JP5065644B2 - 化粧シート及びその製造方法並びに化粧シート付射出成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、金型の内側に化粧シートをセットしておき、当該金型内に樹脂を射出することにより、当該樹脂の固化と同時に当該樹脂表面に化粧シートを接着せしめる、つまり射出成形と化粧シートの接着を同時に行うことができる化粧シート、該化粧シートの製造方法及び該化粧シートを用いてなる化粧シート付射出成形品に関する。
従来の化粧シート付射出成形品の製造方法としては、化粧シートを射出成形用金型の内側に入れる前に、前記シートを真空成形等により立体加工し、所望の形状に打ち抜き加工した後、射出成形用金型内の凹部等に嵌め込んで型締めし、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に成形同時加飾シートを一体化接着させる方法がある。また、別の製造方法として、成形同時加飾シートを射出成形用金型内に入れてから、射出成形用金型の凹部に沿うように真空成形等により立体加工し、型締め後、成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂表面に成形同時加飾シートを一体化接着させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、成形同時加飾シートとしては、種々のものが提案されており、例えば、複数の樹脂シートを積層してなり絵柄層を有するものが提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−238070号公報 特開2000−280283号公報
しかしながら、複数のシートを積層してなる化粧シートを用いる場合、真空成形等により立体加工した後に化粧シート全体に反りが発生してしまい、反りが発生した化粧シートを用いると、当該化粧シートを射出成形用金型にセットするときに、射出成形用金型からズレ落ちたり、金型を閉じた際にシートが動いてしまったり、セットできたとしても化粧シートと金型との間に隙間が生じ、成形樹脂を射出した時にこの樹脂が化粧シートと金型との間に裏周りしたり、さらには、反りが発生したシートが邪魔をして金型を閉じることが出来なかったりするという問題があった。反りが生じたシートを射出成形用型にセットした際の状況を図4に示す。
このような、化粧シートの反りに起因する問題は、化粧シートを射出成形用金型内に入れてから、射出成形用金型の凹部に沿うように真空成形等により立体加工する方法の場合でも同様に発生する問題である。
なお、複数のシートを積層してなる化粧シートにおいて、それぞれのシートの材質として同一材料を使用したとしても、該材料に含まれる可塑剤やフィラーの種類及び含有量等の要因で上記反りの問題は発生する。ましてや、異なる材質のシートを積層する場合にはその反りの程度は顕著なものとなる。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、真空成形等の立体加工後に反りが発生せず、射出成形金型からズレ落ちず、成形樹脂が裏周りすることがなく、また、シート間剥離することがない化粧シート、該化粧シートの製造方法、及び該化粧シートを用いた化粧シート付射出成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、複数の樹脂シートを積層してなる化粧シートであって、該複数の樹脂シート間の線膨張係数の差をある値以下とすることで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)樹脂の射出成形と加飾を同時に行う射出成形同時加飾用シートであって、2枚の樹脂シートを少なくとも1層の絵柄層を挟んで積層してなり、2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下である化粧シート、
(2)前記2枚の樹脂シートのうち、表面側樹脂シートの材質がポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリオレフィン及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種であり、成形用樹脂と接する樹脂シートの材質がポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート及びポリエステルから選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載の化粧シート、
(3)2枚の樹脂シート間に接着層を有する上記(1)又は(2)に記載の化粧シート、
(4)2枚の樹脂シートの積層がドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、又は熱ラミネート法により形成される上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧シート、
(5)線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下である2枚の樹脂シートを積層する化粧シートの製造方法であって、樹脂シート間に少なくとも1層の絵柄層を設け、かつ2枚の樹脂シートをドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、又は熱ラミネート法により積層させる化粧シートの製造方法、及び
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧シートをあらかじめ立体加工及び打ち抜き加工を行った後、金型を用いた射出成形法により成形用樹脂と一体化して形成される化粧シート付射出成形品
を提供するものである。
本発明の化粧シートは真空成形のような立体加工がなされた後であっても反りを生じることがない。したがって、立体加工用の金型からの脱離が容易であり、また、射出成形用の金型にセットしてもそこからズレ落ちることがなく、さらに、成形樹脂を射出しても、これが化粧シートと金型との隙間に裏周りすることがない。また、化粧シートを構成する各シート間で剥離することもない。
本発明の化粧シートは、2枚の樹脂シートを少なくとも1層の絵柄層を挟んで積層してなる化粧シートであって、2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下であることを特徴とする。
以下、本発明の化粧シートについて図1を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、化粧シート4は、第1樹脂シート1a、第2樹脂シート1bと絵柄層2と必要に応じて設けられる接着層3から構成されており、化粧シート4を構成する2枚の樹脂シート(第1樹脂シート1aと第2樹脂シート1b)間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下である。
化粧シート4を構成する2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差を4×10-5/℃(41〜50℃)以下とすることにより、化粧シート4を真空成形等により立体加工しても反りが生じることがなく、従って、化粧シートの反りに起因する様々な問題を解消することができる。ここで、化粧シート4の2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)より大きいと、線膨張係数の大きい方のシートが外側となるように反りが生じてしまう。本発明においては、2枚の樹脂シートの線膨張係数の差を4×10-5/℃(41〜50℃)以下とすれば良いが、さらに好ましくは、1×10-5/℃(41〜50℃)以下とし、2枚の樹脂シートの線膨張係数の差を0(ゼロ)、つまり各シートの線膨張係数の値を等しくすることが特に好ましい。
なお、本発明における線膨張係数は、一般的な熱機械分析装置を用いて測定した値である。測定条件としては、各シートを3×15mmの短冊状に切り出してサンプルとし、チャック間10mm、荷重3gの引張りモードにて、窒素気流下において昇温速度10℃/分として測定し、41℃から50℃における平均線膨張係数を測定値とした。
化粧シート4を構成する2枚の樹脂シート(1a、1b)については、前記線膨張係数の差について限定される以外は特に限定されることはなく、それぞれの樹脂シートが何枚のシートを積層するか、如何なる材質のシートを用いるか、等については前記線膨張係数の差を考慮しつつ任意に設定することができる。
化粧シート4を構成する2枚の樹脂シート(第1樹脂シート1a及び第2樹脂シート1b)の材質については、特に限定することはなく、化粧シートに求める意匠性や耐久性等を考慮して任意に選択することができる。具体的には、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、非結晶性ポリエステル系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを挙げることができる。なお、これらの樹脂は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
化粧シート4の表面側を第1樹脂シート1a、成形用樹脂と接する側を第2樹脂シート1bとすると、第1樹脂シート1aに用いられる樹脂としては、ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;アクリル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、これらの混合物等のポリオレフィン;ポリカーボネート(PC)などが挙げられ、これらのうちアクリル系樹脂シートを用いることが耐光性、透明性等の物性を兼ね備えており、特に好ましい。
一方、第2樹脂シート1bの材質としては、成形樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、成形樹脂と同じ又は類似の樹脂を用いることが接着性の観点から好ましい。成形樹脂としては、一般にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PPとPEの混合物などのポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂);ポリカーボネート(PC);ABS樹脂とPCの混合物;アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びこれらの混合物を使用することが多く、従って、これと同一の樹脂を用いることが好ましい。これらのうち特に、ポリオレフィン、ABS樹脂、ポリカーボネート、及びポリエステルが好ましく、特にポリオレフィン及びABS樹脂が好ましい。
各樹脂シートの線膨張係数は、例えば、樹脂シートの材質がアクリル系の場合(アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、アクリルゴム(エチルメタクリレート、EMA、ブチルメタクリレート、BMAなど))には、エラストマー成分の配合量を調節することにより、一方、樹脂シートの材質が共重合体の場合(ブタジエンとスチレンの共重合体など)には、タルク(滑石)、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、ガラス繊維、カーボン繊維などの充填剤を添加することにより、コントロールすることが可能である。具体的には、例えばアクリル樹脂とポリプロピレン樹脂を積層する場合には、通常の場合だとポリプロピレンの線膨張係数の方がアクリル樹脂のそれに比べて大きいため、ポリプロピレン樹脂にタルク(滑石)を添加することによりポリプロピレン樹脂の線膨張係数を小さくすることができ、その結果、アクリル樹脂とポリプロピレン樹脂との線膨張係数の差を所望の数値範囲内とすることができる。
化粧シート4全体の厚みとしては、特に限定されることはないが、0.03〜2.00mmのものが好ましい。0.03mm以上であると、立体形状にフィルムが追随し、破断することがない。一方で2.00mm以下であると細かい溝部に追随が可能であり、製品端面の絞り自体が浅くなることがない。
以上の点から、化粧シート4全体の厚みとしては、さらに0.2〜1.0mmの範囲がより好ましい。
また、化粧シート4を構成する前記第1樹脂シート1a、第2樹脂シート2bの製造方法についても、本発明は特に限定することはなく、従来公知の一般的な方法、例えば、成形樹脂を直線状のスリットから押出すいわゆる押出しTダイ法、樹脂を熱ロールにより延伸するいわゆるカレンダ加工法、液状樹脂を型内に流し込み固化させるいわゆる注型(キャスト)法等を用いることが可能である。
これらのシート(1a、1b)の積層方法としては、各シートに有機溶剤性の接着剤を塗り熱風で溶剤を蒸発乾燥させ接着させるいわゆるドライラミネート法、シートに固形状の接着剤を120〜160℃の熱で溶かして塗り印刷フィルムを貼り合せ瞬間冷却して一体化させるいわゆるホットメルトラミネート法、押出し機から成形樹脂をフィルム状に押出し印刷フィルムを貼り合せるいわゆる押出しラミネート法、及び貼り合せるフィルムまたはシートの一方または両方に加熱ロールで圧着させるいわゆる熱ラミネート法などがある。
本発明の化粧シート4は図1に示すように樹脂シート1a及び1bの間に絵柄層2を有する。絵柄層2は、樹脂シート1aの表面の全面または部分に印刷等の方法によって形成される層であり、成形品の表面に文字や図形、記号等を表したり、着色表面を表したりする等のためのものである。絵柄層2は顔料と樹脂バインダーからなる顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダーからなる光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーからなる染料インキ層の群から選ばれる少なくとも一層によって構成されることが好ましい。
絵柄層2の形成方法は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷法や、ロールコート法、スプレーコート法等のコート法等により形成すると良い。なお、絵柄層2は、蒸着膜からなる金属蒸着によって形成することも可能である。
また、本発明の化粧シート4は図1に示すように、必要に応じて接着層3を有していても良い。接着層3は、化粧シート4を構成する各シート間の層間接着性を向上させたり、成形樹脂との接着を向上させるための層である。接着層3を形成する樹脂としては、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を挙げることができる。
次に、本発明の化粧シート付射出成形品の製造方法について説明する。
本発明の化粧シート付射出成形品の製造方法は、上記において説明した、2枚の樹脂シートが積層された化粧シート4を射出成形用金型内にセットし、成形樹脂を射出し、成形樹脂の固化と同時に成形樹脂表面に化粧シート4を一体化接着させる方法である。この際に、化粧シート4を構成する各シート間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下であるため、当該化粧シートが反り返ることを防止することができ、その結果、成形不良品の削減、歩留まりの向上、コストの削減など様々な効果を発揮することができる。
具体的には、図2に示すように、まず、化粧シート4を射出成形用金型内にセットする。金型内へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の化粧シート4を一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用金型の上部に載置し、ロール状巻物から化粧シート4を巻き出しながら、金型内を通過させ、射出成形用金型の下部に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により化粧シート4を巻き取るようにしてもよい。別の例としては、枚葉の化粧シート4を用いて、ロボットや人手により金型内に入れてもよい。化粧シート4を金型内に入れた後に真空成形等する場合は、金型に対する化粧シート4の位置を決定した後、真空成形する前に化粧シート4を射出成形用金型の表面にクランプ部材によって押さえ付けるとよい。
また、本発明の化粧シート付射出成形品の製造方法においては、2枚のシートが積層された化粧シート4を射出成形用金型内にセットする前に、立体加工と打ち抜き加工とをするのが好ましい。つまり、化粧シート4を射出成形用金型内に入れる前に、射出成形用金型とは別の型を用いて化粧シート4を真空成形等により三次元形状に立体加工し、所望の形状に打ち抜き加工しておくのである。所望の形状としては、射出成形用金型のキャビティ形成面7に合致する形状等がある。
三次元形状に立体加工する方法としては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、プレス成形法等がある。ここで、真空成形法とは、化粧シート4をその軟化点以上に加熱して軟化させ、真空成形金型の凹部と化粧シート4との間の空間を密閉して真空吸引し、真空成形金型の凹部内面に化粧シート4を接着させ、射出成形用金型の可動型5のキャビティ形成面7に合致した三次元形状に化粧シート4を成形する方法である。
また、所望の形状に打ち抜き加工する方法としては、トムソン打ち抜き法、金型によるプレス法等がある。打ち抜き形状としては、化粧シート4の外周の場合や、所定形状の孔等がある。なお、前記三次元形状に加工する際に同時に打ち抜き加工をしてもよい。
射出成形用金型は、成形樹脂を射出するゲート部9を有する固定型6と可動型5等からなり、固定型6と可動型5とが型閉めされることによって、固定型および可動型5のキャビティ形成面7によって囲まれた単数あるいは複数のキャビティが形成されるものがある。射出成形用金型の金型内部に入れられた化粧シート4は、キャビティ形成面7を覆うことになる。キャビティは樹脂成形品に孔部を形成するものであってもよい。キャビティを形成する凹部は固定型6あるいは可動型5のいずれに形成されていてもよい。金型は、可動型5の凹部の周囲で化粧シート4を押さえ付けて固定するクランプ部材を有してもよい。クランプ部材は固定型6あるいは可動型5に設置されてもよい。このようなクランプ部材は、化粧シートに反りが生じている場合には用いることが困難であるが、本発明の方法に用いられる化粧シート4は反りが生じないので、このようなクランプ部材を用いることが可能となる。
次に、図3に示すように、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂の固化と同時に成形樹脂表面に化粧シート4を一体化接着させる。その後、成形樹脂表面に一体化接着した化粧シート4のうち不要な部分を除去してもよい。
本発明の方法で用いられる成形樹脂については、特に限定されることはないが、例えば化粧シート4を構成する複数のシート(1a、1b)として、アクリル系樹脂シートとポリプロピレン系樹脂シートとを使用した場合は、成形樹脂として、ポリプロピレン系樹脂を使用するのが特に好ましい。化粧シート4と成形樹脂の材質が同系統となり接着力が向上するためである。
以下に本発明の実施例と比較例とを示す。
表1に示すように、第1樹脂シートとして、線膨張係数の異なる2種類のアクリル樹脂(アクリル樹脂A〜B)を用意した。また、第2樹脂シートとして、線膨張係数の異なる3種類のポリプロピレン樹脂(ポリプロピレン樹脂A〜C)とABS樹脂を用意した。これらの樹脂の線膨張係数、および厚さは表1に記載したとおりである。
これらの樹脂を用いて、表1に示すように、第1樹脂シートと第2樹脂シートとをそれぞれ組み合わせて、図1に示すような化粧シート4を形成し、当該化粧シート4を用いて射出成形品を形成した。
表1に差として記載した各数値は、(第1樹脂シートの線膨張係数)−(第2樹脂シートの線膨張係数)の計算結果であり、その数値の下の評価として記載する◎、○、△、×は、化粧シート、および形成された射出成形品についての総合的な評価である。
具体的には、化粧シートにあっては、反りが生じていない場合が◎、若干の反りが生じているが、なんら問題とならない程度である場合が○、反りが生じており、問題を生じる可能性がある場合が△、反りが大きく、射出成形の際に問題が生じる場合が×である。
また、射出成形品の評価にあっては、化粧シートが所望の位置に一体化接着されており、形成時にあっても特に問題が生じなかった場合が◎、化粧シートが許容範囲内に一体化接着されており、形成時にあっても問題が生じなかった場合が○、化粧シートに若干のズレが生じている、若しくは形成時に化粧シートの欠落など、若干のトラブルが生じた場合が△、化粧シートが所望の位置から大幅にズレている、若しくは形成時に大きなトラブルが生じ歩留まり等に影響が生じうる場合が×である。
Figure 0005065644
上記表1からも明らかなように、第1樹脂シートと第2樹脂シートの線膨張係数の差(絶対値)が4×10-5/℃(41〜50℃)以下の場合には、何れも良好な結果が生じており、特にその差が1×10-5/℃(41〜50℃)以下の場合には非常に優れた結果が生じている。その一方で、その差が5×10-5/℃(41〜50℃)より大きくなると、化粧シートに反りが生じこれに起因して、成形される射出成形品にあっても何らかの不具合が生じたことが分かる。
本発明の化粧シートは真空成形のような立体加工がなされた後であっても反りを生じることがないため、立体加工用の金型からの脱離が容易であり、また、射出成形用の金型にセットしてもそこからズレ落ちることがない。また、成形樹脂を射出しても、これが化粧シートと金型との隙間に裏周りすることがない。さらには、化粧シートを構成する各シート間で剥離することもない。
本発明の化粧シートを用いて製造した本発明の化粧シート付射出成形品は、コンソールパネル、センタークラスター、スイッチベース等の自動車内装部品、塗装模様のサイドマットガード、バンパー、ホイルキャップやモール等の自動車外装部品等に好適である。
本発明の化粧シートの構成を示す概略断面図である。 本発明の化粧シート付射出成形品を製造する方法における工程の一つを示す断面図である。 本発明の化粧シート付射出成形品を製造する方法における工程の一つを示す断面図である。 従来の、反りが生じた化粧シートを金型にセットした状態を示す図である。
符号の説明
1a:第1樹脂シート
1b:第2樹脂シート
2:絵柄層
3:接着層
4:化粧シート
5:可動型
6:固定型
7:キャビティ形成面
9:ゲート部

Claims (5)

  1. 射出成形用金型にセットする前に、あらかじめ立体加工を行い、射出成形用金型の可動型のキャビティ形成面に合致するよう打ち抜き加工を行った後、射出成形用金型の前記キャビティ内に載置され、樹脂の射出成形と加飾を同時に行う射出成形同時加飾用化粧シートであって、2枚の樹脂シートを少なくとも1層の絵柄層を挟んで積層してなり、2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差が4×10-5/℃(41〜50℃)以下である射出成形同時加飾用化粧シート。
  2. 前記2枚の樹脂シートのうち、表面側樹脂シートの材質がポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリオレフィン及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種であり、成形用樹脂と接する樹脂シートの材質がポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート及びポリエステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の射出成形同時加飾用化粧シート。
  3. 2枚の樹脂シート間に接着層を有する請求項1又は2に記載の射出成形同時加飾用化粧シート。
  4. 2枚の樹脂シートドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、又は熱ラミネート法により積層されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形同時加飾用化粧シート。
  5. 化粧シートに対し、射出成形用金型内にセットする前に立体加工及び打ち抜き加工を行う工程と、当該加工後の化粧シートを射出成形用金型内にセットする工程と、射出成形法により成形用樹脂と一体化する工程とを有する化粧シート付射出成形品の製造方法であって、該化粧シートが、2枚の樹脂シートを少なくとも1層の絵柄層を挟んで積層してなり、かつ、2枚の樹脂シート間の線膨張係数の差が4×10 -5 /℃(41〜50℃)以下である化粧シート付射出成形品の製造方法。
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