JP3162430B2 - 加飾成形品の製造法 - Google Patents

加飾成形品の製造法

Info

Publication number
JP3162430B2
JP3162430B2 JP20518791A JP20518791A JP3162430B2 JP 3162430 B2 JP3162430 B2 JP 3162430B2 JP 20518791 A JP20518791 A JP 20518791A JP 20518791 A JP20518791 A JP 20518791A JP 3162430 B2 JP3162430 B2 JP 3162430B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
mold
thermoplastic sheet
female mold
molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20518791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0542561A (ja
Inventor
田 雅 之 柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP20518791A priority Critical patent/JP3162430B2/ja
Publication of JPH0542561A publication Critical patent/JPH0542561A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3162430B2 publication Critical patent/JP3162430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックのRIM
成形法において、成形と同時に加飾を行う加飾成形品の
製造法に関し、詳しくは、加飾用熱可塑性シートないし
フィルムをRIM成形用雌型を用いて予備成形した後、
RIM成形を行って、加飾された成形品を成形と同時に
得る加飾成形品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂成形品に文字や模様を施
す方法として、雄型と雌型とを型締めして形成されるキ
ャビティー内に熔融樹脂を射出し所定形状の成形品を得
るに際し、前もって雌型内に絵付シートを予備成形して
おくことにより成形品表面に一体的に絵付けを行う方法
が知られている。このような方法として、特公昭50−
19132号公報には、真空成形法と射出成形法とを組
合せてなる方法が開示され、特公平1−48845号公
報には、絵付シートの予備成形に際しての絵付シートの
位置決めを精度よく行うための方法が開示されている。
【0003】しかし、一般的な射出成形に比べて大型か
つ複雑形状の製品の成形に適するRIM(反応射出成
形)においては、真空成形法と組合せて大型かつ複雑形
状のRIM成形品に一体的に絵付けを行うための有効な
方法は従来なかった。たとえば、特公平1−48845
号公報においては、射出成形と同時に絵付けを行う方法
が記載されているが、大型かつ複雑形状品への適用に際
しての絵付シートの均一加熱や均一な予備成形について
の具体的方法については明らかにされていない。このよ
うに従来RIM成形と真空成形とを組合わせてRIM成
形品に一体的に絵付けを行う方法が実現されていないの
は、大サイズの薄いシートの均一加熱が難しかったため
であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、RIM成形
において真空成形と組合せることにより大型かつ複雑形
状の合成樹脂成形品に一体的に絵付けを行うことのでき
る加飾成形品の製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明に係る加飾成形品の製造法は、少なくとも
反応活性を有する2成分以上の低分子量低粘度の液状原
料を加圧下において混合室を通過させて、雌型と雄型と
から形成される金型内に同時に射出し、前記金型内にお
いて急速に反応させて弾性または剛性に富む高分子を形
成するRIM成形を行うに際して、真空吸引孔を有する
前記雌型とシート加熱体との間に加熱軟化させた加飾用
熱可塑性シートを介在させ、前記雌型と前記熱可塑性シ
ートにより密閉された空間を前記雌型の前記真空吸引孔
を通じて真空引きすることにより前記熱可塑性シートを
前記雌型のキャビティー面の形状に沿う形に予備成形
るに際して、遠赤外線により非接触状態で前記熱可塑性
シートを加熱軟化させる前記シート加熱体またはヒータ
ーを埋蔵した熱盤により前記熱可塑性シートを接触させ
ながら加熱軟化させる前記シート加熱体が、前記雌型の
真空吸引の際、前記雌型と対向する位置から雌型側の前
記熱可塑性シートに向かって圧空を加えつつ予備成形し
た後に、前記雌型と前記雄型との型締めを行い、次いで
前記液状原料を金型内に射出し成形することによって、
その表面に加飾用熱可塑性シートが一体的に被着された
成形品を得ること、を特徴としている。
【0006】本発明の好ましい他の態様において、前記
熱可塑性シートが印刷により絵柄の施されているものを
使用することができる。本発明の好ましい他の態様にお
いて、前記熱可塑性シートが少なくとも剥離層、接着剤
層を有する転写シートであり、前記RIM成形と同時に
一体化した後、前記熱可塑性のベースシートを剥離し、
成形品に加飾するようにすることができる。本発明の好
ましい他の態様において、前記熱可塑性シートの片面に
接着剤の塗布されているシートを用いることができる。
本発明の好ましい他の態様において、前記液状原料に、
短繊維状、板状または粒子状の強化剤が含有されている
ものを用いることができる。
【0007】発明の具体的説明 本発明において、成形品本体の成形には、特に大型かつ
複雑形状品の成形に好適な従来公知のRIM成形法が用
いられる。このRIM成形法は、少なくとも反応活性を
有する2成分以上の低分子量低粘度の液状原料を加圧下
において混合室を通過させて、金型内に同時に射出し、
該金型の中で急速に反応させて弾性または剛性に富む高
分子を形成する方法である。RIM成形は、通常の溶融
樹脂の射出成形に比べて、注入原料が低粘土、低温(自
己発熱のみで通常90℃以下位)、低圧力で反応性原料
の型内注入を行うため、大型でかつ細かい凹凸をもつよ
うな複雑な形状の成形品の製造に適する。
【0008】このようなRIM成形の特色を活かした上
で、該RIM成形品の成形と同時に加飾するためには、
予め金型での加飾用積層シートないし転写シートの予備
成形が不可欠であり、注入樹脂原料による上記シートの
金型への完全賦型は困難である。ここでいう「シート」
には、フィルムも含むものとする。以下の説明における
「シート」なる用語は、フィルムも含むものとする。
【0009】このRIM成形において適用可能な液状原
料としては、ポリウレタン、ジシクロペンタジエン、ポ
リウレア、ポリカーバメイト、ナイロン、不飽和ポリエ
ステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ
る。また、必要に応じ触媒、触媒活性化剤、重合開始時
間調整剤、その他添加剤等を使用する。
【0010】上記の液状原料に、短繊維状、板状または
粒子状の強化剤を添加することもできる。このような強
化剤としては、たとえば、ガラス、金属、天然または合
成の炭素等の短繊維状、板状または粒子状のものが挙げ
られる。
【0011】本発明において、RIM成形品に一体に絵
付けを行うためには、加飾用の熱可塑性シート(後記す
る転写シートを含む)をRIM成形用金型のキャビティ
ー面の形状に沿う形に予備成形することが不可欠であ
る。
【0012】図1は、RIM成形用金型の構造の概要を
説明する断面図である。熱可塑性シートの予備成形をこ
のRIM成形用金型にて直接行うために、雌型1は、真
空吸引成形に適用可能なようにキャビティー面2に通ず
る真空吸引孔3の設けられた構造を有するものであり、
雄型4と合体させてRIM成形により成形される成形品
の形状の一部がそのキャビティー面に賦形されている。
この雌型1と合体させる雄型4には、RIM成形装置の
混合室(図示せず)からの液状原料を型締めされた金型
内に射出する射出孔5が設けられている。
【0013】図2は、熱可塑性シートの予備成形時の様
子を説明する図である。予備成形を行うに当っては、成
形台に装着したRIM成形用雌型1のキャビティー側に
熱可塑性シート6を設置しシート加熱体7によって加熱
軟化させた後、真空吸引バルブを開いて真空吸引孔3を
通じて図2(b)に示すように雌型内のキャビティー面
2に加熱軟化された熱可塑性シート6を吸引密着させ
る。この真空吸引の際、雌型1とシート6とが密閉され
るようにシート6を設置する。また、シート加熱体7が
雌型の対向する位置から雌型側のシート6に向かって圧
空を加えつつ予備成形するようにすれば、深絞り形状の
場合でも容易に予備成形が行えて好ましい。しかる後、
シート加熱体を取り外し、冷却せしめることにより熱可
塑性シート6の予備成形が完了する。
【0014】なお、熱可塑性シートの加熱、予備成形を
行う前に、予め該シートの位置合わせをしておくことが
好ましく、たとえば、特公平1−48845号公報に詳
細に述べられているように、加飾シートに定ピッチで位
置決めマークを表示し、このマークを検出器で検知して
加飾シートを所定位置に停止するようにすれば、構造簡
単にして連続的に精度よく位置決めを行うことができ
る。
【0015】次いで、熱可塑性シート6がキャビティー
面2に密着したままの雌型1にRIM成形用雄型4を合
体させ型締めを行った後、常法にしたがって両金型によ
って形成されるキャビティー空間にRIM成形用液状原
料を雄型4の射出孔を通して注入してRIM成形を行
う。成形品は、RIM成形終了後に雄型を開き、圧空バ
ルブを開いて雌型の真空吸引孔3から圧搾空気を送り込
み雌型内から取り出してもよい。このようにしてRIM
成形による加飾一体成形品が得られる。
【0016】以下に、熱可塑性シートの加熱軟化手段を
さらに詳しく説明する。シート加熱手段としては、遠赤
外線を利用したもの、またはヒーターを埋蔵した熱盤を
利用したものなどが好ましく用いられる。
【0017】図3は、遠赤外線タイプの加熱装置8の概
要を示す断面図で、装置本体内にはジュール熱で発熱す
る遠赤外線発生用コイル9が内蔵され、その上方に透明
板10で仕切られたシート加熱用領域11が形成され、
この領域11を真空吸引しまたは圧搾空気を送ることが
できるように該領域11を形成する側壁12の側面に真
空タンク、真空ポンプ、またはコンプレッサーに接続さ
れる接続口13が設けられている。この遠赤外線タイプ
の加熱装置8を用いての熱可塑性シート6の加熱は、雌
型1と加熱装置の側壁縁部14との間に熱可塑性シート
6を配置し適宜クランプによってシートを固定するか又
は側壁縁部14と雌型1との間にシートを挾み固定し、
加熱装置とは非接触状態で行われる。この遠赤外線タイ
プの加熱装置によれば、シートの裏面(遠赤外線パネル
側)に凹凸があっても均一加熱が可能であり、キャビテ
ィー面2と同じに真空引きするため、シートにシワや熱
による変形をおこさないので、大面積であっても均一に
加熱することができ、構造が簡単なためコストの点でも
有利である。
【0018】また図4は、ヒーター埋蔵の熱盤タイプの
加熱装置15の概要を示す断面図で、真空吸引のための
微細貫通孔16を多数有する表面板17を、カートリッ
ジヒーターなどの加熱手段18を備えた基板19に気密
に重ねてなり、基板19の少なくとも一方の面には微細
貫通孔16を真空源に接続するための真空吸引路をなす
溝20が設けられている。
【0019】なお、表面板17に離型層を設けて可塑化
したプラスチックシートの融着を防ぐようにすることが
望ましい。基板および表面板の材質は任意であるが、熱
伝導性のよいものが選ばれ、加工の容易な金属が好まし
い。基板と表面板とは同種の材料とするのが好ましい
が、異種の材料であってもよく、その場合はなるべく熱
膨脹係数の近い組合わせとする。基板には溝および加熱
手段を図4に示すように一枚の板に設けたものを使用し
てもよいし、溝を設けた板と加熱手段を設けた板とを積
層したものを使用してもよい。また、表面板の微細貫通
孔は直径0.3〜0.6mm程度の丸孔が適当で、これ
を1cm2 当たり0.5〜3個程度設ける。或いは、よ
り均一にシートを表面板17に吸引するため、多孔質焼
結金属でできた表面板を用いると好ましい。
【0020】この熱盤タイプの加熱装置15を用いて熱
可塑性シートを加熱するに際しては、表面板17に接す
るように熱可塑性シート6を設置して、真空吸引して表
面板17に熱可塑性シート6を密着させた後、加熱軟化
させる。このような構成の熱盤タイプの加熱装置によれ
ば、空気漏れがないのでシート6を均一に真空吸引で
き、したがって、大面積であっても均一に加熱すること
ができる。
【0021】次に、本発明において加飾用として用いる
熱可塑性シートについて説明する。使用する化粧シート
材料の例としては、(イ)ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ
フッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフッ化ビニ
リデン等のビニル重合体、(ロ)ポリスチレン、アクリ
ルスチレン、ABS等のスチレン系樹脂、(ハ)ポリメ
タクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リロニトリル等のアクリル樹脂、(ニ)ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィ
ン、酢酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース
誘導体、(ホ)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド樹脂、(ヘ)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアクリレート等のポリエス
テル樹脂、(ト)ブタジエン、クロロプレンゴム、シリ
コンゴム等のゴム系樹脂、(チ)ビニロン、ポリビニル
アルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、(リ)ポ
リカーボネート等が挙げられる。(ヌ)或いは、(イ)
〜(リ)のシートの同種又は異種のものを積層したもの
でもよい。
【0022】このような材料から形成されるシートの厚
さは20〜5000μm程度であるが、特に印刷適性、
作業性の点から50〜2000μmが望ましい。なお、
成形品の形状や成形品本体のマトリックス等により樹脂
材料は適宜選択され、たとえば、加飾用シートと成形品
本体とが剥離しないように親和性を有するものが選択さ
れ、またシートは2種以上の複合シートとすることもで
きる。
【0023】意匠性賦与のためにシートに着色、各種柄
印刷、金属蒸着等を施すこともできる。また注型樹脂と
シートとの接着性向上のためシート表面にコロナ放電処
理、公知の各種プライマー塗工等を行うこともできる。
また、印刷模様の表面の全面に着色もしくは無色透明の
透明保護層を設けてもよい。また必要に応じて透明保護
層に艶消し剤を添加してもよい。透明保護層としては透
明合成樹脂シートを融着もしくは接着したり、透明合成
樹脂塗料を塗工してもよく、その厚さは1μ〜1mm程
度である。
【0024】熱可塑性シートへの意匠性賦与のための各
種柄の印刷法としては、グラビア、グラビアオフセット
等の凹版印刷、活版、フレキソ、等の凸版印刷、平版オ
フセット等の平版印刷、シルクスクリーン等の孔版印
刷、ダイリソ印刷、静電印刷、インキジェットプリント
等が挙げられる。なお、インキ材料としては、後述する
転写シートにおける絵柄層形成用のインキ材料と同じも
のを用いることができる。
【0025】上記の熱可塑性シートには、必要に応じて
その片面に接着剤を塗布することもできるが、後述する
転写シートの説明中の接着剤層において述べるものと同
じものを使用できる。
【0026】或いは、別体の離型性基体上に一旦印刷模
様を形成して転写シートを作成し、得られた転写シート
を用いた転写印刷法によって設けてもよい。このような
転写シートを用いる場合には、最後に転写シートのベー
スシートを剥がして加飾されたRIM一体成形品が完成
する。以下にこの転写シートについて詳細に説明する。
【0027】転写シートは一旦剥離性基材上に形成した
絵柄層等よりなる転写層を、別の被転写体に転写させる
印刷方法である。剥離性基材には必要に応じて離型層を
設けてもよく、転写層としては絵柄層以外に金属蒸着等
の装飾層、剥離層、接着剤層等からなり、必要に応じて
これらの層の1種以上を選択する。なお、ここで離型層
とは転写後も基材側に残留し、転写層との剥離を容易な
らしめる層を、また剥離層とは転写後は被転写体側へ転
移し、転写層の表面保護層となる層をいう。剥離は離型
層と剥離層との間で行われる。
【0028】転写シートに用いる剥離性基材としては、
転写層と剥離性のよい5〜200μmのシートを用い
る。材料としては、たとえば、(イ)ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエ
ステル樹脂、(ロ)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、(ハ)ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エ
チレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポ
リフッ化エチレン系樹脂、(ニ)ナイロン6、ナイロン
6.6等のポリアミド、(ホ)ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、(ヘ)三酢
酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、
(ト)ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等
のアクリル系樹脂、(チ)ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリイミド、等の合成樹脂シー
トの、単層体または複数の積層体、を用いる。剥離性基
材シートの表面は、転写後の転写層面に希望する光沢
(鏡面又は艶消)又は微凹凸(ヘアライン、砂目等)を
形成しておくことにより転写層表面に該光沢又は凹凸を
転写時に賦形できる。
【0029】さらに必要に応じて、転写層と剥離性基材
との離型性を促進するために剥離性基材上に離型層を設
けてもよい。このような離型層としては、フッ素系樹
脂、各種ワックス、シリコーン等の離型剤を公知のベヒ
クル例えば、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂、ビニル系
樹脂等に添加した塗料の塗膜を形成したり、離型性の樹
脂例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹
脂、ポリオレフィン樹脂、電離放射線架橋型の多官能の
アクリレート、ポリエステル、エポキシ等の樹脂を塗
工、エクストルージョンコート等で製膜したものを用い
る。
【0030】絵柄層は全面に設けても部分的に模様状に
設けてもよく、模様としては木目、石目、布目等の天然
物の意匠、文字、図形、記号、各種抽象模様のいずれで
もよい。
【0031】インキとしてはベヒクルに必要に応じて、
顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑
剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものを用いる。ベヒ
クルとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射
線硬化性樹脂等の中から用途、必要な物性、印刷適性等
に応じて適宜選択する。
【0032】このうち熱可塑性樹脂としては、たとえ
ば、(イ)エチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セ
ルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロ
ースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、
(ロ)ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチ
レン樹脂またはスチレン共重合体、(ハ)ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸
エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、
(ニ)ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル
重合体、(ホ)ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロ
ジン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロジンエステ
ル樹脂、(ヘ)クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポ
リアミド樹脂等の天然または合成樹脂が挙げられる。こ
の絵柄の印刷法は、上記した印刷法と同様の方法によれ
ばよい。
【0033】上記の絵柄層のほか装飾層として金属蒸着
層を設けることもできるが、蒸着層は、アルミニウム、
クロム、ニッケル、銅、亜鉛等の金属により形成するこ
とができる。部分蒸着層は蒸着不要部分にポリビニルア
ルコール、セルロース系樹脂、デンプン等の水溶性樹脂
からなる除去層を設けた後、この上全面に金属蒸着を施
し、次いで水洗いして水溶性樹脂とともに、この水溶性
樹脂の上面側の蒸着層を除去するか、あるいは、全面に
蒸着を施した後に部分蒸着層として残す必要がある部分
の上面に保護層を設け、次いで酸、アルカリ等により蒸
着不要部分を溶解除去する等の方法により形成すること
ができる。また部分蒸着層のかわりに全面蒸着層を設け
てもよい。なお上記方法において蒸着によらず金属箔を
積層する方法を採用してもよい。
【0034】また、蒸着安定層を設けてもよく、この蒸
着安定層は耐熱性を有するもので、蒸着のインモールド
成形時の鏡面性、成形性を安定化させるために設けるも
のであり、たとえば、一液型または二液型ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸誘導体、
ポリエステル等により形成される。
【0035】次に接着剤層は、転写層を被転写体に転
移、接着させるための層で、感熱接着剤、溶剤活性型接
着剤、電離放射線硬化性接着剤等の中から用途に応じて
選定する。なお、絵柄層、剥離層等接着剤層以外の転写
層自身が十分な接着性を有するときは接着剤層を省略す
ることもできる。
【0036】感熱接着剤は加熱によって接着性が発現す
る物であり、通常熱可塑性樹脂、アイオノマー等が用い
られる。樹脂としては、たとえば、(イ)エチルセルロ
ース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エチルヒドロ
キシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオ
ネート等のセルロース誘導体、(ロ)ポリスチレン、ポ
リα−メチルスチレン等のスチレン樹脂またはスチレン
共重合体、(ハ)ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸
ブチル等のアクリル樹脂、(ニ)ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール
等のビニル重合体、(ホ)ロジン、ロジン変性マレイン
酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン等のロ
ジンエステル樹脂、(ヘ)ポリイソプレンゴム、ポリイ
ソブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンア
クリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、(ト)クマロン樹
脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化
オレフィン等の天然または合成樹脂、(チ)各種アイオ
ノマー、あるいは上記2種以上の混合物などである。
【0037】剥離層は、上記の転写層の表面保護層とし
て所望の物性を有する樹脂組成が選定される。特に、表
面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性を要する場合は熱硬
化性樹脂または電離放射線硬化性樹脂が通常よく用いら
れる。また、膜厚も所望の物性等により選定するが、通
常0.1〜10μmである。
【0038】
【実施例】実施例1 加飾用熱可塑性シートとして、図5に示すように、透明
ポリ塩化ビニル(PVC)シート21(理研ビニル製R
タイプ、0.2mm厚)の下面に絵柄層22(昭和イン
ク製、化X)、透明PVCシート23(理研ビニル製R
タイプ、0.2mm厚)、接着剤層24(ウレタン系接
着剤、DIC製)が、この順に積層された層構成の加飾
用熱可塑性シートを使用した。RIM成形用樹脂として
ポリカーバメイト系を用い、強化剤としてコンティニア
スストランドマットを金型内に置いて使用した。
【0039】加飾用熱可塑性シートの予備成形条件とし
て、該シートの加熱手段に熱盤タイプ加熱装置を用い、
130℃×10secの条件下に該シートを加熱軟化に
付した。しかるのち、RIM成形用雌金型の真空吸引孔
を通じて真空吸引して加飾用熱可塑性シートの予備成形
を行った。その後常法にしたがって、RIM用材料とし
てポリカーバメイト系を用い、型温65℃、サイクル
1.5min、型締圧15kg/cm2 、射出圧 15
0kgf/cm2 の成形条件にてRIM成形を行って、
加飾された成形品を成形と同時に得た。
【0040】実施例2 加飾用熱可塑性シートとして、図6に示すように、透明
PVCシート25(理研ビニル製、Rタイプ、0.2m
m厚)の下面に剥離層26(昭和インク製、BH−
3)、絵柄層27(昭和インク製、GG)、接着剤層2
8(ウレタン系接着剤、昭和インク製、HS)が、この
順に積層された層構成の加飾用熱可塑性シートを使用し
た。RIM成形用樹脂としてポリウレタン系を用い、強
化剤は使用しなかった。
【0041】加飾用熱可塑性シートの予備成形条件とし
て、該シートの加熱手段に遠赤外線タイプ加熱装置を用
い、100℃×5secの条件下に該シートを加熱軟化
に付した。しかるのち、RIM成形用雌金型の真空吸引
孔を通じて真空吸引して加飾用熱可塑性シートの予備成
形を行った。その後常法にしたがって、RIM用材料と
してポリウレタン系を用い、型温 55℃、サイクル
4min、型締圧 10kg/cm2 、射出圧 100
kgf/cm2の成形条件にてRIM成形を行った後、
ベースシートを剥がし加飾成形品を得た。また、更にオ
リジン電機(株)製プラネトクリアーをスプレー塗装に
より30μの膜厚で塗装した。
【0042】実施例3 加飾用熱可塑性シートとして、図7に示すように、0.
5mm厚のアクリルシート29の下面に絵柄層30(昭
和インク製、化X)、接着剤層31(ウレタン系接着
剤)が、この順に積層された層構成の加飾用熱可塑性シ
ートを使用した。RIM成形用樹脂としてポリウレタン
系を用い、強化剤としてミドルファイバーを液状原料に
配合して使用した。
【0043】加飾用熱可塑性シートの予備成形条件とし
て、該シートの加熱手段に熱盤タイプ加熱装置を用い、
140℃×20secの条件下に該シートを加熱軟化に
付した。しかるのち、RIM成形用雌金型の真空吸引孔
を通じて真空吸引して加飾用熱可塑性シートの予備成形
を行った。その後常法にしたがって、型温50℃、サイ
クル 1min、型締圧 20kg/cm2 、射出圧2
500psi(約175kgf/cm2 )の成形条件に
てRIM成形を行って、加飾された成形品を成形と同時
に得た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、RIM成形を行うに際
して、加飾用熱可塑性シートを真空成形によりRIM成
形用雌型のキャビティー面の形状に沿う形に予備成形し
た後RIM成形するようにしたので、大型かつ複雑な形
状の成形品に対しても一体的に絵付けを行うことができ
る。特に、加飾用熱可塑性シートの加熱軟化手段として
遠赤外線タイプないしヒーター埋蔵の熱盤タイプの加熱
装置を用いるときは、大面積であっても熱可塑性シート
全体を均一に加熱軟化せしめることができ、熱可塑性シ
ートの円滑な予備成形が容易となる。また、加飾面に関
しては金型への離型剤塗布が不要になり、工程が短縮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】RIM成形用金型の構造の概要を説明する断面
図。
【図2】熱可塑性シートの予備成形時の様子を説明する
図。
【図3】遠赤外線タイプの加熱装置の概要を示す断面
図。
【図4】ヒーター埋蔵の熱盤タイプの加熱装置の概要を
示す断面図。
【図5】本発明の一実施例に用いた加飾用熱可塑性シー
トの層構成を示す断面図。
【図6】本発明の別の実施例に用いた加飾用熱可塑性シ
ートの層構成を示す断面図。
【図7】本発明のさらに別の実施例に用いた加飾用熱可
塑性シートの層構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 RIM成形用雌型 2 キャビティー面 3 真空吸引孔 4 RIM成形用雄型 6 加飾用熱可塑性シート 7 シート加熱体 8 遠赤外線タイプの加熱装置 15 ヒーター埋蔵の熱盤タイプの加熱装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも反応活性を有する2成分以上の
    低分子量低粘度の液状原料を加圧下において混合室を通
    過させて、雌型と雄型とから形成される金型内に同時に
    射出し、前記金型内において急速に反応させて弾性また
    は剛性に富む高分子を形成するRIM成形を行うに際し
    て、真空吸引孔を有する前記雌型とシート加熱体との間
    に加熱軟化させた加飾用熱可塑性シートを介在させ、前
    記雌型と前記熱可塑性シートにより密閉された空間を前
    記雌型の前記真空吸引孔を通じて真空引きすることによ
    り前記熱可塑性シートを前記雌型のキャビティー面の形
    状に沿う形に予備成形するに際して、遠赤外線により非
    接触状態で前記熱可塑性シートを加熱軟化させる前記シ
    ート加熱体またはヒーターを埋蔵した熱盤により前記熱
    可塑性シートを接触させながら加熱軟化させる前記シー
    ト加熱体が、前記雌型の真空吸引の際、前記雌型と対向
    する位置から雌型側の前記熱可塑性シートに向かって圧
    空を加えつつ予備成形した後に、前記雌型と前記雄型と
    の型締めを行い、次いで前記液状原料を金型内に射出し
    成形することによって、その表面に加飾用熱可塑性シー
    トが一体的に被着された成形品を得ることを特徴とす
    る、加飾成形品の製造法。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性シートが印刷により絵柄の施
    されているものである、請求項1に記載の加飾成形品の
    製造法。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性シートが少なくとも剥離層、
    接着剤層を有する転写シートであり、請求項1に記載の
    成形品の製造法により成形と同時に一体化した後、前記
    熱可塑性のベースシートを剥離して、成形品に加飾する
    ことを特徴とする、加飾成形品の製造法。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性シートが、その片面に接着剤
    の塗布されているものである、請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の加飾成形品の製造法。
  5. 【請求項5】前記液状原料に、短繊維状、板状または粒
    子状の強化剤が含有されていることを特徴とする、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の加飾成形品の製造法。
JP20518791A 1991-08-15 1991-08-15 加飾成形品の製造法 Expired - Lifetime JP3162430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20518791A JP3162430B2 (ja) 1991-08-15 1991-08-15 加飾成形品の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20518791A JP3162430B2 (ja) 1991-08-15 1991-08-15 加飾成形品の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0542561A JPH0542561A (ja) 1993-02-23
JP3162430B2 true JP3162430B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=16502853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20518791A Expired - Lifetime JP3162430B2 (ja) 1991-08-15 1991-08-15 加飾成形品の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3162430B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10025539A1 (de) * 2000-05-23 2001-11-29 Diehl Ako Stiftung Gmbh & Co Heizeinrichtung für ein Haushaltsgerät
JP2002292679A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Nissha Printing Co Ltd 深絞り可能な加飾用フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0542561A (ja) 1993-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5073289B2 (ja) 射出成形同時加飾用シート及び加飾樹脂成形品
WO2005051660A1 (ja) 加飾シート、加飾樹脂成形品及びその製造方法
JPH1035086A (ja) 三次元成形品絵付け用転写フィルム
JP3955599B2 (ja) マットハードコート用転写シートおよびマットハードコート成形品の製造方法
JPH1148389A (ja) 転写シート及びそれを用いた加飾品の製造方法
JP2943800B1 (ja) 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法
JP2000117778A (ja) 射出成形型
JP2000084977A (ja) 射出成形同時加飾用転写シート、及びそれを用いた加飾成形品
JPH07299996A (ja) 転写シート
JP3162430B2 (ja) 加飾成形品の製造法
JPH11235753A (ja) 加飾方法及び加飾装置
JP4237835B2 (ja) 射出成形同時加飾シート、及びそれを用いた射出成形同時加飾方法
JP4477204B2 (ja) 成形同時加飾成形品の製造方法および加飾シート
JP3827808B2 (ja) 転写シート及びそれを用いた化粧部材の製造方法
JP2000043094A (ja) 射出成形同時絵付用転写シート、及び射出成形同時絵付方法
JP2001138468A (ja) 装飾シート及びそれを用いた成形品の加飾方法
JP2001225350A (ja) 射出成形同時絵付け方法
JPH10128921A (ja) 装飾シート、装飾樹脂成形品、及び装飾樹脂成形品の製造方法
JP4676607B2 (ja) 射出成形同時絵付方法
JPH0825789A (ja) 転写シート
JP2000141549A (ja) 加飾シート及び加飾成形品
JP4184528B2 (ja) 射出成形同時絵付方法及びそれに用いる絵付用成形型
JP2000153587A (ja) 絵付けシート、及びそれを用いた絵付け成形品
JPH06115295A (ja) 深絞り製品への転写用フィルムの製造方法とこれに使用する基材フィルム
JPH10258443A (ja) 射出成形同時絵付け用の絵付シート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 11