JP2015160484A - 自動車用内装品の製造方法及び自動車用内装品 - Google Patents

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Takahiro Yamaguchi
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Abstract

【課題】意匠性の高い装飾ステッチを施した自動車用内装品をより簡単に製造可能な製造方法、及び、意匠性が高く製造が容易な自動車用内装品を提供する。
【解決手段】表皮層5と硬質の基材層4とを含む積層体6を形成し、この積層体6に対して装飾用のステッチ2を形成する。このとき、ステッチ2を形成する糸状部材10は、表皮層5だけでなく、基材層4をも貫通した状態とする。つまり、比較的柔らかい表皮層5のみに糸状部材10を縫い付けるのではなく、比較的硬質な積層体6の全体に対して糸の縫い付け作業を実施することにより、ステッチ2の形成作業を簡易化する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車用内装品及びその製造方法に関するものであって、特に、縫い合わせを擬似的に表現したステッチを有する自動車用内装品に関するものである。
従来、自動車の車室には、インストルメントパネル、コンソールボックス、ドアトリムといった内装品が取り付けられている。これらの内装品は、一般的に、意匠性や質感を向上させるため、所定形状に形成された基材の表面を表皮材で覆う構造となっている。一例として、表皮材として天然皮革を用いた内装品が知られている。天然皮革からなる表皮材に覆われた内装品は、意匠性が高く、高級感がある。
その反面、天然皮革は比較的値段の高いものが多く、内装品の価格が高くなってしまう。そこで、内装品の製造コストを抑制するため、天然皮革を模して作られた樹脂製の合成皮革を表皮材として使用する内装品がある。
表皮材として合成皮革を使用する場合には、天然皮革を使用したような風合いとするための加工が施されることがある。このような加工には、天然皮革の表面に似せたシボ模様を表皮材の表面に形成する加工がある。さらに、天然皮革の革片を糸で縫合する際に形成されるステッチを擬似的に表す加工がある。
ステッチを擬似的に表すための技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1では、表皮材の表面に細長い突起部分を複数設け、これを所定間隔を空けて並列に配置することにより、ステッチに似た模様を形成している。
また、他の技術として、表皮材に糸を縫い付けてステッチ模様を形成し、その後に表皮材と基材を一体化して内装品を形成する技術がある。この技術では、実際に糸を縫い付けてステッチ模様を形成するので、天然皮革を縫い合わせた際に形成されるステッチに極めて類似した模様とすることができる。このことから、合成皮革を使用した場合であっても、意匠性が高く、高級感のある自動車用内装品を提供することができる。
特開2010−184487号公報
しかしながら、実際に糸を縫い付けてステッチ模様を形成する場合、糸を縫い付けない場合に比べて加工が非常に困難となるという問題があった。
具体的に説明すると、糸を縫い付けてステッチ模様を形成する場合、表皮材を立体形状にした後に糸を縫い付ける必要がある。すなわち、シート状の表皮材に糸を縫い付けてから立体成形を行うと、成形に伴う表皮材の延伸や収縮により、意図した位置にステッチが形成されないといった不具合が生じることがある。また、直線状に延びるはずのステッチが歪んだり、蛇行したりするといった不具合や、糸で縫った部分に亀裂や歪みが生じてしまうといった不具合が発生することもある。このことから、表皮材を立体形状とし、その後に糸を縫い付けることが一般的である。
しかしながら、表皮材は柔らかいものが多く、形が変わり易いので、デザイン通りの加飾縫製を施すことが難しい。
また、加飾縫製をするために表皮材を立体形状とし、その後に基材に貼りつけると、貼りつける際に折れ皺が発生しやすくなるという問題もある。
詳細に説明すると、加飾縫製をしない場合、真空成形機を用いて表皮材と基材を貼り合わせることができる。この方法では、加熱軟化させた平らなシート状の表皮材と、予め表面に接着剤を塗った基材とを真空吸引して密着させ、表皮材と基材を一体化する。つまり、シート状であった表皮材が基材に押し付けられて立体形状となる。このような方法によると、表皮材と基材の間に隙間ができにくく、皺が発生し難い。
これに比べ、予め立体形状とした表皮材を基材に貼り付ける場合には、表皮材と基材の間に隙間ができる可能性が高く、それに起因して折れ皺が発生しやすい。すなわち、表皮材と基材の貼り合わせ工程が困難となる。
そこで本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、意匠性の高い装飾ステッチを施した自動車用内装品をより簡単に製造可能な製造方法、及び、意匠性が高く製造が容易な自動車用内装品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、外表面を形成する表皮層を備えた自動車用内装品の製造方法であって、少なくとも表皮層と硬質の基材層とを含む積層体を立体的な形状に加工する賦形工程と、前記積層体に装飾用のステッチを形成するステッチ形成工程とを有し、前記ステッチ形成工程では、前記積層体の全体を厚さ方向に貫通して延びる糸状部材を前記積層体に対して一体に固定することで前記ステッチを形成することを特徴とする自動車用内装品の製造方法である。
本発明では、表皮層と硬質の基材層とを含む積層体を立体的な形状に加工する賦形工程の後、装飾用のステッチを形成するステッチ形成工程を実施している。そして、ステッチ形成工程では、積層体の全体を厚さ方向に貫通して延びる糸状部材を固定し、ステッチを形成している。
つまり、本発明では、予め表皮層(以下、表皮材とも称す)と基材層(以下、単に基材とも称す)とを一体化し、それによって形成される積層体に糸状部材を縫い付けてステッチを形成する。言い換えると、表皮材だけではなく、表皮材と基材を含む積層体に対して糸状部材を縫い付けてステッチを形成する。ここで、表皮材と基材を含む積層体は、表皮材のみを立体形状としたものより剛性が高く、形が変化し難いので、糸状部材の縫い付け作業がやり易くなる。
さらに、予め表皮材と基材を一体化するので、必然的にステッチを施していない表皮材と基材を一体化することとなる。このことにより、ステッチを設けない場合と同様に、シート状の表皮材を基材に貼り付けつつ立体形状とすることが可能となり、表皮材と基材の間に隙間ができにくく皺が発生し難い組み立てが可能となる。言い換えると、表皮材と基材の一体化作業の簡易化と、加飾ステッチの形成を両立できる。
請求項2に記載の発明は、前記糸状部材を挿通するための貫通孔を形成した前記基材層、及び/又は、前記糸状部材を固定する部分の厚さを周囲の厚さよりも薄くした前記基材層を形成する基材形成工程を有し、前記ステッチ形成工程の前に前記基材形成工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装品の製造方法である。
かかる構成では、基材に対して、糸状部材を挿通するための貫通孔を形成したり、糸状部材が挿通される部分を薄肉化したりする。このことにより、基材に糸状部材を挿通させ易くなり、ステッチの形成が容易となる。
すなわち、基材は表皮材よりも硬く、糸状部材を縫い付けにくい部材となっている。そこで、かかる構成では、基材に糸状部材を挿通し易くさせるため、糸状部材を縫い付ける部分に貫通孔を設けたり、糸状部材を縫い付ける部分を薄肉化したりしている。言い換えると、かかる構成では、基材に糸状部材を縫い付け易くしている。このことで、表皮材と基材を一体化した積層体に糸状部材を縫い付け易くすることが可能となり、ステッチの形成を簡易化できる。
請求項3に記載の発明は、表皮層と、硬質の基材層とを有し、前記表皮層には装飾用のステッチが設けられており、前記ステッチは、前記表皮層及び前記基材層を貫通して延びる糸状部材によって形成されていることを特徴とする自動車用内装品である。
本発明の自動車用内装品は、表皮層及び基材層を貫通して延びる糸状部材によって形成されたステッチが設けられている。このような自動車用内装品は、上記したように、ステッチの形成を簡易化可能であり、容易に製造することができる。
請求項4に記載の発明は、前記基材層には、前記糸状部材が配される部分を含んだ領域であるステッチ形成領域が設けられており、当該ステッチ形成領域は、前記糸状部材を挿通するための貫通孔が形成されている、及び/又は、周囲の部分よりも薄くなっていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用内装品である。
かかる構成では、基材層のステッチ形成領域に糸状部材を挿通し易くできるので、より容易に製造が可能となる。
本発明によると、意匠性の高い自動車用内装品をより簡単に製造することができる。
本発明の実施形態に係るドアトリムを示す斜視図である。 図1のドアトリムを示すA−A断面図である。 図1のドアトリムを示すB−B断面図である。 本発明の実施形態に係るドアトリムを製造する様子を模式的に示す説明図であり、(a)は表皮材の熱処理工程時、(b)は賦形工程の開始前、(b)は賦形工程の終了後をそれぞれ示す。 図1とは異なる加飾ステッチ部を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係るドアトリム1(自動車用内装品)について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
本実施形態のドアトリム1は、図1で示されるように、表面の一部に加飾ステッチ2(ステッチ)が設けられている。この加飾ステッチ2は、縫い目を模様として表すためのものであり、縫い目を形成すること自体を目的に設けられている。すなわち、この加飾ステッチ2は、布片や革片等を縫い合わせる際に形成されたものではない。
本実施形態のドアトリム1は、図2で示されるように、基材4(基材層)の表面側が表皮材5に覆われて形成されている。すなわち、ドアトリム1では、基材4と表皮材5が積層体6を構成しており、この積層体6が立体形状となっている。
基材4は、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリルブダジエンスチレン樹脂)等の熱可塑性樹脂を原料としており、本実施形態では、射出成形によって形成されている。すなわち、基材4は、硬く、相当の剛性を備えたものとなっており、単独で姿勢維持が可能となっている。
基材4には、周囲よりもその厚さを減じた部分である薄肉部7(ステッチ形成領域)が形成されている。
薄肉部7は、基材4の裏面に形成された窪み状の部分であり、周囲よりも表面側に窪んだ状態となっている。詳細に説明すると、薄肉部7の表面は、周囲の面と同一平面となっている(又は周囲の面と滑らかに連続する曲面となっている)。言い換えると、薄肉部7の表面は、周囲の面と段差や傾斜を介さずに連続している。これに対し、薄肉部7の裏面は、周囲よりも窪んでおり、周囲の面と段差や傾斜を介して連続している。
表皮材5は、熱可塑性樹脂を原料とするシートの形状を変化させることで、形成されている。より詳細には、TPO2層シートを基材4の表面に沿った形状としている。
なお、TPO2層シートとは、TPO(サーモプラスチックオレフィン)からなるシート状の部分と、PPF(ポリプロピレン発泡体)からなるシート状の部分とが積層して形成されるシートである。
ここで、基材4の薄肉部7と表皮材5とが重なった部分では、基材4と表皮材5を厚さ方向に貫通して延びるステッチ形成糸10(糸状部材)が固定されており、このステッチ形成糸10の一部が車室側表面に露出することで、加飾ステッチ2が形成されている。
ステッチ形成糸10は、図3で示されるように、互いに交差して延びる上糸12と下糸13によって構成されている。
上糸12は、表皮材5の表面側から基材4の裏面側へと延び、折り返して基材4の裏面側から表皮材5の表面側へと延び、更に折り返して基材4の裏面側へと延びるといった具合に、波線を描くように蛇行して延びている。言い換えると、上糸12は、積層体6の表面側から裏面側へ延び、折り返して、裏面側から表面側へ延びるといった具合に、表面側での折り返しと裏面側での折り返しをそれぞれ複数回繰り返しつつドアトリム1の幅方向(図3の左右方向)に沿って延びている。
下糸13は、基材4の裏面側で、ドアトリム1の幅方向(図3の左右方向)に沿って、略直線状に延びた状態となっている。
この上糸12と下糸13は、相互に絡み合いつつ延びた状態となっている。すなわち、表皮材5の裏面側で上糸12と下糸13とが絡んだ状態となっており、上糸12が下糸13を潜りつつ延びている。言い換えると、下糸13の延び方向に所定間隔を空けて並列する複数個所において上糸12と下糸13とが絡んでおり、それぞれの箇所では、上糸12が下糸13に略半周だけ巻きついたような状態となっている。つまり、本実施形態の加飾ステッチ2は、工業用ミシン等の適宜な機器を用いて機械縫製されることによって形成されている。
続いて、本実施形態のドアトリム1の製造方法について説明する。
本実施形態のドアトリム1の製造方法では、予め基材4と表皮材5の双方を立体化すると共に、これらを一体化する賦形工程を実施する。より詳細には、加飾ステッチ2を形成するステッチ形成工程に先立って、基材形成工程と賦形工程を順に実施する
基材形成工程では、射出成形、パウダースラッシュ成形といった適宜の手段により、予め基材4を立体形状に形成する。
そして、賦形工程では、図4(a)で示されるように、表皮材5の原料となる樹脂シートに対して加熱処理を実施する。すなわち、非可塑物である樹脂シートをヒータ等の加熱手段によって加熱し、可塑状態とする。
さらに、図4(b)、図4(c)で示されるように、表皮材5の立体成形と、表皮材5と基材4の貼り付けを同時に実施する。
すなわち、可塑状態とした樹脂シートと基材4の表面側に配し、樹脂シートが基材4の表面を覆った状態とする。このとき、必要に応じて樹脂シートの裏面に接着剤を付着させておく。
続いて、図示しない真空ポンプ等を用いて、樹脂シートと基材4の間を真空にする。つまり、基材4に図示しない孔を形成しておき、基材4の裏面側に配された空気吸引通路16から空気を吸引することで、樹脂シートと基材4の間を真空にする。すると、樹脂シートに重力と吸引力が作用し、樹脂シートの裏面と基材4の表面とが隙間なく密着していく。そして、樹脂シートが基材の表面に沿った形状となり、立体化した表皮材5が形成される。同時に、この表皮材5と基材4が一体となり、表皮材5と基材4によって構成される積層体6が完成する。このように、本実施形態では、表皮材5の立体化と、表皮材5と基材4の一体化を同時に行っている。
賦形工程に続き、積層体6にステッチ形成糸10を縫い付けるステッチ形成工程を実施する。
積層体6のうち、基材4の薄肉部7と表皮材5が重なる部分に対し、ステッチ形成糸10を縫い付ける(図3参照)。このことにより、図1で示されるように、加飾ステッチ2が形成される。
つまり、本実施形態では、表皮材5にのみステッチ形成糸10を縫い付けるのではなく、表皮材5と基材4からなる積層体6に対してステッチ形成糸10を縫い付けている。すなわち、ステッチ形成糸10は、積層体6を厚さ方向に貫通しつつ延びた状態で縫い付けられる。このことにより、ドアトリム1が完成する。
本実施形態の製造方法によると、表皮材5のみに対してステッチ形成糸10を縫い付ける場合に比べてステッチの形成作業、すなわち、縫い付け作業を簡易化することが可能となる。
具体的に説明すると、樹脂シートに対してステッチ形成糸10を縫い付けた場合、立体化に伴うシートの部分的な延伸や収縮によって、ステッチの形状をデザイン通りにできないという問題がある。そこで、表皮材5のみにステッチ形成糸10を縫い付ける場合には、表皮材5のみを立体化してからステッチ形成糸10を縫い付ける必要がある。しかしながら、表皮材5のみを立体化した場合、柔らかく、僅かに力が加わっただけで形状が変化してしまうので、ステッチ形成糸10の縫い付けが難しくなる。
これに対し、本実施形態では、表皮材5と基材4によって形成される積層体6に対して、ステッチ形成糸10を縫い付け、加飾ステッチ2を形成している。ここで、積層体6は硬質の基材4を含んでいるため、表皮材5のみによって形成される立体よりも剛性がある。そのため、ステッチ形成糸10の縫い付け作業が容易となる。すなわち、デザイン通りに縫製しやすく、直線的な縫い目の形成も容易であって、意図しない縫い目の蛇行等も発生し難くなる。
さらに、立体化した積層体6に直接ステッチ形成糸10を縫い付けるため、積層体6の凹凸(例えば、図1、図3で示される突起18)を基準とした縫製位置の位置決めが可能となる。そのため、誤った縫製位置にステッチ形成糸10を縫い付けてしまうといった問題が発生し難く、規定位置への縫製が容易となる。
本実施形態の製造方法によると、工場全体での作業の効率化を図ることも可能となる。このことにつき、以下で説明する。
ここで、工場でドアトリム等の装飾品を生産する場合には、車種に応じてステッチを設ける場合と、設けない場合がある。より詳細には、同一の形状でステッチのある装飾品とない装飾品の双方を生産する場合がある。
本実施形態では、表皮材5と基材4を一体化する賦形工程を実施した後にステッチ形成工程を実施している。したがって、賦形工程のみを実施すればステッチのない装飾品を生産することが可能となり、賦形工程を実施した後にステッチ形成工程を実施すればステッチのある装飾品を生産することができる。言い換えると、工場における同一のラインでステッチのある装飾品とない装飾品の双方を形成可能であり、効率化という観点から好ましい。
これに対して、上記した表皮材5のみにステッチ形成糸10を縫い付ける製造方法では、表皮材5のみを立体化する工程と、立体化した表皮材5にステッチ形成糸10を縫い付ける工程と、表皮材5と基材4とを一体化する工程の3工程を実施してステッチのある装飾品を生産している。
ここで、表皮材5のみを立体化し、その後に表皮材5を基材4に貼り付ける製造方法は、本実施形態の賦形工程に比べ皺等が発生し易くなるので、好ましくない。そのため、ステッチを設けない場合には、本実施形態の賦形工程によって積層体6を形成することが望ましい。しかしながら、ステッチ設けない場合は賦形工程で製造し、ステッチを設ける場合は上記3工程で製造すると、これらの手順が大きく異なることから、同一のラインでの生産が難しくなる。すなわち、生成する装飾品に応じて異なるラインで製造する必要が生じてしまうので、工場の効率化という観点から望ましくない。
さらに、本実施形態が賦形工程とステッチ形成工程の2工程で製造可能であるのに対し、上記した表皮材5のみにステッチ形成糸10を縫い付ける製造方法では、上記した3工程が必要となる。すなわち、本実施形態によると、工程数の削減を図ることが可能となり、効率化の観点から好ましい。
上記した実施形態では、ABS(アクリロニトリルブダジエンスチレン)樹脂やポリプロピレン樹脂によって基材4を形成する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、基材4は、これらABS(アクリロニトリルブダジエンスチレン)樹脂やポリプロピレン樹脂を主成分とする合成樹脂によって形成されていてもよい。
すなわち、基材層は、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらを含む樹脂によって形成されていてもよい。
上記した実施形態では、TPO2層シートを基材4の表面に沿った形状として表皮材5材を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
表皮材5は、TPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)パウダーを使用したパウダースラッシュ成形等により立体形状に成形してもよい。この場合、立体形状に成形した表皮材5と別途成形した基材4を貼り合わせて積層体6を形成しても構わない。なお、この場合、表皮材5の表面の皺を抑制するという観点から、表皮材5と基材4の間にウレタンフォーム等の適宜な樹脂を注入し、発泡させつつ固化させることが好ましい。
上記した実施形態では、機械縫製によって加飾ステッチ2を形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図5で示されるように、下糸13を必要とせず、蛇行して延びるステッチ形成糸110のみで形成される加飾ステッチ102であってもよい。すなわち、加飾ステッチ102は、手縫縫製であっても構わない。
なお、このステッチ形成糸110もまた、積層体6の表面側から裏面側へ延び、折り返して、裏面側から表面側へ延びるといった具合に、表面側での折り返しと裏面側での折り返しをそれぞれ複数回繰り返しつつ、所定方向(図5の左右方向)に沿って延びている。
また、上記した実施形態では、加飾ステッチ2がドアトリム1の幅方向に沿って延びる例を挙げて説明した。しかしながら、加飾ステッチ2の延び方向はこれに限らず、ドアトリム1の高さ方向に延びていてもよく、斜め方向(高さ方向及び幅方向に対して傾斜した方向)に延びていてもよいことは当然である。
上記した実施形態では、ドアトリム1が基材4と表皮材5からなる2層の積層体6である例を挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではない。ドアトリム1は、3層以上の積層体であってもよい。
例えば、表皮材5と基材4の間にウレタンフォーム等の適宜な樹脂によって形成される発泡層が設けられていてもよい。すなわち、表皮材5の裏面に発泡層を固定し、表皮材5と発泡層によって構成される積層体により、基材4の表面を覆ってもよい。
上記した実施形態では、本発明をドアトリム1に適用した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、インストルメントパネルやコンソールボックスといった他の自動車用内装品に適用してもよい。
上記した実施形態では、基材4の一部に周囲よりも薄肉化した薄肉部7を設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、薄肉化せず、基材4のステッチ形成糸10を挿通させる部分に、貫通孔を設ける構成であってもよい。すなわち、複数の貫通孔をそれぞれ所定間隔を空けて並列させてもよい。このようにすると、基材4に縫い針を貫通させる作業が簡易化できるので、薄肉化した場合と同様に、基材4に縫い針を通す際に通しやすくなる。つまり、硬質の基材4に縫い針を通す際、基材4が大きなひび割れが発生したりせず、ステッチ形成糸10の縫い付け作業の簡易化を図ることができる。
また、上記した実施形態では、真空成形を実施するため孔(図示しない)を基材4に設けた例を示したが、縫い針を通すための貫通孔を基材4に設けた場合、この貫通孔を真空成形のための使用できるという利点もある。
〔実施例1〕
本発明の実施例として、加飾ステッチ付きドアトリムを形成した。より詳細には、ドアトリムの上側を形成する部分(所謂ドアトリムアッパー)を形成し、加飾ステッチを施した。
表皮材の材質は、上記した実施形態と同様にTPO2層シートとした。その際の、TPO層の厚さを0.5mmとし、PPF層の厚さを2.5mmとした。
基材の材質は、PP樹脂とした。
上記した実施形態と同様に、表皮材と基材とを一体化しつつ、表皮材を立体化した。すなわち、表皮材の真空立体成形と、表皮材の基材に対する貼り付けを同時に実施した。
また、基材の一般厚みを2.5mmとし、ステッチが縫い付けられる部分に孔径が1.5mmの貫通孔を設けた。なお、ステッチが縫い付けられる部分の薄肉化は行わなかった。
そして、予め形成しておいた表皮材と基材から構成される積層体に対し、3Dミシンを用いて糸を縫い付け、加飾ステッチを形成した。
この際、3Dミシンで指定可能な対象製品を簡易治具に固定した。
さらに、上糸は、大貫繊維株式会社製エースクラウン(登録商標)の5番、下糸は、同8番を使用した。ミシンの針は、オルガン針株式会社製DP×17LRの24番を使用した。
このように、ドアトリムアッパーを形成し、車両前後方向に沿って延びる加飾ステッチを形成した結果、予期せぬ蛇行や位置ずれが発生することなく、デザイン通りの加飾ステッチを縫製することができた。
〔実施例2〕
本発明の実施例として、加飾ステッチ付きドアトリムを形成した。より詳細には、ドアトリムの上側を形成する部分(所謂ドアトリムアッパー)を形成し、加飾ステッチを施した。
表皮材は、三洋化成工業株式会社製のTPUパウダーを原料とし、パウダースラッシュ成形によって立体に形成した。
基材は、ABS樹脂を原料とし、射出成形によって形成した。
表皮材と基材は、間にウレタンフォームを注入し、発泡させつつ固化させることで、一体化させた。なお、表皮材と基材の間に位置するウレタンフォームの層の厚さは、6mmとした。
また、基材の一般厚みを2.5mmとし、ステッチが縫い付けられる部分をそれよりも薄くした。より詳細には、ステッチが縫い付けられる部分の厚さを0.5mmとした。
そして、予め形成しておいた表皮材と基材から構成される積層体に対し、3Dミシンを用いて糸を縫い付け、加飾ステッチを形成した。
3Dミシンの設定は実施例1と同様の設定とし、使用した糸、使用した針は実施例1と同じものとした。
このように、ドアトリムアッパーを形成し、車両前後方向に沿って延びる加飾ステッチを形成した結果、予期せぬ蛇行や位置ずれが発生することなく、デザイン通りの加飾ステッチを縫製することができた。
1 ドアトリム(自動車用内装品)
2,102 加飾ステッチ(ステッチ)
4 基材(基材層)
5 表皮材(表皮層)
6 積層体
7 薄肉部(ステッチ形成領域)
10,110 ステッチ形成糸(糸状部材)

Claims (4)

  1. 外表面を形成する表皮層を備えた自動車用内装品の製造方法であって、
    少なくとも表皮層と硬質の基材層とを含む積層体を立体的な形状に加工する賦形工程と、
    前記積層体に装飾用のステッチを形成するステッチ形成工程とを有し、
    前記ステッチ形成工程では、前記積層体の全体を厚さ方向に貫通して延びる糸状部材を前記積層体に対して一体に固定することで前記ステッチを形成することを特徴とする自動車用内装品の製造方法。
  2. 前記糸状部材を挿通するための貫通孔を形成した前記基材層、及び/又は、前記糸状部材を固定する部分の厚さを周囲の厚さよりも薄くした前記基材層を形成する基材形成工程を有し、
    前記ステッチ形成工程の前に前記基材形成工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装品の製造方法。
  3. 表皮層と、硬質の基材層とを有し、
    前記表皮層には装飾用のステッチが設けられており、
    前記ステッチは、前記表皮層及び前記基材層を貫通して延びる糸状部材によって形成されていることを特徴とする自動車用内装品。
  4. 前記基材層には、前記糸状部材が配される部分を含んだ領域であるステッチ形成領域が設けられており、当該ステッチ形成領域は、前記糸状部材を挿通するための貫通孔が形成されている、及び/又は、周囲の部分よりも薄くなっていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用内装品。
JP2014035837A 2014-02-26 2014-02-26 自動車用内装品の製造方法及び自動車用内装品 Pending JP2015160484A (ja)

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