので、ポリウレタン、ポリオ
レフィン等の発泡体、あるいはファイバーや不織布等の
緩衝材等からなる。なお、前記基材21や表面材31及
びソフト層41は各々1層のものに限定されず、2層以
上のもので構成されていてもよい。また、インストルメ
ントパネル10を構成する前記積層成形品11は、基材
21、表面材31及びソフト層41以外の他の層を含ん
でもよい。
【0018】前記基材21とソフト層31と表面材41
とからなる積層成形品11は、公知の積層成形品の製造
方法によって得られる。例えば、発泡成形品の製造方法
として多用されているモールド発泡成形による場合に
は、所要形状とした前記基材21及び表面材31を、イ
ンストルメントパネル形状のキャビティを有する発泡成
形型(図示せず)内に配置し、その発泡成形型の基材2
1と表面材31間にポリウレタン発泡原料を充填してポ
リウレタン発泡体からなる前記ソフト層41を発泡成形
し、その際に基材21及び表面材31と一体化し、その
後脱型すればよい。また、プレス成形による場合には、
前記基材21と表面材31間に接着剤を介してソフト層
41を配置し、所要形状のプレス型でプレスすることに
よって前記基材21とソフト層41と表面材31とを接
着することにより得られる。
【0019】前記基材21とソフト層41と表面材31
とからなってインストルメントパネル形状とされた積層
成形品11には、助手席側の所要位置にエアバッグドア
部12が設けられる。このエアバッグドア部12は開裂
予定部13によって区画されている。この開裂予定部1
3は、エアバッグ膨張時のエアバッグドア部12裏側の
押圧によって迅速に破断してスムーズにエアバッグドア
部12が開くようにするための強度低下部で、この例の
ような略H字形あるいは図示しない略U字形または十字
形等に形成されている。
【0020】前記開裂予定部13は基材21とソフト層
41と表面材31が積層された積層成形品11に対し
て、その基材21側からレーザ加工することによって形
成され、この例では基材21からソフト層41を通って
表面材31内に至る多数の貫通穴14が線状に配列され
たもので構成される。このようなレーザ加工によって基
材21から表面材31まで開裂予定部13が形成される
ため、その成形が容易で、製品コストが安価となる。レ
ーザ加工は、公知の方法で行われ、レーザの種類として
はYAGレーザやCOレーザが好適であり、また発振
形式はパルス式でも連続式でもよい。YAGレーザで加
工する場合、基材21は少なくとも開裂予定部となる位
置、すなわちレーザ加工する部分が所望の色に着色され
たものとされる。なお、前記開裂予定部13は、図4に
示すように、貫通穴14が表面材31の表面まで貫通し
たもの、あるいは図5に示すように幅広の破線状のもの
でもよい。
【0021】図6は請求項3の発明の一実施例に係るイ
ンストルメントパネル10Aの開裂予定部13Aの断面
図である。このインストルメントパネル10Aは請求項
7の発明に従って製造されたもので、前記実施例と同様
に基材21Aと表面材31A間にソフト層41Aが積層
された積層成形品11Aに対し、助手席側の所定位置に
おいて基材21A側からレーザ加工することによってエ
アバッグドア部12Aのための開裂予定部13Aが略H
字形に形成されている。
【0022】このインストルメントパネル10Aにおい
ては、基材21Aが、開裂予定部13Aとされる部分で
あらかじめ薄肉部24Aとされ、その薄肉部24Aでレ
ーザ加工がなされて開裂予定部13Aが形成されてい
る。このように、基材21Aの薄肉部24Aでレーザ加
工をする利点は次の通りである。すなわち、図10に示
す参考例のように、積層成形材111の硬い基材211
から柔らかいソフト層411を通って表面材311に至
るレーザ加工を行うと、ソフト層411にはレーザ光の
通過部分が溶けて大なる空洞421を生じ易く、そのソ
フト層411の空洞421によって、表面材311に鎖
線のように陥没部321が発生してインストルメントパ
ネルの101の外観が損なわれたり、その陥没部321
の表面感触が損なわれことが往々にしてある。このソフ
ト層411の空洞の発生を確実に防ぐのは容易ではな
く、もし可能としてもレーザ光の精確かつ複雑な制御が
必要となると考えられ、インストルメントパネルの製造
費用が嵩む問題が発生する。それに対して、この例のよ
うに基材21Aのレーザ加工する部分を薄肉部24Aと
しておけば、その薄肉部24Aでは弱いレーザ光あるい
は短時間のレーザ照射で加工できるようになるため、ソ
フト層41Aが溶融して大なる空洞を生じるのを防ぐこ
とができる。
【0023】図7に示すインストルメントパネル10B
は、請求項4の発明の一実施例に係るもので、請求項8
の発明の実施によって製造されたものである。このイン
ストルメントパネル10Bは、開裂予定部13Bの位置
で、基材21Bに表面材31B側へ屈曲する屈曲部25
Bが形成され、それにより基材21Bの屈曲部25Bと
表面材31B間が他部よりも薄肉部分42Bとされてい
る。そして前記基材21Bの屈曲部25B及びソフト層
41Bの薄肉部分42Bを通るようにレーザ加工がなさ
れて開裂予定部13Bが形成されている。このように、
レーザ加工位置でソフト層41Bの厚みを薄くしている
ため、ソフト層41Bではレーザ光による影響が少なく
なって、大なる空洞を生じるのを防ぐことができる。符
号11Bは積層成形品、12Bはエアバッグドア部を示
す。
【0024】また、前記基材21Bの屈曲部25Bは、
図8に示す基材21Cの屈曲部25Cのように、薄肉と
するのがより好ましい。そうすれば、レーザ光の強度を
低下させて開裂予定部13Cを形成できるため、ソフト
層41Cにレーザ加工による大なる空洞の発生をより生
じ難くでき、良好な外観及び表面感触のインストルメン
トパネル10Cが得られるようになる。この場合におけ
るソフト層41Cの薄肉部分42Cの厚みは、基材21
Cの材質や厚み等によって異なるが、一例として、基材
21Cがポリプロピレンからなって薄肉屈曲部25Cの
厚みが1mm、ソフト層41Cがポリウレタン発泡体か
らなって前記薄肉部分42Cの厚みが3mm以下のもの
を挙げる。符号11Cは積層成形品、12Cはエアバッ
グドア部、31Cは表面材を示す。
【0025】図9に示すインストルメントパネル10D
は、請求項5の発明の一実施例に係るもので、請求項9
の発明の実施によって製造されたものである。このイン
ストルメントパネル10Dにおいては、基材21Dの開
裂予定部13Dとされる部分にあらかじめスリット状の
開口部26Dが形成されていて、その開口部26Dの位
置で基材21D側からレーザ加工することによって基材
21Dからソフト層41Dを通って表面材31Dに至る
開裂予定部13Dが形成されている。この例によれば、
レーザ加工位置には基材21Dが存在しないため、レー
ザ加工の条件をソフト層41D及び表面材31Dに合わ
せて行うことができ、ソフト層41Dに大なる空洞を生
じるのを防ぐことができる。符号11Dは積層成形品、
12Dはエアバッグドア部を示す。
【0026】なお、前記図1ないし図8の実施例におけ
るレーザ加工は、一段階で基材側から表面材まで加工せ
ず、レーザ光の調節等により、まず積層成形品の基材の
みにレーザ加工を施す第1工程によって基材用開裂予定
部を形成し、その後に基材用開裂予定部の位置でソフト
層と表面材に対してレーザ加工を施す第2工程によって
ソフト層用及び表面材用の開裂予定部を形成する2段階
の工程で行ってもよい。そうすれば、基材をレーザ加工
する際にソフト層までレーザ加工の影響が及ばないた
め、ソフト層に大なる空洞が生じるのを防止できる。
【0027】また、前記説明においてはインストルメン
トパネルを例にして記載したが、この発明はインストル
メントパネルに限定されるものではなく、エアバッグド
アを有する各種の車両内装部品及びその製造方法に適用
されるものである。
【0028】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に
よれば、レーザ加工によって基材からソフト層を通って
表面材に至る開裂予定部を形成するため、従来のように
基材及び表面材のみに開裂予定部を形成したものと異な
り、エアバッグ膨張時の押圧で基材とソフト層及び表面
材が迅速にしかも一定位置で破断するようなり、エアバ
ッグドアのスムーズかつ一定した開きを実現できるよう
になる。しかも、レーザ加工によって、基材から表面材
に至る開裂予定部を形成できるため、その開裂予定部の
形成作業が簡単となり、安価な車両内装部品が得られる
ようになる。
【0029】前記効果に加え、請求項3ないし5の発明
及び請求項7ないし10の発明においては、レーザ加工
時にソフト層に大なる空洞を生じ難くできるため、車両
内装部品の開裂予定部で表面外観や感触が損なわれるの
を防止することができる。しかも、前記ソフト層の空洞
防止のためにレーザ加工装置の制御が面倒になったり、
装置が複雑になることがない。従って、外観や表面感触
が良好で、エアバッグドアの開きがスムーズかつ一定な
車両内装部品を簡単かつ安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例に係るインストルメ
ントパネルの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB―B断面図である。
【図4】他の実施例について図1のB−Bと同位置の断
面図である。
【図5】請求項2の発明の一実施例について図1のA−
Aと同位置の断面図である。
【図6】請求項3の発明の一実施例について図1のA−
Aと同位置の断面図である。
【図7】請求項4の発明の一実施例について図1のA−
Aと同位置の断面図である。
【図8】請求項4の発明における他の実施例について図
1のA−Aと同位置の断面図である。
【図9】請求項5の発明の一実施例について図1のA−
Aと同位置の断面図である。
【図10】開裂予定部形成時の不具合を示す断面図であ
る。
【図11】従来のエアバッグドア部を有するインストル
メントパネルの断面図である。
【符号の説明】
11,11A,11B,11C,11D:積層成形品 12,12A,12B,12C,12D:エアバッグド
ア部 13,13A,13B,13C,13D:開裂予定部 21,21A,21B,21C,21D:基材 24A:基材の薄肉部 25B:基材の屈曲部 25C:基材の薄肉屈曲部 26D:基材の開口部 31,31A,31B,31C,31D:表面材 41,41A,41B,41C,41D:ソフト層 42B,42C:ソフト層の薄肉部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と表面材間にソフト層を有する少な
    くとも3層の積層成形品からなってエアバッグドア部の
    開裂予定部が所定位置に形成された車両内装部品におい
    て、 レーザ加工によって前記開裂予定部が基材及びソフト層
    を通り表面材内あるいは表面材表面まで貫通して形成さ
    れていることを特徴とするエアバッグドア部を有する車
    両内装部品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、レーザ加工により形
    成された開裂予定部が破線状の断続したものからなるこ
    とを特徴とするエアバッグドア部を有する車両内装部
    品。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、開裂予定部
    で基材が薄くなっていることを特徴とするエアバッグド
    ア部を有する車両内装部品。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    開裂予定部で基材が表面材側へ屈曲してソフト層が薄く
    なっていることを特徴とするエアバッグドア部を有する
    車両内装部品。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、基材があら
    かじめ開裂予定部で開口したものからなって、該基材と
    ソフト層と表面材が一体となった少なくとも3層の積層
    成形品に対してレーザ加工により基材からソフト層及び
    表面材内あるいは表面材表面まで貫通した開裂予定部が
    形成されていることを特徴とするエアバッグドア部を有
    する車両内装部品。
  6. 【請求項6】 基材と表面材間にソフト層を有する少な
    くとも3層の積層成形品を成形した後、前記積層成形品
    の所定位置にエアバッグドア部の開裂予定部を形成する
    ことによりエアバッグドア部を有する車両内装部品を製
    造する方法において、 前記積層成形品の成形後、レーザ加工によって前記基材
    及びソフト層を通り表面材内あるいは表面材表面まで貫
    通した開裂予定部を形成することを特徴とするエアバッ
    グドア部を有する車両内装部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、基材の開裂予定部と
    なる部分にあらかじめ薄肉部を形成しておき、該薄肉部
    の位置でレーザ加工することを特徴とするエアバッグド
    ア部を有する車両内装部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、基材の開裂
    予定部となる部分にあらかじめ表面材側へ屈曲する屈曲
    部を形成して該屈曲部と表面材間のソフト層を薄く形成
    しておき、前記基材の屈曲部の位置でレーザ加工するこ
    とを特徴とするエアバッグドア部を有する車両内装部品
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6において、基材の開裂予定部と
    なる部分にあらかじめ開口部を形成しておき、該基材の
    開口部位置でレーザ加工することを特徴とするエアバッ
    グドア部を有する車両内装部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし8のいずれかにおい
    て、レーザ加工を、基材に対してレーザ加工する第1工
    程とその後にソフト層及び表面材に対してレーザ加工す
    る第2工程との2段階で行うことを特徴とするエアバッ
    グドア部を有する車両内装部品の製造方法。
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