JPH11245261A - アクリルフィルムインサート成形品とその製造方法 - Google Patents

アクリルフィルムインサート成形品とその製造方法

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JPH11245261A
JPH11245261A JP6443598A JP6443598A JPH11245261A JP H11245261 A JPH11245261 A JP H11245261A JP 6443598 A JP6443598 A JP 6443598A JP 6443598 A JP6443598 A JP 6443598A JP H11245261 A JPH11245261 A JP H11245261A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インサート成形品に反りが発生したり、アク
リル印刷インサートフィルムが剥がれたりすることのな
いアクリルフィルムインサート成形品とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 アクリルフィルム1上に絵柄層2と接着
層3を有する印刷層が形成されたアクリル印刷インサー
トフィルム4を、射出成形用の金型内に入れ、型閉めし
て溶融状態のポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射
出し、ポリプロピレン成形樹脂を固化した樹脂成形品1
1にアクリル印刷インサートフィルム4の印刷層側を一
体化接着させるアクリルフィルムインサート成形品の製
造方法において、前記ポリプロピレン成形樹脂として、
固化後の収縮率が4/1000〜12/1000のもの
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンソールパネ
ル、センタークラスター、スイッチベース等の自動車内
装部品、塗装模様のサイドマットガード、バンパー、ホ
イルキャップやモール等の自動車外装部品等を加飾する
ために用いられるアクリルフィルムインサート成形品と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装や外装を加飾するためのフ
ィルムは耐候性と三次元加工性が厳しく要求される。こ
のような性質を備えている材料としてアクリルフィルム
がある。従来のアクリルフィルムインサート成形品の製
造方法は、前記アクリルフィルム上に少なくとも絵柄層
を有する印刷層が形成されたアクリル印刷インサートフ
ィルムを、射出成形用の金型内に入れて、型閉め後、ポ
リプロピレン成形樹脂をキャビティに射出し、ポリプロ
ピレン成形樹脂を固化した樹脂成形品にアクリル印刷イ
ンサートフィルムの印刷層側を一体化接着させてアクリ
ルフィルムインサート成形品を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、ポリプロピレン
成形樹脂を射出し固化した樹脂成形品を射出成形用の金
型から取り出した後、24時間以内におこる樹脂成形品
の収縮の割合、つまりポリプロピレン成形樹脂の収縮率
(15〜18/1000程度)と、前記射出成形時に加
熱されたアクリル印刷インサートフィルムの温度が常温
にもどるまでのアクリル印刷インサートフィルムの収縮
率(4〜6/1000程度)とは大幅に相違する。この
ため、アクリル印刷インサート4フィルムとポリプロピ
レン成形樹脂が固化した樹脂成形品13とが一体化して
アクリルフィルムインサート成形品(図5(A)参照)
となった後に冷却されると、アクリル印刷インサートフ
ィルムとポリプロピレン成形樹脂が固化した樹脂成形品
との接着力が強い場合は、ポリプロピレン成形樹脂が固
化した樹脂成形品の変形に追随してアクリルフィルムイ
ンサート成形品の全体に反りが発生してしまう(図5
(B)参照)。また、アクリル印刷インサートフィルム
とポリプロピレン成形樹脂が固化した樹脂成形品との接
着力が弱い場合は、アクリルフィルムインサート成形品
の端部において、アクリル印刷インサートフィルムの接
着面とポリプロピレン成形樹脂が固化した樹脂成形品の
接着面とに微小なズレが生じるため、アクリル印刷イン
サートフィルムがポリプロピレン成形樹脂が固化した樹
脂成形品から剥がれる等の不具合があった(図5(C)
参照)。
【0004】この発明は上記の欠点を解決し、アクリル
印刷インサートフィルムの前記収縮率とポリプロピレン
成形樹脂の前記収縮率の差を小さくすることで、インサ
ート成形品に反りが発生したり、アクリル印刷インサー
トフィルムが剥がれたりすることのないアクリルフィル
ムインサート成形品とその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のアクリルフィ
ルムインサート成形品の製造方法は、上記目的を達成す
るために、アクリルフィルム上に少なくとも絵柄層を有
する印刷層が形成されたアクリル印刷インサートフィル
ムを、射出成形用の金型内に入れ、型閉めして溶融状態
のポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射出し、ポリ
プロピレン成形樹脂を固化した樹脂成形品にアクリル印
刷インサートフィルムの印刷層側を一体化接着させるア
クリルフィルムインサート成形品の製造方法において、
前記ポリプロピレン成形樹脂として、固化後の収縮率が
4/1000〜12/1000のものを用いることを特
徴とする。
【0006】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品の製造方法では、前記ポリプロピレン成形樹脂が、
充填材とゴム系樹脂が混入されたものであってもよい。
【0007】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品の製造方法では、前記アクリル印刷インサートフィ
ルムの印刷層のうち前記成形樹脂に接する層の樹脂成分
が、塩素化ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
【0008】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品の製造方法では、射出成形用の金型内に入れる前
に、アクリル印刷インサートフィルムを真空成形により
三次元形状に加工し、所望の形状に打抜き加工するもの
でもよい。
【0009】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品の製造方法では、射出成形用の金型内に入れた後
に、射出成形用の金型内でアクリル印刷インサートフィ
ルムを真空成形により三次元形状に加工するものでもよ
い。
【0010】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品は、アクリルフィルム上に少なくとも絵柄層を有す
る印刷層が形成されたアクリル印刷インサートフィルム
が、ポリプロピレン成形樹脂を溶融後固化した三次元形
状の樹脂成形品表面に一体化接着されているアクリルフ
ィルムインサート成形品において、前記樹脂成形品の固
化後の収縮率が4/1000〜12/1000のもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明のアクリルフィルムインサート
成形品の製造方法は、アクリルフィルム上に少なくとも
絵柄層を有する印刷層が形成されたアクリル印刷インサ
ートフィルムを、射出成形用の金型内に入れ、型閉めし
て溶融状態のポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射
出し、ポリプロピレン成形樹脂を固化した樹脂成形品に
アクリル印刷インサートフィルムの印刷層側を一体化接
着させるアクリルフィルムインサート成形品の製造方法
において、前記ポリプロピレン成形樹脂として、固化後
の収縮率が4/1000〜12/1000のものを用い
ることを特徴とするものである。
【0012】この製造方法に適用するアクリル印刷イン
サートフィルム4を説明する。アクリル印刷インサート
フィルム4は、アクリルフィルム1上に、少なくとも絵
柄層2を有する印刷層が形成されたものがある(図1等
参照)。印刷層は、絵柄層2上にさらに接着層3を有す
るものでもよい。印刷層は、オフセット印刷法、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷法や、ロー
ルコート法、スプレーコート法等のコート法等により形
成するとよい。
【0013】アクリルフィルム1としては、厚み30〜
250μmのものがある。また、アクリルフィルム1上
には、例えばフッ素フィルム等の他の樹脂フィルムを積
層しておいてもよい。
【0014】絵柄層2は、アクリルフィルム1の表面の
全面または部分に印刷によって形成される印刷層であ
る。この絵柄層2は、樹脂成形品の表面に文字や図形、
記号等を表したり、着色表面を表す等するためのもので
ある。なお、文字や図形、記号等を表したり、着色表面
を表したりすることは、蒸着膜からなる金属蒸着層によ
ってもできる。絵柄層2は、顔料と樹脂バインダーから
なる顔料インキ層、パール顔料と樹脂バインダーからな
る光輝性顔料層、染料と樹脂バインダーからなる染料イ
ンキ層の群から選ばれる少なくとも一層によって構成さ
れる。
【0015】接着層3は、後述するポリプロピレン成形
樹脂10つまり樹脂成形品11との接着性を向上させる
ための印刷層である。接着層3は、ポリ塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂等からなっていてもよい。
【0016】アクリル印刷インサートフィルム4の前記
印刷層のうち前記成形樹脂に接する層の樹脂成分とし
て、ポリプロピレン樹脂を変性した塩素化ポリプロピレ
ン系樹脂を用いることによって、前記印刷層の耐熱性が
向上する。塩素化ポリプロピレン樹脂の塩素化の度合を
上げればさらに耐熱性が向上する。また、アクリル印刷
インサートフィルム4が巻き取られる場合には、アクリ
ルフィルム1と前記印刷層とが常温で引っ付いて離れに
くくなる(「ブロッキング現象が発生する」ともい
う。)ことを抑制することができる。
【0017】この発明のアクリルフィルムインサート成
形品の製造方法を説明する。
【0018】まず、以上説明したアクリル印刷インサー
トフィルム4を射出成形用の金型内に入れる(図1参
照)。金型内への入れかたの具体例としては、ロール軸
に長尺のアクリル印刷インサートフィルム4を一旦巻き
取ってロール状巻物とし、このロール状巻物を射出成形
用の金型の上部に載置し、ロール状巻物からアクリル印
刷インサートフィルム4を巻き出しながら、金型内を通
過させ、射出成形用の金型の下部に設置したフィルム巻
き取り手段のロール軸によりアクリル印刷インサートフ
ィルム4を巻き取るようにしてもよい。別の例として
は、枚葉のアクリル印刷インサートフィルム4を用い
て、ロボットや人手により金型内に入れてもよい。アク
リル印刷インサートフィルム4を金型内に入れた後、金
型に対するアクリル印刷インサートフィルム4の位置を
決定した後、アクリル印刷インサートフィルム4を射出
成形用の金型の表面にクランプ部材8によって押さえ付
けるとよい。
【0019】アクリル印刷インサートフィルム4を射出
成形用の金型内に入れる前に、射出成形用の金型とは別
の型を用いてアクリル印刷インサートフィルム4を真空
成形により三次元形状に加工し、所望の形状に打抜き加
工しておいてもよい。所望の形状としては、射出成形用
の金型のキャビティ形成面7に合致する形状等がある。
三次元形状に加工する方法としては、真空成形法や圧空
成形法、熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、プレ
ス成形法等がある。ここで、真空成形法とは、アクリル
印刷インサートフィルム4をその軟化点以上に加熱して
軟化させ、真空成形金型の凹部とアクリル印刷インサー
トフィルム4との間の空間を密閉して真空吸引し、真空
成形金型の凹部内面にアクリル印刷インサートフィルム
4を密着させ、射出成形用の金型のキャビティ形成面7
に合致した三次元形状にアクリル印刷インサートフィル
ム4を成形する方法である。所望の形状に打抜き加工す
る方法としては、トムソン打抜き法、金型によるプレス
法等がある。打抜き形状としては、所定形状のアクリル
印刷インサートフィルムの外周の場合や、所定形状の孔
等がある。なお、前記三次元形状に加工する際に同時に
打抜き加工をしてもよい。
【0020】アクリル印刷インサートフィルム4を射出
成形用の金型内に入れた後に、射出成形用の金型を用い
てアクリル印刷インサートフィルム4を真空成形により
射出成形用の金型の凹部に沿うように三次元形状に加工
してもよい(図2参照)。具体例としては、金型内に挿
入した加熱板等でアクリル印刷インサートフィルム4を
その軟化点以上に加熱して軟化させ、射出成形用の金型
の凹部とアクリル印刷インサートフィルム4との間の空
間を密閉して真空吸引孔12から排気して真空吸引し、
射出成形用の金型の凹部内面にアクリル印刷インサート
フィルム4を密着させる方法である。三次元形状に加工
する際、あるいはクランプ部材8でアクリル印刷インサ
ートフィルム4を押さえ付けて固定する際に、アクリル
印刷インサートフィルム4の不要部分の打抜き加工をし
てもよい。
【0021】次に、型閉めして溶融状態のポリプロピレ
ン成形樹脂10をキャビティに射出し、ポリプロピレン
成形樹脂10を固化した樹脂成形品11にアクリル印刷
インサートフィルム4の印刷層側を一体化接着させる
(図3参照)。その後、樹脂成形品11に接着したアク
リル印刷インサートフィルム4のうち不要な部分を除去
してもよい(図4参照)。射出成形用の金型は、成形樹
脂を射出するゲート部9を有する固定型6と可動型5等
からなり、固定型6と可動型5とが型閉めされることに
よって、固定型6および可動型5のキャビティ形成面7
によって囲まれた単数あるいは複数のキャビティが形成
されるものがある。射出成形用の金型内部に入れられた
アクリル印刷インサートフィルム4は、キャビティ形成
面7を覆うことになる。キャビティは樹脂成形品11に
孔部を形成するものであってもよい。キャビティを形成
する凹部は固定型6あるいは可動型5のいずれに形成さ
れていてもよい。金型は、凹部の周囲でアクリル印刷イ
ンサートフィルム4を押さえ付けて固定するクランプ部
材8を有してもよい(図1〜3参照)。クランプ部材8
は固定型6あるいは可動型5に設置されてもよい。
【0022】ポリプロピレン成形樹脂10は、固化後の
収縮率が4/1000(千分の四)〜12/1000
(千分の十二)であるものである。ここでいう固化後の
収縮率とは、ポリプロピレン成形樹脂10を射出し固化
した樹脂成形品11を射出成形用の金型から取り出した
後、24時間以内におこる樹脂成形品11の収縮の割合
のことであり、より詳しくはJIS規格6911に従っ
て作成した試験片を用いて、次式によって算出される値
である。 収縮率=(D1−d1)/D1 +(D2−d2)/D2 ・・・・ +(Dn−dn)/Dn なお、d1〜dnは、樹脂成形品1の表面の最長外径を
示す。D1〜Dnは、前記d1〜dnに対応する常温で
の金型の凹部の最長内径を示す。
【0023】前記ポリプロピレン成形樹脂10は、充填
材とゴム系樹脂が混入されたものであってもよい。
【0024】充填材をポリプロピレン成形樹脂10に混
入する目的は、ポリプロピレン成形樹脂10の前記収縮
率を低下させ、ポリプロピレン成形樹脂の前記収縮率と
アクリル印刷インサートフィルム4の前記収縮率との差
を小さくするためである。
【0025】充填材の具体例としては、タルク(滑
石)、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、ガラス繊維、
カーボン繊維等がある。充填材を混入する場合の具体例
としては、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、タ
ルクを10〜30重量%混入する場合がある。この場合
は、タルクを混入しないポリプロピレン樹脂の前記収縮
率が16/1000であったのが、タルクを混入すると
前記収縮率は8〜12/1000程度に下がる。なお、
ポリプロピレン成形樹脂10への充填材の混入率が大き
い程、ポリプロピレン成形樹脂10の前記収縮率は小さ
くなる。ポリプロピレン成形樹脂10への充填材の混入
率は40重量%以下が好ましい。40重量%を越えると
ポロプロピレン成形樹脂10と絵柄層2あるいは接着層
3との接着力が小さくなり剥がれやすくなるからであ
る。
【0026】ゴム系樹脂をポリプロピレン成形樹脂10
に混入する目的は、ポリプロピレン成形樹脂10に接す
る前記印刷層(絵柄層2または接着層3)の樹脂成分が
ポリプロピレン樹脂を変性した塩素化ポリプロピレン系
樹脂である場合において、そのような印刷層とポリプロ
ピレン成形樹脂10との接着力を大きくするためであ
る。なお、ゴム系樹脂を混入しないポリプロピレン成形
樹脂10に比べて、ゴム系樹脂を混入したポリプロピレ
ン成形樹脂10では樹脂成形品の柔軟性を比較的保持し
やすいので、アクリル印刷インサートフィルム4との接
着力も比較的大きくなるので効果的である。
【0027】ゴム系樹脂の具体例としては、エチレン樹
脂とプロピレン樹脂よりなるエチレンプロピレンゴム
(EPM)、前記EPMにジエンを架橋したエチレンプ
ロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポ
リエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(C
M)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、オレフィン
系又はスチレン系の熱可塑性エラストマー樹脂(TP
E)等がある。ゴム系樹脂を混入する場合の具体例とし
ては、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、ゴム系
樹脂を0.5〜50重量%混入する場合がある。ゴム系
樹脂としては、オレフィン系またはスチレン系の熱可塑
性エラストマー等がある。
【0028】
【実施例】実施例1 以下の条件で、黄金色の自動車ホイールキャップを製造
した。アクリル印刷インサートフィルムのアクリルフィ
ルムは、収縮率が5/1000で厚さ125μmのアク
リルフィルムを用いた。アクリルフィルム上に、第1絵
柄層として透明黄色のアクリル樹脂系インキを用いた印
刷層を形成し、その上に厚み600Åのアルミニウム蒸
着からなる金属蒸着層を形成し、その上に第2絵柄層と
してアルミ顔料(透明黄色の顔料を含む。)入りのビニ
ル樹脂系インキを用いた印刷層を形成し、その上に接着
層として塩素化ポリプロピレン樹脂(塩素化度10%)
を用いた印刷層を形成した。以上のようにして得られた
アクリル印刷インサートフィルムを、射出成形用の金型
内に入れ、型閉めして収縮率が8/1000のポリプロ
ピレン成形樹脂をキャビティに射出し、ポリプロピレン
成形樹脂を固化した樹脂成形品にアクリル印刷インサー
トフィルムの印刷層側を一体化接着させ、黄金色の自動
車ホイールキャップを得た。この場合のポリプロピレン
成形樹脂は、充填材(含有率20重量%)及びエチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂(含有率5重量%)をそれぞ
れ含有したグレー色のものを用いた。
【0029】実施例2 以下の条件で、クロム色の自動車バンパーを製造した。
アクリル印刷インサートフィルムのアクリルフィルム
は、収縮率が5/1000で厚さ125μmのアクリル
フィルムを用いた。アクリルフィルム上に、厚み300
Åのクロム蒸着からなる金属蒸着層を形成し、その上に
第1絵柄層としてビニル樹脂系インキを用いた層を形成
し、その上に接着層として塩素化ポリプロピレン樹脂
(塩素化度10重量%)の接着層を形成した。以上のよ
うにして得られたアクリル印刷インサートフィルムを、
射出成形用の金型内に入れ、型閉めして収縮率が7/1
000のポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射出
し、樹脂成形品の成形と同時にアクリル印刷インサート
フィルムの接着層側に成形樹脂を一体化接着させ、クロ
ム色の自動車バンパーを得た。この場合のポリプロピレ
ン成形樹脂は、充填材(含有率20重量%)、エチレン
プロピレンジエンゴム(含有率10重量%)をそれぞれ
含有した黒色のものを用いた。
【0030】実施例3 以下の条件で、木目柄のコンソールパネルを製造した。
アクリル印刷インサートフィルムのアクリルフィルム
は、収縮率が5/1000で厚さ125μmのアクリル
フィルムを用いた。アクリルフィルム上に、第1絵柄層
として黒色顔料(カーボンブラック)入りビニル樹脂系
インキを用いた木目導管柄層を形成し、その上に第2絵
柄層として黄色パール顔料入りビニル樹脂系インキを用
いた光輝性顔料層を形成し、その上に第3絵柄層として
茶色顔料(弁柄)入りの塩素化ポリプロピレン樹脂系イ
ンキ(塩素化度5重量%)を用いた木目下地層を形成し
た。以上のようにして得られたアクリル印刷インサート
フィルムを、射出成形用の金型内に入れ、型閉めして収
縮率が5/1000のポリプロピレン成形樹脂をキャビ
ティに射出し、樹脂成形品の成形と同時にアクリル印刷
インサートフィルムの接着層側に成形樹脂を一体化接着
させ、黄金色の自動車ホイールキャップを得た。この場
合のポリプロピレン成形樹脂は、充填材(含有率30重
量%)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂(含
有率1重量%)をそれぞれ含有した茶色のものを用い
た。
【0031】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成をとるの
で、以下のような効果を奏する。つまり、アクリル印刷
インサートフィルムの収縮率と、成形樹脂であるポリプ
ロピレン成形樹脂の収縮率の差を小さくすることによっ
て、アクリルフィルムインサート成形品の全体に反りが
発生しにくくなる。また、アクリルフィルムインサート
成形品の端部においては、アクリル印刷インサートフィ
ルムの接着面とポリプロピレン成形樹脂が固化した樹脂
成形品の接着面とに微小なズレが生じにくくなり、アク
リル印刷インサートフィルムがポリプロピレン樹脂から
なる樹脂成形品から剥がれる等の不具合もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアクリルフィルムインサート成形品
の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図2】この発明のアクリルフィルムインサート成形品
の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図3】この発明のアクリルフィルムインサート成形品
の製造方法の工程の一つを示す断面図である。
【図4】この発明のアクリルフィルムインサート成形品
を示す断面図である。
【図5】従来のアクリルフィルムインサート成形品の製
造方法の課題を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 アクリルフィルム 2 絵柄層 3 接着層 4 アクリル印刷インサートフィルム 5 可動型 6 固定型 7 キャビティ形成面 8 クランプ部材 9 ゲート部 10 ポリプロピレン成形樹脂 11 樹脂成形品 12 真空吸引孔 13 従来の樹脂成形品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルフィルム上に少なくとも絵柄層
    を有する印刷層が形成されたアクリル印刷インサートフ
    ィルムを、射出成形用の金型内に入れ、型閉めして溶融
    状態のポリプロピレン成形樹脂をキャビティに射出し、
    ポリプロピレン成形樹脂を固化した樹脂成形品にアクリ
    ル印刷インサートフィルムの印刷層側を一体化接着させ
    るアクリルフィルムインサート成形品の製造方法におい
    て、前記ポリプロピレン成形樹脂として、固化後の収縮
    率が4/1000〜12/1000のものを用いること
    を特徴とするアクリルフィルムインサート成形品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリプロピレン成形樹脂が、充填材
    とゴム系樹脂が混入されたものである請求項1に記載の
    アクリルフィルムインサート成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アクリル印刷インサートフィルムの
    印刷層のうち前記成形樹脂に接する層の樹脂成分が、塩
    素化ポリプロピレン系樹脂である請求項1または2に記
    載のアクリルフィルムインサート成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 射出成形用の金型内に入れる前に、アク
    リル印刷インサートフィルムを真空成形により三次元形
    状に加工し、所望の形状に打抜き加工する請求項1〜3
    のいずれかに記載のアクリルフィルムインサート成形品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 射出成形用の金型内に入れた後に、射出
    成形用の金型内でアクリル印刷インサートフィルムを真
    空成形により三次元形状に加工する請求項1〜3のいず
    れかに記載のアクリルフィルムインサート成形品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 アクリルフィルム上に少なくとも絵柄層
    を有する印刷層が形成されたアクリル印刷インサートフ
    ィルムが、ポリプロピレン成形樹脂を溶融後固化した三
    次元形状の樹脂成形品表面に一体化接着されているアク
    リルフィルムインサート成形品において、前記樹脂成形
    品の固化後の収縮率が4/1000〜12/1000の
    ものであることを特徴とするアクリルフィルムインサー
    ト成形品。
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