JP2002085087A - シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用 - Google Patents
シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用Info
- Publication number
- JP2002085087A JP2002085087A JP2001193361A JP2001193361A JP2002085087A JP 2002085087 A JP2002085087 A JP 2002085087A JP 2001193361 A JP2001193361 A JP 2001193361A JP 2001193361 A JP2001193361 A JP 2001193361A JP 2002085087 A JP2002085087 A JP 2002085087A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- kinase
- cytidine
- cmp
- polyphosphate
- triphosphate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】安価なシチジン5’−モノリン酸(CMP)か
ら簡便かつ効率的にシチジン5’−トリリン酸(CT
P)を合成する方法およびCTPを消費する酵素反応を
利用した化合物の製造法を提供する。 【解決手段】反応系にアデノシン5’−トリリン酸(A
TP)及びアデノシン5’−ジリン酸(ADP)を添加
することなく、シチジン5’−モノリン酸キナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してシチジン
5’−モノリン酸(CMP)からシチジン5’−トリリ
ン酸(CTP)を製造する方法に関する。
ら簡便かつ効率的にシチジン5’−トリリン酸(CT
P)を合成する方法およびCTPを消費する酵素反応を
利用した化合物の製造法を提供する。 【解決手段】反応系にアデノシン5’−トリリン酸(A
TP)及びアデノシン5’−ジリン酸(ADP)を添加
することなく、シチジン5’−モノリン酸キナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してシチジン
5’−モノリン酸(CMP)からシチジン5’−トリリ
ン酸(CTP)を製造する方法に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応系にアデノシ
ン5’−トリリン酸(ATP)及びアデノシン5’−ジ
リン酸(ADP)を添加することなく、シチジン5’−
モノリン酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリリン
酸を使用してシチジン5’−モノリン酸(CMP)から
シチジン5’−トリリン酸(CTP)を製造する方法及
びその応用に関するものである。
ン5’−トリリン酸(ATP)及びアデノシン5’−ジ
リン酸(ADP)を添加することなく、シチジン5’−
モノリン酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリリン
酸を使用してシチジン5’−モノリン酸(CMP)から
シチジン5’−トリリン酸(CTP)を製造する方法及
びその応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の遺伝子操作技術の進展により、さ
まざまな酵素を安価で大量に調製することが可能となっ
た。このことにより、従来、微生物菌体を用いた微生物
変換あるいは発酵生産により合成されてきた有用生理活
性物質が酵素反応により安価に製造することが可能とな
ってきている。生体内におけるヌクレオチド誘導体は種
々の生理活性を有しており、医薬品あるいはその原料と
して利用されている。また、ヌクレオチド誘導体の一種
である糖ヌクレオチドは、糖鎖の酵素合成のための基質
としてその需要が高まってきている。
まざまな酵素を安価で大量に調製することが可能となっ
た。このことにより、従来、微生物菌体を用いた微生物
変換あるいは発酵生産により合成されてきた有用生理活
性物質が酵素反応により安価に製造することが可能とな
ってきている。生体内におけるヌクレオチド誘導体は種
々の生理活性を有しており、医薬品あるいはその原料と
して利用されている。また、ヌクレオチド誘導体の一種
である糖ヌクレオチドは、糖鎖の酵素合成のための基質
としてその需要が高まってきている。
【0003】糖ヌクレオチドを含むヌクレオチド誘導体
を酵素を利用して合成しようとする場合、ほとんどのケ
ースにおいて、高エネルギー物質であるヌクレオシド
5’−トリリン酸(NTP)がその基質となる。NTP
は、現在安価なヌクレオシド5’−モノリン酸(NM
P)あるいは核酸塩基から化学的にあるいは微生物的に
合成されているが、化学的合成の場合、危険な薬物の使
用が必要であり、それに即した合成設備が必要となる。
さらに、目的物であるNTPの分離精製が容易でないと
いった問題も指摘されていた。また、微生物的合成の場
合、多大な微生物菌体培養設備が必要であり、さらに化
学的合成と同様に目的物の分離精製が容易でないという
問題がある。このため、従来の化学的あるいは微生物的
な方法では、糖ヌクレオチドを初めとするヌクレオチド
誘導体を安価に製造することは事実上不可能なことであ
った。
を酵素を利用して合成しようとする場合、ほとんどのケ
ースにおいて、高エネルギー物質であるヌクレオシド
5’−トリリン酸(NTP)がその基質となる。NTP
は、現在安価なヌクレオシド5’−モノリン酸(NM
P)あるいは核酸塩基から化学的にあるいは微生物的に
合成されているが、化学的合成の場合、危険な薬物の使
用が必要であり、それに即した合成設備が必要となる。
さらに、目的物であるNTPの分離精製が容易でないと
いった問題も指摘されていた。また、微生物的合成の場
合、多大な微生物菌体培養設備が必要であり、さらに化
学的合成と同様に目的物の分離精製が容易でないという
問題がある。このため、従来の化学的あるいは微生物的
な方法では、糖ヌクレオチドを初めとするヌクレオチド
誘導体を安価に製造することは事実上不可能なことであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、NMPを基質
として、酵素的にリン酸化してNTPを合成し、さらに
生成したNTPを基質として糖ヌクレオチドなどのヌク
レオチド誘導体が合成できれば、1ポットで、しかも比
較的安価に各種ヌクレオチド誘導体の合成が可能である
と期待される。酵素反応によりリン酸化を行う場合、多
くの場合、ATPがエネルギー供与体あるいはリン酸供
与体として必要である。そのため、ATPを酵素反応系
に添加したり、効率的なATPの再生系と組み合わせる
ことが不可欠である。
として、酵素的にリン酸化してNTPを合成し、さらに
生成したNTPを基質として糖ヌクレオチドなどのヌク
レオチド誘導体が合成できれば、1ポットで、しかも比
較的安価に各種ヌクレオチド誘導体の合成が可能である
と期待される。酵素反応によりリン酸化を行う場合、多
くの場合、ATPがエネルギー供与体あるいはリン酸供
与体として必要である。そのため、ATPを酵素反応系
に添加したり、効率的なATPの再生系と組み合わせる
ことが不可欠である。
【0005】しかしながら、ATPの安価な合成法は現
時点で確立されておらず、市販されているATPは極め
て高価である。また、ATPの再生系としては、ホスホ
クレアチンとホスホクレアチンキナーゼとの組み合わ
せ、あるいはホスホエノールピルビン酸とピルビン酸キ
ナーゼとの組み合わせなどが実験室レベルで使用される
が、基質、酵素とも極めて高価であるため実用的ではな
い。したがって、酵素触媒によりNMPからNTPを生
成させるには、高価なATPの利用もしくはATPの再
生系が必要であるため、高価なATPあるいはATP再
生系を使用しない、安価なNTPの合成法の開発が望ま
れていた。
時点で確立されておらず、市販されているATPは極め
て高価である。また、ATPの再生系としては、ホスホ
クレアチンとホスホクレアチンキナーゼとの組み合わ
せ、あるいはホスホエノールピルビン酸とピルビン酸キ
ナーゼとの組み合わせなどが実験室レベルで使用される
が、基質、酵素とも極めて高価であるため実用的ではな
い。したがって、酵素触媒によりNMPからNTPを生
成させるには、高価なATPの利用もしくはATPの再
生系が必要であるため、高価なATPあるいはATP再
生系を使用しない、安価なNTPの合成法の開発が望ま
れていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリリン
酸キナーゼを研究する過程で、(1)ポリリン酸をリン
酸ドナーとして、ポリリン酸キナーゼがADP以外のヌ
クレオシド5’―ジリン酸(NDP)をリン酸化してN
TPを生成させる活性を有すること、および(2)ポリ
リン酸をリン酸ドナーとして、ポリリン酸キナーゼとア
デニレートキナーゼとが協調してAMPからADP、続
けてATPに変換されることを見いだし、それぞれ特許
出願した(WO98/22614、WO98/4803
1)。
酸キナーゼを研究する過程で、(1)ポリリン酸をリン
酸ドナーとして、ポリリン酸キナーゼがADP以外のヌ
クレオシド5’―ジリン酸(NDP)をリン酸化してN
TPを生成させる活性を有すること、および(2)ポリ
リン酸をリン酸ドナーとして、ポリリン酸キナーゼとア
デニレートキナーゼとが協調してAMPからADP、続
けてATPに変換されることを見いだし、それぞれ特許
出願した(WO98/22614、WO98/4803
1)。
【0007】本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、
ポリリン酸をリン酸ドナーとして、シチジン5’−モノ
リン酸キナーゼ(CMPキナーゼ)もポリリン酸キナー
ゼと協調することでCMPをリン酸化してCDPを生産
し、続けてCTPに変換する活性を有することを見出し
た。
ポリリン酸をリン酸ドナーとして、シチジン5’−モノ
リン酸キナーゼ(CMPキナーゼ)もポリリン酸キナー
ゼと協調することでCMPをリン酸化してCDPを生産
し、続けてCTPに変換する活性を有することを見出し
た。
【0008】一般に、下記式に示すように、CMPキナ
ーゼを用いてCMPをCDPに変換しようとする場合に
はATPが必須であり、かつ、CMPキナーゼがリン酸
ドナーとしてポリリン酸を利用できないことは当業者の
常識となっていたことからすると、上記知見はまったく
予想外のことであった。
ーゼを用いてCMPをCDPに変換しようとする場合に
はATPが必須であり、かつ、CMPキナーゼがリン酸
ドナーとしてポリリン酸を利用できないことは当業者の
常識となっていたことからすると、上記知見はまったく
予想外のことであった。
【式1】CMP + ATP → CDP + ADP
【0009】したがって、本発明は、CTPの酵素的製
造法であって、反応系にATP及びADPを添加するこ
となく、CMPキナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリ
リン酸を使用してCMPからCTPを製造する方法に関
するものである。また、本発明は、CTPを消費する酵
素反応を利用した化合物の製造法において、反応系にA
TP及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、
ポリリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してCMPか
らCTPを生成させ、当該酵素反応に供給することを特
徴とする当該化合物の製造法に関するものである。
造法であって、反応系にATP及びADPを添加するこ
となく、CMPキナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリ
リン酸を使用してCMPからCTPを製造する方法に関
するものである。また、本発明は、CTPを消費する酵
素反応を利用した化合物の製造法において、反応系にA
TP及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、
ポリリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してCMPか
らCTPを生成させ、当該酵素反応に供給することを特
徴とする当該化合物の製造法に関するものである。
【0010】さらに、本発明は、CTPを消費する酵素
反応を利用した化合物の製造法において、反応系にAT
P及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用して、消費した
CTPを再生しながら当該酵素反応を行うことを特徴と
する当該化合物の製造法に関するものである。さらにま
た、本発明は、CMPキナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及
びポリリン酸を組み合わせてなる、反応系にATP及び
ADPを添加することなく、CMPからCTPを合成す
る系に関するものである。
反応を利用した化合物の製造法において、反応系にAT
P及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用して、消費した
CTPを再生しながら当該酵素反応を行うことを特徴と
する当該化合物の製造法に関するものである。さらにま
た、本発明は、CMPキナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及
びポリリン酸を組み合わせてなる、反応系にATP及び
ADPを添加することなく、CMPからCTPを合成す
る系に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリリン酸キナ
ーゼ及びCMPキナーゼは、いずれも公知の酵素であ
り、大腸菌由来のものに限定されず、動物由来、植物由
来、大腸菌以外の微生物由来などのものを使用すること
ができる。特に、酵素の調製の簡便さなどの点から微生
物由来のポリリン酸キナーゼおよびCMPキナーゼが使
用に好都合である。
ーゼ及びCMPキナーゼは、いずれも公知の酵素であ
り、大腸菌由来のものに限定されず、動物由来、植物由
来、大腸菌以外の微生物由来などのものを使用すること
ができる。特に、酵素の調製の簡便さなどの点から微生
物由来のポリリン酸キナーゼおよびCMPキナーゼが使
用に好都合である。
【0012】また、近年の遺伝子組換え技術を利用して
ポリリン酸キナーゼ遺伝子またはCMPキナーゼ遺伝子
をクローン化し、大腸菌などを宿主としてポリリン酸キ
ナーゼまたはCMPキナーゼを大量生産させ、当該組み
換え菌より上記二種類の酵素をそれぞれ調製することも
可能である(J. Biol. Chem., 267, 22556-22561 (199
2)、J. Biol.Chem., 271, 2856-2862 (1996))。
ポリリン酸キナーゼ遺伝子またはCMPキナーゼ遺伝子
をクローン化し、大腸菌などを宿主としてポリリン酸キ
ナーゼまたはCMPキナーゼを大量生産させ、当該組み
換え菌より上記二種類の酵素をそれぞれ調製することも
可能である(J. Biol. Chem., 267, 22556-22561 (199
2)、J. Biol.Chem., 271, 2856-2862 (1996))。
【0013】反応系に添加するポリリン酸キナーゼおよ
びCMPキナーゼは、当該活性を有する限りどのような
形態であってもかまわない。具体的には、微生物の菌
体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調
製物などを例示することができる。微生物の菌体の調製
は、当該微生物が生育可能な培地を用い、常法により培
養後、遠心分離等で集菌する方法で行うことができる。
具体的に、バシラス属または大腸菌類に属する細菌を例
に挙げ説明すれば、培地としてはブイヨン培地、LB培
地(1%トリプトン、0.5%イーストエキス、1%食
塩)または2×YT培地(1.6%トリプトン、1%イ
ーストエキス、0.5%食塩)などを使用することがで
き、当該培地に種菌を接種後、30〜50℃で10〜5
0時間程度必要により撹拌しながら培養し、得られた培
養液を遠心分離して微生物菌体を集菌することによりポ
リリン酸キナーゼ活性またはCMPキナーゼ活性を有す
る微生物菌体を調製することができる。
びCMPキナーゼは、当該活性を有する限りどのような
形態であってもかまわない。具体的には、微生物の菌
体、該菌体の処理物または該処理物から得られる酵素調
製物などを例示することができる。微生物の菌体の調製
は、当該微生物が生育可能な培地を用い、常法により培
養後、遠心分離等で集菌する方法で行うことができる。
具体的に、バシラス属または大腸菌類に属する細菌を例
に挙げ説明すれば、培地としてはブイヨン培地、LB培
地(1%トリプトン、0.5%イーストエキス、1%食
塩)または2×YT培地(1.6%トリプトン、1%イ
ーストエキス、0.5%食塩)などを使用することがで
き、当該培地に種菌を接種後、30〜50℃で10〜5
0時間程度必要により撹拌しながら培養し、得られた培
養液を遠心分離して微生物菌体を集菌することによりポ
リリン酸キナーゼ活性またはCMPキナーゼ活性を有す
る微生物菌体を調製することができる。
【0014】微生物の菌体処理物としては、上記微生物
菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプ
レス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、
自己消化、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処
理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理
(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法
に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細
胞壁もしくは細胞膜の変性物を例示することができる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物からポリリン酸キ
ナーゼ活性またはCMPキナーゼ活性を有する画分を通
常の酵素の精製手段(塩析処理、等電点沈澱処理、有機
溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマトグラフィー処理
など)を施して得られる粗酵素または精製酵素を例示す
ることができる。
菌体を機械的破壊(ワーリングブレンダー、フレンチプ
レス、ホモジナイザー、乳鉢などによる)、凍結融解、
自己消化、乾燥(凍結乾燥、風乾などによる)、酵素処
理(リゾチームなどによる)、超音波処理、化学処理
(酸、アルカリ処理などによる)などの一般的な処理法
に従って処理して得られる菌体の破壊物または菌体の細
胞壁もしくは細胞膜の変性物を例示することができる。
酵素調製物としては、上記菌体処理物からポリリン酸キ
ナーゼ活性またはCMPキナーゼ活性を有する画分を通
常の酵素の精製手段(塩析処理、等電点沈澱処理、有機
溶媒沈澱処理、透析処理、各種クロマトグラフィー処理
など)を施して得られる粗酵素または精製酵素を例示す
ることができる。
【0015】まず本発明は、ポリリン酸キナーゼ及びC
MPキナーゼを用い、反応系にATP及びADPを添加
することなく、ポリリン酸をリン酸ドナーとしてCMP
からCTPを製造する方法、およびCMPキナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を組み合わせてなる、
反応系にATP及びADPを添加することなく、CMP
からCTPを合成する系に関するものである。
MPキナーゼを用い、反応系にATP及びADPを添加
することなく、ポリリン酸をリン酸ドナーとしてCMP
からCTPを製造する方法、およびCMPキナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を組み合わせてなる、
反応系にATP及びADPを添加することなく、CMP
からCTPを合成する系に関するものである。
【0016】反応に添加するCMPはいずれも市販され
ており、このような市販品を使用することができる。使
用濃度としては、例えば1〜200mM、好ましくは1
0〜100mMの範囲から適宜設定することができる。
また、リン酸ドナーとしてのポリリン酸も市販のものが
使用できる。使用濃度としては、無機リン酸に換算して
1〜1000mM、好ましくは10〜200mMの範囲
から適宜設定することができる。また、重合度の高いポ
リリン酸を使用することにより、CTPの合成をより加
速することができ、そのようなポリリン酸としては、1
00以上、好ましくは500以上のリン酸が重合したポ
リリン酸を例示することができる。
ており、このような市販品を使用することができる。使
用濃度としては、例えば1〜200mM、好ましくは1
0〜100mMの範囲から適宜設定することができる。
また、リン酸ドナーとしてのポリリン酸も市販のものが
使用できる。使用濃度としては、無機リン酸に換算して
1〜1000mM、好ましくは10〜200mMの範囲
から適宜設定することができる。また、重合度の高いポ
リリン酸を使用することにより、CTPの合成をより加
速することができ、そのようなポリリン酸としては、1
00以上、好ましくは500以上のリン酸が重合したポ
リリン酸を例示することができる。
【0017】CTPの合成反応は、pH4〜10の範囲
の適当な緩衝液中にCMP及びポリリン酸を添加し、さ
らに0.001ユニット/ml以上、好ましくは0.0
01〜10ユニット/mlのポリリン酸キナーゼ、及び
0.01ユニット/ml以上、好ましくは0.01〜1
00ユニット/ml以上のCMPキナーゼを添加し、2
0℃以上、好ましくは30〜40℃で1〜50時間程、
必要により撹拌しながら反応させることにより実施でき
る。このようにして得られたCTPは、公知の方法(た
とえば、イオン交換クロマトグラフィーなど)にて単離
精製することができる。
の適当な緩衝液中にCMP及びポリリン酸を添加し、さ
らに0.001ユニット/ml以上、好ましくは0.0
01〜10ユニット/mlのポリリン酸キナーゼ、及び
0.01ユニット/ml以上、好ましくは0.01〜1
00ユニット/ml以上のCMPキナーゼを添加し、2
0℃以上、好ましくは30〜40℃で1〜50時間程、
必要により撹拌しながら反応させることにより実施でき
る。このようにして得られたCTPは、公知の方法(た
とえば、イオン交換クロマトグラフィーなど)にて単離
精製することができる。
【0018】また、本発明は、CTPを消費する酵素反
応を利用した化合物の製造法において、反応系にATP
及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、ポリ
リン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してCMPからC
TPを生成させる本発明のCTP合成系を適応し、当該
酵素反応にCTPを供給あるいは消費されたCTPを再
生させることを特徴とする当該化合物の製造法に関する
ものである。
応を利用した化合物の製造法において、反応系にATP
及びADPを添加することなく、CMPキナーゼ、ポリ
リン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してCMPからC
TPを生成させる本発明のCTP合成系を適応し、当該
酵素反応にCTPを供給あるいは消費されたCTPを再
生させることを特徴とする当該化合物の製造法に関する
ものである。
【0019】本発明のCTP合成系が適用可能なCTP
を消費する酵素反応系としては、CTPを消費する酵素
反応であれば特に限定されるものではなく、たとえば、
CMPシアル酸合成系(CTP生成系、N−アセチルノ
イラミン酸及びCMPシアル酸合成酵素の組み合わせ、
図1)、CDPコリン合成系(CTP生成系、ホスホコ
リン及びコリンホスフェートシチジルトランスフェラー
ゼの組み合わせ、図2)などを例示することができる。
このようなCTP合成系と酵素反応とのカップリング条
件は、小規模試験にて適宜決定すればよく、また目的化
合物の単離精製も公知の方法により行うことができる。
を消費する酵素反応系としては、CTPを消費する酵素
反応であれば特に限定されるものではなく、たとえば、
CMPシアル酸合成系(CTP生成系、N−アセチルノ
イラミン酸及びCMPシアル酸合成酵素の組み合わせ、
図1)、CDPコリン合成系(CTP生成系、ホスホコ
リン及びコリンホスフェートシチジルトランスフェラー
ゼの組み合わせ、図2)などを例示することができる。
このようなCTP合成系と酵素反応とのカップリング条
件は、小規模試験にて適宜決定すればよく、また目的化
合物の単離精製も公知の方法により行うことができる。
【0020】
【発明の効果】本発明により、安価なCMPから簡便か
つ効率的にCTPを合成することが可能となった。従っ
て、このCTP合成系をCTPを消費する酵素反応系と
組み合わせて用いることにより、効率的に目的とする化
合物を合成することが可能となった。
つ効率的にCTPを合成することが可能となった。従っ
て、このCTP合成系をCTPを消費する酵素反応系と
組み合わせて用いることにより、効率的に目的とする化
合物を合成することが可能となった。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれに限定されないことは明らかであ
る。また、実施例におけるDNAの調製、制限酵素によ
る切断、T4DNAリガーゼによるDNA連結、並びに
大腸菌の形質転換法は全て「Molecular cloning」(Man
iatisら編、Cold Spring Harbor Laboratory, ColdSpri
ng Harbor, New York (1982))に従って行った。また、
制限酵素、AmpliTaqDNAポリメラーゼ、T4
DNAリガーゼは宝酒造(株)より入手した。さらに、
反応液中のヌクレオチド類の定量にはHPLC法により
行った。具体的には、分離にはYMC社製のODS−A
Q312カラムを用い、溶出液として0.5Mリン酸一
カリウム溶液を用いた。
するが、本発明がこれに限定されないことは明らかであ
る。また、実施例におけるDNAの調製、制限酵素によ
る切断、T4DNAリガーゼによるDNA連結、並びに
大腸菌の形質転換法は全て「Molecular cloning」(Man
iatisら編、Cold Spring Harbor Laboratory, ColdSpri
ng Harbor, New York (1982))に従って行った。また、
制限酵素、AmpliTaqDNAポリメラーゼ、T4
DNAリガーゼは宝酒造(株)より入手した。さらに、
反応液中のヌクレオチド類の定量にはHPLC法により
行った。具体的には、分離にはYMC社製のODS−A
Q312カラムを用い、溶出液として0.5Mリン酸一
カリウム溶液を用いた。
【0022】実施例1 (1)大腸菌ポリリン酸キナーゼの調製 大腸菌K12株JM109菌(宝酒造より入手)の染色
体DNAを斉藤と三浦の方法(Biochim. Biophys. Act
a., 72, 619 (1963))で調製した。このDNAをテン
ペレートとして、以下に示す2種類のプライマーDNA
を常法に従って合成し、PCR法により大腸菌ポリリン
酸キナーゼ(ppk)遺伝子を増幅した。
体DNAを斉藤と三浦の方法(Biochim. Biophys. Act
a., 72, 619 (1963))で調製した。このDNAをテン
ペレートとして、以下に示す2種類のプライマーDNA
を常法に従って合成し、PCR法により大腸菌ポリリン
酸キナーゼ(ppk)遺伝子を増幅した。
【0023】プライマー(A):5'-TACCATGGGTCAGGAAA
AGCTATA-3' プライマー(B):5'-ATGGATCCTTATTCAGGTTGTTCGAGTGA
-3'
AGCTATA-3' プライマー(B):5'-ATGGATCCTTATTCAGGTTGTTCGAGTGA
-3'
【0024】PCRによるppk遺伝子の増幅は、反応
液100ml中(50mM 塩化カリウム、10mM
トリス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシ
ウム、0.001%ゼラチン、テンペレートDNA
0.1μg、プライマーDNA(A)(B)各々0.2
μM、AmpliTaqDNAポリメラーゼ 2.5ユ
ニット)をPerkin−Elmer Cetus I
nstrument社製DNA Thermal Cy
clerを用いて、熱変性(94℃、1分)、アニーリ
ング(55℃、1.5分)、ポリメライゼーション(7
2℃、1.5分)のステップを25回繰り返すことによ
り行った。
液100ml中(50mM 塩化カリウム、10mM
トリス塩酸(pH8.3)、1.5mM 塩化マグネシ
ウム、0.001%ゼラチン、テンペレートDNA
0.1μg、プライマーDNA(A)(B)各々0.2
μM、AmpliTaqDNAポリメラーゼ 2.5ユ
ニット)をPerkin−Elmer Cetus I
nstrument社製DNA Thermal Cy
clerを用いて、熱変性(94℃、1分)、アニーリ
ング(55℃、1.5分)、ポリメライゼーション(7
2℃、1.5分)のステップを25回繰り返すことによ
り行った。
【0025】遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロ
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加してDNAを沈殿させた。沈殿回
収したDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方
法に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.
0kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵
素NcoI及びBamHIで切断し、同じく制限酵素N
coI及びBamHIで消化したプラスミドpTrc9
9A(Pharmacia Biotech 社より入手)とT4DNAリ
ガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌J
M109菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形
質転換体よりプラスミドpTrc−PPKを単離した。
pTrc−PPKは、pTrc99Aのtrcプロモー
ター下流のNcoI−BamHI切断部位に大腸菌pp
k遺伝子を含有するNcoI−BamHI DNA断片
が挿入されたものである。
ロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍
容のエタノールを添加してDNAを沈殿させた。沈殿回
収したDNAを文献(Molecular Cloning、前述)の方
法に従ってアガロースゲル電気泳動により分離し、1.
0kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵
素NcoI及びBamHIで切断し、同じく制限酵素N
coI及びBamHIで消化したプラスミドpTrc9
9A(Pharmacia Biotech 社より入手)とT4DNAリ
ガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌J
M109菌を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形
質転換体よりプラスミドpTrc−PPKを単離した。
pTrc−PPKは、pTrc99Aのtrcプロモー
ター下流のNcoI−BamHI切断部位に大腸菌pp
k遺伝子を含有するNcoI−BamHI DNA断片
が挿入されたものである。
【0026】プラスミドpTrc−PPKを保持する大
腸菌JM109菌を、100μg/mlのアンピシリン
を含有する2xYT培地300mlに植菌し、37℃で
振とう培養した。4x108菌/mlに達した時点で、
培養液に終濃度1mMになるようにIPTGを添加し、
さらに30℃で5時間振とう培養を続けた。培養終了
後、遠心分離(9,000xg,10分)により菌体を
回収し、30mlの緩衝液(5mM EDTA含有50
mM トリス塩酸(pH7.5))に懸濁した後、超音
波処理を行い、菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,
000xg、10分)により菌体残さを除去した。
腸菌JM109菌を、100μg/mlのアンピシリン
を含有する2xYT培地300mlに植菌し、37℃で
振とう培養した。4x108菌/mlに達した時点で、
培養液に終濃度1mMになるようにIPTGを添加し、
さらに30℃で5時間振とう培養を続けた。培養終了
後、遠心分離(9,000xg,10分)により菌体を
回収し、30mlの緩衝液(5mM EDTA含有50
mM トリス塩酸(pH7.5))に懸濁した後、超音
波処理を行い、菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,
000xg、10分)により菌体残さを除去した。
【0027】このように得られた上清画分を5mM 塩
化マグネシウム及び1mM 2−メルカプトエタノール
を含有する50mMトリス塩酸(pH7.8)に対して
透析を行い、粗酵素液とした。粗酵素液を硫安塩析及び
イオン交換クロマトグラフィー処理を行い、ポリリン酸
キナーゼを精製し、酵素標品とした。酵素標品における
ポリリン酸キナーゼの比活性は、0.6ユニット/mg
蛋白質であった。
化マグネシウム及び1mM 2−メルカプトエタノール
を含有する50mMトリス塩酸(pH7.8)に対して
透析を行い、粗酵素液とした。粗酵素液を硫安塩析及び
イオン交換クロマトグラフィー処理を行い、ポリリン酸
キナーゼを精製し、酵素標品とした。酵素標品における
ポリリン酸キナーゼの比活性は、0.6ユニット/mg
蛋白質であった。
【0028】なお、ポリリン酸キナーゼ活性の単位(ユ
ニット)は、以下に示す方法で測定、算出した。すなわ
ち、5mM 塩化マグネシウム、100mM 硫安、5m
MADP、及びポリリン酸(無機リン酸として100
mM)を含有する25 mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.8)に酵素標品を添加して、37℃で保温すること
で反応を行い、100℃、1分間の熱処理により反応を
停止させる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
を用いて反応液中のATPを定量し、37℃で1分間に
1μmoleのATPを生成する活性を1単位(ユニッ
ト)とする。
ニット)は、以下に示す方法で測定、算出した。すなわ
ち、5mM 塩化マグネシウム、100mM 硫安、5m
MADP、及びポリリン酸(無機リン酸として100
mM)を含有する25 mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.8)に酵素標品を添加して、37℃で保温すること
で反応を行い、100℃、1分間の熱処理により反応を
停止させる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
を用いて反応液中のATPを定量し、37℃で1分間に
1μmoleのATPを生成する活性を1単位(ユニッ
ト)とする。
【0029】(2)大腸菌CMPキナーゼの調製 用いたプライマー及びクローニングに用いた制限酵素が
異なる以外は、大腸菌ポリリン酸キナーゼと同様の方法
で大腸菌よりCMPキナーゼ遺伝子をPCRにより増幅
し、pTrc99AのNcoI−BamHI切断部位に
クローニングした。なお、用いたプライマーと作製され
たプラスミド名は以下の通りである。 プライマー(C):5'- TACCATGGAGATAAAGATGACGGCAATT
-3' プライマー(D):5'- ATGGATCCTGCAAATTCGGTCGCTTATG
C -3'プラスミド:pTrc―CMK
異なる以外は、大腸菌ポリリン酸キナーゼと同様の方法
で大腸菌よりCMPキナーゼ遺伝子をPCRにより増幅
し、pTrc99AのNcoI−BamHI切断部位に
クローニングした。なお、用いたプライマーと作製され
たプラスミド名は以下の通りである。 プライマー(C):5'- TACCATGGAGATAAAGATGACGGCAATT
-3' プライマー(D):5'- ATGGATCCTGCAAATTCGGTCGCTTATG
C -3'プラスミド:pTrc―CMK
【0030】CMPキナーゼは、ポリリン酸キナーゼの
調製と同様の方法で、生産と精製を行った。調製された
CMPキナーゼの酵素活性は37ユニット/mg蛋白質
であった。なお、CMPキナーゼ活性の単位(ユニッ
ト)は次の方法で測定、算出した。すなわち、50mM
ヘペス(Hepes)緩衝液(pH8.0)、50mM
硫酸アンモニウム、10mM 塩化マグネシウム、5m
M CMP、10mM ATPの条件下で30℃で保温
することにより反応を行い、1分間煮沸することにより
酵素を失活させる。HPLCにより反応液中のCDPを
定量し、30℃で1分間に1μmoleのCDPを生成
する活性を1単位(ユニット)とする。
調製と同様の方法で、生産と精製を行った。調製された
CMPキナーゼの酵素活性は37ユニット/mg蛋白質
であった。なお、CMPキナーゼ活性の単位(ユニッ
ト)は次の方法で測定、算出した。すなわち、50mM
ヘペス(Hepes)緩衝液(pH8.0)、50mM
硫酸アンモニウム、10mM 塩化マグネシウム、5m
M CMP、10mM ATPの条件下で30℃で保温
することにより反応を行い、1分間煮沸することにより
酵素を失活させる。HPLCにより反応液中のCDPを
定量し、30℃で1分間に1μmoleのCDPを生成
する活性を1単位(ユニット)とする。
【0031】(3)ポリリン酸キナーゼとCMPキナー
ゼによるCMPからのCDP及びCTPの合成 ポリリン酸キナーゼ 0.04units/ml、CM
Pキナーゼ 0.3units/ml、50mM トリス
塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモニウ
ム、10mM 塩化マグネシウム、5mM CMP、ポリ
リン酸(無機リン酸として75mM)の組成からなる反
応液を37℃で12時間インキュベートした。その結
果、CDP及びCTPが4.1mM生成した。
ゼによるCMPからのCDP及びCTPの合成 ポリリン酸キナーゼ 0.04units/ml、CM
Pキナーゼ 0.3units/ml、50mM トリス
塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモニウ
ム、10mM 塩化マグネシウム、5mM CMP、ポリ
リン酸(無機リン酸として75mM)の組成からなる反
応液を37℃で12時間インキュベートした。その結
果、CDP及びCTPが4.1mM生成した。
【0032】実施例2 (1)ポリリン酸キナーゼとCMPキナーゼによるCM
PからのCTPの合成 ポリリン酸キナーゼ 0.08units/ml、CM
Pキナーゼ 10units/ml、100mMトリス
塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモニウ
ム、20mM 塩化マグネシウム、5mM CMP、ポ
リリン酸(無機リン酸として75mM)の組成からなる
反応液を37℃で16時間インキュベートした。経時的
に反応液の分析を行った結果を図3に示す。該反応によ
り、2.5mMのCTPが生成し、対CMPモル収率は
50%であった。
PからのCTPの合成 ポリリン酸キナーゼ 0.08units/ml、CM
Pキナーゼ 10units/ml、100mMトリス
塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモニウ
ム、20mM 塩化マグネシウム、5mM CMP、ポ
リリン酸(無機リン酸として75mM)の組成からなる
反応液を37℃で16時間インキュベートした。経時的
に反応液の分析を行った結果を図3に示す。該反応によ
り、2.5mMのCTPが生成し、対CMPモル収率は
50%であった。
【0033】実施例3 (1)CMPシアル酸合成酵素の調製 先のポリリン酸キナーゼ遺伝子と同様の方法でCMPシ
アル酸合成酵素遺伝子をクローニングし、pTrc−s
iaBを得た。ただし、染色体DNAは、 Haemophilus
influenzae (ATCC9795)を用い、PCR用のプライマ
ーは下記の(E)(F)を用い、pTrc99Aへのク
ローニングには NcoIとPstIを用いた。 プライマー(E):5'-TGCCATGGTGAAAATAATAATGACAAGAA
-3' プライマー(F):5'-AACTGCAGGTGCAGATCAAAAGTGCGGCC
-3'
アル酸合成酵素遺伝子をクローニングし、pTrc−s
iaBを得た。ただし、染色体DNAは、 Haemophilus
influenzae (ATCC9795)を用い、PCR用のプライマ
ーは下記の(E)(F)を用い、pTrc99Aへのク
ローニングには NcoIとPstIを用いた。 プライマー(E):5'-TGCCATGGTGAAAATAATAATGACAAGAA
-3' プライマー(F):5'-AACTGCAGGTGCAGATCAAAAGTGCGGCC
-3'
【0034】CMPシアル酸合成酵素は、ポリリン酸キ
ナーゼと同様の方法で生産させ、粗酵素液を調製した。
得られた粗酵素液は、硫安塩析及びイオン交換クロマト
グラフィー及びゲル濾過処理を行い、CMPシアル酸合
成酵素を精製し、酵素標品とした。酵素標品におけるC
MPシアル酸合成酵素の比活性は、6.5 ユニット/
mg蛋白質であった。
ナーゼと同様の方法で生産させ、粗酵素液を調製した。
得られた粗酵素液は、硫安塩析及びイオン交換クロマト
グラフィー及びゲル濾過処理を行い、CMPシアル酸合
成酵素を精製し、酵素標品とした。酵素標品におけるC
MPシアル酸合成酵素の比活性は、6.5 ユニット/
mg蛋白質であった。
【0035】なお、CMPシアル酸合成酵素活性の測定
と単位の算出は次の方法で行った。すなわち、5mM
CTP、5mM N−アセチルノイラミン酸、20mM
塩化マグネシウムを含有する100mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)に酵素標品を添加し、37℃で保温
することで反応を行い、等量の70%エタノールを添加
して反応を停止させる。高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)を用いて反応液中のCMPシアル酸を定量
し、37℃で1分間に1μmoleのCMPシアル酸を
生成する活性を1単位(ユニット)とする。
と単位の算出は次の方法で行った。すなわち、5mM
CTP、5mM N−アセチルノイラミン酸、20mM
塩化マグネシウムを含有する100mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)に酵素標品を添加し、37℃で保温
することで反応を行い、等量の70%エタノールを添加
して反応を停止させる。高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)を用いて反応液中のCMPシアル酸を定量
し、37℃で1分間に1μmoleのCMPシアル酸を
生成する活性を1単位(ユニット)とする。
【0036】(2)CMPからのCMPシアル酸の酵素
合成 ポリリン酸キナーゼ 0.08units/ml、CM
Pキナーゼ 10units/ml、CMPシアル酸合
成酵素 0.2units/ml、ピロホスファター
ゼ(シグマ社)1.0unit/ml、100mM ト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモ
ニウム、20mM 塩化マグネシウム、15mM CM
P、15mM N―アセチルノイラミン酸、ポリリン酸
(無機リン酸として150mM)の組成からなる反応液
を37℃で22時間インキュベートした。経時的に反応
液の分析を行った結果を図4に示す。該反応により、
9.5mMのCMPシアル酸が生成し、対CMPモル収
率は63%であった。
合成 ポリリン酸キナーゼ 0.08units/ml、CM
Pキナーゼ 10units/ml、CMPシアル酸合
成酵素 0.2units/ml、ピロホスファター
ゼ(シグマ社)1.0unit/ml、100mM ト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)、50mM 硫酸アンモ
ニウム、20mM 塩化マグネシウム、15mM CM
P、15mM N―アセチルノイラミン酸、ポリリン酸
(無機リン酸として150mM)の組成からなる反応液
を37℃で22時間インキュベートした。経時的に反応
液の分析を行った結果を図4に示す。該反応により、
9.5mMのCMPシアル酸が生成し、対CMPモル収
率は63%であった。
【0037】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> YAMASA CORPORATION <120> Process for producing cytidine 5'-triphosphate and application of the same <130> YP2001-009 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of ppk gene <400> 1 taccatgggt caggaaaagc tata 24 <210> 2 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of ppk gene <400> 2 atggatcctt attcaggttg ttcgagtga 29 <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of cmk gene <400> 3 taccatggag ataaagatga cggcaatt 28 <210> 4 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of cmk gene <400> 4 atggatcctg caaattcggt cgcttatgc 29 <210> 5 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of siaB gene <400> 5 tgccatggtg aaaataataa tgacaagaa 29 <210> 6 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer for amplification of siaB gene <400> 6 aactgcaggt gcagatcaaa agtgcggcc 29
【0038】
【図1】図1は、本発明におけるCMPシアル酸(CM
P−NeuAc)合成系(CTP生成系、N−アセチル
ノイラミン酸及びCMPシアル酸合成酵素の組み合わ
せ)の反応スキームを示したものである。
P−NeuAc)合成系(CTP生成系、N−アセチル
ノイラミン酸及びCMPシアル酸合成酵素の組み合わ
せ)の反応スキームを示したものである。
【図2】図2は、本発明におけるCDPコリン(CDP
−Choline)合成系(CTP生成系、ホスホコリ
ン及びコリンホスフェートシチジルトランスフェラーゼ
の組み合わせ)の反応スキームを示したものである。
−Choline)合成系(CTP生成系、ホスホコリ
ン及びコリンホスフェートシチジルトランスフェラーゼ
の組み合わせ)の反応スキームを示したものである。
【図3】図3は、CMPからのCDP及びCTP合成に
おける化合物の経時的変化を示したものである。
おける化合物の経時的変化を示したものである。
【図4】図4は、CMPからのCMPシアル酸合成にお
ける化合物の経時的変化を示したものである。
ける化合物の経時的変化を示したものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 シチジン5’−トリリン酸の酵素的製造
法であって、反応系にアデノシン5’−トリリン酸及び
アデノシン5’−ジリン酸を添加することなく、シチジ
ン5’−モノリン酸キナーゼ、ポリリン酸キナーゼ及び
ポリリン酸を使用してシチジン5’−モノリン酸からシ
チジン5’−トリリン酸を製造する方法。 - 【請求項2】 シチジン5’−トリリン酸を消費する酵
素反応を利用した化合物の製造法において、反応系にア
デノシン5’−トリリン酸及びアデノシン5’−ジリン
酸を添加することなく、シチジン5’−モノリン酸キナ
ーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用してシ
チジン5’−モノリン酸からシチジン5’−トリリン酸
を生成させ、当該酵素反応に供給することを特徴とする
当該化合物の製造法。 - 【請求項3】 シチジン5’−トリリン酸を消費する酵
素反応を利用した化合物の製造法において、反応系にア
デノシン5’−トリリン酸及びアデノシン5’−ジリン
酸を添加することなく、シチジン5’−モノリン酸キナ
ーゼ、ポリリン酸キナーゼ及びポリリン酸を使用して消
費したシチジン5’−トリリン酸を再生しながら当該酵
素反応を行うことを特徴とする当該化合物の製造法。 - 【請求項4】 シチジン5’−モノリン酸キナーゼ、ポ
リリン酸キナーゼ及びポリリン酸を組み合わせてなる、
反応系にアデノシン5’−トリリン酸及びアデノシン
5’−ジリン酸を添加することなく、シチジン5’−モ
ノリン酸からシチジン5’−トリリン酸を合成する系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001193361A JP2002085087A (ja) | 2000-07-12 | 2001-06-26 | シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000210635 | 2000-07-12 | ||
JP2000-210635 | 2000-07-12 | ||
JP2001193361A JP2002085087A (ja) | 2000-07-12 | 2001-06-26 | シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002085087A true JP2002085087A (ja) | 2002-03-26 |
Family
ID=26595847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001193361A Pending JP2002085087A (ja) | 2000-07-12 | 2001-06-26 | シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002085087A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3892731A1 (en) * | 2020-04-08 | 2021-10-13 | Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. | Enzymatic method for preparation of cmp-neu5ac |
CN115895993A (zh) * | 2022-12-29 | 2023-04-04 | 江苏香地化学有限公司 | 一种促进胞嘧啶核苷三磷酸合成的方法 |
JP7574316B2 (ja) | 2020-04-08 | 2024-10-28 | マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー | CMP-Neu5ACの調製のための酵素的方法 |
-
2001
- 2001-06-26 JP JP2001193361A patent/JP2002085087A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3892731A1 (en) * | 2020-04-08 | 2021-10-13 | Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. | Enzymatic method for preparation of cmp-neu5ac |
WO2021204898A1 (en) * | 2020-04-08 | 2021-10-14 | MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. | Enzymatic method for preparation of cmp-neu5ac |
JP7574316B2 (ja) | 2020-04-08 | 2024-10-28 | マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー | CMP-Neu5ACの調製のための酵素的方法 |
CN115895993A (zh) * | 2022-12-29 | 2023-04-04 | 江苏香地化学有限公司 | 一种促进胞嘧啶核苷三磷酸合成的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4505011B2 (ja) | 3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホ硫酸の酵素合成法 | |
JP5819315B2 (ja) | ヌクレオシド合成のための耐熱性生物触媒組合せ | |
JP2009050264A (ja) | 新規なポリリン酸:ampリン酸転移酵素 | |
Teng et al. | Cell-free regeneration of ATP based on polyphosphate kinase 2 facilitates cytidine 5'-monophosphate production | |
TWI719140B (zh) | 新型多磷酸鹽依存性葡萄糖激酶與使用其製備葡萄糖-6-磷酸的方法 | |
JP3764755B2 (ja) | 「アデノシン5’−三リン酸の製造法及びその応用」 | |
US6040158A (en) | Process for preparing sugar nucleotide | |
JPWO2004009830A1 (ja) | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 | |
JP2002085087A (ja) | シチジン5’−トリリン酸の製造法及びその応用 | |
JP5140242B2 (ja) | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 | |
JP3833584B2 (ja) | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 | |
JP3545425B2 (ja) | ウリジン二リン酸―n―アセチルグルコサミンの製造法 | |
EP1233072B1 (en) | Novel use of uridine diphosphate glucose 4-epimerase | |
JP4173815B2 (ja) | 2’−デオキシグアノシンの製造法 | |
JP4010996B2 (ja) | デオキシヌクレオシド5’−モノリン酸の製造法 | |
JP2001169797A (ja) | S―アデノシル−l−メチオニンの酵素的製造法 | |
JP2000041695A (ja) | S―アデノシル−l−メチオニンの酵素的製造法 | |
WO1999049073A1 (fr) | Procede de production de cytidine 5'-diphosphate choline | |
JP2000217593A (ja) | シチジン5’−トリリン酸の酵素的製造法およびその応用 | |
Bochkov et al. | Hydrolytic approach for production of deoxyribonucleoside-and ribonucleoside-5′-monophosphates and enzymatic synthesis of their polyphosphates | |
JPH05219978A (ja) | 核酸関連物質の酵素的製造法及びそれに使用する酵素調製物 | |
WO2023138545A1 (zh) | 一种由GDP-Mannose合成稀有糖类核苷酸的方法 | |
WO1999024600A1 (fr) | Procede servant a preparer un nucleotide de sucre | |
JPH10286097A (ja) | プリンアラビノシドの酵素的製造法 |