JPWO2006043525A1 - ウリジン5’−ジリン酸−n−アセチルガラクトサミンの製造法 - Google Patents

ウリジン5’−ジリン酸−n−アセチルガラクトサミンの製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、オリゴ糖合成の重要な基質であるウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルガラクトサミン(UDP−GalNAc)の製造法に関するものであって、ウリジン5'−トリリン酸(UTP)とN−アセチルガラクトサミン1−リン酸(GalNAc1−P)からウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルガラクトサミンを酵素的に製造する際に、酵素として微生物(但し、病原性微生物を除く)由来のウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ(UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)を用いることを特徴とし、さらにGalNAc1−P、としてN−アセチルガラクトサミンキナーゼを用い、N−アセチルガラクトサミンとリン酸供与体から反応系内で調製したものを用いることができる。本発明により、比較的に安価な基質を用い、ウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルガラクトサミンを効率よく製造できる。

Description

本発明は、オリゴ糖合成の重要な基質であるウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルガラクトサミン(UDP−GalNAc)の製造法に関するものである。
オリゴ糖を酵素合成する方法としては、オリゴ糖の加水分解酵素の逆反応を利用する方法および糖転移酵素を利用する方法の2通りの方法が考えられる。糖転移酵素を用いる合成法は、合成収率や複雑な構造を持つオリゴ糖合成への応用といった点で加水分解酵素の逆反応を利用する方法よりも有利であると考えられており、また、近年の組換えDNA技術の進歩により各種糖転移酵素の量産化も該技術の実現化への後押しとなっている。
しかしながら、糖転移酵素を用いる合成法で用いる糖供与体である糖ヌクレオチドは、一部のものを除き依然として高価で、量的にも試薬レベルのわずかな供給量でしか提供し得ないのが現状である。たとえば、UDP−GalNAcの調製法としては、ガラクトサミンを出発原料として使用し、酵素法と化学的なアセチル化を組み合わせてUDP−GalNAcを合成する方法が報告されている。
しかし、(A)実験室での小スケール反応に過ぎない、(B)酵素の調製が容易でない、(C)ガラクトサミンのリン酸化に際してATP再生系を補う必要があり、反応全工程の収率も低い、(D)反応液中にUDP−ガラクトサミンが残留した場合、これと目的とするUDP−GalNAcとの分離が問題となる、等の問題を有し、必ずしも実用的な方法とはなり得なかった(Methods Enzymol.,28,271−277,(1972)、J.Org.Chem.,57,152−157.(1992))。
また、ウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミン4−エピメラーゼ(UDP−GlcNAc4−エピメラーゼ)を用いてウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミン(UDP−GlcNAc)からUDP−GalNAcを合成する方法が報告されているが(WO2002/050267)、(イ)UDP−GlcNAc4−エピメラーゼは動物組織または菌体にごく少量しか存在しない、(ロ)組換えDNA手法によりUDP-GlcNAc4-エピメラーゼを調製することも可能であるが、この酵素反応は平衡反応であることから転換率は低い上に、基質であるUDP−GlcNAcは完全に消費されることなく反応液中に多量に残留するため、UDP−GalNAcとUDP−GlcNAcとの分離は困難である、といった問題を有し、この方法も実用的な方法としては問題を残していた。
WO2002/050267 Methods Enzymol.,28,271−277,(1972) J.Org.Chem.,57,152−157.(1992) J.Biol.Chem.271,23653−23656,(1996) J.Biol.Chem.234,1822−1827(1959) J.Biol.Chem.273,27055−27057(1998) J.Biol.Chem.271,13147−13154(1996)
したがって、本発明は、安価な基質を用い、酵素的にUDP−GalNAcを効率よく製造できる実用的な方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、UDP−GalNAcの生合成経路に関して詳細に検討した結果、以下のことを見出し、本発明を完成させた。
第1に、病原性のストレプトコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ヒト、ブタ由来の各ウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ(UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)は、下記(A)の本来の変換反応を触媒する活性を有する他に下記(B)の変換反応も触媒する活性を有していることが報告されていたが(J.Biol.Chem.234,1822−1827(1959)、J.Biol.Chem.273,27055−27057(1998)、J.Biol.Chem.271,13147−13154(1996))、Staphylococcus aureus以外の病原性のない微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼにはそのような報告はなかったものの、試験の結果、下記(A)の活性以外にも下記(B)の活性を有していることを確認した。そして、たとえば大腸菌由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用い、N−アセチルガラクトサミン1−リン酸(GalNAc1−P)とウリジン5'−トリリン酸(UTP)からUDP−GalNAcを合成すれば、UDP−GlcNAcやUDP−ガラクトサミンなど従来法で問題のあった他の糖ヌクレオチドとの分離の問題を解決できること。
(A)UDP−GlcNAc+ピロリン酸 ⇔ UTP+GlcNAc1−P
(B)UDP−GalNAc+ピロリン酸 ⇔ UTP+GalNAc1−P
次に、GalNAc1−Pは高価で、化学的にも調製が容易でないため、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)を酵素的にリン酸化できないか検討している過程で、GalNAcをリン酸化する活性はヒトまたはブタの肝臓または腎臓などの組織中に存在することが報告されており(J.Biol.Chem.271,39.23653−23656,(1996))、この酵素によってGalNAcからGalNAc1−Pを酵素的に調製できること。
しかし、動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼを大腸菌等の微生物を宿主とする系で生産することは困難であり、当該酵素を実用に供することは不可能であったが、動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼをコードするGALK2遺伝子を他の微生物由来のタンパク質(たとえば、大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)をコードする遺伝子の3'末端の下流に連結し、融合蛋白質として生産させることで、大腸菌内で活性を有した状態で動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼを生産させることができること。
更に、このような動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼと微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ、あるいはそれらの融合蛋白質を用いてGalNAcとUTPからUDP−GalNAcが合成でき、さらに酵母菌体によってアデノシン5'−トリリン酸(ATP)生産とウリジン5'−モノリン酸(UMP)のリン酸化を行いながらN−アセチルガラクトサミンキナーゼと大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを作用させることにより、安価なUMPとGalNAcからUDP−GalNAcが合成できることを、それぞれ見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、UTPとGalNAc1−PからUDP−GalNAcを酵素的に製造する方法において、酵素として微生物(但し、病原性微生物を除く)由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用いることを特徴とするUDP−GalNAcの製造法に関するものである。
また、本発明は、前記UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼが微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子を用いた組換えDNA手法で調製されたものであることを特徴とするUDP−GalNAcの製造法に関するものである。
さらに、本発明は、前記GalNAc1−Pが、N−アセチルガラクトサミンキナーゼを用い、GalNAcとリン酸供与体から反応系内で調製したものであるあることを特徴とするUDP−GalNAcの製造法に関するものである。
本発明においては、前記N−アセチルガラクトサミンキナーゼは、動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ遺伝子を用いた組換えDNA手法で調製されたものとすることができ、組換えDNA手法を用いて微生物由来の蛋白質との融合蛋白質の形で調製されたものとすることができ、あるいは微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとの融合蛋白質の形で調製されたものを用いることが可能である。
また、本発明においては、前記リン酸供与体をアデノシン5'−トリリン酸(ATP)とすることができ、前記アデノシン5'−トリリン酸(ATP)が酵母菌体によって生成されるものとしても良い。
また、本発明のUDP-GalNAcの製造法においては、UTPを用いる代わりに、微生物菌体や酵素を用いたUTP生成/再生系を併用することもでき、UTPを用いる代わりにUMPと酵母菌体を用いたUMPからのUTP生成系を併用することも可能である。、
更に、本発明においては、前記微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子は、大腸菌由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子(glmU)とすることが可能である。また、前記UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼによるUDP−GalNAcの合成に際して、反応系に生成するピロリン酸を分解する酵素を添加しても良い。
また、本発明においては、前記酵母菌体として、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、カンディダ属、トルロプシス属、ハンセヌラ属、デバリオミセス属から選ばれる1又は2以上の酵母由来の菌体を用いることができ、前記酵母菌体の一例として乾燥酵母菌体を用いることができる。前記酵母菌体を用いる反応に、無機リン酸や所要のエネルギー源を添加することも有益である。
更に、本発明においては、前記N−アセチルガラクトサミンキナーゼにより調製されたGalNAc1−Pの分解を防止するフッ化ナトリウムを添加することもできる。
本発明により、微生物由来UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼがGalNAc1−PとUTPからUDP−GalNAcを生成する活性があることを見出し、該酵素と動物由来N−アセチルガラクトサミンキナーゼを用いて、GalNAcのリン酸化とUDP付加を連動して行うことでUDP−GalNAcを効率的に製造することが初めて可能となった。
また、N−アセチルガラクトサミンキナーゼとUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを融合タンパク質として生産可能ならしめ、動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼの生産を大腸菌内で初めて可能とし、2種類の酵素を一度に生産することができ、酵素調製が容易になった。
さらに、酵母菌体によってATP生産とUMPのリン酸化を行いながらN−アセチルガラクトサミンキナーゼと微生物由来UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを作用させることにより、安価なUMPとGalNAcからUDP−GalNAcが効率よく合成することができる。
さらにまた、本発明の方法は、UDP−GalNAc以外の糖ヌクレオチドがほとんど生成しないため、反応液からの目的のUDP−GalNAc単離精製が極めて簡単に行うことができる。
図1は、GalNAcとUTPからのUDP−GalNAc合成系を示したものである。 図2は、ヒト腎臓由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼと大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを共存させた時のUDP−GalNAc生成量の経時変化を示したものである。 図3は、ヒト腎臓由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼと大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとの融合タンパク質を用いた時のUDP−GalNAc生成量の経時変化を示したものである。 図4は、ジャーファーメンターでの合成反応におけるUDP−GalNAc生成量の経時変化を示したものである。
本発明は、UTPとGalNAc1−PからUDP−GalNAcを酵素的に製造する方法において、酵素として微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用いることを特徴とするUDP−GalNAcの製造法に関するものである。
反応系に添加するUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとしては、病原性を持たない微生物由来のものを使用することができる。これらの酵素は、それぞれの酵素の遺伝子をクローン化し、微生物菌体内で大量発現させる、いわゆる組換えDNA手法を用いて調製することも可能である。微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとしては、エッシェリヒア(Escherichia)属(Journal of Bacteriology,175,6150(1993))、サッカロミセス(Saccharomyces)属(Agricultural Biological Chemistry,40,2275(1976))、又はニューロスポラ(Neurospoa)属(Can.J.Microbiology,25,1381(1979))に属する微生物由来のものが例示され、特に大腸菌由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼが好適である。
このようなUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼは、当該活性を有する限りどのような形態であってもよい。具体的には、微生物の菌体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調製物などを例示することができる。
微生物の菌体処理物としては、上記微生物菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプレス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、自己消化、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細胞壁もしくは細胞膜の変性物を例示することができる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物から当該酵素活性を有する画分を通常の酵素の精製手段(塩析処理、等電点沈澱処理、有機溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマトグラフィー処理など)を施して得られる粗酵素または精製酵素を例示することができる。
微生物菌体からのUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼの調製法を具体的に説明すれば、集菌して得られた菌体を超音波処理により菌体を破砕し、菌体破壊液を遠心して上清を得、この上清を、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーなどの各種クロマトグラフィー処理を施し、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性画分を濃縮、脱塩することで目的とする酵素調製物を取得することができる。
反応に使用するUTPとGalNAc1−Pは、反応系内でそれぞれを調製してもかまわない。たとえば、GalNAc1−Pの反応系内での調製は、N−アセチルガラクトサミンキナーゼを用い、GalNAcとリン酸供与体から実施することができる。
反応に使用するN−アセチルガラクトサミンキナーゼは、ヒト、ブタ、マウスなどの哺乳類の腎臓や肝臓、膵臓、肺、心臓、大動脈、脳などの組織に存在し、特に腎臓または肝臓に多く含まれており、これらの組織から調製可能である。また、反応系に添加するN−アセチルガラクトサミンキナーゼは、当該活性を有する限りどのような形態であってもよい。具体的には、ブタ肝臓の処理物または該処理物から得られる酵素調製物などを例示することができる。
しかし、酵素調製の簡便性などの点から、常法に従ってN−アセチルガラクトサミンキナーゼ遺伝子をクローン化し、微生物菌体内で大量発現させる、いわゆる組換えDNA手法により調製することのほうが好都合である。微生物を宿主とし、組換えDNA手法により動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼを調製する場合、通常の方法では目的の酵素が生産されないか、生産されても極めて少量であり、実用に耐えない。このため、宿主と同じ微生物由来の蛋白質(たとえば、大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)をコードする遺伝子の下流に連結し、融合蛋白質として生産させることで、大腸菌などの宿主内で活性を有した状態で動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼを生産させることができる。
上記融合蛋白質を生産させるための遺伝子の連結、プラスミドの構築、宿主の形質転換、酵素の生産などは、既にこの分野では周知の技術であり、後述実施例に示したように、常法に従って行うことができる。
反応に添加するN−アセチルガラクトサミンキナーゼとしては、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼと同様に、当該活性を有する限りどのような形態であってもよい。具体的には、微生物の菌体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調製物などを例示することができる。
また、UTPの反応系内での調製は、微生物菌体や酵素を用いたUTP生成/再生系を併用することで実施できる。具体的には、UMPと酵母菌体を用いたUMPからのUTP生成系を利用することができ、まずこれについて説明する(図1参照)。
使用する酵母菌体としては、糖ヌクレオチドの製造に使用されるものであれば特に制限されない。具体的には、サッカロミセス(Saccharomyces)属、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、カンディダ(Candida)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、デバリオミセス(Debaryomyces)属などの酵母由来の菌体を例示することができる。このような酵母菌体は、生酵母菌体、乾燥酵母菌体いずれであってもかまわないが、反応収率、取扱いの容易性などの点から乾燥酵母菌体を用いるのが好ましい。
また、UTPの反応系内での調製は、上記のUMPと酵母菌体を用いたUMPからのUTP生成系に限定されるものではなく、たとえば、微生物菌体を用いたオロチン酸からのUTP生成系(特開平5−276974号)、あるいは酵素を用いたUTP生成系とATP再生系とが共役したもの(具体的には、アデニル酸(AMP)にポリリン酸キナーゼ、アデニレートキナーゼ及びポリリン酸を作用せしめてATPを再生しながらUMPにウリジル酸キナーゼ、および必要によりヌクレオシド二リン酸キナーゼを作用せしめてUTPを生成する系)などを利用することもできる。
このような酵素と基質を用いてUDP−GalNAcを製造する条件は、使用する酵素や基質により若干異なる。
(1)酵素として微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用い、UTPとGalNAc1−PからUDP−GalNAcを酵素的に製造する場合
反応に使用するUTPとGalNAc1−Pは市販品、あるいは公知の方法(J. Am. Chem. Soc., 115, 2260-2267 (1993))を応用して調製したものを使用することができる。使用濃度としては、特に制限されないが、それぞれ約1〜200mM、好ましくは約1〜100mMの範囲から適宜設定することができる。
UDP−GalNAcの合成反応は、例えばpH約6.0〜9.0のリン酸緩衝液中にUTPとGalNAc1−Pを添加し、この反応液に上記UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを約0.1ユニット/ml以上、好ましくは約0.5〜20.0ユニット/ml添加共存させ、約5〜30℃、好ましくは約5〜25℃で1〜70時間程度、必要により撹拌しなから反応させることにより実施できる。
なお、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼによるUDP−GalNAcの合成反応は、平衡反応であり、UDP−GalNAcの合成収率を向上させるため、反応系に生成するピロリン酸を分解する酵素(たとえば、ピロホスファターゼ)を0.1ユニット/ml以上添加することが好適である。
(2)酵素として微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼと動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ、あるいはそれらの融合酵素を用い、UTPとGalNAcからUDP−GalNAcを酵素的に製造する場合
反応に使用するUTPとGalNAcは、市販品を使用することができる。使用濃度としては、特に制限されないが、それぞれ約1〜200mM、好ましくは約1〜100mMの範囲から適宜設定することができる。
UDP−GalNAcの合成反応は、例えばpH約6.0〜9.0のリン酸緩衝液中にUTPとGalNAcを添加し、この反応液に上記2種類の酵素をそれぞれ、あるいは融合酵素を約0.1ユニット/ml以上、好ましくは約0.5〜20.0ユニット/ml添加共存させ、約5〜30℃、好ましくは約5〜25℃で1〜70時間程度、必要により撹拌しなから反応させることにより実施できる。
なお、上記(1)と同様に、ピロリン酸を分解する酵素(たとえば、ピロホスファターゼ)を0.1ユニット/ml以上添加し、さらにN−アセチルガラクトサミンキナーゼにより調製されたGalNAc1−Pの分解を防止するため、1mM以上のフッ化ナトリウム添加することが好適である。
(3)酵素として微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼと動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ、あるいはそれらの融合酵素を用い、酵母菌体を用いたUMPからのUTP生成系を併用し、UMPとGalNAcからUDP−GalNAcを製造する場合
反応に使用するUMPとGalNAcは、市販品を使用することができる。使用濃度としては、特に制限されないが、それぞれ約1〜200mM、好ましくは約10〜50mMの範囲から適宜設定することができる。
UDP−GalNAcの合成反応は、例えばpH約6.0〜9.0のリン酸緩衝液中にUMPとGalNAcを添加し、この反応液に上記2種類の酵素それぞれ、あるいは融合酵素を約0.1ユニット/ml以上、好ましくは約0.5〜20.0ユニット/ml添加し、さらに酵母菌体を1〜10%(w/v)共存させ、約5〜30℃で1〜70時間程度、必要により撹拌しなから反応させることにより実施できる。
上記反応には、無機リン酸とエネルギー源を反応系に添加するのが好ましい。無機リン酸は、リン酸カリウムなどをそのまま使用することもできるが、リン酸緩衝液の形態で使用するのが好ましい。エネルギー源としては、グルコース、フラクトースなどの糖類、酢酸、クエン酸などの有機酸を使用することができる。それぞれの使用濃度は、特に制限されないが、約10〜1000mM、好ましくは約100〜500mMの範囲から適宜設定することができる。
なお、上記反応系には、上記(1)及び(2)の酵素反応と異なり、ピロリン酸を分解する酵素やGalNAc1−Pの分解を防止するためのフッ化ナトリウムなどのフッ化塩を反応系に添加する必要はない。
このようにして得られたUDP−GalNAcは、糖ヌクレオチドの通常の単離精製手段(イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、塩析など)により単離精製することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。なお、実施例において、反応液中のUDP−GalNAcの定量にはHPLC法により行った。すなわち、分離にはYMC社製のODS−AQ312カラムを用い、溶出液として0.5Mリン酸一カリウム溶液を用いた。DNAの調製、制限酵素による切断、T4DNAリガーゼによるDNA連結、並びに大腸菌の形質転換法は全て「Molecular cloning」(Maniatisら編、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New YorK(1982))に従って行った。制限酵素、ExTaqDNAポリメラーゼ、T4DNAリガーゼはタカラバイオ(株)より入手した。
実施例1
(1)ヒト腎臓由来N−アセチルガラクトサミンキナーゼをコードするGALK2遺伝子のクローン化
ヒト腎臓由来cDNAライブラリー(クロンテック社から入手可能)を鋳型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法によりヒト腎臓GALK2遺伝子(Submitted to NCBI、Accession No.NM_002044)を増幅した。
プライマー(A):5'-CGGGGATCCATGGCTACAGAGAGCCCTGCT-3'
プライマー(B):5'-TACGTCGACTTAGGCCTCAAGCAAAACCAA-3'
PCRによるGALK2遺伝子の増幅は、反応液100μl(50mM 塩化カリウム、10mM トリス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウム、0.001%ゼラチン、0.2mM dATP、0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、鋳型DNA 0.1ng、プライマーDNA(A)および(B)各々0.2μM、ExTaqDNAポリメラーゼ 2.5ユニット)をタカラバイオ社製 DNA Thermal Cycler Diceを用いて、熱変性(94℃、1分)、アニーリング(59℃、1分)、伸長反応(72℃、2分)のステップを30回繰り返すことにより行った。
遺伝子増幅後、DNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.4kbのDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素BamHI及びSalIで消化し、同じく制限酵素BamHI及びSalIで消化したプラスミドpMAL−c2x(New England BioLabs社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌K12株JM109菌(タカラバイオ株式会社より入手)を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpMAL−hGLK2を単離した。pMAL−hGLK2は、maltose binding protein遺伝子の3'−末の下流のBamHI−SalI切断部位にヒト腎臓GALK2構造遺伝子を含有するBamHI−SalI DNA断片が挿入されたものである。
(2)ヒト腎臓GALK2遺伝子産物の調製
プラスミドpMAL−hGLK2を保持する大腸菌JM109菌を、100μg/mlのアンピシリンを含有する培地(2%ペプトン、1%酵母エキス、0.5%NaCl、0.1%グルコース)100mlに植菌し、37℃で振とう培養した。菌数が4×10個/mlに達した時点で培養液に最終濃度0,0.01,0.1または1.0mMの各濃度になるようにIPTGを添加し、さらに25℃で20時間それぞれ振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(4℃、9,000×g,10分)により菌体を回収し、20mlの緩衝液(50mM リン酸カリウム(pH7.5))に懸濁した。ブランソン社製超音波破砕機(モデル450ソニファー)を用いて氷冷下で超音波処理を行い(50W,2分,3回)、4℃、12,000×gの条件下で20分間遠心分離し、可溶性画分(上清)を回収した。
このように得られた上清画分を酵素標品とし、酵素標品におけるN−アセチルガラクトサミンキナーゼ活性を測定した。その結果を下記表に示す。
なお、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ活性は、以下に示す方法でATPとGalNAcからGalNAc1−Pへのリン酸化活性を測定、算出したものである。すなわち、100mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、10mM 塩化マグネシウム、5mM GalNAc、5mM ATP・3Na、5mM フッ化ナトリウムにN−アセチルガラクトサミンキナーゼ酵素標品を添加して37℃で10分反応させる。反応液を5分間の煮沸にて反応を停止し、糖分析機 HPAEC−CD(High−performance anione−exchange chromatography coupled with conductimetric detection)による分析を行う。分離にはダイオネクス社製のCarbopac PA1カラム(4×250mm)を用い、溶出液として(A)0.1M NaOH溶液と(B)0.1M NaOH,0.5M 酢酸ナトリウム溶液の濃度勾配(0−15分:B=1%−50%、15−20分:B=100%)を用いる。HPAEC−CD分析結果から反応液中のGalNAc1−Pの生成量を算出し、37℃で1分間に1μmoleのGalNAc1−Pを生成する活性を1単位(ユニット)とする。
(3)UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼの調製
大腸菌(IFO3972=NBRC3972)の染色体DNAから、文献公知の方法(Biosci. Biotechnol. Biochem.,64(2),386−392(2000))に従って調製した大腸菌JM109[pTrc−glmU]をアンピシリンを100μg/ml含む2×YT培地(Methods Enzymol.,153,3−11,(1987))10mlで一夜37℃で培養した。これを、アンピシリンを100μg/ml含む2×YT培地500mlに植菌した。37℃で2時間培養後、IPTGを終濃度0.1mMになるように添加し、引き続き37℃で一夜培養した。培養終了後、遠心分離(4℃,9,000xg,20分)により菌体を回収した。回収した菌体を50mM トリス塩酸(pH7.5)に懸濁し、ブランソン社製超音波破砕機(モデル450ソニファー)を用いて破砕後(50W,2分,3回)、4℃、15,000rpmの条件下で20分間遠心分離し、可溶性画分(上清)を回収した。
このように得られた上清画分を酵素標品とし、酵素標品におけるUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性を測定した。その結果を対照菌(pTrc99Aを保持する大腸菌JM109菌)と共に下記表2に示す。
なお、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性は、Biosci. Biotechnol. Biochem.,64(2),386−392(2000)に示す方法、すなわちUDP−GlcNAcとピロリン酸からN−アセチルグルコサミン1−リン酸とUTPへの分解活性を測定、算出したものである。すなわち、50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、5mM 塩化マグネシウム、3mM ピロリン酸ナトリウム、1mM UDP−GlcNAcにUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ酵素標品を添加して37℃で5分反応させる。また、ピロリン酸ナトリウム溶液の代わりに水を用い同様の反応を行い、これをコントロールとする。
反応液を5分間の煮沸にて反応を停止し、HPLCによる分析を行う。分離にはYMC社製のODS−AQ312カラムを用い、溶出液として0.5M リン酸−カリウム溶液を用いる。HPLC分析結果から反応液中の生じたUTP量を算出し、37℃で1分間に1μmoleのUTPを生成する活性を1単位(ユニット)とする。
(4)大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼによるUDP−GalNAcの酵素合成
50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、5mM 塩化マグネシウム、1mM 5'−UTP・3Na、1mM GalNAc1−Pを含む溶液0.5mlに上記(3)で調製した所定活性量のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ酵素液(4.8ユニット)を添加し、37℃で反応を行った。反応途中の反応液から適当量を採取し、5分間煮沸後遠心分離してその上清をHPLC分析に供した。
反応開始後の反応液の分析を行った結果、1mMのUTPと1mMのGalNAc1−リン酸から0.33mMのUDP−GalNAcが合成されたことを確認した。さらに反応液に無機ピロホスファターゼ(シグマ社製)を添加することにより平衡がUDP−GalNAc合成側に傾き、合成収率が向上(60%程度向上)することも確認した。
実施例2
(1)ヒトN−アセチルガラクトサミンキナーゼおよび大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼによるUDP−GalNAcの合成
100mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、10mM 塩化マグネシウム、5mM 5'−UTP・3Na、5mM GalNAc、5mM 5'−ATP・3Na、5mM フッ化ナトリウムを含む溶液0.2mlに上記実施例1で調製した所定活性量のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ酵素液(0.094ユニット)とUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ酵素液(4.4ユニット)および無機ピロホスファターゼ(シグマ社製、0.5ユニット)を添加し、37℃で反応を行った。
反応途中の反応液から適当量を採取し、5分間煮沸後遠心分離してその上清をHPLC分析に供した。反応開始4時間後の反応液の分析を行った結果、N−アセチルガラクトサミンキナーゼ、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ及び無機ピロホスファターゼ存在下において、3.2mMのUDP−GalNAcが合成されたことを確認した。なお、N−アセチルガラクトサミンキナーゼを存在させず、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼおよび無機ピロホスファターゼのみ反応条件下ではUDP−GalNAcは生成されなかった。
実施例3
(1)乾燥酵母とヒトN−アセチルガラクトサミンキナーゼおよび大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用いたUDP−GalNAcの合成
200mM グルコース、50mM GalNAc、50mM UMP、200mM リン酸カリウム(pH8.0)、20mM 塩化マグネシウム、3%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母工業)を含む溶液1mlに、実施例1で調製した組換え酵素(N−アセチルガラクトサミンキナーゼ;0.32ユニット,UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ;10.4ユニット)を添加し、26℃で300rpmの攪拌速度で撹拌しながら反応を行った。また,反応開始16,24,40,48時間目に2Mのグルコース溶液を0.1mLずつ反応液に添加した。経時的に反応液の分析を行った結果を図2に示す。UDP−GalNAcの蓄積量は反応49時間で32mMに達した。
実施例4
実施例2及び3では、二種類の酵素を用いての反応例を示したが、ここでは二種類の酵素を融合タンパク質として生産させたものを用いてUDP−GalNAc合成反応を行った結果を示す。
(1)大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとヒト腎臓由来N−アセチルガラクトサミンキナーゼの融合
大腸菌UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子発現用プラスミド、pTrc−glmUを鋳型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法によりglmU遺伝子を含むDNA断片を増幅した。
プライマー(C):5'-GAGCGGATAACAATTTCAC-3'
プライマー(D):5'-CCAGGATCCCTTTTTCTTTACCGGACGACG-3'
PCRによるglmU遺伝子を含むDNA断片の増幅は、反応液100μl(50mM 塩化カリウム、10mM トリス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウム、0.001%ゼラチン、0.2mM dATP、0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、鋳型DNA 0.1ng、プライマーDNA(A)および(B)各々0.2μM、ExTaqDNAポリメラーゼ 2.5ユニット)をタカラバイオ社製 DNA Thermal Cycler Diceを用いて、熱変性(94℃、1分)、アニーリング(64℃、1分)、伸長反応(72℃、2分)のステップを30回繰り返すことにより行った。
DNA断片増幅後、DNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.4kbのDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素EcoRI及びBamHIで消化し、同じく制限酵素EcoRI及びBamHIで消化したプラスミドpTrc99A(ファルマシア社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌K12株JM109菌(タカラバイオ株式会社より入手)を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrc−glmU3を単離した。pTrc−glmU3のglmU遺伝子は、終始コドンを欠きその代わりにBamHI認識部位が挿入されたものである。
つぎに、pTrc−hGLK2を制限酵素BamHIとSalIで消化し、1.4kb相当のDNA断片を単離・精製した。これを同じく制限酵素BamHIとSalIで消化したプラスミドpTrc−glmU3とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌JM109菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrc−glmU・hGLK2を単離した。pTrc−glmU・hGLK2は、glmU遺伝子の3'−末下流にフレームを揃えてhGLK2遺伝子が連結されたものである。つぎにpTrc−glmU・hGLK2を制限酵素SacIとSalIで消化し、1.4kb相当のDNA断片を単離・精製した。これを同じく制限酵素SacIとSalIで消化したプラスミドpTrc12−6とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌DH1株(ATCC 33849)を形質転換し、得られたカナマイシン耐性形質転換体よりプラスミドp12−6−glmU・hGLK2を単離した。
なお、プラスミドpTrc12−6は、プラスミドベクター πAG1(プラスミドベクター πAG1を保持した大腸菌 K−12株 TNC111菌の寄託番号:FERM BP−6901号:平成11年9月30日寄託)と発現プラスミドpTrc99Aを基に構築され、pTrc99Aのβ−ラクタマーゼ遺伝子が完全に欠失し(position 567―1816bpが欠失)、その欠失部位にTn903由来のカナマイシン耐性遺伝子が挿入されたものである(特開2001−103973)。
(2)大腸菌glmU遺伝子産物とヒト腎臓GALK2遺伝子産物の融合タンパク質の調製
プラスミドp12−6−glmU・hGLK2を保持する大腸菌DH1株を、100μg/mlのカナマイシンを含有する培地(2%ペプトン、1%酵母エキス、0.5%NaCl、0.1%グルコース)50mlに植菌し、37℃で振とう培養した。菌数が4×10個/mlに達した時点で培養液に最終濃度0.1mMになるようにIPTGを添加し、さらに25℃で20時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(4℃、9,000×g,10分)により菌体を回収し、20mlの緩衝液(50mM リン酸カリウム(pH7.5))に懸濁した。氷冷下で超音波処理により菌体を破砕し、さらに遠心分離(4℃、12,000×g、10分)により菌体残渣を除去した。
このように得られた上清画分を酵素標品とし、酵素標品におけるUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性およびN−アセチルガラクトサミンキナーゼ活性を実施例1に記載の方法で測定した。その結果を下記表3に示す。
(3)融合タンパク質を用いたUDP−GalNAcの合成
上記の融合酵素標品を用いてUDP−GalNAc合成を行った。すなわち、200mM グルコース、50mM GalNAc、28mM UMP、200mM リン酸カリウム(pH8.0)、20mM 塩化マグネシウム、3%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母工業)を含む2.5mL溶液に、上記組換え融合酵素液(N−アセチルガラクトサミンキナーゼ;1.75ユニット、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ;88.9ユニット)を添加して、27℃、100rpmで攪拌しながら反応を行った。反応開始から14,24,40時間目にグルコースを0.09g反応液に添加した。また、反応開始24時間後に0.5MのUMP溶液110μlを反応液に添加した。
経時的に反応液を分析した結果を図3に示す。融合タンパク質を用いた場合でも、個々に調製した両酵素を混合して用いた場合とほぼ同等にUDP−GalNAcが合成され、反応40時間でUDP−GalNAcは30mMに達した。
(4)大腸菌glmU遺伝子産物とヒト腎臓GALK2遺伝子産物の融合タンパク質の調製(スケールアップ)
プラスミドp12−6−glmU・hGLK2を保持する大腸菌DH1株を、100μg/mlのカナマイシンを含有する培地(2%ペプトン、1%酵母エキス、0.5%NaCl、0.1%グルコース)3mLに接種し、37℃で一晩振とう培養した。この培養液の全量を125mLの同培地に接種し、37℃で8から11時間振とう培養した。この培養液全量を5Lの同培地に植菌し、37℃、通気量1.0vvm、攪拌羽回転数300rpmの条件で培養した。菌数が4×10個/mlに達した時点で培養液に最終濃度0.1mMになるようにIPTGを添加し、培養温度を28℃に下げて14時間培養を続けた。培養終了後、菌体を遠心分離(9,000×g,10分)により回収し、500mlの緩衝液(50mM リン酸カリウム(pH7.5))に懸濁した。氷冷下で超音波処理により菌体を破砕したのち、遠心分離(12,000×g、10分)により菌体残渣を除去した。
このように得られた上清画分を酵素標品とし、UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性を実施例1に記載の方法で測定した。その値は9.50ユニット/mgタンパク質であった。
(5)UDP−GalNAc合成反応のスケールアップ
融合酵素標品を用いたUDP−GalNAc合成反応をスケールアップし、ジャーファーメンターで行った。すなわち、200mM グルコース、50mM N−アセチルガラクトサミン、28mM UMP、200mM リン酸カリウム(pH8.0)、20mM 塩化マグネシウム、3%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母工業)、および上記組換え融合酵素液(UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ活性として525,000ユニット)を添加して1,500mLにフィルアップし、27℃、通気量0.1vvm、攪拌羽回転数150rpmの条件で反応を行った。反応開始から14,24,38時間目にグルコースを54g反応液に添加した。また、反応開始24時間後に0.5MのUMP溶液66mLを反応液に添加した。
経時的に反応液を分析した結果を図4に示す。ジャーファーメンターで反応した場合でも、UDP−GalNAcが合成され、反応40時間でUDP−GalNAcは35mMに達した。
<受託証>

SEQUENCE LISTING
<110> YAMASA CORPORATION
<120> Process for producing uridine 5'-diphospho-N-acetylgalactosamine
<130> 5043-001PCT

<150> JP P2004-306783
<151> 2004-10-21

<160> 4

<170> PatentIn Ver. 2.1

<210> 1
<211 >30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> primer for amplification of GALK2 gene
<400> 1
cggggatcca tggctacaga gagccctgct 30

<210> 2
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> primer for amplification of GALK2 gene
<400> 2
tacgtcgact taggcctcaa gcaaaaccaa 30

<210> 3
<211> 19
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> primer for amplification of glmU gene
<400> 3
gagcggataa caatttcac 19

<210> 4
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> primer for amplification of glmU gene
<400> 4
ccaggatccc tttttcttta ccggacgacg 30
第1に、病原性のスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ヒト、ブタ肝臓由来の各ウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ(UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)は、下記(A)の本来の変換反応を触媒する活性を有する他に下記(B)の変換反応も触媒する活性を有していることが報告されていたが(J.Biol.Chem.234,1822−1827(1959)、J.Biol.Chem.273,27055−27057(1998)、J.Biol.Chem.271,13147−13154(1996))、Staphylococcus aureus以外の病原性のない微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼにはそのような報告はなかったものの、試験の結果、下記(A)の活性以外にも下記(B)の活性を有していることを確認した。そして、たとえば大腸菌由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼを用い、N−アセチルガラクトサミン1−リン酸(GalNAc1−P)とウリジン5'−トリリン酸(UTP)からUDP−GalNAcを合成すれば、UDP−GlcNAcやUDP−ガラクトサミンなど従来法で問題のあった他の糖ヌクレオチドとの分離の問題を解決できること。
PCRによるglmU遺伝子を含むDNA断片の増幅は、反応液100μl(50mM 塩化カリウム、10mM トリス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウム、0.001%ゼラチン、0.2mM dATP、0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2mM dTTP、鋳型DNA 0.1ng、プライマーDNA(C)および(D)各々0.2μM、ExTaqDNAポリメラーゼ 2.5ユニット)をタカラバイオ社製 DNA Thermal Cycler Diceを用いて、熱変性(94℃、1分)、アニーリング(64℃、1分)、伸長反応(72℃、2分)のステップを30回繰り返すことにより行った。

Claims (18)

  1. ウリジン5'−トリリン酸(UTP)とN−アセチルガラクトサミン1−リン酸(GalNAc1−P)からウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルガラクトサミン(UDP−GalNAc)を酵素的に製造する方法において、酵素として微生物(但し、病原性微生物を除く)由来のウリジン5'−ジリン酸−N−アセチルグルコサミンピロホスホリラーゼ(UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ)を用いることを特徴とするUDP−GalNAcの製造法。
  2. 前記UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼが微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子を用いた組換えDNA手法で調製されたものであることを特徴とする請求項1記載のUDP−GalNAcの製造法。
  3. 前記微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子が大腸菌由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼ遺伝子(glmU)であることを特徴とする請求項2記載のUDP−GalNAcの製造法。
  4. 前記UDP−GlcNAcピロホスホリラーゼによるUDP−GalNAcの合成に際して、反応系に生成するピロリン酸を分解する酵素を添加することを特徴とする請求項1記載のUDP−GalNAcの製造法。
  5. 前記GalNAc1−Pが、N−アセチルガラクトサミンキナーゼを用い、N−アセチルガラクトサミンとリン酸供与体から反応系内で調製したものであることを特徴とする請求項1記載のUDP−GalNAcの製造法。
  6. 前記リン酸供与体が、アデノシン5'−トリリン酸(ATP)であることを特徴とする請求項5記載のUDP−GalNAcの製造法。
  7. 前記アデノシン5'−トリリン酸(ATP)が酵母菌体によって生成されるものであることを特徴とする請求項6記載のUDP−GalNAcの製造法。
  8. N−アセチルガラクトサミンキナーゼが動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ遺伝子を用いた組換えDNA手法で調製されたものであることを特徴とする請求項5記載のUDP−GalNAcの製造法。
  9. 前記N−アセチルガラクトサミンキナーゼが、組換えDNA手法を用い、微生物由来の蛋白質との融合蛋白質の形で調製されたものであることを特徴とする請求項5記載のUDP−GalNAcの製造法。
  10. 動物由来のN−アセチルガラクトサミンキナーゼ遺伝子(GALK2)を他の微生物由来の蛋白質をコードする遺伝子の3'末端の下流に連結することで前記融合蛋白質を調整することを特徴とする請求項9記載のUDP−GalNAcの製造法。
  11. 前記N−アセチルガラクトサミンキナーゼが、微生物由来のUDP−GlcNAcピロホスホリラーゼとの融合蛋白質の形で調製されたものを用いることを特徴とする請求項5記載のUDP−GalNAcの製造法。
  12. 前記N−アセチルガラクトサミンキナーゼにより調製されたGalNAc1−Pの分解を防止するフッ化塩を添加することを特徴とする請求項5記載のUDP−GalNAcの製造法。
  13. 前記UTPの一部若しくは全部を用いる代わりに、微生物菌体や酵素を用いたUTP生成/再生系を併用したことを特徴とする請求項1記載のUDP−GalNAcの製造法。
  14. 前記UTPの一部若しくは全部を用いる代わりに、ウリジン5'−モノリン酸(UMP)と酵母菌体を用いたUMPからのUTP生成系を併用したことを特徴とする請求項1記載のUDP−GalNAcの製造法。
  15. 前記酵母菌体として、サッカロミセス属、チゴサッカロミセス属、カンディダ属、トルロプシス属、ハンセヌラ属、デバリオミセス属から選ばれる1又は2以上の酵母由来の菌体を用いることを特徴とする請求項14記載のUDP−GalNAcの製造法。
  16. 前記酵母菌体として、乾燥酵母菌体を用いることを特徴とする請求項14記載のUDP−GalNAcの製造法。
  17. 前記酵母菌体を用いる反応に、無機リン酸を添加することを特徴とする請求項14記載のUDP−GalNAcの製造法。
  18. 前記酵母菌体を用いる反応に、所要のエネルギー源を添加することを特徴とする請求項14記載のUDP−GalNAcの製造法。
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