JP4116716B2 - 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンソールボックス、センタークラスター、スイッチベースなどの自動車用内装部品、モール、サイドマッドガード、バンパー、ホイルキャップなどの自動車用外装部品、建材の扉枠部品などの射出成形品の表面に貼付けられ、とくに表面強度および耐光性に優れたポリプロピレンフィルムを基材フィルムとする成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内外装部品などの射出成形品の表面に貼付けられる成形同時貼付用シートには、アクリルフィルムやポリプロピレンフィルムなどの基材フィルムからなり、その成形樹脂に接着される側の面に必要に応じて絵柄層が設けられたものがある。そして、これを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法は、次のとおりである。すなわち、成形同時貼付用シートを、真空成形法により立体形状に加工し、プレス打抜きにて不要部分を取り除いた後、射出成形用の金型内にセットし、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化させて樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させる方法である。
【0003】
そして、成形同時シート貼付後、得られた成形品には、それに応じた耐性が要求される。特に、自動車部品などにおいては、厳しい耐性やリサイクル性などが要求されるので、これらに優れたポリプロピレンフィルムが成形同時貼付用シートの基材フィルムとして用いられる。また、この基材フィルムの表面強度を向上させるために延伸加工や圧延加工など結晶化処理を行ない結晶化度を上げたり、耐光性を向上させるために製膜時に紫外線吸収剤や光安定剤、紫外線遮断剤などを添加したりすることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基材フィルムとしてポリプロピレンフィルムを用いた成形同時貼付用シートは、射出成形時には射出された成形樹脂の熱が成形同時貼付用シートに加わり、また樹脂の流れに沿って成形同時貼付用シートが引き伸ばされるため、材質によっては破断するという問題がある。
【0005】
また、基材フィルムの結晶化処理においては、結晶化しすぎるとフィルムの伸長性がなくなり、立体形状に加工ができなくなるという問題がある。特に底の深いコンソールボックスなどの深絞り成形品には適用することが難しくなる。
【0006】
また、基材フィルムへの紫外線吸収剤等の添加においては、紫外線吸収剤等を添加しすぎるとその添加剤が基材フィルム表面に染み出てきて、成形同時貼付用シートをロールにして巻く場合にブロッキングしたり、基材フィルムに形成した接着層を変質させて接着性の低下が起きたりする問題がある。また、添加剤が基材フィルム中にひどく偏って存在すると、基材フィルムの強度が低下し、射出成形時に破断するという問題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を解決し、表面強度および耐光性に優れたポリプロピレンフィルムを基材フィルムとするもので、射出成形時に破断することがなく、立体形状成形品、特に深絞り成形品にも適用でき、基材フィルム中の添加剤が表面に染み出ることがない、自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着されることにより自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シートであって、当該成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な結晶化度20%未満の低結晶性ポリプロピレンフィルムの単層フィルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であり、基材フィルムのJISK-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有しているように構成した。
【0009】
また、本発明は、射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着されることにより自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シートであって、当該成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な結晶化度20%未満の低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムの少なくとも成形樹脂に接着される側の面と反対の面に透明な結晶化度20%以上の高結晶性ポリプロピレンフィルムが積層された積層フィルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度であり、基材フィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有しているように構成した。
【0010】
また、本発明は、上記の成形同時貼付用シートを射出成形用の金型内にセットし、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化させて樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させるることにより成形同時シート貼付樹脂成形品を製造するように構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。
【0012】
図1〜3は本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図、図4は本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法により得られた成形同時シート貼付樹脂成形品を示す断面図、図5〜8は本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図、図9は本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法に用いる立体加工された成形同時貼付用シートを示す断面図、図10および図11は本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図、図12は成形同時貼付用シートの引張強度を測定する引張試験機を示す斜視図、図13は引張試験機の試験片を固定する部分を示す平面図、図14は引張試験機の試験片を固定する部分を示す断面図、図15は基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面の鉛筆硬度を測定する鉛筆引掻き試験機を示す図、図16は基材フィルムのヘイズ値を求めるのに使用する積分球式光線透過率測定装置を示す図である。図中、1は基材フィルム、1aは低結晶性ポリプロピレンフィルム、1bは低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム、1cは高結晶性ポリプロピレンフィルム、2は絵柄層、3は成形同時貼付用シート、4は可動型、5は固定型、6はキャビティ形成面、7はクランプ部材、8はゲート部、9は真空吸引孔、10は成形樹脂、11はキャビティ、12は樹脂成形品、13は試験片、14はネジ、15はチャック、16はチャック、17は可動部材、18は鉛筆、19は試験片取付台、20はおもり、21は試験片、22は標準白色板、23はライトトラップ、24は光源、25は積分球、26は受光器をそれぞれ示す。
【0013】
本発明の成形同時貼付用シート3は、第一の特徴として、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片13の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であるものである。
【0014】
射出成形時に成形同時貼付用シート3が破断するのは、成形樹脂の熱が成形同時貼付用シート3に加わり、樹脂の流れに沿って成形同時貼付用シート3が引き伸ばされたときに、これに対抗する強度が成形同時貼付用シート3にないためである。そこで、本発明者は、以下のようにして、成形時に破断しないためにどれくらいの強度が必要であるかを検討した。
【0015】
大抵の成形樹脂の射出温度は150〜280℃である。そこで、まず(1)150℃で成形可能なエチレン酢酸ビニル樹脂をその温度で射出成形する場合について、ポリプロピレン樹脂からなる各種の成形同時貼付用シート3にて成形同時シート貼付を行ない、成形時に破断した成形同時貼付用シート3と破断しなかった成形同時貼付用シート3とを分別した。また(2)280℃で成形可能なポリカーボネート樹脂をその温度で射出成形する場合について、同様の成形同時シート貼付を行ない、成形時に破断した成形同時貼付用シート3と破断しなかった成形同時貼付用シート3とを分別した。なお、成形時の成形同時貼付用シート3表面の温度を測定したところ、射出成形樹脂の熱が伝えられて(1)の場合は62℃付近、(2)の場合は94℃付近になっていた。
【0016】
次に、分別したそれぞれについて幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片13を一対のチャック15,16を用いてチャック間距離5mmで固定し62℃の環境温度下において試験片13の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施した結果(図12〜14参照)、(1)の成形同時シート貼付で破断したものと同じ成形同時貼付用シート3は、試験片13が破断したときの引張破断荷重が全て20gf未満であった。また、94℃の環境温度下において同様の引張試験を実施した結果、(2)の成形同時シート貼付で破断したものと同じ成形同時貼付用シート3は、試験片13が破断したときの引張破断荷重が全て23gf未満であった。したがって、成形時に破断しないようにするには、第一の特徴として挙げたように引張破断荷重が少なくとも23gf以上の強度が成形同時貼付用シート3に必要であることが分かった。
【0017】
ここで、環境温度とは、試験片13が試験片13周囲の雰囲気と同じ温度まで加熱された状態での温度である。環境温度を62〜94℃としたのは、上記したように射出成形に使用する成形樹脂は最適射出温度が150〜280℃のものが多く、その樹脂熱が成形同時貼付用シート3に伝わって成形同時貼付用シート3表面の温度を62〜94℃に上昇させても破断しない強度を成形同時貼付用シート3が有しなくてはならないからである。なお、最適射出温度が280℃を超える成形樹脂もあるが、そのような樹脂を使用すると成形同時貼付用シート3の材料をいくら改良しても変質が起こってしまう。また、最適射出温度が150℃に満たない成形樹脂もあるが、そのような樹脂を使用すると得られる成形同時シート貼付樹脂成形品が耐熱性不足になってしまう。
【0018】
試験片13は、成形同時貼付用シート3を幅10mm、一対のチャック15,16を用いてチャック間距離5mmで引張試験に供することができる大きさに切断したものである。試験片13のサイズを大きくしないのは、試験片13を引張する前に前記環境温度下にて試験片13が軟化して皴だらけになるのを避けるためである。また、試験片13のサイズをあまりに小さくすると測定誤差が大きくなるためである。したがって、測定誤差が問題にならない程度にできるだけ小さくした結果、上記のサイズとなった。なお、図12〜14において、上側のチャック15は、試験片13の上端を挟んだ状態でネジ14により固定される。また、下側のチャック16は、試験片の下端を挟んだ状態でネジ14により固定される。図12〜14に示すように、上側のチャック15は試験機に固定される一方、下側のチャック16は可動部材17により下向きに500mm/分の速度で下降して試験片13に引張力を作用させる。
【0019】
また、試験片13を引張する速度を500mm/分としたのは、実際の射出成形時の成形同時貼付用シート3の引き伸ばされる速度が速すぎて測定できる装置がないため、JIS K-7127に規定されている試験速度のうち最も速い速度を選定した。
【0020】
また、本発明は、第二の特徴として、(a)成形同時貼付用シート3の基材フィルム1が透明な低結晶性ポリプロピレンフィルム1aの単層フィルムからなるもので(図5参照)、基材フィルム1の成形樹脂10に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜2Bの硬度であるもの、あるいは(b)成形同時貼付用シート3の基材フィルム1が透明な低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム1bの少なくとも成形樹脂10に接着される側の面と反対の面に透明な高結晶性ポリプロピレンフィルム1cが積層された積層フィルムからなるもので(図6〜8参照)、基材フィルム1の成形樹脂10に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度であるものである。
【0021】
JIS K-5400の測定方法は、JIS K-5401に規定した塗膜用鉛筆引掻き試験機(図15参照)にて150mm×70mmにカットした試験片の表面をJIS S-6006に規定する鉛筆18を用いて引掻き、傷の有無から表面の硬度を判定する方法であり、鉛筆硬度値は、5回の試験で傷つく回数が2回未満のときの鉛筆の硬度である。引掻きは、鉛筆18を45±1度でおもり20により試験片に押しつけ、その状態で試験片取付台19を移動させることによって行なう。前記値の範囲の鉛筆硬度値は人が軽く指先で擦っても傷がつかない値であるから、自動車部品などに適用する成形同時貼付用シート3の表面強度としては充分であるといえる。
【0022】
上記ポリプロピレンフィルムの結晶性の違いは、延伸加工や圧延加工などの処理程度の差による結晶化度の違いによるものである。延伸加工や圧延加工などの処理をすると、不規則に配列していた高分子鎖が周期性をもって三次元配列(結晶化)する。この結晶化された部分の割合が20%以上の場合を高結晶性であるといい、20%未満の割合で結晶化されている場合を低結晶性であるといい、全く結晶化されない場合を非結晶性であるという。低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムは、高結晶性ポリプロピレンフィルムに比べて低い荷重で伸度の大きい伸び挙動の性質・機能を有し、立体加工性に寄与する。
【0023】
上記した(b)のタイプのように二層または三層構造の積層フィルムを基材フィルム1とする(図6〜8参照)ためには、フィルムどうしをラミネート法により積層すればよい。ラミネート法としては、一方のフィルム表面が接着性を呈するまで加熱して他方のフィルムを貼り合わせるいわゆる熱ラミネート法や、接着剤を介してフィルムを貼り合わせるいわゆるドライラミネート法などがある。また、一方のフィルムの上に他方のフィルムとなる樹脂を押出成形により被覆するいわゆる押出コート法、それぞれのフィルムとなる樹脂を共押出しする製膜法などもある。
【0024】
なお、(b)のタイプは、硬質の高結晶性ポリプロピレンフィルム1cが軟質の低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム1bにより支持されるため、(a)のタイプと比べて、基材フィルム1の成形樹脂10に接着される側の面と反対の面がより硬くなるように高結晶性ポリプロピレンフィルム1cを結晶化させることが成形同時貼付用シート3の立体加工性を損なわずにできる。
【0025】
また、透明なポリプロピレンフィルムは、樹脂成形品12や絵柄層2が見える範囲内であれば、半透明のもの、黄色などに薄く着色されたもの、体質顔料を含ませて艶消し状態としたもの、またはヘアーラインなどの模様を有するものを含む。
【0026】
さらに、本発明の成形同時貼付用シート3は、第三の特徴として、基材フィルム1のJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた少なくとも一つを含有しているものである。
【0027】
JIS K-7105の測定方法は、積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過量及び散乱光量を測定し、これらから試験片の全光線透過率、拡散透過率を求めるものである。ヘイズ値は拡散透過率/全光線透過率×100で表わされる値である。具体的には、積分球式光線透過率測定装置(図16参照)に標準白色板22を取り付けた後に装置の指示を100(T1)にあわせて光源24から光を積分球25内の受光器26で受けて入射光量を測定し、次いで試験片21を取り付けて全光線透過量(T2)を測定し、次に上記標準白色板22および上記試験片21を取り外した上でライトトラップ23を取り付けて装置のみ散乱光量(T3)を測定し、さらに試験片21を取り付けて装置および試験片21の散乱光量(T4)を測定する。このとき、全光線透過率=T2であり、拡散透過率=T4−T3×(T2/T1)である。
【0028】
なお、低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムは、高分子鎖どうしの間に隙間がある。したがって、(b)のタイプは、添加剤を添加させる割合を積層フィルム中の低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム1bで多くした場合に紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤などの添加剤の分散についてより均一性を保つことができる。
【0029】
また、第一〜第三の特徴を有する本発明の成形同時貼付用シート3において、(a)のタイプは基材フィルム1の成形樹脂10に接着される側の面に絵柄層2を設けることができ(図5参照)、(b)のタイプは基材フィルム1の成形樹脂に接着される側の面および基材フィルム1の各積層フィルム間のうち少なくとも一面に絵柄層2を設けることができる(図6〜8参照)。絵柄層2は、樹脂成形品12の表面に文字や図形、記号などを表したり、着色表面を表したりするためのものである。また、絵柄層2は、黒色やシルバーメタリック色などの、パターンが無い全面べた色のものであってもよく、あるいは、木目模様や石目模様などのパターンがある色または多色のものであってもよい。あるいは、絵柄層2は、透明黄色の全面べた、またはパターン層とシルバーメタリック色の全面べた、またはパターン層とを積層して金色全面べた、またはパターン層を表現するようにしてもよい。絵柄層2は、顔料と樹脂バインダーから構成される顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダーから構成される光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーから構成される染料インキ層の群から選ばれる少なくとも一層によって構成される。このような絵柄層2は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、またはスクリーン印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、またはスプレーコート法などのコート法などにより形成するとよい。絵柄層2の厚みとしては、0.1〜20μmが好ましい。通常の印刷法によれば、この範囲となる。
【0030】
また、絵柄層2は金属薄膜層から構成されるもの、あるいは、金属薄膜層と印刷層との組み合わせから構成されるものでもよい。金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、または鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、または亜鉛などの金属、またはこれらの合金若しくは化合物を使用する。
【0031】
また、本発明の成形同時貼付用シート3は、接着層が設けられていてもよい。接着層としては、成形樹脂10の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂10の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂10の材質がポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。このような接着層は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、またはスクリーン印刷法などの通常の印刷法や、ロールコート法、またはスプレーコート法などのコート法などにより形成するとよい。接着層の厚みとしては、0.1〜50μmが好ましい。通常の印刷法によれば、この範囲となる。
【0032】
成形同時貼付用シート3の厚みとしては、50〜2000μmが好ましい。50μmより薄いと、成形樹脂10を射出したとき、成形樹脂10の熱圧により成形同時貼付用シート3にしわが生じる。2000μmを超えると、成形同時貼付用シート3の立体加工性が劣るため、成形同時貼付用シート3を立体形状に加工するのが困難である。特に、50〜700μmが好ましい。この範囲の成形同時貼付用シート3は、成形同時貼付用シート3を任意の形状に打ち抜いたり、切断したり、成形用金型に挿入したりする作業性がよい。また、成形同時貼付用シート3の立体加工性に優れるので、成形同時貼付用シート3を立体形状に加工するのが短時間でできる。700μmを超えると、巻き状態の成形同時貼付用シート3とすることが困難であり、生産性が劣るものとなる。さらに、立体形状に加工するのを射出成形用金型の可動型4上で行う場合は、成形後に成形同時貼付用シート3の不要な部分のトリミングを行うため、やや薄めの50〜200μmが好ましい。また、立体形状に加工するのを射出成形用金型とは別の金型で行う場合は、立体形状加工成形用金型に挿入する工程が必要となるので、成形同時貼付用シート3に剛性が必要であり、やや厚めの300〜700μmが好ましい。
【0033】
次に、成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法を説明する。
【0034】
まず、成形同時貼付用シート3を射出成形用の金型である可動型4の表面にクランプ部材7によりセットする。
【0035】
可動型4へのセットの仕方の具体例としては、ロール軸に長尺の成形同時貼付用シート3を一旦巻き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形用の可動型4の上部に可動型4と一体的に移動可能に載置し、ロール状巻物から成形同時貼付用シート3を巻き出しながら、退避した可動型4と固定型5との間を通過させ、射出成形用の可動型4の下部に可動型4と一体的に移動可能に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸により成形同時貼付用シート3を巻き取るようにすればよい。別の例としては、枚葉の成形同時貼付用シート3を用いて、ロボットや人手により可動型4の表面にセットしてもよい(図1参照)。成形同時貼付用シート3の可動型4の表面へのセットに際しては、成形同時貼付用シート3を可動型4の表面に配置した後、可動型4の表面に対する成形同時貼付用シート3の位置を位置決めセンサーなどにより決定し、成形同時貼付用シート3を射出成形用の可動型4の表面にクランプ部材7によって押さえ付けるとよい。
【0036】
次いで、成形同時貼付用シート3を射出成形用の可動型4の表面にセットした後に、射出成形用の可動型4に形成された真空吸引孔9を利用して、成形同時貼付用シート3を可動型4のキャビティ形成面6を有する凹部に沿わせるように真空吸引することにより、射出成形用の可動型4の凹部に沿うように立体形状に加工する(図2参照)。具体例としては、可動型4と固定型5との間に挿入した加熱板などで、可動型4の表面にセットした成形同時貼付用シート3を加熱して軟化させ、射出成形用の可動型4の凹部と成形同時貼付用シート3との間の空間を密閉して真空吸引孔9から排気して真空吸引し、射出成形用の可動型4の凹部に成形同時貼付用シート3を密着させる方法がある。立体形状に加工する際、あるいはクランプ部材7で成形同時貼付用シート3を押さえ付けて固定する際に、成形同時貼付用シート3の不要部分の打抜き加工をしてもよい。
【0037】
上記方法に代えて、成形同時貼付用シート3を射出成形用の可動型4の表面にセットする前に、射出成形用の可動型4と固定型5とは別の立体加工成形用型を用いて成形同時貼付用シート3をあらかじめ所望の形状に立体加工し、また所望の形状に打抜き加工したのち(図9参照)、射出成形用の可動型の凹部内に、立体加工された成形同時貼付用シート3をはめ込むようにしてもよい(図10参照)。ここで、立体加工とは、平面の状態から立体的形状に成形同時貼付用シート3を形状変化させることをいう。所望の形状としては、射出成形用の可動型4または固定型5のキャビティ形成面6に合致する形状などがある。立体形状に加工する方法としては、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、またはプレス成形法などがある。所望の形状に打抜き加工する方法としては、トムソン打抜き法、金型によるプレス法などがある。打抜き形状としては、所定形状の外周に沿った線や所定形状の孔などがある。なお、立体形状に加工する際に同時に打抜き加工をしてもよい。
【0038】
次に、固定型5に対して可動型4を型閉めして溶融状態の成形樹脂10を固定型のゲート部8からキャビティ11内に射出し(図3、図11参照)、成形樹脂10を固化させてキャビティ11内で樹脂成形品12を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シート3を一体化接着させる。
【0039】
その後、樹脂成形品12を可動型4から取り出したのち、樹脂成形品12に接着した成形同時貼付用シート3のうち不要な部分を除去する(図4参照)。なお、上記したようにあらかじめ所望の形状に打ち抜き加工していた場合には、成形同時貼付用シート3の不要な部分を除去する作業は不要である。
【0040】
射出成形用の金型としての可動型4と固定型5は、上記した実施形態に特に限定されることはないが、成形樹脂10を射出するゲート部8を有する固定型5と可動型4から構成され、固定型5と可動型4とが型閉めされることによって、固定型5および可動型4のキャビティ形成面6によって囲まれた単数あるいは複数のキャビティ11が形成されるものを使用すればよい。射出成形用の可動型4と固定型5とにより形成されるキャビティ11内にセットされた成形同時貼付用シート3は、キャビティ形成面6を覆うことになる。キャビティ形成面6を有する凹部は固定型5あるいは可動型4のいずれかに形成されていてもよい。可動型4または固定型5の凹部の周囲で成形同時貼付用シート3を押さえ付けて固定するクランプ部材7を有してもよい。
【0041】
成形樹脂10は、特に限定されることはない。自動車の内装部品や外装部品に用いられる代表的な成形樹脂10としては、タルクを含有したポリプロピレン樹脂、変成ポリプロピレン樹脂などを挙げることができる。
【0042】
【実施例】
以下に、より具体的な実施例を挙げる。
【0043】
実施例1
紫外線吸収剤を0.5%含有する厚み80μmの非結晶性ポリプロピレンフィルムを中間層とし、その表面に紫外線吸収剤を0.3%含有する厚み10μm、結晶化度50%の高結晶性ポリプロピレンフィルムを、裏面に紫外線吸収剤を0.1%含有する厚み10μm、結晶化度30%の高結晶性ポリプロピレンフィルムを共押し出し法により製膜して基体フィルムとした。この基体フィルムは、JIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が5.5%、表面側のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値がFである。
【0044】
この基体フィルムの裏面に、第1絵柄層として黒色顔料(カーボンブラック10%含)入りポリエステル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、その上に第2絵柄層として茶色顔料(酸化鉄2%含)入りのポリエステル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、その上に塩素化ポリプロピレン樹脂を用いて接着インキ層を形成し、成形同時貼付用シートを得た。
【0045】
この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が120〜480gfである。
【0046】
以上のようにして得られた成形同時貼付用シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形し、型閉め後、タルクを含有したポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射出し、ポリプロピレン成形樹脂を固化させて縦350mm、横200mm、高さ50mmで丸みを帯びた樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させ、射出成形時に成形同時貼付用シートが破断することなく自動車の木目調内装パネルを得た。この木目調内装パネルは、表面強度および耐光性に優れたものであった。
【0047】
実施例2
紫外線吸収剤を0.3%含有する厚み150μm、結晶化度2%の低結晶性ポリプロピレンフィルムを基体フィルムとした。この基体フィルムは、JIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が12.5%、JIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3Bである。
【0048】
この基体フィルムの一方の面に、絵柄層としてメタリック粉(アルミニウムフレーク20%含)入りのアクリル樹脂系インキを用いたメタリック層を形成し、接着フィルム層として厚み200μmのポリウレタンフィルムをラミネートし、成形同時貼付用シートを得た。
【0049】
この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が35〜80gfである。
【0050】
以上のようにして得られた成形同時貼付用シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形し、型閉め後、ウレタン系熱可塑性エラストマー成形樹脂をキャビティ内に射出し、ウレタン系熱可塑性エラストマー成形樹脂を固化させて縦700mm、横50mm、高さ30mmで丸みを帯びた樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させ、射出成形時に成形同時貼付用シートが破断することなく自動車のメタリック調外装グリルを得た。このメタリック調外装グリルは、表面強度および耐光性に優れたものであった。
【0051】
実施例3
紫外線吸収剤を0.4%含有する厚み100μm、結晶化度18%の低結晶性ポリプロピレンフィルムを基体フィルムとした。この基体フィルムは、JIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が19.5%、JIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値がBである。
【0052】
この基体フィルムの裏面に、第1絵柄層として黒色顔料(カーボンブラック10%含)入りポリエステル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、その上に第2絵柄層として黄茶色顔料(カドミイエロー5%,酸化鉄1%含)入りのポリエステル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、下地フィルム層として茶色顔料(酸化鉄15%含)入りの厚み100μmの非結晶性ポリプロピレンフィルムをラミネートし、その上に酢酸ビニル樹脂を用いて接着インキ層を形成し、成形同時貼付用シートを得た。
【0053】
この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が250〜850gfである。
【0054】
以上のようにして得られた成形同時貼付用シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形し、型閉め後、アクリロニトリルブタジエンスチレン成形樹脂をキャビティに射出し、アクリロニトリルブタジエンスチレン成形樹脂を固化させて縦100mm、横10mm、高さ20mmで横断面がT字形の樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートのポリプロピレンフィルム側を一体化接着させ、射出成形時に成形同時貼付用シートが破断することなく建材の扉枠用成形品を得た。この扉枠用成形品は、表面強度および耐光性に優れたものであった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法は、以上のような構成および作用からなるので、次のような効果を奏する。
【0056】
すなわち、本発明の成形同時貼付用シートは、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であるので、射出成形時に成形樹脂の熱が成形同時貼付用シートに加わり、また樹脂の流れに沿って成形同時貼付用シートが引き伸ばされても、破断することがない。
【0057】
また、本発明の成形同時貼付用シートは、(a)その基材フィルムが透明な低結晶性ポリプロピレンフィルムの単層フィルムからなるもので、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であるもの、あるいは(b)基材フィルムが透明な低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムの少なくとも成形樹脂に接着される側の面と反対の面に透明な高結晶性ポリプロピレンフィルムが積層された積層フィルムからなるもので、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度であるものなので、充分な表面強度を有するとともに立体形状に加工ができ、底の深いコンソールボックスなどの深絞り成形品にも適用することできる。
【0058】
また、本発明の成形同時貼付用シートは、基材フィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有しているものであるので、上記の添加剤が多すぎることなく、基材フィルム表面に染み出ることがない。したがって、成形同時貼付用シートをロールにして巻く場合にブロッキングしたり、基材フィルムに形成した接着層を変質させて接着性の低下が起きたりしない。また、ヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた少なくとも一つを含有しているものであるので、添加剤が基材フィルム中に均一に存在しており、基材フィルムの引張破断強度が低下せず、射出成形時に破断することがない。
【0059】
そして、本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法は、上記の成形同時貼付用シートを射出成形用金型内に配置して、射出成形により成形同時貼付用シートと成形樹脂とが一体化するので、射出成形時に成形同時貼付用シートが破断することなく、立体形状に加工ができ、表面強度および耐光性に優れた成形同時シート貼付樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図2】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図3】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図4】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法により得られた成形同時シート貼付樹脂成形品を示す断面図である。
【図5】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図である。
【図6】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図である。
【図7】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図である。
【図8】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図である。
【図9】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法に用いる立体加工された成形同時貼付用シートを示す断面図である。
【図10】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図11】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図12】成形同時貼付用シートの引張強度を測定する引張試験機を示す斜視図である。
【図13】引張試験機の試験片を固定する部分を示す平面図である。
【図14】引張試験機の試験片を固定する部分を示す断面図である。
【図15】基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面の鉛筆硬度を測定する鉛筆引掻き試験機を示す図である。
【図16】基材フィルムのヘイズ値を求めるのに使用する積分球式光線透過率測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
1a 低結晶性ポリプロピレンフィルム
1b 低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム
1c 高結晶性ポリプロピレンフィルム
2 絵柄層
3 成形同時貼付用シート
4 可動型
5 固定型
6 キャビティ形成面
7 クランプ部材
8 ゲート部
9 真空吸引孔
10 成形樹脂
11 キャビティ
12 樹脂成形品
13 試験片
14 ネジ
15 チャック
16 チャック
17 可動部材
18 鉛筆
19 試験片取付台
20 おもり
21 試験片
22 標準白色板
23 ライトトラップ
24 光源
25 積分球
26 受光器
Claims (3)
- 射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着されることにより自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シートであって、当該成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な結晶化度20%未満の低結晶性ポリプロピレンフィルムの単層フィルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であり、基材フィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有していることを特徴とする自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シート。
- 射出成形用の金型内にセットされて成形樹脂の表面に一体化接着されることにより自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シートであって、当該成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な結晶化度20%未満の低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムの少なくとも成形樹脂に接着される側の面と反対の面に透明な結晶化度20%以上の高結晶性ポリプロピレンフィルムが積層された積層フィルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度であり、基材フィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有していることを特徴とする自動車用内外装部品の射出成形品表面に貼付けられる成形同時貼付用シート。
- 請求項1または請求項2に記載の成形同時貼付用シートを射出成形用の金型内にセットし、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化させて樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させる成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法。
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