JP5862032B2 - インサート成形物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、携帯電話、パーソナルコンピュータの躯体、自動車内装部材等のプラスチック加飾成形部材に関し、さらに詳しくは、射出成形品の立体面を加飾フィルムにより加飾する、射出成形同時加飾成形技術のうち、特にインサート成形手法に関するものである。
携帯電話、パーソナルコンピュータ、自動車内装材などとしては、射出成形を用いたプラスチック成形部材が広く用いられている。製品の差別化を図る目的において、射出成形部材への塗装による意匠表現が一般的であるが、意匠表現のため各色の重ね塗装が必要であり工程が煩雑であると共に、揮発性有機化合物(VOC;Volatile Organic Compounds)等による作業環境の問題が懸念されている。
塗装代替の技術としては、あらかじめ剥離層を付与した転写フィルムを射出金型に挿入し、転写箔を射出成形部品に転写する、IMD(In-Mold Decoration)成形が注目され様々な部材へ採用されている(例えば、特許文献1参照)。IMDはロール状の転写箔を射出成形金型に連続的に供給して射出成形を行うため、生産効率にすぐれる加飾技術であるが、対応可能な形状に制約があり、また、意匠再現性に関しても転写箔として制限を受けるのが現状である。
IMD成形に対し、あらかじめ賦形した加飾フィルムを射出成形金型に挿入し成形するIML(In-Mold Lamination)成形(インサート成形)は深絞り適性に優れ、最表層にフィルムが配置される構成となることによる優れた表面耐性、また、あらかじめフィルムに加飾を施すことにより高意匠な加飾が可能である点など優位な面を有している(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
特開平2−310051号公報 特開平6−106562号公報 特開2005−28012号公報
しかしながら、上述のように、あらかじめ製品形状に賦形加工を行ったプレフォームを、射出成形金型に挿入した後に射出成形を行う事で、インサートフィルムと射出成形樹脂とを一体化するインサート成形において、インサートフィルム端部からの剥離が課題であった。
本発明は、上記課題を改善するためになされたものでありその目的は、インサートするプレフォームフィルム形状を工夫する事により、インサート成形品においてインサートフィルム端部が製品表面に露出することを防ぎ、インサートフィルム端部からの剥離課題を改善するインサート成形手法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、予め製品形状に沿った賦形加工を施したプレフォームフィルムを射出成形金型に挿入し、射出成形をおこなうインサート成形物の製造方法であって、前記プレフォームフィルム端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状に加工するプレフォーム工程と、インサート成形を行う工程と、を備え、前記プレフォーム工程は、製品形状に沿った第1のプレフォーム型を用いた第1プレフォームを行い、続いてトリミング処理を行った第1プレフォームフィルムを得た後、製品形状より絞りが浅く、かつ製品形状に対して内方に削られた第2プレフォーム型を用い、前記第1プレフォームフィルムの端部を加熱することにより製品形状に対して内側に折り曲げられた第2プレフォームフィルムを作製し、前記第2プレフォームフィルムの端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状となり、前記インサート成形物は、前記プレフォームフィルム端部が射出成形樹脂の肉厚方向に埋め込まれた形状を有することを特徴とする。
本発明によれば、プレフォームの端部を製品形状に対して内側に折り込んだ形状とすることで、インサート成形品におけるインサートフィルムの端部が成形品表面に露出することを防ぐことが可能となり、これによりインサートフィルム端部をきっかけとして剥離しやすくなるという問題を解消する効果がある。
図1は、汎用インサート成形品を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るインサート成形物を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るインサート成形物の変形例を示す断面図である。 図4は、汎用のプレフォームフィルムの断面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係るインサート成形物のプレフォームフィルムを示す断面図である。 図6は、汎用のプレフォーム型を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態にインサート成形物の製造方法で用いる第2プレフォーム型を断面図である。 図8は、本発明の実施の形態にインサート成形物の製造方法におけるプレフォームフィルムの成形工程を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態にインサート成形物の製造方法におけるプレフォームフィルムの成形工程を示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るインサート成形物の製造方法およびインサート成形物の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の寸法や寸法の比率などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
なお、本実施の形態のインサート成形物の製造方法の説明に先駆けて、一般的なインサート成形のプロセスについて説明する。一般に、インサート成形のプロセスとして、(1)プレフォーム工程(2)トリミング工程、(3)射出成形工程、に大別することができる。
(1)プレフォーム工程とは、あらかじめ加飾を施した加飾フィルムを加熱し、射出成形金型形状に対応したプレフォーム型を用い賦形する工程である。凸部を有するコア型と、凸部と嵌まり合う凹部を有するキャビティ型とからなるプレス金型を用いた加熱プレス成形、凸部を有するコア型に加熱された加飾フィルムを圧縮空気で賦形する圧空成形などが用いられる。
(2)トリミング工程においては、賦形したフィルムをトリミングしインサート用プレフォームフィルムを得る。
(3)射出成形工程は、上記のインサート用プレフォームフィルムを射出成形用金型に挿入、固持した状態で射出成形金型を型締し、射出成形することにより射出成形樹脂にインサートフィルムが被覆されたインサート成形品を成形する工程である。
通常のインサート成形プロセスにおけるプレフォームおよびトリミングを行ったプレフォームフィルム形状を図4に示す。このプレフォームフィルムを射出成形金型へ挿入し、射出成形を行うと、図1に示すように、インサートフィルム1の端部が成形品3の表面に露出している形状となる。このような状態のインサート成形品に関しては、例えば爪等による物理的な負荷により、インサートフィルム1端部をきっかけにした剥離が起きる可能性がある。
また、適応される材料にもよるが、通常インサート成形品として使用環境を想定した各種耐性試験規格を満たす必要があり、例えば恒温および恒湿環境下での耐性が求められる。図1に示すように、インサートフィルム1の端部がインサートフィルム1と射出成形樹脂の成形品3との密着性のみにより保持されている状況である。図1に示すような成形品の環境試験によれば、プレフォーム時の残留応力、インサートフィルムと射出成形樹脂との熱膨張係数や収縮率の違い等に起因する端部剥がれの不具合が起こる可能性がある。
図5に示すように、本実施の形態においては、プレフォームフィルム(インサートフィルム)2端部をあらかじめ内側に折り込んだ形状とすることが特徴である。このように端部が内側に折り込まれたプレフォームフィルム2を用いることにより、インサートフィルム端部に起因する剥離、剥れの不具合を改善することが可能となる。
プレフォームフィルム2端部が内側に折り込まれた形状を付与する手法として、例えば図6に示すように、まず射出成形金型形状に沿った第1プレフォーム型4を用い製品形状に沿った形に賦形加工を行う。次に、トリミングを実施することで、図4に示すようなプレフォームフィルム1を得る。
次に、図7に示す第2プレフォーム型(絞り深さ方向が第1プレフォーム型に比べ浅くかつ端部が内側に掘られている溝5Aを有する。)5を用い、第2プレフォーム型5の側面端部が内側に折り込まれた賦形加工を行う。具体的には、第2プレフォーム型5にプレフォームフィルム1を配置し、図8に示すように、リングヒーター6等を用い、溝5Aの内側に折り込みたい端部のみフィルムを局所的に加熱するようになっている。この加熱により、図9に示すように、プレフォームフィルム1の端部のみを収縮させプレフォームフィルム1の端部が内側に折り込まれた形状を得ることができる。
このような方法を行うことにより、汎用的な圧空成形によるプレフォーム設備に関して大幅な設備改造をともなうことなくプレフォームフィルム1の端部が内側に折り込まれた形状を得ることができる。プレフォームフィルム1端部以外の部分に関しては加熱されないため特に収縮は発生せず、また、インサート成形用形状に対応した金型形状に固定された状態で加工を行うため、端部以外の部分に関して収縮にともなう寸法変化、残留応力等の不具合をともなうこともなく加工することが可能となる。
プレフォームフィルム1の端部が内側に折り込まれた形状を付与する手法として、例えば、真空圧空成形を用いることで、第2プレフォーム型5を用いることにより1工程にて、図5に示すようなプレフォームフィルム2を得ることも可能である。
本実施の形態に係るインサート成形物の製造方法により、図5に示すように、フィルム端部が内側に折り込まれたプレフォームフィルム2を用いるにより、インサート成形品端面処理としては、例えば図2に示すように、インサートフィルム端部が射出成形樹脂に埋め込まれた形状や、図3に示すように、射出成形品端部までインサートフィルムが回り込んだ形状のインサート成形品を製造することが可能となる。これら端面処理を施すことにより、インサート成形フィルム端部に起因するインサートフィルムの剥離不具合を改善することができる。
本実施の形態に係るインサート成形物の製造方法に用いられる加飾フィルム材料としては、特に制限されるものではなく、例えばポリエステル系フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)系フィルム等の汎用的な熱可塑性フィルムを用いることが可能である。これらの樹脂は、単独材料の無延伸もしくは二軸延伸フィルムでも、複数の材料を共押出し等により積層したフィルムであっても構わない。
加飾フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、インサート成形品としての総肉厚が薄い場合には、インサートフィルムが厚い場合に射出成形樹脂が流動する肉厚が薄くなることによる不具合が発生する可能があるため、インサート成形品の肉厚により適時選定される。より具体的には、インサート成形品の総肉厚に対して、0.2倍以下の加飾フィルム厚みを選定する事が望ましい。
これら熱可塑性フィルムに施す加飾手法に関しても特に制限されるものではなく、例えばグラビア印刷法やオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等の従来公知の各種の印刷方法を単独、もしくは組合せて用いた印刷による加飾や、錫やアルミの蒸着フィルム、金属酸化物の積層による光学干渉膜フィルム、もしくは表面にハードコート塗工やエンボス加工を施した透明フィルム、または、微細エンボスによるホログラム意匠フィルム等用途により様々なフィルム加飾技術を適応することが可能である。
これら加飾フィルムを用い、図5に示すように、本実施の形態におけるプレフォーム工程によりプレフォームフィルム端部が内側に折り込まれた形状であるプレフォームフィルム2を得る。プレフォームフィルム2を射出成形金型に挿入、射出成形をすることによりインサート成形品が得られる。
このような射出成形に用いられる熱可塑性樹脂として、特に制限するものではなく汎用的な射出成形用樹脂を用いることができる。例えば、ABS系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC系樹脂(ポリカーボネート)、PCとABSのアロイ樹脂、PET系樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA系樹脂(アクリル)、PP系樹脂(ポリプロピレン)、PLA系樹脂(ポリ乳酸)などが挙げられる。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
(加飾フィルム)
加飾フィルムとしてアクリルフィルム(三菱レイヨン社製アクリルフィルム:HBS010P/ガラス転移温度100℃、基材厚み125μm)に、グラビアインキ(東洋インキ製造製のアクリル−塩酢ビインキ)に光輝顔料を添加したインキも含め重ね刷りし、グラビア印刷にて絵柄印刷層を設けた。絵柄印刷層面に、スクリーン印刷にて帝国インキ製IMB−003を接着層として印刷を施し加飾フィルムを作製した。
(プレフォーム、トリミング)
加飾フィルムを100℃に加熱し圧空成形により、製品形状に沿う形状に対応した第1プレフォーム型4(図6参照)を用いた予備賦形を実施し、トリミング加工を行うことでプレフォームフィルム1を作製した。製品形状は、縦120mm×横75mm×高さ(絞り深さ)5mm、形品肉厚1mm、外周R=5の蓋形状とし、射出成形型を作製した。これに対し第1プレフォーム型4としては高さ(絞り深さ)を4.5mmとし作製した。
第1プレフォーム型4に対して、高さ(絞り深さ)を4mmとし、プレフォームフィルム1の端部に対応する位置が削られて溝5Aが形成された第2プレフォーム型5にプレフォームフィルム1を配置し(図8参照)、リングヒーター6にてプレフォームフィルム1の端部を局所的に加熱することで、図9に示すように、プレフォームフィルム端部0.5mmが内側に折り込まれた形状であるプレフォームフィルム2を得た。
(射出成形)
作製したプレフォームフィルム2を射出成形用金型に挿入、固定し、射出成形することでインサート成形品を得た。射出成形用樹脂としては、日本A&L製ポリカーボネート、ABSアロイ樹脂(T105)を用い,射出温度270℃、最大射出圧力200MPa、金型温度70℃、射出率150cm/秒の成形条件にて射出成形を実施した。
比較例
射出成形金型に挿入するプレフォームフィルム2として、端部が折り込まれた形状を有していないプレフォームフィルム1を用いた以外は、実施例と同様のプロセスにてインサート成形品を得た。
実施例および比較例にて作製したインサート成形品に関して、インサートフィルム断面観察および恒温恒湿耐性試験(40℃90%RH、96時間)を実施した。結果として、実施例にて作製したインサート成形品はインサートフィルム端部が射出成形樹脂に埋め込まれた形状が得られているのに対し、比較例にて作製したインサート成形品はインサートフィルム端部が露出している形状であった。また、恒温恒湿試験後の外観観察から、実施例にて作製したインサート成形品は端部剥がれ、浮き等外観変化が無かったのに対し、比較例にて作製したインサート成形品は端部の剥がれが観察された。つまり、本発明におけるプレフォームフィルム2の端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状であることで、インサート成形品においてインサートフィルム端部が製品表面に露出することを防ぎ、インサートフィルム端部からの剥離を改善するインサート成形手法およびインサート成形品を提供することができた。
上記のように、プレフォームフィルム2の端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状であるため、プレフォームの端部を製品形状に対して内側に折り込んだ形状とすることで、インサート成形品におけるインサートフィルムの端部が成形品表面に露出することを防ぐことが可能となり、これによりインサートフィルム端部をきっかけとして剥離しやすくなるという問題を解消する効果がある。
また、上記実施の形態では、プレフォーム工程において、第一の工程とし製品形状に沿ったプレフォーム型4を用いたプレフォームを行い、続いてトリミング処理を行ったプレフォームフィルム2を得た後、第二の工程とし製品形状より絞りが浅く、かつ製品形状に対して内方に削られた第2プレフォーム型5を用い、プレフォームフィルム2の端部を加熱することにより製品形状に対して内側に折り曲げられたプレフォームフィルム2を作製できる。このため、プレフォームフィルム2端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状を得ることができる。
上記の実施の形態では、プレフォームの第一の工程は、一般的なプレフォーム工程であり、既存の圧空成形およびトリミング装置により可能なプロセスである。この第一の工程に加え、本実施の形態では第二の工程として製品形状に対して内側に削られたプレフォーム型(最終的に求められるプレフォームフィルム端部が内側に折り込まれた形状に対応する型)を用い、第一の工程で得られたプレフォームフィルム1の端部を加工する。加工に関してはプレフォームフィルム2の端部のみをリングヒーター等で加熱するで,フィルム端部のみを収縮させることにより求める形状が得られる。フィルム端部以外の部分に関しては加熱されないため特に収縮は発生せず、また、インサート成形金型形状に対応した形状に固定された状態で加工を行うため、端部以外の部分に関して収縮にともなう寸法変、残留応力等の不具合をともなうことなく加工できる。
また、上記実施の形態では、プレフォームフィルム端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状であり、インサート成形品において、インサートフィルム端部が射出成形樹脂の肉厚方向に埋め込まれた形状を有するため、インサートフィルム端部が射出成形樹脂に埋め込まれることで、インサートフィルム端部が製品表面に露出することを防げる。
さらに、上記実施の形態では、プレフォームフィルム端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状であり、インサート成形品において、インサートフィルム端部が製品端部に対して回りこんだ形状となるため、インサートフィルムが製品端面まで被覆することができる。
なお、射出成形において射出成形品端面を金型の雄型と雌型の接触面に設定することは一般的である。インサートフィルムが成形キャビティ外の雄型と雌型の接触面に挟み込まれる状況は、金型内での異物発生の原因となり、製品の外観不良に繋がる大きな問題である。この不具合を避けるため、本発明では、通常インサート成形においてインサートフィルムは雄型と雌型の接触面位置より短い設計でプレフォームされる。すなわち、本発明のように、プレフォームフィルム端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状であるプレフォームを用いることで、折り込まれた端部は射出成形金型に挿入される。
したがって、成形金型が閉じた際に、キャビティ外の雄型と雌型の接触面に挟まれることがなく、成形キャビティ内に配置することが可能となる。この状態で射出成形を行うことで、図3に示すように、インサート成形品としてインサートフィルム端部が製品端部に対して回りこんだ形状を得ることができる。インサートフィルム端部をこのような処理により、インサートフィルム端部からの剥離を改善出来ると同時に、インサート成形品端面まで加飾フィルムが被覆した形状が可能となり,非常に意匠性に優れた加飾成形品を得ることができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、これらの実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記実施の形態に係るインサート成形物の製造方法およびインサート成形物では、インサートフィルムの端部が内側へ折れ曲がるような形状としたが、インサートフィルムの端部が内側へ曲線状に湾曲するように形成できるようにプレフォーム型5の溝5Aを湾曲する凹部に形成しても勿論よい。
また、上記実施の形態では、プレフォーム工程において、製品形状に対して製品端部が内側に削られた第2プレフォーム型5を用い、真空圧空成形により、プレフォームフィルム2端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状となるように加工してもよい。
さらに、上記実施の形態では、第2プレフォーム型5の周囲にリングヒーター6を配置してインサートフィルムの端部を加熱したが、熱風を放出する熱風ヒーターを配置してもよい。
1 プレフォームフィルム
2 プレフォームフィルム
3 成形品
4 第1プレフォーム型
5 第1プレフォーム型
6 リングヒーター

Claims (1)

  1. 予め製品形状に沿った賦形加工を施したプレフォームフィルムを射出成形金型に挿入し、射出成形をおこなうインサート成形物の製造方法であって、
    前記プレフォームフィルム端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状に加工するプレフォーム工程と、インサート成形を行う工程と、を備え、
    前記プレフォーム工程は、製品形状に沿った第1のプレフォーム型を用いた第1プレフォームを行い、続いてトリミング処理を行った第1プレフォームフィルムを得た後、製品形状より絞りが浅く、かつ製品形状に対して内方に削られた第2プレフォーム型を用い、前記第1プレフォームフィルムの端部を加熱することにより製品形状に対して内側に折り曲げられた第2プレフォームフィルムを作製し、前記第2プレフォームフィルムの端部が製品形状に対して内側に折り込まれた形状となり、前記インサート成形物は、前記プレフォームフィルム端部が射出成形樹脂の肉厚方向に埋め込まれた形状を有することを特徴とするインサート成形物の製造方法。
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