JPH07195418A - 成形同時絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法 - Google Patents

成形同時絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法

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JPH07195418A
JPH07195418A JP35274593A JP35274593A JPH07195418A JP H07195418 A JPH07195418 A JP H07195418A JP 35274593 A JP35274593 A JP 35274593A JP 35274593 A JP35274593 A JP 35274593A JP H07195418 A JPH07195418 A JP H07195418A
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molding
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painting
mold
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JP35274593A
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Kentaro Fujii
憲太郎 藤井
Tadatake Taniguchi
忠壮 谷口
Tetsuo Miyatani
哲夫 宮谷
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時に溶融樹脂を高温高圧で射出しても、
美麗な図柄を有する成形同時絵付品を得ることができる
成形同時絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法を
提供する。 【構成】 基体フィルム1上に、図柄層2を介して、図
柄層2を覆う保護フィルム3が形成されている成形同時
絵付用フィルム4を用い、基体フィルム1の下面と金型
内壁面とが接するように成形同時絵付用フィルム4を射
出成形用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂を
射出し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂
の熱と圧力で成形同時絵付用フィルム4を成形品表面に
溶着させて成形同時絵付品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電製品、自動車製品
のメータパネルやスイッチパネルに用いられる成形同時
絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品表面に絵付けを行なう
方法として、基体フィルム上に図柄層が形成された成形
同時絵付用フィルムを用い、基体フィルムの下面と金型
内壁面とが接するように成形同時絵付用フィルムを射出
成形用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂を射
出し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂の
熱と圧力で成形同時絵付用フィルムを成形品表面に溶着
させて成形同時絵付品を得るものがある。
【0003】この方法は、成形と同時に絵付けがされる
ため、効率的である。また、成形同時絵付用フィルムが
金型内壁面の形状に追従するため、印刷や転写を直接行
なうのが難しい曲面をもつ成形品にも絵付けを行なえ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶融温度が高
いために溶融状態での流れの悪い樹脂、たとえば、ポリ
カーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブ
タジエンスチレン共重合樹脂などを用いて成形同時絵付
品を得る場合には、成形時に溶融樹脂を高温高圧で射出
しなければならないため、次のような問題があった。
【0005】図柄層が印刷インキからなる場合、溶融樹
脂の高熱により印刷インキが溶かされ、図柄のパターン
が崩れてしまったり、図柄中の異なる色が混ざり合った
りする。さらに、印刷インキに金属粉が含有されていれ
ば、溶融樹脂の高熱により、金属粉が酸化して図柄の色
変化が起きる。
【0006】また、図柄層が蒸着金属からなる場合も、
溶融樹脂の高熱により蒸着金属が酸化して白化が起き
る。さらに、溶融樹脂の高圧力により蒸着金属にクラッ
クが入って、メタリック感が失われる。
【0007】したがって、本発明は、上記の問題点を解
決し、成形時に溶融樹脂を高温高圧で射出しても、美麗
な図柄を有する成形同時絵付品を得ることができる成形
同時絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の成形同時絵付用フィルムは、基体フィル
ム上に、図柄層を介して、図柄層を覆う保護フィルムが
形成されているように構成した
【0009】また、本発明の成形同時絵付用フィルム
は、成形同時絵付用フィルムの保護フィルムの形成され
ている面に、接着層を形成してもよい。
【0010】また、本発明の成形同時絵付品の製造方法
は、上記成形同時絵付用フィルムを用い、基体フィルム
の下面と金型内壁面とが接するように成形同時絵付用フ
ィルムを射出成形用の金型内に載置し、型閉めした後、
溶融樹脂を射出し、成形品を成形すると同時に、射出し
た溶融樹脂の熱と圧力で成形同時絵付用フィルムを成形
品表面に溶着させて成形同時絵付品を得るように構成し
た。
【0011】また、本発明の成形同時絵付品の製造方法
は、射出成形を行なう前に、成形同時絵付用フィルムを
予備成形してもよい。
【0012】また、本発明の成形同時絵付品の製造方法
は、成形同時絵付用フィルムを射出成形用の金型内に載
置する前に、成形同時絵付用フィルムの不要な部分を切
除してもよい。
【0013】以下、本発明の成形同時絵付用フィルムと
成形同時絵付品の製造方法を図を用いてさらに詳しく説
明する。
【0014】図1は本発明に係る成形同時絵付用フィル
ムの一実施例を示す断面図、図2は本発明に係る成形同
時絵付用フィルムの他の実施例を示す断面図、図3は本
発明に係る成形同時絵付品の製造方法の一実施例を示す
断面図である。1は基体フィルム、2は図柄層、3は保
護フィルム、4は成形同時絵付用フィルム、5は接着
層、6は金型、7は溶融樹脂、8は成形品、9は成形同
時絵付品をそれぞれ示す。
【0015】まず、本発明の成形同時絵付用フィルム4
について説明する(図1参照)。
【0016】基体フィルム1としては、厚さ12μm以上
の耐熱性に優れたものを使用する。基体フィルム1が耐
熱性を有していないと、射出成形時に成形同時絵付用フ
ィルム4にシワが発生したり、破れたりする。また、基
体フィルム1が厚さ12μm未満であると、後述するラミ
ネート時または図柄層2の印刷時に、成形同時絵付用フ
ィルム4にシワが発生したり、破れたりする。基体フィ
ルム1の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂などがある。とくに、ポリカーボネート樹脂およ
びポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基体フィル
ム1は、引張り強度などの機械的性質にも優れている。
なお、成形同時絵付品9が基体フィルム1を通して図柄
を見るものである場合、基体フィルム1は透明または半
透明なものに限定される。また、基体フィルム1は、枚
葉状、ロール状のいずれでもよい。
【0017】また、基体フィルム1の下面には、シボな
どの凹凸、マット層、ハードコート層などが形成されて
いてもよい。マット層は、艶消し表面を形成するもので
艶消し剤を含むインキからなる。また、ハードコート層
は、表面強度をもたせるもので紫外線硬化性樹脂、熱硬
化樹脂などからなる。シボなどの凹凸の形成方法として
は、熱プレス法、サンドブラスト法、あるいは基体フィ
ルム1の製造時に凹凸を形成する方法などがある。ま
た、マット層およびハードコート層の形成方法として
は、グラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法
やロールコート、スピンコート、スプレーコートなどの
コート法などがある。
【0018】図柄層2としては、樹脂バインダー中に任
意の色の着色顔料や金属粉を含有させた印刷インキから
なるものや、アルミニウムなどの蒸着金属からなるもの
を使用する。なお、印刷インキの樹脂バインダーは、樹
脂フィルムと密着性の良いウレタン樹脂などの2液硬化
性樹脂や紫外線硬化性樹脂などを使用するのが好まし
い。印刷インキからなる図柄層2の形成方法としては、
グラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法やロ
ールコート、スピンコート、スプレーコートなどのコー
ト法などがある。なお、印刷インキの樹脂バインダーと
して2液硬化性樹脂を使用する場合、印刷インキからな
る図柄層2を形成した後30〜80℃で溶剤の乾燥を行なう
と、樹脂フィルムへの固着力が向上する。また、蒸着金
属からなる図柄層2の形成方法としては、金属蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などがあ
る。なお、蒸着金属のパターン化には、シーライト法や
パスター法を用いることができる。
【0019】保護フィルム3としては、厚さ12μm以上
の耐熱性に優れたものを使用する。保護フィルム3が耐
熱性を有していないと、射出成形時の溶融樹脂の高熱に
より、従来技術と同じ問題が発生する。また、保護フィ
ルム3が厚さ12μm未満であると、後述するラミネート
時または図柄層2の印刷時に、成形同時絵付用フィルム
4にシワが発生したり、破れたり、あるいは耐熱性不足
となり従来技術と同じ問題が発生する。保護フィルム3
の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、アクリル樹脂などがある。なお、成形同時絵付品9
が保護フィルム3を通して図柄を見るものである場合、
保護フィルム3は透明または半透明なものに限定され
る。また、保護フィルム3は、枚葉状、ロール状のいず
れでもよい。
【0020】なお、上記基体フィルム1、図柄層2、保
護フィルム3を積層して得られる成形同時絵付用フィル
ム4は、厚さが300μmを超えると射出成形用の金型6内
壁面の形状に沿いにくくなるため、300μm以下の厚さに
限定される。
【0021】また、基体フィルム1上に、図柄層2を介
して、保護フィルム3を形成する方法としては、ドライ
ラミネート法が一般的である。ドライラミネート法は2
枚の樹脂フィルムを接着剤で貼り合わせる方法であり、
本発明においては、基体フィルム1と図柄層2の形成さ
れた保護フィルム3、あるいは保護フィルム3と図柄層
2の形成された基体フィルム1を貼り合わせる。
【0022】また、基体フィルム1または保護フィルム
3のいずれかをアクリルフィルムとする場合には、エク
ストルージョンラミネート法を使用することも可能であ
る。エクストルージョンラミネート法は溶融した樹脂を
押し出しながら冷却して樹脂フィルムを製造するととも
にこの冷却途中の樹脂と他の樹脂フィルムとをロール間
に挟んで密着させる方法であり、本発明においては、ア
クリル樹脂からなる基体フィルム1を製造するとともに
図柄層2の形成された保護フィルム3と密着させるか、
あるいはアクリル樹脂からなる保護フィルム3を製造す
るとともに図柄層2の形成された基体フィルム1と密着
させる。
【0023】上記図柄層2の形成された保護フィルム3
または図柄層2の形成された基体フィルム1には、前述
したフィルム材質の中でとくに印刷適性に優れたポリエ
チレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの熱収縮性が問題にな
るときには、図柄層2の形成されていない樹脂フィルム
として、前述したフィルム材質の中でとくに温度により
伸び縮みしにくいポリカーボネートフィルムを組み合わ
せることが最も好ましい。
【0024】また、基体フィルム1または保護フィルム
3の表面には、ラミネート強度を上げるために、高圧放
電処理、フレーム処理を施してもよいし、あらかじめフ
ィルム製造時に接着性樹脂をコートしておいてもよい。
また、ドライラミネート法によるラミネート強度は、ラ
ミネート後に常温で24時間乾燥し、さらに恒温槽で50
℃、48時間放置することによってもラミネート強度が上
がる。
【0025】さらに、成形品8の表面に対する上記成形
同時絵付用フィルム4の密着力を向上させるために、成
形同時絵付用フィルム4の保護フィルム3の形成されて
いる面に接着層5が形成されてもよい(図2参照)。接
着層5の樹脂としては、射出成形する樹脂と同じ樹脂系
のものを使用するのが好ましい。なお、保護フィルム3
の樹脂が射出成形する樹脂と同じ樹脂系のものであれ
ば、接着層5を形成しなくとも保護フィルム3自身が成
形品8表面に強く密着する。接着層5の形成方法として
は、グラビア印刷、スクリーン印刷などの通常の印刷法
やロールコート、スピンコート、スプレーコートなどの
コート法、あるいは接着性フィルムを前記ドライラミネ
ート法、エクストルージョンラミネート法によりラミネ
ートする方法などがある。
【0026】また、フィルム成形後の収縮が少ないポリ
カーボネートフィルムやアクリルフィルムなどを基体フ
ィルム1または保護フィルム3のいずれかに用いると、
射出成形後の成形同時絵付用フィルム4に残存する収縮
応力が小さいため、成形同時絵付品9の反りやひずみ、
あるいは成形同時絵付用フィルム4の成形品からの剥離
が発生しにくい。また、予備成形した後に成形同時絵付
用フィルム4が収縮し、射出成形用の金型内壁面に沿い
にくくなることも起こりにくい。
【0027】次に、以上のような成形同時絵付用フィル
ム4を用いた成形同時絵付品9の製造方法を説明する。
【0028】まず、成形同時絵付用フィルム4を、基体
フィルム1の下面と金型6内壁面とが接するように射出
成形用の金型6内に載置する(図3a参照)。
【0029】次いで、金型6を型閉めした後、キャビテ
ィ内に溶融樹脂7を射出し(図3b参照)、成形品8を
成形すると同時に、射出した溶融樹脂7の熱と圧力で成
形同時絵付用フィルム4を成形品8表面に溶着させて成
形同時絵付品9を得る。射出成形する樹脂としては、ポ
リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル
ブタジエンスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチ
レン共重合樹脂、スチレン共重合樹脂などがある。
【0030】最後に、樹脂の冷却固化を待って金型6を
型開きし、成形品8表面が成形同時絵付用フィルム4に
よって美麗に装飾された成形同時絵付品9を取り出す
(図3c参照)。なお、成形同時絵付用フィルム4は、
メンブレンスイッチのように成形品8の窓抜き部を覆う
ように形成されていてもよい。
【0031】また、射出成形を行なう前に、成形同時絵
付用フィルム4を金型6内壁面の形状に沿いやすくなる
ように予備成形しておいてもよい。予備成形の方法とし
ては、真空成形、圧空成形、プレス成形などがある。ま
た、予備成形の時期は、予備成形用の金型を用いて成形
同時絵付用フィルム4を射出成形用の金型6内に載置す
る前に行なってもよいし、射出成形用の金型6を用いて
成形同時絵付用フィルム4を金型6内に載置した後に行
なってもよい。
【0032】さらに、成形同時絵付用フィルム4を射出
成形用の金型6内に載置する前に、打ち抜き刃や打ち抜
き型などにより成形同時絵付用フィルム4の不要な部分
を切除してもよい。また、射出成形後に、打ち抜き刃や
打ち抜き型、レーザー、ウオータージェット、超音速カ
ッター、ドリルマシンなどにより成形同時絵付用フィル
ム4の不要な部分を切除してもよい。
【0033】
【作用】本発明の成形同時絵付用フィルムと成形同時絵
付品の製造方法は、以上の構成からなるので、次の作用
が得られる。
【0034】すなわち、成形同時絵付用フィルムが図柄
層を覆う保護フィルムを有しているので、成形時に溶融
樹脂を高温高圧で射出しても、図柄層が保護フィルムに
より護られる。
【0035】
【実施例】
実施例1 厚さ100μmの高圧放電処理されたポリエステルフィルム
を基体フィルムとして用いた。次いで、基体フィルム上
にウレタン樹脂中に着色顔料を含有させたインキを用い
グラビア印刷にて8色からなる家電スイッチパネル部の
スイッチパネル模様を有する第1図柄層を形成した後、
第1図柄層と基体フィルムとの固着力を向上させるため
に40℃で24時間の乾燥を行なった。次に、第1図柄層上
にシーライト法でパターン化したアルミ蒸着被膜を第2
図柄層として形成した。次に、厚さ25μmのポリエステ
ルフィルムを保護フィルムとして用い、ドライラミネー
ト法により図柄層を有する基体フィルムと貼り合わせ
た。さらに、ラミネート強度を上げるため、常温で24時
間乾燥後、さらに恒温槽で50℃、48時間放置した。最後
に、この積層フィルムの保護フィルムの形成されている
面に、2液型のポリエステル系接着剤を用いスクリーン
印刷にて接着層を第1図柄層に見当一致するように部分
的に形成して成形同時絵付用フィルムを得た。
【0036】上記成形同時絵付用フィルムを家電スイッ
チパネル部の外形に沿って打ち抜くことにより、成形同
時絵付用フィルムの不要な部分を切除した。
【0037】次に、成形同時絵付用フィルムを、基体フ
ィルムの下面と金型内壁面とが接するように射出成形用
の金型内に載置し、型閉めした後、ポリカーボネート樹
脂からなる溶融樹脂を270℃で射出し、成形品を成形す
ると同時に、射出した溶融樹脂の熱と圧力で成形同時絵
付用フィルムを成形品表面に溶着させて成形同時絵付品
を得た。
【0038】このようにして得られた成形同時絵付品
は、成形時に溶融樹脂を高温高圧で射出したにも係わら
ず、美麗な図柄を有するものであった。
【0039】実施例2 厚さ40μmのポリエステルフィルムを保護フィルムとし
て用いた。次いで、保護フィルムにウレタン樹脂中に着
色顔料を含有させたインキを用いスクリーン印刷にて車
のオーディオパネル部のスイッチ模様を有する図柄層を
形成した後、図柄層と保護フィルムとの固着力を向上さ
せるために50℃で24時間の乾燥を行なった。次に、厚さ
80μmの高圧放電処理されたポリカーボネートフィルム
を基体フィルムとして用い、ドライラミネート法により
図柄層を有する保護フィルムと貼り合わせた。さらに、
ラミネート強度を上げるため、常温で24時間乾燥後、さ
らに恒温槽で50℃、48時間放置して成形同時絵付用フィ
ルムを得た。
【0040】上記成形同時絵付用フィルムを車のオーデ
ィオパネル部の概形凹凸を有する真空成形用金型内に載
置し、スイッチパネル模様を位置合わせした後、加熱と
ともに金型の凹凸面から真空引きして予備成形を行なっ
た。次いで、オーディオパネル部の外形に沿って成形同
時絵付用フィルムの不要な部分を打ち抜き刃で切除し
た。
【0041】次に、成形同時絵付用フィルムを、基体フ
ィルムの下面と金型内壁面とが接するように射出成形用
の金型内に載置し、型閉めした後、アクリル樹脂からな
る溶融樹脂を240℃で射出し、成形品を成形すると同時
に、射出した溶融樹脂の熱と圧力で成形同時絵付用フィ
ルムを成形品表面に溶着させて成形同時絵付品を得た。
【0042】このようにして得られた成形同時絵付品
は、成形時に溶融樹脂を高温高圧で射出したにも係わら
ず、美麗な図柄を有するものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の成形同時絵付用フィルムと成形
同時絵付品の製造方法は、以上の構成および作用からな
るので、次の効果が得られる。
【0044】すなわち、図柄層が保護フィルムにより高
温高圧から護られるので、図柄層が印刷インキからなる
場合、溶融樹脂の高熱により印刷インキが溶かされて、
図柄のパターンが崩れてしまったり、図柄中の異なる色
が混ざり合ったりすることがない。さらに、印刷インキ
に金属粉が含有されていても、溶融樹脂の高熱により、
金属粉が酸化して図柄の色変化が起きることがない。
【0045】また、図柄層が蒸着金属からなる場合も、
溶融樹脂の高熱により蒸着金属が酸化して白化が起きた
り、溶融樹脂の高圧力によりクラックが入ってメタリッ
ク感が失われることがない。
【0046】したがって、成形時に溶融樹脂を高温高圧
で射出しても美麗な図柄を有する成形同時絵付品を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形同時絵付用フィルムの一実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る成形同時絵付用フィルムの他の実
施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る成形同時絵付品の製造方法の一実
施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体フィルム 2 図柄層 3 保護フィルム 4 成形同時絵付用フィルム 5 接着層 6 金型 7 溶融樹脂 8 成形品 9 成形同時絵付品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体フィルム上に、図柄層を介して、図
    柄層を覆う保護フィルムが形成されていることを特徴と
    する成形同時絵付用フィルム。
  2. 【請求項2】 成形同時絵付用フィルムの保護フィルム
    の形成されている面に、接着層が形成されている請求項
    1記載の成形同時絵付用フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の成形同時
    絵付用フィルムを用い、基体フィルムの下面と金型内壁
    面とが接するように成形同時絵付用フィルムを射出成形
    用の金型内に載置し、型閉めした後、溶融樹脂を射出
    し、成形品を成形すると同時に、射出した溶融樹脂の熱
    と圧力で成形同時絵付用フィルムを成形品表面に溶着さ
    せて成形同時絵付品を得ることを特徴とする成形同時絵
    付品の製造方法。
  4. 【請求項4】 射出成形を行なう前に、成形同時絵付用
    フィルムを予備成形する請求項3記載の成形同時絵付品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形同時絵付用フィルムを射出成形用の
    金型内に載置する前に、成形同時絵付用フィルムの不要
    な部分を切除する請求項3または請求項4のいずれかに
    記載の成形同時絵付品の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1034703A (ja) * 1996-07-22 1998-02-10 Nissha Printing Co Ltd 艶消しアクリルインサートフィルムと艶消しインサート成形品の製造方法
JPH10278068A (ja) * 1997-04-07 1998-10-20 Nippon Name Plate Kogyo Kk 自動車用オ−トマチックシフトパネルの製造方法
WO2000027608A1 (fr) * 1998-11-05 2000-05-18 Nissha Printing Co., Ltd. Feuille pour decoration de tole et article a tole decoree utilisant cette feuille
JP2001009988A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Nissha Printing Co Ltd 予備成形用加飾シート

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