JP6006021B2 - 表皮加飾品及び表皮加飾品における表皮材の貼着方法 - Google Patents

表皮加飾品及び表皮加飾品における表皮材の貼着方法 Download PDF

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本願発明は、基材表面側に加飾用の表皮材を引っ張った状態で貼着してなる表皮加飾品及び表皮加飾品における表皮材の貼着方法に関するものである。
表皮加飾品に関して、例えば、自動車用内装部品における一般的な構成を例に挙げて説明すれば、近年においては、合成樹脂材の表面に加飾用の表皮材を貼り合わせて構成した表皮加飾品が多用される傾向にある。合成樹脂材の表面に木目調や皮革調の樹脂シート、発泡樹脂材を一体化した樹脂シート、布、不織布等を貼着することによって、良好な外観を有し、意匠性にも優れた表皮加飾品を構成することができる。
一般に、この種の表皮加飾品を製造するには、平面的に裁断された表皮材の周囲を、クランプ手段を用いて把持しておき、周囲を把持された表皮材を基材表面の中央寄りの部位から徐々に張力を加えながら接触させていく。そして、基材表面の側面部側に向かって表皮材を被せていく。このとき、基材表面または表皮材の裏面に貼着材を塗布しておくことにより、表皮材を基材の表面全体に対して均一な状態で被着することができる。
表皮材を基材表面に被覆するための被着方法としては、真空吸引装置を用いた被着方法や、金型による基材のプレス成形時に、表皮材を上型内に配しておき、基材の成形と同時に基材の表面側に表皮材を一体的に成形する方法などが採用されている。また、表皮材に熱を加えて熱軟化させた状態で表皮材を基材表面に被せていき、被せながら表面側から加圧等を加えることで、表皮材を基材の表面全体に対して均一な状態で被着させる被着方法も採用されている。
このような製造方法にて表皮加飾製品を製造することによって、基材表面の一部部位において表皮材の肉厚が変化してしまうような事態が発生するのを防止しておくことができる。そして、基材の表面全体に亘って均一な厚みを有する表皮材を確実に被覆させることができる。
真空吸引装置を用いた被着方法では、真空吸引装置といった特別の装置を必要とし、金型を用いたプレス成形による被着の方法では、表皮材の種類を任意に変更することが難しい構成になっている。即ち、基材を成形すると同時に表皮材も一緒に一体的に成形することになるので、顧客等の需要に応じて表皮材の種類を任意に変更することに対しては、小回りが利かない製造方法になっている。言い換えると、基材だけを別途成形しておけば、製造しておいた基材に対して任意の表皮材を被着させることができるので、小回りの利いた製造方法にすることができる。
ところで、表皮加飾品としては、基材の裏面側に表皮材が折り返された構成になるので、基材の裏面側に折り返された表皮材によってシワやヨレが生じないように表皮加飾品を製造することが求められている。
基材表面に表皮材を貼着した後に、基材の裏面に折り返された表皮材の端末部を固定する被着方法としては、特許文献1に記載された「貼り合わせ成形品における表皮の端末処理方法並びに端末処理装置」などが提案されている。
特許文献1に記載された発明では、表皮材の端末処理装置として、加工対象品である基材をセットするセット治具と、表皮材の端末における巻込みシロを巻き込む巻込みユニッ
トと、巻込みシロを加熱する二段駆動式ヒーターユニットとから構成されている。二段駆動式ヒーターユニットとしては、ヒーターを斜め方向に可動させる第1シリンダと水平方向に可動させる第2シリンダとを備えた二段階式の作動構成に構成されている。
これにより、ヒーターを二方向に可動させることができるようになり、巻込みシロの姿勢にバラツキが生じても、巻込みシロの表面をヒーターによって加熱してしまうことが防止でき、巻込みシロの裏面に対して確実にヒーターを位置させることができる。しかも、ヒーターによって巻込みシロの裏面を撫でるようにして加熱することができるので、溶着によって巻き込みシロを基材に貼着することができる。
特開2007−313993号公報
特許文献1に記載された発明では、表皮材の端末部を基材の部位に熱溶着することになるが、表皮材を熱溶着することになる基材の部位における形状は、平坦な形状に構成されている。そのため、表皮材の端末部を熱溶着させるときの精度が若干でも乱れていた場合には、表皮材の端末部に生じたシワやヨレが基材表面側にまで及ぶことがある。その結果、外部からの視認位置においてシワやヨレが生じてしまう虞がある。
また、基材の裏面に表皮材を巻き込んで貼着するとき、巻き込みにバラツキが生じるとシワが発生してしまうことになる。更に、基材を成形した時における成形のバラツキによって、表皮材を被着させたときにシワの発生が生じることもある。
本願発明は、上述した従来の問題点を解決し、基材に貼着される表皮材において、表皮材の端末部でのシワやヨリが発生するのを、基材に形成した簡易な構造で抑制した表皮加飾品及び表皮加飾品を製造するための表皮材の貼着方法を提供することを目的としている。
本願発明の課題は、請求項1〜3に記載された発明及び請求項4に記載された発明により達成することができる。
即ち、本願発明に係る表皮加飾品は、基材の表面側から加飾用の表皮材を引っ張った状態で貼着してなる表皮加飾品であって、前記表皮加飾品を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認されない前記表皮加飾品の非意匠部に対応している前記基材の外周縁部における部位と、前記基材の裏面との間に段差部が形成され、前記表皮材は、前記段差部上に掛け渡した前記表皮材の端末部を前記基材の裏面に係止させる第1貼着部と、前記段差部に掛け渡されている前記表皮材の部位を前記段差部側に押圧したときに、前記基材の裏面と前記段差部に貼着する第2貼着部とを有してなることを最も主要な特徴としている。
また、本願発明に係る表皮加飾品では、前記段差部が、凹状部として形成されていることを主要な特徴としている。
更に、本願発明に係る表皮加飾品では、前記凹状部が、前記外周縁部の周縁方向に沿って複数形成されてなることを主要な特徴としている。
本願発明に係る表皮加飾品では、前記表皮加飾品を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認される前記表皮加飾品の意匠部に対応している前記基材の部位に、表飾用部品を嵌め込む嵌め込み用凹部形成してもよく、前記嵌め込み用凹部上に掛け渡している前記表皮材を前記表飾用部品で押圧して、前記表飾用部品を前記嵌め込み用凹部内に嵌め込む
また、本願発明に係る表皮加飾品では、前記嵌め込み用凹部上に掛け渡された前記表皮材の部位にスリット形成することができ、前記表飾用部品を前記嵌め込み用凹部内に嵌め込んだときに、前記嵌め込み用凹部上に掛け渡された前記スリットの周囲が前記嵌め込み用凹部内に貼着される。
また、本願発明に係る表皮加飾品における表皮材の貼着方法は、基材表面側に加飾用の表皮材を引っ張って貼着させた表皮加飾品における表皮材の貼着方法であって、
前記表皮加飾品を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認されない前記表皮加飾品の非意匠部に対応している前記基材の外周縁部における部位と、前記基材の裏面との間に形成した段差部上に、前記表皮材を引っ張った状態で掛け渡すこと、前記段差部上に掛け渡した前記表皮材の端末部を、前記外周縁部周辺における前記基材の裏面に係止させること、
前記段差部に掛け渡している前記表皮材の部位を前記段差部側に押圧し、前記表皮材を更に引っ張った状態で貼着すること、を他の最も主要な特徴としている。
本願発明に係わる表皮加飾品では、表皮加飾品の非意匠部に対応している基材の外周縁部における部位と、基材の裏面との間に段差部が形成されている。しかも、段差部上に掛け渡した表皮材の端末部における第1貼着部を基材の裏面に係止させておくことができる。そして、第1貼着部が基材の裏面に係止されている状態で、段差部上に掛け渡している表皮材の部位を段差部側に押圧することで、表皮材に対して引っ張り力を更に増した状態にすることができる。そして、この状態は、第2貼着部を基材に貼着させることで維持することができる。貼着としては、貼着材を用いた貼着や熱溶着による貼着などの貼着方法を採用することができる。
このように構成しているので、表皮材の端末側は引き伸ばされた状態で段差部に押し付けられて貼着されることになるので、基材の角部においてもシワやヨレの発生を確実に防止できる。そして、外観形状に優れた表皮加飾品を製造することができる。
段差部の構成としては、凹状部として形成しておくこともできる。凹状部として形成した場合には、基材の外周縁部の周方向に沿って複数形成しておくことができるし、また、凹状部としては、基材の外周縁部の方向に沿った長溝の形状として構成しておくこともできる。
表皮材の端末部における第1貼着部を基材の裏面に係止させる構成としては、貼着材を用いて係止させた構成にすることも、熱溶着により係止させた構成にすることも、基材の裏面に立設した係止片に表皮材の第1貼着部を係合させる構成にしておくこともできる。また、他の適宜の係止手段を用いて表皮材の第1貼着部を基材の裏面に係止させておくことができる。
表皮材の端末部における第1貼着部を基材の裏面に係止させておくことにより、表皮材を段差部側に押圧するときに表皮材の端部が自由端になることが防止できる。これにより、段差部上に掛け渡されている表皮材の両端部を係止した状態にすることができ、係止されている両端部の中間部の部位を押圧して段差部側に押圧することができる。そして、第2貼着部を基材に貼着させることによって、表皮材の端部側においてシワやヨレの発生を防止できる。
また、基材の裏面側における角部に凹状部を形成しておく構成にすれば、角部におけるシワやヨレの発生を効率よく防止することができる。そして、表皮加飾品の外観性能を大いに高めることができる。段差部や凹状部に表皮材を貼着する貼着方法としては、貼着や溶着等の貼着方法を採用することができる。
本願発明では、表皮材を段差部に掛け渡すことによって、表皮材の裏面と基材との間には空間が形成された配置構成になる。この形成した空間を狭める方向に表皮材を押圧することによって、表皮材の端末側において生じ易いシワやヨレを吸収することができる。
段差部の高さ寸法や段差部の一つとして形成した凹状部の形状は、表皮材の種類、厚さによって適宜変更することができる。
本願発明では、表皮加飾品の意匠部に対応している基材の部位に、表飾用部品を嵌め込む嵌め込み用凹部を形成しておくことができる。そして、嵌め込み用凹部上に掛け渡している表皮材を表飾用部品で押圧することによって、表飾用部品を嵌め込み用凹部内に嵌め込んだ状態にすることができる。
また、嵌め込み用凹部上に掛け渡された表皮材の部位にスリットを形成し、表飾用部品を嵌め込み用凹部内に嵌め込むことで、嵌め込み用凹部上に掛け渡された表皮材を所望の引っ張り力で引っ張った状態において、スリットの周囲を嵌め込み用凹部内に貼着させることができる。
このように構成することによって、エンブレム等の表飾用部品を表皮加飾品に取り付けることができ、表皮加飾品における意匠性を向上させることができる。しかも、表飾用部品によって、嵌め込み用凹部上に掛け渡している表皮材を押圧することができるので、表飾用部品を取り付けた表皮加飾品に対して、表飾用部品の周囲に配される表皮材にシワやヨレ等を生じさせることなく張りを持たせることができる。そして、シワやヨレ等を生じさせていない表皮材を基材に貼着することができる。
また、本願発明に係る表皮加飾品における表皮材の貼着方法では、表皮材を引っ張った状態で段差部上に掛け渡し、段差部上に掛け渡した前記表皮材の端末部を、外周縁部周辺における基材の裏面に係止させ、段差部上に掛け渡した表皮材の部位を段差部側に押圧することによって、表皮材を更に引っ張った状態で基材に貼着する貼着方法を用いることができる。
このような貼着方法を採用することにより、表皮材の端末側においてシワやヨレを生じさせず、シワやヨレが発生しようとしても表皮材を段差部側に押圧することによって、表皮材を更に引っ張ることができ、シワやヨレの発生を吸収することができる。
しかも、手巻きで表皮材を基材に貼着させても、シワやヨレ等の発生を防止することができる。また、基材の成形時におけるバラツキによって、シワが発生することがあるが、本願発明では成形時のバラツキも段差部を用いた貼着によって吸収することができる。
このように本願発明では、シワやヨレが、視認される表皮加飾品の部位に発生することを防止でき、外観性能を大いに高めた表皮加飾品を製造することができる。
基材の外観形状を示す斜視図である。(実施例) 表皮材及び表皮加飾品の斜視図である。(実施例) 表皮材を貼着した表皮加飾品の縦断面図である。(実施例) 表皮材を貼着した表皮加飾品における要部縦断面図である。(実施例) 基材の要部縦断面図である。(実施例) 表皮材を段差部側に押圧する状態を示した説明図である。(実施例) 表皮材の端末部における貼着状態を示す説明図である。(実施例) 基材の要部縦断面図である。(従来例) 表皮材の端末部における貼着状態を示す説明図である。(従来例)
本願発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係る表皮加飾品における構成としては、以下において自動車用の内装材に表皮材を被着した構成を例に挙げて説明する。しかし、本願発明における表皮加飾品としては、表皮材を被着した自動車用の内装材に限定されるものではなく、基材の表面に表皮材を被着して形成した表皮加飾品に対して、本願発明を好適に適用することができるものである。
また、以下で説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。このため、本願発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1には、表皮材を被着する前の基材2の斜視図を示している。この基材2に対して図2(a)に示す表皮材3を被着させ、図2(b)に示すような表皮加飾品1を製造することができる。図2(b)には、基材2に被着した表皮材3の端末部は、基材2の裏面側に折り返され、視認できる表皮加飾品1の部位において、シワやヨリが発生しないように形成されている。
以下においては、視認できる表皮加飾品1の部位にシワやヨリを発生させない構成について、図2〜図6を用いて説明する。
図3は、表皮材3を被着した表皮加飾品1の縦断面図であり、取付部材5は表皮加飾品1の裏面側を取り付ける取付部の一部構成を示している。表皮材3は、基材2の表面2a(図5参照)における中央寄りの部位から徐々に張力を加えながら接触させていく。そして、基材表面2aの側面部側に向かって表皮材を被せていく。
図3、図4に示すように、表皮材3は基材2の外周縁部2cを巻き込んだ状態で、表皮材3の端部側が基材2の裏面2bに貼着されている。その際、図4に示すように、基材2の外周縁部2cの裏面側に形成した段差部4に表皮材3が押圧された状態で、表皮材3は基材2に貼着されている。
尚、基材2の裏面2bに貼着される表皮材3の端部側の部位としては、最初に基材2の裏面2bに貼着される第1貼着部9aと、後述するように溶着工具6等の押圧具で押圧されながら貼着される第2貼着部9bと、がある。
貼着方法としては、表皮材3を加熱軟化させて基材2に溶着させる貼着方法や、表皮材3の裏面3a及び/又は基材2の表面2a、裏面2bにおける貼着面に予め接着剤や粘着材等を塗布しておくことにより粘着させる貼着方法を採用することができる。あるいは、溶着による貼着方法と粘着による貼着方法とを併用して、貼着させる部位に対してこれらの貼着方法を選択的に適用することもできる。
基材2としては、アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、PP複合(ポリプロピレンに添加剤を加えた複合材樹脂)(PP複合樹脂)、PC/ABS樹脂などを用いて成形することができる。成形方法としては、射出成形あるいは注型成形等を用いて所定の形状に成形することができる。
基材2を成形する材料としては、合成樹脂を用いて成形する代わりに、アルミ材、ステンレススチールなどの金属材や木材等を用いることもできる。これらの金属材をプレス成形等によって成形することも、あるいはこれらの金属材料や木材等に対して切削加工等を施して成形することもできる。
表皮材3としては、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、アクリル樹脂などのシート材、または織編物や不織布などのシート材、あるいはこれらのシート材にポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、PC樹脂、サーモプラスチックオレフィン樹脂(TPO樹脂)等のバッキング材を施したシート材を用いて構成することができる。
また、上述したような熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等を用いることができる。更には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤を配合した構成にしても良い。
次に、本願発明の特徴部である構成、即ち、段差部4に表皮材3を押圧して、表皮材3を基材2に貼着させる構成について、図5〜図7を用いて説明する。また、本願発明の特徴を説明するため、従来技術を示した図8、図9を用いて、従来技術の問題点及び本願発明との相違についても合せて説明する。
図5は、図4に示した基材2において表皮材3を被着させる前の状態を示している。即ち、基材2の外周縁部2cにおける裏面側には、外周縁部2cに沿って段差部4が形成されている。段差部4としては、図示例のように、基材2の裏面2bから立ち上がって外周縁部2cの長さ方向に沿って形成された壁形状として構成しておくことも、基材2の裏面に窪みを形成した凹状部として構成しておくこともできる。
また、段差部4を凹状部として形成した場合には、外周縁部2cに沿った長溝形状に凹状部を形成しておくことも、外周縁部2cに沿って離間して複数形成した凹状部として形成しておくこともできる。また、段差部4としては、基材2の裏面2bから立ち上がった壁形状と凹状部とを組み合わせた形状に構成しておくこともできる。例えば、基材2の角部には凹状部を形成し、角部間には壁形状を形成しておくこともできる。
図6に示すように、基材2の表面2aにおける中央寄りの部位から徐々に張力を加えながら貼着された表皮材3は、基材2の外周縁部2cを巻き込んだ状態で第1貼着部9aを基材2の裏面2bに貼着させていく。外周縁部2cを巻き込んだ表皮材3は、基材2の外周縁部2cと基材2の裏面2bとの間に形成した段差部4の上を掛け渡すように構成され、表皮材3の端末部7における第1貼着部9aを基材の裏面2bに貼着して係止する。
このとき、段差部4の上を掛け渡した表皮材3と段差部4と基材2の裏面2bとによって囲まれた空間8を形成することができる。図6、図7に示すように、段差部4の上に掛け渡した表皮材3の部位に対して溶着工具6を用いて押圧し、溶着工具6が当接した表皮材3の部位及びその周辺を加熱軟化させて、空間8が消滅するように変形させる。これによって、図7に示すように、段差部4側に表皮材3の第2貼着部9bを溶着させることができる。
このように表皮材3を段差部4側に溶着させることによって、段差部4を超えた表皮材3は更に引っ張られることになり、シワやヨレの発生がない状態で表皮材3を基材2に貼着することができる。しかも、手巻きで表皮材3を基材2に貼着させても、シワやヨレ等の発生を防止しておくことができる。
溶着工具6によって表皮材3を段差部4側に溶着させる部位としては、ポイント溶着によって行うことができる。また、必要に応じて、基材2の外周縁部2cに沿った連続的な溶着として溶着工具6による溶着を行わせることもできる。
表皮材3の端末部7における第1貼着部9aを基材の裏面2bに係止されていない状態で、溶着工具6による溶着作業を行うと、表皮材3の端末部7が自由端としての挙動を呈してしまうことになる。その結果、表皮材3に対して張力を加えた状態で表皮材3を段差部4側に溶着させることができなくなる。
図8は、本願発明に係る段差部を形成しないで、平坦状の取付面部34として基材32の裏面32aに形成した構成を示している。図9に示すように、外周縁部32cを巻き込んだ表皮材33の端部は、溶着工具36によって取付面部34に溶着されることになる。そして、基材32の外周縁部32cにおいて、シワ37やヨレが生じてしまうことになる。シワ37やヨレが基材32の外周縁部32cに発生すると、基材の外周縁部32cと表皮材33の裏面33aとの間には隙間が形成されることになり、表皮材33は浮き上がった状態になってしまう。その結果、表皮加飾品としての外観形状を悪化させてしまうことになる。
図9に示した従来例の構成では、表皮材33の端部側をシワが生じないように強く引っ張った状態に構成することができない。確かに、基材32の表面に表皮材33を貼着させているときに表皮材33を引っ張っている状態をそのまま継続して、表皮材33の端部側を引っ張っておくことはできても、このときにおける引張り力では基材32の外周縁部32cにシワやヨレを防止させることができない。
表皮材33の端部側を引っ張っている引張り力を調整可能に構成しておけば、基材32の外周縁部32cにシワやヨレを防止させないような構成にすることは可能かも知れない。しかし、この場合には、引張り装置としての構成が複雑になるばかりでなく、取付面部34に貼着した表皮材33の端部、即ち、引張り装置によって把持されている表皮材33の端部は、取付面部34に貼着されずにヒラヒラした状態になってしまう。このヒラヒラした端部部分を処理するためには、ヒラヒラした部分を削除する等の作業を別途行わなければならなくなる。
本願発明では、表皮材3の端末部7における第1貼着部9aを基材2の裏面2bに貼着しているので、図9に示した従来の構成のように煩雑な作業を必要としない。そのため、表皮加飾品の製造コストも低減させることができる。
また、本願発明では、表皮加飾品1を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認される表皮加飾品の意匠部に対応している基材2の部位に、図示せぬ表飾用部品を嵌め込む図示せぬ嵌め込み用凹部を形成しておくこともできる。そして、この嵌め込み用凹部上に掛け渡されている表皮材3を図示せぬ表飾用部品で押圧しながら、図示せぬ表飾用部材を図示せぬ嵌め込み用凹部内に嵌入させることができる。
このとき、表皮材3に対して図示せぬ表飾用部材から更に張力を付加することができる。そして、表皮加飾品1の意匠部における表皮材3にシワやヨレが生じるのを防止することができる。表皮加飾品1に取り付ける表飾用部品としては、エンブレム等を用いることが
できる。
更に、図示せぬ嵌め込み用凹部上に掛け渡されている表皮材3を図示せぬ表飾用部品で押圧するとき、表皮材3を適度に引っ張り、引っ張った表皮材3を図示せぬ嵌め込み用凹部内に貼着させ易くするため、図示せぬ嵌め込み用凹部上に掛け渡されている表皮材3にスリットを形成することもできる。
スリットを形成することにより、図示せぬ嵌め込み用凹部上に掛け渡されている表皮材3を図示せぬ表飾用部品で押圧するときには、このスリットが拡開して表皮材3に対して適度の引っ張り力を作用させることができる。そして、表皮材3に形成したスリットの周囲を図示せぬ嵌め込み用凹部内に貼着させることができる。しかも、このとき、表皮加飾品1の意匠部における表皮材3にシワやヨレが生じるのを防止しておくことができ、図示せぬ表飾用部品を図示せぬ嵌め込み用凹部内に確実に嵌入させることができる。
本願発明は、表皮材を被着する製品に対して好適に適用することができる。
1・・・表皮加飾品、2・・・基材、2b・・・裏面、2c・・・外周縁部、3・・・表皮材、4・・・段差部、5・・・取付部材、7・・・表皮材の端末部、8・・・空間、9a・・・第1貼着部、9b・・・第2貼着部、32・・・基材、32c・・・外周縁部、33・・・表皮材、34・・・取付面部、37・・・シワ。

Claims (4)

  1. 基材の表面側から加飾用の表皮材を引っ張った状態で貼着してなる表皮加飾品であって、前記表皮加飾品を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認されない前記表皮加飾品の非意匠部に対応している前記基材の外周縁部における部位と、前記基材の裏面との間に段差部が形成され、前記表皮材は、前記段差部上に掛け渡した前記表皮材の端末部を前記基材の裏面に係止させる第1貼着部と、前記段差部に掛け渡されている前記表皮材の部位を前記段差部側に押圧したときに、前記基材の裏面と前記段差部に貼着する第2貼着部とを有してなることを特徴とする表皮加飾品。
  2. 前記段差部が、凹状部として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表皮加飾品。
  3. 前記凹状部が、前記外周縁部の周縁方向に沿って複数形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の表皮加飾品。
  4. 基材表面側に加飾用の表皮材を引っ張って貼着させた表皮加飾品における表皮材の貼着方法であって、前記表皮加飾品を所定の箇所に設置した状態で、外側から視認されない前記表皮加飾品の非意匠部に対応している前記基材の外周縁部における部位と、前記基材の裏面との間に形成した段差部上に、前記表皮材を引っ張った状態で掛け渡すこと、前記段差部上に掛け渡した前記表皮材の端末部を、前記外周縁部周辺における前記基材の裏面に係止させること、前記段差部に掛け渡している前記表皮材の部位を前記段差部側に押圧し、前記表皮材を更に引っ張った状態で前記基材の裏面と前記段差部に貼着すること、を特徴とする表皮加飾品における表皮材の貼着方法。
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