JPWO2006057203A1 - 含フッ素共重合体 - Google Patents
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Abstract
一般式CF2=CFORfCH2OH(ここで、Rfは炭素数1〜25のフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基である)で表わされる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルとこれ以外の含フッ素不飽和単量体の少くとも一種との共重合体である含フッ素共重合体。この含フッ素共重合体において、溶融粘度(230℃)が0.1〜100g/10分の高分子量体は溶媒不溶性であって、溶融成形用途に好適に用いられ、また低分子量体でガラス転移温度Tgが20℃以上であって数平均分子量Mnが1000以上のものは溶媒可溶性であって、コーティング剤用途などに好適に用いられる。この含フッ素共重合体は、高光透過率かつ低屈折率であり、しかも表面処理や接着剤の使用などを必要とはせず、それ自体各種基材に対して良好な接着性を有する。
Description
本発明は、含フッ素共重合体に関する。さらに詳しくは、各種基材に対する接着性や光透過性、低屈折率性などにすぐれた含フッ素共重合体に関する。
含フッ素共重合体は、含フッ素単量体であるフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)等を共重合反応することによって得られ、エラストマー領域から樹脂領域迄様々な特性を有しているが、特に含フッ素物質であることにより、高温での熱安定性や極く低温での靭性および柔軟性を有し、さらに耐薬品性にすぐれ、化学的に非常に安定であり、また非粘着性、摩擦特性、電気的な諸特性にもすぐれているなど、非常にすぐれた特性を備えている。
これらの諸特性から、含フッ素共重合体は半導体、自動車、建築、電気・電子部品、食品分野等の様々な分野で有効に用いられている一方、含フッ素共重合体は高価であるため、その特徴を少量の使用量で発揮させるべく、他の重合体等への積層化および複合化の検討も活発に行われている。しかしながら、含フッ素樹脂はその表面エネルギーが低いため、他の重合体、金属、ガラス等の基材への接着が困難であるという問題点がみられる。
含フッ素共重合体を他の基材と接着させる方法としては、
(a)基材の表面をサンドブラスト処理等の物理的な粗面処理を行い、含フッ素共重
合体と基材とのアンカー効果を利用する方法
(b)含フッ素樹脂に対して、ナトリウム・エッチング、プラズマ処理、光化学的処
理等の表面処理を行い、化学的・物理化学的に表面を活性化させる方法
(c)接着剤を用いる方法
等種々の方法が検討されているが、上記(a)、(b)の方法については、接着の前処理工程が必要となり、工程が複雑化して生産性が悪いばかりではなく、基材の種類や形状が限定され、得られた積層体の外観にも着色や傷等が生じ易いなどの種々の問題点がみられる。
(a)基材の表面をサンドブラスト処理等の物理的な粗面処理を行い、含フッ素共重
合体と基材とのアンカー効果を利用する方法
(b)含フッ素樹脂に対して、ナトリウム・エッチング、プラズマ処理、光化学的処
理等の表面処理を行い、化学的・物理化学的に表面を活性化させる方法
(c)接着剤を用いる方法
等種々の方法が検討されているが、上記(a)、(b)の方法については、接着の前処理工程が必要となり、工程が複雑化して生産性が悪いばかりではなく、基材の種類や形状が限定され、得られた積層体の外観にも着色や傷等が生じ易いなどの種々の問題点がみられる。
前記(c)の方法に関しても、多くの接着剤についての検討も行われているが、炭化水素系の接着剤を用いた場合には、それ自体の耐熱性が不十分なため、高温での溶融成形や溶融加工を必要とする含フッ素共重合体に対して用いた場合、接着剤が熱分解して剥離や着色などをひき起し、また耐油性、耐薬品性、耐候性も不十分なため、環境の変化により接着力を維持できなくなるなどの問題点を有している。
上記以外の方法として、極性官能基を主鎖末端に配置させた含フッ素共重合体を用いる方法なども提案されているが、この場合にはこの共重合体をプライマーとして用いたり、接着させる基材とブレンドして接着剤として用いる方法であって、含フッ素共重合体自体を目的とする基材に直接接着させる方法ではない。
特開2003-176394号公報
また、極性官能基を含フッ素共重合体の側鎖末端に配置させた含フッ素エラストマーを用いる方法も提案されているが、側鎖末端に極性官能基を導入するために使用される単量体は、特殊かつ高価なパーフルオロ系の極性官能基含有単量体であるので、それから得られる含フッ素共重合体が高価となるのを避けることができない。
米国特許第4,138,426号明細書
また、イオン交換基含有含フッ素共重合体の前駆体として、
TFE/CF2=CFO(CF2)3COOCH3(モル比95.7/4.3)共重合体
が開示されているが、この含フッ素共重合体は有機溶媒には不溶である。
特許第3,450,597号公報
TFE/CF2=CFO(CF2)3COOCH3(モル比95.7/4.3)共重合体
が開示されているが、この含フッ素共重合体は有機溶媒には不溶である。
本発明の目的は、高光透過率かつ低屈折率であり、しかも表面処理や接着剤の使用などを必要とはせず、それ自体各種基材に対して良好な接着性を有する含フッ素共重合体を提供することにある。
かかる本発明の目的は、一般式
CF2=CFORfCH2OH
(ここで、Rfは炭素数1〜25のフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基である)で表わされる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテル0.1〜68重量%とこれ以外の含フッ素不飽和単量体の少くとも一種99.9〜32重量%との共重合体である含フッ素共重合体によって達成される。
CF2=CFORfCH2OH
(ここで、Rfは炭素数1〜25のフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基である)で表わされる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテル0.1〜68重量%とこれ以外の含フッ素不飽和単量体の少くとも一種99.9〜32重量%との共重合体である含フッ素共重合体によって達成される。
これらの末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルを共重合させた含フッ素共重合体において、含フッ素ビニルエーテルを30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%共重合させた共重合体は、高分子量体であり、溶融成形が可能であるが、有機溶媒には不溶性である。一方、含フッ素ビニルエーテルを30〜68重量%、好ましくは35〜67重量%共重合させた共重合体は低分子量体であり、有機溶媒可溶性のためコーティング用途に使用可能であるが、溶融成形用途には不適である。
本発明に係る含フッ素共重合体で末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルを30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%共重合させた高分子量共重合体であって、溶融粘度(230℃)が0.1〜100g/10分のものは、例えば約180〜280℃という比較的低い加工温度で溶融加工することができ、波長250〜650nmにおける光透過率が70%以上と高く、あるいは波長400〜800nmにおける光透過率が90%以上と高く、また589nmにおける屈折率1.36以下、好ましくは1.35以下と低く、しかも表面処理や接着剤の使用などを必要とはせず、それ自体各種基材に対して良好な接着性を有するので、各種基材との多層構造体(積層体)や複合体の形成に有効に使用することができる。
また、この含フッ素共重合体で末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルを30〜68重量%、好ましくは35〜67重量%共重合させた低分子量共重合体であって、ガラス転移温度Tgが20℃以上でかつ数平均分子量Mnが1,000以上、好ましくは1,000〜300,000のものは、接着性にすぐれているばかりではなく、有機溶媒可溶性であるので、コーティング性にもすぐれ、薄膜の形成が容易である。
本発明で用いられる共重合成分である末端水酸基含フッ素ビニルエーテル(A)CF2=CFORfCH2OHと例えば下記特許文献4に記載される末端水酸基含フッ素ビニル化合物(B)CH2=CFCF2RfCH2OHとでは、それを共重合させたとき、次のような違いがみられる。
(1)主鎖骨格にCF2CFOを導入した化合物(A)の共重合体は、低屈折率化に有利である。また、Oを介して主鎖とRf基とが結合しているため、Rf基が立体障害の大きい側鎖にも拘らず、側鎖に起因する構造的な不安定の原因が回避され、熱的に安定化されるものと推定される。
(2)主鎖骨格にCH2基が導入されている化合物(B)の共重合体では、主鎖骨格部からの脱HF反応が発生し易く、熱的安定性や耐薬品性に劣るようになる。また、F含量を多くすると、一定の光学的特性(屈折率 1.36以下)を達成することが困難となる。
(3)側鎖構造としては、結晶性を抑制するために、分岐を有することが光学的特性上好ましいため、Rf基をヘキサフルオロプロペンオキシド基とすることにより、光学的特性が有利となる。また、分岐を有する方が非晶質となるため、溶媒可溶性発現の一因となる。
特開平10−329281号公報
(1)主鎖骨格にCF2CFOを導入した化合物(A)の共重合体は、低屈折率化に有利である。また、Oを介して主鎖とRf基とが結合しているため、Rf基が立体障害の大きい側鎖にも拘らず、側鎖に起因する構造的な不安定の原因が回避され、熱的に安定化されるものと推定される。
(2)主鎖骨格にCH2基が導入されている化合物(B)の共重合体では、主鎖骨格部からの脱HF反応が発生し易く、熱的安定性や耐薬品性に劣るようになる。また、F含量を多くすると、一定の光学的特性(屈折率 1.36以下)を達成することが困難となる。
(3)側鎖構造としては、結晶性を抑制するために、分岐を有することが光学的特性上好ましいため、Rf基をヘキサフルオロプロペンオキシド基とすることにより、光学的特性が有利となる。また、分岐を有する方が非晶質となるため、溶媒可溶性発現の一因となる。
末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルとしては、一般式
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]bO(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]cCF(CF3)CH2OH
(ここで、aは1〜10の整数であり、b+cは0〜8の整数である)で表わされる含フッ素ビニルエーテルが好んで用いられる。かかる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルは、一般式
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]bO(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]cCF(CF3)COOR
(ここで、Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基であり、aは1〜10の整数であり、b+cは0〜8の整数である)で表わされる末端エステル基を有する含フッ素ビニルエーテルのエステル基を還元反応することにより製造される。
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]bO(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]cCF(CF3)CH2OH
(ここで、aは1〜10の整数であり、b+cは0〜8の整数である)で表わされる含フッ素ビニルエーテルが好んで用いられる。かかる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルは、一般式
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]bO(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]cCF(CF3)COOR
(ここで、Rはアルキル基、アラルキル基またはアリール基であり、aは1〜10の整数であり、b+cは0〜8の整数である)で表わされる末端エステル基を有する含フッ素ビニルエーテルのエステル基を還元反応することにより製造される。
前記一般式において、Rf基が炭素数1〜25にフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシアルキル基である、末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルとしては、例えば次のような化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF2CH2OH
CF2=CFO(CF2)2CH2OH
CF2=CFO(CF2)3CH2OH
CF2=CFO(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)CF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CH2OH
CF2=CFO(CF2)2CH2OH
CF2=CFO(CF2)3CH2OH
CF2=CFO(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)CF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
これらの末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルは、共重合体中0.1〜68重量%を占めるような割合で共重合される。これ以上の割合で共重合されると、接着性は向上するものの耐熱性が悪化し、一方この成分を共重合させないと、特に接着性に劣るようになる。
これらの末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルと共重合される、これ以外の含フッ素不飽和単量体としては、一般式
R1R2C=CR3R4
R1,R2,R3,R4:同一または異なる基であり、それぞれ水素原子、塩素原子、フ
ッ素原子、炭素数1〜24のフルオロアルキル基、フルオロアル
キルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエ
ーテル基であり、その内少くとも1個はフッ素原子または含フ
ッ素基である
で表わされる化合物、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルビニルエーテル、下記フルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基含有化合物
CF2=CFO(CF2)3OCF3
CF2=CFOCF(CF3)CF2OCF3
CF2=CFOCF(CF3)CF2OC3F7
CF2=CFOCF(CF3)CF2OCF(CF3)C4F9
等が挙げられ、好ましくはテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)が用いられる。
R1R2C=CR3R4
R1,R2,R3,R4:同一または異なる基であり、それぞれ水素原子、塩素原子、フ
ッ素原子、炭素数1〜24のフルオロアルキル基、フルオロアル
キルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエ
ーテル基であり、その内少くとも1個はフッ素原子または含フ
ッ素基である
で表わされる化合物、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルビニルエーテル、下記フルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基含有化合物
CF2=CFO(CF2)3OCF3
CF2=CFOCF(CF3)CF2OCF3
CF2=CFOCF(CF3)CF2OC3F7
CF2=CFOCF(CF3)CF2OCF(CF3)C4F9
等が挙げられ、好ましくはテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)が用いられる。
これらの含フッ素不飽和単量体は、高分子量体を形成させるため、生成共重合体中70重量%以上、好ましくは80〜99.9重量%を占めるような割合で共重合され、これらの好ましい3種類の含フッ素不飽和単量体が用いられる場合には、生成含フッ素共重合体中テトラフルオロエチレンは10〜85重量部%、好ましくは20〜80重量%、低級アルキル基がメチル基、エチル基またはプロピル基であるパーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)、特にパーフルオロ(エチルビニルエーテル)は3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、またフッ化ビニリデンは7〜85重量%、好ましくは10〜74.9重量%の共重合組成となるような割合で用いられる。
このような共重合体の場合、テトラフルオロエチレンの共重合割合がこれよりも少ないと、含フッ素共重合体の特徴の一つである耐薬品性が限定的なものとなり、一方これ以上の共重合割合では、高融点、高溶融粘度となり、加工性が悪化するようになる。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)に関しては、共重合割合がこれ以下では透明性が悪化し、一方これ以上の共重合割合のものは製造が困難である。フッ化ビニリデンに関しては、これ以下の共重合割合のものは高融点、高溶融粘度となり加工性が悪化し、また軟質の成形体が得られなくなり、一方これ以上の共重合割合のものは、耐薬品性が限定的となる。
また、低分子量体である含フッ素共重合体を形成させるため、含フッ素ビニルエーテル30〜68重量%、好ましくは35〜67重量%に対して、含フッ素不飽和単量体が生成共重合体中70〜32重量%、好ましくは65〜33重量%を占めるような割合で共重合させた共重合体の場合には、好ましくはテトラフルオロエチレンが単独であるいはそれよりも少量のフッ化ビニリデンと併用されて用いられる。
含フッ素共重合体の製造は、溶液重合法、乳化重合法、けん濁重合法等任意の重合方法で行われるが、重合原料由来の不純物含有量を低減し易い溶液重合法、溶液けん濁重合法が好んで用いられ、また生産性を考慮した場合には乳化重合法が好んで用いられる。
溶液重合法、溶液けん濁重合法の場合には、重合反応溶媒としてクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン等の塩素化および/またはフッ素化カーボン、パーフルオロ(2-n-ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロヘキサン等のパーフルオロ化合物が好んで用いられるが、この他アルコール類や炭化水素類も用いられる。
溶液けん濁重合法の場合には、水に対する混和性のないあるいは乏しい溶媒に水を加えたものが重合反応の溶媒として用いられる。これらの溶媒と水との混合比については、重合温度、重合圧力、原料単量体の仕込量等に応じて任意に変更し得るが、重合熱の除去や共重合組成の均一化という観点からは、溶媒に対して重量で約0.1〜10倍量、好ましくは約1〜5倍量の水を共存させることが好ましい。
また、この共存させる水は、NaOH、KOH、NaHCO3、NaKCO3、Na2CO3、K2CO3、Na2HPO4・12H2O、K2HPO4、(NH4)2HPO4、アンモニア水等、好ましくはアルカリ金属塩化合物を溶解させたアルカリ水溶液として用いられることが好ましい。このアルカリ水溶液を添加した反応系は、反応条件、組成比等によっては重合反応の進行と共に酸性へと変化し、重合反応が進行し難い場合も生ずるが、このような場合には重合反応の途中で再度アルカリ水溶液を追加してもよい。このようにして、重合反応系はpH5〜12の範囲内に保たれることが好ましい。
さらに、乳化重合法の場合には、乳化剤およびpH調整剤に水を加えたものが重合溶媒として用いられる。
重合開始剤は、重合方法に応じたものが選択され、一般には有機過酸化物、アゾ化合物、無機過酸化物等が用いられ、得られる含フッ素共重合体の耐熱性や耐薬品性などを考慮すると、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル等が用いられ、好ましくはイソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ビス(4-第3ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のラジカル開始剤やビス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシド、ペンタフルオロブチロイルパーオキサイド等の含フッ素系ラジカル開始剤が用いられる。また、水性媒体中での溶液けん濁重合や乳化重合などを行う場合には、好ましくは過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が用いられる水溶性過硫酸塩を用いることが好ましい。
重合開始剤の使用量は、反応に用いられる重合溶媒、重合条件、重合温度等によって異なり、一概には規定できないが、一般には重合反応に供せられる単量体合計モル量に対して約0.01〜20モル%、好ましくは約0.1〜10モル%に相当する量を仕込み時に添加することができる。また、反応条件や組成比によっては、重合反応が進行し難い場合もあるが、このような場合には重合反応の途中で再度重合開始剤を追加してもよい。
また、連鎖移動剤として、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、メタン、酢酸エチル、アセトン等を必要により添加し、分子量の調整を行うこともできる。連鎖移動剤による分子量の調整は、より多くの含フッ素ビニルエーテルを共重合させ、有機溶媒可溶性の低分子量含フッ素共重合体を得る場合に有効に適用される。
重合温度としては、特に限定されないが、約0〜100℃、好ましくは約5〜60℃の温度範囲内で反応が行われ、また重合圧力は、約0.1〜10MPa・G、好ましくは約0.2〜5MPa・Gの範囲内で反応が行われる。反応終了後、反応混合物から反応溶媒を減圧留去し、さらに必要に応じてイオン交換水洗浄および乾燥などを行うことにより、所定の含フッ素共重合体を得ることができる。
得られた含フッ素共重合体は、それが高分子量体であって、溶融成形用途に用いられる場合には、融点が230℃以下、好ましくは100〜210℃、溶融粘度を示すメルトフローレートMFR(230℃)が0.1〜100g/10分、好ましくは1〜80g/10分であることが望ましい。融点がこれよりも高いものは、成形温度を高く設定せざるを得ないため、各種基材との積層化や複合化の際に過剰な熱が基材にかかり、基材の種類によっては分解や発砲を生ずるようになる。また、メルトフローレートの値がこれ以下では、やはり成形温度を高く設定せざるを得ず、一方これよりもメルトフローレートの高いものは、成形が困難となるばかりではなく、強度や伸び等の点で高分子量体としての特性が発揮できなくなってしまうようになる。かかる含フッ素共重合体は、溶媒不溶性である。
このようにして製造された高分子量含フッ素共重合体は、用いられた成形温度における溶融粘度値に応じて、圧縮成形、押出成形、カレンダ成形、ブロー成形、射出成形、注型成形等の成形法、さらに二次加工として切削加工、溶接加工、溶融加工等の加工方法を施すことにより、フィルム、シート、チューブ、ホース、ロッド、ブロック、ベルト、ボトル、タンク等の各種成形体に加工することができる。
また、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の各種重合体と共押出加工することにより、多層フィルム、多層シート、多層チューブ、多層ホース、多層ロッド、多層ブロック、多層ボトル等の様々な形状の多層構造体または複合体を形成させることができる。
これらの成形には、通常用いられている熱可塑性樹脂の成形機、例えば押出成形機、圧縮成形機、射出成形機、ブロー成形機等が用いられ、また多層構造体を成形するためには、多層共押出成形法、多層ブロー成形法、多層射出成形法等の成形方法が用いられ、特に多層チューブや多層ロッド等の成形には多層共押出成形法が好んで用いられる。
成形条件としては、含フッ素共重合体またはこれと共に多層構造体や複合体の形成に用いられる熱可塑性樹脂の溶融粘度によっても異なるが、押出成形やブロー成形においては、溶融粘度が1〜50g/10分の値となるような温度をシリンダ温度とすることが好ましく、例えば約180〜280℃が好ましい成形温度範囲として用いられる。熱可塑性樹脂としては、含フッ素不飽和単量体と不飽和カルボン酸、その塩またはアルキルエステルとの共重合体である含フッ素共重合体も用いられる。
また、耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂や無機基材である金属やガラス等へは、この含フッ素共重合体フィルムを溶融圧縮することにより、多層構造体とすることができる。溶融圧縮時の温度は、用いられた含フッ素共重合体の融点以上、好ましくは約120〜260℃である。
末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルが30〜68重量%、好ましくは35〜67重量%共重合された低分子量含フッ素共重合体であって、ガラス転移温度Tgが20℃以上、好ましくは21〜50℃、数平均分子量Mnが1,000以上、好ましくは1,000〜300,000のものは有機溶媒可溶性であるので、コーティング用途などに好適に用いられる。なお、水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルの共重合割合がこれ以下では、所望の有機溶媒可溶性とはならず、一方これ以上の割合の共重合は、共重合体の製造を困難なものとさせる。
この低分子量含フッ素共重合体を、重合反応溶媒として使用した如き各種有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等の1価または多価アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、パーフルオロベンゼン、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)、トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン化物などの少くとも一種へ溶解させた溶液を、各種樹脂成形品、合成繊維製品、半合成繊維製品、金属製品、ガラス製品等の基材上にキャスティングし、溶媒を乾燥させることによって、多層構造体や複合体を形成させることができる。乾燥温度は、使用した溶媒の種類によっても異なるが、一般には約30〜260℃の範囲内である。
上記の如き低分子量含フッ素共重合体の有機溶媒溶液は、コーティング性にもすぐれているので、薄膜を形成させることが容易である。コーティングは、濃度が約1〜20重量%、好ましくは約2〜10重量%の溶液を用い、ロールコーター法、キャスト法、ディッピング法、スピンコート法等一般的に用いられている方法で行われ、溶融成形では実現困難な厚さ数μm以下の薄膜を形成させることができる。コーティングが適用される基材としては、特に限定されず、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等からなるプラスチックフィルムまたはシートが挙げられる。このような基材上にコーティング薄膜を形成させることにより、多層構造体または複合体を得ることができる。
次に、実施例について本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機付きの内容量3LのSUS316製オートクレーブを真空まで脱気し、
パーフルオロ(2-n-ブチルテトラヒドロフラン) 2300g
を仕込んだ後、オートクレーブの脱気・窒素置換を行い、
テトラフルオロエチレン[TFE] 330g(49.4モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 520g(36.0モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 60g(14.0モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 10g( 0.5モル%)
をそれぞれ仕込み、35℃に加温すると、オートクレーブの内圧は0.92MPa・Gとなった。次いで、開始剤としてイソブチリルパーオキサイドの(CF3CF2CHCl/CClF2CF2CHClF)溶液を定量ポンプにより導入して重合を開始させ、内圧が0.62MPa・Gまで重合反応を行った。
攪拌機付きの内容量3LのSUS316製オートクレーブを真空まで脱気し、
パーフルオロ(2-n-ブチルテトラヒドロフラン) 2300g
を仕込んだ後、オートクレーブの脱気・窒素置換を行い、
テトラフルオロエチレン[TFE] 330g(49.4モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 520g(36.0モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 60g(14.0モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 10g( 0.5モル%)
をそれぞれ仕込み、35℃に加温すると、オートクレーブの内圧は0.92MPa・Gとなった。次いで、開始剤としてイソブチリルパーオキサイドの(CF3CF2CHCl/CClF2CF2CHClF)溶液を定量ポンプにより導入して重合を開始させ、内圧が0.62MPa・Gまで重合反応を行った。
その後、溶媒および未反応モノマー冷却捕集するためのトラップを介した真空ポンプにより、オートクレーブ内を攪拌しつつ減圧し、溶媒および未反応モノマーを完全に除去した。オートクレーブから取り出された重合物を、イオン交換水にて洗浄を行った後、遠心ロ過器で重合物を回収し、減圧乾燥させて白色粉末状の含フッ素共重合体を280g得た。含フッ素共重合体の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=70/18/11/1重量%であった。
得られた含フッ素共重合体について、共重合体組成比以外に硬度、融点、溶融粘度、光透過率、屈折率、溶融成形性、接着性などを測定した
共重合体組成比:19F-NMRおよび赤外吸収スペクトルにより測定
硬度:含フッ素共重合体の軟質性を比較するために、25℃におけるD硬度をJIS
K7215に準拠して測定
融点:セイコーインスツルメント社製DSC220C型を用い、温度プログラムは30℃か ら昇温速度10℃/分で300℃まで試料を加熱後、冷却速度10℃/分で30℃ まで冷却し、再度300℃まで昇温速度10℃/分で昇温する際の吸熱ピーク の頂点の温度Tmを融点とした
溶融粘度:東洋精機製作所のメルトインデクサーを用い、得られた共重合体を内
径9.5mmのシリンダーに入れ、230℃の温度に5分間保った後、5kgの ピストン加重下に内径2.095mm、長さ8.00mmのオリフィスを通して押し 出したときの押出重量を測定
光透過率:日本分光製紫外可視分光光度計を用い、厚さ100μmのフィルムにつ
いて、波長300nm、450nmおよび650nmで測定
屈折率:アッベ屈折率計を用い、厚さ100μmのフィルムについて、25℃、波長
589nmで測定
溶融成形性:サーモプラスティック工業製TP-30押出機を用い、下記に示す条件
にて2mm径チューブ、1mm径ロッドおよび厚さ0.5mmのフィルムの成 形を行い、良好な成形が確認できたものを○、メルトフラクチャー、 寸法の不安定化等の不具合が確認されたものおよび成形ができな かったものを×とした
接着性:ポリメチルメタクリレート[PMMA]、ナイロン-12、ポリウレタンエラストマー [熱可塑性PU](ユニマテック製品アイアンラバーU801)およびTFE/FEVE /VdF/メタクリル酸(70/18/11/1重量%)共重合体(含フッ素4元共重合 体)の各基材上に含フッ素共重合体を溶融圧縮し、1mm角100個マス目 のゴバン目上に切り分けゴバン目法、ゴバン目テープ法により接着性の評 価を行ない、評価は下記の評価基準より点数をつけ、0〜2点を ×、3〜7 点を△、8〜10点を○と判定した
共重合体組成比:19F-NMRおよび赤外吸収スペクトルにより測定
硬度:含フッ素共重合体の軟質性を比較するために、25℃におけるD硬度をJIS
K7215に準拠して測定
融点:セイコーインスツルメント社製DSC220C型を用い、温度プログラムは30℃か ら昇温速度10℃/分で300℃まで試料を加熱後、冷却速度10℃/分で30℃ まで冷却し、再度300℃まで昇温速度10℃/分で昇温する際の吸熱ピーク の頂点の温度Tmを融点とした
溶融粘度:東洋精機製作所のメルトインデクサーを用い、得られた共重合体を内
径9.5mmのシリンダーに入れ、230℃の温度に5分間保った後、5kgの ピストン加重下に内径2.095mm、長さ8.00mmのオリフィスを通して押し 出したときの押出重量を測定
光透過率:日本分光製紫外可視分光光度計を用い、厚さ100μmのフィルムにつ
いて、波長300nm、450nmおよび650nmで測定
屈折率:アッベ屈折率計を用い、厚さ100μmのフィルムについて、25℃、波長
589nmで測定
溶融成形性:サーモプラスティック工業製TP-30押出機を用い、下記に示す条件
にて2mm径チューブ、1mm径ロッドおよび厚さ0.5mmのフィルムの成 形を行い、良好な成形が確認できたものを○、メルトフラクチャー、 寸法の不安定化等の不具合が確認されたものおよび成形ができな かったものを×とした
接着性:ポリメチルメタクリレート[PMMA]、ナイロン-12、ポリウレタンエラストマー [熱可塑性PU](ユニマテック製品アイアンラバーU801)およびTFE/FEVE /VdF/メタクリル酸(70/18/11/1重量%)共重合体(含フッ素4元共重合 体)の各基材上に含フッ素共重合体を溶融圧縮し、1mm角100個マス目 のゴバン目上に切り分けゴバン目法、ゴバン目テープ法により接着性の評 価を行ない、評価は下記の評価基準より点数をつけ、0〜2点を ×、3〜7 点を△、8〜10点を○と判定した
実施例2
実施例1において、脱気後の仕込み各成分の内、
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE]
を60gに変更し、重合温度を45℃とした以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(290g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=70/14/11/5重量%であった。
実施例1において、脱気後の仕込み各成分の内、
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE]
を60gに変更し、重合温度を45℃とした以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(290g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=70/14/11/5重量%であった。
実施例3
実施例1において、脱気後の仕込みを、
テトラフルオロエチレン[TFE] 225g(34.1モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(65.3モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 78g(18.5モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 40g( 2.2モル%)
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=53/27/16/4重量%であった。
実施例1において、脱気後の仕込みを、
テトラフルオロエチレン[TFE] 225g(34.1モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(65.3モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 78g(18.5モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 40g( 2.2モル%)
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=53/27/16/4重量%であった。
実施例4
実施例1において、脱気後の仕込みを、
テトラフルオロエチレン[TFE] 50g( 6.6モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(39.6モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 250g(51.8モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 40g( 1.9モル%)
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=30/24/45/1重量%であった。
実施例1において、脱気後の仕込みを、
テトラフルオロエチレン[TFE] 50g( 6.6モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(39.6モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 250g(51.8モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE] 40g( 1.9モル%)
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHBVE=30/24/45/1重量%であった。
実施例5
実施例1において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 75g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=70/18/11/1重量%であった。なお、FHPEVEは、次に記載される参考例によって合成された。
実施例1において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 75g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=70/18/11/1重量%であった。なお、FHPEVEは、次に記載される参考例によって合成された。
参考例
冷却管を備えた蒸留器、大型の羽根を有する攪拌機、滴下ロートおよび温度計を取り付けた容量5Lのガラス製反応容器に、予め焼成した炭酸カリウム 1656g(12.0モル)およびフッ素オイル(NOKクリューバー製品バリエルタJ100)1500gを仕込み、内部を窒素で置換した後、ジメチル-2,2′-(パーフルオロエチレン)ジオキシジ(2,3,3,3-テトラフルオロプロピオネート)
CH3OOCCF(CF3)O(CF2)2OCF(CF3)COOCH3
(99.5gGC%)1357g(3.03モル)を室温下でゆっくりと加え、続いて反応容器内温度を速やかに180℃以上に昇温させた。
冷却管を備えた蒸留器、大型の羽根を有する攪拌機、滴下ロートおよび温度計を取り付けた容量5Lのガラス製反応容器に、予め焼成した炭酸カリウム 1656g(12.0モル)およびフッ素オイル(NOKクリューバー製品バリエルタJ100)1500gを仕込み、内部を窒素で置換した後、ジメチル-2,2′-(パーフルオロエチレン)ジオキシジ(2,3,3,3-テトラフルオロプロピオネート)
CH3OOCCF(CF3)O(CF2)2OCF(CF3)COOCH3
(99.5gGC%)1357g(3.03モル)を室温下でゆっくりと加え、続いて反応容器内温度を速やかに180℃以上に昇温させた。
ビニル化反応が進行すると、還流が始まり、蒸留器の還流器部温度が130℃を超えた時点の留出物を回収した。反応器内で還流しなくなる迄加熱を行い、メチル パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパネート
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOCH3
(GC純度61.2%)1090g(収率59%)を得た。
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)COOCH3
(GC純度61.2%)1090g(収率59%)を得た。
ディクソンパッキン(3mm径)を充填した蒸留塔(長さ300mm、25mm径)、温度計、窒素導入用キャピラリーおよび真空ポンプを取り付けた蒸留装置を用い、上記粗製メチル パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパネート(GC純度61.2%)1060gの蒸留精製を実施し、沸点93.6〜93.8℃/21kPaの精製物(GC純度97.0%)418.9g(蒸留時収率62.61%)を得た。この精製物の構造は、1H-NMRおよび19F-NMRにより、公知のメチル パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパネートと同一物質であることを確認した。
還流冷却器、攪拌羽根および温度計を取り付けた反応容器に、上記精製メチル パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパネート280g(0.73モル)および無水エタノール500mlを加え、反応容器を氷浴で冷却した。内部温度10℃を上限として、NaBH4 24.9g(0.73モル)を発熱に注意しながら数回に分けて加え、ゆっくりと室温迄昇温させて、室温下で8時間以上攪拌した。
再度氷浴で冷却し、10%塩酸200gを発熱、発泡に注意しながら、ゆっくりと滴下した。さらに水1700mlを加え、2層に分離した下層を分液ロートにより分取し、その有機層を飽和食塩水で洗浄し、1H,1H-パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパノール
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH
(GC純度64.0%)267.8g(収率68%)を得た。
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH
(GC純度64.0%)267.8g(収率68%)を得た。
前記蒸留装置を用いて、上記粗製1H,1H-パーフルオロ-2-(2-ビニルオキシエトキシ)プロパノール256gの蒸留精製を実施し、沸点95.6〜95.8℃/18.2kPaの精製物(GC純度96.5%)158.2g(蒸留時収率96%)を得た。
実施例6
実施例4において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 75g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(280g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=30/23/46/1重量%であった。
実施例4において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 75g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(280g)の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=30/23/46/1重量%であった。
実施例7
実施例3において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 375g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=53/28/16/3重量%であった。
実施例3において、脱気後の仕込み成分の内、FHBVE成分を
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH[FHPEVE] 375g
に変更した以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体の組成は、TFE/FEVE/VdF/FHPEVE=53/28/16/3重量%であった。
比較例1
実施例1において、脱気後の初期仕込み成分中にCF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE]を仕込まないこと以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF=70/19/11重量%であった。
実施例1において、脱気後の初期仕込み成分中にCF2=CFO(CF2)3CH2OH[FHBVE]を仕込まないこと以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(270g)の組成は、TFE/FEVE/VdF=70/19/11重量%であった。
比較例2
実施例1において、脱気後の初期仕込みが
テトラフルオロエチレン[TFE] 225g(34.9モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(46.3モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 78g(18.9モル%)
に変更されたこと以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(280g)の組成は、TFE/FEVE/VdF=55/29/17重量%であった。
実施例1において、脱気後の初期仕込みが
テトラフルオロエチレン[TFE] 225g(34.9モル%)
パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[FEVE] 645g(46.3モル%)
フッ化ビニリデン[VdF] 78g(18.9モル%)
に変更されたこと以外は、同様の操作を行った。得られた白色粉末状の含フッ素共重合体(280g)の組成は、TFE/FEVE/VdF=55/29/17重量%であった。
実施例8
撹拌機付きの内容量500mlのSUS 316製オートクレーブを真空まで脱気し、
パーフルオロ(2-n-ブチルテトラヒドロフラン) 330g
を仕込んだ後、オートクレーブの脱気・窒素置換を行い、
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(53モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH〔FHBVE〕 50g(47モル%)
をそれぞれ仕込み、50℃に加温すると、オートクレーブの内圧は0.62Mpa・Gとなった。次いで、開始剤としてイソブチリルパーオキサイド(CF3CF2CHCl/CClF2CF2CHClF)溶液を定量ポンプにより導入して重合を開始させ、内圧が0.30Mpa・Gまで20時間重合反応を行った。
撹拌機付きの内容量500mlのSUS 316製オートクレーブを真空まで脱気し、
パーフルオロ(2-n-ブチルテトラヒドロフラン) 330g
を仕込んだ後、オートクレーブの脱気・窒素置換を行い、
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(53モル%)
CF2=CFO(CF2)3CH2OH〔FHBVE〕 50g(47モル%)
をそれぞれ仕込み、50℃に加温すると、オートクレーブの内圧は0.62Mpa・Gとなった。次いで、開始剤としてイソブチリルパーオキサイド(CF3CF2CHCl/CClF2CF2CHClF)溶液を定量ポンプにより導入して重合を開始させ、内圧が0.30Mpa・Gまで20時間重合反応を行った。
得られたスラリーをn-ヘキサン中に投入し、ロ過、乾燥させて含フッ素共重合体210gを得た。この含フッ素共重合体の組成は、TFE/FHBVE=38/62重量%であった。また、得られた含フッ素共重合体について、数平均分子量Mn、ガラス転移温度、屈折率、溶解性、光透過率、接着性および塗布性の測定または評価を行った。
共重合体組成比:前記方法による
数平均分子量Mn:Shodex GPC KD805+KD-803+KD-Gを用い、THF溶出液に
よりGPC測定を行った
ガラス転移温度Tg:セイコーインスツルメント社製DSC220C型により測定
屈折率:前記方法による
溶解性:MEKまたはC6F6の5重量%溶液を調製し、24時間振とう後目視で判定し
、溶解したものを○、一部溶解したものを△、溶解しないものを×と評価
光透過率:前記方法による
波長400〜800nmでの透過率が95%以上を○、80〜95%を△、80%
以下を×と評価
接着性:MEKまたはC6F6の5重量%溶液をキャスティング法によりポリカーボネ ート板(厚さ2mm)上に塗布し、溶媒を乾燥、除去して得られた塗膜に、 カッターナイフで1mm角の升目100個の切れ目を入れ、セロファン粘着 テープで10回剥離試験を行い、残存した升目を数え、95個以上を○、 80〜95個を△、80個以下を×と評価
塗布性:塗工性良好なものを○、溶液がゲル化してしまい、塗工できない場合
を×と評価
共重合体組成比:前記方法による
数平均分子量Mn:Shodex GPC KD805+KD-803+KD-Gを用い、THF溶出液に
よりGPC測定を行った
ガラス転移温度Tg:セイコーインスツルメント社製DSC220C型により測定
屈折率:前記方法による
溶解性:MEKまたはC6F6の5重量%溶液を調製し、24時間振とう後目視で判定し
、溶解したものを○、一部溶解したものを△、溶解しないものを×と評価
光透過率:前記方法による
波長400〜800nmでの透過率が95%以上を○、80〜95%を△、80%
以下を×と評価
接着性:MEKまたはC6F6の5重量%溶液をキャスティング法によりポリカーボネ ート板(厚さ2mm)上に塗布し、溶媒を乾燥、除去して得られた塗膜に、 カッターナイフで1mm角の升目100個の切れ目を入れ、セロファン粘着 テープで10回剥離試験を行い、残存した升目を数え、95個以上を○、 80〜95個を△、80個以下を×と評価
塗布性:塗工性良好なものを○、溶液がゲル化してしまい、塗工できない場合
を×と評価
実施例9
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 36g(60モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 82g(40モル%)
に変更し、また重合温度を45℃に変更した。得られた含フッ素共重合体(220g)の組成は、TFE/FHVEPA=35/65重量%であった。
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 36g(60モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 82g(40モル%)
に変更し、また重合温度を45℃に変更した。得られた含フッ素共重合体(220g)の組成は、TFE/FHVEPA=35/65重量%であった。
実施例10
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(42モル%)
フッ化ビニリデン〔VdF〕 5g(16モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 68g(42モル%)
に変更した。得られた含フッ素共重合体(230g)の組成は、TFE/VdF/FHVEPA=31/6/63重量%であった。
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(42モル%)
フッ化ビニリデン〔VdF〕 5g(16モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 68g(42モル%)
に変更した。得られた含フッ素共重合体(230g)の組成は、TFE/VdF/FHVEPA=31/6/63重量%であった。
実施例11
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(54モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 58g(46モル%)
に変更し、また反応溶媒を酢酸エチル250gに変更した。得られた含フッ素共重合体(35g)の組成は、TFE/FHVEPA=33/67重量%であった。
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 20g(54モル%)
CF2=CFO(CF2)2OCF(CF3)CH2OH〔FHVEPA〕 58g(46モル%)
に変更し、また反応溶媒を酢酸エチル250gに変更した。得られた含フッ素共重合体(35g)の組成は、TFE/FHVEPA=33/67重量%であった。
比較例3
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 24g(60モル%)
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕 60g(40モル%)
に変更した。得られた含フッ素共重合体(40g)の組成は、TFE/FMVE=53/47重量%であった。
実施例8において、脱気後の仕込みを
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 24g(60モル%)
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕 60g(40モル%)
に変更した。得られた含フッ素共重合体(40g)の組成は、TFE/FMVE=53/47重量%であった。
本発明に係る高分子量含フッ素共重合体は、可視光領域におけるすぐれた光透過性や低屈折率性を実質的に損うことなく、良好な溶融加工性を有しているばかりではなく、各種基材に対する接着性にすぐれているという大きな特徴を有しているので、フィルム、シート、チューブ、ホース、ロッド、ブロック、ベルト、ボトル、タンク等の各種成形材料としてあるいは各種基材への積層材料や複合材料として有効に使用することができ、得られた成形体、積層体、複合体は、薬液チューブ、燃料ホース、反射防止膜等の耐薬品性、高光透過性、低光屈折性、低誘電性等が要求される用途に好適に用いることができる。また、低分子量含フッ素共重合体の有機溶媒溶液からは、溶融成形では実現が難しい薄膜を容易に形成することができるので、薄膜形成用途にも好適に用いることができる。
前記一般式において、Rf基が炭素数1〜25のフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキル基である、末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルとしては、例えば次のような化合物が挙げられる。
CF2=CFOCF2CH2OH
CF2=CFO(CF2)2CH2OH
CF2=CFO(CF2)3CH2OH
CF2=CFO(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)CF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CH2OH
CF2=CFO(CF2)2CH2OH
CF2=CFO(CF2)3CH2OH
CF2=CFO(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(CF3)O(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)CF2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)2CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)3CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)CF2CF(CF3)(CF2)4CH2OH
CF2=CFOCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
これらの含フッ素不飽和単量体は、高分子量体を形成させるため、生成共重合体中70重量%以上、好ましくは80〜99.9重量%を占めるような割合で共重合され、これらの好ましい3種類の含フッ素不飽和単量体が用いられる場合には、生成含フッ素共重合体中テトラフルオロエチレンは10〜85重量%、好ましくは20〜80重量%、低級アルキル基がメチル基、エチル基またはプロピル基であるパーフルオロ(低級アルキルビニルエーテル)、特にパーフルオロ(エチルビニルエーテル)は3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、またフッ化ビニリデンは7〜85重量%、好ましくは10〜74.9重量%の共重合組成となるような割合で用いられる。
得られた含フッ素共重合体は、それが高分子量体であって、溶融成形用途に用いられる場合には、融点が230℃以下、好ましくは100〜210℃、溶融粘度を示すメルトフローレートMFR(230℃)が0.1〜100g/10分、好ましくは1〜80g/10分であることが望ましい。融点がこれよりも高いものは、成形温度を高く設定せざるを得ないため、各種基材との積層化や複合化の際に過剰な熱が基材にかかり、基材の種類によっては分解や発泡を生ずるようになる。また、メルトフローレートの値がこれ以下では、やはり成形温度を高く設定せざるを得ず、一方これよりもメルトフローレートの高いものは、成形が困難となるばかりではなく、強度や伸び等の点で高分子量体としての特性が発揮できなくなってしまうようになる。かかる含フッ素共重合体は、溶媒不溶性である。
Claims (20)
- 一般式
CF2=CFORfCH2OH
(ここで、Rfは炭素数1〜25のフルオロアルキレン基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基である)で表わされる、末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテル0.1〜68重量%とこれ以外の含フッ素不飽和単量体の少くとも一種99.9〜32重量%との共重合体である含フッ素共重合体。 - 含フッ素ビニルエーテルが、一般式
CF2=CF[OCF2CF(CF3)]bO(CF2)aO[CF(CF3)CF2O]cCF(CF3)CH2OH
(ここで、aは1〜10の整数であり、b+cは0〜8の整数である)で表わされる末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルである請求項1記載の含フッ素共重合体。 - 含フッ素不飽和単量体が、一般式
R1R2C=CR3R4
(ここで、R1、R2、R3およびR4は同一または異なる基であり、それぞれ水素原子、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜24のフルオロアルキル基、フルオロアルキルエーテル基またはフルオロアルコキシフルオロアルキルエーテル基であり、その内少くとも1個はフッ素原子または含フッ素基である)で表わされる化合物である請求項1記載の含フッ素共重合体。 - 末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルが30重量%以下の割合で共重合された請求項1記載の含フッ素共重合体。
- 末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルが0.1〜20重量%の割合で共重合された請求項4記載の含フッ素共重合体。
- 溶融粘度(230℃)が0.1〜100g/10分である請求項4記載の含フッ素共重合体。
- 融点が260℃以下である請求項6記載の含フッ素共重合体。
- 波長250〜650nmにおける光透過率が70%以上である請求項6記載の含フッ素共重合体。
- 請求項6記載の含フッ素共重合体から溶融成形された成形体。
- 請求項6記載の含フッ素共重合体と基材とからなる多層構造体または複合体。
- 末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルが30〜68重量%共重合された請求項1記載の含フッ素共重合体。
- 末端水酸基を有する含フッ素ビニルエーテルが35〜67重量%共重合された請求項11記載の含フッ素共重合体。
- ガラス転移温度Tgが20℃以上で、数平均分子量Mnが1,000以上である請求項11記載の含フッ素共重合体。
- 数平均分子量Mnが1,000〜300,000である請求項13記載の含フッ素共重合体。
- 波長250〜650nmにおける光透過率が70%以上である請求項13記載の含フッ素共重合体。
- 589nmにおける屈折率が1.36以下である請求項13記載の含フッ素共重合体。
- 請求項13記載の含フッ素共重合体の有機溶媒溶液。
- コーティング剤として用いられる請求項17記載の含フッ素共重合体有機溶媒溶液。
- 請求項18記載の含フッ素共重合体有機溶媒溶液から形成された薄膜。
- 基材上に請求項19記載の薄膜を形成させた多層構造体または複合体。
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