JP2943800B1 - 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法 - Google Patents

成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2943800B1
JP2943800B1 JP21468098A JP21468098A JP2943800B1 JP 2943800 B1 JP2943800 B1 JP 2943800B1 JP 21468098 A JP21468098 A JP 21468098A JP 21468098 A JP21468098 A JP 21468098A JP 2943800 B1 JP2943800 B1 JP 2943800B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sheet
layer
thin film
metal thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21468098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000043082A (ja
Inventor
憲太郎 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16659811&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2943800(B1) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP21468098A priority Critical patent/JP2943800B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2943800B1 publication Critical patent/JP2943800B1/ja
Publication of JP2000043082A publication Critical patent/JP2000043082A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 深絞りが可能で美麗な金属光沢装飾を行うこ
とができる成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造
方法を提供する。 【解決手段】 柔軟性を有する基体シート2上に、柔軟
な透明樹脂アンカー層3と、インジウムからなる金属薄
膜層4とが少なくとも形成され、元の面積に対し130
%以上の面積に延伸可能なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、起伏が大きい成
形品に対して美麗な金属光沢装飾を施すことができる成
形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品の表面を装飾して金属光沢を
表現する方法として、絵付シートを利用した成形同時転
写法やインサート法がある。
【0003】絵付シートは、基体シート上に真空蒸着法
などで形成した厚さ200〜800Åのアルミニウムか
らなる金属薄膜層が少なくとも形成されたものであり、
絵付シートとしては、転写材やインサート材などがあ
る。
【0004】成形同時転写法とは、基体シート上に、剥
離層、金属薄膜層、接着層などからなる転写層を形成し
た転写材を成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出
充満し、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表
面に転写材を接着した後、基体シートを剥離して、被転
写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
【0005】インサート法とは、基体シート上に金属薄
膜層などが形成されたインサート材を金型の中に挿入
し、射出成形と同時に成形品の表面に一体化するもので
ある。
【0006】成形同時転写法やインサート法は、三次元
面を有する成形品に対しても容易に装飾を行うことがで
き、従来工法である印刷工程、めっき工程、アッセンブ
リ工程などの多工程に渡る製造工程が削減できコスト削
減が図れるため、ビデオ、オーディオ製品など家電製品
のインジケータパネルや、自動車部品のメーターパネル
などに多用されている。また、絵付シートの金属薄膜層
の素材としてアルミニウムが用いられるのは、アルミニ
ウムが安価であり、またアルミニウムを金属薄膜に加工
するのにスパッタリング法やイオンプレーティング法な
どと比較して簡便な真空蒸着法を用いることができるか
らである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動車のサイ
ドモールやバンパーなど、絵付シートが元の面積に対し
130%以上伸ばされるような深絞り成形品に金属光沢
を付与したいという要望があるにもかかわらず、上記の
方法では実現できなかった。
【0008】すなわち、元の面積に対し130%以上に
絵付シートを延伸させるキャビティ形状を有する金型を
用い、アルミニウムからなる金属薄膜層を含む転写材を
成形すると、金属薄膜層表面に微細なひび割れであるマ
イクロクラックが生じて白化し、金属光沢が減少すると
いう問題がある。これは、アルミニウム自体が延伸性が
悪いために起こる現象である。
【0009】また、金属薄膜層を絵付シートの他の層と
強固に密着させるために形成するアンカー層が硬く脆い
ため、アンカー層が割れやすく、アンカー層に積層され
た金属薄膜層がマイクロクラックをおこすという問題点
がある。
【0010】したがって、この発明は、上記のような問
題点を解消し、深絞りが可能で美麗な金属光沢装飾を行
うことができる成形同時絵付シートと金属光沢成形品の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の成形同時絵付
シートと金属光沢成形品の製造方法は、以上の目的を達
成するために、つぎのように構成した。
【0012】つまり、この発明の成形同時絵付シート
は、柔軟性を有する基体シート上に、柔軟な透明樹脂ア
ンカー層と、インジウムからなる金属薄膜層とが少なく
とも形成され、成形温度において元の面積に対し130
%以上の面積に延伸可能であるように構成した。
【0013】また、上記の発明において、金属薄膜層の
厚みが50〜800Åであるように構成してもよい。
【0014】また、上記の発明において、成形同時絵付
シートが転写材であるように構成してもよい。
【0015】また、上記の発明において、成形同時絵付
シートがインサート材であるように構成してもよい。
【0016】また、この発明の金属光沢成形品の製造方
法は、成形加工時に元の面積に対し130%以上の面積
に成形同時絵付シートを延伸させるキャビティ形状を有
する金型内に請求項1〜4のいずれかに記載の成形同時
絵付シートを挿入し、射出成形法により溶融した樹脂を
射出し成形同時絵付シートと樹脂とを一体化させて金属
光沢成形品を得るように構成した。
【0017】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0018】図1は、この発明の金属光沢成形品の製造
方法の一工程を示す断面図である。図2は、この発明の
金属光沢成形品の一実施例を示す斜視図である。図中、
1は成形同時絵付シート、2は基体シート、3は透明樹
脂アンカー層、4は金属薄膜層、5は接着層、6は金
型、7は吸引孔、8はクランプ部材、9は金属光沢成形
品である。
【0019】この発明の成形同時絵付シート1は、柔軟
性を有する基体シート2上に、柔軟な透明樹脂アンカー
層3と、インジウムからなる金属薄膜層4とが少なくと
も形成され、元の面積に対し130%以上の面積に延伸
可能なものである(図1参照)。
【0020】成形同時絵付シート1としては、転写材や
インサート材を用いることができる。
【0021】転写材は、基体シート2上に、剥離層、図
柄層、接着層5などからなる転写層が設けられたもので
ある。
【0022】基体シート2としては、柔軟性を有し、成
形温度において元の面積に対し130%以上の面積に延
伸が可能なものを用いることで、延伸した時、基体シー
ト2表面に亀裂が生じたり、基体シート2内部の相変化
により白化・着色が生じたりしないようにすることがで
きる。このような基体シート2の材質としては、ポリエ
チレンテレフタレート(共重合タイプ・ホモタイプ)、
アクリル、塩化ビニル、ナイロン、ウレタン、ポリプロ
ピレン・ポリエチレン・TPE(熱可塑性エラストマー
を含むフィルム)などの単体または複合フィルムを使用
することができる。また、基体シート2の表面が微細な
凹凸を有する場合は、転写層に凹凸が写し取られ、艶消
しやヘアラインなどの表面形状を表現することができ
る。
【0023】ここでいう成形温度とは、成形同時絵付シ
ート1を立体形状に変形するときの温度である。たとえ
ば、射出成形時に射出する溶融した樹脂の圧力で成形同
時絵付シート1を立体形状に変形する場合は、溶融樹脂
の温度が成形温度であり、金型6に成形同時絵付シート
1を固定して真空成形する場合は、真空成形時に成形同
時絵付シート1を加熱する熱板の温度が成形温度とな
る。
【0024】また、130%の延伸とは、成形前の成形
同時絵付シート1面積を100とすると、これが縦方向
と横方向の伸び率を積算して130となる場合を130
%とする。たとえば、縦114%×横114%≒130
%、縦130%×横100%=130%、縦90%×横
144%≒130%などとなる。このような伸び率は、
方眼模様を有する成形同時絵付シート1を用いて成形
し、方眼の縦横の伸び率を測定し積算することにより求
めることができる。
【0025】基体シート2からの転写層の剥離性を高め
るために、基体シート2上に転写層を設ける前に、離型
層を全面的に形成してもよい。離型層は、基体シート2
を剥離した際に、基体シート2とともに転写層から離型
する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、
シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロ
ース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィ
ン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複
合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方
法としては、ロールコート法、スプレーコート法などの
コート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印
刷法がある。
【0026】剥離層は、基体シート2または離型層上に
全面的に形成する。剥離層は、成形同時転写後に基体シ
ート2を剥離した際に、基体シート2または離型層から
剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層の材
質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほ
か、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いる
とよい。剥離層に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性
樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射
線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよ
い。剥離層は、着色したものでも、未着色のものでもよ
い。剥離層の形成方法としては、グラビアコート法、ロ
ールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0027】透明樹脂アンカー層3は、金属薄膜層4の
密着性を向上させるために設ける。透明樹脂アンカー層
3としては、柔軟性を有し、成形温度において元の面積
に対し130%以上の面積に延伸が可能なものを用いる
ことで、延伸した時、クラックが生じず連続的に延伸で
き、また、内部の相変化により白化・着色が生じないよ
うにすることができる。このような透明樹脂アンカー層
3の材質としてはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ア
クリルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂を単独または組み合わせて用いるとよい。また、
これらをイソシアネート基を含む化合物と混合し、2液
硬化性樹脂として使用することもできる。柔軟性および
破断強度を考慮すると、2液硬化性樹脂を用いるのが好
ましい。透明樹脂アンカー層3の形成方法としては、グ
ラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法など
のコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷法がある。
【0028】金属薄膜層4は、図柄層として金属光沢を
表現するためのものであり、インジウムを用いて真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍
金法などで形成する。金属薄膜層4の厚みは50〜80
0Åであるのが好ましい。50Åに満たないと、金属光
沢を有さず薄い黒色(灰色)となる。また、800Åを
越えると、延伸性が悪くなり、マイクロクラックが生じ
て白化し、金属光沢が減少する。
【0029】また、金属薄膜層4は、部分的に形成して
もよい。部分的に金属薄膜層4を形成する場合の一例と
しては、金属薄膜層4を必要としない部分に溶剤可溶性
樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形成
し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な金
属薄膜を除去する方法がある。この場合によく用いる溶
剤は、水または水溶液である。また、別の一例として
は、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残して
おきたい部分にレジスト層を形成し、酸またはアルカリ
でエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。
【0030】また、金属光沢以外の装飾を行うために、
図柄層を設けてもよい。図柄層の材質としては、ポリビ
ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロー
スエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダ
ーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有
する着色インキを用いるとよい。図柄層の形成方法とし
ては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット
印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。
【0031】接着層5は、被転写物上に上記の各層を接
着するものである。接着層5としては、被転写物の素材
に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。
たとえば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はア
クリル系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材質が
ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチ
レン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性の
あるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂などを使用すればよい。さらに、被転写物の材質
がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン
樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化
ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層
5の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコー
ト法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0032】以上のようにして転写材を得ることができ
る。次に、転写材を用いた金属光沢成形品9の製造方法
について説明する。
【0033】まず、キャビティ型とコア型とからなる成
形用金型6内に転写材を送り込む。金型6としては、成
形前の面積に対し130%以上の面積に転写材を破断せ
ずに延伸させるキャビティ形状を有するものを用いる。
【0034】成形用金型6内に転写材を送り込む際、枚
葉の転写材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写
材の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。転写材を送
り込むには、長尺の転写材を使用する場合、位置決め機
構を有する送り装置を使用して、転写材の図柄層と成形
用金型6との見当が一致するようにするとよい。
【0035】また、成形用金型6の絞り率が高く転写材
の伸び率が大きくなる場合は、射出成形時の溶融樹脂の
熱圧で瞬時に転写材を伸ばすと、転写材の破断や伸びの
偏りが生じることがあるため、転写材の予備成形を行っ
てもよい(図1参照)。予備成形としては、吸引機構を
有する成形用金型6を用い、転写材を固定したのち転写
材を加熱し、吸引機構を通じて減圧することにより転写
材をキャビティ面に沿わせるようにする。したがって、
予備成形時において、転写材が130%以上延伸される
ことになる。
【0036】成形用金型6を閉じた後、ゲートから溶融
樹脂を金型6内に射出充満させ、被転写物を形成するの
と同時にその面に転写材を接着させる。
【0037】射出樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹
脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフ
ェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、
ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エ
ンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐
熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用する
こともできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなど
の補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0038】被転写物である樹脂成形品を冷却した後、
成形用金型6を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、
転写材の基体シート2を剥離する。このようにして、転
写層のみを樹脂成形品表面に転移して、金属光沢成形品
9を得ることができる(図2参照)。
【0039】また、インサート材を得るには、次のよう
な方法で行うとよい。
【0040】インサート材は、基体シート2上に図柄層
などが設けられたものである。基体シート2としては、
転写材の場合と同様のものを用いるとよい。また、透明
樹脂アンカー層3、金属薄膜層4、図柄層、接着層5
は、転写材の場合と同様のものを用いるとよい。したが
って、インサート材は、転写材と比較すると、剥離層を
有しない点で相違するものである。
【0041】インサート材の構成としては、基体シート
2の一方の面に、金属薄膜層4などのすべての層を形成
してもよい。また、基体シート2の一方の面に金属薄膜
層4などを形成し他方の面に接着層5などを形成しても
よい。また、基体シート2を2枚用いてその間に金属薄
膜層4などを形成してもよい。金属薄膜層4が成形品外
面に位置する場合には、成形加工後に塗装により保護層
を形成してもよい。
【0042】インサート材を製造するにあたり、基体シ
ート2はドライラミネートで貼り合せることもできる。
また、基体シート2は、押出しラミネート法やホットメ
ルトコート法でフィルム状に厚く形成することもでき
る。また、接着層5は、押出しラミネート法やホットメ
ルトコート法でフィルム状に厚く形成することもでき
る。
【0043】以上のようにしてインサート材を得ること
ができる。次に、インサート材を用いた金属光沢成形品
9の製造方法について説明する。
【0044】まず、キャビティ型とコア型とからなる成
形用金型6内にインサート材を送り込む。金型6として
は、成形前の面積に対し130%以上の面積にインサー
ト材を破断せずに延伸させるキャビティ形状を有するも
のを用いる。インサート材は、クランプ部材8などの手
段でキャビティ型内または周囲に固定する。成形形状が
深絞りである場合、熱源によりインサート材を加熱軟化
させるとともにキャビティ型側から真空吸引してキャビ
ティ型の表面に密着させてもよい。キャビティ型とコア
型を型締めし、インサート材とコア型との間に密閉空間
を形成する。この空間に溶融した成形樹脂を射出する。
成形樹脂としては、転写材の成形の場合と同様のものを
用いるとよい。キャビティ型とコア型を型開きすれば、
インサート材と成形樹脂とが一体化した金属光沢成形品
9を得ることができる。
【0045】また、次のようにしてインサート成形をす
ることができる。まず、インサート材を、深絞りのため
の凹部を有する予備成形型にクランプ部材8などの手段
で固定し、次に、熱源によりインサート材を加熱軟化さ
せるとともに予備成形型側から真空吸引して予備成形型
の表面に密着させる。次いで真空吸引を解除し、予備成
形型からインサート材を取り出す。このようにして、深
絞り加工したインサート材を得ることができる。次い
で、予備成形したインサート材を、キャビティ型とコア
型とからなる成形用金型6内に配置し、クランプ部材8
などの手段でキャビティ型内または周囲に固定する。次
に、キャビティ型とコア型を型締めし、溶融した成形樹
脂を射出して、インサート材と成形樹脂とが一体化した
金属光沢成形品9を得ることができる。
【0046】
【実施例】実施例1 厚さ100μmのポリプロピレンとオレフィン系熱可塑
性エラストマーとからなるオレフィンフィルムをコロナ
処理したものを基体シートとし、アクリルウレタン系樹
脂100重量部に対してイソシアネート(日本ポリウレ
タン株式会社製コロネートHL)5重量部を添加したイ
ンキを用いて厚さ2μmの透明樹脂アンカー層を設けた
後、50℃、24時間の熱処理により透明樹脂アンカー
層を柔軟かつ強靱なものとした。次いで、真空度10
−3パスカル、100m/分の条件でインジウム蒸着加
工を行い、厚さ400〜420Åの金属薄膜層を形成し
た。次いで、塩素化ポリプロピレン樹脂を厚さ0.5μ
mでグラビアコートした後、ポリプロピレン樹脂をエク
ストルージョンラミネート法により厚さ30μmで接着層
を設け、インサート材を得た。
【0047】キャビティの開口部の元の面積に対して全
体として120%、局部的に130%の面積にインサー
ト材を延伸させるキャビティ形状を有する金型にインサ
ート材を設置し、ポリプロピレン樹脂を射出してインサ
ート材の接着層が樹脂成形品に溶融接着した金属光沢成
形品を得た。
【0048】このようにして得た金属光沢成形品は、金
属薄膜層による金属光沢が十分なメタリック感を有し、
めっき加工品の代替となるものであった。
【0049】実施例2 厚さ100μmの延伸度の低いポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(帝人株式会社製A−PET)を基体シー
トとし、アクリルウレタン系樹脂インキを用いて剥離層
を形成し、さらにその上に図柄層、ポリエステル・ウレ
タンとイソシアネートとを10対1に混合したインキか
らなる厚さ1μmの透明樹脂アンカー層を形成し、12
0℃、50秒間の熱処理により透明樹脂アンカー層を柔
軟かつ強靱なものとした。次いで、インジウム蒸着加工
を行い、厚さ300〜330Åの金属薄膜層を形成し
た。次いで、塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸樹脂(ユ
ニオンカーバイド社製VMCA)からなるインキを用い
て接着層を設け、転写材を得た。
【0050】次いで、転写材を実施例1と同様の金型に
設置し、ABS樹脂を射出した後、基体シートを剥離し
て樹脂成形品の表面に接着層が溶融接着した金属光沢成
形品を得た。
【0051】このようにして得た金属光沢成形品は、金
属薄膜層による金属光沢が十分なメタリック感を有し、
めっき加工品の代替となるものであった。
【0052】実施例3 厚さ125μmの長尺のアクリルフィルム(三菱レイヨ
ン株式会社製HBS−006)を基体シートとし、5色
のビニル系着色インキにより図柄層を設け、実施例1と
同様にして透明樹脂アンカー層と金属薄膜層を形成し
た。次いで、ポリエステル系樹脂(東洋紡株式会社製バ
イロン200)と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂
(ユニオンカーバイド社製VYHH)を5対10に混合
したインキを用いて厚さ2μmの接着層を設け、インサ
ート材を得た。
【0053】次いで、インサート材を成形同時用射出成
形装置の吸引機構を有するキャビティ型にクランプ部材
によって固定し、指示温度280℃の加熱板をインサー
ト材から10cm離して対向させ、インサート材が軟化
し始めるのと同時にキャビティ型から吸引し、インサー
ト材をキャビティ面に沿わせるように成形加工した。イ
ンサート材の中央部においては150%に延伸された。
次いで、ABS樹脂を射出してインサート材の接着層が
樹脂成形品に溶融接着した金属光沢成形品を得た。
【0054】このようにして得た金属光沢成形品は、イ
ンサート材の150%に延伸された部分においても金属
薄膜層のメタリック感を有するものであった。
【0055】実施例4 実施例3で得たインサート材の接着層に代えて、厚さ3
00μmのABSフィルムをドライラミネートしてイン
サート材を得た。
【0056】インサート材を最大160%延伸される箇
所を有するインサート材予備成形型で予備成形して延伸
したところ、金属薄膜層のメタリック感は失われなかっ
た。
【0057】次いで、インサート材をほぼ同一形状の射
出成形型にインサートし、ABS樹脂を射出してインサ
ート材の接着層が樹脂成形品に溶融接着した金属光沢成
形品を得た。
【0058】このようにして得た金属光沢成形品は、金
属薄膜層による金属光沢が十分なメタリック感を有し、
めっき加工品の代替となるものであった。
【0059】
【発明の効果】この発明は、前記した構成からなるの
で、次のような効果を有する。
【0060】この発明の成形同時絵付シートは、柔軟性
を有する基体シート上に、柔軟な透明樹脂アンカー層
と、インジウムからなる金属薄膜層とが少なくとも形成
され、成形温度において元の面積に対し130%以上の
面積に延伸可能であるように構成されているので、成形
同時絵付シートが130%以上に延伸されても金属薄膜
層および透明樹脂アンカー層にマイクロクラックが生じ
ず、メタリック発色が損なわれないものである。
【0061】また、この発明の金属光沢成形品の製造方
法は、成形加工時に元の面積に対し130%以上の面積
に成形同時絵付シートを延伸させるキャビティ形状を有
する金型内に上記の成形同時絵付シートを挿入し、射出
成形法により溶融した樹脂を射出し成形同時絵付シート
と樹脂とを一体化させて金属光沢成形品を得るので、成
形同時絵付シートの金属薄膜層が延伸されても金属薄膜
層および透明樹脂アンカー層にマイクロクラックが生じ
ず、メタリック発色が損なわれない金属光沢成形品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金属光沢成形品の製造方法の一工程
を示す断面図である。
【図2】この発明の金属光沢成形品の一実施例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 成形同時絵付シート 2 基体シート 3 透明樹脂アンカー層 4 金属薄膜層 5 接着層 6 金型 7 吸引孔 8 クランプ部材 9 金属光沢成形品

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性を有する基体シート上に、柔軟な
    透明樹脂アンカー層と、インジウムからなる金属薄膜層
    とが少なくとも形成され、成形温度において元の面積に
    対し130%以上の面積に延伸可能であることを特徴と
    する成形同時絵付シート。
  2. 【請求項2】 金属薄膜層の厚みが50〜800Åであ
    る請求項1に記載の成形同時絵付シート。
  3. 【請求項3】 成形同時絵付シートが転写材である請求
    項1〜2のいずれかに記載の成形同時絵付シート。
  4. 【請求項4】 成形同時絵付シートがインサート材であ
    る請求項1〜2のいずれかに記載の成形同時絵付シー
    ト。
  5. 【請求項5】 成形加工時に元の面積に対し130%以
    上の面積に成形同時絵付シートを延伸させるキャビティ
    形状を有する金型内に請求項1〜4のいずれかに記載の
    成形同時絵付シートを挿入し、射出成形法により溶融し
    た樹脂を射出し成形同時絵付シートと樹脂とを一体化さ
    せて金属光沢成形品を得ることを特徴とする金属光沢成
    形品の製造方法。
JP21468098A 1998-07-30 1998-07-30 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP2943800B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21468098A JP2943800B1 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21468098A JP2943800B1 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2943800B1 true JP2943800B1 (ja) 1999-08-30
JP2000043082A JP2000043082A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16659811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21468098A Expired - Lifetime JP2943800B1 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2943800B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007136755A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nissha Printing Co Ltd 成形同時加飾シートおよび成形同時加飾成形品の製造方法
JP2009006612A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Nissha Printing Co Ltd 加飾シート、加飾シートの製造方法および加飾成形品の製造方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2360011B (en) * 2000-03-10 2004-08-11 Nokia Mobile Phones Ltd A component with a metallic foil secured to an injection moulded substrate
JP2001312232A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Three M Innovative Properties Co 金属光沢を有する表示体
US6942911B2 (en) 2000-04-27 2005-09-13 3M Innovative Properties Company Display member having metallic luster
JP4542667B2 (ja) * 2000-04-28 2010-09-15 日本写真印刷株式会社 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法
JP2002160260A (ja) * 2000-11-22 2002-06-04 Nissha Printing Co Ltd 射出成形同時加飾用転写材
JP4657638B2 (ja) * 2004-07-12 2011-03-23 ポリマテック株式会社 金属調軟質成形体
JP2007237714A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Nippon Purai Kk 転写成形用フィルム
CN101987523A (zh) * 2009-07-31 2011-03-23 康准电子科技(昆山)有限公司 复合材料制品及其成型方法
JP6051502B2 (ja) * 2011-09-12 2016-12-27 東洋インキScホールディングス株式会社 成型用積層体
JP6402439B2 (ja) * 2013-03-29 2018-10-10 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品
WO2014157232A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007136755A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nissha Printing Co Ltd 成形同時加飾シートおよび成形同時加飾成形品の製造方法
JP2009006612A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Nissha Printing Co Ltd 加飾シート、加飾シートの製造方法および加飾成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000043082A (ja) 2000-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2943800B1 (ja) 成形同時絵付シートと金属光沢成形品の製造方法
US6416866B1 (en) Molded article and surface covering sheet therefor
JPH10329170A (ja) アクリルインサート成形品とその製造方法、インサート成形用多層フィルム
JP3419886B2 (ja) 転写シート
JP3500234B2 (ja) アクリルインサート成形品の製造方法とアクリルインサート成形品製造用シート
JP2000084977A (ja) 射出成形同時加飾用転写シート、及びそれを用いた加飾成形品
JPH08276544A (ja) 加飾成形品
JPH01141014A (ja) ヘアライン表面を有するインモールド成型品の製造方法
JPH10735A (ja) 金属蒸着フィルム
JPH10329169A (ja) 薄膜アクリルインサート成形品とその製造方法
JP2630715B2 (ja) 部分艶消転写シート
JP2000141549A (ja) 加飾シート及び加飾成形品
JP3003034B1 (ja) 絵付シート
JP2004042351A (ja) 成形加飾用シート及び射出成形同時加飾方法
JP2000043094A (ja) 射出成形同時絵付用転写シート、及び射出成形同時絵付方法
JP2006240156A (ja) 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法
CN114126893A (zh) 记录介质、装饰片、装饰品、以及装饰品的制造方法
JP3396654B2 (ja) 成形同時加飾成形品の製造方法
JP5578774B2 (ja) ヘアライン意匠を有する転写シートと転写成形品の製造方法
JPH06115295A (ja) 深絞り製品への転写用フィルムの製造方法とこれに使用する基材フィルム
JP4357653B2 (ja) 射出成形同時加飾用シート及び加飾成形品
JP2008080584A (ja) 部分マットハードコート転写材と部分マットハードコート成形品の製造方法
JPH09327843A (ja) 凹凸表面を有する成形品の製造方法
JP3052291B1 (ja) 成形同時加飾成形品の製造方法
JPH081712A (ja) スエード調の表面を有する成形物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990511

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term