JP3443559B2 - 成形同時加飾シートとこれを用いた成形同時加飾成形品の製造方法 - Google Patents
成形同時加飾シートとこれを用いた成形同時加飾成形品の製造方法Info
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Description
機器、電気製品、自動車部品などの樹脂成形品を装飾す
るために用いられる成形同時加飾シートとこれを用いた
成形同時加飾成形品の製造方法に関するものである。
に、成形同時加飾シートが用いられている。具体的に
は、少なくとも基体シートと図柄層とから構成された成
形同時加飾シートを射出成形用の金型内にセットし、樹
脂成形品を成形するのと同時にその表面に成形同時加飾
シートを一体化接着することにより、樹脂成形品の装飾
を行う。この方法では、基体シートをそのまま成形品表
面に残す(インサート成形)ほか、基体シートと図柄層
との間に剥離層を設けておき、成形後、基体シートを剥
離して図柄層を転写する(成形同時転写)こともでき
る。
装飾を行うには、成形同時加飾シートが加熱により金型
形状に沿って伸ばされ立体加工が可能であること、およ
び立体加工されても成形同時加飾シートが破れないこと
が必須条件である。このようなシートの機械的特性は、
一般にシートを伸ばして破断した時点の伸び率(単位
%)と引張強さ(単位MPaあるいはN/mm2)で表
わせる。
プを溶融し、ダイスリットから押し出してフィルム化し
ただけの基体シートや、この基体シートを用いて構成さ
れた成形同時加飾シートは、経時的且つ不均一に結晶化
が進行し、脆くなることがあった。
加飾シートが引張りに関する機械的特性に優れていたと
しても、長期間放置しておくと機械的特性が低下してい
くのである。
加飾シートや機械的特性が低下した基体シートを用いて
構成された成形同時加飾シートを射出成形用の金型内に
セットした場合、金型を型締めした時や成形樹脂を射出
した時の衝撃によって成形同時加飾シートが破れること
があった。
点を解決することにあり、金型形状に沿って伸ばすこと
ができ且つ破れないような機械的特性を有し、しかもこ
の機械的特性を経時的に維持することのできる成形同時
加飾シートとこれを用いた成形同時加飾成形品の製造方
法を提供することにある。
に、本発明は、少なくとも基体シートと図柄層とから構
成された成形同時加飾シートにおいて、あらかじめ延伸
加工により面配向指数(NS)を0.16〜0.18の
範囲とした樹脂フィルムを基体シートとして用い、25
℃の試験環境下においてJIS C−2318法の測定
条件で引張試験を実施したときの基体シート又は成形同
時加飾シートの伸び率が70%以上、引張強さが180
MPa以上であるように構成した。
ートが転写材であってもよい。
ートがインサート材であってもよい。
厚み10〜800μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートであってもよい。
方法は、上記各構成の成形同時加飾シートを成形金型内
に配置し、型締めして樹脂成形品を形成するのと同時に
その表面に成形同時加飾シートを一体化接着させるよう
に構成した。
をさらに詳しく説明する。
測定装置の一例を示す図、図2は基体シート又は成形同
時加飾シートの試験片に荷重を加える装置の一例を示す
斜視図、図3は図2の装置の試験片を固定する部分を示
す断面図、図4は本発明の成形同時加飾シートの一実施
例を示す断面図、図5〜7は本発明の成形同時加飾成形
品の製造方法の工程の一つを示す断面図、図8は本発明
の成形同時加飾成形品の製造方法により得られた成形同
時加飾成形品を示す断面図である。図中、1は成形同時
加飾シート、2は基体シート、3は図柄層、4は接着
層、5は可動型、6は固定型、7はキャビティ形成面、
8はクランプ部材、9はゲート部、10は成形樹脂、1
1は樹脂成形品、12は真空吸引孔、13はキャビテ
ィ、20可動部材試験片、21は可動部材、22はチャ
ック、23はチャック、24は偏光板付接眼鏡、25は
ナトリウム光源、26は副プリズム、27は主プリズ
ム、28は反射乳白板、29はテストピース、30は中
間液、31は屈折計本体をそれぞれ示す。
とも基体シート2と図柄層3とから構成され、あらかじ
め延伸加工により面配向指数(NS)を0.16〜0.
18の範囲とした樹脂フィルムを基体シート2として用
い、25℃の試験環境下においてJIS C−2318
法の測定条件で引張試験を実施したときの基体シート2
又は成形同時加飾シート1の伸び率が70%以上、引張
強さが180MPa以上のものである。
程は、通常、次に示す通りである。まずフィルム原料の
ポリマーチップを溶融し、ダイスリットから押し出して
フィルム化したものを急冷し、続いてフィルムを加熱し
て一軸又は二軸延伸し、さらにフィルムを加熱して熱固
定する。上記製造過程中の樹脂フィルムは、ダイスリッ
トから押し出して急冷した段階では無定形であるが、一
軸延伸(すなわち縦方向又は横方向のいずれかの方向に
延伸)又は二軸延伸(すなわち縦方向と横方向に延伸)
することにより微結晶及び非晶鎖セグメントが軸に沿っ
て配向し、結晶化部分の割合が高められ、さらに熱固定
(すなわち結晶化温度以上の熱処理)をすることにより
結晶が固定化される。
加工によりあらかじめある程度までほぼ均一に結晶化さ
せた樹脂フィルムを基体シート2として用いることで、
その後、基体シートの結晶化が経時的にほとんど進行し
ないようしたものである。そのため、機械的特性が成形
同時加飾シート1の製造後もほとんど低下することがな
い。
しては、上記面配向指数を用いることができる。面配向
指数は、次式のように、フィルム表面に光が入射した場
合の縦方向の屈折率(NMD)と横方向の屈折率(N
TD)との平均から厚み方向の屈折率(N Z)を引いた
値で示されるものである。 面配向指数(NS)=(NMD+NTD)/2−NZ 前記基体シート2は、延伸加工によって分子構造の異方
性を持っているので、電子の動きやすい方向と動きにく
い方向とができている。一般に物質に入射した光の屈折
率は動きやすい電子の多い方向で大きくなるため、電子
の動きやすい方向すなわち延伸方向に沿って入射した光
は、他方向に比べて大きな屈折率を示す。そのため、こ
の延伸方向の屈折率の増大が、分子構造の異方性の程
度、すなわち微結晶及び非晶鎖セグメントの配向の程度
および結晶化のレベルを示す指標となるのである。な
お、上記縦方向の屈折率(NMD)、横方向の屈折率
(NTD)、厚み方向の屈折率(NZ)は、JIS−K
−7142法により屈折計(図1参照:株式会社アタゴ
製アッベ屈折計)にて複屈折測定したものである。ま
た、「面配向指数」は、文献によって「面配向係数」や
「面配向度」といった呼び方をしている場合もある。
ィルムの面配向指数(NS)について適正範囲をどのよ
うに設定すればよいかを検討した結果、あらかじめ延伸
加工により面配向指数(NS)を0.16〜0.18の
範囲とした樹脂フィルムを基体シートとして用いるのが
よいことがわかった。表1は、25℃の試験環境下にお
いてJIS C−2318法の測定条件下での所定の面
配向指数、伸び率、引張強さを持つ成形同時加飾シート
1について、その3ヶ月後の引張強さおよび成形同時加
飾時の破れの関係を示し、評価したものである。
向指数(NS)が0.16未満である場合、基体シート
の結晶化が延伸加工時に不足し、その後に結晶化が不均
一に進行して基体シート2の引張強さが低下していく。
そのため、延伸加工後に結晶化が経時的に進行した結果
として基体シート2の面配向指数(NS)が0.16以
上に至ったとしても、25℃の試験環境下において、J
IS C−2318法の測定条件で引張試験を実施した
ときの基体シート2又は成形同時加飾シート1の引張強
さが180MPa以上である状態を長期的に維持できな
い(表1参照)。
面配向指数(NS)が0.18を超える場合、基体シー
トの伸びが悪くなり、25℃の試験環境下において、J
ISC−2318法の測定条件で引張試験を実施したと
きの基体シート又は成形同時加飾シート1の伸び率を7
0%以上にすることが難しい。
張強さが180MPa以上である状態を長期的に維持し
なければならない理由は、引張強さが180MPaに満
たなくなると、金型を型締めした時や成形樹脂を射出し
た時に衝撃を受けたりすることによって成形同時加飾シ
ート1が破れてしまうからである。また、基体シート又
は成形同時加飾シート1の伸び率を70%以上にしなけ
ればならない理由は、伸び率が70%に満たないと、強
制的に金型形状に沿って伸ばしたときに成形同時加飾シ
ート1が破れてしまうからである。
ては、延伸加工が可能なフィルム材料であれば、上記し
たように面配向指数(NS)が0.16〜0.18の範
囲となるように加工し、その状態で25℃の試験環境下
においてJIS C−2318法の測定条件で引張試験
を実施したときの基体シート2又は成形同時加飾シート
1の伸び率が70%以上、引張強さが180MPa以上
のものを選択することで使用可能である。延伸加工が可
能なフィルム材料としては、たとえば、ポリエステル系
フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリ乳酸系フィ
ルム、エチレンビニルアルコール系フィルム、ナイロン
系フィルムなどである。とくに、耐熱性にすぐれ、グラ
ビア印刷工程やコーティング工程での寸法安定性がよ
く、成形時に受ける熱や引張力に対して耐久性が高いな
どの理由から、成形同時加飾シートの基体シートとして
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが適して
いる。
とするのが好ましい。10μmに満たない基体シート
は、前記機械的特性を満足するように製造することが困
難である。また、800μmを超えるような基体シート
は、その製造工程において延伸加工が困難である。より
好ましくは25〜200μmの厚みである。25μm以
上の基体シート2は皺が生じにくく、図柄層3を形成す
るための印刷が容易である。一方、200μm以下の基
体シート2は、ロール状に巻き取ったときに全長が長く
ても嵩張らないため、ロール単位の全長が長くとること
ができ生産効率が高くなる。
とは、下記の通りである。基体シート又は成形同時加飾
シート1から幅15mm、長さ約200mmの試験片2
0を、縦方向及び横方向からおのおの5枚ずつ、採取場
所が全幅にわたって平均するようにとり、各試験片20
の中央部に50mmの距離をおいて標点を付ける。重ね
合わせた試験片20の標点間の中央部において測定した
値を重ね合わせ枚数で除した値を厚さとする。低速緊張
形引張試験機(図2参照)に試験片20を上側のチャッ
ク22および下側のチャック23を用いチャック22,
23間距離約100mmで固定し、下側のチャック23
が取り付けられた可動部材21を下向きに200mm/
分の一定速度で下降することにより荷重をかけて引張試
験を実施したとき(図3参照)の引張荷重及び伸びを測
定する。引張強さは、縦・横それそれの引張荷重値を試
験片の断面積(厚み×幅)で除した平均値で表す。伸び
率(%)は、(試験前の標点間距離L−試験前の標点間
距離L0)×100/試験前の標点間距離L0で算出
し、平均値で表す。
の測定を行なうのときの環境温度は、一般に、温水調節
による射出成形金型温度が25〜80℃であるため、そ
の最低温度の25℃を採用したものである。引張試験の
伸び率を低い環境温度で評価して充分な結果が得られ
ば、当然、それより高い温度でも充分な伸びが得られ
る。
ては、転写材やインサート材を用いることができる。
3などが形成されたものである(図4参照)。
面のどちらか片面、あるいは両面にパターンの印刷をし
て形成するとよい。図柄層3は、通常、印刷層として形
成する。印刷層の材質としては、ウレタン系樹脂、ビニ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタ
ール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、アルキド樹脂、熱可塑性エラストマー
などの樹脂、好ましくは柔軟な皮膜を作ることができる
樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着
色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層
の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いる
とよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセ
ット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色
の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コン
マコート法などのコート法を採用することもできる。印
刷層は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合
や部分的に設ける場合がある。
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
ーリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形
成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。部分的な金属薄膜層を
形成する場合の一例としては、金属薄膜層を必要としな
い部分に溶剤可溶性樹脂層を形成した後、その上に全面
的に金属薄膜を形成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹
脂層と共に不要な金属薄膜を除去する方法がある。この
場合によく用いる溶剤は、水または水溶液である。ま
た、別の一例としては、全面的に金属薄膜を形成し、次
に金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成
し、酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層
を除去する方法がある。
4は、成形樹脂10にインサート材を接着するものであ
り、必要に応じて成形同時加飾シート1の図柄層3側ま
たは基体シート2側に形成する。接着層4としては、成
形樹脂10の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂
を適宜使用する。たとえば、成形樹脂10の材質がアク
リル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。ま
た、成形樹脂10の材質がポリフェニレンオキシド・ポ
リスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン
共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合
は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよ
い。さらに、成形樹脂10の材質がポリプロピレン樹脂
の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデ
ン樹脂が使用可能である。接着層4の形成方法として
は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート
法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法
などの印刷法がある。
て用いる場合について説明する。転写材は、基体シート
2上に、剥離層、図柄層3、接着層4などからなる転写
層が設けられたものである。
するためには、基体シート2上に転写層を設ける前に、
離型層を全面的に形成してもよい。離型層は、転写後に
基体シート2を剥離した際に、基体シート2とともに転
写層から離型する。離型層の材質としては、メラミン樹
脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離
型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、
ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およ
びこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離
型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコ
ート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷法がある。
全面的または部分的に形成する。剥離層は、転写後に基
体シート2を剥離した際に、基体シート2または離型層
から剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層
の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂など
のほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用
いるとよい。剥離層に硬度が必要な場合には、紫外線硬
化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの
放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いる
とよい。剥離層は、着色したものでも、未着色のもので
もよい。剥離層の形成方法としては、グラビアコート
法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があ
る。
して設けるとよい。
層を接着するものである。接着層4は、接着させたい部
分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的な
ら、図柄層3上に接着層4を全面的に形成する。また、
接着させたい部分が部分的なら、図柄層3上に接着層4
を部分的に形成する。接着層4は、インサート材の場合
と同様にして設けるとよい。
明する。
の金型である可動型5の表面にクランプ部材8によりセ
ットする(図5参照)。
は、ロール軸に長尺の成形同時加飾シート1を一旦巻き
取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形
用の可動型5の上部に可動型5と一体的に移動可能に載
置し、ロール状巻物から成形同時加飾シート1を巻き出
しながら、退避した可動型5と固定型6との間を通過さ
せ、射出成形用の可動型5の下部に可動型5と一体的に
移動可能に設置したフィルム巻き取り手段のロール軸に
より成形同時加飾シート1を巻き取るようにすればよ
い。別の例としては、枚葉の成形同時加飾シート1を用
いて、ロボットや人手により可動型5の表面にセットし
てもよい。成形同時加飾シート1の可動型5の表面への
セットに際しては、成形同時加飾シート1を可動型5の
表面に配置した後、可動型5の表面に対する成形同時加
飾シート1の位置を位置決めセンサーなどにより決定
し、成形同時加飾シート1を射出成形用の可動型5の表
面にクランプ部材8によって押さえ付けるとよい。
して溶融状態の成形樹脂10を固定型6のゲート部9か
らキャビティ13内に射出し、成形樹脂10を固化させ
てキャビティ13内で樹脂成形品11を形成すると同時
にその表面に成形同時加飾シート1の接着層4側を一体
化接着させる(図6〜8参照)。
基体シート又は成形同時加飾シート1について引張試験
をしたときの伸び率が70%以上のものであるので、金
型形状に沿って伸ばされても破れない。また、本発明に
おいて、金型を型締めした時にかかる型締め力は50〜
500トンである。また、成形樹脂を射出した時にフィ
ルムにかかる圧力は10〜100MPaである。しか
し、本発明の成形同時加飾シート1は、上記引張試験を
したときの引張強さが180MPa以上である状態を長
期的に維持するものであるので、これらの条件によって
金型を型締めした時や成形樹脂を射出した時に衝撃を受
けても、前記した構成をとることにより破れない。
型6は、上記した実施形態に特に限定されることはな
く、成形樹脂10を射出するゲート部9を有する固定型
6と可動型5から構成され、固定型6と可動型5とが型
締めされることによって、固定型6および可動型5のキ
ャビティ形成面7によって囲まれた単数あるいは複数の
キャビティ13が形成されるものを使用すればよい。射
出成形用の可動型5と固定型6とにより形成されるキャ
ビティ13内にセットされた成形同時加飾シート1は、
キャビティ形成面7を覆うことになる。キャビティ13
は樹脂成形品11に孔部を形成するものであってもよ
い。キャビティ13を形成する凹部は固定型6あるいは
可動型5のいずれかに形成されていてもよい。可動型5
または固定型6は、凹部の周囲で成形同時加飾シート1
を押さえ付けて固定するクランプ部材8を有してもよい
(図5〜7参照)。クランプ部材8は固定型6あるいは
可動型5に設置されてもよい。
い。たとえば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニ
トリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることがで
きる。また、自動車の内装部品や外装部品に用いられる
代表的な成形樹脂10としては、タルクを含有したポリ
プロピレン樹脂、変成ポリプロピレン樹脂などを挙げる
ことができる。
が一体化して接着された樹脂成形品11を取り出す。成
形同時加飾シート1が転写材の場合は、基体シート2を
剥離する。このようにして、成形同時加飾成形品を得る
ことができる。
イッチパネルを製造した。
られた厚さ188μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを基体シートとした。基体シートの面配
向指数(NS)は0.168であった。引張試験を実施
したところ、伸び率が83%、引張強さが197MPa
であった。
樹脂系インキによる白色(チタンホワイト40%含有)
のベタパターンと、黒色(カーボンブラック20%含
有)の文字パターンと、金色(パール顔料5%含有)の
文字パターンとをシルク印刷にて形成した。次いで、ビ
ニル樹脂系インキを用いて接着層をシルク印刷にて形成
し、インサート材を得た。
し、次いでトムソン打抜きした後、成形用金型に配置
し、220トンの型締め条件で型締めし、透明ポリスチ
レン樹脂を成形樹脂として30MPaの射出圧力条件で
射出することにより成形同時加飾加工を行った。
パネルは、強制的に金型形状に沿って伸ばされても、ま
た金型を型締めした時や成形樹脂を射出した時に衝撃を
受けても破れないものであった。
を製造した。
られた厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを基体シートとした。基体シートの面配向
指数(NS)は0.172であった。引張試験を実施し
たところ、伸び率が75%、引張強さが185MPaで
あった。
てグラビア印刷にて剥離層を形成し、次いで図柄層とし
て、ビニル樹脂系インキによるメタリック色(アルミニ
ウム顔料20%含有)のベタパターンと、黒色(カーボ
ンブラック15%含有)の文字パターンとをグラビア印
刷にて形成し、次いでアクリル樹脂系インキを用いて接
着層をグラビア印刷にて形成し、転写材を得た。
で真空成形したのち、70トンの型締め条件で型締め
し、アクリル樹脂を成形樹脂として25MPaの射出圧
力条件で射出することにより成形同時加飾加工を行っ
た。
的に金型形状に沿って伸ばされても、また金型を型締め
した時や成形樹脂を射出した時に衝撃を受けても破れな
いものであった。
した。
られた厚さ200μmの二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムを基体シートとした。基体シートの面配向指数
(NS)は0.162であった。引張試験を実施したと
ころ、伸び率が73%、引張強さが182MPaであっ
た。
樹脂系インキによる白色(チタンホワイト30%含有)
のベタパターンと、黒色(カーボンブラック20%含
有)の文字パターンをシルク印刷にて形成した。次い
で、塩素化ポリプロピレン樹脂系インキを用いて接着層
をシルク印刷にて形成し、インサート材を得た。
抜きした後、成形用金型に配置し、120トンの型締め
条件で型締めし、透明ポリスチレン樹脂を成形樹脂とし
て18MPaの射出圧力条件で射出することにより成形
同時加飾加工を行った。
パネルは、強制的に金型形状に沿って伸ばされても、ま
た金型を型締めした時や成形樹脂を射出した時に衝撃を
受けても破れないものであった。
いた成形同時加飾成形品の製造方法は、以上のとおりの
構成を有するので、次のような優れた効果を有する。
とから構成された成形同時加飾シートにおいて、あらか
じめ延伸加工により面配向指数(NS)を0.16〜
0.18の範囲とした樹脂フィルムを基体シートとして
用いるので、機械的特性が成形同時加飾シート1の製造
後もほとんど低下することがない。また、25℃の試験
環境下においてJIS C−2318法の測定条件で引
張試験を実施したときの基体シート又は成形同時加飾シ
ートの伸び率が70%以上、引張強さが180MPa以
上である。したがって、本発明の成形同時加飾シートと
これを用いた成形同時加飾成形品の製造方法は、強制的
に金型形状に沿って伸ばされても、また金型を型締めし
た時や成形樹脂を射出した時に衝撃を受けても破れない
という優れた効果を発揮するものである。
一例を示す図である。
荷重を加える装置の一例を示す斜視図である。
図である。
断面図である。
の一つを示す断面図である。
の一つを示す断面図である。
の一つを示す断面図である。
得られた成形同時加飾成形品を示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートである基体シートと図柄層とから構成された成
形同時加飾シートにおいて、あらかじめ延伸加工により
面配向指数(NS)を0.168〜0.18の範囲とし
た樹脂フィルムを基体シートとして用い、25℃の試験
環境下においてJIS C−2318法の測定条件で引
張試験を実施したときの基体シート又は成形同時加飾シ
ートの伸び率が70%以上、引張強さが180MPa以
上であることを特徴とする成形同時加飾シート。 - 【請求項2】 成形同時加飾シートが転写材である請求
項1記載の成形同時加飾シート。 - 【請求項3】 成形同時加飾シートがインサート材であ
る請求項1記載の成形同時加飾シート。 - 【請求項4】 基体シートの厚みが10〜800μmで
ある請求項1〜3のいずれかに記載の成形同時加飾シー
ト。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の成形同
時加飾シートを成形金型内に配置し、型締めして樹脂成
形品を形成するのと同時にその表面に成形同時加飾シー
トを一体化接着させることを特徴とする成形同時加飾成
形品の製造方法。
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