JP2002335988A - オリゴ糖の製造法 - Google Patents

オリゴ糖の製造法

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JP2002335988A
JP2002335988A JP2001151791A JP2001151791A JP2002335988A JP 2002335988 A JP2002335988 A JP 2002335988A JP 2001151791 A JP2001151791 A JP 2001151791A JP 2001151791 A JP2001151791 A JP 2001151791A JP 2002335988 A JP2002335988 A JP 2002335988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価なヌクレオシド5’−モノリン酸(NM
P)もしくはヌクレオシド5’−ジリン酸(NDP)か
らのヌクレオシド5’−トリリン酸(NTP)再生を伴
う糖ヌクレオチドのサイクル合成と糖転移酵素を組み合
わせたオリゴ糖の効率的な合成法を提供する。 【解決手段】下記式(I)のオリゴ糖合成系において、
NMPもしくはNDPからNTPへの反応および糖から
糖−1−リン酸への反応を酵母菌体を用いて行うことを
特徴とするオリゴ糖の製造法に関する。 (I) また、下記式(II)のオリゴ糖合成系において、NM
PからNTPへの反応を酵母菌体を用いて行うことを特
徴とするオリゴ糖の製造法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価なヌクレオシ
ド5’−モノリン酸(NMP)もしくはヌクレオシド
5’−ジリン酸(NDP)からのヌクレオシド5’−ト
リリン酸(NTP)再生を伴う糖ヌクレオチドのサイク
ル合成と糖転移酵素を組み合わせたオリゴ糖の効率的な
合成法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、糖鎖についての研究が急速に進
み、その機能が明らかになるにつれ、生理活性を有する
オリゴ糖の医薬品または機能性素材としての用途開発が
注目を集めている。しかし、現在市販されているオリゴ
糖はごく限られた種類のものしかなく、しかも極めて高
価である。また、そのようなオリゴ糖は試薬レベルでし
か製造できず、必ずしもその大量製造法が確立されてい
るとは限らない。従来、オリゴ糖の製造は天然物からの
抽出法、化学合成法あるいは酵素合成法、さらにはそれ
らの併用により行われていたが、その中でも酵素合成法
が大量製造に適した方法であると考えられている。
【0003】酵素合成法によりオリゴ糖を合成する方法
としては、オリゴ糖の加水分解酵素の逆反応を利用する
方法および糖転移酵素を利用する方法の2通りの方法が
考えられている。後者の糖転移酵素を用いる方法は、合
成収率や複雑な構造を持つオリゴ糖合成への応用といっ
た点で前者の方法よりも有利であると考えられている。
【0004】糖転移酵素は糖ヌクレオチドを糖供与体と
して、受容体となる糖鎖に糖を転移し、糖鎖伸長を行う
酵素である。例えば、シアリルオリゴ糖は、シチジン
5’−モノホスホリル−N−アセチルノイラミン酸(C
MP−NeuAc)を糖供与体としてシアル酸転移酵素
(シアリルトランスフェラーゼ)により合成される。シ
アル酸転移反応によりシチジン5’−モノリン酸(CM
P)が生成するが、CMPはシアル酸転移酵素活性を阻
害するため、CMPを反応系より除去しないとシアル酸
転移反応の効率は低下してしまう。そのため、通常、ホ
スファターゼなどの添加によりCMPを分解するなどの
操作が必要である。また、原料となるCMP−NeuA
c等の糖ヌクレオチドは高価であることからも、糖ヌク
レオチドを直接原料としてシアリルオリゴ糖を合成する
ことは実用的な方法とは言えなかった。
【0005】そのため、糖ヌクレオチドのサイクル合成
と糖転移反応の組み合せによるオリゴ糖の合成法が考案
されている。糖ヌクレオチドのサイクル合成とは、糖転
移反応により生成するNDPあるいはNMPをリン酸化
して、糖転移酵素活性を阻害するNDPあるいはNMP
の蓄積を排除するとともに、糖ヌクレオチド合成の基質
となるNTPに再生し、もって酵素的に糖ヌクレオチド
を再生させるというものである。
【0006】NMPもしくはNDPからのNTPの再生
には、(1)ミオキナーゼやピルビン酸キナーゼなどの
酵素と、アデノシン5’−トリリン酸(ATP)あるい
はホスホエノールピルビン酸などのリン酸供与体を用い
てNMPもしくはNDPを酵素的にリン酸化する方法
(Pure & Appl. Chem., 65, 803-808 (1993), J. Am.C
hem., 113, 6300-6302 (1991), U.S. Patent 5,728,55
4、 Nature Biotech., 16, 769-772 (1998))や、
(2)微生物生菌体(Corynebacterium ammnoniagene
s)を用いてNMPもしくはNDPをリン酸化する方法
(Nature Biotech. 16, 847-850 (1998), Carbohydorat
e Res. 316, 179-183 (1999), Appl. Microbiol. Biote
chnol., 53: 257-261 (2000))が報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
(1)の方法は、リン酸供与体となるATPあるいはホ
スホエノールピルビン酸が高価であるという問題があ
る。また、NTPを基質とした糖ヌクレオチド合成の際
にピロリン酸が生成し、これが蓄積することにより糖ヌ
クレオチド合成が抑制されるためピロリン酸分解酵素を
添加して無機リン酸に分解する必要がある。しかし、無
機リン酸は、糖転移酵素反応に必要な金属イオン(マグ
ネシウム、マンガンなど)と不溶性沈殿を形成して該酵
素反応の進行を抑制あるいは遅延させるため、反応途中
に金属イオンを再添加しなければならず、煩雑な工程管
理とならざるを得なかった(特表平11−503328
号、特表平11−503329号)。
【0008】また、上記の(2)の方法は、NMPもし
くはNDPのリン酸化反応に膨大な微生物菌体量が必要
であるため、該微生物の調製のための設備及びコスト面
で問題があった。また、(1)と同様にピロリン酸およ
び無機リン酸が蓄積するため、ピロフォスファターゼあ
るいは該酵素の生産菌を添加しなければならないことか
らも必ずしも簡便な方法とは言い難かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オリゴ糖
の効率的な合成法を見出すべく、糖ヌクレオチドのサイ
クル合成におけるNMPもしくはNDPからのNTPの
再生に酵母菌体を用いることについて検討した。従来、
酵母菌体を用いて糖ヌクレオチドを製造する方法は公知
である(WO98/11247など)。しかしながら、
糖転移酵素を共存させた場合や、糖ヌクレオチドのサイ
クル合成に伴い生成するピロリン酸や無機リン酸が酵母
の生存あるいは酵母内の酵素活性に及ぼす影響について
は全く検討されておらず、不明であった。
【0010】このような状況下、鋭意検討したところ、
少量の酵母を添加するだけでNMPもしくはNDPから
NTPおよび糖ヌクレオチドの再生が可能であるだけで
なく、反応液中にピロリン酸および無機リン酸の蓄積が
みられないことから分解酵素の添加等の煩雑な工程を必
要とせずにオリゴ糖の合成が可能であることを見出し、
本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、下記式(III)の
オリゴ糖合成系において、NMPもしくはNDPからN
TPへの反応および糖から糖−1−リン酸への反応を酵
母菌体を用いて行うことを特徴とするオリゴ糖の製造法
に関するものである。 (III)
【0012】また、本発明は、下記式(IV)のオリゴ
糖合成系において、NMPからNTPへの反応を酵母菌
体を用いて行うことを特徴とするオリゴ糖の製造法に関
するものである。 (IV)
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のオリゴ糖の製造法は、N
MP、糖および糖受容体を含有する反応系に酵母菌体、
糖ヌクレオチド合成酵素および糖転移酵素を添加して実
施するのものである。反応系に添加する酵母菌体として
は、市販のパン酵母あるいはワイン酵母などをあげるこ
とができる。このような酵母菌体は、生酵母、乾燥酵母
いずれであってもかまわないが、反応収率の点からは乾
燥酵母を用いるのが好ましい。
【0014】同じく反応系に添加する糖転移酵素として
は、糖ヌクレオチドの糖残基を糖受容体に転移させる活
性を有するものであればよく、例えば、ガラクトシルト
ランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、フ
コシルトランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラ
ーゼ、シアリルトランスフェラーゼ等があげられる(W
O98/22614、特表平11−503329な
ど)。
【0015】また、糖ヌクレオチド合成酵素としては、
糖または糖−1−リン酸とヌクレオチドから糖ヌクレオ
チドを合成する活性を有するものであればよく、例え
ば、ヌクレオシドジリン酸−糖ピロホスホリラーゼ(U
DPグルコースピロホスホリラーゼ、GDPマンノース
ピロホスホリラーゼなど)、CMP−シアル酸合成酵素
などがあげられる(WO98/11248など)。ま
た、生成した糖ヌクレオチドを他の糖ヌクレオチドに変
換する酵素を使用してもよく、そのような酵素として
は、糖−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ(ヘ
キソース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ
等)があげられる(特表平11−503329など)。
【0016】これらの酵素は目的とする酵素活性を有す
る限りどのような形態であってもよい。酵素調製の簡便
さと共に調製効率を高めるため、該酵素遺伝子をクロー
ン化し、微生物菌体内で大量発現させ、該酵素の大量調
製を行う、いわゆる遺伝子操作技術を用いた酵素生産が
最も都合がよい。酵素標品としては具体的には、微生物
の菌体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵
素調製物などを例示することができる。
【0017】微生物の菌体の調製は、当該微生物が生育
可能な培地を用い、常法により培養後、遠心分離等で集
菌する方法で行うことができる。具体的に、大腸菌(Es
cherichia coli)属する細菌を例に挙げ説明すれば、培
地としてはブイヨン培地、LB培地(1%トリプトン、
0.5%イーストエキストラクト、1%食塩)または2
×YT培地(1.6%トリプトン、1%イーストエキス
トラクト、0.5%食塩)などを使用することができ、
当該培地に種菌を接種後、30〜50℃で10〜50時
間程度必要により撹拌しながら培養し、得られた培養液
を遠心分離して微生物菌体を集菌することにより、目的
の酵素活性を有する微生物菌体を調製することができ
る。
【0018】微生物の菌体処理物としては、上記微生物
菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプ
レス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、
自己消化、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処
理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理
(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法
に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細
胞壁もしくは細胞膜の変性物を例示することができる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物から当該酵素活性
を有する画分を通常の酵素の精製手段(塩析処理、等電
点沈澱処理、有機溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマ
トグラフィー処理など)を施して得られる粗酵素または
精製酵素を例示することができる。
【0019】NMPは市販の製品を使用することができ
る。使用濃度としては1〜200mM、好ましくは10
〜50mMの範囲から適宜設定できる。また、糖および
糖受容体は生成目的のオリゴ糖に応じて既知のものから
適宜選択して使用すればよく(WO98/22614、
WO98/12343、WO98/11248、特表平
11−503329等参照)、市販されている場合には
それら市販品が使用できる。使用濃度としては、1〜2
00mM、好ましくは50〜100mMの範囲から適宜
設定すればよい。
【0020】本発明のオリゴ糖合成は、上記のNMP、
糖および糖受容体を含有する反応系に、酵母菌体を1〜
10%(w/v)、好ましくは2〜5%、糖ヌクレオチ
ド合成酵素および糖転移酵素をそれぞれ0.001ユニ
ット/ml以上、好ましくは、0.01〜10ユニット
/ml程度になるようにそれぞれ添加し、5〜35℃、
好ましくは10〜30℃で1〜50時間程度、必要によ
り撹拌しながら反応させることにより実施できる。
【0021】上記のオリゴ糖合成系には、必要に応じて
無機リン酸およびエネルギー源を添加するのが好まし
い。無機リン酸としては、リン酸カリウムなどをそのま
ま使用することもできるが、リン酸緩衝液の形態で使用
するのが好ましい。使用濃度は、1〜500mM、好ま
しくは50〜200mMの範囲から適宜設定することが
できる。また、リン酸緩衝液のpHも6.0〜8.0の
範囲から適宜設定すればよい。エネルギー源としては、
グルコース、フラクトースなどの糖類、酢酸、クエン酸
などの有機酸を使用することができ、その使用濃度とし
ては、1〜800mM、好ましくは200〜400mM
の範囲から適宜設定することができる。
【0022】より具体的に、シアリルオリゴ糖の合成反
応は、リン酸緩衝液中に酵母、シチジン5’−モノリン
酸(CMP)、糖ヌクレオチド合成の基質となる糖とし
てN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)、受容体糖
としてオリゴ糖、エネルギー源として糖類を添加し、さ
らにシチジン5’−モノホスホ−N−アセチルノイラミ
ン酸合成酵素(CMP−NeuAcシンテターゼ)およ
びシアリルトランスフェラーゼを0.001ユニット/
ml以上、好ましくは0.01〜10ユニット/ml添
加し、5〜35℃以下、好ましくは10〜30℃で1〜
50時間程度、必要により撹拌しながら反応させること
により実施できる。
【0023】ガラクトース含有のオリゴ糖の合成反応
は、リン酸緩衝液中に酵母、ウリジン5’−モノリン酸
(UMP)、糖ヌクレオチド合成の基質となる糖として
ガラクトース、糖受容体としてオリゴ糖、エネルギー源
としてグルコースなどの糖類、ウリジン5’−ジリン酸
(UDP)−グルコースからのUDP−ガラクトース合
成に関与する酵素(ガラクトキナーゼ及びヘキソース−
1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ)、さらにガ
ラクトシルトランスフェラーゼを添加し、上記シアリル
オリゴ糖の合成と同様に反応させることにより実施でき
る。こうして得られたオリゴ糖は、通常のオリゴ糖の精
製法(イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグ
ラフィー、塩析など)を用いて単離精製することができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明のオリゴ糖の製造法は、酵母菌体
を少量添加するだけでNMPもしくはNDPからのNT
Pおよび糖ヌクレオチドの再生が可能になっただけでな
く、従来の方法における酵素や微生物の添加等の煩雑な
工程を必要としない、安価かつ効率的な製造法である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれに限定されないことは明らかであ
る。なお、実施例において、反応液中のオリゴ糖の定量
はDIONEX法により行った。すなわち、分離には日
本ダイオネクス社製のCarboPacTMPA1カラ
ムを用い、溶出液として0.1M水酸化ナトリウム水溶
液および0.1M水酸化ナトリウム+0.5M酢酸ナト
リウム水溶液を用いた。また、実施例におけるDNAの
調製、制限酵素による切断、T4DNAリガーゼによる
DNA連結、並びに大腸菌の形質転換法は全て「Molecu
lar Cloning」(Maniatisら編、Cold Spring Harbor La
boratory, Cold Spring Harbor, New York (1982))に
従って行った。また、制限酵素、AmpliTaq D
NAポリメラーゼ、T4 DNAリガーゼは宝酒造
(株)より入手した。
【0026】実施例1 (1)Haemophilus influenzaeβ1,4-ガラクトシルトラ
ンスフェラーゼをコードするlic2A遺伝子のクローニン
グ Haemophilus influenzae の染色体DNA(ATCC 51907)を
鋳型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法
に従って合成し、PCR法によりHaemophilus influenzae
lic2A遺伝子(EMBL / GENEBANK / DDBJ DATA BANKS、Ac
cession No. L19441)を増幅した。 プライマー(A):5'- gcgaattcaggaatttaaatatgagtgc
tatt -3' プライマー(B):5'- acggatccaccagcagatgtcaata -
3'
【0027】PCRによるlic2A遺伝子の増幅は、反応
液100μl(50mM 塩化カリウム、10mM ト
リス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウ
ム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、
0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2
mM dTTP、鋳型DNA 0.1μg、プライマー
DNA(A)(B)各々0.2mM、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ2.5ユニット)をPerkin-Elmer
Cetus Instrument社製 DNA Thermal Cyclerを用い
て、熱変性(94℃、1分)、アニーリング(50℃、
30秒)、伸長反応(72℃、2分30秒)のステップ
を30回繰り返すことにより行った。
【0028】遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロ
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収し
たDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法に
従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.0k
b相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素Ec
oRI及びBamHIで切断し、同じく制限酵素EcoRI及びBamHI
で消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.社
より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連
結反応液を用いて大腸菌(E.coli)K12株 JM109
菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体
よりプラスミドpGTF-Aを単離した。pGTF-Aは、pTrc99A
のtrcプロモーター下流のEcoRI-BamHI切断部位にHaemop
jhilus influenzae lic2A構造遺伝子およびリボソーム
結合部位を含有するEcoRI-BamHI DNA断片が挿入され
たものである。
【0029】(2)β1,4-ガラクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を有する酵素タンパク質の調製 プラスミドpGTF-Aを保持する大腸菌JM109菌を、1
00μg/mlのアンピシリンを含有する2×YT培地
100mlに植菌し、37℃で振とう培養した。4×1
個/mlに達した時点で、培養液に最終濃度0.2
5mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で
6時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離
(9,000×g,20分)により菌体を回収し、5m
lの緩衝液(100mMトリス塩酸(pH7.8)、1
0mM MgCl)に懸濁した。超音波処理を行って
菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000×g、1
0分)により菌体残さを除去した。
【0030】このように得られた上清画分を酵素液と
し、酵素液におけるβ1,4-ガラクトシルトランスフェラ
ーゼ活性を測定した結果を対照菌(pTrc99Aを保持する
大腸菌K12株 JM109)と共に下記表1に示す。
なお、本発明におけるβ1,4−ガラクトシルトランス
フェラーゼ活性の単位(ユニット)は、以下に示す方法
でUDP−GalとN−アセチルグルコサミンからのN
−アセチルラクトサミンの合成活性を測定、算出したも
のである。
【0031】(β1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ
活性の測定と単位の算出法)100mMトリス塩酸緩衝
液(pH8.0),20mM 塩化マグネシウム,10
mM N−アセチルグルコサミン,10mM UDP−
Galに、β1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼを添
加して37℃で10分反応させる。また、β1,4-ガラク
トシルトランスフェラーゼの代わりにpTrc99Aを保持す
る大腸菌JM109株の菌体破砕液を用い同様の反応を
行い、これをコントロールとした。
【0032】反応液を1分間の煮沸にて反応を停止し、
これを希釈した後DIONEXによる分析を行った。分
離には日本ダイオネクス社製のCarboPacTM
A1カラムを用い、溶出液として0.1M水酸化ナトリ
ウム水溶液および0.1M水酸化ナトリウム+0.5N
酢酸ナトリウム水溶液を用いた。DIONEX分析結果
から反応液中のN−アセチルラクトサミンの量を算出
し,37℃で1分間に1μmoleのN−アセチルラク
トサミンを合成する活性を1単位(ユニット)としてβ
1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を算出した。
【0033】
【表1】
【0034】(3)大腸菌ガラクトキナーゼをコードす
るgalK遺伝子のクローニング 大腸菌JM109株(宝酒造(株)より入手)の染色体
DNAを斉藤と三浦の方法(Biochemica et Biophysica
Acta., 72, 619 (1963))で調製した。このDNAを
鋳型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常
法に従って合成し、PCR法により大腸菌galK遺伝子
(EMBL/GENEBANK/DDBJ DATA BANKS、Accession No. D90
714 AB001340)を増幅した。 プライマー(C):5'-GATATCCATTTTCGCGAATTCGGAGTGTA
A-3' プライマー(D):5'-ACGGCTGACCATCGGGATCCAGTGCGGA-
3'
【0035】PCRによるgalK遺伝子の増幅は、反応液
100μl中(50mM 塩化カリウム、10mM ト
リス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウ
ム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、
0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2
mM dTTP、鋳型DNA 0.1μg、プライマー
DNA(C)(D)各々0.2mM、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ2.5ユニット)をPerkin-Elmer
Cetus Instrument社製 DNA Thermal Cyclerを用いて、
熱変性(94℃、30秒)、アニーリング(55℃、1
5秒)、伸長反応(72℃、1分20秒)のステップを
30回繰り返すことにより行った。
【0036】遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロ
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収
したDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法
に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.2 kb
相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素EcoR
I及びHindIIIで切断し、同じく制限酵素EcoRI及びHindI
IIで消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.
社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。
連結反応液を用いて大腸菌(E.coli) ME8417菌
(FERM BP−6847:平成11年8月18日
特許生物寄託センター(旧 生命工学工業技術研究所)
に寄託)を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質
転換体よりプラスミドpTrc-galKを単離した。pTrc-galK
は、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のEcoRI-HindIII切
断部位に大腸菌galK構造遺伝子およびリボソーム結合部
位を含有するEcoRI-HindIIIDNA断片が挿入されたも
のである。
【0037】(4)大腸菌ヘキソース―1―リン酸ウリ
ジリルトランスフェラーゼをコードするgalT遺伝子のク
ローニング 以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合
成し、上記(3)と同様の方法でPCR法により大腸菌
galT遺伝子(EMBL/GENBANK/DDBJ DATA BANKS, Accession
No. D90714 AB001340)を増幅した。 プライマー(E):5'-TATCCCGATTAAGGAATTCCCATGACGCA
A-3' プライマー(F):5'-AGAGATTGTGTTTAAGCTTTCAGACTCAT
T-3'
【0038】遺伝子増幅後,反応液から1.2kb相当
のDNA断片を,上記(3)と同様に精製した。該DN
Aを制限酵素EcoRI及びBamHIで切断し、同じく制限酵素
EcoRI及びBamHIで消化したプラスミドpTrc99A(Pharmac
ia Biotech.社より入手)とT4DNAリガーゼを用い
て連結した。連結反応液を用いて大腸菌ME8417菌
を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よ
りプラスミドpTrc-galTを単離した。pTrc-galTは、pTrc
99Aのtrcプロモーター下流のEcoRI-BamHI切断部位に大
腸菌galT構造遺伝子およびリボソーム結合部位を含有す
るEcoRI-BamHIDNA断片が挿入されたものである。
【0039】(5)大腸菌galK遺伝子および大腸菌galT
遺伝子の共発現系の構築 プラスミドpTrc-galTを鋳型として、以下に示す2種類
のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法に
より大腸菌galT遺伝子を含む領域を増幅した。 プライマー(G):5'-ATAGATCTGCATAATTCGTGTCGCTCAAG
GC-3' プライマー(H):5'-TAAGATCTGTAGAAACGCAAAAAGGCCAT
CCGTCA-3'
【0040】PCRによるgalT遺伝子の増幅は、反応液
100μl中(50mM 塩化カリウム、10mM ト
リス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウ
ム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、
0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2
mM dTTP、鋳型DNA 0.1μg、プライマー
DNA(G)(H)各々0.2mM、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ2.5ユニット)をPerkin-Elmer
Cetus Instrument社製 DNA Thermal Cyclerを用いて、
熱変性(94℃、30秒)、アニーリング(50℃、2
0秒)、伸長反応(72℃、3分)のステップを30回
繰り返すことにより行った。
【0041】遺伝子増幅後、反応液から1.9kb相当
のDNA断片を,上記(3)と同様に精製した。該DN
Aを制限酵素BglIIおよびHindIIIで切断し、同じく制限
酵素BamHIおよびHindIIIで消化したプラスミドpTrc-gal
KとT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液
を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、得られたア
ンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTGKTを単離
した。pTGKTは、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のEcoRI
-BamHI切断部位に大腸菌galK構造遺伝子およびリボソー
ム結合部位を含有するEcoRI-BamHI DNA断片が挿入さ
れ、その下流にtrcプロモーター、大腸菌galT構造遺伝
子およびリボソーム結合部位を有するBglII-HindIII断
片が挿入されたものである。
【0042】(6)ガラクトキナーゼ活性およびヘキソ
ース―1―リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ酵素液
の調製 プラスミドpTGKTを保持する大腸菌K12株 JM10
9を、100μg/mlのアンピシリンを含有する2×
YT培地 100mlに植菌し、37℃で振とう培養し
た。4×10個/mlに達した時点で、培養液に最終
濃度0.2mMになるようにIPTGを添加し、さらに
37℃で6時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心
分離(9,000×g,10分)により菌体を回収し、
10mlの緩衝液(50mM トリス塩酸(pH7.
5))に懸濁した。超音波処理を行って菌体を破砕し、
さらに遠心分離(20,000×g、10分)により菌
体残さを除去した。このように得られた上清画分を酵素
液とし、酵素液におけるガラクトキナーゼ活性およびヘ
キソース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ活
性を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】なお、ガラクトキナーゼ活性およびヘキソ
ース−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ活性の
単位(ユニット)は、以下に示す方法で測定、算出した
ものである。 (ガラクトキナーゼ活性の測定と単位の算出法)100
mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、5mM 塩化
マグネシウム、10mM アデノシン三リン酸、20m
M ガラクトースを含む溶液に酵素液を添加して,37
℃で10〜30分反応させる。反応液を2分間の煮沸に
て反応を停止させ、HPLCによる分析を行い、反応液
中の消費されたATP量を算出して、ガラクトース−1
−リン酸の生成量を求めた。37℃で1分間に1μmo
leのガラクトース−1−リン酸を生成する活性を1単
位(ユニット)とする。
【0045】(ヘキソース−1−リン酸ウリジリルトラ
ンスフェラーゼ活性の測定と単位の算出法)100mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.8)、5mM 塩化マグ
ネシウム、10mM UDP−グルコース、10mM
ガラクトース−1−リン酸を含む溶液に酵素液を添加
し、37℃で20〜30分間反応させる。反応液を2分
間の煮沸にて反応を停止させ、HPLCによる分析を行
った。HPLC分析結果から反応液中のUDP−Gal
量を算出し,37℃で1分間に1μmoleのUDP−
Galを生成する活性を1単位(ユニット)とする。
【0046】(7)N−アセチルラクトサミンの合成 100 mMリン酸緩衝液(pH8.0)、20mM
MgCl、20mM5’−UMP、200mM ガラ
クトース、200mM N−アセチルグルコサミン、2
00mM グルコースを含む溶液に、上記(2)により
調製したβ1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ活
性を有する酵素液(0.10units/ml反応
液)、上記(6)により調製したガラクトキナーゼ活性
(2.5units/ml反応液)及びヘキソース―1
―リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ活性(7.5u
nits/ml反応液)を有する酵素液および乾燥パン
酵母(オリエンタル酵母工業)3.0%を添加し、28
℃で撹拌しつつ反応を行った。反応開始9,18時間後
にグルコースを200mM添加した。
【0047】経時的に反応液の分析を行った結果、β
1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を有する
酵素液を0.10units/ml、ガラクトキナーゼ
活性(2.5units/ml反応液)及びヘキソース
−1−リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ活性(7.
5units/ml反応液)を有する酵素液を添加した
反応液においては反応24時間で107.1mM(4
1.1g/L)のN−アセチルラクトサミンが生成する
ことが認められた。
【0048】実施例2 (1)Haemophilus influenzaeα2,3-シアリルトランス
フェラーゼをコードするlic3A遺伝子のクローニング Haemophilus influenzae染色体DNA(ATCC 51907)を鋳
型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法
に従って合成し、PCR法によりHaemophilusinfluenza
e lic3A遺伝子(Microbiology, 145, 3005-3011(199
9))(EMBL / GENEBANK / DDBJ DATA BANKS、Accession
No. X57315)を増幅した。 プライマー(I):5'-taggatccaggagattcaatgaacggtac
aatatg-3' プライマー(J):5'-atctgcagtaaaaagtattgttgtagcga
gtgagataa-3'
【0049】PCRによるlic3A遺伝子の増幅は、反応
液100μl(50mM 塩化カリウム、10mM ト
リス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシウ
ム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、
0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2
mM dTTP、鋳型DNA 0.1μg、プライマー
DNA(I)(J)各々0.2mM、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ2.5ユニット)をPerkin-Elmer
Cetus Instrument社製 DNA Thermal Cyclerを用いて、
熱変性(94℃、30秒)、アニーリング(34℃、1
分)、伸長反応(72℃、3分)のステップを25回繰
り返すことにより行った。
【0050】遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロ
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収
したDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法
に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.0
kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素Bam
H I及びPst Iで切断し、同じく制限酵素BamH I及びPst
Iで消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.社
より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反
応液を用いて大腸菌(E.coli)K12株 JM109菌を
形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体より
プラスミドpTrc-M47'を単離した。pTrc-M47'は、pTrc99
Aのtrcプロモーター下流のBamH I-Pst I切断部位にHaem
opjhilus influenzae lic3A構造遺伝子およびリボソー
ム結合部位を含有するBamHI-PstI DNA断片が挿入さ
れたものである。
【0051】(2)α2,3-シアリルトランスフェラーゼ
活性を有する酵素タンパク質の調製 プラスミドpTrc-M47'を保持する大腸菌JM109菌
を、100μg/mlのアンピシリンを含有する2×Y
T培地100mlに植菌し、37℃で振とう培養した。
4×10個/mlに達した時点で、培養液に最終濃度
0.25mMになるようにIPTGを添加し、さらに3
7℃で20時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心
分離(9,000×g,20分)により菌体を回収し、
5mlの緩衝液(100mM トリス塩酸(pH7.
8)、10mM MgCl)に懸濁した。超音波処理
を行って菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000
×g、10分)により菌体残さを除去した。
【0052】このように得られた上清画分を酵素液と
し、酵素液におけるα2,3-シアリルトランスフェラーゼ
活性を測定した結果を対照菌(pTrc99Aを保持する大腸
菌K12株 JM109)と共に下記表3に示す。な
お、本発明におけるα2,3−シアリルトランスフェラ
ーゼ活性の単位(ユニット)は、以下に示す方法でCM
P−NeuAcとラクトースからの3'-シアリルラクト
ースの合成活性を測定、算出したものである。
【0053】(α2,3-シアリルトランスフェラーゼ活性
の測定と単位の算出法)100mM トリス塩酸緩衝液
(pH8.0),20mM 塩化マグネシウム,20m
Mラクトース,10mM CMP−NeuAc,1un
it/mlアルカリホスファターゼに、α2,3−シア
リルトランスフェラーゼを添加して30℃で20分反応
させる。また、α2,3−シアリルトランスフェラーゼ
の代わりにpTrc99Aを保持する大腸菌JM109株の菌
体破砕液を用い同様の反応を行い、これをコントロール
とした。
【0054】反応液を1分間の煮沸にて反応を停止し、
これを希釈した後DIONEXによる分析を行った。分
離には日本ダイオネクス社製のCarboPacTM
A1カラムを用い、溶出液として0.1M水酸化ナトリ
ウム水溶液および0.1M水酸化ナトリウム+0.5N
酢酸ナトリウム水溶液を用いた。DIONEX分析結果
から反応液中の3'−シアリルラクトースの量を算出
し,30℃で1分間に1μmoleの3’−シアリルラ
クトースを合成する活性を1単位(ユニット)としてα
2,3-シアリルトランスフェラーゼ活性を算出した。
【0055】
【表3】
【0056】(3)Haemophilus influenzae CMP-NeuAc
シンテターゼをコードするneuA遺伝子のクローニング Haemophilus influenzae 染色体DNA(ATCC 51907)を鋳
型として、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に
従って合成し、PCR法によりHaemophilus influenzae ne
uA遺伝子(EMBL / GENEBANK / DDBJ DATA BANKS、Acces
sion No. AF101047 U54496)を増幅した。 プライマー(K):5'-tgccatggtgaaaataataatgacaagaa
-3' プライマー(L):5'-aactgcagtgcagatcaaaagtgcggcc-
3'
【0057】PCRによるneuA遺伝子の増幅は、反応液
100μl(50mM 塩化カリウム、10mM トリ
ス塩酸(pH 8.3)、1.5mM 塩化マグネシウ
ム、0.001% ゼラチン、0.2mM dATP、
0.2mM dGTP、0.2mM dCTP、0.2
mM dTTP、鋳型DNA 0.1μg、プライマー
DNA(K)(L)各々0.2mM、AmpliTaq
DNAポリメラーゼ2.5ユニット)をPerkin-Elmer
Cetus Instrument社製 DNA Thermal Cyclerを用いて、
熱変性(94℃、1分)、アニーリング(55℃、1分
30秒)、伸長反応(72℃、3分)のステップを25
回繰り返すことにより行った。
【0058】遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロ
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収し
たDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方法に
従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.5k
b相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素Nc
o I及びPst Iで切断し、同じく制限酵素Nco I及びPst I
で消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.社
より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反
応液を用いて大腸菌(E.coli)K−12株 JM109
菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体
よりプラスミドpTrcsiaBNPを単離した。pTrcsiaBNPは、
pTrc99Aのtrcプロモーター下流のNcoI-PstI 切断部位に
Haemopjhilus influenzae neuA構造遺伝子およびリボソ
ーム結合部位を含有するNcoI-PstI DNA断片が挿入され
たものである。
【0059】(4)CMP−NeuAcシンテターゼの
調製 プラスミドpTrcsiaBNPを保持する大腸菌JM109菌
を、100μg/mlのアンピシリンを含有する2×Y
T培地100mlに植菌し、37℃で振とう培養した。
4×10個/mlに達した時点で、培養液に最終濃度
0.25mMになるようにIPTGを添加し、さらに3
7℃で6時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分
離(9,000×g,10分)により菌体を回収し、5
mlの緩衝液(100mM トリス塩酸(pH7.
8)、10mM MgCl)に懸濁した。超音波処理
を行って菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000
×g、10分)により菌体残さを除去した。
【0060】このように得られた上清画分を酵素液と
し、酵素液におけるCMP−NeuAcシンテターゼ活
性を測定した結果を対照菌(pTrc99Aを保持する
大腸菌K−12株 JM109)と共に下記表4に示
す。なお、本発明におけるCMP−NeuAcシンテタ
ーゼ活性の単位(ユニット)は、以下に示す方法で5’
−CMPとN−アセチルノイラミン酸からのCMP−N
euAcの合成活性を測定、算出したものである。
【0061】(CMP−NeuAcシンテターゼ活性の
測定と単位の算出法)50mM トリス塩酸緩衝液(p
H8.0),20mM 塩化マグネシウム,5mM
5’−CTP,10mM N−アセチルノイラミン酸
に、CMP−NeuAcシンテターゼを添加して37℃
で5分反応させる。また、CMP−NeuAcシンテタ
ーゼの代わりにpTrc99Aを保持する大腸菌JM109株
の菌体破砕液を用い同様の反応を行い、これをコントロ
ールとした。
【0062】反応液に2倍量の70%エタノールを添加し
て反応を停止し、これを希釈した後HPLCによる分析を行
った。分離にはYMC社製HS-302カラムを用い、溶出液と
して50mM酢酸マグネシウム+1 mMテトラブチルアンモニ
ウム水溶液を用いた。HPLC分析結果から反応液中のCMP-
NeuAcの量を算出し,37℃で1分間に1μmoleのCMP-N
euAcを合成する活性を1単位(ユニット)としてCMP-Ne
uAcシンテターゼ活性を算出した。
【0063】
【表4】
【0064】(5)3’−シアリルラクトースの合成 100mMリン酸緩衝液(pH8.0)、40mM M
gCl、30mM5’−CMP、100mM ラクト
ース、100mM N−アセチルノイラミン酸、400
mM グルコースを含む溶液に、上記(2)により調製
したα2,3−シアリルトランスフェラーゼ活性を有す
る酵素液(0.40units/ml反応液)、上記
(4)により調製したCMP−NeuAcシンテターゼ
活性を有する酵素液(1.5units/ml反応液)
および乾燥パン酵母(オリエンタル酵母工業)2.0%
を添加し、28℃で撹拌しつつ反応を行った。反応開始
16,23時間後にグルコースを200mM添加した。
【0065】経時的に反応液の分析を行った結果、α2,
3-シアリルトランスフェラーゼ活性を有する酵素液を
0.40units/ml、CMP−NeuAcシンテ
ターゼ活性を有する酵素液を1.5units/ml添
加した反応液においては反応41時間で57.3mM
(38.3g/L)の3’−シアリルラクトースが生成
することが認められた。
【0066】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> YAMASA CORPORATION <120> Process for the preparation of oligosaccharide <130> YP2001-007 <140> <141> <160> 12 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of lic2A gene <400> 1 gcgaattcag gaatttaaat atgagtgcta tt 32 <210> 2 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of lic2A gene <400> 2 acggatccac cagcagatgt caata 25 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galK gene <400> 3 gatatccatt ttcgcgaatt cggagtgtaa 30 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galK gene <400> 4 acggctgacc atcgggatcc agtgcgga 28 <210> 5 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galT gene <400> 5 tatcccgatt aaggaattcc catgacgcaa 30 <210> 6 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galT gene <400> 6 agagattgtg tttaagcttt cagactcatt 30 <210> 7 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galT gene <400> 7 atagatctgc ataattcgtg tcgctcaagg c 31 <210> 8 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of galT gene <400> 8 taagatctgt agaaacgcaa aaaggccatc cgtca 35 <210> 9 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of lic3A gene <400> 9 taggatccag gagattcaat gaacggtaca atatg 35 <210> 10 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of lic3A gene <400> 10 atctgcagta aaaagtattg ttgtagcgag tgagataa 38 <210> 11 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of neuA gene <400> 11 tgccatggtg aaaataataa tgacaagaa 29 <210> 12 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of neuA gene <400> 12 aactgcagtg cagatcaaaa gtgcggcc 28
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、β1,4-ガラクトシルトランスフェラー
ゼ活性を有する酵素液と、ガラクトキナーゼ活性及びヘ
キソース―1―リン酸ウリジリルトランスフェラーゼ活
性を有する酵素液を添加したときの、N−アセチルラク
トサミン生成量の経時変化を示したものである。
【図2】図2は、α2,3-シアリルトランスフェラーゼ活
性を有する酵素液及びCMP−NeuAcシンテターゼ
活性を有する酵素液を添加したときの、3’−シアリル
ラクトース生成量の経時変化を示したものである。
【0068】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:865)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)のオリゴ糖合成系におい
    て、ヌクレオシド5’−モノリン酸(NMP)もしくは
    ヌクレオシド5’−ジリン酸(NDP)からヌクレオシ
    ド5’−トリリン酸(NTP)への反応および糖から糖
    −1−リン酸への反応を酵母菌体を用いて行うことを特
    徴とするオリゴ糖の製造法。 (I)
  2. 【請求項2】 生成するオリゴ糖がガラクトースを含有
    するものである、請求項1の製造法。
  3. 【請求項3】 糖受容体がN−アセチルグルコサミンで
    あり、生成するオリゴ糖がN−アセチルラクトサミンで
    ある、請求項1の製造法。
  4. 【請求項4】 下記式(II)のオリゴ糖合成系におい
    て、ヌクレオシド5’−モノリン酸(NMP)からヌク
    レオシド5’−ジリン酸(NTP)への反応を酵母菌体
    を用いて行うことを特徴とするオリゴ糖の製造法。 (II)
  5. 【請求項5】 生成するオリゴ糖がシアリルオリゴ糖で
    ある、請求項4の製造法。
  6. 【請求項6】 糖受容体がラクトースであり、生成する
    オリゴ糖が3’−シアリルラクトースである、請求項4
    の製造法。
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