JP5061975B2 - 加飾樹脂成形品の製造方法及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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本発明は、加飾樹脂成形品の製造方法及び加飾樹脂成形品に関し、詳しくは、表面にエンボス模様を有する加飾樹脂成形品の製造方法及び加飾樹脂成形品に関する。
従来の化粧シート付射出成形品(以下、「加飾樹脂成形品」という場合がある。)の製造方法としては、化粧シートを射出成形用金型の内側に入れ、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に加飾シートを一体化接着させる方法、いわゆるインモールド工法が知られている。また、化粧シートを射出成形用金型の内側に入れる前に、前記シートを真空成形等により立体加工し、所望の形状に打ち抜き加工した後、射出成形用金型内の凹部等に嵌め込んで型締めし、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に成形同時加飾シートを一体化接着させる方法(インサート成形)がある。さらに、別の製造方法として、成形同時加飾シートを射出成形用金型内に入れてから、射出成形用金型の凹部に沿うように真空成形等により立体加工し、型締め後、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に成形同時加飾シートを一体化接着させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年求められる高意匠化の観点から、加飾樹脂成形品の加飾部分にエンボス模様等の凹凸模様を配したものが求められている。上記製造方法においては、化粧シートにあらかじめエンボス模様等を付しておくことが考えられるが、化粧シートは熱可塑性樹脂で構成されるために、真空成形工程及び成形樹脂の射出工程において、エンボス模様等が消失し、結果として加飾樹脂成形品に凹凸模様を配することは困難であった。
特開2000−238070号公報
本発明は、上記のような課題に対してなされたものであり、加飾樹脂成形品に簡便に凹凸模様を付することができる加飾樹脂成形品の製造方法及び加飾樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、加飾樹脂成形品を特定の温度で熱処理することで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)表面に凹凸形状を有する熱可塑性樹脂フィルムを金型に挿入する工程、(B)該金型に成形樹脂を射出して加飾樹脂成形品を得る工程、及び(C)該加飾樹脂成形品を熱処理する工程を有する加飾樹脂成形品の製造方法であって、(C)工程の熱処理温度が、熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)より30℃低い温度以上の温度であることを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法、
(2)前記熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂がアクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂である上記(1)に記載の加飾樹脂成形品の製造方法、
(3)前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さが50〜200μmであり、表面の凹凸平均深さが30〜80μmである上記(1)又は(2)に記載の加飾樹脂成形品の製造方法、
(4)前記(A)工程及び(B)工程の間に、(A’)前記熱可塑性樹脂フィルムの立体加工工程を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の加飾樹脂成形品の製造方法、
(5)前記立体加工工程が真空成形工程である上記(4)に記載の加飾樹脂成形品の製造方法、及び
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法により得られる、加飾部分の表面の凹凸平均深さが3〜15μmである加飾樹脂成形品、
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、加飾樹脂成形品に簡便に凹凸模様を付することができ、高い生産性で加飾部に凹凸模様を有する加飾樹脂成形品を製造することができる。
本発明の加飾樹脂成形品の製造方法は、(A)表面に凹凸形状を有する熱可塑性樹脂フィルムを金型に挿入する工程、(B)該金型に成形樹脂を射出して加飾樹脂成形品を得る工程、及び(C)該加飾樹脂成形品を熱処理する工程を有する。
上記(A)工程は、表面に凹凸形状を有する熱可塑性樹脂フィルムを金型に挿入する工程である。ここで用いる熱可塑性樹脂フィルムは、通常加飾フィルムとして用いられるものであれば、特に制限はなく、意匠性や耐久性等を考慮して任意に選択することができる。具体的には、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、非結晶性ポリエステル系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを挙げることができる。これらのうち、耐候性及び透明性等の観点から、アクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましい。
なお、これらの樹脂は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
該熱可塑性樹脂フィルムの厚さとしては、50〜200μmの範囲であることが好ましい。50μm以上であると、エンボス加工等が施しやすく、表面に凹凸形状を設けやすい。また立体形状にフィルムが追随し、破断することがない。一方、200μm以下であると、細かい溝部に追随が可能であり、製品端面の絞り自体が浅くなることがない。以上の観点から、熱可塑性樹脂フィルムの厚さは50〜150μmの範囲であることがさらに好ましい。
なお、上記熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、上述のように50〜200μmの範囲であることが好ましいが、後述するような、いわゆるインサート成形の場合には、該熱可塑性樹脂フィルムの裏側にバッカーフィルムを有していてもよい。この場合には、熱可塑性樹脂フィルムとバッカーフィルムを含めた化粧シートの全体の厚さは、0.03〜2.00mmであることが好ましい。0.03mm以上であると、立体形状にフィルムが追随し、破断することがなく、2.00mm以下であると細かい溝部に追随が可能であり、製品端面の絞り自体が浅くなることがない。以上の点から、化粧シート4全体の厚さとしては、0.2〜1.0mmの範囲がより好ましい。
また、バッカーフィルムは射出する成形樹脂との接着性を考慮して決定されるものであり、通常、該成形樹脂と同様の樹脂で構成される。すなわち、成形樹脂がABS樹脂である場合には、バッカーフィルムもABS樹脂で構成されていることが好ましい。
また、本発明においては、該熱可塑性樹脂フィルムの表面に凹凸形状を有することが特徴であるが、その表面の凹凸平均深さは30〜80μmの範囲が好ましい。表面の凹凸平均深さが30μm以上であると、加飾樹脂成形品に十分な凹凸模様を付すことができ、一方、80μm以下であると、フィルムをロール上に巻いて保管等する際に、凹凸が激しすぎることによる、輸送時の傷つきや破け、巻きの崩れ等が起こらず、好適である。以上の観点から、表面の凹凸平均深さは、30〜60μmの範囲であることがさらに好ましい。なお、表面の凹凸平均深さは、(株)東京精密社製「ハンディサーフE35A」を使用し、測定されたものである。
このような可塑性樹脂フィルムの表面に凹凸形状を設ける方法としては特に制限はないが、エンボス版を用いたエンボス加工が簡便であり、好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、通常、樹脂シートに絵柄層を有した構成をとる。絵柄層は、樹脂シートの表面の全面又は一部に印刷等の方法によって形成される層であり、成形品の表面に文字や図形、記号等を表したり、着色表面を表したりするためのものである。絵柄層は顔料と樹脂バインダーからなる顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダーからなる光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーからなる染料インキ層の群から選ばれる少なくとも一層によって構成されることが好ましい。
絵柄層の形成方法は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法等のコート法等により形成することができる。なお、絵柄層は、蒸着膜からなる金属蒸着によって形成することも可能である。
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて接着層を有していてもよい。接着層は、熱可塑性樹脂フィルムを構成する各層間の接着性を向上させたり、成形樹脂との接着を向上させるための層である。接着層を形成する樹脂としては、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂フィルムにおける樹脂シートの製造方法についても、本発明は特に限定することはなく、従来公知の一般的な方法、例えば、熱可塑性樹脂を直線状のスリットから押出すいわゆる押出しTダイ法、熱可塑性樹脂を熱ロールにより延伸するいわゆるカレンダ加工法、液状樹脂を型内に流し込み固化させるいわゆる注型(キャスト)法等を用いることが可能である。
(A)工程は、上述の熱可塑性樹脂フィルムを金型に挿入する工程であり、より具体的には、例えば、図1に示すように、熱可塑性樹脂フィルム1を射出成形用金型内にセットする。金型内へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の熱可塑性樹脂フィルム1を一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用金型の上部に載置し、ロール状巻物から熱可塑性樹脂フィルム1を巻き出しながら、金型内を通過させ、射出成形用金型の下部に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により熱可塑性樹脂フィルム1を巻き取るようにしてもよい。別の例としては、枚葉の熱可塑性樹脂フィルム1を用いて、ロボットや人手により金型内に入れてもよい。熱可塑性樹脂フィルム1を金型内に入れた後に真空成形等する場合は、金型に対する熱可塑性樹脂フィルム1の位置を決定した後、真空成形する前に熱可塑性樹脂フィルム1を射出成形用金型の表面にクランプ部材によって押さえ付けるとよい。
本発明の製造方法における(B)工程は、熱可塑性樹脂フィルム1が配された金型を、図2に示すように、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂の固化と同時に成形樹脂表面に化粧シート1を一体化接着させ、加飾樹脂成形品を得る工程である。
射出される成形樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PPとPEの混合物などのポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂);ポリカーボネート(PC);ABS樹脂とPCの混合物;アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びこれらの混合物などが挙げられる。
なお、本発明の製造方法では、上記で得られた加飾樹脂成形品の成形樹脂表面に一体化接着した熱可塑性樹脂フィルム4のうち不要な部分を除去する、いわゆるトリミング工程を有していてもよい。
本発明の製造方法においては、前記(A)工程及び(B)工程の間に(A’)立体加工工程を有していてもよい。立体加工工程は、成形樹脂を射出する前に、あらかじめ熱可塑性樹脂フィルムを所望の形状に立体加工する工程であり、通常は、射出成形用金型のキャビティ形成面に合致する形状とすることが多い。
三次元形状に立体加工する方法としては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、プレス成形法等があるが、射出成形用金型内で立体加工する場合は、真空成形法及び圧空成形法が、続いての射出成形を容易に行うとの観点から好ましく、特に真空成形法が簡便であり好ましい。
真空成形法は、熱可塑性樹脂フィルム1をその軟化点以上に加熱して軟化させ、金型の凹部と熱可塑性樹脂フィルム1との間の空間を密閉して真空吸引し、金型の凹部内面に熱可塑性樹脂フィルム1を接着させ、射出成形用金型の可動型2のキャビティ形成面4に合致した三次元形状に熱可塑性樹脂フィルム4を成形するものである。
また、いわゆるインサート成形法においては、前述したように熱可塑性樹脂フィルムにバッカーフィルムを配した化粧シートを用い、これを射出成形用金型内に入れる前に、射出成形用金型とは別の型を用いて該化粧シートを真空成形等により三次元形状に立体加工し、所望の形状に打ち抜き加工しておくものである。
ここで、真空成形法とは、化粧シート1'をその軟化点以上に加熱して軟化させ、真空成形金型の凹部と化粧シート1'との間の空間を密閉して真空吸引し、真空成形金型の凹部内面に化粧シート1'を接着させ、射出成形用金型の可動型2のキャビティ形成面4に合致した三次元形状に化粧シート1'を成形する方法である。
また、所望の形状に打ち抜き加工する方法としては、トムソン打ち抜き法、金型によるプレス法等がある。打ち抜き形状としては、化粧シート1'の外周の場合や、所定形状の孔等がある。なお、前記三次元形状に加工する際に同時に打ち抜き加工をしてもよい。
射出成形用金型としては、通常、成形樹脂を射出するゲート部5を有する固定型3と可動型2等からなり、固定型3と可動型2とが型閉めされることによって、固定型および可動型のキャビティ形成面4によって囲まれた単数あるいは複数のキャビティが形成される。射出成形用金型の金型内部に入れられた熱可塑性樹脂フィルム1は、キャビティ形成面4を覆うことになる。キャビティは樹脂成形品に孔部を形成するものであってもよい。キャビティを形成する凹部は固定型3あるいは可動型2のいずれに形成されていてもよい。金型は、可動型2の凹部の周囲で熱可塑性樹脂フィルム1を押さえ付けて固定するクランプ部材を有してもよい。クランプ部材は固定型3あるいは可動型2に設置されてもよい。
本発明における(C)工程は、上記方法にて得られた加飾樹脂成形品を、熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)より30℃低い温度以上の温度で熱処理する工程である。この処理を行うことにより、成形樹脂の射出工程において、消失したエンボス模様等の凹凸模様が再度現れ、加飾樹脂成形品に凹凸模様を与えることができる。
熱処理の温度としては、用いた熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂に応じて適宜設定されるものであり、十分に凹凸模様を再現させるためには、その樹脂のTgより30℃低い温度以上とすることが肝要である。より高い効果を得るとの観点からは、Tgより20℃低い温度以上とすることが好ましく、Tgより10℃低い温度以上とすることがさらに好ましい。
一方、熱処理温度の上限については、本発明の効果を奏する範囲であり、加飾樹脂成形品に悪影響を与えない範囲で特に制限はないが、通常110℃程度である。なお、Tgは通常の示差走査熱量計(DSC)を用いて測定されるものである。
熱処理時間についても、本発明の効果を奏する範囲で特に制限はなく、熱処理温度との関係で適宜決定されるものであるが、通常1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。
本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムは、上述のように、表面に好ましくは30〜80μmの範囲の凹凸平均深さを有する。この熱可塑性樹脂フィルムは、上記(A)工程においては、該表面の凹凸平均深さに、通常変化はない。その後の(A’)工程及び(B)工程で該表面の凹凸平均深さが浅くなる。より具体的には、(A’)工程において、3〜15μm程度になり、その後の(B)工程を経て、加飾樹脂成形品の加飾部における表面の凹凸平均深さは1〜5μmとなる。この加飾樹脂成形品に対して、上記熱処理を行うことで、加飾樹脂成形品の加飾部における表面の凹凸平均深さは3〜15μmとなる。すなわち、上記熱処理によって、(B)工程前の状態に戻すことが可能であり、表面の凹凸平均深さを2〜4倍とし得ることが明らかとなった。また、(A’)工程を行わずに(A)工程の後に直ちに(B)工程を行う場合には、(C)工程の熱処理を行うことで、初期の凹凸平均深さである30〜80μmまで回復させることも可能である。
このように本発明によれば、(B)工程によって失われる表面の凹凸平均深さを回復させることができ、非常に簡便な方法で加飾樹脂成形品にエンボス模様等の凹凸模様を付与することができる。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(A)工程
熱可塑性樹脂フィルムとして、アクリル樹脂フィルム(住友化学(株)製「テクノロイS001」、厚さ125μm、アクリル樹脂のTg 105℃)を準備した。該アクリル樹脂フィルムに、80μmのエンボス深さを有するエンボス版を用いてエンボス加工を行い、表面の凹凸平均深さ50μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。
(A’)工程
この熱可塑性樹脂フィルムを射出成形用金型にセットし、真空成形を行った。真空成形は、ヒータを該熱可塑性樹脂フィルムから40mm離れた位置に配して、ヒータ温度を320℃に制御し、該フィルムの温度が110℃となるようにして5秒間加熱し、その後真空引きすることで行った。真空成形後の樹脂フィルム表面の凹凸深さを測定したところ、場所によって5〜15μmの凹凸深さがあり、凹凸平均深さとしては10μmと計算された。
(B)工程
成形樹脂であるABS樹脂を240℃で金型内に射出し、その後、金型温度が60℃まで冷却されたところで、樹脂成形品を取り出した。樹脂成形品表面の凹凸平均深さは3μmであった。
(C)工程
上記樹脂成形品をアクリル樹脂のTgより5℃低い100℃で30分間熱処理した。熱処理後の樹脂成形品表面の凹凸平均深さは9μmであった。
本発明の製造方法によれば、熱可塑性樹脂フィルムにあらかじめエンボス模様等の凹凸模様を付与しておき、これを用いて加飾同時成形を行った後に、熱処理することで、加飾樹脂成形品に簡便に凹凸模様を付することができ、高い生産性で加飾部に凹凸模様を有する加飾樹脂成形品を製造することができる。
本発明の加飾樹脂成形品は、コンソールパネル、センタークラスター、スイッチベース等の自動車内装部品、塗装模様のサイドマットガード、バンパー、ホイルキャップやモール等の自動車外装部品等に好適である。
本発明の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の製造方法の他の一工程を示す断面図である。
符号の説明
1:熱可塑性樹脂フィルム
1’:化粧シート
2:可動型
3:固定型
4:キャビティ形成面
5: ゲート部

Claims (6)

  1. (A)表面に凹凸形状を有する熱可塑性樹脂フィルムを金型に挿入する工程、(B)該金型に成形樹脂を射出して加飾樹脂成形品を得る工程、及び(C)該加飾樹脂成形品を熱処理する工程を有する加飾樹脂成形品の製造方法であって、(C)工程の熱処理温度が、熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)より30℃低い温度以上の温度であることを特徴とする加飾樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂がアクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂である請求項1に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルムの厚さが50〜200μmであり、フィルム表面の凹凸平均深さが30〜80μmである請求項1又は2に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記(A)工程及び(B)工程の間に、(A’)前記熱可塑性樹脂フィルムの立体加工工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記立体加工工程が真空成形工程である請求項4に記載の加飾樹脂成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる、加飾部分の表面の凹凸平均深さが3〜15μmである加飾樹脂成形品。
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