JP2003093091A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2003093091A5 JP2003093091A5 JP2002208987A JP2002208987A JP2003093091A5 JP 2003093091 A5 JP2003093091 A5 JP 2003093091A5 JP 2002208987 A JP2002208987 A JP 2002208987A JP 2002208987 A JP2002208987 A JP 2002208987A JP 2003093091 A5 JP2003093091 A5 JP 2003093091A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cmp
- neuac
- synthetase
- glcnac
- epimerase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Description
【0012】
すなわち、本発明は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ピルビン酸およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)、およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法に関するものである。
すなわち、本発明は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ピルビン酸およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)、およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法に関するものである。
【0014】
また、本発明は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(NeuAcシンセターゼ)およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法に関するものである。
また、本発明は、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(NeuAcシンセターゼ)およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法に関するものである。
【0015】
本発明のCMP−NeuAcの合成反応経路を模式的に示すと、以下の(A)NeuAcリアーゼを用いた方法と(B)NeuAcシンセターゼを用いた方法である。なお、(B)の反応系に必須のホスホエノールピルビン酸(PEP)は、培地中のグルコースから酵母並びに大腸菌の生体(代謝)反応により合成、供給されるので、反応系にホスホエノールピルビン酸(PEP)を添加する必要はない。
本発明のCMP−NeuAcの合成反応経路を模式的に示すと、以下の(A)NeuAcリアーゼを用いた方法と(B)NeuAcシンセターゼを用いた方法である。なお、(B)の反応系に必須のホスホエノールピルビン酸(PEP)は、培地中のグルコースから酵母並びに大腸菌の生体(代謝)反応により合成、供給されるので、反応系にホスホエノールピルビン酸(PEP)を添加する必要はない。
【0019】
(1)酵素等の調製
上記(A)及び(B)の反応系に添加するN−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)とは、上記丸1のGlcNAc 6−リン酸からManNAc 6−リン酸への変換反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(A)の反応系に添加するN−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)とは、上記丸2のManNAcとピルビン酸を基質としてNeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(B)の反応系に添加するN−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(NeuAcシンセターゼ)とは、上記丸4のMaNAcとホスホエノールピルビン酸(PEP)を基質としてNeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(A)及び(B)の反応系に添加するCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)とは、上記丸3のNeuAcとCTPを基質としてCMP−NeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味する。
(1)酵素等の調製
上記(A)及び(B)の反応系に添加するN−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)とは、上記丸1のGlcNAc 6−リン酸からManNAc 6−リン酸への変換反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(A)の反応系に添加するN−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)とは、上記丸2のManNAcとピルビン酸を基質としてNeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(B)の反応系に添加するN−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(NeuAcシンセターゼ)とは、上記丸4のMaNAcとホスホエノールピルビン酸(PEP)を基質としてNeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味し、上記(A)及び(B)の反応系に添加するCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)とは、上記丸3のNeuAcとCTPを基質としてCMP−NeuAcを合成する反応を触媒する活性を有するものを意味する。
【0020】
これらの酵素活性を有するものとしては、当該活性を有する細胞(形質転換体を含む)またはその処理物を例示でき、調製の簡便性などの点から、微生物由来のものを使用するのが好都合である。微生物由来のGlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ、N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ及びCMP−NeuAcシンセターゼは公知の酵素であり、常法により調製することができる。
これらの酵素活性を有するものとしては、当該活性を有する細胞(形質転換体を含む)またはその処理物を例示でき、調製の簡便性などの点から、微生物由来のものを使用するのが好都合である。微生物由来のGlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ、N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ及びCMP−NeuAcシンセターゼは公知の酵素であり、常法により調製することができる。
【0021】
また、当該酵素活性を増強させるための手段として、該酵素遺伝子群(J.Bacteriol.,181,47-54,1999、J.Bacteriol.,181,4526-4532,1999、Nucleic Acids.Res.,13,8843-8852,1985、Agric.Biol.Chem.,50,2155-2158,1986、FEMS Microbiol.Lett.,75,161-166,1992、J.Biol.Chem.,271,15373-15380,1996、J.Biol.Chem.,264,14769-14774,1989、J.Bacteriol.,177,312-319,1995、Mol.Microbiol.,35,1120-1134,2000)をクローン化し、菌体内でこれを大量発現させた微生物種を用いる、いわゆる組換えDNA手法を用いるのが好適である。その際に、2つ以上の遺伝子を共発現させて得られる菌体またはその処理物を用いることもでき、特に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼとN−アセチルノイラミン酸リアーゼのそれぞれの酵素活性を増強させた形質転換体、またはGlcNAc−6P 2−エピメラーゼとN−アセチルノイラミン酸シンセターゼのそれぞれの酵素活性を増強させた形質転換体の使用が好適であるが、これに限定されない。
また、当該酵素活性を増強させるための手段として、該酵素遺伝子群(J.Bacteriol.,181,47-54,1999、J.Bacteriol.,181,4526-4532,1999、Nucleic Acids.Res.,13,8843-8852,1985、Agric.Biol.Chem.,50,2155-2158,1986、FEMS Microbiol.Lett.,75,161-166,1992、J.Biol.Chem.,271,15373-15380,1996、J.Biol.Chem.,264,14769-14774,1989、J.Bacteriol.,177,312-319,1995、Mol.Microbiol.,35,1120-1134,2000)をクローン化し、菌体内でこれを大量発現させた微生物種を用いる、いわゆる組換えDNA手法を用いるのが好適である。その際に、2つ以上の遺伝子を共発現させて得られる菌体またはその処理物を用いることもでき、特に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼとN−アセチルノイラミン酸リアーゼのそれぞれの酵素活性を増強させた形質転換体、またはGlcNAc−6P 2−エピメラーゼとN−アセチルノイラミン酸シンセターゼのそれぞれの酵素活性を増強させた形質転換体の使用が好適であるが、これに限定されない。
【0031】
(NeuAcリアーゼを用いた方法)
CMP−NeuAcの合成反応は、GlcNAc、CMPおよびピルビン酸を含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcリアーゼ、およびCMP−NeuAcシンセターゼを反応液1mL当たりそれぞれ0.2mg以上、好ましくは2〜100mg、乾燥酵母を1〜20%(w/v)添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜150時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
(NeuAcリアーゼを用いた方法)
CMP−NeuAcの合成反応は、GlcNAc、CMPおよびピルビン酸を含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcリアーゼ、およびCMP−NeuAcシンセターゼを反応液1mL当たりそれぞれ0.2mg以上、好ましくは2〜100mg、乾燥酵母を1〜20%(w/v)添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜150時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
【0032】
また、上記反応においては、GlcNAcおよびピルビン酸を含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼおよびNeuAcリアーゼを添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜50時間程度反応させてNeuAcを合成し、次いでCMP、酵母菌体およびCMP−NeuAcシンセターゼを添加し、5〜50時間程度反応させてCMP−NeuAcを合成する2段階の反応を行うことでCMP−NeuAcの合成収率を向上させることができる。なお、CMPはあらかじめNeuAc合成時に反応系に添加しておいてもかまわない。
また、上記反応においては、GlcNAcおよびピルビン酸を含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼおよびNeuAcリアーゼを添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜50時間程度反応させてNeuAcを合成し、次いでCMP、酵母菌体およびCMP−NeuAcシンセターゼを添加し、5〜50時間程度反応させてCMP−NeuAcを合成する2段階の反応を行うことでCMP−NeuAcの合成収率を向上させることができる。なお、CMPはあらかじめNeuAc合成時に反応系に添加しておいてもかまわない。
【0033】
(NeuAcシンセターゼを用いた方法)
CMP−NeuAcの合成反応は、GlcNAc及びCMPを含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcシンセターゼ、およびCMP−NeuAcシンセターゼを反応液1mL当たりそれぞれ0.2mg以上、好ましくは2〜100mg、乾燥酵母を1〜20%(w/v)添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜150時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
(NeuAcシンセターゼを用いた方法)
CMP−NeuAcの合成反応は、GlcNAc及びCMPを含有する反応系に、GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcシンセターゼ、およびCMP−NeuAcシンセターゼを反応液1mL当たりそれぞれ0.2mg以上、好ましくは2〜100mg、乾燥酵母を1〜20%(w/v)添加し、50℃以下、好ましくは15〜40℃で1〜150時間程度、必要により撹拌しながら反応させることにより実施できる。
【0049】
(5)CMP−NeuAcシンセターゼをコードするneuA遺伝子のクローニング
H.influenzae Rd株の染色体DNAをテンペレートとして、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法によりH.influenzaeのCMP−NeuAcシンセターゼ(neuA)遺伝子を増幅した。
プライマー(E):5’- TGCCATGGTGAAAATAATAATGACAAGAA -3’
プライマー(F):5’- AACTGCAGTGCAGATCAAAAGTGCGGCC -3’
(5)CMP−NeuAcシンセターゼをコードするneuA遺伝子のクローニング
H.influenzae Rd株の染色体DNAをテンペレートとして、以下に示す2種類のプライマーDNAを常法に従って合成し、PCR法によりH.influenzaeのCMP−NeuAcシンセターゼ(neuA)遺伝子を増幅した。
プライマー(E):5’- TGCCATGGTGAAAATAATAATGACAAGAA -3’
プライマー(F):5’- AACTGCAGTGCAGATCAAAAGTGCGGCC -3’
【0052】
(6)CMP−NeuAcシンセターゼの調製
プラスミドpTrcsiaBNPを保持する大腸菌JM109菌を、100μg/mLのアンピシリンを含有する2×YT培地100mLに植菌し、37℃で振とう培養した。4×108個/mLに達した時点で、培養液に最終濃度0.25mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で6時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(9,000×g,10分)により菌体を回収し、5mLの緩衝液(100mM トリス塩酸(pH7.8)、10mM MgCl2)に懸濁した。超音波処理を行って菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000×g、10分)により菌体残さを除去した。
(6)CMP−NeuAcシンセターゼの調製
プラスミドpTrcsiaBNPを保持する大腸菌JM109菌を、100μg/mLのアンピシリンを含有する2×YT培地100mLに植菌し、37℃で振とう培養した。4×108個/mLに達した時点で、培養液に最終濃度0.25mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で6時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(9,000×g,10分)により菌体を回収し、5mLの緩衝液(100mM トリス塩酸(pH7.8)、10mM MgCl2)に懸濁した。超音波処理を行って菌体を破砕し、さらに遠心分離(20,000×g、10分)により菌体残さを除去した。
【0056】
(7)CMP−NeuAcの合成
上記(3)で構築したプラスミドpTrcAEを保持する大腸菌 K−12株 ME8417(FERM BP−6847:平成11年8月18日 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))にさせ、これを、100μg/mLのアンピシリンを含有する2×YT培地500mLに植菌し、37℃で振とう培養した。菌体数が4×108個/mLに達した時点で、培養液に最終濃度0.2mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で8.5時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(9、000×g、10分)により25mL培養液分の菌体50mgを回収し、これに50mM CMP、100mM GlcNAc、20mM 塩化マグネシウム、50mM グルコース、250mM ピルビン酸ナトリウム、0.5%(v/v)キシレンを含有する200mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)5mLを添加し、28℃で攪拌しながら反応を行った。
(7)CMP−NeuAcの合成
上記(3)で構築したプラスミドpTrcAEを保持する大腸菌 K−12株 ME8417(FERM BP−6847:平成11年8月18日 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))にさせ、これを、100μg/mLのアンピシリンを含有する2×YT培地500mLに植菌し、37℃で振とう培養した。菌体数が4×108個/mLに達した時点で、培養液に最終濃度0.2mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で8.5時間振とう培養を続けた。培養終了後、遠心分離(9、000×g、10分)により25mL培養液分の菌体50mgを回収し、これに50mM CMP、100mM GlcNAc、20mM 塩化マグネシウム、50mM グルコース、250mM ピルビン酸ナトリウム、0.5%(v/v)キシレンを含有する200mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)5mLを添加し、28℃で攪拌しながら反応を行った。
【0057】
反応開始24時間後に乾燥パン酵母(オリエンタル酵母社製)250mg、上記(6)で調製したCMP−NeuAcシンセターゼ(3.4units/mL反応液)及び1M 塩化マグネシウム溶液 100μLを添加し、合計62時間反応させた。なお、反応開始14時間後に110mgのピルビン酸ナトリウムを、24、38時間後に110mgピルビン酸ナトリウム、180mgグルコースを、48時間後に55mgピルビン酸ナトリウム、180mgグルコースをそれぞれ添加した。
反応液上清をHPLCにより分析したところ、21.4mMのCMP−NeuAcが生成することが認められた。
反応開始24時間後に乾燥パン酵母(オリエンタル酵母社製)250mg、上記(6)で調製したCMP−NeuAcシンセターゼ(3.4units/mL反応液)及び1M 塩化マグネシウム溶液 100μLを添加し、合計62時間反応させた。なお、反応開始14時間後に110mgのピルビン酸ナトリウムを、24、38時間後に110mgピルビン酸ナトリウム、180mgグルコースを、48時間後に55mgピルビン酸ナトリウム、180mgグルコースをそれぞれ添加した。
反応液上清をHPLCにより分析したところ、21.4mMのCMP−NeuAcが生成することが認められた。
【0061】
(2)cmk、neuA遺伝子共発現プラスミドの構築
実施例1で得られたpTrcsiaBNPプラスミドを制限酵素NcoI、EcoRIで切断し、neuA遺伝子を含むNcoI−EcoRI断片をアガロースゲル電気泳動を用いて回収した。これを同じくNcoI、EcoRIで消化した上記比較例(1)のpTrcCMKABプラスミドとT4ライゲースを用いて連結した。この連結反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrcSBCKを単離した。pTrcSBCKは、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のNcoI−SacI切断部位にH.influenzaeのneuA遺伝子及び大腸菌のcmk遺伝子の構造遺伝子を含有するDNA断片が挿入されたものである。
(2)cmk、neuA遺伝子共発現プラスミドの構築
実施例1で得られたpTrcsiaBNPプラスミドを制限酵素NcoI、EcoRIで切断し、neuA遺伝子を含むNcoI−EcoRI断片をアガロースゲル電気泳動を用いて回収した。これを同じくNcoI、EcoRIで消化した上記比較例(1)のpTrcCMKABプラスミドとT4ライゲースを用いて連結した。この連結反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrcSBCKを単離した。pTrcSBCKは、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のNcoI−SacI切断部位にH.influenzaeのneuA遺伝子及び大腸菌のcmk遺伝子の構造遺伝子を含有するDNA断片が挿入されたものである。
【0068】
遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収したDNAをアガロースゲル電気泳動により分離し、1.2kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素BamHI及びPstIで切断し、同じく制限酵素BamHI及びPstIで消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrcneuB1を単離した。pTrcneuB1は、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のBamHI−PstI切断部位にC.jejuniのneuB1遺伝子の構造遺伝子を含有するDNA断片が挿入されたものである(FERM P−18905:平成14年6月25日 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566);なお、平成14年11月22日付けでFERM BP−8248に変更)。
遺伝子増幅後、反応液をフェノール/クロロホルム(1:1)混合液で処理し、水溶性画分に2倍容のエタノールを添加しDNAを沈殿させた。沈殿回収したDNAをアガロースゲル電気泳動により分離し、1.2kb相当のDNA断片を精製した。該DNAを制限酵素BamHI及びPstIで切断し、同じく制限酵素BamHI及びPstIで消化したプラスミドpTrc99A(Pharmacia Biotech.社より入手)とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、得られたアンピシリン耐性形質転換体よりプラスミドpTrcneuB1を単離した。pTrcneuB1は、pTrc99Aのtrcプロモーター下流のBamHI−PstI切断部位にC.jejuniのneuB1遺伝子の構造遺伝子を含有するDNA断片が挿入されたものである(FERM P−18905:平成14年6月25日 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566);なお、平成14年11月22日付けでFERM BP−8248に変更)。
【0070】
(3)CMP−NeuAcの合成
上記(2)で調製したプラスミドpTrcNENBを保持する大腸菌MC1061株(ATCC53338)の25ml培養液分の菌体50mgに50mM CMP、100mM GlcNAc、30mM 塩化マグネシウム、200mM グルコース、100mM ピルビン酸ナトリウム、0.5%(v/v)キシレン、4%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母社製)、並びに実施例1の(6)で調製したCMP−NeuAcシンセターゼ(1.7units/mL反応液)を含有する175mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)5mLを添加し、28℃で攪拌しながら72時間反応を行った。なお、反応開始14、24、38、48、62時間後に180mgグルコースをそれぞれ添加した。
反応液上清をHPLCにより分析したところ、25.6mMのCMP−NeuAc生成が認められた。
(3)CMP−NeuAcの合成
上記(2)で調製したプラスミドpTrcNENBを保持する大腸菌MC1061株(ATCC53338)の25ml培養液分の菌体50mgに50mM CMP、100mM GlcNAc、30mM 塩化マグネシウム、200mM グルコース、100mM ピルビン酸ナトリウム、0.5%(v/v)キシレン、4%(w/v)乾燥パン酵母(オリエンタル酵母社製)、並びに実施例1の(6)で調製したCMP−NeuAcシンセターゼ(1.7units/mL反応液)を含有する175mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)5mLを添加し、28℃で攪拌しながら72時間反応を行った。なお、反応開始14、24、38、48、62時間後に180mgグルコースをそれぞれ添加した。
反応液上清をHPLCにより分析したところ、25.6mMのCMP−NeuAc生成が認められた。
Claims (7)
- N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ピルビン酸およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法。
- N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびピルビン酸を含有する反応系に、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)およびN−アセチルノイラミン酸リアーゼ(NeuAcリアーゼ)を添加してN−アセチルノイラミン酸(NeuAc)を合成し、続けて、この反応系にシチジン5’−モノリン酸(CMP)、酵母菌体およびシチジン5’−モノリン酸N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加してCMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)を合成する、請求項1記載の製造法。
- GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcリアーゼ及びCMP−NeuAcシンセターゼとして、細胞(形質転換体を含む)またはその処理物を使用する、請求項1記載の製造法。
- GlcNAc−6P 2−エピメラーゼとNeuAcリアーゼのそれぞれの活性を増強させた形質転換体とCMP−NeuAcシンセターゼ活性を有する菌体処理物を使用する、請求項1記載の製造法。
- N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)およびシチジン5’−モノリン酸(CMP)を含有する反応系に、酵母菌体、N−アセチルグルコサミン−6リン酸 2−エピメラーゼ(GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ)、N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(NeuAcシンセターゼ)およびCMP−N−アセチルノイラミン酸シンセターゼ(CMP−NeuAcシンセターゼ)を添加し、反応させることを特徴とする、CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)の製造法。
- GlcNAc−6P 2−エピメラーゼ、NeuAcシンセターゼ及びCMP−NeuAcシンセターゼとして、細胞(形質転換体を含む)またはその処理物を使用する、請求項1記載の製造法。
- GlcNAc−6P 2−エピメラーゼとNeuAcシンセターゼのそれぞれの活性を増強させた形質転換体とCMP−NeuAcシンセターゼ活性を有する菌体処理物を使用する、請求項1記載の製造法。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208987A JP3833584B2 (ja) | 2001-07-19 | 2002-07-18 | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 |
CNB038170701A CN1301330C (zh) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Cmp-n-乙酰神经氨酸的制造方法 |
JP2004522712A JPWO2004009830A1 (ja) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 |
US10/521,576 US7955825B2 (en) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Process for producing CMP-N-acetylneuraminic acid |
PCT/JP2003/000258 WO2004009830A1 (ja) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Cmp-n-アセチルノイラミン酸の製造法 |
CNB2006101003873A CN100413974C (zh) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Cmp-n-乙酰神经氨酸的制造方法 |
AU2003201882A AU2003201882A1 (en) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Processes for producing cmp-n-acetylneuraminic acid |
KR1020057000945A KR100922085B1 (ko) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Cmp-n-아세틸뉴라민산의 제조 방법 |
CA002492838A CA2492838A1 (en) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | Process for producing cmp-n-acetylneuraminic acid |
EP03700563A EP1541693A4 (en) | 2002-07-18 | 2003-01-15 | PROCESSES FOR PRODUCING CMP-N-ACETYLNEURAMINIC ACID |
US13/049,381 US20110207179A1 (en) | 2002-07-18 | 2011-03-16 | Process for producing cmp-n-acetylneuraminic acid |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-219242 | 2001-07-19 | ||
JP2001219242 | 2001-07-19 | ||
JP2002208987A JP3833584B2 (ja) | 2001-07-19 | 2002-07-18 | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003093091A JP2003093091A (ja) | 2003-04-02 |
JP2003093091A5 true JP2003093091A5 (ja) | 2005-03-10 |
JP3833584B2 JP3833584B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=26618982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002208987A Expired - Fee Related JP3833584B2 (ja) | 2001-07-19 | 2002-07-18 | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3833584B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7955825B2 (en) | 2002-07-18 | 2011-06-07 | Yamasa Corporation | Process for producing CMP-N-acetylneuraminic acid |
EP1669461A4 (en) | 2003-09-26 | 2011-06-29 | Yamasa Corp | PROCESS FOR PREPARING CMP-N-ACETYLNEURAMIC ACID |
JP2006271372A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-10-12 | Yamasa Shoyu Co Ltd | 糖鎖の製造法 |
JP5079272B2 (ja) * | 2006-06-30 | 2012-11-21 | 協和発酵バイオ株式会社 | シチジン‐5´‐一リン酸‐n‐アセチルノイラミン酸およびn‐アセチルノイラミン酸含有糖質の製造法 |
JP4901447B2 (ja) * | 2006-12-18 | 2012-03-21 | ヤマサ醤油株式会社 | Cmp−デアミノノイラミン酸の製造法 |
CN114014896B (zh) * | 2021-10-09 | 2023-12-05 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种高纯度3`-唾液酸乳糖的分离纯化方法 |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002208987A patent/JP3833584B2/ja not_active Expired - Fee Related
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3831938A1 (en) | Novel adenylosuccinate synthetase and method for producing purine nucleotide using same | |
JP2019517275A (ja) | 微生物発酵によるn−アセチル−d−グルコサミン及び/又はd−グルコサミン塩の製造方法 | |
CN113186142B (zh) | 一种高效生产2′-岩藻糖基乳糖的大肠杆菌工程菌株 | |
CN111534493B (zh) | 一种嘌呤核苷磷酸化酶突变体、基因及应用 | |
US10519475B1 (en) | Biosynthesis of compounds in yeast | |
JP2020533947A (ja) | 新規な5’−イノシン酸デヒドロゲナーゼ及びこれを用いた5’−イノシン酸の製造方法 | |
EP1816206B1 (en) | Method of producing uridine 5 -diphospho-n-acetylgalactosamine | |
WO2006080313A1 (ja) | 3’-ホスホアデノシン-5’-ホスホ硫酸の酵素合成法 | |
CN111394292A (zh) | 一种多途径复合产神经氨酸枯草芽孢杆菌及其应用 | |
JP2024515083A (ja) | β-ニコチンアミドモノヌクレオチドを調製するための酵素組成物及びその応用 | |
KR20000076602A (ko) | 푸린 뉴클레오티드의 제조법 | |
EP2094840B1 (en) | Novel n-acetylglucosamine-2-epimerase and method for producing cmp-neuraminic acid using the same | |
JPWO2004009830A1 (ja) | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 | |
JP2003093091A5 (ja) | ||
KR101818564B1 (ko) | 바실러스 유래 뉴클레오시드 포스포릴라아제 및 락토코쿠스 유래 아데노신 디아미나아제를 이용한 3'-아미노-2',3'-디데옥시구아노신의 제조 방법 | |
JP3822006B2 (ja) | シチジン5’−ジリン酸コリンの製造法 | |
JP3833584B2 (ja) | Cmp−n−アセチルノイラミン酸の製造法 | |
KR20180006579A (ko) | 생물전환공정을 이용한 2'-데옥시시티딘의 제조방법 | |
JP5068956B2 (ja) | デオキシリボヌクレオシド一リン酸からのデオキシリボヌクレオシド三リン酸の製造方法 | |
KR101818561B1 (ko) | 바실러스 유래 뉴클레오시드 포스포릴라아제를 이용한 3'-아미노-2',3'-디데옥시아데노신의 제조 방법 | |
CN116925993B (zh) | 用于酶催化生产胞苷酸的基因工程改造菌株和方法 | |
WO2001038555A1 (fr) | Nouvelle utilisation de l'uridine-diphosphate-glucose 4-epimerase | |
CN118440916A (zh) | 载体、转化子、唾液酸转移酶突变体及其应用 | |
KR101479135B1 (ko) | 아스페르기루스 플라버스 유래 솔비톨 탈수소화효소와 nadh 산화효소와의 커플링에 의한 l-자일룰로스의 생산 | |
CN118813571A (zh) | 蔗糖磷酸化酶突变体、编码基因及其在白藜芦醇糖基化中的应用 |