JP2000141398A - 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2000141398A
JP2000141398A JP31441998A JP31441998A JP2000141398A JP 2000141398 A JP2000141398 A JP 2000141398A JP 31441998 A JP31441998 A JP 31441998A JP 31441998 A JP31441998 A JP 31441998A JP 2000141398 A JP2000141398 A JP 2000141398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
molding
simultaneous
resin
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31441998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4116716B2 (ja
Inventor
Fujio Mori
富士男 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP31441998A priority Critical patent/JP4116716B2/ja
Priority to CA002317615A priority patent/CA2317615C/en
Priority to DE69918673T priority patent/DE69918673T2/de
Priority to EP99954366A priority patent/EP1053850B1/en
Priority to PCT/JP1999/006131 priority patent/WO2000027608A1/ja
Publication of JP2000141398A publication Critical patent/JP2000141398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4116716B2 publication Critical patent/JP4116716B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面強度および耐光性に優れたポリプロピレ
ンフィルムを基材フィルムとして、射出成形時に破断す
ることがなく、立体形状成形品、特に深絞り成形品にも
適用でき、基材フィルム中の添加剤が表面に染み出るこ
とがない成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時
シート貼付樹脂成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 射出成形用金型にセットされて成形樹脂
の表面に一体化接着される成形同時貼付用シートで、該
シートの基材フィルムが透明な低結晶性ポリプロピレン
フィルムからなり、所定の条件下での引張破断荷重が23
gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着される側
の面と反対の面の鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であり、
基材フィルムのヘイズ値が2〜30%となるように紫外線
吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を
少なくとも一つ以上を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンソールボック
ス、センタークラスター、スイッチベースなどの自動車
用内装部品、モール、サイドマッドガード、バンパー、
ホイルキャップなどの自動車用外装部品、建材の扉枠部
品などの射出成形品の表面に貼付けられ、とくに表面強
度および耐光性に優れたポリプロピレンフィルムを基材
フィルムとする成形同時貼付用シートとこれを用いた成
形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内外装部品などの射出成形品の
表面に貼付けられる成形同時貼付用シートには、アクリ
ルフィルムやポリプロピレンフィルムなどの基材フィル
ムからなり、その成形樹脂に接着される側の面に必要に
応じて絵柄層が設けられたものがある。そして、これを
用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法は、次
のとおりである。すなわち、成形同時貼付用シートを、
真空成形法により立体形状に加工し、プレス打抜きにて
不要部分を取り除いた後、射出成形用の金型内にセット
し、型閉めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出
し、成形樹脂を固化させて樹脂成形品を成形すると同時
にその表面に成形同時貼付用シートを一体化接着させる
方法である。
【0003】そして、成形同時シート貼付後、得られた
成形品には、それに応じた耐性が要求される。特に、自
動車部品などにおいては、厳しい耐性やリサイクル性な
どが要求されるので、これらに優れたポリプロピレンフ
ィルムが成形同時貼付用シートの基材フィルムとして用
いられる。また、この基材フィルムの表面強度を向上さ
せるために延伸加工や圧延加工など結晶化処理を行ない
結晶化度を上げたり、耐光性を向上させるために製膜時
に紫外線吸収剤や光安定剤、紫外線遮断剤などを添加し
たりすることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基材フィルム
としてポリプロピレンフィルムを用いた成形同時貼付用
シートは、射出成形時には射出された成形樹脂の熱が成
形同時貼付用シートに加わり、また樹脂の流れに沿って
成形同時貼付用シートが引き伸ばされるため、材質によ
っては破断するという問題がある。
【0005】また、基材フィルムの結晶化処理において
は、結晶化しすぎるとフィルムの伸長性がなくなり、立
体形状に加工ができなくなるという問題がある。特に底
の深いコンソールボックスなどの深絞り成形品には適用
することが難しくなる。
【0006】また、基材フィルムへの紫外線吸収剤等の
添加においては、紫外線吸収剤等を添加しすぎるとその
添加剤が基材フィルム表面に染み出てきて、成形同時貼
付用シートをロールにして巻く場合にブロッキングした
り、基材フィルムに形成した接着層を変質させて接着性
の低下が起きたりする問題がある。また、添加剤が基材
フィルム中にひどく偏って存在すると、基材フィルムの
強度が低下し、射出成形時に破断するという問題があ
る。
【0007】したがって、本発明の目的は、上記の問題
を解決し、表面強度および耐光性に優れたポリプロピレ
ンフィルムを基材フィルムとするもので、射出成形時に
破断することがなく、立体形状成形品、特に深絞り成形
品にも適用でき、基材フィルム中の添加剤が表面に染み
出ることがない成形同時貼付用シートとこれを用いた成
形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、射出成形用の金型内にセットされて成形
樹脂の表面に一体化接着される成形同時貼付用シートに
おいて、成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な
低結晶性ポリプロピレンフィルムの単層フィルムからな
り、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチ
ャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の
環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速
度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷
重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着さ
れる側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における
鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であり、基材フィルムのJI
SK-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となる
ように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ば
れた添加剤を少なくとも一つ以上含有しているのように
構成した。
【0009】また、本発明は、射出成形用の金型内にセ
ットされて成形樹脂の表面に一体化接着される成形同時
貼付用シートにおいて、成形同時貼付用シートの基材フ
ィルムが透明な低結晶性または非結晶性ポリプロピレン
フィルムの少なくとも成形樹脂に接着される側の面と反
対の面に透明な高結晶性ポリプロピレンフィルムが積層
された積層フィルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用
シートの試験片を一対のチャックを用いてチャック間距
離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下において試験片の
一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を
実施したときの引張破断荷重が23gf以上であり、基材フ
ィルムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS
K-5400の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度
であり、基材フィルムのJIS K-7105の測定方法における
ヘイズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定
剤、紫外線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ
以上含有しているのように構成した。
【0010】また、本発明は、上記の成形同時貼付用シ
ートを射出成形用の金型内にセットし、型閉めして溶融
状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形樹脂を固化
させて樹脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同
時貼付用シートを一体化接着させるることにより成形同
時シート貼付樹脂成形品を製造するように構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
について詳しく説明する。
【0012】図1〜3は本発明の成形同時貼付用シート
を使用する成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の
工程の一つを示す断面図、図4は本発明の成形同時シー
ト貼付樹脂成形品の製造方法により得られた成形同時シ
ート貼付樹脂成形品を示す断面図、図5〜8は本発明の
成形同時貼付用シートを示す断面図、図9は本発明の成
形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法に用いる立体加
工された成形同時貼付用シートを示す断面図、図10お
よび図11は本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の
製造方法の工程の一つを示す断面図、図12は成形同時
貼付用シートの引張強度を測定する引張試験機を示す斜
視図、図13は引張試験機の試験片を固定する部分を示
す平面図、図14は引張試験機の試験片を固定する部分
を示す断面図、図15は基材フィルムの成形樹脂に接着
される側の面と反対の面の鉛筆硬度を測定する鉛筆引掻
き試験機を示す図、図16は基材フィルムのヘイズ値を
求めるのに使用する積分球式光線透過率測定装置を示す
図である。図中、1は基材フィルム、1aは低結晶性ポ
リプロピレンフィルム、1bは低結晶性または非結晶性
ポリプロピレンフィルム、1cは高結晶性ポリプロピレ
ンフィルム、2は絵柄層、3は成形同時貼付用シート、
4は可動型、5は固定型、6はキャビティ形成面、7は
クランプ部材、8はゲート部、9は真空吸引孔、10は
成形樹脂、11はキャビティ、12は樹脂成形品、13
は試験片、14はネジ、15はチャック、16はチャッ
ク、17は可動部材、18は鉛筆、19は試験片取付
台、20はおもり、21は試験片、22は標準白色板、
23はライトトラップ、24は光源、25は積分球、2
6は受光器をそれぞれ示す。
【0013】本発明の成形同時貼付用シート3は、第一
の特徴として、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片
を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し
62〜94℃の環境温度下において試験片13の一端を500m
m/分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したと
きの引張破断荷重が23gf以上であるものである。
【0014】射出成形時に成形同時貼付用シート3が破
断するのは、成形樹脂の熱が成形同時貼付用シート3に
加わり、樹脂の流れに沿って成形同時貼付用シート3が
引き伸ばされたときに、これに対抗する強度が成形同時
貼付用シート3にないためである。そこで、本発明者
は、以下のようにして、成形時に破断しないためにどれ
くらいの強度が必要であるかを検討した。
【0015】大抵の成形樹脂の射出温度は150〜280℃で
ある。そこで、まず(1)150℃で成形可能なエチレン
酢酸ビニル樹脂をその温度で射出成形する場合につい
て、ポリプロピレン樹脂からなる各種の成形同時貼付用
シート3にて成形同時シート貼付を行ない、成形時に破
断した成形同時貼付用シート3と破断しなかった成形同
時貼付用シート3とを分別した。また(2)280℃で成
形可能なポリカーボネート樹脂をその温度で射出成形す
る場合について、同様の成形同時シート貼付を行ない、
成形時に破断した成形同時貼付用シート3と破断しなか
った成形同時貼付用シート3とを分別した。なお、成形
時の成形同時貼付用シート3表面の温度を測定したとこ
ろ、射出成形樹脂の熱が伝えられて(1)の場合は62℃
付近、(2)の場合は94℃付近になっていた。
【0016】次に、分別したそれぞれについて幅10mmの
成形同時貼付用シートの試験片13を一対のチャック1
5,16を用いてチャック間距離5mmで固定し62℃の環
境温度下において試験片13の一端を500mm/分の一定
速度で荷重をかけて引張試験を実施した結果(図12〜
14参照)、(1)の成形同時シート貼付で破断したも
のと同じ成形同時貼付用シート3は、試験片13が破断
したときの引張破断荷重が全て20gf未満であった。ま
た、94℃の環境温度下において同様の引張試験を実施し
た結果、(2)の成形同時シート貼付で破断したものと
同じ成形同時貼付用シート3は、試験片13が破断した
ときの引張破断荷重が全て23gf未満であった。したがっ
て、成形時に破断しないようにするには、第一の特徴と
して挙げたように引張破断荷重が少なくとも23gf以上の
強度が成形同時貼付用シート3に必要であることが分か
った。
【0017】ここで、環境温度とは、試験片13が試験
片13周囲の雰囲気と同じ温度まで加熱された状態での
温度である。環境温度を62〜94℃としたのは、上記した
ように射出成形に使用する成形樹脂は最適射出温度が15
0〜280℃のものが多く、その樹脂熱が成形同時貼付用シ
ート3に伝わって成形同時貼付用シート3表面の温度を
62〜94℃に上昇させても破断しない強度を成形同時貼付
用シート3が有しなくてはならないからである。なお、
最適射出温度が280℃を超える成形樹脂もあるが、その
ような樹脂を使用すると成形同時貼付用シート3の材料
をいくら改良しても変質が起こってしまう。また、最適
射出温度が150℃に満たない成形樹脂もあるが、そのよ
うな樹脂を使用すると得られる成形同時シート貼付樹脂
成形品が耐熱性不足になってしまう。
【0018】試験片13は、成形同時貼付用シート3を
幅10mm、一対のチャック15,16を用いてチャック間
距離5mmで引張試験に供することができる大きさに切断
したものである。試験片13のサイズを大きくしないの
は、試験片13を引張する前に前記環境温度下にて試験
片13が軟化して皴だらけになるのを避けるためであ
る。また、試験片13のサイズをあまりに小さくすると
測定誤差が大きくなるためである。したがって、測定誤
差が問題にならない程度にできるだけ小さくした結果、
上記のサイズとなった。なお、図12〜14において、
上側のチャック15は、試験片13の上端を挟んだ状態
でネジ14により固定される。また、下側のチャック1
6は、試験片の下端を挟んだ状態でネジ14により固定
される。図12〜14に示すように、上側のチャック1
5は試験機に固定される一方、下側のチャック16は可
動部材17により下向きに500mm/分の速度で下降して
試験片13に引張力を作用させる。
【0019】また、試験片13を引張する速度を500mm
/分としたのは、実際の射出成形時の成形同時貼付用シ
ート3の引き伸ばされる速度が速すぎて測定できる装置
がないため、JIS K-7127に規定されている試験速度のう
ち最も速い速度を選定した。
【0020】また、本発明は、第二の特徴として、
(a)成形同時貼付用シート3の基材フィルム1が透明
な低結晶性ポリプロピレンフィルム1aの単層フィルム
からなるもので(図5参照)、基材フィルム1の成形樹
脂10に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測
定方法における鉛筆硬度値が3B〜2Bの硬度であるも
の、あるいは(b)成形同時貼付用シート3の基材フィ
ルム1が透明な低結晶性または非結晶性ポリプロピレン
フィルム1bの少なくとも成形樹脂10に接着される側
の面と反対の面に透明な高結晶性ポリプロピレンフィル
ム1cが積層された積層フィルムからなるもので(図6
〜8参照)、基材フィルム1の成形樹脂10に接着され
る側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛
筆硬度値が3B〜Hの硬度であるものである。
【0021】JIS K-5400の測定方法は、JIS K-5401に規
定した塗膜用鉛筆引掻き試験機(図15参照)にて150m
m×70mmにカットした試験片の表面をJIS S-6006に規定
する鉛筆18を用いて引掻き、傷の有無から表面の硬度
を判定する方法であり、鉛筆硬度値は、5回の試験で傷
つく回数が2回未満のときの鉛筆の硬度である。引掻き
は、鉛筆18を45±1度でおもり20により試験片に押
しつけ、その状態で試験片取付台19を移動させること
によって行なう。前記値の範囲の鉛筆硬度値は人が軽く
指先で擦っても傷がつかない値であるから、自動車部品
などに適用する成形同時貼付用シート3の表面強度とし
ては充分であるといえる。
【0022】上記ポリプロピレンフィルムの結晶性の違
いは、延伸加工や圧延加工などの処理程度の差による結
晶化度の違いによるものである。延伸加工や圧延加工な
どの処理をすると、不規則に配列していた高分子鎖が周
期性をもって三次元配列(結晶化)する。この結晶化さ
れた部分の割合が20%以上の場合を高結晶性であるとい
い、20%未満の割合で結晶化されている場合を低結晶性
であるといい、全く結晶化されない場合を非結晶性であ
るという。低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィ
ルムは、高結晶性ポリプロピレンフィルムに比べて低い
荷重で伸度の大きい伸び挙動の性質・機能を有し、立体
加工性に寄与する。
【0023】上記した(b)のタイプのように二層また
は三層構造の積層フィルムを基材フィルム1とする(図
6〜8参照)ためには、フィルムどうしをラミネート法
により積層すればよい。ラミネート法としては、一方の
フィルム表面が接着性を呈するまで加熱して他方のフィ
ルムを貼り合わせるいわゆる熱ラミネート法や、接着剤
を介してフィルムを貼り合わせるいわゆるドライラミネ
ート法などがある。また、一方のフィルムの上に他方の
フィルムとなる樹脂を押出成形により被覆するいわゆる
押出コート法、それぞれのフィルムとなる樹脂を共押出
しする製膜法などもある。
【0024】なお、(b)のタイプは、硬質の高結晶性
ポリプロピレンフィルム1cが軟質の低結晶性または非
結晶性ポリプロピレンフィルム1bにより支持されるた
め、(a)のタイプと比べて、基材フィルム1の成形樹
脂10に接着される側の面と反対の面がより硬くなるよ
うに高結晶性ポリプロピレンフィルム1cを結晶化させ
ることが成形同時貼付用シート3の立体加工性を損なわ
ずにできる。
【0025】また、透明なポリプロピレンフィルムは、
樹脂成形品12や絵柄層2が見える範囲内であれば、半
透明のもの、黄色などに薄く着色されたもの、体質顔料
を含ませて艶消し状態としたもの、またはヘアーライン
などの模様を有するものを含む。
【0026】さらに、本発明の成形同時貼付用シート3
は、第三の特徴として、基材フィルム1のJIS K-7105の
測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となるように紫外
線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ばれた少なく
とも一つを含有しているものである。
【0027】JIS K-7105の測定方法は、積分球式光線透
過率測定装置を用いて全光線透過量及び散乱光量を測定
し、これらから試験片の全光線透過率、拡散透過率を求
めるものである。ヘイズ値は拡散透過率/全光線透過率
×100で表わされる値である。具体的には、積分球式光
線透過率測定装置(図16参照)に標準白色板22を取
り付けた後に装置の指示を100(T)にあわせて光源
24から光を積分球25内の受光器26で受けて入射光
量を測定し、次いで試験片21を取り付けて全光線透過
量(T)を測定し、次に上記標準白色板22および上
記試験片21を取り外した上でライトトラップ23を取
り付けて装置のみ散乱光量(T)を測定し、さらに試
験片21を取り付けて装置および試験片21の散乱光量
(T)を測定する。このとき、全光線透過率=T
あり、拡散透過率=T−T×(T/T)であ
る。
【0028】なお、低結晶性または非結晶性ポリプロピ
レンフィルムは、高分子鎖どうしの間に隙間がある。し
たがって、(b)のタイプは、添加剤を添加させる割合
を積層フィルム中の低結晶性または非結晶性ポリプロピ
レンフィルム1bで多くした場合に紫外線吸収剤、光安
定剤、紫外線遮断剤などの添加剤の分散についてより均
一性を保つことができる。
【0029】また、第一〜第三の特徴を有する本発明の
成形同時貼付用シート3において、(a)のタイプは基
材フィルム1の成形樹脂10に接着される側の面に絵柄
層2を設けることができ(図5参照)、(b)のタイプ
は基材フィルム1の成形樹脂に接着される側の面および
基材フィルム1の各積層フィルム間のうち少なくとも一
面に絵柄層2を設けることができる(図6〜8参照)。
絵柄層2は、樹脂成形品12の表面に文字や図形、記号
などを表したり、着色表面を表したりするためのもので
ある。また、絵柄層2は、黒色やシルバーメタリック色
などの、パターンが無い全面べた色のものであってもよ
く、あるいは、木目模様や石目模様などのパターンがあ
る色または多色のものであってもよい。あるいは、絵柄
層2は、透明黄色の全面べた、またはパターン層とシル
バーメタリック色の全面べた、またはパターン層とを積
層して金色全面べた、またはパターン層を表現するよう
にしてもよい。絵柄層2は、顔料と樹脂バインダーから
構成される顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダー
から構成される光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーか
ら構成される染料インキ層の群から選ばれる少なくとも
一層によって構成される。このような絵柄層2は、オフ
セット印刷法、グラビア印刷法、またはスクリーン印刷
法などの通常の印刷法や、ロールコート法、またはスプ
レーコート法などのコート法などにより形成するとよ
い。絵柄層2の厚みとしては、0.1〜20μmが好ましい。
通常の印刷法によれば、この範囲となる。
【0030】また、絵柄層2は金属薄膜層から構成され
るもの、あるいは、金属薄膜層と印刷層との組み合わせ
から構成されるものでもよい。金属薄膜層は、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、また
は鍍金法などで形成する。表現したい金属光沢色に応じ
て、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、
銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、または亜
鉛などの金属、またはこれらの合金若しくは化合物を使
用する。
【0031】また、本発明の成形同時貼付用シート3
は、接着層が設けられていてもよい。接着層としては、
成形樹脂10の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹
脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂10の材質がア
クリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。
また、成形樹脂10の材質がポリカーボネート系樹脂、
スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂
の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用
すればよい。このような接着層は、オフセット印刷法、
グラビア印刷法、またはスクリーン印刷法などの通常の
印刷法や、ロールコート法、またはスプレーコート法な
どのコート法などにより形成するとよい。接着層の厚み
としては、0.1〜50μmが好ましい。通常の印刷法によれ
ば、この範囲となる。
【0032】成形同時貼付用シート3の厚みとしては、
50〜2000μmが好ましい。50μmより薄いと、成形樹脂1
0を射出したとき、成形樹脂10の熱圧により成形同時
貼付用シート3にしわが生じる。2000μmを超えると、
成形同時貼付用シート3の立体加工性が劣るため、成形
同時貼付用シート3を立体形状に加工するのが困難であ
る。特に、50〜700μmが好ましい。この範囲の成形同時
貼付用シート3は、成形同時貼付用シート3を任意の形
状に打ち抜いたり、切断したり、成形用金型に挿入した
りする作業性がよい。また、成形同時貼付用シート3の
立体加工性に優れるので、成形同時貼付用シート3を立
体形状に加工するのが短時間でできる。700μmを超える
と、巻き状態の成形同時貼付用シート3とすることが困
難であり、生産性が劣るものとなる。さらに、立体形状
に加工するのを射出成形用金型の可動型4上で行う場合
は、成形後に成形同時貼付用シート3の不要な部分のト
リミングを行うため、やや薄めの50〜200μmが好まし
い。また、立体形状に加工するのを射出成形用金型とは
別の金型で行う場合は、立体形状加工成形用金型に挿入
する工程が必要となるので、成形同時貼付用シート3に
剛性が必要であり、やや厚めの300〜700μmが好まし
い。
【0033】次に、成形同時シート貼付樹脂成形品の製
造方法を説明する。
【0034】まず、成形同時貼付用シート3を射出成形
用の金型である可動型4の表面にクランプ部材7により
セットする。
【0035】可動型4へのセットの仕方の具体例として
は、ロール軸に長尺の成形同時貼付用シート3を一旦巻
き取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成
形用の可動型4の上部に可動型4と一体的に移動可能に
載置し、ロール状巻物から成形同時貼付用シート3を巻
き出しながら、退避した可動型4と固定型5との間を通
過させ、射出成形用の可動型4の下部に可動型4と一体
的に移動可能に設置したフィルム巻き取り手段のロール
軸により成形同時貼付用シート3を巻き取るようにすれ
ばよい。別の例としては、枚葉の成形同時貼付用シート
3を用いて、ロボットや人手により可動型4の表面にセ
ットしてもよい(図1参照)。成形同時貼付用シート3
の可動型4の表面へのセットに際しては、成形同時貼付
用シート3を可動型4の表面に配置した後、可動型4の
表面に対する成形同時貼付用シート3の位置を位置決め
センサーなどにより決定し、成形同時貼付用シート3を
射出成形用の可動型4の表面にクランプ部材7によって
押さえ付けるとよい。
【0036】次いで、成形同時貼付用シート3を射出成
形用の可動型4の表面にセットした後に、射出成形用の
可動型4に形成された真空吸引孔9を利用して、成形同
時貼付用シート3を可動型4のキャビティ形成面6を有
する凹部に沿わせるように真空吸引することにより、射
出成形用の可動型4の凹部に沿うように立体形状に加工
する(図2参照)。具体例としては、可動型4と固定型
5との間に挿入した加熱板などで、可動型4の表面にセ
ットした成形同時貼付用シート3を加熱して軟化させ、
射出成形用の可動型4の凹部と成形同時貼付用シート3
との間の空間を密閉して真空吸引孔9から排気して真空
吸引し、射出成形用の可動型4の凹部に成形同時貼付用
シート3を密着させる方法がある。立体形状に加工する
際、あるいはクランプ部材7で成形同時貼付用シート3
を押さえ付けて固定する際に、成形同時貼付用シート3
の不要部分の打抜き加工をしてもよい。
【0037】上記方法に代えて、成形同時貼付用シート
3を射出成形用の可動型4の表面にセットする前に、射
出成形用の可動型4と固定型5とは別の立体加工成形用
型を用いて成形同時貼付用シート3をあらかじめ所望の
形状に立体加工し、また所望の形状に打抜き加工したの
ち(図9参照)、射出成形用の可動型の凹部内に、立体
加工された成形同時貼付用シート3をはめ込むようにし
てもよい(図10参照)。ここで、立体加工とは、平面
の状態から立体的形状に成形同時貼付用シート3を形状
変化させることをいう。所望の形状としては、射出成形
用の可動型4または固定型5のキャビティ形成面6に合
致する形状などがある。立体形状に加工する方法として
は、真空成形法や圧空成形法、熱せられたゴムを押しつ
ける押圧成形法、またはプレス成形法などがある。所望
の形状に打抜き加工する方法としては、トムソン打抜き
法、金型によるプレス法などがある。打抜き形状として
は、所定形状の外周に沿った線や所定形状の孔などがあ
る。なお、立体形状に加工する際に同時に打抜き加工を
してもよい。
【0038】次に、固定型5に対して可動型4を型閉め
して溶融状態の成形樹脂10を固定型のゲート部8から
キャビティ11内に射出し(図3、図11参照)、成形
樹脂10を固化させてキャビティ11内で樹脂成形品1
2を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用シート
3を一体化接着させる。
【0039】その後、樹脂成形品12を可動型4から取
り出したのち、樹脂成形品12に接着した成形同時貼付
用シート3のうち不要な部分を除去する(図4参照)。
なお、上記したようにあらかじめ所望の形状に打ち抜き
加工していた場合には、成形同時貼付用シート3の不要
な部分を除去する作業は不要である。
【0040】射出成形用の金型としての可動型4と固定
型5は、上記した実施形態に特に限定されることはない
が、成形樹脂10を射出するゲート部8を有する固定型
5と可動型4から構成され、固定型5と可動型4とが型
閉めされることによって、固定型5および可動型4のキ
ャビティ形成面6によって囲まれた単数あるいは複数の
キャビティ11が形成されるものを使用すればよい。射
出成形用の可動型4と固定型5とにより形成されるキャ
ビティ11内にセットされた成形同時貼付用シート3
は、キャビティ形成面6を覆うことになる。キャビティ
形成面6を有する凹部は固定型5あるいは可動型4のい
ずれかに形成されていてもよい。可動型4または固定型
5の凹部の周囲で成形同時貼付用シート3を押さえ付け
て固定するクランプ部材7を有してもよい。
【0041】成形樹脂10は、特に限定されることはな
い。自動車の内装部品や外装部品に用いられる代表的な
成形樹脂10としては、タルクを含有したポリプロピレ
ン樹脂、変成ポリプロピレン樹脂などを挙げることがで
きる。
【0042】
【実施例】以下に、より具体的な実施例を挙げる。
【0043】実施例1 紫外線吸収剤を0.5%含有する厚み80μmの非結晶性ポ
リプロピレンフィルムを中間層とし、その表面に紫外線
吸収剤を0.3%含有する厚み10μm、結晶化度50%の高
結晶性ポリプロピレンフィルムを、裏面に紫外線吸収剤
を0.1%含有する厚み10μm、結晶化度30%の高結晶性
ポリプロピレンフィルムを共押し出し法により製膜して
基体フィルムとした。この基体フィルムは、JIS K-7105
の測定方法におけるヘイズ値が5.5%、表面側のJIS K-5
400の測定方法における鉛筆硬度値がFである。
【0044】この基体フィルムの裏面に、第1絵柄層と
して黒色顔料(カーボンブラック10%含)入りポリエス
テル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、その
上に第2絵柄層として茶色顔料(酸化鉄2%含)入りの
ポリエステル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成
し、その上に塩素化ポリプロピレン樹脂を用いて接着イ
ンキ層を形成し、成形同時貼付用シートを得た。
【0045】この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成
形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いて
チャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下にお
いて試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけ
て引張試験を実施したときの引張破断荷重が120〜480gf
である。
【0046】以上のようにして得られた成形同時貼付用
シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形
し、型閉め後、タルクを含有したポリプロピレン成形樹
脂をキャビティに射出し、ポリプロピレン成形樹脂を固
化させて縦350mm、横200mm、高さ50mmで丸みを帯びた樹
脂成形品を成形すると同時にその表面に成形同時貼付用
シートを一体化接着させ、射出成形時に成形同時貼付用
シートが破断することなく自動車の木目調内装パネルを
得た。この木目調内装パネルは、表面強度および耐光性
に優れたものであった。
【0047】実施例2 紫外線吸収剤を0.3%含有する厚み150μm、結晶化度2
%の低結晶性ポリプロピレンフィルムを基体フィルムと
した。この基体フィルムは、JIS K-7105の測定方法にお
けるヘイズ値が12.5%、JIS K-5400の測定方法における
鉛筆硬度値が3Bである。
【0048】この基体フィルムの一方の面に、絵柄層と
してメタリック粉(アルミニウムフレーク20%含)入り
のアクリル樹脂系インキを用いたメタリック層を形成
し、接着フィルム層として厚み200μmのポリウレタン
フィルムをラミネートし、成形同時貼付用シートを得
た。
【0049】この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成
形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いて
チャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下にお
いて試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけ
て引張試験を実施したときの引張破断荷重が35〜80gfで
ある。
【0050】以上のようにして得られた成形同時貼付用
シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形
し、型閉め後、ウレタン系熱可塑性エラストマー成形樹
脂をキャビティ内に射出し、ウレタン系熱可塑性エラス
トマー成形樹脂を固化させて縦700mm、横50mm、高さ30m
mで丸みを帯びた樹脂成形品を成形すると同時にその表
面に成形同時貼付用シートを一体化接着させ、射出成形
時に成形同時貼付用シートが破断することなく自動車の
メタリック調外装グリルを得た。このメタリック調外装
グリルは、表面強度および耐光性に優れたものであっ
た。
【0051】実施例3 紫外線吸収剤を0.4%含有する厚み100μm、結晶化度18
%の低結晶性ポリプロピレンフィルムを基体フィルムと
した。この基体フィルムは、JIS K-7105の測定方法にお
けるヘイズ値が19.5%、JIS K-5400の測定方法における
鉛筆硬度値がBである。
【0052】この基体フィルムの裏面に、第1絵柄層と
して黒色顔料(カーボンブラック10%含)入りポリエス
テル樹脂系インキを用いた木目導管柄層を形成し、その
上に第2絵柄層として黄茶色顔料(カドミイエロー5
%,酸化鉄1%含)入りのポリエステル樹脂系インキを
用いた木目導管柄層を形成し、下地フィルム層として茶
色顔料(酸化鉄15%含)入りの厚み100μmの非結晶性
ポリプロピレンフィルムをラミネートし、その上に酢酸
ビニル樹脂を用いて接着インキ層を形成し、成形同時貼
付用シートを得た。
【0053】この成形同時貼付用シートは、幅10mmの成
形同時貼付用シートの試験片を一対のチャックを用いて
チャック間距離5mmで固定し62〜94℃の環境温度下にお
いて試験片の一端を500mm/分の一定速度で荷重をかけ
て引張試験を実施したときの引張破断荷重が250〜850gf
である。
【0054】以上のようにして得られた成形同時貼付用
シートを、射出成形用の可動型内にセットして真空成形
し、型閉め後、アクリロニトリルブタジエンスチレン成
形樹脂をキャビティに射出し、アクリロニトリルブタジ
エンスチレン成形樹脂を固化させて縦100mm、横10mm、
高さ20mmで横断面がT字形の樹脂成形品を成形すると同
時にその表面に成形同時貼付用シートのポリプロピレン
フィルム側を一体化接着させ、射出成形時に成形同時貼
付用シートが破断することなく建材の扉枠用成形品を得
た。この扉枠用成形品は、表面強度および耐光性に優れ
たものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明の成形同時貼付用シートとこれを
用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法は、以
上のような構成および作用からなるので、次のような効
果を奏する。
【0056】すなわち、本発明の成形同時貼付用シート
は、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチ
ャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の
環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速
度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷
重が23gf以上であるので、射出成形時に成形樹脂の熱が
成形同時貼付用シートに加わり、また樹脂の流れに沿っ
て成形同時貼付用シートが引き伸ばされても、破断する
ことがない。
【0057】また、本発明の成形同時貼付用シートは、
(a)その基材フィルムが透明な低結晶性ポリプロピレ
ンフィルムの単層フィルムからなるもので、基材フィル
ムの成形樹脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-54
00の測定方法における鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であ
るもの、あるいは(b)基材フィルムが透明な低結晶性
または非結晶性ポリプロピレンフィルムの少なくとも成
形樹脂に接着される側の面と反対の面に透明な高結晶性
ポリプロピレンフィルムが積層された積層フィルムから
なるもので、基材フィルムの成形樹脂に接着される側の
面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における鉛筆硬度
値が3B〜Hの硬度であるものなので、充分な表面強度
を有するとともに立体形状に加工ができ、底の深いコン
ソールボックスなどの深絞り成形品にも適用することで
きる。
【0058】また、本発明の成形同時貼付用シートは、
基材フィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値
が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外
線遮断剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有
しているものであるので、上記の添加剤が多すぎること
なく、基材フィルム表面に染み出ることがない。したが
って、成形同時貼付用シートをロールにして巻く場合に
ブロッキングしたり、基材フィルムに形成した接着層を
変質させて接着性の低下が起きたりしない。また、ヘイ
ズ値が2〜30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、
紫外線遮断剤から選ばれた少なくとも一つを含有してい
るものであるので、添加剤が基材フィルム中に均一に存
在しており、基材フィルムの引張破断強度が低下せず、
射出成形時に破断することがない。
【0059】そして、本発明の成形同時シート貼付樹脂
成形品の製造方法は、上記の成形同時貼付用シートを射
出成形用金型内に配置して、射出成形により成形同時貼
付用シートと成形樹脂とが一体化するので、射出成形時
に成形同時貼付用シートが破断することなく、立体形状
に加工ができ、表面強度および耐光性に優れた成形同時
シート貼付樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形
同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示
す断面図である。
【図2】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形
同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示
す断面図である。
【図3】本発明の成形同時貼付用シートを使用する成形
同時シート貼付樹脂成形品の製造方法の工程の一つを示
す断面図である。
【図4】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造
方法により得られた成形同時シート貼付樹脂成形品を示
す断面図である。
【図5】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図で
ある。
【図6】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図で
ある。
【図7】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図で
ある。
【図8】本発明の成形同時貼付用シートを示す断面図で
ある。
【図9】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製造
方法に用いる立体加工された成形同時貼付用シートを示
す断面図である。
【図10】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製
造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図11】本発明の成形同時シート貼付樹脂成形品の製
造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図12】成形同時貼付用シートの引張強度を測定する
引張試験機を示す斜視図である。
【図13】引張試験機の試験片を固定する部分を示す平
面図である。
【図14】引張試験機の試験片を固定する部分を示す断
面図である。
【図15】基材フィルムの成形樹脂に接着される側の面
と反対の面の鉛筆硬度を測定する鉛筆引掻き試験機を示
す図である。
【図16】基材フィルムのヘイズ値を求めるのに使用す
る積分球式光線透過率測定装置を示す図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 1a 低結晶性ポリプロピレンフィルム 1b 低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルム 1c 高結晶性ポリプロピレンフィルム 2 絵柄層 3 成形同時貼付用シート 4 可動型 5 固定型 6 キャビティ形成面 7 クランプ部材 8 ゲート部 9 真空吸引孔 10 成形樹脂 11 キャビティ 12 樹脂成形品 13 試験片 14 ネジ 15 チャック 16 チャック 17 可動部材 18 鉛筆 19 試験片取付台 20 おもり 21 試験片 22 標準白色板 23 ライトトラップ 24 光源 25 積分球 26 受光器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形用の金型内にセットされて成形
    樹脂の表面に一体化接着される成形同時貼付用シートに
    おいて、成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な
    低結晶性ポリプロピレンフィルムの単層フィルムからな
    り、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片を一対のチ
    ャックを用いてチャック間距離5mmで固定し62〜94℃の
    環境温度下において試験片の一端を500mm/分の一定速
    度で荷重をかけて引張試験を実施したときの引張破断荷
    重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹脂に接着さ
    れる側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方法における
    鉛筆硬度値が3B〜Bの硬度であり、基材フィルムのJI
    S K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜30%となる
    ように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断剤から選ば
    れた添加剤を少なくとも一つ以上含有していることを特
    徴とする成形同時貼付用シート。
  2. 【請求項2】 射出成形用の金型内にセットされて成形
    樹脂の表面に一体化接着される成形同時貼付用シートに
    おいて、成形同時貼付用シートの基材フィルムが透明な
    低結晶性または非結晶性ポリプロピレンフィルムの少な
    くとも成形樹脂に接着される側の面と反対の面に透明な
    高結晶性ポリプロピレンフィルムが積層された積層フィ
    ルムからなり、幅10mmの成形同時貼付用シートの試験片
    を一対のチャックを用いてチャック間距離5mmで固定し
    62〜94℃の環境温度下において試験片の一端を500mm/
    分の一定速度で荷重をかけて引張試験を実施したときの
    引張破断荷重が23gf以上であり、基材フィルムの成形樹
    脂に接着される側の面と反対の面のJIS K-5400の測定方
    法における鉛筆硬度値が3B〜Hの硬度であり、基材フ
    ィルムのJIS K-7105の測定方法におけるヘイズ値が2〜
    30%となるように紫外線吸収剤、光安定剤、紫外線遮断
    剤から選ばれた添加剤を少なくとも一つ以上含有してい
    ることを特徴とする成形同時貼付用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の成形同
    時貼付用シートを射出成形用の金型内にセットし、型閉
    めして溶融状態の成形樹脂をキャビティに射出し、成形
    樹脂を固化させて樹脂成形品を成形すると同時にその表
    面に成形同時貼付用シートを一体化接着させる成形同時
    シート貼付樹脂成形品の製造方法。
JP31441998A 1998-11-05 1998-11-05 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP4116716B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31441998A JP4116716B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法
CA002317615A CA2317615C (en) 1998-11-05 1999-11-04 Sheet for foil decorating and foil-decorated article using the same
DE69918673T DE69918673T2 (de) 1998-11-05 1999-11-04 Lage zur foliendekoration, verfahren zu ihrer herstellung und foliendekorierter gegenstand
EP99954366A EP1053850B1 (en) 1998-11-05 1999-11-04 Sheet for foil decorating, method of manufacturing it and foil-decorated article using the same
PCT/JP1999/006131 WO2000027608A1 (fr) 1998-11-05 1999-11-04 Feuille pour decoration de tole et article a tole decoree utilisant cette feuille

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31441998A JP4116716B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000141398A true JP2000141398A (ja) 2000-05-23
JP4116716B2 JP4116716B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=18053130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31441998A Expired - Lifetime JP4116716B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4116716B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013018226A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Daicel Pack Systems Ltd 一体成形体の製造方法及び一体成形体

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4668318B2 (ja) 2006-03-08 2011-04-13 富士通株式会社 電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013018226A (ja) * 2011-07-13 2013-01-31 Daicel Pack Systems Ltd 一体成形体の製造方法及び一体成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4116716B2 (ja) 2008-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6652983B1 (en) Sheet for in-mold decorating and in-mold decorated article
JP5065644B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法並びに化粧シート付射出成形品
US6866938B2 (en) Foil-detecting sheet and method of producing a foil-decorated resin article using the same
US11135755B2 (en) Laminate, molded article in which laminate is used, and method for manufacturing same
EP3281786B1 (en) Decorative sheet, molding sheet and method for producing same
US6326086B1 (en) Sheet for molded-in foil decoration and method of producing molded resin having molded-in foil decoration by using the sheet
US9162429B2 (en) Decorative sheet, process for producing the same, and injection-molded article with decorative sheet
JP2965973B1 (ja) 成形同時絵付用シートとこれを用いた成形同時絵付樹脂成形品の製造方法
EP1053850B1 (en) Sheet for foil decorating, method of manufacturing it and foil-decorated article using the same
JP3663304B2 (ja) 成形同時絵付シートと成形同時絵付成形品の製造方法
JP2923281B1 (ja) アクリルフィルムインサート成形品とその製造方法
JP3862814B2 (ja) 薄膜アクリルインサート成形品とその製造方法
JP4116716B2 (ja) 成形同時貼付用シートとこれを用いた成形同時シート貼付樹脂成形品の製造方法
JP3090911B2 (ja) 成形同時加飾シートと成形同時加飾成形品の製造方法
JP3003032B1 (ja) インサートフィルムとその製造方法
JP4562889B2 (ja) 圧空成形加工に適した加飾用シート、これを用いた成形シートの製造方法、成形同時加飾成形品の製造方法および成形同時加飾成形品
JP3762887B2 (ja) ヘアライン装飾成形品の製造方法
WO2019139030A1 (ja) 金属層保持用フィルム、金属調加飾シート中間体、金属調加飾シート、押出ラミネート体、金属調成形体、射出成形体、金属調成形体の製造方法、射出成形体の製造方法および押出ラミネート体の製造方法
JP4562891B2 (ja) 真空成形加工に適した加飾用シート、これを用いた成形シートの製造方法、成形同時加飾成形品の製造方法および成形同時加飾成形品
JP4144949B2 (ja) Smcの製造方法
JPH081712A (ja) スエード調の表面を有する成形物及びその製造方法
JP3443559B2 (ja) 成形同時加飾シートとこれを用いた成形同時加飾成形品の製造方法
JP2000084973A (ja) インサートフィルムとインサート成形品の製造方法
JP2016147505A (ja) 真空圧空成形または真空成形により一体化された構造体、およびその製造方法
JP4926313B2 (ja) 成形同時加飾品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080418

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term