JP4233180B2 - 透明導電性高分子基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明導電性高分子基板に関し、耐溶剤性、ガスバリアー性に優れ、該透明導電性高分子基板の透明導電層を外部回路と接続したとき良好な導通信頼性が得られる透明導電性高分子基板に関するものである。かかる基板は液晶表示パネル、光導電性感光体、面発光体、有機エレクトロルミネッセンス用などの透明電極基板として利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ペイジャー、携帯電話、電子手帳、携帯情報端末等の携帯して移動できる情報機器が普及し始め、ビジネス或いはライフスタイルの変革期を迎えようとしてる。
【0003】
これらの情報機器の携帯性を向上するため、より一層の薄型化・軽量化・耐破損性が求められている。従来、液晶表示パネル、タッチパネル等に用いる透明導電基板は通常ガラス等の透明基材に電極として導電層を形成する。しかし、ガラスは重く、厚く、割れやすい。そこでこれに代わる材料として透明樹脂基板が提案されている。
【0004】
液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンス等に用いる透明導電基板は、多くの場合対向電極間に電圧を印加して駆動するが、このような基板の対向電極の引き出し線には駆動用の回路と接続する際に、回路の配線が裏表の関係になり接続が難しい。これを解決する方法として上部基板の電極を下部基板の電極に導電性粒子を介して導通させる技法があり、ガラス基板では一般的に用いられている手法である。しかし、透明樹脂基板はガラス基板と比較するとはるかに柔らかく、また塑性変形率が大きく異なるため透明導電層に割れが生じ易く、高い信頼性を維持しながら導電粒子を介して上下基板の導通をとることが難しい。さらに、この手法を用いる際に加える熱や圧力によっても、透明導電膜は割れを起こしやすい。また、透明導電膜と駆動回路を接続する際にも、導電粒子を介した導電異方性接着剤を使用する、またはヒートシールコネクターを使用して接続することがある。このような透明導電膜の接続に際しても、透明導電膜の割れが問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決しようとするものであり、耐溶剤性、ガスバリアー性に優れ、該透明導電性高分子基板の透明導電層を外部回路と接続したとき良好な導通信頼性が得られる透明導電性高分子基板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の発明により達成される。すなわち本発明は、透明高分子基材(P)の少なくとも一方の面に硬化樹脂層(B)が設けられ、硬化樹脂層(B)上に透明導電層(E)を設けた透明導電性高分子基板であって、超微小硬度計で測定したとき、該透明導電層は硬さが15以上であって、かつ、塑性変形率が50%以下であることを特徴とする透明導電性高分子基板である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における透明高分子基材(P)を構成する透明高分子からなるフィルムまたはシート(S)としては、透明性、耐熱性が良い透明高分子であれば特に限定しない。本発明の透明導電層基板に導電層を設置して、液晶表示パネルの透明電極基板として用いる場合や、液晶表示パネルの透明導電性高分子基板と偏光板との間に設置されたタッチパネルの透明導電性高分子基板として用いる場合には、透明高分子からなるフィルムまたはシートは、公知の測定装置を用いて測定した波長590nmにおける複屈折の屈折率の差△nと膜厚dとの積△n・dで表わされるリタデーション値が30nm以下、かつ、遅相軸のバラツキが±30度以内の光学等方性を有するもの、さらに好ましくはリタデーション値が20nm以下、かつ遅相軸のバラツキが±15度以内の光学等方性を有するものが良い。
【0008】
このような透明高分子からなるフィルムまたはシートとしては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン等のポリスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート等のアセテート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、各種熱硬化樹脂等のフィルム又はシートであることが好ましい。特に液晶表示パネルの透明電極として用いる場合は、パネルの製造条件からの要求により、Tgが120℃以上であることが好ましい。さらに液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスなどの透明電極として用いる場合には駆動装置を接続する際にHSC(ヒートシールコネクター)やACF(異方導電性フィルム)を用いることがあるが、接続信頼性を向上する上で高い温度をかける必要があるため、Tgが160℃以上であることがより好ましい。なかでも、上記透明性、及び光学異方性が少ないという光学特性の観点から、流延法によって得られるポリカーボネート系樹脂を主成分とするフィルム又はシートが好ましい。
【0009】
ポリカーボネート系樹脂の例としては、ビスフェノール成分がビスフェノールAであるポリカーボネート樹脂、ならびに、ビスフェノール成分がビスフェノールAと下記一般式[I]からなるポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【化1】
Figure 0004233180
【0010】
ここでR1、R2、R3およびR4は同一または異なり水素原子あるいはメチル基、Xは炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のアラアルキレン基、炭素数1〜5のハロアルキレン基である。
【0011】
Xの具体例は、シクロアルキレン基として1,1−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン、ノルボルナン−2,2−ジイル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8、8’−ジイル、特に原料の入手のし易さから1,1−シクロヘキシレン、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレンが好適に用いられる。また、アラアルキレン基としてはフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、1,1−(1−フェニル)エチレン、9,9−フルオレニレンが挙げられる。また、ハロアルキレン基としては2,2−ヘキサフルオロプロピレン、2,2−(1,1,3,3−テトラフルオロ−1,3−ジシクロ)プロピレン等が好適に用いられる。これらは1種でもよいし2種以上でもよい。
【0012】
上記フィルムまたはシートの厚さは0.05〜0.4mmの範囲が好ましい。厚さが0.05mmよりも小さいと充分な剛性がなくパネル加工時に変形しやすく取り扱いが難しい。また、0.4mmよりも大きいと剛性は向上し取り扱いやすくなるが、ロール・ツー・ロール方式による透明導電層の形成が困難になり生産性が低下する。
【0013】
本発明における硬化樹脂層(B)としては、酸、アルカリ、N−メチルピロリドン等の薬品に対する耐性が強ければ特に限定しない。この様な硬化性樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化性アクリル系樹脂等の放射線硬化樹脂、ビニルアルコール系ポリマーと、エポキシ基含有珪素化合物及び、アミノ基含有珪素化合物等の珪素含有化合物とを混合して加熱し架橋反応させて得られる熱硬化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂を挙げることができる。
【0014】
エポキシ系樹脂は耐溶剤性の観点からノボラック型のエポキシ樹脂が好ましい。かかるエポキシ系樹脂を硬化させる硬化剤としては、公知の物が適用できる。例えばアミン系、ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が用いられる。
【0015】
なかでも好ましい硬化剤として、耐溶剤性、光学特性、熱特性の点で、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーまたは脂肪族アミン類が好ましく用いられ、さらに好ましくは酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーが用いられる。
【0016】
エポキシ系樹脂の硬化に際しては、さらに速度を上げるために公知の第三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加えることが好ましい。
【0017】
放射線硬化樹脂は、紫外線や電子線等の放射線を照射することにより硬化が進行する樹脂を指し、具体的には分子あるいは単体構造内にアクリロイル基、メタクロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む樹脂のことである。これらの中でも特に反応性の面から、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が好ましい。該放射線硬化性樹脂は一種類の樹脂を用いても、数種類の樹脂を混合して用いても構わないが、耐溶剤性の観点から分子あるいは単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート成分を有するアクリル系樹脂を用いることが好ましい。こうした多官能アクリレート樹脂としては、例えばジペンタエリスルトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の各種アクリレートモノマーやポリエステル変性もしくはウレタン変性の多官能アクリレートオリゴマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
この様な放射線硬化樹脂として、特にアクリル系樹脂を用いた場合、更なる密着性、耐溶剤性を付与する目的で下記式[IV]および/または[V]で表わされるアルコキシシランの加水分解物を固形分の重量比率で75重量%以下となる範囲内になるように混合した、紫外線硬化性珪素含有アクリル系樹脂が好適である。
【0019】
【化2】
1−Si(OR23 [IV]
Si(OR64 [V]
上記式において、R5はメチル基、エチル基もしくはビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、エポキシ基を含む有機基、R6はメチル基、エチル基、プロピル基を示す。該アルコキシシランの混合比率が75重量%を超えると逆に耐溶剤性、硬化性が低下する傾向がみられ好ましくない。
【0020】
紫外線硬化法を用いる場合には、前述の放射線硬化性樹脂に公知の光反応開始剤を適量添加する。例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン等のチオキサン系化合物が挙げられる。また、より硬化性を向上するためには、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の公知の反応開始助剤を適量添加することも効果的である。
【0021】
熱硬化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、珪素含有化合物とを含む硬化性樹脂を好ましく用いることができる。
【0022】
ポリビニルアルコール系ポリマーは、公知の市販のものが適用でき、例えばビニルアルコール成分およびビニルアルコール共重合体成分よりなる群から選ばれた少なくとも1種を50モル%以上含有する高分子が適用される。なお、このビニルアルコール共重合体としては、例えばビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ビニルアルコール−ビニルブチラール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいは分子内にシリル基を有するポリビニルアルコール系高分子等が挙げられる。
【0023】
また、耐薬品性、密着性の点から、ケン化度80%以上のポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、分子内にシリル基を有するポリビニルアルコール系高分子が好ましく、さらに好ましくはエチレン−ビニルアルコール共重合体である。
【0024】
珪素含有化合物としては、特に、密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、耐久性の間点から、エポキシ基含有珪素化合物およびアミノ基含有珪素化合物を併用するのがより好適である。
【0025】
エポキシ含有珪素化合物はエポキシ基及びアルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部分)加水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混合物からなる群から選ばれ、例えば下記式[VI]で表わされる。
【0026】
【化3】
X−R7−Si(R8n(OR93-n [VI]
ここでR7は炭素数1〜4のアルキレン基、R8及びR9は炭素数1〜4のアルキル基、Xはグリシドキシ基またはエポキシシクロヘキシル基であり、nは0または1である。
【0027】
特に好ましいエポキシ基含有珪素化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。これらの化合物は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0028】
アミノ基含有珪素化合物はアミノ基及びアルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部分)加水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混合物からなる群から選ばれ、例えば下記式[VII]で表わされる。
【0029】
【化4】
Y−HN−R10−Si(R11)m(OR123-m [VII]
ここでR10は炭素数1〜4のアルキレン基、R11及びR12は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原子またはアミノアルキル基であり、mは0または1である。
【0030】
この中で特に好ましいアミノ基含有珪素化合物は3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランである。これらの化合物は単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
【0031】
なお、本発明におけるエポキシ基含有珪素化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物の(部分)加水分解物及びその(部分)縮合物は、上記エポキシ基含有珪素化合物ならびにアミノ基含有化合物の一部または全部が加水分解したもの、該加水分解物の一部又は全部が縮合した縮合物、及び該縮合物と加水分解していない原料のエポキシ基含有珪素化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物とが縮合したものであり、これらはいわゆるゾルゲル反応させることにより得られるものである。
【0032】
エポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含有珪素化合物の混合比率は、エポキシ基モル当量換算量A、アミノ基モル当量換算量Bの比率で1/6<A/B<6/1の範囲が好ましく、さらに好ましくは1/4<A/B<4/1である。混合比がこの範囲から外れる場合、密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、耐久性が低下する。この様なエポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含有化合物の混合物をポリビニルアルコール系ポリマーに混合するに際し、硬化後の固形分の重量比率で20重量%以上、より好ましくは50重量%以上を混合する。20重量部よりも少ない場合、耐水性、耐薬品性に劣る。なお、ポリビニルアルコール系ポリマーの混合量により、該硬化樹脂層の硬さを調節できるが、目的によってはポリビニルアルコールを混合せず、珪素含有化合物のみを用いてもよい。
【0033】
上記珪素化合物層(B)の膜厚は、0.1〜20μmの範囲が好ましく、より優れた耐薬品性ならびに耐久性の点からは1〜10μmの範囲がより好ましい。
【0034】
本発明の透明導電層(E)としては公知の金属膜、金属酸化物膜が好ましい。例えば不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。なかでも酸化スズを2〜15重量%含有した酸化スズ(ITO)の薄膜が透明性、導電性が優れており、好ましく用いられる。
【0035】
上記透明導電層(E)の膜厚は目的の表面抵抗に応じて設定される。透明導電層の表面抵抗値は300Ω/□から10Ω/□まで目的に応じて設定され、その膜厚は通常10nmから400nm程度まで作製される。ただし、可撓性を有する高分子基板上に透明導電層を作製する場合には、基板の曲げ応力に対する透明導電層の割れ防止から薄く作られることが望ましく、透明導電層の厚さとしては30nmから140nmが特に好ましい。
【0036】
本発明における透明導電性高分子基板の硬さおよび塑性変形率は、例えば市販の(株)エリオニクス、(株)島津製作所、(株)アカシ、日本電気(株)等の微小硬度計(A)にて測定される。例えば(株)エリオニクス社製のENT−1100においては、測定条件は最大荷重50mgf、データ取り込みステップ0.2mgf、データ取り込み間隔40msec、最大荷重到達時荷重保持時間1sec、使用圧子は三角錐(115°)、各荷重につき5回連続測定を行なった時の平均であり、サンプルは金属の試料台に東亜合成(株)社製瞬間接着剤、アロンアルファ(201)で固定し、25℃の雰囲気下で24時間放置した後、測定を行なうものである。硬さは、下記式[II]で与えられる値である。また、塑性変形率(B)は、下記式[III]で与えられる値である。
【0037】
【数1】
硬さ=3.7926×10-2×最大荷重/最大変位量 [II]
【0038】
【数2】
塑性変形率=除荷後変位量/最大変位量×100 [III]
【0039】
上記測定によって得られる透明導電性高分子基板の硬さが15以上を満たし、かつ塑性変形率(B)が50%以下の範囲を満たすことでHSC(ヒートシールコネクター)や導電性粒子による対向基板の導通特性が良好であり、また外部駆動回路との接続信頼性を確保することができる。また、さらに好ましくは透明導電性高分子基板の硬さが18以上であり、かつ塑性変形率(B)が45%以下であることで、さらに高い接続信頼性を確保することができる。
【0040】
本発明の透明導電性高分子基板を液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンスのパネルとして用いる場合には、ガスバリア層(G)を設けることが望ましい。ガスバリア層としては、有機材料系および無機材料系があり、どちらも透明導電性高分子基板に用いることができる。
【0041】
有機材料系のガスバリア層としては、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−エチレン共重合体、などのビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体やアクリロニトリル−スチレン共重合体などのアクリロニトリル共重合体、あるいはポリ塩化ビニリデンなどの有機高分子材料からなる層を用いることができる。これらの材料は、本発明の透明高分子基材上にグラビアコーターやリバースコーターを用いて湿式コーティング法によりガスバリア層とすることができる。ポリビニル系のバリア層を用いる場合、吸湿により酸素バリア特性が急激に低下しやすいため、別途、水蒸気バリアを形成させるのが好ましい。
【0042】
無機材料系のガスバリア層としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、および亜鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物をあげることができる。これらは、ガスバリア性に優れている材料として知られているものである。これらの酸化物の層は例えばスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法により作製することができる。
【0043】
この中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする金属酸化物が良好である。
【0044】
珪素酸化物の珪素原子数に対する酸素原子数の割合は、X線光電子分光法、X線マイクロ分光法、オージェ電子分光法、ラザホード後方散乱法などにより分析、決定される。この割合が1.5よりも小さくなると屈曲性、透明性が低下することから、1.5〜2.0が好ましい。
【0045】
金属酸化物からなる無機ガスバリア層の厚さとしては、5〜200nmの範囲が好ましい。5nmより薄くなると均一に膜を形成することは困難であり、膜が形成されない部分が発生し、この部分からガスが浸透し、ガスバリア性が悪くなる。また、200nmよりも厚くなると透明性を欠くだけでなく、屈曲性が悪く、クラックが発生してガスバリア性が損なわれることがある。また、金属酸化物の製膜方法により特性は異なるが、一般的に金属酸化物の膜厚が厚くなるにつれて金属酸化物層の残留応力が大きくなるので、本発明の透明導電性高分子基板は、金属酸化物層形成後のカールが大きくなり好ましくない。
【0046】
更により高い透明性の要求に対してはフッ化マグネシウムを全体の重量に対して5〜30重量%含有してなる、上記の珪素酸化物が好ましい。この場合、ガスバリア性の観点から膜厚は、60〜200nmの範囲が好ましい。
【0047】
これらガスバリア層は、単独層として用いてもよく、また、複数層を併用してもよい。特に有機系ガスバリア層と無機系ガスバリア層を併用した場合、ガスバリア層のクラックに対する有機系ガスバリアの優れた耐性と、特に水蒸気に対する無機ガスバリア層の優れた耐性が相乗効果をなすため、特に好ましい組み合わせである。
【0048】
【発明の効果】
本発明の透明導電性高分子基板は、透明性、光学等方性、平滑性、耐久性、耐溶剤性に優れ、可撓性、層間の密着性が良好である。そして何より、導電性粒子を介して上下電極の導通を取ることや、駆動回路との接続が容易な透明導電性高分子基板を提供することができる。この透明導電性高分子基板は表示品質が良好な液晶表示パネル、光導電性感光体、面発光体、有機エレクトロルミネッセンス用などの透明導電基板として極めて有用である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0050】
硬さ測定:(株)エリオニクス社製の超微小硬度測定装置、ENT−1100を用いて薄膜の硬さを測定した。測定条件は最大荷重50mgf、データ取り込みステップ0.2mgf、データ取り込み間隔40msec、最大荷重到達時荷重保持時間1sec、使用圧子は三角錐(115°)、各荷重につき5回連続測定を行なった時の平均であり、サンプルは金属の試料台に東亜合成(株)社製瞬間接着剤、アロンアルファ(201)で固定し、25℃の雰囲気下で24時間放置した後、測定を行なうものである。硬さは、下記式[II]で与えられる値である。
【0051】
【数3】
硬さ=3.7926×10-2×最大荷重/最大変位量 [II]
【0052】
塑性変形率測定:塑性変形率は上記硬さ測定と同一、同様の測定によって得られる除荷後変位量と、最大変位量から下記式[III]で与えられる値である。
【0053】
【数4】
塑性変形率=除荷後変位量/最大変位量×100 [III]
【0054】
耐アルカリ性:透明導電層が積層された面を、25℃の4%NaOH水溶液に10分間接触させた後、流水にて十分洗浄させた後、乾燥させ、外観を目視にて観察した。
耐NMP:透明導電層が積層された面を70℃のNMPに1分間接触させた後、水洗し外観変化をみた。
ITOクロスカット試験:JIS K5400に記載された碁盤目法に準じ、縦・横それぞれの方向に1mm間隔でカッターナイフを用いて10本づつ傷をつけ、セロハンテープを貼り付けて引き剥がし、この時にITOが基板から剥離するかを観察した。
HSC接続試験:三井金属鉱業(株)社製のHSC(ヒートシールコネクター)を、130℃、30kg/cm2で接続し、初期接続信頼性を調べた。さらに、熱衝撃試験を−20℃から60℃で500回繰り返し、接続不良となるかを調べた。
【0055】
[実施例1]
ビスフェノール成分がビスフェノールAのみからなる平均分子量37000のポリカーボネート樹脂基板上に、塗液(イ)をダイコーティング法を用いてコーティングし、130℃3分熱処理を行ない、ビニルアルコール系樹脂からなる硬化樹脂層を形成した。
【0056】
塗液(イ)は、エチレンビニルアルコール共重合体としてクラレ(株)製EVAL−F(エチレン共重合比32モル%)100重量部を水720重量部、2−プロパノール1080重量部の混合溶媒に加熱溶解させ、均一な溶液を得た。この溶液にレベリング剤として東レダウコーニング社製SH30PAを0.1重量部、酢酸62.4重量部を加えた後、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン85.8重量部と3−アミノプロピルトリメトキシシラン62.4重量部を順次加えて3時間攪拌して調整した。
【0057】
このようにして得られた基材の硬化樹脂層が形成されている面上に、マグネトロンスパッタ法により厚さ50nmのITO膜からなる透明導電膜を設けることにより透明導電性高分子基板を得た。
【0058】
この透明導電性高分子基板の特性を評価した結果、下記表1に示したように良好な特性を示した。
【0059】
[実施例2]
実施例1の塗液(イ)にかえて、以下の塗液(ロ)にかえて硬化樹脂層を設ける以外は実施例1と同様にして透明導電性高分子基板を得た。
【0060】
塗液(ロ)は、水720重量部、2−プロパノール1080重量部の混合溶媒に、酢酸46重量部を加えた後、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン600重量部と3−アミノプロピルトリメトキシシラン235重量部を順次加えて3時間攪拌して得た。
【0061】
この透明導電性高分子基板の特性を評価した結果、下記表1に示したように良好な特性を示した。
【0062】
[比較例1]
ビスフェノール成分がビスフェノールAのみからなる平均分子量37000のポリカーボネート樹脂基板上に、マグネトロンスパッタ法により厚さ50nmのITO膜からなる透明導電膜を設けることにより透明導電性高分子基板を得た。
【0063】
この透明導電性高分子基板の特性を評価した結果、下記表1に示したように外観に異常が生じた。また、HSC接続試験の再、ITOにクラックが生じ初期接続不良となった。
【0064】
[比較例2]
ビスフェノール成分がビスフェノールAのみからなる平均分子量37000のポリカーボネート樹脂基板上に、塗液(ハ)をダイコーティング法を用いてコーティングし、130℃3分熱処理を行ない、ビニルアルコール系樹脂からなる硬化樹脂層を形成した。
【0065】
ここで塗液(ハ)は、エチレンビニルアルコール共重合体としてクラレ(株)製EVAL−F(エチレン共重合比32モル%)100重量部を水720重量部、2−プロパノール1080重量部の混合溶媒に加熱溶解させ、均一な溶液を得た。
【0066】
このようにして得られた基材の硬化樹脂層が形成されている面上に、マグネトロンスパッタ法により厚さ50nmのITO膜からなる透明導電膜を設けることにより透明導電性高分子基板を得た。
【0067】
この透明導電性高分子基板の特性を評価した結果、表1に示したように外観に異常が生じ、透明導電層がクロスカット試験によって剥離した。また、HSC接続部においての熱衝撃試験を実施したところ接続不良が発生した。
【表1】
Figure 0004233180

Claims (4)

  1. 透明高分子基材(P)の少なくとも一方の面に硬化樹脂層(B)が設けられ、硬化樹脂層(B)上に透明導電層(E)を設けた透明導電性高分子基板であって、超微小硬度計で測定したとき、該透明導電層は硬さが15以上であって、かつ、塑性変形率が45%以下であることを特徴とする透明導電性高分子基板。
  2. 透明高分子基材(P)の熱変形温度が120℃以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性高分子基板。
  3. 透明高分子基材(P)の少なくとも一方の面に、少なくとも一層以上のガスバリア層(G)を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性高分子基板。
  4. 透明高分子基材(P)がポリカーボネート系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性高分子基板。
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