JPWO2006090448A1 - 透明導電性積層体の製造方法およびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
フィルム基材を用いた透明性および導電性薄膜の耐擦傷性に優れるとともに、タッチパネル用としての打点特性にも優れた透明導電性積層体および、この透明導電性積層体を少なくとも一方の電極に用いたタッチパネルを提供する。特定の透明フィルム上に少なくとも160℃以上の温度条件で透明導電膜を形成することにより耐擦傷性および打点特性に優れ、しかも生産性にも優れている透明導電性積層体を提供する。
Description
本発明は、フィルム基材上に透明な導電性薄膜を設けてなる透明導電性積層体の製造方法に関する。さらに詳しくは、透明フィルム上に特定の条件で透明導電膜を形成する透明導電積層体の製造方法に関する。
可視光領域で透明であり、かつ導電性を有する薄膜は、液晶ディスプレー、エレクトロルミネッセンスディスプレー、プラズマディスプレーなどのディスプレーやタッチパネルなどにおける透明電極のほか、透明デバイスの帯電防止や電磁波遮断などの目的で使用されている。従来、このような透明導電性薄膜として、ガラス上に酸化インジウム系の薄膜を形成したものが知られているが、基材がガラスであるために、可撓性、加工性に劣り、重いこと、割れ易いこと等で好ましくなかった。このため近年、可撓性、加工性に加え、耐衝撃性に優れ軽量である利点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂等の各種のプラスチックフィルムを基材とした透明導電性薄膜が用いられるようになった。
このようなフィルム基材を用いて製造された従来の透明導電性薄膜は、耐摩擦性に劣り、使用中に傷がついて、電気抵抗が増大したり、断線を生じる問題があった。特に、タッチパネル用の導電性薄膜では、スペーサーを介して対向させた一対の薄膜同士がその一方の基材側からの押圧打点で強く接触するものであるために、これに抗しうる良好な耐久特性つまり打点特性を有していることが望まれるが、従来の透明導電性薄膜ではこのような特性に劣り、タッチパネルとしての寿命が短くなるという問題があった。
この問題の解決のために、特許公報第2667680号には、特定厚みの透明フィルム基材の、一方の面上にあらかじめ導電性薄膜をスパッタリング等により形成させた後に、他方の面に特定の特性を有する透明粘着剤を介して透明基材を貼りあわせた透明導電性積層体が提案されている。この方法では、粘着剤がクッションの役目を果たし、透明導電性薄膜の耐磨耗性は大幅に改善できるものの、本質的にフィルムと透明導電膜間の接着が不十分なことに起因する耐久性の不足は解決されておらず、さらにフィルムと貼り合わせによる透明度の低下、作業工程の増加などの問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、フィルム基材に形成される透明導電性薄膜の耐擦傷性および打点特性を改良し、しかも生産性も優れている透明導電性積層体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の透明導電性積層体の製造方法は、透明フィルム上に、該フィルムの温度を160℃以上に保って透明導電膜を形成することを特徴とする。この方法によれば、耐擦傷性および打点特性に優れた透明導電性積層体を生産性よく製造することができる。
本発明によれば、透明フィルム上に少なくとも160℃以上の温度条件で透明導電膜を形成することにより、耐擦傷性および打点特性に優れた透明導電性積層体を生産性よく製造することができる。
本発明において使用されるフィルム基材としては、透明性を有し、かつ160℃以上の温度での透明導電膜製膜プロセスにおいて、基材の変形、変色等の品質変化がない各種のプラスチックフィルムを使用できる。具体的には、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリル、アセチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルフォン、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
液晶ディスプレーやタッチパネル等のディスプレーの透明電極に用いる場合、透明性や非旋光性等の光学特性、低吸水性、耐熱性、機械的強度等の物理特性、価格等の様々な観点からフィルム基材が選ばれるため、それぞれのフィルム基材に一長一短があるが、総合的な観点から見ると、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ノルボルネン系樹脂が好ましい。さらに近年画質の品質や高温高湿時の寸法安定性が重要視されてきており、この観点から見ると、透明性、光の分散性(屈折率や複屈折の波長依存性)や非旋光性等の光学特性、耐熱性、低吸水性が他のポリマーに比べてはるかに優れているノルボルネン系樹脂が特に好ましい。
ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン構造を有するモノマーと必要に応じて加えられた他の重合性モノマーとを、開環重合したり付加重合したりして得られるポリマーが含まれるものであるが、とりわけ、下記式(1)で表される環状オレフィンに由来する繰り返し単位を少なくとも1種含む環状オレフィン付加共重合体が好ましい。
〔式(1)中、A1〜A4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン化炭化水素基、エステル基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、加水分解性シリル基、オキセタニル基を含む置換基から選ばれた置換基であり、これらの置換基はさらに炭素数1〜10のアルキレン基あるいは酸素原子を含む炭素数1〜10の連結基を介して連結されていてもよい。また、A1とA2またはA1とA4は互いに結合してアルキレン基、アリーレン基、酸無水物、ラクトンを形成していてもよい。mは0または1である。〕
環状オレフィン系付加重合体がアルキル基を有する置換環状オレフィンの繰り返し単位を任意に含むことにより、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度を制御するなど成形加工性を改良でき、かつ得られるフィルム基材に柔軟性を付与できる。
環状オレフィン系付加重合体がアルキル基を有する置換環状オレフィンの繰り返し単位を任意に含むことにより、得られる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度を制御するなど成形加工性を改良でき、かつ得られるフィルム基材に柔軟性を付与できる。
また、環状オレフィン系付加重合体が加水分解性シリル基あるいはオキセタニル基を含む置換基を有する繰り返し単位を含む場合ならば、加熱あるいは光照射によって酸を発生する化合物(以下、それぞれ「熱酸発生剤」、「光酸発生剤」ともいう。)の作用により架橋構造を形成し、得られたフィルム基材の耐薬品性あるいは機械的強度を向上させることができる。ここで、加水分解性シリル基とは、酸触媒および適宜供給される水あるいは水蒸気による加水分解/縮合反応を経てシロキサン結合を形成し、その結果シリル基間の架橋を可能とするものであり、下記式(2)あるいは下記式(3)で表されるものである。
[式(2)中、R1,R2,R3の少なくとも1つはアルコキシ基、アリロキシ基およびハロゲン原子から選ばれた置換基を示し、それ以外は炭素数が1〜3のアルキル基である。]
[式(3)中、R4は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜20の脂肪族ジオール、脂環族ジオールあるいは芳香族ジオールの炭化水素残基を示す。]
かかる架橋可能な繰り返し単位の全繰り返し単位中の割合としては、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%、さらに好ましくは15モル%以下である。30モル%を超えると、フィルム基材の吸水性が増大したり、架橋時の収縮が大きいため目的とする用途に不適切なものとなることがある。
かかる架橋可能な繰り返し単位の全繰り返し単位中の割合としては、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%、さらに好ましくは15モル%以下である。30モル%を超えると、フィルム基材の吸水性が増大したり、架橋時の収縮が大きいため目的とする用途に不適切なものとなることがある。
前記熱酸発生剤としては、50℃以上で酸が発生する化合物が好ましく用いられ、また、前記光酸発生剤としては、g線、h線、i線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の光線照射によりブレンステッド酸またはルイス酸を生成する化合物が用いられる。これらは公知の物質を適宜選択してよく、1種単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。熱酸発生剤および光酸発生剤は、環状オレフィン系付加重合体100重量部当たり、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5.0重量部の範囲で用いることができる。0.001重量部より少ない場合には架橋の効果が充分に得られず、10重量部を超えると、フィルム基材の機械的強度、電気特性、透明性が損なわれることがある。
これら環状オレフィン系付加重合体を得るために用いる単量体として、重合に関与しない不飽和結合を有するもの、例えばトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン(ジシクロペンタジエン)やエチリデンノルボルネンなどを用いた場合、フィルム基材が高温下での劣化を受けやすくなる。このような問題は、これら環状オレフィンを付加重合した後に不飽和結合の90モル%以上、好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上を水素化することで回避できる。水素化反応は、公知の不均一系触媒あるいは均一系触媒を適宜用い、通常、水素圧1.0〜15MPaの範囲、温度50〜250℃の範囲で行うことができる。
これらフィルム基材を構成する樹脂のガラス転移温度は、少なくとも180℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは230℃以上、特に好ましくは250〜400℃である。ガラス転移温度が180℃以下では透明導電膜製膜の際に、フィルム基材が変形、収縮等により実用に耐えないものとなってしまうことがある。
さらに本発明のフィルム基材は、フィルム厚み100μmでのリターデーションが15nm以下、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。リターデーションが15nm以上になると円偏光フィルムを用いたインナー型タッチパネルの上部基材などへの使用が困難となる。また全光線透過率が90%未満になるとパネル画面が暗くなるなどの不都合が生じる。
さらに本発明のフィルム基材は、フィルム厚み100μmでのリターデーションが15nm以下、全光線透過率が90%以上であることが好ましい。リターデーションが15nm以上になると円偏光フィルムを用いたインナー型タッチパネルの上部基材などへの使用が困難となる。また全光線透過率が90%未満になるとパネル画面が暗くなるなどの不都合が生じる。
また、フィルム中には、必要に応じて酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤など通常フィルムの中に混入して用いられる添加剤、さらに架橋反応のための助剤等を、種々の目的で添加することも可能である。フィルム基材を製造する方法は、特に限定されることはなく、公知の溶融押出し法、溶液キャスティング法、塗工法等の方法を用いることができるが、フィルムの表面平滑性から見ると溶液キャスティング法や塗工法で製造したフィルム基材が好ましい。また必要に応じてフィルム製造工程の中で、熱、光、水蒸気等により架橋反応を行わせることもできる。
本発明ではフィルム基材の厚みは、2〜400μm程度が好ましい。2μmより薄いと
基材そのものの機械的強度が不足し、この基材をロール状にして粘着剤層を塗布したり、後述するハードコーティング処理等の連続作業に困難が伴う。このような観点で、10μm以上の厚みであることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。400μm以上になると、ロール状にすると巻癖がつき、連続作業が困難であるばかりか、巻癖が残存するため使用できないことになる。このような観点で、好ましい厚みは、300μm以下であり、特に好ましくは250μm以下である。
基材そのものの機械的強度が不足し、この基材をロール状にして粘着剤層を塗布したり、後述するハードコーティング処理等の連続作業に困難が伴う。このような観点で、10μm以上の厚みであることが好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。400μm以上になると、ロール状にすると巻癖がつき、連続作業が困難であるばかりか、巻癖が残存するため使用できないことになる。このような観点で、好ましい厚みは、300μm以下であり、特に好ましくは250μm以下である。
このフィルム基材は、その表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、この上に設けられる導電性薄膜や粘着剤、あるいは必要に応じて機能化するためにフィルム表面に形成される各種コート剤や薄膜の密着性を高めることもできる。また、導電性薄膜等を設ける前に、必要に応じて溶剤や水、酸、アルカリ等による洗浄や超音波洗浄などにより除塵、洗浄化しておくこともできる。
本発明で使用するフィルム基材は、同フィルム基材同士、あるいは異種のフィルム基材と粘着剤、接着剤を介して貼り合わせて使用することもできる。この貼り合わせは、透明フィルム基材の一方に粘着剤層、あるいは接着剤層を設けておき、これに他方のフィルム基材を貼り合わせることで実施できる。この貼り合わせは、公知の方法を適宜選んで実施できるが、フィルムをロール状にして、連続的に行うのが生産性の面で有利である。粘着剤層、接着剤層としては、透明性を有するものであれば、特に制限されることはない。
本発明の透明導電性積層体を形成するため、フィルム基材の片方の外表面に透明な導電性薄膜を形成する。導電性薄膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの従来公知の技術をいずれも使用できるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も特に制限されるものではなく、例えば、酸化錫を含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などが好ましく用いられる。この導電性薄膜の厚さは、30Å以上とすることが必要で、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難い。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすために、好適な厚さとしては、50〜2000Å程度である。
本発明においては、透明導電膜を製膜する際の温度をコントロールすることが重要である。従来フィルムへのスパッタリングでは100℃以下の温度で実施されていた。フィルム基材と透明導電膜の接着力にはスパッタリング温度が大きく影響する。160℃以上の温度で製膜した場合に、耐久性に優れた透明導電性積層体を得ることができる。またより抵抗値を下げるためには180℃以上での製膜がさらに好ましく、200℃以上での製膜が特に好ましい。
このようにして製膜された導電性薄膜の上に透明な誘電体薄膜を形成すると、さらに透明性と耐擦傷性、打点特性が改善され、より好ましい透明導電性積層体が得られる。この誘電体薄膜は、導電性薄膜の屈折率より小さいもの、通常1.3〜2.0、好ましくは1.3〜1.6の屈折率を有するものがよく、例えばCaF2、MgF2、NaAlF6、Al2O3、SiOx(x=1〜2)、ThF4などが好ましく、この中でもSiOxがもっとも好ましい。これらの材料は、目的に従って、2種以上を併用することもできる。誘電体の膜厚は、100Å以上とすることが好ましく、通常100〜3000Å、好適には200〜1500Åが好ましい。薄いと連続被膜が得られ難く透明性や耐擦傷性改善効果が小さく、厚いと導電性や透明性が悪化しクラックが生じ易くなる。誘電体の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗工法など公知の方法で実施することができる。
次に、透明導電性積層体に、目的に応じて各種機能を付与する場合があり、むしろこれらが、より好適な実施態様になる場合が多い。これについて以下説明を加える。
フィルム基材は透明導電性薄膜の形成やその後の加工あるいは装置組み立て時に、傷が生じ易く、また積層体において、導電性薄膜を形成した面の反対側の面は裸の状態にあるために、使用中に表面傷が生じ易く、これが原因で透明導電膜積層体としての視認性が低下する問題があり、これを避けるためにフィルム基材にハードコート処理を施したものを用いるのが好ましい。
フィルム基材は透明導電性薄膜の形成やその後の加工あるいは装置組み立て時に、傷が生じ易く、また積層体において、導電性薄膜を形成した面の反対側の面は裸の状態にあるために、使用中に表面傷が生じ易く、これが原因で透明導電膜積層体としての視認性が低下する問題があり、これを避けるためにフィルム基材にハードコート処理を施したものを用いるのが好ましい。
ハードコート処理は、透明導電膜製膜前、あるいは後にフィルムの両面或いは片面に実施することができる。ハードコート処理を、積層体における導電薄膜の反対側の外表面に実施することが特に好ましい。ハードコート処理層は、メラニン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等の硬化型樹脂からなる硬化被膜であることが好ましい。ハードコート処理層のうちアクリル系樹脂は、導電薄膜の密着性を高めることもあり、導電膜形成前の下地剤としての効果も有するのでもっとも好適に用いられる。
このような硬化被膜の形成に際しては、上述の硬化型樹脂に必要に応じて帯電防止剤、重合開始剤などの各種の添加物を加えてなる組成物を、通常溶剤で希釈して固形分が20〜80重量%となるように調製し、これを透明フィルム基材の一面に、一般的な溶液塗工手段であるグラビアコータ、リバースコータ、スプレーコータ、スロットオリフィスコータまたはスクリーン印刷などの手段により、乾燥硬化後の厚みが1〜15μm程度となるように塗布した後、加熱乾燥後紫外線照射や電子線照射あるいは加熱により硬化させることができる。このハードコート処理層の形成に先立ち、被着面にコロナ放電、紫外線照射、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、プライマ処理などの易接着処理をすることで、透明フィルムとハードコート処理層との密着性を高めることができる。
また、透明導電性積層体における、透明導電膜を形成した面と反対側の面が裸であるために、眩しさを感じたり、表面に傷が生じるとこれらのことが原因で、透明導電性薄膜を使用した製品において視認性に劣る問題があった。この問題を解決するために、防眩処理剤をフィルム外表面に塗工したものが好ましく使用される。
防眩処理剤は、上述のハードコート剤にシリカ粒子を分散結着させてなる硬化膜が好ましい。ここで用いるシリカ粒子は、非晶質で多孔性のものであり、代表例としてシリカゲルを挙げることができる。平均粒子径としては、通常30μm以下、好ましくは2〜15μm程度であり、配合割合は、樹脂100重量部に対してシリカ粒子が、0.1〜10重量部となるようにするのが好ましい。シリカ粒子の量が少ないと、防眩効果が劣り、多いと光透過率や被膜強度が低下する。防眩処理剤は、上述のハードコート処理とまったく同様にフィルムに塗布し、硬化させることができる。防眩処理剤は、ハードコート処理も兼ねており防眩効果のみでなく、傷防止効果も与える。
防眩処理剤は、上述のハードコート剤にシリカ粒子を分散結着させてなる硬化膜が好ましい。ここで用いるシリカ粒子は、非晶質で多孔性のものであり、代表例としてシリカゲルを挙げることができる。平均粒子径としては、通常30μm以下、好ましくは2〜15μm程度であり、配合割合は、樹脂100重量部に対してシリカ粒子が、0.1〜10重量部となるようにするのが好ましい。シリカ粒子の量が少ないと、防眩効果が劣り、多いと光透過率や被膜強度が低下する。防眩処理剤は、上述のハードコート処理とまったく同様にフィルムに塗布し、硬化させることができる。防眩処理剤は、ハードコート処理も兼ねており防眩効果のみでなく、傷防止効果も与える。
次に、反射防止層を設けた透明導電性積層体について説明する。透明導電性薄膜は、ディスプレー装置に用いられ、表面で光が反射すると画像が不鮮明になり、場合によっては画像が見え難くなることがあった。高い光線透過能を有し、基材表面の耐擦傷性に優れ、その上基材表面での光の反射を防止しうる反射防止機能も備えたものは、実用上更に好ましい透明導電性積層体である。
反射防止層は、導電性薄膜形成後に、この導電性薄膜の形成されていない外表面に形成される。この反射防止層は、フィルム基材とは異なる屈折率を有する単層構造または2層以上の多層構造が含まれる。単層構造では、フィルム基材に比べ小さな屈折率を有する材料が選択される。反射防止効果をより優れたものとするために、多層構造とする場合、フィルム基材に比べ大きな屈折率を有する材料層を設け、その上にこれより小さな屈折率を有する材料層を設けることが好ましく、隣接層相互間で屈折率の異なる材料構成が用いられるが、より好ましくは3層以上の多層構造として最外層の屈折率がこれに隣接する下層の屈折率よりも小さくなるような材料構成とするのがよい。このような反射防止層を構成させるための材料としては、例えばCaF2、MgF2、NaAlF4、Al2O3、SiOx(x=1〜2)、ThF4、ZrO2、Sb2O3、Nd2O3、SnO2、TiO2、In2O3などの誘導体が挙げられる。その屈折率が前記関係を満たすように適宜選択される。この反射防止層は、導電層と同じような薄膜形成技術により形成することができる。その厚みは、反射防止層としての全体厚が、一般に500〜5000Å程度となる範囲内で選択される。この層は、表面の硬度も高めるため、耐擦傷性も向上する。
また、この透明導電性積層体は、ディスプレー装置に用いられるために、加工時や使用時にその表面に指紋や汚れが生じ、まぶしさを感じるなど薄膜製品全体としての視認性に問題が生じる場合があった。この問題を解決するために、積層体の外表面に撥水および汚れ防止処理層を有する透明導電性積層体は用途によっては好ましい。撥水および汚れ防止処理層は、ハードコート形成とまったく同じようにして、フィルム外表面に形成できる。このような撥水および汚れ防止処理層を形成するための材料としては、例えば水酸基またはビニル基を含有するジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジエンポリシロキサンとの組み合わせからなるシリコン含有化合物、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどの弗素系樹脂のほか、硫化モリブデンなどが単独または化合物として用いられる。上記処理層の密着性や硬度向上のため、既述したハードコート剤等の硬化型樹脂に分散結着させ、基材表面に硬化膜層として設けてもよい。また、防眩効果や耐擦傷性を高める目的で、上記シリカ粒子を分散させることもできる。この撥水および汚れ防止層の形成は、特に限定されず、用いる材料に応じて、塗工法、スプレー法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、焼き付け法などを用いることができる。処理層の厚みは特に限定されないが、通常100Å〜50μm程度が良い。薄いと連続膜が得られ難く撥水効果が乏しく、厚いとクラックが生じ易くなることがある。
上述の機能化処理は、2種以上を組み合わせて実施することも可能であり、特にハードコート剤と防眩処理と撥水や汚れ防止処理剤とは組み合わせて使用すると効率的である。
[実施例]
以下に、この発明を実施例でより具体的に説明する。
[実施例]
以下に、この発明を実施例でより具体的に説明する。
<ノルボルネン系樹脂の合成、フィルム基材の作製>
単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを700ミリモル、endo−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−エン(endo/exo=96/4)を570ミリモル、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを30ミリモル、1−ヘキセンを5ミリモル、溶媒としてシクロヘキサン400g、塩化メチレン100gを2Lのステンレス製反応器に窒素下で仕込んだ。
単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを700ミリモル、endo−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−エン(endo/exo=96/4)を570ミリモル、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを30ミリモル、1−ヘキセンを5ミリモル、溶媒としてシクロヘキサン400g、塩化メチレン100gを2Lのステンレス製反応器に窒素下で仕込んだ。
オクタン酸ニッケルのヘキサン溶液とヘキサフロロアンチモン酸を−10℃、モル比1:1で反応させ、副生するビス(ヘキサフロロアンチモン酸)ニッケル、[Ni(SbF6)2]の沈殿をろ過で除去し、トルエンで希釈した。得られたオクタン酸ニッケルのヘキサフロロアンチモン酸変性体をニッケル原子として0.40ミリモル、三フッ化ホウ素エチルエーテラート1.2ミリモル、メチルアルモキサン8.0ミリモル、1,5−シクロオクタジエン0.4ミリモル、メチルトリエトキシシラン8.0ミリモルを、メチルトリエトキシシラン、1,5−シクロオクタジエン、メチルアルモキサン、三フッ化ホウ素エチルエーテラート、オクタン酸ニッケルのヘキサフロロアンチモン酸変性体の順に仕込み、重合を開始した。30℃で3時間重合を行い、メタノールを添加して重合を停止した。単量体の共重合体への転化率は92%であった。
共重合体溶液にシクロヘキサン480gを加えて希釈し、そこに水660ml、乳酸48ミリモルを加え、充分に攪拌混合した後、共重合体溶液と水相を静置分離した。触媒成分の反応物を含む水相を除去し、共重合体溶液を4Lのイソプロピルアルコールに入れて共重合体を凝固し、未反応単量体および触媒残さを除去した。凝固した共重合体を乾燥し、環状オレフィン系付加重合体A(以下、「共重合体A」ともいう。)を75g得た。
共重合体A中の5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する繰り返し単位の割合は2.1モル%、endo−トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−エンに由来する繰り返し単位の割合は35モル%であった。また、共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量は89,000、重量平均分子量は187,000、で、Mw/Mnは2.1であった。
次に、共重合体A10gをシクロヘキサン35.5gに溶解して、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を共重合体100部に対して1.0部、および架橋触媒として亜リン酸トリブチルを共重合体100部に対して0.5部それぞれ添加した。この共重合体溶液をキャストして、生成したフィルムを150℃で2時間乾燥、さらに真空下200℃で1時間乾燥した。さらにこのフィルムを150℃の水蒸気下で4時間熱処理した。その後、真空下200℃で1時間乾燥して、厚さ100μmの架橋フィルムAを作製した。
得られたフィルムAの特性は全光線透過率:91%、ガラス転移温度:375℃、リターデーション:5nmであった。
<透明導電積層体の作成>
上述と同様の操作により得られた縦200mm、横200mm、厚さ100μmのシート上にスパッター機を用いて以下の条件でインジウム−スズ酸化物(ITO)膜を形成した。
<透明導電積層体の作成>
上述と同様の操作により得られた縦200mm、横200mm、厚さ100μmのシート上にスパッター機を用いて以下の条件でインジウム−スズ酸化物(ITO)膜を形成した。
基材温度:200℃
ターゲット:In2O3/SnO2=90/10(重量比)の合金
雰囲気:アルゴンガス流入下
スパッター速度:80Å/min
スパッター圧力:10-3 torr
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
ターゲット:In2O3/SnO2=90/10(重量比)の合金
雰囲気:アルゴンガス流入下
スパッター速度:80Å/min
スパッター圧力:10-3 torr
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
フィルム基材として、実施例1と同じフィルムAを用いて、基板温度を250℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でITO製膜を実施した。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
フィルム基材として、厚さ100μmの帝人ピュアエース(R)WR(芳香族系ポリカーボネート)フィルムを用いた。 このフィルムの特性は全光線透過率:90%、ガラス転移温度:210℃、リターデーション:20nmであった。本フィルムを用い、基板温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でITO製膜を実施した。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
充分に窒素で置換した2Lのステンレス製反応器へ、脱水したトルエン750gおよびシクロヘキサン200gを仕込み、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを150g、75重量%としたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンのトルエン溶液を170g加えた。エチレンを20℃における分圧で0.015MPaとなるまで導入した後、反応器のバルブを閉じ75℃に昇温した。続いて0.005mol/lの酢酸パラジウムのトルエン溶液を1.1ml、0.002mol/lのトリシクロヘキシルホスフィンのトルエン溶液を2.75ml、0.001mol/lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を5.5ml加え重合を開始した。重合開始後60分および90分経過した際に、上記ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンのトルエン溶液をそれぞれ15g添加し、重合を合計4時間継続させた。全単量体の重合体への転化率は99%であった。得られた共重合体溶液をイソプロピルアルコール約10Lへ注いで凝固し、真空下80℃で17時間乾燥して環状オレフィン系共重合体B(以下、「共重合体B」ともいう。)を得た。共重合体Bにおける5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する繰り返し単位の割合は39mol%、数平均分子量は42,000、重量平均分子量は175,000であった。
共重合体B100重量部をトルエン280重量部とシクロヘキサン70重量部からなる混合溶液に溶解して、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ0.6重量部添加した。得られた共重合体溶液を孔径10μmのメンブランフィルターで濾過した後、25℃でキャストし、生成したフィルムを160℃で2時間乾燥し、厚さ100μmのフィルムBを作成した。得られたフィルムBの特性は、全光線透過率が93%、ガラス転移温度が345℃、リターデーションが5nmであった。
得られたフィルムBを用い、実施例2と同様の方法にてITO製膜を実施した。この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性を測定し表−1に示す。
フィルム基材として、厚さ100μmのJSRアートン(R)(ノルボルネン系)フィルムを用いた。 このフィルムの特性は全光線透過率:90%、ガラス転移温度:170℃、リターデーション:3nmであった。本フィルムを用い、基板温度を130℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でITO製膜を実施した。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
フィルム基材として厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムという。)を用いて、基板温度を50℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でITO製膜を実施した。ついで上記PETフィルムの他方の面に、弾性係数が1.2×10の6乗dyn/cm2に調整されたアクリル系の透明な粘着剤層(アクリル酸ブチルとアクリル酸と酢酸ビニルの重合比100:2:5の共重合体100重量部にイソシアネート系架橋剤を1重量部配合させたもの)を約20μmの厚さに形成し、この上に厚さが100μmのPETフィルムを貼りあわせた。この導電性薄膜の平均抵抗値、透過率、耐擦傷性、打点特性とを測定し表−1に示す。
フィルム基材の特性は以下のように実施した。
全光線透過率・・ASTM−D1003に準拠し、厚さが100μmのフィルムで測定した。
ガラス転移温度・・動的粘弾性のtanδ(貯蔵弾性率E'と損失弾性率E''との比)ピーク温度でフィルム基材のガラス転移温度を測定した。動的粘弾性の測定はレオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのものを用いて得られるtanδの温度分散のピーク温度で求めた。
全光線透過率・・ASTM−D1003に準拠し、厚さが100μmのフィルムで測定した。
ガラス転移温度・・動的粘弾性のtanδ(貯蔵弾性率E'と損失弾性率E''との比)ピーク温度でフィルム基材のガラス転移温度を測定した。動的粘弾性の測定はレオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmのものを用いて得られるtanδの温度分散のピーク温度で求めた。
リターデーション・・回転アナライザー式自動エリプソメーター((株)溝尻光学工業所製)を用いて楕円偏向解析法により、楕円偏向の位相差Δを測定することで、以下の式(1)よりリターデーションReを計算した。なお、レーザー光の入射光角度を0°とし、リターデーションを評価した。
Δ=−k0(nx−ny)d=−k0Re (1)
ただし、k 0は波数( = 2π/λ)、nx,ny,nzはフィルムの3次元屈折率を直交する座標系x,y,zに取った際の各屈折率,dはフィルム光路長である。
Δ=−k0(nx−ny)d=−k0Re (1)
ただし、k 0は波数( = 2π/λ)、nx,ny,nzはフィルムの3次元屈折率を直交する座標系x,y,zに取った際の各屈折率,dはフィルム光路長である。
作製した透明導電性積層体の特性の測定法は以下の通りである。
・平均抵抗値・・四端子法を用い、等間隔で9点を測定し、平均値を計算して求めた。
・透過率・・分光透過率計を用い、550nmの波長の、光の透過率を求めた。
・耐擦傷性・・ヘイドン表面性測定機を用い、荷重90g/cm2のガーゼで、擦傷速度30cm/分、擦傷回数100回の条件で薄膜表面を擦った後に、抵抗値(Rs)を測定し、初期値(Ro)に対する変化率を求めた。
・打点特性・・2枚の透明導電性積層フィルムを厚さ100μmのスペーサーを介して導電性薄膜同士が向かい合うように対向配置し、硬度40度のウレタンゴムからなるロッド(鍵先7R)を用いて、荷重90gで100万回のセンター打点を行った後に、抵抗値(Rd)を測定し、初期抵抗値(Ro)に対する変化率を求めた。
・平均抵抗値・・四端子法を用い、等間隔で9点を測定し、平均値を計算して求めた。
・透過率・・分光透過率計を用い、550nmの波長の、光の透過率を求めた。
・耐擦傷性・・ヘイドン表面性測定機を用い、荷重90g/cm2のガーゼで、擦傷速度30cm/分、擦傷回数100回の条件で薄膜表面を擦った後に、抵抗値(Rs)を測定し、初期値(Ro)に対する変化率を求めた。
・打点特性・・2枚の透明導電性積層フィルムを厚さ100μmのスペーサーを介して導電性薄膜同士が向かい合うように対向配置し、硬度40度のウレタンゴムからなるロッド(鍵先7R)を用いて、荷重90gで100万回のセンター打点を行った後に、抵抗値(Rd)を測定し、初期抵抗値(Ro)に対する変化率を求めた。
上記結果から明らかなように、本発明では、透明導電性積層体を、フィルム基材を160℃以上の温度に保って導電性薄膜をスパッタリングにより形成しており、スパッタリングによる導電薄膜形成時にフィルムの強度が増しているために耐擦傷性、打点特性も優れた透明導電性積層体が得られる。
特にフィルム基材としてノルボルネン系樹脂を用いて、230℃以上好ましくは250℃以上で導電性薄膜をスパッタリングにより形成すると、耐擦傷性に優れた透明導電性積層体が得られる。
特にフィルム基材としてノルボルネン系樹脂を用いて、230℃以上好ましくは250℃以上で導電性薄膜をスパッタリングにより形成すると、耐擦傷性に優れた透明導電性積層体が得られる。
Claims (8)
- 透明フィルム上に、該フィルムの温度を160℃以上に保って透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
- フィルムの温度を200℃以上に保って透明導電膜を形成する請求項1に記載の製造方法。
- 透明フィルムが、ガラス転移温度が180℃以上であり、かつ実質的に非晶質な重合体からなる請求項1に記載の製造方法。
- 透明フィルムが、ガラス転移温度が200℃以上であり、かつ実質的に非晶質な重合体からなる請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- 透明フィルムが、フィルム厚み100μmでのリターデーションが15nm以下であり、全光線透過率が90%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 透明フィルムが下記式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも1種含む重合体を含有する組成物からなる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法;
〔式(1)中、A1〜A4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン化炭化水素基、エステル基、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、加水分解性シリル基、オキセタニル基を含む置換基から選ばれた置換基であり、これらの置換基はさらに炭素数1〜10のアルキレン基あるいは酸素原子を含む炭素数1〜10の連結基を介して連結されていてもよい。また、A1とA2またはA1とA4は互いに結合してアルキレン基、アリーレン基、酸無水物、ラクトンを形成していてもよい。mは0または1である。〕。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られた透明導電性積層体。
- 請求項7に記載の透明導電性積層体を少なくとも一方の電極として有するタッチパネル。
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