JP5194681B2 - エンボス加飾射出成形品の製造方法 - Google Patents

エンボス加飾射出成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面にエンボス加工による凹凸模様が付与された、エンボス加飾射出成形品に関するものである。
樹脂成形物の表面に被着体として加飾シートを積層一体化することで加飾した射出成形品が各種用途で使用されている。これらの射出成形品の装飾性を高めるため、木目導管溝等の凹凸模様を設けて立体意匠感を付与することが広く行なわれている。
この凹凸模様を設ける方法として、電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の基材フィルムに熱圧を加えるエンボス加工を施して凹凸模様を賦形した加飾シートを製造し、それを射出成形品の内部凹凸模様賦形に用いる方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
また、硬化性樹脂を基材フィルムに塗工した後、硬化せしめて凹凸模様を賦形した凹凸フィルムを用いて射出成形品の表面に凹凸模様を設ける方法も提案されている。(例えば、特許文献2及び3参照)
しかしながら、硬化性樹脂を塗工した基材フィルムの外側表面に凹凸模様を賦形した加飾シートを射出成形に用いる場合は、硬化性樹脂の硬化度が低過ぎると真空成形工程にて加飾シートを予備成形する時の熱圧及びその後の射出成形工程での熱圧によって、エンボスされた凹凸模様の凹凸形状が消失し易く、また高過ぎると、凹凸模様に歪みや亀裂等が生じ易く、真空成形工程や射出成形工程の作業性も悪くなるという問題があった。
また、射出成形金型のキャビティ面をシボ加工することによって射出成形品の表面に凹凸模様を賦形することも可能であるが、射出成形金型の正面部と側面部とのなす角度が直角に近いと射出成形品の型抜きが困難になるという問題があり、射出成形金型を加工するので、多種少量生産に向かないというデメリットもある。
そこで、射出成形品の表面に簡便に凹凸模様を賦形する技術が求められていた。
特開平7−32548号公報 特開平7−32476号公報 特開2002−240078号公報
本発明は、このような状況下で、射出成形品の表面に凹凸模様が簡便に賦形され、より高級感のある立体意匠性が付与された射出成形品を提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、射出成形品の正面部及び側面部の表面に特定のエンボス加工による凹凸模様を付与することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は、
1.アクリル樹脂フィルムからなる表面層と、表面層の内側に積層された印刷層と、印刷層の内側に積層された接着剤層と、射出樹脂層とを有する射出成形品であって、該射出成形品の正面部及び側面部の該表面層の表面にエンボス加工による凹凸模様を有することを特徴とするエンボス加飾射出成形品、
2.印刷層が、着色ベタ層を有する上記1に記載のエンボス加飾射出成形品、
3.印刷層が、さらに絵柄層を有する上記2に記載のエンボス加飾射出成形品、
4.印刷層が、光反射層を有する上記1〜3のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品、
5.射出成形品の正面部と側面部とのなす角度から90°を引いた角度θが0°を超え5°以下である上記1〜4のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品、
6.アクリル樹脂フィルムからなる表面層と、表面層の内側に積層された印刷層と、印刷層の内側に積層された接着剤層とからなる加飾シートと加飾シートの内側に形成された射出樹脂層とを有する射出成形品の製造方法であって、該加飾シートの該表面層に150℃以上の温度でエンボス加工して凹凸模様を賦形する工程と、該表面層が射出成形金型側になるように該加飾シートを90〜110℃の温度で真空成形する工程と、真空成形された該加飾シートに樹脂を射出して射出樹脂層を形成する工程とを含むエンボス加飾射出成形品の製造方法、
7.印刷層が、着色ベタ層を有する上記6に記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法、
8.印刷層が、さらに絵柄層を有する上記7に記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法、
9.印刷層が、光反射層を有する上記6〜8のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法、及び
10.射出成形金型の正面部と側面部とのなす角度から90°を引いた角度θが0°を超え5°以下である上記6〜9のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法である。
本発明によれば、射出成形品の表面に凹凸模様が簡便に賦形され、より高級感のある立体意匠性が付与された射出成形品を提供することができる。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のエンボス加飾射出成形品の断面模式図である。
図1にあるように、本発明のエンボス加飾射出成形品1は、表面側から、表面層11、印刷層12、接着剤層13及び射出樹脂層20の順に積層されている。これらの内、表面層11、印刷層12及び接着剤層13から加飾シート10が構成されている。
表面層11の表面にエンボス加工による凹凸模様が付与されている。表面層11の表面の凹凸模様により凹部31及び凸部32が形成される。本発明のエンボス加飾射出成形品1は、その正面部及び側面部の表面にエンボス加工による凹凸模様を有する。正面部の表面だけでなく側面部の表面にもエンボス加工による凹凸模様を有することにより、より高級感のある立体意匠性が付与された射出成形品が得られる。
本発明のエンボス加飾射出成形品1の表面層11として、透明性に優れ、その結果、優れた塗装感も付与できるアクリル樹脂フィルムが用いられる。この樹脂フィルムの厚さは、好ましくは20〜500μm程度であり、より好ましくは50〜150μm程度である。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂〔但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう〕を単体又は2種以上の混合物として、単層又は2層以上の積層体のフィルムとして用いる。なお、表面層11は半透明であってもよいが、透明であることが印刷層12の着色を鮮やかにして好ましい。透明である場合は、無色透明の他に、着色透明でもよい。また、表面層11の樹脂フィルム中には、必要に応じて、適宜、上述の艶消し剤、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を、物性調整の為に添加してもよい。
本発明のエンボス加飾射出成形品1の印刷層12は、着色ベタ層を有することが好ましく、この着色ベタ層に加えて、絵柄層をも有することが意匠性を向上する観点から特に好ましい。通常、絵柄層は着色ベタ層の外側(着色ベタ層より表面側)に塗工される。
着色ベタ層及び絵柄層としては、バインダーの樹脂を特定の樹脂から構成し、所望する色彩を得るための適当な着色剤を配合する他は、基本的には特に制限は無い。着色ベタ層及び絵柄層は、通常は、印刷インキでグラビア印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法で形成すればよい。また、着色ベタ層は、ロールコート等の公知の塗工法でもよい。
印刷層12の形成に使用するインキ(あるいは塗液)としては、接着性等を考慮して公知のものの中から適宜選択使用すればよい。例えば、インキ(あるいは塗液)のバインダーの樹脂としては、通常、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられる。これらの内、バインダーの樹脂は、アクリル樹脂単独又はアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とするのがより好ましい。基材フィルム11としてアクリル樹脂を用いる場合は、基材フィルム11との密着性を出す為にアクリル樹脂を用い、さらに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体又は別のアクリル樹脂を混合すると印刷適性、成形適性がさらに好適となる。
ここで、アクリル樹脂としては、上述の表面層11のところで列記したものと同様のものの中から適宜選択する他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるアクリルポリオールを用いることも出来る。
また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体にさらにマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させてもよい。アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合比は、アクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体=1/9〜9/1(質量比)程度である。この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等の樹脂を混合してもよい。
また、インキ(あるいは塗液)に含有させる着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、ペリレンレッド等の有機顔料、アルミニウム、真鍮等の金属の粉末又は鱗片等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母の粉末又は鱗片等の真珠光沢(パール)顔料、あるいは染料等が用いられる。
絵柄層の絵柄は、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、布目模様、皮絞模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学図形、文字、記号等である。
所望により、印刷層12が、光反射層、磁性体層、導電性層等の機能性層等を有していてもよい。ここで、光反射層としては、例えば、樹脂フィルムの表面に金属(アルミニウム、クロム、銀等)を蒸着して全面あるいは部分的に形成した金属薄膜層、あるいは表面に反射率が優れた白色塗膜又は金属光沢塗膜(アルミニウム、クロム、銀等の金属含有インキを用いる)を有する樹脂フィルム等が挙げられる。光反射層が印刷層12の全面に形成される場合は着色ベタ層となり、印刷層12の部分的に形成される場合は絵柄層となる。磁性体層には磁性体が含まれ、導電性層には導電性材料が含まれる。
また、加飾用シート10の接着剤層13としては、例えば感熱型の接着剤として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の公知の樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂では、例えば、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。また、熱硬化性樹脂では、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
接着剤層13は、これら樹脂による接着剤を、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工法により形成する。また、接着剤層13の厚さは特に制限は無いが、通常は1〜20μm程度、好ましくは1〜10μmである。
本発明のエンボス加飾射出成形品1に用いられる加飾シート10を製造する方法は、例えば、表面層11となる樹脂フィルムの裏面に印刷層12を絵柄層、着色ベタ層の順で印刷又は塗工し、次に接着剤層13を塗工すればよい。
本発明のエンボス加飾射出成形品1の射出樹脂層20に用いられる樹脂としては、基本的には特に制限はなく公知の樹脂でよい。製品の要求物性やコスト等に応じて選定すればよい。熱可塑性樹脂であれば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等である。また、硬化性樹脂であれば、2液硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の未硬化樹脂液等である。熱可塑性樹脂は加熱熔融して流動状態で射出し、また硬化性樹脂は(その未硬化物を)室温又は適宜加熱して流動状態で射出する。
なお、射出樹脂は、用途に応じて適宜、着色剤を添加して着色した樹脂を使用してもよい。着色剤には、上記の印刷層12で述べた如き公知の着色剤を使用すればよい。また、射出樹脂には、必要に応じ適宜、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機物粉末、ガラス繊維等の充填剤、安定剤、滑剤等の公知の各種添加剤を含有させてもよい。
本発明のエンボス加飾射出成形品1の表面層11の表面に凹凸模様を付与するためには、まず、加飾シート10の表面層11側に公知のエンボス加工方法で凹凸模様を付与する。このエンボス加工工程は、150℃以上の温度で実施されることが好ましく、150〜260℃の温度で実施されることがより好ましく、160〜250℃の温度で実施されることがさらに好ましく、200〜240℃の温度で実施されることが特に好ましい。表面層11を構成するアクリル樹脂フィルムが迅速に加工されるようにするためである。ここで、エンボス加工工程の温度が150℃であるとは、加工時賦形前の加飾シート10の温度が150℃であることをいう。また、加工時のエンボス版の温度は90℃程度であればよい。
エンボス加工は、凹凸模様の意匠性が高まるように適宜深さを調整して行なわれる。従って、表面層11の厚みの範囲内の深さで行なってもよいし、印刷層12及び接着剤層13にまで凹凸模様が付与される深さで行なってもよい。
図2は、本発明の凹凸加飾射出成形品の製造方法の一態様(サーモジェクト成形)を説明する概念図である。射出成形金型は、射出成形金型(雄型)41と射出成形金型(雌型)42とからなっている。真空成形工程において、上述のようにエンボス加工された加飾シート10を所定温度に加熱し、シートクランプ45により射出成形金型(雌型)42に押圧固定した後、吸引孔43から真空吸引して所定の型付けを完了する。その直後の射出成形工程において、射出樹脂44を射出成形金型内に射出し、射出樹脂層20を形成する。射出成形完了し、冷却した後、射出成形金型からエンボス加飾射出成形品1を取り出す。
上述のように、150℃以上の温度でエンボス加工された加飾シート10は、エンボス加工側である表面層11が射出成形金型側になるように射出成形金型内に配置され、90〜110℃の温度で真空成形されることが好ましい。この温度範囲であれば、加飾シート10に賦形された凹凸模様が真空成形工程においても保持される。
上記の真空成形工程後、真空成形された加飾シート10に樹脂を射出して射出樹脂層を形成するが、射出樹脂の温度は、樹脂の融点及び軟化点に応じて適宜選択される。
たとえ、加飾シート10の接着剤層13面にまでエンボス加工が深く施され、射出樹脂が高温である場合でも、接着剤層13面の凹部に直ちに射出樹脂が満たされるので、エンボスされた凹凸模様の凹凸形状が保持される。また、射出樹脂が高温の場合の加飾シート10に移動する熱は、すぐに射出成形金型に逃げるので、加飾シート10の表面層11の温度は射出樹脂の温度と比較して低く保たれ、加飾シート10の表面層11面の凹凸模様の凹凸形状も保持される。
図2において、射出成形金型の正面部46と側面部47とのなす角度から90°を引いた角度θ、即ち、射出成形品の正面部と側面部とのなす角度から90°を引いた角度θ(以下、抜き角θという)が0°を超え5°以下である場合であっても、本発明のエンボス加飾射出成形品は型抜けが可能であるので、シボ加工により表面に凹凸模様を賦形した射出成形品では製造できない形状の射出成形品も製造可能となる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
アクリル樹脂(メチルメタクリレート樹脂)からなる樹脂フィルム(膜厚125μm)の裏面に、ポリブチルメタクリレート/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比:2/1)組成物からなる絵柄層をグラビア印刷し、絵柄層が印刷されていない部分の一部に金属光沢塗膜をグラビア印刷し光反射層とし、絵柄層と同じ組成物に高隠蔽性顔料(チタン白及び着色顔料)を含有させた着色ベタ層をロールコートにより塗工し、さらに、アクリル樹脂からなる接着剤層をロールコートにより塗工した後、乾燥して加飾シートを得た。
この加飾シートの表面層側に、金属製エンボスローラーを用いて、賦形直前のシート温度を200〜240℃に、エンボス版温度を約90℃に制御し、平均エンボス深さ70μmの木目模様の凹凸模様を賦形した。
この加飾シートを100℃に加熱し、射出成形金型(金型温度60℃)内で真空成形し、射出成形金型(雌型)に成形品の正面部及び側面部の双方にエンボス加工による凹凸模様を有するように密着させた。その後、射出成形工程で、樹脂圧350kg/cm2、樹脂温度230℃にてABS樹脂を射出し、加飾シートに熱と圧力をかけた。これにより、樹脂が金型に接触した瞬間に、樹脂熱が金型に逃げるため、加飾シート表面は100℃であった。冷却後、射出成形金型からエンボス加飾射出成形品を取り出した。射出成形品の抜き角θは1°であったが良好な型抜けであった。得られたエンボス加飾射出成形品の外観を目視にて評価した。
実施例1のエンボス加飾射出成形品は、成形品の正面部及び側面部の双方に木目模様の凹凸模様が立体的に表出し、模様が浮き出た感じで高級感を漂わせるものであった。
比較例1
実施例で得られた平均エンボス深さ70μmの木目模様の凹凸模様が賦形された加飾シートを80℃に加熱し、射出成形金型(金型温度60℃)内で真空成形し、射出成形金型(雌型)に成形品の正面部及び側面部の双方にエンボス加工による凹凸模様を有するように密着させた。その後、射出成形工程で、樹脂圧350kg/cm2、樹脂温度230℃にてABS樹脂を射出し、加飾シートに熱と圧力をかけた。これにより、樹脂が金型に接触した瞬間に、樹脂熱が金型に逃げるため、加飾シート表面は80℃であった。射出成形時の加飾シート表面が80℃であったので、加飾シートが伸びないため金型に沿わず射出成形時に割れが発生した。従って、所望するエンボス加飾射出成形品が得られなかった。
比較例2
実施例で得られた平均エンボス深さ70μmの木目模様の凹凸模様が賦形された加飾シートを140℃に加熱し、射出成形金型(金型温度60℃)内で真空成形し、射出成形金型(雌型)に成形品の正面部及び側面部の双方にエンボス加工による凹凸模様を有するように密着させた。その後、射出成形工程で、樹脂圧350kg/cm2、樹脂温度230℃にてABS樹脂を射出し、加飾シートに熱と圧力をかけた。これにより、樹脂が金型に接触した瞬間に、樹脂熱が金型に逃げるため、加飾シート表面は140℃であった。冷却後、射出成形金型からエンボス加飾射出成形品を取り出し。射出成形品の抜き角θは1°であったが良好な型抜けであった。得られたエンボス加飾射出成形品の外観を目視にて評価した。
比較例2の加飾射出成形品は、加飾シートが高温であったため木目模様の凹凸模様がほとんどなく意匠性が劣るものであり、エンボス加飾射出成形品とは呼べないものであった。
本発明のエンボス加飾射出成形品は、各種の自動車用内装品、ビルディング・家屋内装品、高級日用雑貨品等に好適に用いられる。
本発明のエンボス加飾射出成形品の断面模式図である。 本発明の凹凸加飾射出成形品の製造方法の一態様を説明する概念図である。
符号の説明
1 エンボス加飾射出成形品
10 加飾シート
11 表面層
12 印刷層
13 接着剤層
20 射出樹脂層
31 表面層の表面の凹部
32 表面層の表面の凸部
41 射出成形金型(雄型)
42 射出成形金型(雌型)
43 吸引孔
44 射出樹脂
45 シートクランプ
46 金型の正面部
47 金型の側面部

Claims (9)

  1. アクリル樹脂フィルムからなる表面層と、表面層の内側に積層された印刷層と、印刷層の内側に積層された接着剤層とからなる加飾シートと加飾シートの内側に形成された射出樹脂層とを有する射出成形品の製造方法であって、該加飾シートの該表面層に150℃以上の温度でエンボス加工して凹凸模様を賦形する工程と、該表面層が射出成形金型側になるように該加飾シートを90〜110℃の温度で真空成形する工程と、該加飾シートの表面層の温度が射出樹脂の温度と比較して低く保たれ、該加飾シートの表面層面の凹凸模様の凹凸形状が保持されるように、真空成形された該加飾シートに樹脂を射出して射出樹脂層を形成する工程とを含むことを特徴とするエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  2. 前記射出樹脂層を形成する工程において、前記加飾シートの表面層の温度が90〜110℃となるように行なわれることを特徴とする請求項1に記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  3. 前記射出樹脂層を形成する工程において、前記射出樹脂が有する温度から前記加飾シートに移動する熱が、前記射出成形金型に逃げることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  4. 前記接着剤層面が凹部を有する請求項1〜3のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  5. 前記真空成形する工程において、エンボス加工された前記加飾シートを90〜110℃の温度で加熱し、射出成形金型の雌型に押圧固定した後、吸引孔から真空吸引して型付けを完了する請求項1〜のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  6. 前記真空成形する工程において、前記加飾シートを90〜110℃の温度で加熱し、射出成形金型内で真空成形し、射出成形金型の雌型に該加飾シートのエンボス加工による凹凸模様を有するように密着させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  7. 前記印刷層が、着色ベタ層を有する請求項1〜のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  8. 前記印刷層が、さらに絵柄層を有する請求項1〜のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
  9. 前記印刷層が、光反射層を有する請求項1〜のいずれかに記載のエンボス加飾射出成形品の製造方法。
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