JPH11503329A - グリコシド結合の酵素的合成 - Google Patents
グリコシド結合の酵素的合成Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明はグリコシド結合の形成方法を提供する。これらの方法は、式:NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcN(R’)β(1→3)Galβ−ORの化合物の製造に有効である。
Description
【発明の詳細な説明】
グリコシド結合の酵素的合成
発明の分野
本発明はオリゴ糖の合成に関する。特に、本発明は、単一の容器中で容易に入
手可能な出発材料を使用しての、このような化合物の改良された酵素的合成に関
する。
発明の背景
細胞の表面上の認識因子としての炭水化物の役割の理解の増加は、定められた
構造の炭水化物分子の製造における関心を増加した。例えば、シアリルレウィス
(Lewis)リガンド、シアリルレウィスx(Lewisx)およびシアリルレ
ウィスa(Lewisa)を含んでなる化合物は白血球および非白血球の細胞系の
中に存在し、ELAM−1およびGMP140レセプターのようなレセプターに
結合する。Polley et al.、Proc.Natl.Acad.Sc i.USA
88:6224(1991)およびPhillisp et al
.、Science 250:1130(1990)、さらに米国特許出願第0
8/063,181号を参照のこと。
所望の炭水化物構造をつくる関心のために、グリコシルトランスフェラーゼお
よび酵素で触媒された炭水化物合成におけるグリコシルトランスフェラーゼの役
割は現在広範に研究されている。これらの酵素は高い特異性を示し、そして定め
られた配列の炭水化物構造の形成において有効である。結局、グリコシルトラン
スフェラーゼは治療および他の目的で使用される多数の炭水化物の合成において
酵素触媒として使用が増加している。
合成的炭水化物化学の分野への酵素の適用において、酵素的炭水化物合成にお
けるグリコシルトランスフェラーゼの使用は、酵素が提供する事実上完全な立体
選択性および結合特異性のために、化学的方法を越えた利点を提供する(Ito
et al.、Pure Appl.Chem.、65:753(1993)
、米国特許第5,352,670号、および米国特許第5,374,541号)
。
炭水化物化合物の酵素的合成の改良された方法は、多数の有益な化合物の製造
を発展させるであろう。本発明はこれらおよび他の目的を満足する。
発明の要約
本発明は単糖をドナー基質からアクセプター糖に転移させる改良された方法を
提供する。特に、本発明の方法は、
(a)少なくとも1種のグリコシルトランスフェラーゼ、ドナー基質、アクセ
プター糖および可溶性の2価の金属カチオンを含んでなる反応媒質を準備し、そ
して
(b)単糖の転移を実質的に完結するために十分な時間の間、沈澱により失わ
れたものを置換して反応媒質中で約1mM〜約75mMの濃度を達成するように
、可溶性の2価の金属カチオンの濃度を補充する、
ことからなる。2価の金属カチオンの補充は不連続的または連続的に実施するこ
とができる。
この方法において使用する2価の金属カチオンは、Mn++、Mg++、Ca++、
Co++、Zn++、Cu++またはそれらの組み合わせであることができる。典型的
には、カチオンはMn++である。グリコ
シルトランスフェラーゼは、シアリルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトラン
スフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、
またはN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼであることができる。
本発明は、また、ELAM−1のそのリガンドへの結合を阻害できる炭水化物
化合物の製造方法を提供する。これらの化合物は種々の治療および診断の用途に
おいて特に有用である。
図面の簡単な説明
第1図は、式:NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3
)GlcNAcβ(1→3)Galβ−ORの概略的図解を提供する。
第2図は、本発明のガラクトシルトランスフェラーゼのサイクルを図解する。
第3図は、フコシルトランスフェラーゼのサイクルを図解する。
第4図は、N−アセチルグルコサミントランスフェラーゼのサイクルを図解す
る。
第5図は、本発明のシアリルトランスフェラーゼのサイクルを図解する。
第6図は、ガラクトシルトランスフェラーゼの部分的サイクルを図解する。
第7図は、N−アセチルグルコサミントランスフェラーゼの部分的サイクルを
図解する。
第8図は、シアリルトランスフェラーゼの部分的サイクルを図解する。
第9図は、ガラクトシルトランスフェラーゼのサイクルについての反応速度/
金属イオン濃度を図解する。
第10図は、シアル酸をGlcNAcから発生させるシアリルトランスフェラ
ーゼのサイクルを図解する。
第11図は、MnCl2の連続的注入でガラクトシルトランスフェラーゼを処
理する間に達成される金属イオンのレベルを図解する。
発明の詳細な説明
本発明は単糖をドナー基質からアクセプター糖に転移させる方法を提供する。
この転移は、少なくとも1種のグリコシルトランスフェラーゼ、ドナー基質、ア
クセプター糖および可溶性の2価の金属カチオンを含んでなる反応媒質中で起こ
る。前記方法はグリコシルトランスフェラーゼを使用して、基質のサッカリドへ
のサッカリドの付加を触媒することに頼る。この付加は生体分子上のオリゴ糖ま
たは炭水化物部分の非還元性末端において起こる。本発明において定義される生
体分子は下記のものを包含するが、これらに限定されない:生物学的に有意な分
子、例えば、タンパク質(例えば、糖タンパク質)、および脂質(例えば、グリ
コリピド、リン脂質、スフィンゴ脂質およびガングリオシド)。本発明の方法に
おいて、2価の金属イオン濃度はグリコシド結合の形成の間に補充して、反応媒
質中の可溶性の2価の金属カチオン濃度を約1mM〜約75mMに補充する。
下記の略号を本明細書において使用する:
Ara = アラビノシル;
Fru = フルクトシル;
Fuc = フコシル;
Gal = ガラクトシル;
GacNAc = N−アセチルガラクト;
Glc = グルコシル;
GlcNAc = N−アセチルグルコ;
Man = マンノシル;および
NeuAc = シアリル(N−アセチルノイラミニル)。
オリゴ糖は、還元性末端におけるサッカリドが事実還元糖であるか否かにかか
わらず、還元性末端と非還元性末端とを有する。容認された命名法に従い、オリ
ゴ糖は本明細書において左に非還元性末端および右に還元性末端を有するように
描写されている。
本明細書において記載するすべてのオリゴ糖は、非還元性サッカリドの名称ま
たは略号(例えば、Gal)、次いでグリコシド結合の立体配置(αまたはβ)
、結合に関係する還元性サッカリドの環の結合、環の位置、次いで還元性サッカ
リドの名称または略号(例えば、GlcNAc)を使用して記載される。2つの
糖の間の結合は、例えば、2,3、2→3、または(2,3)で表される。
本発明の態様
多数のグリコシルトランスフェラーゼのサイクル(例えば、第2図に描写され
ているガラクトシルトランスフェラーゼのサイクル、第3図に描写されているフ
コシルトランスフェラーゼのサイクル、第4図に描写されているN−アセチルグ
ルコサミントランスフェラーゼ、および第5図に描写されているシアリルトラン
スフェラーゼのサイクル)はオリゴ糖の製造に有用である。参照、米国特許第5
,374,541号およびWO第9425615号。これらの酵素サイクルは形
成される生成物の各モルについて1または2モル以上の無機ピロリン酸を生成し
、典型的には2価の金属イオンの存在において実施される。金属イオンはサイク
ルの各々において少なくとも1つの酵素のコファクターである。しかしながら、
2価の金属カ
チオンはグリコシルトランスフェラーゼのサイクルにおいて二重の役割を演ずる
ことを我々は今回発見した。特に、2価の金属イオンは、グリコシルトランスフ
ェラーゼのサイクルにおける種々のプロセスにより生産される無機リン酸または
ピロリン酸と、非常に低い溶解度の錯体を形成することを我々は発見した。結局
、金属イオンは反応から沈澱によりPiまたはPPiを除去することができる。
これは、引き続いて、溶液中の金属イオンの量を減少させ、そして金属イオンの
コファクターを必要とする酵素のための全体の代謝回転速度を対応して減少させ
る。
この問題に対する1つの可能な解決法は、高い濃度の金属イオンのコファクタ
ーを使用する開始を含む。しかしながら、高い濃度の金属イオンのコファクター
の使用は、ガラクトシルトランスフェラーゼおよびシアリルトランスフェラーゼ
の双方のサイクルに対して有害であることが証明された。高い濃度のマグネシウ
ムイオンは、サイクルにおけるある種の酵素を不活性化する外に、ヌクレオシド
糖、例えば、UDP−グルコースおよびUDP−ガラクトースの分解を触媒でき
ることが報告された(参照、Nunez、et al.、Biochemist ry
15:3843−3847(1976))。また、他の研究者らは反応媒
質中に無機ピロリン酸を混入して、ピロリン酸の除去により反応サイクルを完結
まで推進させることを試みた。それにもかかわらず、無機ピロリン酸により生成
されるオルトリン酸と金属イオンのコファクターとの間において、制限された溶
解度の錯体が形成し、金属イオン濃度の効果的減少を伴う。
本発明はこれらのサイクルにおける金属イオンの消耗の問題に対する別の解決
法を提供し、これはサイクルのプロセスを通じて金属イオン濃度を連続的または
不連続的に補充することである。したが
って、本発明は本明細書において記載するサイクル的グリコシルトランスフェラ
ーゼのプロセスにおいて用途を見出し、また、ドナー基質またはドナー糖のヌク
レオシド部分が再循環されるか、または第2図〜第8図に示すものに類似する再
循環プロセスの一部分として表すことができる、グリコシド結合のドメインの他
の方法において用途を見出す。
2価の金属カチオンの絶対的要件を証明したガラクトシルトランスフェラーゼ
のサイクルにおける酵素は、ガラクトシルトランスフェラーゼである(参照、K
hatra、et al.、Eur.J.Biochem. 44:537−5
60(1974))。反応速度の、例えば、Mn++濃度、に対する依存性は、3
H−ガラクトースがUDP−3H−ガラクトースからN−アセチルグルコサミン
に転移し、N−アセチルラクトサミンを形成する速度を測定することによって検
査された(第9図参照)。第9図において見ることができるように、反応速度は
2mM以下において急勾配に低下する。金属イオン濃度を1mM以上、好ましく
は2mM以上に維持することによって、サイクルは最大の効率で進行することが
できる。しかしながら、高過ぎるMn++濃度は、一部分、高い濃度のMn++がヌ
クレオシド糖の加水分解を触媒するという既知の作用のために、有害であること
が証明された。ピロリン酸またはリン酸が発生する反応において、低い溶解度の
錯体が形成し、必要な金属コファクターが消耗される。ピロリン酸またはリン酸
が発生しない反応において、この消耗は起こらない。
1つのような反応は、第6図において、ガラクトシルトランスフェラーゼの部
分的サイクルとして描写されている。この部分的サイクルにおいて、ガラクトシ
ルトランスフェラーゼ、適当なアクセプター、および十分なUDP−ガラクトー
ス(またはUDP−グルコ
ースまたはUDP−gal−4−エピメラーゼ)をMn++の存在においてインキ
ュベートする場合、アクセプターはガラクトシル化されるであろう。それにもか
かわらず、この反応は完結まで進行しないであろう。その代わりに、この反応は
阻害性生成物のUDPがそれ以上の反応を阻害するために十分なレベルに蓄積す
るまで進行するであろう。このような反応において、金属イオンの溶解度を減少
する種が発生しないので、金属イオン濃度は感知し得る程度に変化しない。
UDPによる阻害のための不完全な反応の問題に対する解決法は、阻害性UD
PをUMP+Piに変換し、次いでウリジン+2Piに変換するホスファターゼ
(例えば、アルカリ性ホスファターゼ)を添加することである。この場合におい
て、発生するリン酸によりマンガンイオンが消耗されるためにマンガンイオン濃
度はもはや一定に止まらない。この場合において、金属イオンを補充して反応を
完結に推進できることが今回発見された。
2価の金属カチオンが絶対的に要求されることが知られているガラクトシルト
ランスフェラーゼのサイクルにおける他の酵素は、ピルベートキナーゼ(参照、
Villafranca、et al.、THE ENZYMES、XX:63
−94(1992))およびUDP−グルコースピロホスホリラーゼ(参照、T
urnquist、et al.、THE ENZYMES、VIII:51−
71(1973))である。高い濃度において、2価の金属カチオンはUDP−
グルコースピロホスホリラーゼに対して阻害性であることが報告されている。
シアリルトランスフェラーゼのサイクル(第5図)において、2価の金属カチ
オンが絶対的に要求される酵素は、CMP−NeuAcシンセターゼである(参
照、Kean、et al.、METH ODS IN ENZYMOLOGY
8:208−215(1966))。こ
のシアリルトランスフェラーゼのサイクルにおいて2価の金属カチオンが絶対的
に要求される酵素は、ピルベートキナーゼおよびミオキナーゼである(参照、V
illafranca、et al.、THE ENZYMES、XX:63−
94(1992))。
ガラクトシルトランスフェラーゼについて前述したように、シアリルトランス
フェラーゼ、CMP−NeuAcシンセターゼ、適当なアクセプター、シアル酸
、CTPおよび適当な2価の金属カチオンを含んでなる部分的サイクルまたは化
学量論的反応を実施することができる(第8図参照)。ガラクトシルトランスフ
ェラーゼのサイクルと対照的に、このような反応における2価の金属イオンの濃
度は、CMP−NeuAcシンセターゼの反応により発生する無機ピロリン酸の
ために、一定に止まらない。十分なCTPおよびシアル酸が存在する場合、2価
の金属カチオンが消耗されるか、または阻害性CMPが十分なレベルまで蓄積さ
れるまで、反応は進行する。ガラクトシルトランスフェラーゼの部分的サイクル
を使用するときのように、Piを発生する適当なホスファターゼで処理すること
によって、阻害性ヌクレオチドを除去することができる。これは2価の金属カチ
オンをさらに消耗させる。
GlcNAcサイクル(第4図)において、2価の金属カチオンが絶対的に要
求される酵素はGlcNAcトランスフェラーゼである。GlcNAcトランス
フェラーゼのサイクルにおける他の酵素はピルベートキナーゼである。
ガラクトシルトランスフェラーゼおよびシアリルトランスフェラーゼの部分的
サイクルについて前述したように、GlcNAcトランスフェラーゼ、適当なア
クセプター、およびUDP−GlcNA
c、またはGlcNAc−1−リン酸とUTPおよびUDP GlcNAcピロ
ホスホリラーゼ(第7図において大きい矢印で示す)との組み合わせを含んでな
る部分的サイクルまたは化学量論的反応を実施できる。他のサイクルおよび部分
的サイクルを使用するときのように、また、適当な2価の金属カチオンを使用す
る。UDP−GlcNAcを使用して反応を開始させる場合において、UDPが
十分なレベルまで蓄積するまで、反応は進行する。このような反応において、金
属イオンの溶解度を減少する種が発生しないので、金属イオン濃度は感知し得る
程度に変化しない。ガラクトシルトランスフェラーゼの部分的サイクルを使用す
るときのように、Piを発生する適当なホスファターゼ、例えば、アルカリ性ホ
スファターゼ)で処理することによって、阻害性ヌクレオチドを除去することが
できる。これは2価の金属カチオンをさらに消耗させる。
UTPおよびGlcNAc−1−リン酸を使用して部分的反応を開始させる場
合において、状況はシアリルトランスフェラーゼについて論じた部分的サイクル
に類似する。このような反応において、UDP−GlcNAcピロホスホリラー
ゼの反応により発生する無機ピロリン酸のために、2価の金属イオンの濃度は一
定に止まらない。さらに、適当なホスファターゼの添加により蓄積する阻害性U
DPを除去すると、リン酸がさらに発生するために、必要な2価の金属はさらに
消耗される(第7図参照)。
酵素的グリコシル化反応を製造方法のために大規模化するとき、経済的および
設備の考察から、反応をできるだけ濃縮された溶液中で実施して、原料の要件を
減少し、合理的容器大きさを維持し、そして除去すべき水性溶媒の量を減少する
ことが必要である。反応成分のより高い濃度において、発生するリン酸またはピ
ロリン酸の濃度は比例的により大きくなる。反応を完全に推進するために所望の
レベルを維持するために十分な2価の金属カチオンを最初に存在させると、実際
に反応に対して有害であることが証明される。十分に高い反応濃度および速度に
おいて、沈澱により失われた2価の金属を24時間毎の補充でさえ、添加後に、
一時的に高い濃度が反応サイクルに対して有害であるような、大きい比率の添加
を必要とする。この場合において、2価の金属イオンの連続的注入は反応におい
て満足すべき濃度を達成し、そして好ましい方法である。
グリコシルトランスフェラーゼ、ならびに本発明において提供される発見につ
いての既知の要件にかんがみて、本発明は1つの面において単糖をドナー基質か
らアクセプター糖に転移させる方法を提供する。この方法において、少なくとも
1種のグリコシルトランスフェラーゼ、ドナー基質、アクセプター糖および可溶
性の2価の金属カチオンを含有する媒質(典型的には水溶液)を準備する。反応
媒質中の2価の金属イオン濃度を補充して、グリコシルの転移を実質的に完結す
るために十分な時間の間、約1mM〜約75mM、好ましくは約5mM〜約50
mM、より好ましくは約5〜約30mMの濃度を理想的には維持する。用語「実
質的に完結する」は、本発明の合成方法に適用するとき、tlcまたはプロトン
NMRにより少なくとも約90%、より好ましくは約95%、なおより好ましく
は約98%完結したプロセスを意味する。
反応媒質中の金属イオン濃度を連続的または不連続的にモニターしかつ追加量
の2価の金属イオンにより反応媒質を補充することによって、反応サイクルを適
当な時間フレーム内で完結に推進させることができる。さらに、2種以上のグリ
コシルトランスフェラーゼを使用する場合、中間生成物を単離しないで同一反応
器中で連続的サイクルを実施することができる。そのうえ、阻害性ピロリン酸を
除去することによって、反応サイクルを実質的により高い基質(ア
クセプター)濃度において実施することができる。本発明において使用するため
に好ましい2価の金属イオンは、Mn++、Mg++、Co++、Ca++、Zn++、C
u++およびそれらの組み合わせを包含する。より好ましくは、2価の金属イオン
はMn++である。
態様の1つのグループにおいて、グリコシルトランスフェラーゼはシアリルト
ランスフェラーゼである。シアリルトランスフェラーゼを使用するとき、反応媒
質は好ましくは、シアリルトランスフェラーゼ、ドナー基質、アクセプター糖お
よび2価の金属カチオンに加えて、(i)触媒量のCMP−シアル酸シンセター
ゼ、(ii)シアル酸、および(iii)少なくとも2モルのリン酸ドナー/各
モルのシアル酸、および触媒量のヌクレオシド三リン酸、リン酸をリン酸ドナー
からヌクレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ、および末端のリン酸をヌクレ
オシド三リン酸からCMPに転移できるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含んで
なるCMP−シアル酸再循環系を含有するであろう。
α(2,3)シアリルトランスフェラーゼ、しばしばシアリルトランスフェラ
ーゼと呼ぶ、は、NeuAcα(2,3)Galβ(1,4)GlcNAcβ(
1,3)GalβOR(式中Rは下記において定義する通りである)の製造にお
いて本発明において利用する主要な酵素である。これは酵素はシアル酸をGal
に転移させると同時に、2つのサッカリドの間でα−結合を形成する。サッカリ
ドの間の結合(連鎖)はNeuAcの3−位置とGalの3−位置との間に存在
する。
α(2,3)シアリルトランスフェラーゼと呼ぶ典型的なα(2,3)シアリ
ルトランスフェラーゼ(EC2.4.99.6)は、シアル酸をGalβ1→3
Glc二糖またはグリコシドの非還元性末端のGalに転移させる。参照、Va
n den Eijnde
n et al.、J.Biol.Chem. 256:3159(1981)
、Weinstein et al.、J.Biol.Chem. 257:1
3845(1982)およびWen et al.、J.Biol.Chem.
267:21011(1992)。他の典型的なα(2,3)シアリルトラン
スフェラーゼ(EC2.4.99.4)は、シアル酸を二糖またはグリコシドの
非還元性末端のGalに転移させる。参照、Rearick et al.、J .Biol.Chem.
254:4444(1979)およびGillesp
ie et al.、J.Biol.Chem. 267:21004(199
2)。
他の典型的な酵素は、Gal−β−1,4−GlcNAcα(2,6)シアリ
ルトランスフェラーゼ(参照、Kurosawa et al.、Eur.J. Biochem.
219:375−381(1994)、Kurosawa
et al.、J.Biol.Chem. 269:1402(1994)およ
びGM3シンターゼ(J.Biol.Chem. 268:26273−78(
1993)およびα(2,8)シアリルトランスフェラーゼ(Livingst
on et al.、J.Biol.Chem. 268:11504(199
3))を包含する。
本発明の方法において使用される第2の成分酵素はCMP−シアル酸シンセタ
ーゼである。この酵素は、以後詳細に論ずる、CMP−シアル酸再生系において
利用される。CMP−シアル酸シンセターゼは、この分野においてよく知られて
いる手法により、シンセターゼ酵素を含有する細胞および組織から単離および精
製することができる。参照、例えば、Gross et al.、Eur.J. Biochem.
168:595(1987)、Vijay et al.、J.Biol.Chem.
、250(1):164(
1975)、Zapata et al.、J.Biol.Chem.、264 (25)
:14769(1989)およびHiga et al.、J.Bio l.Chem.
、260(15):8838(1985)。この酵素の遺伝子は
、また、配列決定された。参照、Vann et al.、J.Biol.Ch em.
、262:17556(1987)。また、遺伝子の過度の発現はCMP
−NeuAcのグラム規模の合成において使用するために報告された。参照、S
hames et al.、Glycobiology、1:187(1991
)。また、この酵素は商業的に入手可能である。
シアル酸がまた要求される。考えられるシアル酸は、アル酸それ自体(5−N
−アセチルノイラミン酸;5−N−アセチルアミノ−3,5−ジデオキシ−D−
グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロソン酸;NeuAc、および時にはAcN
euまたはNANAと略される)を包含するばかりでなく、かつまた9−置換シ
アル酸、例えば、9−O−C1−C6アシル−NeuAc、例えば、9−O−ラク
チル−NeuAcまたは9−O−アセチル−NeuAc、9−デオキシ−9−フ
ルオロ−NeuAcおよび9−アジド−9−デオキシ−NeuAcを包含する。
これらの化合物の合成およびシアリル化法における使用は、国際出願WO92/
16640号明細書(1992年10月1日発行)に開示されている。他の適当
なシアル酸は、N−グリコリルノイラミン酸、5−ヒドロキシノイラミン酸、5
−CbzNH、5−CH3OC(OH)NHノイラミン酸(Shames et
al.、Glycobiol. 1:187(1991))および5−N−ア
シルノイラミン酸を包含する。
反応混合物は、また、シアリルトランスフェラーゼのアクセプターを含有する
。適当なアクセプターは、例えば、下記のものを包含
する:ガラクトシルアクセプター、例えば、Galβ1→3GalNAc、ラク
ト−N−テトラオース、Galβ1→3GlcNAc、Galβ1→3Ara、
Galβ1→6GlcNAc、Galβ1→4Glc(ラクトース)、Galβ
1→4Glcβ1−OCH2CH3、Galβ1→4Glcβ1−OCH2CH2C
H3、Galβ1→4Glcβ1−OCH2C6H5、Galβ1→4GlcNH−
アシル、Galβ1→4GlcNAlloc、Galβ1−OCH3、メリビオ
ース、ラフィノース、スタキオースおよびラクト−N−ネオテトラオース。適当
なシアリルアクセプターは下記のものを包含する:シアリルα2−ORまたはシ
アリルα2→8シアリル−OR、式中Rは水素、サッカリド、オリゴ糖または少
なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン基である(後述するように)。
CMP−シアル酸再循環系は、前述したように、CMP−シアル酸シンセター
ゼを利用する。第5図において示すように、CMP−シアル酸(第5図において
CMP−NeuAcとして示されている)は、α(2,3)シアリルトランスフ
ェラーゼの存在においてシアリルトランスフェラーゼのアクセプターと反応して
、NeuAcα(2,3)Galβ(1,4)GlcNAcβ(1,3)Gal
βOR(式中Rは下記において定義する通りである)を形成する。
本発明において使用されるCMP−シアル酸再生系は、シチジン一リン酸(C
MP)、ヌクレオシド三リン酸(例えば、アデノシン三リン酸(ATP)、リン
酸ドナー(例えば、ホスホエノールピルベートまたはアセチルリン酸)、リン酸
をリン酸ドナーからヌクレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ(例えば、ピル
ベートキナーゼまたはアセチルキナーゼ)および末端のリン酸をヌクレオシド三
リン酸からCMPに転移できるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含
んでなる。以前に論じられたα(2,3)シアリルトランスフェラーゼおよびC
MP−シアル酸シンセターゼは、また、形式的にCMP−シアル酸再生系の一部
分として見ることができる。しかしながら、2つの酵素は既に論じられたので、
それらをそれ以上の本明細書において論じない。
CMP−シアル酸再生系に従い使用するために適当なヌクレオシド三リン酸は
、アデノシン三リン酸(ATP)、シチジン三リン酸(CTP)、ウリジン三リ
ン酸(UTP)、グアノシン三リン酸(GTP)、イノシン三リン酸(ITP)
およびチミジンチミジン(TTP)である。好ましいヌクレオシド三リン酸はA
TPである。
ヌクレオシド一リン酸キナーゼは、ヌクレオシド一リン酸のリン酸化を触媒す
る酵素である。本発明のCMP−シアル酸再生系に従い使用するヌクレオシド一
リン酸キナーゼ(NMK)またはミオキナーゼ(MK;EC2.7.4.3)を
使用して、CMPのリン酸化を触媒する。NMKは商業的に入手可能である(S
igma Chem.Co.、ミゾリー州セントルイス;Boehringer
Mannheim、インジアナ州インジアナポリス)。
リン酸ドナーおよび触媒量のリン酸のリン酸ドナーから活性化ヌクレオチドへ
の転移を触媒するキナーゼは、また、CMP−シアル酸再生系の一部分である。
再生系のリン酸ドナーはリン酸化化合物であり、そのリン酸基を使用してヌクレ
オシドリン酸をリン酸化することができる。リン酸ドナーの選択の唯一の制限は
、リン酸ドナーのリン酸化された形態または脱リン酸化された形態がシアリル化
アクセプターのサッカリドの形成に関係する反応を阻害できないということであ
る。好ましいリン酸ドナーはホスホエノールピルベート(PEP)およびアセチ
ルリン酸である。特に好ましいリン酸ドナーはPEPである。
本発明に従い使用する特定のキナーゼの選択は、使用するリン酸ドナーに依存
する。アセチルリン酸をリン酸ドナーとして使用するとき、キナーゼは酢酸塩キ
ナーゼである。PEPをリン酸ドナーとして使用するとき、キナーゼはピルベー
トキナーゼ(PK;EC2.7.1.40)である。この分野においてよく知ら
れているように、他のキナーゼをこれらおよび他のリン酸ドナーとして使用する
ことができる。キナーゼは商業的に入手可能である(Sigma Chem.C
o.、ミゾリー州セントルイス;Boehringer Mannheim、イ
ンジアナ州インジアナポリス)。
これらのグリコシル化方法のあるもの自己含有およびサイクル特性のために、
いったんすべての反応成分および酵素が存在すると、化学量論的基質(遊離Ne
uAcまたはPEP)の最初のものまたはアクセプターが消費されるまで、反応
は連続する。
したがって、シアリル化の例において、CMPはCDPに変換され、その変換
はATPの存在においてヌクレオシド一リン酸キナーゼまたはミオキナーゼによ
り触媒される。ATPはその副生物のADPから、添加されたホスホエノールピ
ルベート(PEP)の存在において、ピルベートキナーゼ(PK)により触媒的
に再生される。CDPはさらにCTPに変換され、その変換はPEPの存在にお
いてPKにより触媒される。CTPはシアル酸と反応して無機ピロリン酸(PP
i)およびCMP−シアル酸を形成し、後者の反応はCMP−シアル酸シンセタ
ーゼにより触媒される。α(2,3)シアリルトランスフェラーゼのアクセプタ
ー化合物のシアリル化後、解放されるCMPは再生系の中に再び入って、CDP
、CTPおよびCMP−シアル酸を形成する。反応サイクルの過程の間に2価の
金属イオン濃度を補充することによって、形成したPPiまたはPiを沈澱を介
して溶液から除去することができる。そのうえ、2価
の金属カチオンの適当なレベルを維持することによって、金属イオンのコファク
ター依存性酵素をピークの効率で操作することができる。
ピルベートはまた副生物であり、そして他の反応において作ることができ、こ
の反応において、N−アセチルマンノサミン(ManNAc)およびピルベート
をNeuAcアルドラーゼ(EC4.1.3.3)の存在において反応させてシ
アル酸を形成する。また、GlcNAcのManNAcへの異性化を利用するこ
とができ、そして高価でないGlcNAcをシアル酸発生のための出発材料とし
て使用することができる。したがって、シアル酸の代わりにManNAc(また
はGlcNAc)および触媒量のNeuAcアルドラーゼを使用することができ
る(第10図参照)。NeuAcアルドラーゼはまた逆転反応(NeuAc→M
anNAcおよびピルベート)を触媒するが、生成するNeuAcはCMP−シ
アル酸シンセターゼにより触媒されるCMP−NeuAcを介して反応サイクル
の中に不可逆的に組込まれる。さらに、出発材料のManNAcは、また、この
分野において知られている方法を使用してGlcNAcの化学的変換により製造
することができる(参照、例えば、Simon et al.、J.Am.Ch em.Soc.
110:7159(1988)。シアル酸およびその9−置換
誘導体の酵素的合成、および得られるシアル酸の種々のシアリル化反応スキーム
における使用は、国際出願WO92/16640号明細書(1992年10月1
日発行、引用することによって本明細書の一部とされる)に開示されている。
前述したように、無機ピロリン酸(PPi)はCMP−NeuAcの製造の副
生物である。好ましいPPiを供給し戻して他の酵素を阻害し、こうしてグリコ
シル化を減少することができる。しかし
ながら、PPiを2価の金属カチオン(例えば、Mn++またはMg++)で錯化す
ることができる。例えば、PPiは無機ピロホスファターゼ(PPアーゼ;EC
3.6.1.1)、すなわち、商業的に入手可能なPPi異化酵素(Sigma
Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス;Boehringer
Mannheim、インジアナ州インジアナポリス)を使用する加水分解によ
り除去することができる。それにもかかわらず、この酵素的分解は、リアーゼリ
ン酸(Pi)を生成し、これは2価の金属カチオンと沈澱を形成することができ
る。結局、本発明の方法は2価の金属カチオンの添加により完結まで推進される
。本明細書おいて使用するとき、用語「ピロリン酸掃去剤」は本発明の反応混合
物から無機ピロリン酸を除去する働きをする物質を意味する。
以後説明するように、反応混合物からPPiまたはPiを除去する好ましい方
法は、媒質中で2価の金属カチオン濃度を維持することである。特に、カチオン
および生成した無機リン酸は非常に低い溶解度の錯体を形成する。ピロリン酸と
の沈澱により失われるカチオンを補充することによって、反応速度を維持しかつ
反応を完結させることができる(すなわち、100%の変換率)。
補充は連続的(すなわち、自動的)にまたは不連続的に実施することができる
。用語「可溶性の2価の金属カチオン濃度を達成する」および他の関係する用語
は、反応サイクルが実質的に阻害されないように、2価のカチオン濃度を一般に
最適範囲内に止まらせる方法を意味する。したがって、用語は2価のカチオン濃
度がある時間の間において最適範囲外に低下する方法を特別に包含する。下記に
おいて示すように、カチオン濃度がこのようにして維持されるとき、トランスフ
ェラーゼの反応サイクルを完結まで推進させることができる。
態様の他のグループにおいて、グリコシルトランスフェラーゼはガラクトシル
トランスフェラーゼである。ガラクトシルトランスフェラーゼ使用するとき、反
応媒質は好ましくは、ガラクトシルトランスフェラーゼ、ドナー基質、アクセプ
ター糖および2価の金属カチオンに加えて、少なくとも1モルのグルコース−1
−リン酸/各モルのアクセプター糖、リン酸ドナー、リン酸をリン酸ドナーから
ヌクレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ、およびUTPおよびグルコース−
1−リン酸からUDP−グルコースを形成できるピロホスホリラーゼおよび触媒
量のUDPおよびUDP−ガラクトース−4−エピメラーゼを含んでなるドナー
基質再循環系を含有する。典型的なガラクトシルトランスフェラーゼは、α(1
,3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(E.C.No.2.4.1.151、
参照、例えば、Dabkowski et al.、Transplant P roc.
25:2921(1993)およびYamamoto et al.
、Nature 345:229−233(1990))、α(1,4)ガラク
トシルトランスフェラーゼ(E.C.No.2.4.1.90)、および細菌の
β(1,4)ガラクトシルトランスフェラーゼ(参照、Gotschlich、
et al.、J.Exp.Med. 180:2181(1994))。
態様の他のグループにおいて、グリコシルトランスフェラーゼはシアリルトラ
ンスフェラーゼとガラクトシルトランスフェラーゼとの組み合わせである。態様
の他のグループにおいて、酵素および基質を最初の反応混合物中で組み合わせる
か、または好ましくは第1ガラクトシルトランスフェラーゼサイクルが完結にい
ったん近づいたとき、第2グリコシルトランスフェラーゼサイクルの酵素および
試薬を反応媒質に添加することができる。単一の容器中で2つのグ
リコシルトランスフェラーゼサイクルを順次に実施することによって、全体の収
率は中間の種を単離する方法より改良される。そのうえ、掃除および余分の溶媒
および副生物の廃棄が減少する。
態様の他のグループにおいて、グリコシルトランスフェラーゼはフコシルトラ
ンスフェラーゼである。多数のフコシルトランスフェラーゼが当業者に知られて
いる。簡単に述べると、フコシルトランスフェラーゼはL−フコースをGDP−
フコースからアクセプター糖のヒドロキシ位置に転移させる酵素を包含する。好
ましくはアクセプター糖はオリゴ糖のグリコシド中のβGal(1→4)βGl
cNAc基中のGlcNAcである。また、適当なフコシルトランスフェラーゼ
は下記のものを包含する:既知のβGal(1→3,4)βGlcNAcα(1
→3,4)フコシルトランスフェラーゼ(FTIII E.C.No.2.4.
1.65)、これは人間の乳から得られる(参照、Palcic、et al.
、Carbohydrate Res. 190:1−11(1989);Pr
ieels、et al.、J.Biol.Chem. 256:10456−
10463(1981);およびNunez、et al.、Can.J.Ch em.59
:2086−2095(1981))およびβGal(1→4)βG
lcNAcα(1→3)フコシルトランスフェラーゼ(FTIV、FTV、FT
VI、およびFTVII、E.C.No.2.4.1.65)、これはヒトの血
清の中に見出される。βGal(1→3,4)βGlcNAcα(1→3,4)
フコシルトランスフェラーゼの組換え型は、また、入手可能である(参照、Du
mas、et al.、Bioog.Med.Lettersl 1:425−
428(1991)およびKukowska−Latalo、et al.、G enes and Development
4:1288−1303(199
0))。他の典型的なフコシルトランスフェラーゼは、α1,2フコシルトラン
スフェラーゼ(E.C.No.2.4.1.69)を包含する。酵素的フコシル
化は、Mollicone、et al.、Eur.J.Biochem. 1 91
:169−176(1990)または米国特許第5,374,655号明細
書に記載されている方法により実施することができる。
シアリルトランスフェラーゼについて詳細に説明したように、他のグリコシル
トランスフェラーゼを同様なトランスフェラーゼサイクルの中に置換することが
できることを当業者は理解するであろう。特に、グリコシルトランスフェラーゼ
は、また、例えば、グリコシルトランスフェラーゼ、例えば、Alg8(Sta
gljov et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91
:5977(1994))またはAlg5(Heesen et al.、Eur.J.Biochem.
224:71(1994))であることができ
る。適当なN−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、α(1,3)
N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、β(1,4)N−アセチル
ガラクトサミニルトランスフェラーゼ(Nagata et al.、J.Bi ol.Chem.
267:12082−12089(1992)およびSmi
th et al.、J.Biol.Chem. 269:15162(199
4))およびポリペプチドN−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ(
Homa et al.、J.Biol.Chem. 268:12609(1
993))を包含する。適当なN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ
は、GnTI(2.4.1.101、Hull et al.、BBRC 17 6
:608(1991))、GnTII、およびGnTIII(Ihara e
t al.、J.Biochem. 1 13
:692(1993))、GnTV(Shoreiban et al.、J.Biol.Chem.
268:15381(1993))、O−連鎖およ
び他のN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(Bierhuizen
et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:93
26(1992)およびGotschlich、et al.、J.Exp.M ed.
180:2181(1994))、N−アセチルグルコサミン−1−リ
ン酸トランスフェラーゼ(Rajput et al.、Biochem.J.
285:985(1992)、およびヒアルロナンシンターゼを包含する。適
当なマンノシルトランスフェラーゼha、α(1,2)マンノシルトランスフェ
ラーゼ、α(1,3)マンノシルトランスフェラーゼ、β(1,4)マンノシル
トランスフェラーゼ、Dol−P−Manシンターゼ、OChl、およびPmt
lを包含する。
他の適当なグリコシルトランスフェラーゼサイクルは、Ichikawa e
t al.、J.Am.Chem.Soc. 114:9283(1992)、
Wong et al.、J.Org.Chem. 57:4343(1992
)、DeLuca、et al.、J.Am.Chem.Soc. 117:5
869−5870(1995)、およびIchikawa et al.、in
Carbohydrates and Carbohydrate Poly mers
。Yaltami編(ATL Press、1993)。
前述のグリコシルトランスフェラーゼサイクルについて、このプロセスにおい
て使用する種々の試薬の濃度および量は、多数の因子、例えば、反応条件、例え
ば、温度およびpH値、およびグリコシル化すべきアクセプターサッカリドの選
択および量に依存する。グ
リコシル化プロセスは活性化ヌクレオチド、活性化されたドナー糖の再生、およ
び触媒量の酵素の存在において製造されたPPiの掃去を可能とするので、この
プロセスは上記において論じた化学量論的基質の濃度または量により制限される
。本発明の方法に従い使用できる反応成分の濃度の上限は、このような反応成分
の溶解度により制限される。
好ましくは、活性化ヌクレオチド、リン酸ドナー、ドナー糖および酵素の濃度
は、アクセプターが消費されるまでグリコシル化が進行するように選択される。
後述する濃度は、シアリルトランスフェラーゼに関するが、一般に他のグリコシ
ルトランスフェラーゼサイクルに適用可能である。
酵素の各々は触媒量で存在する。特定の酵素の触媒量は、その酵素の基質の濃
度ならびに反応条件、例えば、温度、時間およびpH値に従い変化する。前もっ
て選択された基質の濃度および反応条件下に所定の酵素について触媒量を決定す
る手段は、この分野においてよく知られている。
酵素の量または濃度は活性単位で表される。1活性単位は、所定の温度(典型
的には37℃)およびpH値(典型的には7.5)/分において1μmolの生
成物の形成を触媒する。したがって、10単位の酵素は、37℃の温度および7
.5pH値において1分で10μmolの基質が10μmolの生成物に変換さ
れる酵素の量である。
プロセスを通して再循環させる試薬はCMP/CDP/CTPである。したが
って、CMP、CDPおよびCTPの任意の単一の種または組み合わせを使用し
て反応を開始することができる。CMPが高価でなくかつそのグループが最も容
易に入手可能であるかぎり、典型的にはCMPを使用して反応を開始し、前述の
量は使用する
種または組み合わせの合計量についての量である。
上記成分を水性反応媒質(溶液)中の混合により組み合わせる。その媒質は約
6〜約8.5のpH値を有する。媒質は酵素のコファクターと結合するキレート
化剤、例えば、Mg+2またはMn+2を欠く。媒質の選択はpH値を所望のレベル
に維持する媒質の能力に基づく。したがって、いくつかの態様において、媒質を
、好ましくはHEPESで、約7.5のpH値に緩衝化する。緩衝剤を使用しな
い場合、媒質のpHを塩基の添加により約6〜8.5、好ましくは約7.2〜7
.8に維持すべきである。適当な塩基はNaOH、好ましくは6MのNaOHで
ある。
反応媒質は、また、必要に応じて可溶化洗浄剤(例えば、トリトンまたはSD
S)および有機溶媒、例えば、メタノールまたはエタノールを含むことができる
。さらに、酵素は好ましくは遊離状態で溶液中で使用されるが、支持体、例えば
、ポリマーに結合することができる。こうして、反応混合物は開始時に実質的に
均質であるが、多少の沈澱が反応の間に形成することがある。
上記プロセスを実施する温度は、凍結より少し高い温度から大部分の感受性酵
素が変性する温度までの範囲であることができる。温度範囲は好ましくは約0℃
以上から約45℃まで、より好ましくは約20℃〜約30℃である。
そのように形成した反応混合物は、アクセプターがシアリル化されて、所望の
シアリルα2→3βガラクトシド(シアロシド)生成物を形成するために十分な
時間の間維持される。その生成物のあるものを数時間後にしばしば検出すること
ができ、回収可能な量は通常24時間以内に得られる。このプロセスの収率を最
適化することが好ましく、そして維持時間は通常約36〜約240時間である。
上記プロセスにより製造された生成物は精製しないで使用できる
。しかしながら、生成物を回収することが通常好ましい。グリコシル化サッカリ
ドを回収する標準的な、よく知られている技術、例えば、薄層または厚層クロマ
トグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、または膜濾過を使用することが
できる。下記および本明細書において引用する文献において論じられているよう
に、回収のために膜濾過を使用すること、より好ましくは逆浸透膜、または1ま
たは2以上のカラムクロマトグラフィー技術を利用することが好ましい。例えば
、膜が約3000〜約10,000の分子量のカットオフを有する膜濾過を使用
してタンパク質を除去することができる。次いで、ナノ濾過または逆浸透を使用
して塩を除去することができる。ナノフィルター膜は、1価の塩を通過させるが
、使用する膜に依存して、約100〜約700ダルトンより大きい多価の塩およ
び非帯電溶質を保持する逆浸透膜の1クラスである。したがって、典型的な用途
において、本発明の方法により製造されたサッカリドは膜の中に保持され、そし
て汚染する塩は通過であろう。このような技術を使用すると、サッカリド(例え
ば、シアリルラクトース)を、プロトンNMRまたはTLCにより測定して、本
質的に100%の純度で製造することができる。
他の面において、本発明は下記式を有する化合物の製造方法を提供する:
NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcN(R’
)β(1→3)Galβ−OR
この式において、Rは水素、サッカリド、オリゴ糖または少なくとも1つの炭
素原子を有するアグリコン基である。R’は1〜18個の炭素のアルキルまたは
アシル(例えば、アセチル、またはアリルオキシカルボニル(Alloc))、
5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトアミド、ベンズアミド、2−ナフト
アミド、4−
アミノベンズアミド、または4−ニトロベンズアミドである。
用語「少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン基」は基−A−Zを意味
し、式中Aは1〜18個の炭素原子のアルキレン基であり、前記アルキレン基は
ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、酸素、硫黄、アミノ、イミノ、またはアルコ
キシで置換されていてもよく、そしてZは水素、−OH、−SH、−NH2、−
NHR1、−N(R1)2、−CO2H、−CO2R1、−CONH2、−CONHR1
、−CON(R1)2、−CONHNH2、または−OR1であり、ここで各R1は
独立して1〜5個の炭素原子のアルキルである。さらに、Rは下記基であること
ができる:
式中、n、m、o=1〜18;(CH2)n−R2(式中、n=0〜18)、ここ
でR2は種々に置換された芳香族環、好ましくは、フェニル基であり、これは1
または2以上のアルコキシ基、好ましくはメトキシまたはO(CH2)mCH3(
式中、n=0〜18)、またはそれらの組み合わせで置換されている。特に好ま
しい態様において、Rは3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピルで
ある。
これらの方法の工程は下記のものを含む:
(a)UDP−ガラクトースの存在において化合物:Galβ(1→4)Gl
cNR’β(1→3)Galβ−ORを形成するために十分な条件下に、式Gl
cNR’β(1→3)Galβ−ORの化合物をガラクトシルトランスフェラー
ゼでガラクトシル化し、
(b)シアル酸が非還元糖に転移される条件下にシアル酸のCMP誘導体の存
在においてα(2,3)シアリルトランスフェラーゼを使用して(a)において
形成された化合物をシアリルトランスフ
ェラーゼでシアリル化して、化合物:NeuAcα(2→3)Galβ(1→4
)GlcNR’β(1→3)Galβ−ORを形成し、そして
(c)(b)において形成された化合物をフコシル化して、NeuAcα(2
→3)Galβ(1→4)(Fuca1→3)GlcNR’β(1→3)Gal
β−ORを形成する。さらに、本発明の方法のために、ガラクトシル化およびシ
アリル化工程の少なくとも1つを2価の金属カチオンを含有する反応媒質中で実
施し、そして反応媒質に2価の金属カチオンを不連続的または連続的に補充して
、金属イオン濃度を約1mM〜約75mMに維持する。
ガラクトシル化およびシアリル化工程は、酵素的に、好ましくはグリコシド結
合を形成する方法について前述した一般的条件下に実施される。したがって、ガ
ラクトシル化工程は好ましくはガラクトシルトランスフェラーゼサイクルの一部
分として実施され(第2図参照)そしてシアリル化工程は好ましくはシアリルト
ランスフェラーゼサイクルの一部分として実施される(第5図参照)。これらの
サイクルの各々における他の種および酵素の好ましい条件および説明は記載され
た。好ましい態様において、ガラクトシル化およびシアリル化工程は、単一の容
器中で実施された。
フコシル化工程は化学的または酵素的に実施することができる。酵素的フコシ
ル化は、適当なオリゴ糖をα(1→3)フコシルトランスフェラーゼおよびL−
フコースと、フコースがオリゴ糖上に転移される条件下に、接触させることによ
って実施することができる。用語「α(1→3)フコシルトランスフェラーゼ」
は、L−フコースをGDP−フコースからオリゴ糖グリコシド中のβGal(1
→4)βGlcNAc基中のGlcNAcのヒドロキシ位置に転移させるフコシ
ルトランスフェラーゼを意味する。適当なフコシルト
ランスフェラーゼは前述され、そして既知のβGal(1→3,4)βGlcN
Acα(1→3,4)フコシルトランスフェラーゼおよびβGal(1→4)β
GlcNAcα(1→3)フコシルトランスフェラーゼを包含する。
適当な条件は、当業者に知られており、pHおよび温度の適当な条件、例えば
、6.5〜7.5のpHおよび0℃〜50℃、好ましくは25℃〜45℃、より
好ましくは35℃〜40℃の温度において、12時間〜4日間、適当な緩衝液、
例えば、0.1Mのナトリウムカコディレート中のオリゴ糖およびGDP−フコ
ースの適当な混合物にα(1→3)フコシルトランスフェラーゼを添加すること
を包含する。生ずるフコシル化生成物を、慣用技術、例えば、膜濾過、HPLC
およびゲル−、逆相−、イオン交換−、または吸着クロマトグラフィーを使用し
て、単離および精製することができる。
また、工程(b)において製造されたオリゴ糖のフコシル化を、米国特許出願
第08/063,181号(その開示は引用することによって本明細書の一部と
される)に記載されている方法に従い化学的に実施する。
好ましい態様において、Rはエチルであり、フコシル化工程を化学的に実施し
、そしてガラクトシル化およびシアリル化を単一の容器中で実施する。
他の好ましい態様において、第2図、第3図および第5図に描写されているト
ランスフェラーゼサイクルを使用して2価の金属イオンを補充しながら、ガラク
トシル化、シアリル化およびフコシル化工程のすべてを酵素的に実施する。より
好ましくは、酵素サイクルのすべてを単一の反応器中で実施する。なおより好ま
しくは、4つの酵素サイクルを単一の反応器中で実施して、下記式を有する五糖
を製造する:
NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcN
(R’)β(1→3)Galβ−OR
式中、RおよびR’は上記において定義した通りである。
なお他の面において、本発明はWO94/26760明細書に記載されている
ような化合物の製造方法を提供する。一般に、これらの化合物は下記式を有する
:
NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcN
(R”)β−OR2
この式において、R”は1〜18個の炭素のアルキルまたはアシル、5,6,
7,8−テトラヒドロ−2−ナフトアミド、ベンズアミド、2−ナフトアミド、
4−アミノベンズアミド、または4−ニトロベンズアミドである。R2は前述の
Rと同一であるか、またはGalβ−OR(Rは上記において定義した通りであ
る)であることができる。
上記において、用語は一般にそれらの標準的意味において使用される。用語「
アルキル」は、本明細書おいて使用するとき、分枝鎖状もしくは直鎖状の、飽和
もしくは不飽和の、1価または2価の、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素
基、例えば、1〜8個の炭素原子の低級アルキル、例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、ブチル、n−ヘキシル、およびその他、シクロアルキル(3〜7個
の炭素原子)、シクロアルキルメチル(4〜8個の炭素原子)、およびアリール
アルキルである。
用語「アリール」は、芳香族炭化水素から1個の原子を除去することによって
誘導された基、例えば、ベンゼンからのフェニルを意味する。芳香族炭化水素は
2以上の不飽和炭素環、例えば、ナフチ
ルを有することができる。用語「アルコキシ」は、分子の残部に酸素により結合
したアルキル基、例えば、エトキシ、メトキシ、またはn−プロポキシを意味す
る。用語「アルキルチオ」は、分子の残部に硫黄により結合したアルキル基を意
味する。
用語「アシル」は、有機酸からヒドロキシルの除去により誘導された基を意味
する。
好ましい態様は前述した通りである。
次いで前述の化合物は種々の用途、例えば、抗原、診断剤、または治療剤とし
て使用することができる。したがって、本発明は、また、種々の症状を治療する
とき使用できる医薬組成物を提供する。医薬組成物は、前述の方法に従い製造さ
れたオリゴ糖から構成される。
本発明の医薬組成物は、種々の薬剤送出系において使用するために適当である
。本発明において使用するために適当な処方物は、Remington’s P harmaceutical Sciences
、Mace Publshin
g Company、ペンシルベニア州フィラデルフィア、第17版(1985
)の中に見出される。薬剤の送出法の概観については、下記の文献を参照のこと
:Langer、Science 249:1527−1533(1990)。
医薬組成物は、非経口、鼻内、局所、経口または局所投与のために、例えば、
エーロゾルまたは経皮的に、予防および/または治療を目的として意図される。
通常、医薬組成物は非経口的に、例えば、静脈内に投与される。したがって、本
発明は、許容される担体、好ましくは水性担体、例えば、水、緩衝化水、生理食
塩水、PBSおよびその他の中に溶解または懸濁された化合物を含んでなる、非
経口投与用組成物を提供する。組成物は、生理的状態に近似させる
ために要求される薬学上許容される補助物質、例えば、pH調節および緩衝化剤
、張度調節剤、湿潤剤、洗浄剤およびその他を含有することができる。
これらの組成物は慣用の滅菌技術により滅菌することができるか、または滅菌
濾過することができる。得られる水溶液をそのまま使用するために包装するか、
または凍結乾燥することができ、凍結乾燥された調製物を投与前に無菌の水性担
体と一緒にする。調製物のpHは典型的には3〜11、より好ましくは5〜9、
最も好ましくは7〜8である。
ある態様において、本発明のオリゴ糖を標準的小胞形成脂質から形成されたリ
ポソームの中に組込むことができる。リポソームを製造する種々の方法は、例え
ば、下記の文献に記載されているように、入手可能である:Szoka et
al.、Ann.Rev.Biohys.Bioeng. 9:467(198
0)、米国特許第4,235,871号、米国特許第4,501,728号およ
び米国特許第4,837,028号。種々のターゲッティング剤(例えば、本発
明のシアリルガラクトシド)を使用するリポソームのターゲッティングは、この
分野においてよく知られている(参照、例えば、米国特許第4,957,773
号および米国特許第4,603,044号)。
ターゲッティング剤をリポソームに結合する標準的方法を使用することができ
る。これらの方法は、一般に、脂質成分、例えば、ホスファチジルエタノールア
ミン(これはターゲッティング剤の結合のために活性化することができる)、ま
たは誘導化された親油性化合物、例えば、本発明の脂質誘導化オリゴ糖をリポソ
ームの中に組込むことを包含する。
一般に、ターゲッティングのメカニズムは、標的成分が標的、例
えば、細胞表面のレセプターとの相互作用に利用可能であるような方法において
、ターゲッティング剤がリポソームの表面上に位置することを必要とする。本発
明の炭水化物を脂質分子に結合した後、リポソームを当業者に知られている方法
により形成することができる(例えば、炭水化物上に存在するヒドロキシル基を
ハロゲン化長鎖アルキルまたは脂肪酸で、それぞれ、アルキル化またはアシル化
する)。また、膜を形成するとき、コネクター部分が最初に膜の中に組込まれる
ような方法において、リポソームを仕上げることができる。コネクター部分は、
膜の中に堅固に埋め込まれかつ定着された親油性部分をもたなくてはならない。
また、それはリポソームの水性表面上で化学的に利用可能な反応性部分をもたな
くてはならない。反応性部分は、ターゲッティング剤または後に添加される炭水
化物と安定な化学的結合を形成するために化学的に適当であるように、選択され
る。ある場合において、ターゲッティング剤をコネクター部分に直接的に結合す
ることが可能であるが、大部分の場合において、第3分子を使用して化学的架橋
として作用させ、こうして膜の中に存在するコネクター分子を、小胞表面から3
次元的に拡張したターゲッティング剤または炭水化物と、結合させることはいっ
そう適当である。
オリゴ糖を含有する組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与
可能である。治療的用途において、組成物を既に疾患に罹った患者に、前述した
ように、疾患およびその合併症の症状を治癒または少なくとも部分的阻止するた
めに十分な量において投与する。これを達成するために適切な量は「治療的に有
効な投与量」と定義される。この使用に有効な量は疾患の苛酷性および患者の体
重および一般的状態に依存するが、一般に約0.5mg〜約2,000mgのオ
リゴ糖/日/70kg患者の範囲であり、約5mg〜
約200mg/日の投与量の化合物が普通に使用される。
予防的用途において、本発明のオリゴ糖を含有する組成物を特定の疾患の疑い
があるか、またはその危険にある患者に投与する。このような量は「予防的に有
効な量」と定義される。この使用において、正確な量は再び患者の健康状態およ
び体重に依存するが、一般に約0.5mg〜約1,000mg/70kg患者の
範囲であり、より普通には約5mg〜約200mg/70kg体重である。
組成物の単一または多数回の投与を実施することができ、投与のレベルおよび
パターンは治療を行う医師により選択される。いずれの場合においても、医薬処
方物は患者を治療するために有効な量の本発明のオリゴ糖を提供すべきである。
オリゴ糖は、また、診断試薬としての用途を見出ことができる。例えば、標識
化化合物を使用して、炎症を有することが推測される患者における炎症または腫
瘍の転移の区域を捜し出すことができる。この使用のために、化合物を適当な放
射性同位元素、例えば、25I、14C、またはトリチウムで標識化することができ
る。
本発明のオリゴ糖は、本発明の化合物と特異的に反応性のモノクローナル抗体
またはポリクローナル抗体を産生するための免疫原として使用することができる
。種々の免疫グロブリン分子を産生しかつ操作する多数の技術は、当業者に入手
可能であり、そして本発明において使用することができる。抗体は当業者によく
知られている種々の手段により発生させることができる。
非ヒト、例えば、ネズミ、ウサギ、ウマおよびその他のモノクローナル抗体の
産生はよく知られており、そして、例えば、本発明のオリゴ糖を含有する調製物
で動物を免疫化することによって達成することができる。免疫化された動物から
得られた抗体産生細胞を永久分裂能化させ、スクリーニングするか、または最初
に所望の抗体
についてスクリーニングし、次いで永久分裂能化させる。モノクローナル抗体の
産生の一般的手順についての説明については、下記の文献を参照のこと。Har
lowおよびLane、Antibodies,A Laboratory M anual
、Cold Spring Harbor Publication
s、N.Y.(1988)。
下記の実施例により、本発明を例示する。これらの実施例は本発明を限定また
は定義しない。
実施例
下記の実施例は、エチル(ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキ
シ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート))−(2
−3)−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−((α−L−
フコピラノシル)−(1−3)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−
D−グルコピラノシル)−(1−3)−O−β−D−ガラクトピラノシドの製造
に適用される本発明の方法を例示する。追加の実施例は、GlcNAcトランス
フェラーゼサイクルを使用するβGal(1,4)Glc(ラクトース)からの
βGlcNAc(1,3)βGal(1,4)Glcの製造である。次いで、こ
の三糖をさらにガラクトシルトランスフェラーゼサイクルを介してβGal(1
,4)βGlcNAc(1,3)βGal(1,4)Glc(ラクト−N−ネオ
−テトラオース)に変換することができる。このオリゴ糖および前駆体および出
発物質の完全な化学的合成は、米国特許出願第08/063,181号明細書(
前に引用することによって本明細書の一部とされる)において提供された。化合
物の番号は、第1図の合成スキームの中に提供されている番号に対応する。
実施例1
この実施例は、実施例3のガラクトシルトランスフェラーゼサイクルにおいて
基質として使用する、二糖のGlcN(Alloc)(1→3)βGalOEt
の合成を例示する。この実施例において製造される化合物の番号は第1図におい
て提供されており、第1図は好ましい五糖の製造の略図である。
エチルβ−D−ガラクトピラノシド(I)の製造
炭酸銀(3.13kg、11.4mol)、4Aモレキュラーシーブ(2.3
7kg)、ジクロロメタン(16リットル)、および無水エタノール(4.0リ
ットル)を供給した反応器に、ジクロロメタン(4リットル)中の2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−ガラクトシルブロミド(2,5kg)の溶液を20
〜25ml/分の速度で添加した。撹拌を維持して、試薬を激しく混合した。臭
化物の溶液を完全に添加した後2時間に、シリカゲルのTLCをヘキサン:酢酸
エチル(1:1)で展開すると、臭化物は示されなかった。その時において、反
応混合物をセライトパッド(1kg)を通して濾過し、濾液を真空下に30〜3
5℃において蒸発させると、褐色油状物(1.95kg)が得られた。この油状
物を真空下に17時間乾燥した。1H NMR(CDCL3)δ:5.36(1H
、d、J3.4=3.7Hz、H−4)、5.17(1H、dd、J2.3=11.0
Hz、H−2)、4.99(1H、dd、H−3)、4.46(1H、d、J1. 2
=8.3Hz、H−1)、2.15、2.05、2.04、1.95(12H
、4s、OAc)、1.21(3H、t、OCH2CH3)。
粗製エチルテトラアセチルガラクトピラノシド(1.95kg)を無水メタノ
ール(11.7リットル)中に溶解し、メタノール中の25%ナトリウムメトキ
シド溶液(90ml)を滴下した。この
溶液を1時間撹拌し、この時酢酸エチル:メタノール(2:1)で展開したシリ
カゲルのTLCは出発物質が存在しないことを示した。生成物はRf=0.6を
有した。この溶液を撹拌しながらアンバーライトIR−120(H+)樹脂(0
.6kg)の添加により中和した。溶液のpHがpH6とpH7との間にあると
き、樹脂を濾過により除去し、濾液を真空下に蒸発させると、薄黄色固体状物が
得られた。この固体状物を沸騰するエタノール(11リットル)中に溶解した。
生ずる溶液を25℃に放冷し、次いで0℃に冷却すると、白色沈澱が得られた。
この固体状物を濾過すると、エチルβ―D−ガラクトピラノシド(0.851k
g)が得られた。1H NMR(D2O)δ:4.38(1H、d、J1.2=8.
0Hz、H−1)、3.89(1H、bd、J3.4=3.7Hz、H−4)、1
.2(3H、t、OCH2CH3)。
エチル4,6−O−ベンジリデン−β−D−ガラクトピラノシド(II)の製 造
エチルβ−D−ガラクトピラノシド(I)(0.851kg、4.09mol
)を、トルエンスルホン酸(1.5g、7.9mmol)を含む20リットルの
ロトバプ(rotovap)フラスコの中に供給した。この蒸発器フラスコを蒸
発器に固定し、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(1.23リットル、8.
18mol)を吸引により添加し、この混合物を4時間タンブルした。アセター
ルの添加後30分と40分との間において、ほぼ完全な溶液が得られ、次いで急
速に重い沈澱が出現した。回転を4時間続け、この時トリエチルアミン(1.5
ml)を添加して、反応混合物を中和した。真空を適用し、溶媒を除去すると、
固体状塊が得られた。ヘキサン(6リットル)をフラスコの中に供給し、この混
合物を0.5時間タンブルした。生ずる固体状物を濾過し、濾液上でヘキサン:
エチルエーテル(1:1、2リットル)で洗浄した。そのようにして得られた白
色固体状物を真空下に17時間乾燥すると、純粋なエチル4,6−O−ベンジリ
デン−β−D−ガラクトピラノシド(1.0kg、3.38mol)が83%の
収率で得られた。1H NMR(CDCL3)δ:7.53(2H、m、芳香族)
、7.37(3H、m、芳香族)、5.57(1H、sc,CHPh)、4.2
9(1H、d、J1.2=7.0Hz、H−1)、4.21(1H、d、J3.4=3
.27Hz、H−4)、1.29(3H、t、OCH2CH3)。
エチル2−O−ベンゾイル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−ガラクトピ ラノシド(III)の製造
空気ドライブ、ガス入口をもつ圧力平衡化滴下漏斗、冷却浴、およびガス出口
を装備する20リットルの反応器に、エチル4,6−O−ベンジリデン−β−D
−ガラクトピラノシド(II)(0.924kg、3.12mol)を入れた。
フラスコを密閉する前に、ジクロロメタン(9.3リットル)およびピリジン(
2リットル)を添加すると、均質溶液が得られた。滴下漏斗に、塩化クロロアセ
チル(0.388kg、3.43mol、273ml)をジクロロメタン中の6
0%溶液として供給した。このフラスコを密閉し、乾燥窒素をゆっくり流し始め
た。浴を−65℃±5℃に冷却し、反応混合物を30分間撹拌した。その時にお
いて、塩化アセチル溶液を3〜4ml/分の速度で滴下し始めた。この溶液の添
加が完結した後、反応混合物をさらに1時間−65℃±5℃に維持した。その時
において、塩化ベンゾイル(0.614kg、4.37mol、0.507リッ
トル)を8〜12ml/分の速度で反応混合物に添加した。反応混合物を室温に
放温し、17時間放置した。この混合物を濾過して沈澱した塩を除去し、濾液を
真空濃縮してジクロロメタ
ンの大部分を除去した。少量の試料をNMRのために取って置いた。1H NM
R(CDCL3)δ:5.75(1H、dd、J2.3=10.6Hz、H−2)、
5.56(1H、s、CHPh)、5.25(1H、dd、J3.4=3.44H
z、H−3)、4.69(1H、d、J1.2=8.48Hz、H−1)、4.4
8(1H、bd、H−4)、1.15(3H、t、OCH2CH3)。水(180
ml)を濃縮物に添加し、生ずる混合物を40℃において2時間撹拌した。その
時において、反応混合物さらに濃縮すると、黄色残留物が得られ、これをジクロ
ロメタン(11リットル)中に溶解し、50リットルの抽出器に移した。有機溶
液を氷冷水性0.5N HCl(11リットル)、水性飽和炭酸水素ナトリウム
(11リットル)、冷水(11リットル)で連続的に抽出し、有機層を無水硫酸
ナトリウム(1.0kg)で乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させると、黄色が得ら
れ、これを高真空下に乾燥した。この反応をヘキサン:酢酸エチル(1:1)で
展開したシリカゲルのTLCにより監視した。この固体状物を熱エタノール(9
.5リットル)中に溶解し、これを冷却し、濾過すると、エチル2−O−ベンゾ
イル−4,6−O−ベンジリデン−β−D−ガラクトピラノシド(0.737k
g、1.85mol)が59%の収率で得られた。1H NMR(CDCL3)δ
:5.59(1H、s、CHPh)、5.36(1H、dd、J2.3=10.0
7Hz、H−2)、4.64(1H、d、J1.2=8.21Hz、H−1)、1
.15(3H、t、OCH2CH3)。
このベンゾエートがC−2に存在し、そしてC−3が遊離ヒドロキシル基を有
することを確証するために、1滴のトリクロロアセチルイソシアネートをNMR
試料に添加し、スペクトルを再び獲得した。このスペクトルはC−3においてエ
ステル化したガラクトシド
のH−3に典型的なδ=5.27において低い場の二重項の二重項を含有した。
反応混合物から得られたもとの濾液は追加量の生成物を含有する。
エチル2−O−ベンゾイル−4,6−O−ベンジリデン−3−O−(3,4, 6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピ ラノシル)−β−D−ガラクトピラノシド(IV)の製造
冷却浴、ガス入口をもつ圧力平衡化滴下漏斗、撹拌機、およびガス出口を装備
する20リットルの反応器に、エチル2−O−ベンゾイル−4,6−O−ベンジ
リデン−β−D−ガラクトピラノシド(III)(1.001kg、2.5mo
l)を入れた。窒素の流れ下にフラスコに、4Aモレキュラーシーブ(1.03
kg)、ジクロロメタン(6.6リットル)、コリジン(0.367リットル、
2.77mol)を添加し、15分間撹拌した後、最後にトリフルオロメタンス
ルホン酸銀(0.689kg、2.641mol)を添加した。ジクロロメタン
(2.40リットル)中に溶解した3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオ
キシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル臭化物(1.310kg、
2.641mol)を滴下漏斗に供給した。この系を密閉し、窒素の低いパージ
を維持し、撹拌をまず室温において1時間開始し、次いで反応器の冷却(−25
℃)を開始し、混合物を低温においてさらに1時間撹拌した。次いで、臭化物の
溶液を1〜2時間かけて添加した。生ずる混合物を周囲温度にさせ、17時間後
、セライトのパッドを通して混合物を濾過し、濾液を水性チオ硫酸ナトリウム(
2M、3.0リットル)、水(3リットル)、塩酸(1M、2×2リットル)、
炭酸水素ナトリウム(1M、3.0リットル)、最後に水(3リットル)で洗浄
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し
、蒸発させると、固体状物が得られた。固体状物をイソプロパノール:酢酸エチ
ル(1:1、32リットル)中に還流において溶解した。一夜室温に冷却した後
、濾過および乾燥すると、最初の収獲物のエチル2−O−ベンゾイル−4,6−
O−ベンジリデン−3−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ
−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−β−D−ガラクトピラノシ
ドが得られた。母液(18リットル、蒸発させた)を濃縮し、生ずる溶液を室温
において一夜放置すると、許容できる純度の第2収獲物が得られた。TLC後、
2つの収獲物をプールした(1.479kg、1.816mol、72%)。1
H NMR(CDCL3)δ:7.75(14H、m、芳香族)、5.57(1
H、s、CHPh)、5.38(1H、dd、J=7.89Hz、J=10.5
Hz).5.16(1H、t、J=9.99Hz)、4.52(1H、d、J1. 2
=7.89、H−1)、2.08、2.01、1.88(3H、3s、OAc
)、0.95(3H、t、OCH2CH3)。
エチル3−O−(2−N−アリルオキシカルボニル−2−アミノ−2−デオキ シ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル(V)の製造
エチル2−O−ベンゾイル−4,6−O−ベンジリデン−3−O−(3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピ
ラノシル)−β−D−ガラクトピラノシド(IV)(1.017kg、1.25
mol)に、80%酢酸(10リットル)を添加した。生ずる混合物を90℃に
1.25時間加熱し、次いで酢酸エチルで展開したシリカゲルのTLCはRf=
0.5〜0.6を有する生成物および出発物質の完全な消費を示した。この溶液
を蒸発乾固し、残留物を70℃において1:1エタノ
ール:アセトン(6リットル)中に溶解した。脱イオン水(9.0リットル)を
生ずる溶液に添加して生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、水:アセトン9:
1(6リットル)で洗浄し、16時間空気乾燥し、次いで真空下に水酸化ナトリ
ウムペレットで乾燥した。脱イオン水(4.5リットル)を母液に添加すること
によって、第2収獲物を単離した。この物質を前述したように乾燥した。このジ
オールの収量は0.707kg(81%)であった。1H NMR(CDCL3)
δ:5.67(1H、dd、J3'.4'=9.07Hz、J2'.3'=11.23Hz
、H−3’)、5.57(1H、d、J1'.2'=9.21Hz、H−1’)、5
.32(1H、dd、J2.3=10.08Hz、H−2)、5.12(1H、t
、J4'.5'=9.07Hz、H−4’)、4.46(1H、d、J1.2=8.64
、H−1)、2.14、2.03、1.78(9H、3s、OAc)、0.98
(3H、t、OCH2CH3)。
エチル2−O−ベンゾイル−3−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−2
−デオキシ−2−フタルイミド−β−D−グルコピラノシル)−β−D−ガラク
トピラノシド(0.645kg、0.882mol)をエタノール(6.5リッ
トル)中に加熱還流しかつ撹拌しながら溶解した。透明な溶液が得られたとき、
ヒドラジン水和物(0.4リットル、8.25mol)を添加し、この混合物を
連続的に撹拌しながら加熱還流させた。沈澱が現われ始め、16時間後、酢酸エ
チル:酢酸:メタノール:水12:3:3:2で展開したシリカゲルのTLCで
判定すると、反応は完結した。生成物はRf=0.15を有した。反応混合物を
周囲温度に冷却し、次いで撹拌しながらアセトン(5リットル)を添加した。撹
拌を続けると、均質懸濁液が得られ、これを濾過すると、五酸化リンの存在にお
いて高真空下に乾燥後、粗製のエチル3−O−(2−アミノ−2−
デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルが白色、非
晶質粉末状物(0.4kg)として得られた。この粗製の物質をメタノール(5
.5リットル)と水(0.3リットル)との混合物に添加した。炭酸水素ナトリ
ウム(0.90kg、10.7mol)を添加し、この混合物を30分間撹拌し
た。その時において、室温において連続的に撹拌しながらアリルクロロホルメー
ト(0.140リットル、1.32mol)を添加した。1時間後、酢酸エチル
:酢酸:メタノール:水12:3:3:2で展開したシリカゲルのTLCはRf
=0.6を有する生成物および反応の完結を示した。この混合物を濾過し、固体
状物をメタノール(0.5リットル)で洗浄した。濾液を蒸発させると、残留物
が得られた。残留物を水(3.0リットル)中に取り、ジクロロメタン(4.0
リットル)で抽出した。水性層を分離し、ジクロロメタン(1.0リットル)で
洗浄し、濃縮すると、固体状物が得られた。固体状塊をアセトン:酢酸エチル(
1:2、3リットル)とともに2時間撹拌した。この懸濁液を濾過し、固体状物
を酢酸エチルで洗浄した。五酸化リンの存在において17時間高真空下に乾燥す
ると、灰色粉末状物が得られた(0.444kg)。1H NMR(D2O)δ:
5.93(1H、m、OCH2CH=CH2)、5.35−5.17(2H、m、O
CH2CH=CH2)、4.67(1H、d、J1'.2’=8.13Hz、H−1’
)、4.35(1H、d、J1.2=8.10Hz、H−1)、4.09(1H、
d、J3.4=3.0Hz、H−4)、1.19(3H、t、OCH2CH3)。
実施例2
この実施例において、マンガンイオンのコントロールの存在および不存在にお
いてグリコシルトランスフェラーゼの反応を比較である。さらに、連続的または
不連続的である金属イオンの補充を比較
する。
2.1マンガンイオンのコントロールの存在および不存在におけるGlcNA
cトランスフェラーゼのサイクル
60mlのラクトース、70mMのglcNAc−1−リン酸、80mMのホ
スホエノールピブレート、2mMのウリジン5’−二リン酸、0.05%のアジ
化ナトリウム、0.1%のBSA、0.1MのHEPES、pH7.5、および
3.5U/mlのピルベートキナーゼ、0.6U/mlのUDPglcNAcピ
ロホスホリラーゼ、および0.13U/mlのグルタチオンセファローズ4Bに
結合したglcNAcトランスフェラーゼ/グルタチオンS−トランスフェラー
ゼ融合タンパク質を含有する溶液に、(A)10mMのMgCl2、10mMの
MnCl2、または(B)10mMのMgCl2、30mMのMnCl2を添加し
た。この溶液を室温において撹拌しながらインキュベートした。マンガンイオン
をクロマトグラフィーにより監視し、下記のようにして試料Bに補充した:
72時間において、シリカゲル上の薄層クロマトグラフィーにより溶離剤とし
て65%アセトニトリル、10%酢酸および25%水を使用して(オルシノール
で可視化した)試料Aおよび試料Bを比較した。補充しない反応(A)は薄層ク
ロマトグラフィーにより30〜40%であると推定されたが、マンガンを補充し
た反応(B)は100%完結したと推定された。
2.2 金属イオンの不連続的/連続的補充
80mMのアクセプター、80mMのGlcN(Alloc)(1→3)βG
alOEt、55mMのホスホエノールピブレート、90mMのグルコース−1
−リン酸、1mMのUDP、0.1%のBSA、0.05%のNaN3、10m
MのMgCl2、0.1MのHEPES、pH7.5、5000単位/リットル
のピルベートキナーゼ、200単位/リットルのUDP−グルコースピロホスホ
リラーゼ、800単位/リットルのUDP−gal−4−エピメラーゼ、および
1050単位/リットルのガラクトシルトランスフェラーゼを含有するガラクト
シルトランスフェラーゼサイクル反応混合物を調製した。一部分に、金属イオン
をそれ以上含まない10MnCl2を添加した。他の部分に、下記のようにして
マンガンを周期的に補充した:
他の部分に10mMのMnCl2を添加し、注射器を介して1MのMnCl2の
注入を送出して(最初に54mM/日において)金属イオン濃度を約4〜約27
mMの間に維持した。
反応のすべてを監視し、必要に応じてPEPを補充した。注入ポ
ンプによりMnCl2を添加した反応は4日までに完結に到達した。周期的にM
nCl2を添加した反応は7日までに完結に到達した。10mMの最初のMnC
l2を添加しかつ補充を行わなかった反応は13日後においてさえ完結しなかっ
た。
2.3 適度なアクセプター濃度におけるMn++の不連続的/周期的補充
下記の成分を含有するガラクトシルトランスフェラーゼサイクルの反応混合物
を構成した:40mMのGlcN(Alloc)(1→3)βGalOEt、5
5mMのホスホエノールピブレート、45mMのグルコース−1−リン酸、1m
MのUDP、0.1%のBSA、0.05%のNaN3、10mMのMgCl2、
0.1MのHEPES、pH7.5、2500単位/リットルのピルベートキナ
ーゼ、100単位/リットルのUDP−グルコースピロホスホリラーゼ、400
単位/リットルのUDP−gal−4−エピメラーゼ、および525単位/リッ
トルのガラクトシルトランスフェラーゼ。異なる初期濃度のMnCl2でサイク
ルを構成し、ゆっくり撹拌し、注射器ポンプを介して1MのMnCl2を連続的
に添加した。注射器ポンプを使用する添加速度を、連続的よりむしろ、増分的に
調節した。比較のために、試験サイクルに前述したように1回/日30、25、
20および15mMのMn++を補充した。注射器ポンプによりおおよそ維持され
た10mMのMnCl2を使用する実験結果を第11図に示す。
MnCl2の添加速度を、示すように、36mM/日から24mM/日に、次
いで12mM/日に変化させた。同様な反応を構成して、一定の5mMおよび一
定の15mMのマンガンイオン濃度維持した。結果を下記に要約する:補充のモード
完結までの時間
一定の注入により5mM 4日
一定の注入により10mM 4日
一定の注入により15mM 4日
毎日の添加により30、25、20および15mM 4日
これらの結果が示すように、約40mMのアクセプター濃度で、いくつかのモ
ードのいずれによっても、マンガンイオン濃度の補充を実施することができる。
実施例3
この実施例は、マンガンイオン濃度をコントロールしてガラクトシルトランス
フェラーゼサイクルによるβGal(1→4)Glc(Alloc)(1→3)
βGalOEtの酵素的合成を例示する。
ポリプロピレン容器中で、HEPES(695.3g、2.92mol)およ
び24リットルのH2Oを一緒にし、pHを6MのNaOHで7.5に調節した
。ホスホエノールピブレート1カリウム塩(245.5g、1.46mol)、
グルコース−1−リン酸(470.3g、1.31mol)およびウシ血清アル
ブミン(29.2g)を添加し、pHを再び6MのNaOHで7.5に調節した
。塩化カリウム(152g、2.04mol)、アジ化ナトリウ(14.6g)
、ウリジン二リン酸(15.2g、29.3mmol)およびGlcN(All
oc)(1→3)βGalOEt(520g正味、1.15mol)を添加し、
次いでMnCl2・4H2O(115.7g、0.58mol)およびMgCl2
・4H2O(59.3g、0.292mol)のほぼ1Mの溶液を添加した。ピ
ルベートキナーゼ(73,000単位)、UDPグルコースピロホスホリラーゼ
(3000単位)、UDP−Gal−4−エピメラ
ーゼ(180,000単位)、およびガラクトシル(β1→4)トランスフェラ
ーゼ(10,400単位)を添加し、反応混合物の体積をH2Oでほぼ29リッ
トルに調節した。生ずる反応混合物を室温に維持し、毎日薄層クロマトグラフィ
ー(tlc)およびイオンクロマトグラフィーにより監視した。30mMのMn
Cl2および30mMのMgCl2を含有する標準からのイオンクロマトグラムと
反応混合物からのイオンクロマトグラムを比較することによって、マンガンおよ
びマグネシウムの定量を実施した。
下記表に示すように、マンガンイオン濃度を測定し、補充した。
第9日に、反応はTLCにより本質的に完結した(米国特許出願第08/06
3,181号明細書に記載されている合成法により製造された真性試料と生成物
との比較による)。反応生成物は、精製しないで、下記の実施例5において使用
した。
表中の結果が示すように、Mn++が消耗するために、追加量のMnCl2・4
H2Oをほとんど毎日添加して金属イオン濃度を維持した。マンガンイオンはガ
ラクトシルトランスフェラーゼサイクルにおける少なくとも1つの酵素のための
コファクターである。しかしながら、マンガンイオンおよび生成した無機ピロリ
ン酸(第2図参照)は非常に低い溶解度の錯体を形成する。同様なガラクトシル
トランスフェラーゼサイクルからの沈澱は、プロトン誘発X線放出(PIXE)
により、31.5濃度質量百分率のマンガンおよび18.7濃度質量百分率のリ
ンとして分析され、沈澱した物質が主としてピロリン酸マンガンであることが確
証された。この制限された溶解度のために、トランスフェラーゼサイクルは進行
し続けることができるが、反応速度は減少する。ピロリン酸の沈澱により失われ
るマンガンイオンを補充することによって、反応速度を維持することができる。
したがって、マンガンイオン濃度を最適範囲に維持するとき、ガラクトシルトラ
ンスフェラーゼの反応サイクルを完結に推進させることができる。
実施例4
この実施例は、ガラクトシルトランスフェラーゼサイクルに対するマンガンイ
オンの高い濃度の有害作用を例示する。
4.1 最初に90mMに設定されたMn++濃度
20mMのMn++を含有する実施例3からの初期反応混合物(第0日に調製さ
れた混合物)の10mlのアリコートを取り出し、マンガンイオン濃度をMnC
l2・4H2Oの添加により90mMに
調節した。生ずる混合物を前述したように毎日監視したが、マンガンイオンをそ
れ以上添加しなかった。第9日に、実施例3からの反応が本質的に完結したとき
(MnCl2・4H2Oの添加の結果)、アリコートの試料における反応はTLC
によりわずかに約10〜20%だけ完結した。
4.2 増加したMn++の非可逆的面を証明するためのEDTAの使用
酵素のサイクルに対する高いMn++濃度の有害な作用の他の研究を下記のよう
にして実施した:40mMのGlcN(Alloc)(1→3)βGalOEt
、55mMのホスホエノールピブレート、45mMのグルコース−1−リン酸、
1mMのUDP、0.1%のBSA、0.05%のNaN3、10mMのMgC
l2、0.1MのHEPES、pH7.5、2500単位/リットルのピルベー
トキナーゼ、100単位/リットルのUDP−グルコースピロホスホリラーゼ、
400単位/リットルのUDP−gal−4−エピメラーゼ、および525単位
/リットルのガラクトシルトランスフェラーゼ。1MのMnCl2を添加して7
0mMの濃度達成した。2日後、Mn++の濃度は42mMに低下し、それ以上の
反応の進行は劇的に遅くなった。20mMまでのEDTAの添加、またはサイク
ル酵素のすべての追加の部分の添加、または1mMのUDP、または1mMのU
DP+20mMのEDTAは反応を完結まで進行させなかった。しかしながら、
20mMのEDTAをサイクル酵素のすべての追加の部分と組み合わせて添加す
ると、サイクルは完結まで進行した。
EDTA単独のための作用の欠如は、高いMn++濃度の有害作用が可逆的でな
いことを示す。すべての酵素の添加は、また、反応サイクルを完結まで推進させ
ない。Mn++濃度を低下させるために十
分なEDTAの存在におけるすべての酵素の添加は、反応を完結まで推進させた
。この結果が示すように、1または2以上の酵素は高いレベルのMn++の存在に
おいて不活性化される。
実施例5
この実施例は、マンガンイオンをコントロールしてシアリルトランスフェラー
ゼを使用するガラクトシルトランスフェラーゼサイクルの生成物からのαNAN
A(2→3)Galβ(1→4)GlcN(Alloc)(1→3)βGalO
Etの「ワンポット」合成を例示する。
水(16リットル)およびHEPES(915.8g、3.84mol)をポ
リプロピレン容器中で一緒にし、pHを6MのNaOHで7.5に調節した。ホ
スホエノールピブレート1カリウム塩(511.8g、3.05mol)、ウシ
血清アルブミン(38.5g)およびアジ化ナトリウ(19.25g)を添加し
、pHを再び6MのNaOHで7.5に調節した。シアル酸(420g、1.3
6mol)を添加し、pHを再び6MのNaOHで7.5に調節した。シチジン
−5’−1リン酸(43.7g、0.135mol)およびアデノシン三リン酸
(8.1g、13.6mmol)を添加し、pHを再び6MのNaOHで7.5
に調節した。ピルベートキナーゼ(360,000単位)、ミオキナーゼ(75
,000単位)、CMP NeuAcシンターゼ(5000単位)、およびα2
,3シアリルトランスフェラーゼ(2400単位)を添加し、混合した。
MnCl2・4H2O(402.1g、2.03mol)をほぼ1Mの溶液とし
て実施例3からの生成物に添加し、次いで上記のシアリルトランスフェラーゼサ
イクルの成分の混合物および追加の20.4リットルの水を添加した。生ずる混
合物を室温に維持し、毎
日薄層クロマトグラフィー(tlc)およびイオンクロマトグラフィーにより監
視した。30mMのMnCl2を含有する標準からのイオンクロマトグラムと反
応混合物からのイオンクロマトグラムを比較することによって、マンガンの定量
を実施した。
下記表に示すように、マンガンイオン濃度を測定し、補充した。
出発物質はTLCにより検出できなかったので、反応は6日までに完結した。
実施例6
この実施例は、エチル(アンモニウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ
−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(2,3
)−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1,4)−O−(α−L フコピ
ラノシル)−(1,3)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシル)−(1,3)−O−β−D−ガラクトピラノシドを製造するた
めのオリゴ糖の酵素的フコシル化を例示する。
エチル(アンモニウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ
セロ−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(
2,3)−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1,4)−O−(2−アセ
トアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−(1,3)−O−β−
D−ガラクトピラノシド(125mg、0.141mmol)を、水(6.2m
l)、ナトリウムカコジレート(1M、pH6.5、0.72ml)、MnCl2
(1M、0.2ml)およびGDP−β−フコース2ナトリウム塩(Sigm
a、130mg、0.212mmol)の溶液中に溶解した。アルカリ性プロテ
アーゼ(ウシ腸、32μl)およびフコシルトランスフェラーゼV(ビーズ、1
00mU)を添加し、反応混合物を3日間ティップ(tip)した。次いで反応
混合物をクロマトグラフィー(Biogel P−2、0.1MのNH4HCO3)
にかけると、凍結乾燥後、70mgの出発物質および76mg(52%)のXI
)が白色固体状物として得られた;Rf=0.43(シリカ、30%の1MのN
H4OAc/イソプロパノール)。
実施例7
この実施例は、実施例5の四糖を使用して開始する、NeuAcα(2→3)
Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcNAcβ(1→3)Galβ−O
Etの化学的合成を例示する。
エチル(メチル(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−4,7,8,9− テトラ−O−アセチル−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシ ロネート))−(2,3)−O−(2,4,6−トリ−O−アセチル−β−D− ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−(3,6−ジ−O−アセチル−2−N −アロキシカルボニル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−(1−3 )−O−2,4,6−トリ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(VI II)の製造
二糖(V)(0.320kg)に適当なコファクターの存在にお
いてガラクトシルトランスフェラーゼおよびシアリルトランスフェラーゼを順次
に作用させて製造したエチル(ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオ
キシ−α−D−グリセロ−D−ガラクト−ノヌロピラノシロネート))−(2−
3)−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−(2−N−アロ
キシカルボニル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−(1−3)−O
−β−D−ガラクトピラノシド(VII)の水溶液(40リットル)を紙に通過
させて濾過した。濾液を3000または10,000の分子量カットオフを有す
る膜に通過させて、所望生成物からタンパク質を除去した。溶離液を濃縮し、適
当な装置中で逆浸透膜に対して透析させた。生成物を含有する保持物質を50リ
ットルのロタベイポール(rotavapor)中で蒸発させると、濃厚なシロ
ップ状物が得られた。必要に応じて、保持物質をキレート化樹脂で処理して、2
価のカチオンを除去した。濾過後、濾液は塩を実質的に含有ぜずかつ高い純度の
状態の所望生成物を含有した。このシロップ状物をピリジン(2×2リットル)
とともに2回共蒸発させ、次いで真空下に20時間保持した。蒸発フラスコにピ
リジン(12リットル)中のN,N−ジメチルアミノピリジン(20g)の溶液
を供給した。ロタベイポール浴に氷水混合物を供給し、回転を続けながら、無水
酢酸(6リットル)を1時間の間に添加した。添加の完結後2時間において、無
水酢酸(2リットル)を添加し、生ずる混合物を室温において20時間ゆっくり
回転した。アシル化の完結を確実にするために、さらに無水酢酸(1リットル)
を添加し、この混合物をさらに24時間回転した。反応をTLC(酢酸エチル:
ヘキサン:エタノール、10:10:3)により検査した。反応が完結したとき
、真空を適用し、14リットルの蒸留物を集めた。
得られる残留物に、メタノール(15リットル)を1時間かけて
添加し、この混合物を室温において20時間撹拌した。その時において、シリカ
ゲル上のTLC(酢酸エチル:ヘキサン:エタノール、10:10:3およびジ
クロロメタン:アセトン、3:2)は、ラクトンがメチルエーテルモノヒドロキ
シ化合物である遅く動くスポットに完全に変換したことを示した。次いでこの混
合物を濃縮し(18リットル、蒸発した)、混合物を氷水中で冷却しながら、無
水酢酸(3リットル)を30分かけて添加した。この混合物を20時間放置した
。シリカゲル上のTLC(ジクロロメタン:アセトン、3:2)は完全なアシル
化を示し、生成物はわずかにより高く展開した。メタノール(1リットル)を添
加して、過剰の無水酢酸を破壊し、その間わずかの発熱が認められた。1時間後
、この混合物を濃縮すると、シロップ状物が得られ、これを酢酸エチル−水混合
物(13/13リットル)の助けにより50リットルの抽出器に移した。この混
合物を激しく撹拌した。相分離後、下の水性層を抜き出し、残留する有機層を紙
に通過させて濾過した。濾液を5%の水性塩酸(15リットル、水性層は洗浄後
pH紙に対してまだ強く酸性であろう)および水性の1Mの重炭酸ナトリウム(
15リットル、水性層は洗浄後pH紙に対してまだ強くアルカリ性であろう)で
洗浄した。次いで有機層を20リットルの容器に移し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、濾過した。濾液を半固体状物に濃縮した。この残留物をジクロロメタン(
3リットル)中に溶解し、ジクロロメタン中で充填したシリカゲルのカラム(1
0kg)に適用した。まずジクロロメタン(25リットル)で溶離し、次いで3
:1ジクロロメタン:アセトン(25リットル)で溶離し、最後に1:1ジクロ
ロメタン:アセトン(50リットル)で溶離した。基線分離は二糖物質から達成
されたが、非常にわずかの分離は微量のより速く動く物質から達成された。生成
物を含有する画分を蒸発させ、ジクロロ
メタン(1.5リットル)中に再溶解した。この溶液をエチルエーテル(7.5
リットル)とヘキサン(10リットル)との激しく撹拌する混合物にゆっくり添
加した。生ずる沈澱を濾過し、2:1エーテル:ヘキサンで洗浄し、一夜空気乾
燥し、次いで高真空中で48時間乾燥した。沈澱(0.61kg)はNMRによ
り標題化合物であることが示された。1H NMRは少量の残留溶媒(1〜5%
、w/w)を含有した。1H NMR(CDCL3)δ:4.67(d,1H、H−
1”)、4.49(d、1H、H−1’)、4.33(d、1H、H−1)。
エチル(メチル(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−4,7,8,9− テトラ−O−アセチル−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシ ロネート))−(2,3)−O−(3,4,6−トリ−O−アセチル−β−D− ガラクトピラノシル)−(1,4)−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ− 6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−(1,3)−O−(2,4, 6−トリ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(IX)の製造
乾燥テトラヒドロフラン(8リットル)中のブロックされた四糖(VIII)
(0.532kg、0.37mol)の溶液に、ポリメチルヒドロシロキサン(
PMSH、46ml、0.14mol)を添加した。次いでPd(PPH3)4(
14g、1.17mmol)を添加し、この混合物を真空下に脱気した。次いで
得られる反応混合物を室温において17時間撹拌し、このときTLC(10:1
0:3、酢酸エチル:ヘキサン:エタノール)は反応の完結を示した。反応混合
物に、酢酸(36ml、0.55mol)およびピペリジン(60ml、0.6
5mol)を添加した。TLC(95:5、ジクロロメタン:メタノール)が反
応の完結を示すまで、混合
物を室温において一夜撹拌した。溶媒を真空蒸発させると、残留物が得られ、こ
れをジクロロメタン(4リットル)中に溶解した。この溶液を順次に水(4リッ
トル)、2%水性塩酸(4リットル)、水性炭酸水素ナトリウム(4リットル)
、および最後に水(4リットル)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、濾過し、濾液を蒸発させると、シロップ状物が得られた。このシロップ状
物をメタノール(2リットル)中に溶解し、活性炭(200g)を添加し、生ず
る混合物を撹拌しながら55℃に2時間加熱した。冷却後、混合物を濾過し、濾
液を濃縮すると、残留物が得られた。この残留物をジクロロメタン(1リットル
)中に溶解し、ヘキサン:エーテルの混合物(1:1、12リットル)に滴下す
ると、0.46kgの標題化合物が白色固体状物として得られた。1H NMR
(CD3OD)δ:1.15(t、3H、J=7.0Hz、−OCH2CH3);
1.50(t、1H、J=12.3Hz、NANAのH−3a);1.80、1
.91、1.96、2.01、2.02、2.04、2.05、2.07、2.
08、2.09、2.10、2.16、2.26(13−Ac);2.55(d
d、1H、J=4.6、12.3Hz、NANAのH−3e);3.84(S、
3H、COOCH3)。
エチル(メチル(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−4,7,8,9− テトラ−O−アセチル−α−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシ ロネート))−(2,3)−O−(2,4,6−トリ−O−アセチル−β−D− ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−((2,3,4−トリ−O−ベンジル −α−L−フコピラノシル)−(1−3))−O−(2−アセトアミド−6−O −アセチル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−(1,3)−O−2 ,4,6−トリ−O−アセチル−β− D−ガラクトピラノシド(X)の製造
ジクロロメタン(250ml)とジメチルホルムアミド(60ml)との混合
物中のアルコール(IX)(0.118kg、0.090mol)の溶液に、臭
化テトラエチルアンモニウム(18.8g、0.090mol)を添加した。次
いでこの混合物をモレキュラーシーブ(4A、0.250kg)とともに窒素雰
囲気下に室温において6時間撹拌した。上記混合物に、ジクロロメタン(100
ml)中の新しく調製された臭化トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル
(0.180kg、0.360mol)を添加した。次いでTLC(10:10
:3、酢酸エチル:ヘキサン:エタノール)が反応の完結を示すまで、混合物を
窒素雰囲気下に室温において36時間撹拌した。反応混合物をメタノール(30
ml)とジイソプロピルエチルアミン(30ml)との混合物で処理し、室温に
おいて30分間撹拌した。この混合物を1リットルのジクロロメタンで希釈し、
セライトのベッドに通過させて濾過した。濾液を水性飽和重炭酸ナトリウム(1
.5リットル)および水(2リットル)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過し、濃縮すると、シロップ状物が得られた。このシロップ状物をシ
リカゲル上のクロマトグラフィー(3.5gのシリカゲル、230〜400メッ
シュ、酢酸エチル:ヘキサン:エタノール、5:5:1)にかけると、標題化合
物(0.110kg、73%)が非晶質固体状物として得られた。1H NMR(
CDCl3)δ:1.17(t、3H、J=7.2Hz、−OCH2CH3);1.1
8(d、3H、J=7.0Hz、FucのCH3);1.60、1.78、1.8
4、1.99、2.01、2.02、2.04、2.04、2.06、2.06
、2.07、2.15、2.19(13−Ac);2.55(dd、1H、J=
4.4、12.2Hz、NANAのH−3e);
3.82(S、3H、COOCH3)、7.4−7.6(15H、芳香族)。
エチル(ナトリウム(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−α−D−グリ セロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート))−(2,3)−O−(β −D−ガラクトピラノシル)−(1−4)−O−((α−L−フコピラノシル) −(1−3))−O−(2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラ ノシル)−(1,3)−O−β−D−ガラクトピラノシドの製造
酢酸(900ml)中の化合物Xの溶液に、木炭担持水酸化パラジウム(20
g、20%Pd)を添加した。反応混合物を水素で2回パージし、次いでシリカ
ゲル上のTLC(90:10、ジクロロメタン:メタノール)が反応の完結を示
すまで、混合物を水素雰囲気下に8時間撹拌した。反応器を数回窒素でパージし
、反応混合物をセライトのベッドに通過させて濾過して触媒を除去した。セライ
トを数回酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮すると、脱ベンジル化生成物が白色
ガラス状物質として得られた(約97g)。この白色ガラス状物質を一夜高真空
下に乾燥し、酢酸エチル(500ml)中に溶解した。1リットルのエーテルと
ヘキサンとの混合物(8:2)を添加すると、生成物のトリオール(79g、8
9%)が沈澱した。生成物のプロトンスペクトルは、芳香族プロトンの不存在を
示した。
メタノール(1リットル)中のトリオール(79g、50mmol)の溶液に
、ナトリウムメトキシドの溶液(70ml、25%w/v)を添加した。反応混
合物を室温において17時間撹拌した。水(100ml)を添加し、シリカゲル
上のTLC(7:2:1、イソプロパノール:NH4OH:H2O)が反応の完結
を示すまで、この混合物を室温においてさらに24時間撹拌した。反応混合物
に、メタノールでよく洗浄した150mlのAG−50H+イオン交換樹脂を添
加し、生ずる混合物を室温において30分間撹拌した。イオン交換樹脂を濾過に
より除去し、濾液を濃縮すると、白色ガラス状物質が得られた。この物質をメタ
ノール(300ml)中に溶解し、0.22μのナイロン膜を通して濾過した。
濾液をエチルエーテル(300ml)で希釈すると、遊離五糖(48g、84%
)が白色固体状物として得られた。1H NMR(D2O)δ:1.10(d、3
H、J=6.5Hz、FucのCH3);1.16(t、3H、J=7.0Hz、
−OCH2CH3);1.74(t、1H、J=12.2Hz、NANAのH−3
a);1.95、1.96(2−Ac);2.72(dd、1H、J=4.4、
12.2Hz、NANAのH−3e);4.32(d、1H、J=8.0Hz、
、β−芳香族);4.46(d、1H、J=7.4Hz、β−芳香族);4.6
5(d、1H、J=7.9Hz、β−芳香族);5.06(d、1H、J=4.
1Hz、フコースのα−芳香族)。
実施例8
あるいは、五糖を実施例1の化合物Vから出発して酵素的に製造することがで
きるが、ただしN−アリルオキシカルボニルの代わりにN−アセチルを使用する
。前述の方法を使用して、出発物質を酵素的ガラクトシル化し、シアリル化し、
そしてフコシル化する。
この明細書において述べたすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の
刊行物、特許および特許出願が特別にかつ個々に引用することによって本明細書
の一部とされることを示しているのと同一程度に、この明細書の中に引用するこ
とによって本明細書の一部とされる。
上記説明は例示であり、限定的ではない。本発明の多数の変化は当業者にとっ
てこの開示を概観したとき明らかとなるであろう。単
なる例として、多数の基質、酵素、および反応条件を、本発明の範囲から逸脱し
ないで、本発明の一部分としてグリコシルトランスフェラーゼサイクルの中に置
換することができる。したがって、本発明の範囲は上記説明を参照して決定され
ず、添付された請求の範囲をそれらと同等の態様とともに参照して決定されるべ
きである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ラトクリフ,マーレイ
アメリカ合衆国,カリフォルニア 92008,
カールスバッド,スタンフォード ストリ
ート 4362
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a)少なくとも1種のグリコシルトランスフェラーゼ、ドナー基質、ア クセプター基質および可溶性の2価の金属カチオンを含んでなる反応媒質を準備 し、そして (b)合成を実質的に完結するために十分な時間の間、前記反応媒質中で約1 mM〜約75mMの濃度を達成するように前記可溶性の2価の金属カチオンの濃 度を補充する、 ことを含んでなる単糖をドナー基質からアクセプター基質へ転移させる方法。 2.前記反応媒質がホスファターゼをさらに含んでなる、請求項1に記載の方 法。 3.前記可溶性の2価の金属カチオンがMn++、Mg++、Ca++、Co++、Z n++、Cu++およびそれらの組み合わせから成る群より選択されるメンバーであ る、請求項1に記載の方法。 4.前記補充が不連続的である、請求項1に記載の方法。 5.前記補充が連続的である、請求項1に記載の方法。 6.前記酵素がガラクトシルトランスフェラーゼである、請求項1に記載の方 法。 7.前記酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、そして前記反応媒質 がシアリルトランスフェラーゼをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。 8.前記酵素がフコシルトランスフェラーゼである、請求項1に記載の方法。 9.前記酵素がN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼである、請求 項1に記載の方法。 10.前記ドナー基質がCMP−NeuAcでありかつそれをそ の場で発生させ、前記2価の金属カチオンがMn++であり、前記アクセプター基 質がラクトースであり、前記酵素がシアリルトランスフェラーゼであり、そして 前記反応媒質がCMP−NeuAcシンターゼ、シアリル酸およびCTPをさら に含んでなる、請求項1に記載の方法。 11.前記ドナー基質がUDP−Galでありかつそれをその場で発生させ、 前記2価の金属カチオンがMn++であり、前記アクセプター基質がGlcNAc GalGlcであり、前記酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、そし て前記反応媒質がUDP−Gal−4−エピメラーゼ、UDP−Glcおよびホ スファターゼをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。 12.前記ドナー基質がUDP−GlcNAcであり、前記2価の金属カチオ ンがMn++であり、前記アクセプター基質がGalGlcであり、前記酵素がN −アセチルグルコサミントランスフェラーゼであり、そして前記反応媒質がホス ファターゼをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。 13.前記ドナー基質がドナー糖であり、そして前記反応媒質が、 (i)触媒量のドナー糖シンセターゼ、 (ii)ドナー糖前駆体、および (iii)ドナー糖再循環系、 をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。 14.前記反応媒質が、 (i)触媒量のCMP−シアル酸シンセターゼ、 (ii)シアル酸、および (iii)少なくとも2モルのリン酸ドナー/各モルのシアル酸、および触媒 量のヌクレオシド三リン酸、シチジン一リン酸、リン 酸を前記リン酸ドナーからヌクレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ、および 末端のリン酸をヌクレオシド三リン酸からCMPに転移できるヌクレオシド一リ ン酸キナーゼを含んでなるCMP−シアル酸再循環系、 をさらに含んでなり、そして前記アクセプター糖がガラクトシル単位を有する前 記シアリルトランスフェラーゼのアクセプターである、請求項13に記載の方法 。 15.前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3)シアリルトランスフェ ラーゼである、請求項14に記載の方法。 16.前記シアリルトランスフェラーゼがα(2,3)シアリルトランスフェ ラーゼであり、そして前記可溶性の2価の金属カチオンがMn++である、請求項 14に記載の方法。 17.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸である、請求項14に記 載の方法。 18.前記アクセプター糖がGalβ(1→4)GlcNAc−ORおよびG alβ(1→4)GlcN(Alloc)−ORから成る群より選択されるメン バーであり、ここでRは水素、サッカリド、オリゴ糖および少なくとも1つの炭 素原子を有するアグリコン基から成る群より選択される、請求項14に記載の方 法。 19.前記シアル酸が5−N−アセチルノイラミン酸である、請求項18に記 載の方法。 20.前記反応サイクルを約6〜約8のpH値を有する緩衝化水性媒質で行う 、請求項14に記載の方法。 21.前記ドナー基質がβ−ガラクトシル単位を含有し、前記ガラクトシルト ランスフェラーゼが触媒量で存在し、そして前記反応媒質が少なくとも1モルの グルコース−1−リン酸/各モルのアクセプター糖;触媒量のUDP、ピルベー トキナーゼ、UDP−グル コース−ピロホスホリラーゼおよびUDP−ガラクトース−4−エピメラーゼを 含んでなるドナー基質再循環系をさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。 22.前記アクセプター糖がGlcN(Alloc)(1→3)βGalOE tおよびGlcNAc(1→3)βGalOEtから成る群より選択される、請 求項21に記載の方法。 23.前記反応媒質が、 (i)少なくとも1モルのグルコース−1−リン酸/各モルのアクセプター基 質;触媒量のUDP、ピルベートキナーゼ、UDP−グルコース−ピロホスホリ ラーゼおよびUDP−ガラクトース−4−エピメラーゼを含んでなるドナー基質 再循環系、 (ii)触媒量のCMP−シアル酸シンセターゼ、 (iii)シアル酸、 (iv)少なくとも2モルのリン酸ドナー/各モルのシアル酸、および触媒量 のヌクレオシド三リン酸、シチジン一リン酸、リン酸を前記リン酸ドナーからヌ クレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ、および末端のリン酸をヌクレオシド 三リン酸からCMPに転移できるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含んでなるC MP−シアル酸再循環系、 をさらに含んでなる、請求項7に記載の方法。 24.前記フコシルトランスフェラーゼがα(1→3)フコシルトランスフェ ラーゼであり、そして前記ドナー基質がGDP−フコースである、請求項8に記 載の方法。 25.(a)UDP−ガラクトースの存在において化合物:Galβ(1→4 )GlcN(R’)β(1→3)Galβ−ORを形成するために十分な条件下 に、式GlcN(R’)β(1→3)Galβ−ORの化合物をガラクトシルト ランスフェラーゼでガラク トシル化し、 (b)シアル酸が非還元糖に転移される条件下にシアル酸のCMP誘導体の存 在においてα(2,3)シアリルトランスフェラーゼを使用して(a)において 形成された前記化合物をシアリルトランスフェラーゼでシアリル化して、化合物 :NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)GlcN(R’)β(1→3)G alβ−ORを形成し、そして (c)前記(b)において形成された前記化合物をフコシル化して、NeuA cα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα1→3)GlcN(R’)β(1 →3)Galβ−ORを形成し、 ここで前記ガラクトシル化およびシアリル化工程を可溶性の2価の金属カチオン を含んでなる反応媒質中で実施し、そして前記媒質に前記可溶性の2価の金属カ チオンを補充して約1mM〜約75mMの前記2価の金属カチオン濃度を維持す る、ことを含んでなる、NeuAcα(2→3)Galβ(1→4)(Fucα 1→3)GlcN(R’)β(1→3)Galβ−OR(式中、Rは水素、サッ カリド、オリゴ糖および少なくとも1つの炭素原子を有するアグリコン基から成 る群より選択され、そしてR’はアセチルおよびアリルオキシカルボニルである )を製造する方法。 26.R’がアリルオキシカルボニルであり、そして前記フコシル化工程を化 学的に実施する、請求項25に記載の方法。 27.前記フコシル化工程を酵素的に実施する、請求項25に記載の方法。 28.前記グリコシル化および前記シアリル化を単一の容器中で実施する、請 求項25に記載の方法。 29.工程(c)の前に、工程(b)の生成物を約100〜約10,000の 分子量のカットオフを有する膜を使用する膜濾過によ り精製する、請求項25に記載の方法。 30.前記分子量のカットオフが約200〜約1000である、請求項29に 記載の方法。 31.前記ガラクトシル化工程が少なくとも1モルのグルコース−1−リン酸 /各モルのGlcN(R’)β(1→3)Galβ−ORおよび触媒量のUDP 、ピルベートキナーゼ、UDP−グルコースピロホスホリラーゼおよびUDP− ガラクトース−4−エピメラーゼを含んでなるUDP−ガラクトース再循環系を 使用することからなる、請求項25に記載の方法。 32.前記シアリル化工程が少なくとも2モルのリン酸ドナー/各モルのシア ル酸、および触媒量のヌクレオシド三リン酸、シチジン一リン酸、リン酸を前記 リン酸ドナーからヌクレオシド二リン酸に転移できるキナーゼ、および末端のリ ン酸をヌクレオシド三リン酸からCMPに転移できるヌクレオシド一リン酸キナ ーゼを含んでなるCMP−シアル酸再循環系を使用することからなる、請求項2 5に記載の方法。 33.Rがエチルであり;前記ガラクトシル化工程が少なくとも1モルのグル コース−1−リン酸/各モルのGlcN(R’)β(1→3)Galβ−ORお よび触媒量のUDP、ピルベートキナーゼ、UDP−グルコースピロホスホリラ ーゼおよびUDP−ガラクトース−4−エピメラーゼを含んでなるUDP−ガラ クトース再循環系を使用することを含んでなり;前記シアリル化工程が少なくと も2モルのリン酸ドナー/各モルのシアル酸、および触媒量のヌクレオシド三リ ン酸、シチジン一リン酸、リン酸を前記リン酸ドナーからヌクレオシド二リン酸 に転移できるキナーゼ、および末端のリン酸をヌクレオシド三リン酸からCMP に転移できるヌクレオシド一リン酸キナーゼを含んでなるCMP−シアル酸再循 環系を使用す ることを含んでなり;前記フコシル化工程を化学的に実施し;そして工程(a) および(b)を単一の容器中で実施する、請求項25に記載の方法。 34.(a)CMP−NeuAcシンセターゼ、シアル酸、CTPおよび可溶 性の2価の金属カチオンを含んでなる反応媒質を準備し、そして (b)合成を実質的に完結するために十分な時間の間、前記反応媒質中で約1 mM〜約75mMの濃度を達成するように前記可溶性の2価の金属カチオンの濃 度を補充する、 ことからなる、CMP−NeuAcを合成する方法。 35.前記シアル酸を現場で発生させ、そして前記反応媒質がGlcNAc、 ピルビン酸およびシアル酸アルドラーゼをさらに含んでなる、請求項34に記載 の方法。
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