JP2019111742A - 樹脂成形品の製造方法及び成形装置 - Google Patents

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武司 松岡
Takeshi Matsuoka
武司 松岡
尊信 吉田
Takanobu Yoshida
尊信 吉田
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Abstract

【課題】成形面に凹部又は/及び凸部を有する場合であっても、表皮材の伸びによる破れを抑制し、意匠性に優れた樹脂成形品を提供する。【解決手段】樹脂成形品10の製造方法は、意匠面10Aを成形する成形面40Aに凸部41と凹部42の少なくとも一方を有する一対の成形型31,40の間で樹脂成形品10を成形する方法であって、表皮材20を配置する配置工程と、一対の成形型31,40を開いた状態で、配置された表皮材20の一部を一対の成形型31,40の少なくとも一方から突き出される突き出し部50により押圧又は吸引し、表皮材20を成形面40Aに沿って予め賦形する予備賦形工程と、表皮材20が成形面40Aに沿って賦形された状態で、一対の成形型31,40を型閉じする型閉じ工程と、賦形された表皮材20の裏面20B側に溶融樹脂37を射出して、表皮材20と一体的に樹脂成形品10を成形する成形工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法及び成形装置に関する。
表皮材と熱可塑性樹脂を貼合一体化した積層体の製造方法として、下記特許文献1のものが知られている。特許文献1に開示の構成では、23℃における100%モジュラス(M100)が20〜60kg/cmであり、且つ金型面との摩擦抵抗(tanδ)が1.0以下であるオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに発泡層が裏打ちされてなる表皮材を未閉鎖の雌雄金型間に配設し、該発泡層と雌又は雄金型間に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、雌雄金型を合わせて表皮材と熱可塑性樹脂を貼合一体化することが記載されている。そして、このような製造方法によれば、発泡層を裏打ちした表皮材と熱可塑性樹脂溶融体とを金型内で貼合一体化するにあたって、表面外観が良好で破れ等のないものを得ることができると記載されている。
特開平4−73112号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、表皮材の材質及び性状が上記のものに制限されるため、多様な表皮材を用いることができず、問題がある。このため、成形面に凹部又は/及び凸部を有する場合であっても、表皮材の材質や性状によらず、表皮材の伸びによる破れを抑制する技術が求められている。
本明細書によって開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、成形面に凹部又は/及び凸部を有する場合であっても、表皮材の伸びによる破れを抑制し、意匠性に優れた樹脂成形品を提供することを目的とする。
本明細書によって開示される樹脂成形品の製造方法は、意匠面を成形する成形面に凸部と凹部の少なくとも一方を有する、互いに開閉可能な一対の成形型の間で、前記意匠面に表皮材を備えた樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法であって、前記一対の成形型を開いた状態で、前記一対の成形型の間に前記表皮材を配置する配置工程と、前記一対の成形型を開いた状態で、配置された前記表皮材の一部を前記一対の成形型の少なくとも一方から突き出される突き出し部により押圧又は吸引し、前記表皮材を前記成形面に沿って予め賦形する予備賦形工程と、前記表皮材が前記成形面に沿って賦形された状態で、前記一対の成形型を型閉じする型閉じ工程と、前記一対の成形型を閉じた状態で、賦形された前記表皮材の裏面側に溶融樹脂を射出して、前記表皮材と一体的に前記樹脂成形品を成形する成形工程と、を備える。
また、本明細書によって開示される成形装置は、意匠面に表皮材を備えた樹脂成形品を成形するための成形装置であって、前記意匠面を成形する成形面に凸部と凹部の少なくとも一方を有する、互いに開閉可能な一対の成形型と、前記一対の成形型を開いた状態で、前記一対の成形型の少なくとも一方から突き出され、前記表皮材の一部を押圧又は吸引するように構成された突き出し部と、前記一対の成形型を閉じた状態で、賦形された前記表皮材の裏面側に溶融樹脂を射出する樹脂射出部と、を備える。
これらのような構成によれば、成形面が凹部又は/及び凸部を有する場合であっても、予備賦形工程を行うことにより、仮に予備賦形されていない略平坦な表皮材を一対の成形型の型閉じに伴い、成形面に沿う形とする場合に比べて、表皮材がその伸び量以上に伸ばされ難く、表皮材が破れる事態を生じ難くすることができる。
上記の樹脂成形品の製造方法において、前記配置工程では、所定の方向において前記表皮材の一端部を前記一対の成形型に対して位置決めするとともに、他端部を前記一対の成形型に対して前記所定の方向に移動可能とし、前記予備賦形工程では、複数の前記突き出し部を用いて、前記表皮材の前記一端部側に配された前記突き出し部から順次に前記表皮材の一部を押圧又は吸引して、前記表皮材の他端部側を前記一端部側に引き込みつつ前記成形面に沿って賦形するようにしてもよい。
上記の成形装置において、前記一対の成形型の間に配置された前記表皮材の一端部を前記一対の成形型に対して位置決めする位置決め部を更に備え、前記突き出し部が複数設けられ、前記表皮材の前記一端部側に配された前記突き出し部から順次に前記表皮材の一部を押圧又は吸引するように構成してもよい。
これらのような構成によれば、成形面が複雑な凹凸形状を有する場合であっても、表皮材を他端部側から引き込みつつ一端部側から順次に賦形することができ、表皮材をより一層複雑な形状に賦形することができる。
上記の樹脂成形品の製造方法において、前記予備賦形工程では、配置された前記表皮材の一部を一の前記突き出し部により押圧し、前記表皮材の他の一部を他の前記突き出し部により吸引してもよい。
上記の成形装置において、前記表皮材の一部を押圧する一の前記突き出し部と、前記表皮材の他の一部を吸引する他の前記突き出し部とを有していてもよい。
これらのような構成によれば、成形面が複雑な凹凸形状を有する場合であっても、一の突き出し部により押圧し、他の突き出し部により吸引することにより、表皮材をより一層複雑な形状に賦形することができる。
本明細書によって開示される技術によれば、成形面に凹部又は/及び凸部を有する場合であっても、表皮材の伸びによる破れを抑制し、意匠性に優れた樹脂成形品を提供することができる。
一実施形態に係る配置工程時の成形装置を示す断面図 予備賦形工程において表皮材の上部を賦形する際の成形装置を示す断面図 予備賦形工程において表皮材の中央部を賦形する際の成形装置を示す断面図 予備賦形工程において表皮材の下部を賦形する際の成形装置を示す断面図 成形工程時の成形装置を示す断面図 脱型された樹脂成形品を示す断面図
一実施形態を図1ないし図6によって説明する。本実施形態では、ドアトリム(乗物用内装材)を構成する樹脂成形品10の製造方法及びその成形装置30について説明する。
樹脂成形品10は、図6に示されるように、意匠面10Aに凹部11と凸部12とを有している。具体的には、樹脂成形品10は、板状をなし、一方の板面が車室内に臨む意匠面10Aとされ、他方の板面が裏面10Bとされている。樹脂成形品10は、平板状の部材の一端部と他端部を裏面10B側に向けて折り曲げ、中央部を裏面側に向けて凹ませたような立体的な形状を有している。そして、樹脂成形品10は、意匠面10Aに、一端側から他端側にかけて凸部12、凹部11、凸部12が連なるような凹凸形状を有している。
樹脂成形品10は、図6に示されるように、意匠面10Aに表皮材20を備えている。具体的には、樹脂成形品10は、板状の基材15と、基材15の車室内側の板面を覆う表皮材20とを備えて構成されている。基材15は、例えばポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)等の熱可塑性樹脂によって形成されている。
表皮材20は、図6に示されるように、樹脂成形品10の意匠面10Aを構成する。表皮材20は、例えば、ファブリック、合成皮革、合成樹脂製シートなどの可撓性を有するシート状部材で形成されている。表皮材20は、これらのシート状部材の裏面がクッション層や、非通気層等の各種機能層により裏打ちされた構成であってもよい。以下の説明では、表皮材20の所定の方向(本実施形態では図6に示す上下方向)における一方(上方)の端部を一端部21Aと称し、他方(下方)の端部を他端部21Bと称する。表皮材20において、樹脂成形品10を覆う領域における一端部21A側の周端部22Aと、他端部21B側の周端部22Bの間の長さ寸法をL1とする。
表皮材20は、所定の伸び率を有している。伸び率は、例えば、成形前の表皮材20から切り出した引張り試験片の当初の標点距離をL、破断後の同距離をLとするとき、次の式で与えられるものとすることができる。本実施形態では、図1に示す上下方向における表皮材20の伸び率を10%として説明する。なお、引張り試験により算出される表皮材20の伸び率と、成形装置30により樹脂成形品10を成形する際の表皮材20の伸び率とは完全に一致するものではないが、相関関係を有しており、以下の説明では、これらを同等のものとして説明する。
伸び率(%)={(L−L)/L}×100
続いて、樹脂成形品10の成形装置30について説明する。成形装置30は、図1に示されるように、互いに開閉可能な一対の成形型である固定型31及び可動型40と、表皮材20の一部を押圧又は吸引するように構成された突き出し部50と、溶融樹脂37を射出する樹脂射出部36と、を備えている。また、本実施形態では、固定型31及び可動型40の間に配置された表皮材20の一端部21Aを固定型31及び可動型40に対して位置決めする位置決め部34を更に備えている。
固定型31及び可動型40は、図1に示されるように、水平方向に並んで配され、可動型40が固定型31に対して近接又は離間することで、開閉可能な構成となっている。固定型31は、主として、樹脂成形品10の裏面10B側を成形するものであり、全体としては成形面31Aの中央部分が凸状に盛り上がった形をなし、その盛り上がった部分の突出面が凹んだ形をなしている。可動型40は、主として、樹脂成形品10の意匠面10A側を成形するものであり、全体としては成形面40Aの中央部分が凹状に窪んだ形をなし、その窪んだ部分の底面が一部突出した形をなしている。固定型31及び可動型40は、相互に嵌合可能な形状を有しており、型閉じすることで所定の幅寸法を有するキャビティCが形成される(図5参照)。
可動型40は、図4及び図5に示されるように、意匠面10Aを成形する成形面40Aに凸部41と凹部42を有している。凸部41及び凹部42は、その反転した形状が樹脂成形品10の意匠面10Aの凹部11及び凸部12となるように形成されている。可動型40は、固定型31との分割面と成形面40Aとの間に位置する角部44A,44Bが、樹脂成形品10における表皮材20の周端部22A,22Bと対応する位置に配されている。そして、表皮材20における角部44A,44Bが当接する位置は、表皮材20が可動型40に対して係止される位置とされる。つまり、角部44A,44Bが表皮材20に当接すると、表皮材20が角部44A,44Bの内側に滑り込み難くなり、表皮材20の可動型40に対する移動がロックされた状態となる。
固定型31は、図1に示されるように、成形面31Aに、突き出し部50を収容する収容凹部31Bを有している。収容凹部31Bには、突き出し部50を進退させるためのピンを挿通させるピン挿通孔31Cが連通して形成されている。収容凹部31Bは、可動型40の成形面40Aの形状や表皮材20の大きさに応じて、成形面31Aに分散して複数設けられている。
突き出し部50は、図2から図4に示されるように、固定型31と可動型40を開いた状態で、固定型31から突き出される構成とされている。本実施形態では、突き出し部50として、表皮材20の一部を押圧する第1突き出し部50A,50C(一の突き出し部)と、表皮材20の他の一部を吸引する第2突き出し部50B(他の突き出し部)とを有する成形装置30を例示する。成形装置30は、表皮材20の一端部21A側から順に第1突き出し部50A、第2突き出し部50B、第1突き出し部50Cが配されており、これらを区別する場合には、符号の末尾にそれぞれ「A」「B」「C」を付し、互いに区別しない場合には単に突き出し部50と称する。
突き出し部50には、図2から図4に示されるように、アクチュエーター53(エアシリンダーや油圧シリンダー等)がそれぞれ取り付けられている。そして、突き出し部50は、突出先端面51が成形面31Aと面一状をなす成形位置と、成形位置から可動型40に近づく方向に変位した突出位置との間で、それぞれ変位可能とされている。
第1突き出し部50A,50Cは、図2及び図4に示されるように、可動型40の凹部42,42と対応する位置に設けられている。第1突き出し部50A,50Cは、固定型31及び可動型40を開いた状態で、成形面40Aの凹部42,42内に至る位置まで突き出し可能な構成となっている。
第2突き出し部50Bは、図3に示されるように、固定型31において、可動型40の凸部41と対応する位置に設けられている。第2突き出し部50Bは、固定型31及び可動型40を開いた状態で、成形面40Aの凸部41の先端付近、詳細には、後述する表皮材20の中央部25の位置まで突き出し可能な構成となっている。また、第2突き出し部50Bは、表皮材20を吸引する吸引手段55を備えている。吸引手段55は、第2突き出し部50Bの突出先端面51に開口する吸引口55Aと、第2突き出し部50B内に穿設された排気路55Bとを有し、排気路55Bが外部の吸引ポンプ55Cとを接続されている。
位置決め部34は、図1に示されるように、表皮材20の一端部21A側を把持する第1把持部34Aにより構成されている。第1把持部34Aは、可動型40の成形面40Aと固定型31の成形面31Aとの間において、可動型40の成形面40Aの上方に配されている。本実施形態では、可動型40の成形面40Aの下方には、表皮材20の他端部21B側を把持する第2把持部34Bが設けられている。第2把持部34Bは、締め付けた状態では、表皮材20の他端部21Bを固定型31及び可動型40に対して位置決めし、緩めた状態では、表皮材20の他端部21Bを上方に送り出し可能な状態で把持するように構成されている。
樹脂射出部36は、図5に示されるように、固定型31及び可動型40を閉じた状態で、賦形された表皮材20の裏面20B側に溶融樹脂37を射出するように構成されている。樹脂射出部36は、固定型31側に装着され、そのノズル36Aから溶融樹脂37が射出され、キャビティC内に注入可能とされている。
続いて、本実施形態の樹脂成形品10の製造方法について説明する。樹脂成形品10の製造方法は、表皮材20を配置する配置工程と、表皮材20賦形する予備賦形工程と、固定型31及び可動型40を型閉じする型閉じ工程と、成形工程と、を備えている。この樹脂成形品10は、上述した成形装置30を用いて製造される。
配置工程では、図1に示されるように、固定型31及び可動型40を開いた状態で、固定型31及び可動型40の間に表皮材20を配置する。この際、第1突き出し部50A,50C及び第2突き出し部50Bは成形位置に位置している。本実施形態では、配置工程では、上下方向における表皮材20の一端部21Aを固定型31及び可動型40に対して位置決めするとともに、他端部21Bを固定型31及び可動型40に対して上下方向に移動可能とする。具体的には、配置工程では、可動型40と固定型31の間において、表皮材20の一端部21Aを第1把持部34Aで把持するとともに、他端部21B側の第2把持部34Bを緩めて、表皮材20の他端部21B側が鉛直方向下方に垂れ下がった状態とする。
予備賦形工程では、図2から図4に示されるように、固定型31及び可動型40を開いた状態で、配置された表皮材20の一部を固定型31から突き出される突き出し部50により押圧又は吸引し、表皮材20を成形面40Aに沿って予め賦形する。本実施形態の予備賦形工程では、複数の突き出し部50を用いて、表皮材20の一端部21A側に配された突き出し部50から順次に表皮材20の一部を押圧又は吸引して、表皮材20の他端部21B側を一端部21A側に引き込みつつ成形面40Aに沿って賦形する、以下、予備賦形工程を手順に沿って説明する。
まず、図2に示されるように、表皮材20の一端部21A側に配された第1突き出し部50Aのアクチュエーター53を駆動して、低推力で第1突き出し部50Aを成形位置から突出位置に変位させる。すると、表皮材20における第1突き出し部50Aと対応する位置に配された上部24(一部)が、第1突き出し部50Aに押圧される。この際、表皮材20の一端部21Aは第1把持部34Aにより位置決めされた状態とされるが、他端部21Bは第2把持部34Bに緩く(移動可能に)把持されており、表皮材20は他端部21B側が上方に送られるようにして上側の凹部42に嵌入する。そして、表皮材20の上部24を可動型40の上側の凹部42に追従した形とする。
次に、図3に示されるように、吸引手段55を作動させつつ、第2突き出し部50Bのアクチュエーター53を駆動して、第2突き出し部50Bを成形位置から突出位置に変位させる。そして、表皮材20における第2突き出し部50Bと対応する位置に配された中央部25(一部、他の一部)が吸引口55Aに吸着された状態で、第2突き出し部50Bを突出位置から成形位置まで変位させる。すると、表皮材20の中央部25が、第2突き出し部50Bに吸引される。この際、表皮材20は、既に賦形された上部24の位置及び形状を維持しつつ、他端部21B側が上方に送られるようにして固定型31の凹み形状内に嵌入する。そして、表皮材20を可動型40の凸部41に追従した形とする。
次に、図4に示されるように、表皮材20の他端部21B側に配された第1突き出し部50Cのアクチュエーター53を駆動して、低推力で第1突き出し部50Cを成形位置から突出位置に変位させる。第1突き出し部50Cによる表皮材20の下部26(一部)の賦形態様は、第1突き出し部50Cによる表皮材20の上部24の賦形態様と同様でありその説明を省略する。
第1突き出し部50Cの突き出しが完了すると、図4に示されるように、表皮材20は全体として、第1把持部34Aと第2把持部34Bの間において、各突き出し部50の突出先端面51に沿って張設された形に賦形される。この形は、水平方向について成形面40Aの高低差より大きい高低差を有しており、小型の突き出し部50により表皮材20を賦形する場合であっても、後述する長さ寸法L2を十分なものとすることができる。この状態において、表皮材20の周端部22A,22Bが可動型40の角部44A,44Bに係止され、これ以上表皮材20が成形面40Aの内方に滑り込み難くなっている。ここで、予備賦形工程後であって型閉じ工程前における、表皮材20の周端部22A,22B間の長さ寸法をL2とする。この表皮材20の長さ寸法L2は、樹脂成形品10における周端部22A,22B間の長さ寸法L1≦L2×(100+伸び率)、つまり、表皮材20の伸び率が10%の場合にはL1≦L2×110となるように設定されている。より好ましくは、長さ寸法L2は長さ寸法L1より小さく(L2≦L1)、更に好ましくはL1と同等の長さに設定されている(L2≒L1)。
型閉じ工程では、表皮材20が成形面40Aに沿って賦形された状態で、固定型31及び可動型40を型閉じする。この際、第1突き出し部50A,50Cを可動型40の移動に伴って、突出位置から成形位置に変位させる。そして、固定型31及び可動型40が閉じると、キャビティC内に表皮材20が配設された状態となる。この際、図4に示す予備賦形工程の後の表皮材20の周端部22A,22B間の長さ寸法L2が、図5に示す樹脂成形品10における周端部22A,22B間の長さ寸法L1より小さい場合には、表皮材20は可動型40又は固定型31に押圧されて周端部22A,22B間において伸長変形する。型閉じ工程の後に、第2突き出し部50Bの吸引手段55を停止して、排気路55Bを図示しない弁で閉じる。
成形工程では、図5に示されるように、固定型31及び可動型40を閉じた状態で、賦形された表皮材20の裏面20B側に溶融樹脂37を射出して、表皮材20と一体的に樹脂成形品10を成形する。具体的には、固定型31に装着された樹脂射出部36から、ノズル36Aを通じてキャビティC内に所定の射出圧で溶融樹脂37を射出する。そして、キャビティC内の溶融樹脂37が冷却し固化すると、基材15が成形されるとともに、アンカー効果等により表皮材20が基材15に接着された状態となり、樹脂成形品10が得られる。そして、表皮材20は、周端部22A,22B間の長さ寸法がL1となる。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の樹脂成形品の製造方法及び
成形装置によれば、成形面40Aが凸部41及び凹部42,42を有する場合であっても、予備賦形工程を行うことにより、仮に予備賦形されていない略平坦な表皮材20を固定型31及び可動型40の型閉じに伴い、成形面40Aに沿う形とする場合に比べて、表皮材20がその伸び量以上に伸ばされ難く、表皮材20が破れる事態を生じ難くすることができる。以下、このような効果について具体的に説明する。
本願発明者等が、予備賦形工程を備えない樹脂成形品の製造方法により、略平坦な表皮材20を固定型31及び可動型40の型閉じに伴い、成形面40Aに沿う形とし、樹脂成形品を成形したところ、表皮材20に破れ不良を生じた。ここで、予備賦形工程を備えない製造方法において、表皮材20のうち固定型31及び可動型40の型閉じに伴って可動型40の角部44A,44Bに当接して、可動型40に係止される周端部の間の長さ寸法をL3とする。本願発明者等が鋭意検討したところ、予備賦形工程を備えない製造方法では、表皮材20の長さ寸法L3に表皮材の伸び率10%を加味した表皮材20の伸び量L3×110が樹脂成形品10における表皮材20の周端部間の寸法L1を下回っていることがわかった(L1≧L3×110)。このため、型閉じ工程及び成形工程において、表皮材20がL1の長さ寸法まで伸長する際に、表皮材20がその伸び量L3×110以上に伸ばされ、表皮材20に破れが生じたものと推察される。一方、本実施形態では、予備賦形工程を備えることにより、予備賦形工程後における表皮材20の長さ寸法L2が、上述の長さ寸法L3以上であり、且つ、表皮材20の長さ寸法L2に表皮材の伸び率10%を加味した表皮材20の伸び量L2×110が樹脂成形品10における表皮材20の周端部間の寸法L1以上となっている(L1≦L2×110)。この結果、型閉じ工程及び成形工程において、表皮材20がL1の長さ寸法まで伸長する際に、表皮材20がその伸び量L2×110以上に伸ばされることがなく、表皮材20の破れの発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、意匠面10Aに凸部41及び凹部42を有する場合に一般的に行われている、射出成形した基材の一の板面に接着剤を塗布し、表皮材20を後貼りする製造方法のように、基材と表皮材とを貼り合わせる工程が必要とされない。また、本実施形態によれば、予備賦形工程を、配置工程の後に成形装置30内で行うことができ、例えば、配置工程の前に、表皮材を真空成形法や冷間プレス成形法等により樹脂成形品の形状に倣う形に成形する工程が必要とされない。この結果、樹脂成形品10の製造に掛かる工数及びタクトタイムを低減することができ、樹脂成形品10の部品単価を低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、意匠面10Aが複雑な立体形状を有する場合であっても、表皮材20と一体的に樹脂成形品10を成形することができ、樹脂成形品10の意匠自由度を向上することができる。
また、本実施形態の樹脂成形品10の製造方法において、予備賦形工程では、複数の突き出し部50を用いて、表皮材20の一端部21A側に配された第1突き出し部50Aから順次に表皮材20の一部を押圧又は吸引して、表皮材20の他端部21B側を一端部21A側に引き込みつつ成形面40Aに沿って賦形する。さらに、本実施形態の成形装置30において、突き出し部50が複数設けられ、表皮材20の一端部21A側に配された第1突き出し部50Aから順次に表皮材20の一部を押圧又は吸引するように構成されている。このため、成形面40Aが複雑な凹凸形状を有する場合であっても、表皮材20を他端部21B側から引き込みつつ一端部21A側から順次に賦形することができ、表皮材20をより一層複雑な形状に賦形することができる。
また、本実施形態の樹脂成形品10の製造方法において、予備賦形工程では、配置された表皮材20の上部24及び下部26を第1突き出し部50A,50Cにより押圧し、表皮材20の中央部25を第2突き出し部50Bにより吸引する。さらに、本実施形態の成形装置30は、表皮材20の上部24及び下部26を押圧する第1突き出し部50A,50Cと、表皮材20の中央部25を吸引する第2突き出し部50Bと、を有している。このため、成形面40Aが複雑な凹凸形状を有する場合であっても、第1突き出し部50A,50Cにより押圧し、第2突き出し部50Bにより吸引することにより、表皮材20をより一層複雑な形状に賦形することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、突き出し部が固定型側に設けられる成形装置及びそのような成形装置による樹脂成形品の製造方法を例示したが、これに限られない。例えば、突き出し部は可動型側に設けられていてもよく、また、双方の型に設けられていてもよい。
(2)上記実施形態においては、突き出し部として、第1突き出し部と第2突き出し部の双方を備える成形装置及びそのような成形装置による樹脂成形品の製造方法を例示したが、これに限られない。例えば、突き出し部は、第1突き出し部と第2突き出し部のいずれか一方のみを備えていてもよい。
(3)上記実施形態以外にも、突き出し部の配設位置、配設数、構成、予備賦形工程における第1突き出し部及び第2突き出し部の位置は、成形面の形状、表皮材における周端部の位置、表皮材の伸び率等に応じて適宜変更可能である。
(4)上記実施形態では、意匠面を成形する成形面に凸部及び凹部を有する成形装置及びそのような成形装置による樹脂成形品の製造方法を例示したが、これに限られない。成形面には、凸部又は凹部の一方のみを有していてもよい。
(5)上記実施形態では、固定型及び可動型が水平方向に並んで配されるとともに、第1把持部が可動型の成形面の上方に配される成形装置、及び、配置工程において、表皮材の一端部を第1把持部で把持するとともに、他端部側の第2把持部を緩めて、表皮材の他端部側が鉛直方向下方に垂れ下がった状態とする製造方法を例示した、これに限られない。例えば、固定型及び可動型は鉛直方向に並んで配されていてもよく、配置工程において、表皮材を水平方向に延在する姿勢で配置してもよい。
(6)上記実施形態以外にも、種々の形状、構成、材質の表皮材及び樹脂成形品に本願技術を用いることができる。また、表皮材の伸び率や成形型に対する滑り易さに応じて、予備賦形工程で表皮材に付与する形状や長さ寸法L2は適宜設定することができる。
(7)上記実施形態では、樹脂成形品としてドアトリムを構成するものを例示したが、樹脂成形品は他の乗物用内装材にも適宜用いることができる。乗物用内装材において、意匠面に凹凸形状を有するメータークラスターやセンターコンソール等においても本願技術が好適である。
10…樹脂成形品、10A…意匠面、20…表皮材、20B…裏面、21A…一端部、21B…他端部、24…上部(一部)、25…中央部(一部、他の一部)、26…下部(一部)、30…成形装置、31…固定型(成形型)、34…位置決め部、36…樹脂射出部、37…溶融樹脂、40…可動型(成形型)、40A…成形面、41…凸部、42…凹部、50…突き出し部、50A,50C…第1突き出し部(一の突き出し部)、50B…第2突き出し部(他の突き出し部)

Claims (6)

  1. 意匠面を成形する成形面に凸部と凹部の少なくとも一方を有する、互いに開閉可能な一対の成形型の間で、前記意匠面に表皮材を備えた樹脂成形品を成形する樹脂成形品の製造方法であって、
    前記一対の成形型を開いた状態で、前記一対の成形型の間に前記表皮材を配置する配置工程と、
    前記一対の成形型を開いた状態で、配置された前記表皮材の一部を前記一対の成形型の少なくとも一方から突き出される突き出し部により押圧又は吸引し、前記表皮材を前記成形面に沿って予め賦形する予備賦形工程と、
    前記表皮材が前記成形面に沿って賦形された状態で、前記一対の成形型を型閉じする型閉じ工程と、
    前記一対の成形型を閉じた状態で、賦形された前記表皮材の裏面側に溶融樹脂を射出して、前記表皮材と一体的に前記樹脂成形品を成形する成形工程と、を備える樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記配置工程では、所定の方向において前記表皮材の一端部を前記一対の成形型に対して位置決めするとともに、他端部を前記一対の成形型に対して前記所定の方向に移動可能とし、
    前記予備賦形工程では、複数の前記突き出し部を用いて、前記表皮材の前記一端部側に配された前記突き出し部から順次に前記表皮材の一部を押圧又は吸引して、前記表皮材の他端部側を前記一端部側に引き込みつつ前記成形面に沿って賦形する、請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記予備賦形工程では、配置された前記表皮材の一部を一の前記突き出し部により押圧し、前記表皮材の他の一部を他の前記突き出し部により吸引する、請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 意匠面に表皮材を備えた樹脂成形品を成形するための成形装置であって、
    前記意匠面を成形する成形面に凸部と凹部の少なくとも一方を有する、互いに開閉可能な一対の成形型と、
    前記一対の成形型を開いた状態で、前記一対の成形型の少なくとも一方から突き出され、前記表皮材の一部を押圧又は吸引するように構成された突き出し部と、
    前記一対の成形型を閉じた状態で、賦形された前記表皮材の裏面側に溶融樹脂を射出する樹脂射出部と、を備える成形装置。
  5. 前記一対の成形型の間に配置された前記表皮材の一端部を前記一対の成形型に対して位置決めする位置決め部を更に備え、
    前記突き出し部が複数設けられ、前記表皮材の前記一端部側に配された前記突き出し部から順次に前記表皮材の一部を押圧又は吸引するように構成された、請求項4に記載の成形装置。
  6. 前記表皮材の一部を押圧する一の前記突き出し部と、前記表皮材の他の一部を吸引する他の前記突き出し部とを有する、請求項4又は請求項5に記載の成形装置。
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