本発明は、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートを、複数段に段積みして収容可能であって、上記収容された部品供給用プレートをその表面沿いの方向であるプレート供給方向に移動させることで、上記配置された夫々の部品を供給可能に当該部品供給用プレートが取り出される部品供給用プレート収容体(あるいはプレート収容ユニット)及び部品供給装置に関する。
従来、この種の部品供給用プレート収容体は、例えば、マガジンカセットと呼ばれて、部品実装のための部品の供給を行なう部品供給装置において用いられている。このようなマガジンカセットには、基板に実装される部品のうちの複数のウェハ供給部品が配置されたウェハを載置するウェハ供給用プレート、又は、複数のトレイ供給部品が配置された部品供給トレイを載置するトレイ供給用プレートのうちのいずれか一方が選択的に収容される。さらに、このように夫々のプレートが収容された状態のマガジンカセットが、部品供給装置に装備されることで、当該部品供給装置において、当該マガジンカセットから、上記ウェハ供給用プレート又は上記トレイ供給用プレートが取り出され、上記夫々のウェハ供給部品又は上記トレイ供給部品の部品実装のための供給が行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなマガジンカセットにおいては、略水平な支持姿勢を保ちながら夫々のプレートの互いに対向する夫々の端部を支持するとともに、当該支持された状態の上記夫々のプレートをスライド移動可能とさせる一対の複数の組の支持ガイド部の一例である夫々の溝部が形成されている。このようにマガジンカセットにおいて、夫々の溝部が形成されていることにより、多数のプレートを上下方向に段積みして効率的に収容しながら、選択されたプレートを、上記夫々の溝部に沿ってスライド移動させることで、当該マガジンカセットから当該選択されたプレートを取り出すことが可能となっている。
近年、部品実装における生産性の効率化がより強く求められつつあり、部品供給の効率化のために、マガジンカセットにおける夫々のプレートの薄型化や夫々の溝部の設置間隔の狭小化が図られ、1台のマガジンカセットに段積み収容されるプレートの枚数の増大化が図られている。
さらに、このような部品実装においては、上記生産性の効率化を図りながら、微小化された部品を基板に高精度に実装することも求められ、このような要求に応えるために、マガジンカセットからの確実なプレートの供給、すなわち、確実な部品供給の実施が求められている。
しかしながら、このような部品供給装置にて、マガジンカセットよりプレートを保持して取り出す際においては、例えば、プレートが大略円盤状の形状を有していることにより、図42の模式図に示すように、マガジンカセット750内において、プレート706が、プレート取出方向Cに対して傾斜した姿勢で収容されている場合があり、このような場合にあっては、プレート706の周部とマガジンカセット750の溝部750bとの接触(あるいは衝突)が発生し、プレート706のガタツキが発生する場合がある。
特に、プレート706が、その上面に複数のトレイ供給部品を載置するようなトレイ供給プレートであるような場合にあっては、上記ガタツキの発生により、上記載置されている夫々のトレイ供給部品がトレイ供給プレートから飛び散る場合があり、このような場合にあっては確実な部品供給が阻害されて、効率的な部品供給を行なうことができないという問題がある。また、作業者において、マガジンカセット750への夫々のプレート706の収容の際に、夫々のプレート706の上記姿勢を確認すれば、このような問題の発生の可能性を低減することも可能と考えられるものの、上記確認のために作業時間を必要とすることは、夫々のプレート706の収容に要する時間を増大させることとなり、却って部品供給の効率化を阻害することになってしまう。
また、マガジンカセット750において、夫々の溝部750bの間隔の狭ピッチ化は、作業者によるマガジンカセット750への夫々のプレート706の収容の際に、図43の模式説明図に示すように、互いに対向する対の組の溝部750bへのプレート706の支持収容を困難なものとし、マガジンカセット750において、プレート706を水平な支持姿勢で収容させることが困難(すなわち、斜め入れ状態)となる場合がある。このような場合にあっては、マガジンカセット750よりの当該プレート706の取出し作業に障害が生じることとなり、確実かつ効率的な部品供給が阻害されることとなる。
また、上述のようにマガジンカセット750において、プレート706が傾斜された支持姿勢にて収容され、当該状態にてプレート706の取り出しが行なわれるような場合にあっては、確実な取り出しを行なうことが困難であるだけでなく、プレート706の夫々の端部を支持する夫々の溝部750bと、当該溝部との接触による摩擦抵抗が、正常な支持姿勢にて収容されている場合に比して大きくなり、これによりプレート706の端部あるいは溝部750bが削られて、切粉が発生することとなる。このような場合にあっては、当該発生した切粉が部品の表面等に付着して、高精度な部品実装のための確実な部品供給が阻害される場合があるという問題もある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、複数の部品が配置された複数の部品供給用プレートを段積みして収容する部品供給用プレート収容体において、部品供給用プレートの収容姿勢に起因する諸問題を解決し、上記収容されている夫々のプレートの取り出しを確実かつ効率的に行なうことができる部品供給用プレート収容体及び部品供給装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートの互いに対向する端部を支持することで、略水平な支持姿勢にて上記夫々のプレートを、その表面沿いの一の方向であるプレート供給方向沿いに移動案内可能に支持する複数の対の組を形成する支持ガイド部と、
上記夫々の支持ガイド部の中から、上記各々の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部を、他の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部から識別可能であり、上記プレート供給方向より視認可能に、当該方向における上記夫々の支持ガイド部の端部又はその近傍に配置された識別マーク部とを備え、
上記それぞれの識別マーク部により識別された上記各々の対の組の支持ガイド部にその端部を支持させて、上記それぞれのプレートを複数段に段積みして収容可能であって、当該収容された部品供給用プレートを上記それぞれの支持ガイド部により案内しながら上記プレート供給方向沿いに移動させることで、当該プレートに配置された上記夫々の部品供給のために当該部品供給用プレートを取り出し可能とする部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記夫々のプレートの交換が行なわれるプレート交換用開口部を備え、
上記夫々の識別マーク部は上記プレート交換用開口部より視認可能に配置される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記夫々の識別マーク部は、上記夫々の支持ガイド部の上記端部又はその近傍の形状の一部が加工されて形成される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記識別マーク部が配置された上記一対の組の支持ガイド部と、当該識別マーク部が配置されない上記一対の支持ガイド部とが、上下方向に交互に配置される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記プレート供給方向における上記夫々のプレートの支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部をさらに備える第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第6態様によれば、開閉可能な上記夫々のプレートの交換用の扉部を有し、上記夫々の姿勢ガイド部は当該扉部の内側に備えられる第5態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサを備える第6態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記収容される夫々のプレートにおける上記各々の支持ガイド部との接触部分に、滑面部が形成されている第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記夫々のプレートの上記移動の方向と略直交する方向における上記夫々の組の支持ガイド部への上記夫々のプレートの挿入位置と、上記夫々の組の支持ガイド部による支持位置との間の位置ズレを補正可能に、上記夫々の組の支持ガイド部の挿入端部に、上記移動の方向に対する傾斜部が形成されている第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記夫々のプレートと上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における夫々の硬度が、上記夫々のプレートよりも上記夫々の支持ガイド部が低くなるように、上記夫々の接触表面が形成される第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記夫々のプレートと上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における夫々の硬度が、上記夫々の支持ガイド部よりも上記夫々のプレートが低くなるように、上記夫々の接触表面が形成される第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記夫々の支持ガイド部は、上記夫々のプレートの端部を支持しながら、当該端部の表面に沿って回転可能なローラ部を備える第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記部品供給用プレート収容体の支持を行う基台への支持面に、当該支持位置を固定する複数の固定部を備え、少なくとも1つの上記固定部が、導電性材料にて形成され、接地端子部としての機能を有する第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第14態様によれば、上記夫々の部品供給用プレートは、上記夫々の部品として複数のウェハ供給部品が配置されたウェハを載置するウェハ供給用プレート、又は上記夫々の部品として複数のトレイ供給部品が配置された部品供給トレイを載置するトレイ供給用プレートであり、
上記ウェハ供給用プレート及び上記トレイ供給用プレートが、混載して段積み収容される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第15態様によれば、第14態様に記載の上記部品供給用プレート収容体と、
上記夫々のプレートのうちのいずれかの上記プレートを選択的に配置させて保持し、上記ウェハよりウェハ供給部品を、又は、上記部品供給トレイより上記トレイ供給部品を供給可能な状態とさせるプレート配置装置と、
上記プレートを解除可能に保持して、上記プレート収納部から取り出すとともに、上記プレート配置装置に保持可能に移動させるプレート移動装置とを備える部品供給装置を提供する。
本発明の第16態様によれば、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートの互いに対向する端部を支持することで、略水平な支持姿勢にて上記夫々のプレートを、その表面沿いの一の方向であるプレート供給方向沿いに移動案内可能に支持する複数の対の組を形成する支持ガイド部と、
上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記プレート供給方向における上記夫々のプレートの支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部を備え、
上記それぞれの姿勢ガイド部により上記それぞれのプレートの支持姿勢を案内しながら、上記各々の対の組の支持ガイド部にその端部を支持させて、上記それぞれのプレートを複数段に段積みして収容可能であって、当該収容された部品供給用プレートを上記それぞれの支持ガイド部により案内しながら上記プレート供給方向沿いに移動させることで、当該プレートに配置された上記夫々の部品供給のために当該部品供給用プレートを取り出し可能とする部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第17態様によれば、開閉可能な上記夫々のプレートの交換用の扉部を有し、上記夫々の姿勢ガイド部は当該扉部の内側に備えられる第16態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第18態様によれば、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサを備える第17態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、部品供給用プレート収容体において、夫々のプレートを略水平な支持姿勢にて支持する夫々の支持ガイド部の中から、対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部を、その上段及び下段において他の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部から識別可能な複数の識別マーク部が備えられていることにより、作業者が上記プレートを当該プレート収容体内に収容する際等において、当該プレートを斜め入れ収容してしまうことを、視覚的に確実に防止することができる。
また、このような上記夫々の識別マーク部が、上記プレート収容体におけるプレート供給方向より上記作業者が視認可能に、当該方向における上記夫々の支持ガイド部の端部又はその近傍に配置されていることにより、当該作業者による視覚的な識別を具体的に実現することができる。
従って、このような斜め入れ収容の発生を未然に防止することができ、確実な上記プレートの供給を実現することができ、効率的な部品供給を実現することができる。また、斜め入れ収容が行なわれた上記プレートが取り出される場合に生じる切粉の発生を確実に防止することができ、清浄化環境における上記部品供給の実現を通じて、より高精度な部品実装に適合することができる部品供給を行なうことができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記プレート収容体が、上記夫々のプレートの交換が行なわれるプレート交換用開口部を備え、上記夫々の識別マーク部が当該プレート交換用開口部より視認可能に配置されていることにより、上記プレート収容体への上記夫々のプレートの交換作業を行なう作業者が、上記収容される夫々のプレートの支持姿勢と、上記夫々の識別マーク部との配置関係により、視覚的に当該支持姿勢の異常の有無を視認することができ、上記プレート収容体に上記夫々のプレートを略水平な支持姿勢にて確実に収容することができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記夫々の識別マーク部が、上記夫々の支持ガイド部の上記端部の形状の一部を加工することで形成されていることにより、例えば、シールや塗装を施すこと等により模様的なマーク部を形成するような場合よりも、容易に上記夫々の識別マーク部を形成することができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記夫々の識別マーク部が、上記夫々の支持ガイド部の組において、交互に形成されていることで、上記夫々の支持ガイド部が狭小化された間隔ピッチで形成されているような場合であっても、その識別性をより高めることができ、上記夫々のプレートの支持姿勢を確実に認識することができる。
また、本発明のその他の態様によれば、上記プレート収納体が、上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記夫々のプレートの上記プレート供給方向における支持姿勢、すなわち水平方向の支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部をさらに備えることで、上記プレート収納体への上記プレートの収納姿勢を正常な状態に保持することができ、上記プレート収納体に対する上記夫々のプレートの収納及び取り出しを円滑に行なうことができる。
また、このような上記夫々の姿勢ガイド部が、上記プレート収納体の扉部の内側に備えられることにより、上記扉の閉止を行なうことで、上記夫々のプレートと上記姿勢ガイド部とを係合させることができ、上記水平方向の姿勢を正常な状態とすることができる。
また、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサをさらに備えることにより、当該開閉検出センサにより上記扉の閉止が検出された場合にのみ、上記夫々のプレートが正常な姿勢で収納されたものと判断することができ、上記プレートの収納姿勢を効率的に管理することができる。
また、上記夫々のプレートにおける上記各々の支持ガイド部との接触部分が、上記滑面部を有していることにより、上記接触部分に生じる摩擦力を低減することができ、当該接触磨耗により切粉等が発生することを防止することができる。このような切粉の発生は、部品供給装置におけるメンテナンス性を低下させるとともに、夫々の部品の基板等に対する実装面を汚染する等の機能的問題をも発生する場合があるため、このような問題の発生頻度を著しく低減することができる。例えば、上記夫々のプレートのうちのウェハ供給用プレートと、その重量が比較的重く、上記切粉の発生を引き起こす恐れのある上記トレイ供給用プレートとを、混載して供給するような場合であっても、部品供給装置におけるメンテナンス性の向上を図ることができ、効率的な部品供給を実現することができる。
また、夫々の組の支持ガイド部の挿入端部に、上記移動の方向に対する傾斜部が形成されていることにより、上記夫々のプレートの挿入位置と、上記夫々の支持ガイド部による支持位置との間の位置ズレを補正することができ、上記プレート収納部への確実かつ安定した上記夫々のプレートの収納を実現することができる。また、このような上記傾斜部の形成は、上記夫々の支持ガイド部に沿った上記プレートの挿入移動を滑らかなものとすることができ、上記切粉の発生量を低減することにも寄与し得る。
また、上記夫々のプレートを上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における硬度が、上記夫々のプレートよりも上記夫々の支持ガイド部を低くするように、上記夫々の支持ガイド部が形成されることにより、互いの接触による切粉の発生量を低減することができる。
また、逆に、上記夫々の硬度が、上記夫々の支持ガイド部よりも上記夫々のプレートを低くするように、上記夫々のプレートが形成されることでも同様な効果を得ることができるとともに、汎用性が要求される上記プレート収納体の形成材料を標準仕様のままとすることができる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子部品実装装置の斜視図であり、 図2は、図1の電子部品実装装置が備える部品供給装置の拡大半透過斜視図であり、 図3は、部品供給装置のリフター装置におけるマガジンカセットの半透過斜視図であり、 図4は、部品供給装置にて取り扱われるウェハ供給用プレートの斜視図であり、 図5は、部品供給装置にて取り扱われるトレイ供給用プレートの斜視図であり、 図6は、リフター装置におけるカセット昇降部の斜視図であり、 図7は、部品供給装置のプレート配置装置の斜視図であり、 図8は、プレート配置装置にウェハ供給用プレートが配置された状態の断面図であり、 図9は、プレート配置装置にトレイ供給用プレートが配置された状態の断面図であり、 図10は、プレート配置装置の部分拡大斜視図であり、 図11は、プレート配置装置における中間ストッパー駆動部の模式説明図であり、 図12は、部品供給装置におけるプレート移動装置の斜視図であり、 図13は、マガジンカセットの模式側面図であり、略水平な支持姿勢にてプレートが支持されている状態を示す図であり、 図14は、マガジンカセットの模式側面図であり、斜め入れ状態の支持姿勢にてプレートが支持されている状態を示す図であり、 図15は、マガジンカセットの側壁部の端面を示す模式図であり、 図16は、図15のマガジンカセットにおいて、当該側壁部が2層構造に形成されている状態を示す図であり、 図17は、マガジンカセットの側壁部の端面を示す模式図であり、溝状形状を有する識別マーク部が形成されている状態を示す図であり、 図18は、図17のマガジンカセットにおいて、当該側壁部が2層構造に形成されている状態を示す図であり、 図19は、マガジンカセットの模式斜視図であって、夫々の側壁部の外周面に識別マーク部が形成されている状態を示す図であり、 図20Aは、図13のマガジンカセットにおける夫々の側壁部の端面を示す図であって、左側の側壁部の端面を示し図であり、 図20Bは、図13のマガジンカセットにおける夫々の側壁部の端面を示す図であって、右側の側壁部の端面を示す図であり、 図21は、本発明の第2実施形態にかかる部品供給装置の拡大半透過斜視図であり、 図22は、部品供給装置が備えるマガジンカセットの側壁部の断面図であり、 図23Aは、マガジンカセットの溝部の側面図であり、 図23Bは、マガジンカセットの溝部の正面図であり、 図24は、トレイ供給プレートの外観斜視図であり、 図25は、図24のトレイ供給プレートが溝部により支持された状態を示す模式断面図であり、 図26は、上記第2実施形態の変形例にかかる溝部の形態を示す部分断面図であり、ローラ部を備える溝部の形態を示す図であり、 図27は、プレート押圧体にローラ部が備えられた状態の部分断面図であり、 図28は、上記第2実施形態の変形例にかかるトレイ供給プレートの斜視図であり、 図29は、図28のトレイ供給プレートの側面図であり、 図30は、本発明の第3実施形態にかかるマガジンカセットの模式的な側面図であり、 図31は、図30のマガジンカセットに収納されたプレートが取出される状態を示す模式説明図であり、 図32は、図30のマガジンカセットが備える姿勢ガイド部の拡大平面図であり、 図33は、図30のマガジンカセットのプレート取出方向側から見た側面図であり、 図34は、図33のマガジンカセットのV−V線断面図であり、 図35は、上記第3実施形態の変形例にかかるマガジンカセットの構成を説明するための比較対象のマガジンカセットの模式斜視図であり、 図36は、上記第3実施形態の変形例にかかるマガジンカセットの模式斜視図であり、 図37は、図36のマガジンカセットの構成を示す断面図的な模式図であり、 図38Aは、マガジンカセットの本体における開閉カバー部用の夫々の開口端部の左側端部を示す図であり、 図38Bは、マガジンカセットの本体における開閉カバー部用の夫々の開口端部の右側端部を示す図であり、 図39は、プレート交換作業工程の手順を示すフローチャートであり、 図40は、マガジンカセットの底部を示す図であり、 図41は、上記第2実施形態の識別マーク部が形成された上記第3実施形態のマガジンカセットの模式図であり、 図42は、従来のマガジンカセットの模式説明図であり、プレート取出方向に対して水平方向にプレートが傾斜された状態で、当該プレートが取り出されている状態を示す図であり、 図43は、従来のマガジンカセットに斜めの姿勢でプレートが収容された状態を示す模式説明図である。
符号の説明
2 電子部品
2w ウェハ供給部品
2t トレイ供給部品
4 部品供給装置
5 実装部
6 プレート
6w ウェハ供給用プレート
6t トレイ供給用プレート
7 ウェハ
8 ウェハシート
9 ウェハリング
10 リフター装置
12 プレート配置装置
40 プレート移動装置
50 マガジンカセット
51 カセット昇降部
52 基台
57 部品供給トレイ
58 トレイ載置部
59 トレイリング
101 電子部品実装装置
114、124、134 識別マーク部
C プレート取出方向
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる部品供給装置の一例である部品供給装置4を備え、この部品供給装置4から供給された部品を基板に実装する部品実装装置の一例である電子部品実装装置101の斜視図を図1に示す。部品供給装置4についての詳細な構造や動作の説明を行うに先だって、このような部品供給装置4を備える電子部品実装装置101の全体的な構成及び動作についての説明を、図1を用いて行う。
(電子部品実装装置について)
図1に示すように、電子部品実装装置101は、部品の一例であるチップ部品やベアICチップ等の電子部品2を基板に実装する実装動作を行う装置であり、大別して、複数の電子部品2を供給可能に収容する部品供給装置4と、この部品供給装置4から供給される各電子部品2を基板に実装する実装動作を行う実装部5とを備えている。
図1に示す部品供給装置4においては、基板に実装される多数の電子部品2のうちのウェハ供給部品2w(部品の一例である)が複数配置されたウェハをその上面に載置するウェハ供給用プレートと、上記多数の電子部品2のうちのトレイ供給部品2t(部品の一例である)が格子上に配列されて収容配置された部品供給トレイをその上面に複数載置するトレイ供給用プレートとを混載して上記夫々のプレートを選択的に供給可能に収納しているプレート収納部の一例であるリフター装置10が、部品供給装置4の図示Y軸方向手前側に設置されている。なお、以降の説明において、上記ウェハ供給用プレート又は上記トレイ供給用プレートを限定して用いない場合には、上記夫々のプレート(部品供給用プレートの一例である)として記載するものとし、また、ウェハ供給部品2w又はトレイ供給部品2tを限定して用いない場合には、電子部品2(部品の一例である)として記載するものとする。なお、上記夫々のプレート等の構成の説明については、後述するものとする。また、ウェハ供給部品2wとしては、主にウェハがダイシングされることにより形成されるベアICチップ等があり、また、トレイ供給部品2tとしては、上記ベアICチップ及び上記ベアICチップ以外のICチップ(例えば、パッケージが施されたICチップ等)やチップ部品等がある。
また、部品供給装置4には、リフター装置10から選択的に供給される上記夫々のプレートを配置して、夫々より電子部品2を取り出し可能な状態とさせるプレート配置装置12が備えられている。なお、リフター装置10から上記ウェハ供給用プレートが供給されて、プレート配置装置12に配置されるような場合には、プレート配置装置12において、上記ウェハ供給用プレートに載置されているウェハに対してエキスパンド動作が施される。
さらに、部品供給装置4には、プレート配置装置12上に選択的に配置された上記プレート上に載置されている上記ウェハあるいは上記部品供給トレイから電子部品2を個別に吸着保持して、実装部5に向けて図示X軸方向沿いに移動させるとともに、上記吸着保持した電子部品2を上下方向に反転させる反転ヘッド装置14が備えられている。なお、このような反転ヘッド装置14を部品供給装置4が備えている場合に代えて、部品供給装置4とは別の構成の装置として、部品供給装置4とともに、電子部品実装装置101に備えられているような場合であってもよい。
また、図1に示すように、実装部5には、電子部品2を吸着保持して基板に実装する実装ヘッド部20が備えられている。また、互いに図示X軸方向沿いに配置された位置であって、反転ヘッド装置14により保持された電子部品2が実装ヘッド部20に受渡し可能な位置である部品供給位置と、基板に対する電子部品2の実装動作が行われる基板実装領域との間で、実装ヘッド部20を支持しながら、図示X軸方向に沿って進退移動させる移動装置の一例であるX軸ロボット22が、さらに実装部5に備えられている。
なお、実装ヘッド部20は、ボイスコイルモータ等の移動手段にて昇降駆動可能であり、かつ、吸着保持した電子部品2を介して、押圧エネルギーや超音波振動エネルギーや熱エネルギー等の接合エネルギーを、電子部品2と基板の接合部に付与できるように構成された保持部(図示しない)を備えており、電子部品2を基板に対して加圧しながら上記接合エネルギーを付与することが可能となっている。また、X軸ロボット22は、例えば、ボールねじ軸部とこのボールねじ軸部に螺合されたナット部とを用いた移動機構(図示しない)が備えられている。
また、図1に示すように、実装ヘッド部20及びX軸ロボット22の下方における実装部5の基台24上には、基板を図示X軸方向及びY軸方向に移動可能であって、かつ、実装ヘッド部20に対する基板上における電子部品2が実装される位置の位置決めを行うXYテーブル26が配設されている。このXYテーブル26は、図示X軸方向とY軸方向との夫々に、例えばサーボモータにて移動駆動するとともに、リニアスケールを用いてフルクローズ制御にて位置決めすることが可能となっている。また、このXYテーブル26の上面には、基板を解除可能に保持して固定する基板保持台28が設置されている。なお、図1において、X軸方向とY軸方向は、基板の表面沿いの方向であって、かつ、互いに直交する方向である。
また、図1に示すように、電子部品実装装置101には、基台24の上面における図示Y軸方向手前側の端部において、図示X軸方向左向きの方向である基板搬送方向Bに沿って基板を搬送し、基板保持台28への基板の供給及び基板保持台28からの基板の排出を行う基板搬送装置30が備えられている。基板搬送装置30は、電子部品実装装置101の図示X軸方向右側の端部からXYテーブル26上の基板保持台28にまで、基板を搬送して供給するローダ部の一例であるローダ32と、基板保持台28から電子部品実装装置101の図示X軸方向左側の端部にまで、基板を搬送して排出するアンローダ部の一例であるアンローダ34とを備えている。なお、本実施形態においては、電子部品実装装置101におけるXYテーブル26が、基板搬送装置30が備える基板保持移動装置と兼用されている例となっている。また、XYテーブル26と基板支持台28とが、基板の上記移動及び保持を行う基板保持移動装置の一例となっている。また、このように兼用されているような場合に代えて、電子部品実装装置101におけるXYテーブル26とは別に、基板保持移動装置が基板搬送装置30に備えられているような場合であってもよい。
なお、図1に示す電子部品実装装置101は、当該構成の説明の便宜を考慮して、基台24の上面全体を覆っているケーシングカバーが取り外された状態の斜視図となっている。
次に、このような構成を有する電子部品実装装置101における電子部品2の基板への実装動作について説明する。
図1の電子部品実装装置101において、基台24上におけるローダ32及びアンローダ34の間に位置するように、基板保持台28がXYテーブル26により移動される。それとともに、電子部品実装装置101にて夫々の電子部品2の実装が行われるべき基板が、例えば、電子部品実装装置101に隣接する他の装置等より基板搬送装置30のローダ32に供給されて、ローダ32にて基板搬送方向Bに基板が搬送されて、この基板が基板保持台28に供給されて保持される。その後、XYテーブル26が図示X軸方向又はY軸方向に移動されて、基板が上記基板実装領域に移動される。
一方、部品供給装置4にて、リフター装置10に収納されている夫々のプレートより1枚のプレートが選択されて取り出され、プレート配置装置12に配置される。その後、上記配置されたプレートより電子部品2が反転ヘッド装置14により吸着保持されて取り出されるとともに、当該電子部品2が、反転されて上記部品供給位置にまで移動される。また、実装部5にて実装ヘッド部20が、X軸ロボット22により、上記部品供給位置にまで移動されて、反転ヘッド装置14から実装ヘッド部20に電子部品2が受け渡される。その後、上記受け渡された電子部品2を吸着保持した状態の実装ヘッド部20が、X軸ロボット22により、上記基板実装領域の上方へと移動される。
その後、実装ヘッド部20により吸着保持されている電子部品2と、基板保持台28により保持されている基板における電子部品3が実装されるべき位置との位置合わせが、XYテーブル26の移動により行われる。この位置合わせの後、実装ヘッド部20の昇降動作等が行われて、電子部品2の基板への実装動作が行われる。複数の電子部品2の上記実装動作が行われるような場合にあっては、上記夫々の動作が繰り返して行うことにより、夫々の電子部品2の実装動作が行われる。
その後、夫々の電子部品2の上記実装動作が終了すると、夫々の電子部品2が実装された状態の基板が、基板保持台28とともに、XYテーブル26により、ローダ32とアンローダ34との上記間の位置にまで移動されて、基板保持台28より基板がアンローダ34に受け渡され、アンローダ34にて基板が基板搬送方向Bに沿って搬送されて、電子部品実装装置101より基板が排出される。上記排出された基板は、例えば、電子部品実装装置101に隣接して設置されている上記部品実装の次の処理等を行う他の装置に供給されたり、部品実装済みの基板として基板収納装置等に収納されたりする。
このようにして、電子部品実装装置101において、夫々の電子部品2の基板への実装動作が行われる。なお、夫々の電子部品2が実装された基板がアンローダ34により排出された後、新たな別の基板がローダ32により供給されることにより、順次供給される夫々の基板に対して夫々の電子部品2の実装が行われる。
(部品供給装置について)
次に、このような構成及び部品実装動作を行う電子部品実装装置101が備える部品供給装置4の詳細な構成について、特に、リフター装置10及びプレート配置装置12とこれらに関連する構成を中心に説明する。また、このような部品供給装置4におけるリフター装置10及びプレート配置装置12の半透過斜視図を図2に示す。
図2に示すように、部品供給装置4は、上述したリフター装置10とプレート配置装置12に加えて、さらに、リフター装置10に収納されている夫々のプレートを保持して取り出し、プレート配置装置12に配置させるように、上記プレートの移動を行うプレート移動装置40を備えている。また、プレート移動装置40は、プレート配置装置12に配置されたプレートを保持して、再びリフター装置10に収納するように、上記プレートの移動を行うことが可能となっている。
まず、リフター装置10は、複数の上記ウェハ供給用プレート及び複数の上記トレイ供給用プレートを混載して、上下方向に積層的に収納する箱体状の形状を有する部品供給用プレート収容体(あるいはプレート収容ユニット)の一例であるマガジンカセット50と、このマガジンカセット50を支持するとともに、マガジンカセット50の昇降動作を行って、マガジンカセット50に収納されている上記夫々のプレートのうちの1枚のプレートを、プレート移動装置40により取り出し可能な昇降高さ位置に位置させる収納体昇降部の一例であるカセット昇降部51と、カセット昇降部51を取り付けられて、かつ、カセット昇降部51によるマガジンカセット50の昇降動作を案内可能な基台52とを備えている。
ここで、マガジンカセット50の拡大斜視図(半透過斜視図)を図3に示す。図3に示すように、マガジンカセット50においては、図示C方向がプレート配置装置12への上記夫々のプレートの取り出し方向(以降、プレート取出方向Cとする)となっている。また、マガジンカセット50は、プレート取出方向Cと直交する方向において、互いに対向するように側壁部50aが夫々設けられており、夫々の側壁部50aの互いに対向する側面において、プレート取出方向に沿って複数の溝部50bが形成されている。上記夫々のプレート(以降、プレート6とする)は、その互いに対向する両端部において、夫々の側壁部50aの溝部50bと係合されることにより、マガジンカセット50に保持されて収納されている。なお、夫々の側壁部50aにおいて夫々の溝部50bは一定の間隔ピッチでもって形成されており、夫々の溝部50bに係合されて保持された状態で、プレート6はその表面が略水平な状態とされている。さらに、夫々のプレート6は、夫々の溝部50bの形成方向に沿って案内されながら、プレート取出方向沿いに進退移動(すなわち、スライド移動)可能な状態とされている。また、マガジンカセット50においては、収納されている夫々のプレート6の取り出しが行われるため、上記取り出しの障害とならないように、プレート取出方向C側には側壁部が設けられておらず、常時開放された状態とされている。なお、図3においては、図示上方に収納されているプレート6がウェハ供給用プレート6wであり、図示下方に収納されているプレート6がトレイ供給用プレート6tである。
次に、ウェハ供給用プレート6wの斜視図を図4に、トレイ供給用プレート6tの斜視図を図5に示し、夫々のプレートの構造について説明する。
図4に示すように、ウェハ供給用プレート6wは、直線状の部分と曲線状の部分とが組み合わされた外周部分を有する大略円盤状の形状を有している。また、プレート取出方向Cを挟んで互いに対向される夫々の端部は、マガジンカセット50の夫々の溝部50bと係合されることが考慮されて、上記直線状の外周部分となっている。また、図4に示すように、ウェハ供給プレート6wは、伸縮性を有するシートであって、ダイシングが施されたウェハ7がその上面に貼着されて載置されたウェハシート8と、環状プレートであって、その環状の内側にウェハ7が位置されるように、ウェハシート8をその外周端部近傍において保持するウェハリング9とを備えている。このようにウェハ供給用プレート6wが形成されていることにより、ウェハシート8を放射状に延伸させることで、格子状に配置されている夫々のウェハ供給部品2wの配置位置も放射状に延伸させることができ、いわゆるエキスパンドを行うことが可能となっている。
一方、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tは、上述したウェハ供給用プレート6wと同様な外径形状を有している。これにより、共通のマガジンカセット50に、ウェハ供給用プレート6wとトレイ供給用プレート6tとを混載して収納することが可能となっている。また、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tは、ウェハリング9と略同じ外周形状を有するとともに、略正方形状の内周孔部を有する環状プレートであるトレイリング59と、このトレイリング59の上記内周孔部分に取り付けられて形成され、複数の部品供給トレイ57を着脱可能に載置するトレイ載置部58とを備えている。トレイ載置部58は、トレイリング59の表面よりも一段低くなるように形成されており、部品供給トレイ57が載置された場合に、その部品供給トレイ57に収納されている夫々のトレイ供給部品2tの上面高さ位置が、トレイリング59の表面高さ位置と略同じとなるように形成されている。このように形成されていることで、トレイ供給用プレート6tにおけるトレイ供給部品2tの高さ位置を、ウェハ供給用プレート6wにおけるウェハ供給部品2wの高さ位置と略同じ高さ位置とされている。なお、図5においては、略正方形状の平面形状を有する4つの部品供給トレイ57が2列に配列されて、トレイ載置部58に載置されている。なお、トレイ載置部58がトレイリング59と別に形成されて、トレイリング59の内側に取り付けられるような場合に代えて、トレイ載置部58がトレイリング59と一体的に形成されるような場合であってもよい。また、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tにおけるトレイリング59のプレート取出方向C側の端部近傍位置が、プレート移動装置40によるトレイ供給用プレート6tの保持位置となっており、また、この部分には、トレイ供給用プレート6tを識別するための識別孔56が形成されている。なお、図4のウェハ供給用プレート6wにおいても、当該部分が上記保持位置となっているものの、上記識別のための識別孔56は設けられていない。後述するように、識別孔56の有無の相違により、トレイ供給用プレート6tとウェハ供給用プレート6wとを識別するためである。
さらに、図6に示すように、リフター装置10におけるカセット昇降部51は、その上面にマガジンカセット50を配置させて保持するカセット支持台51aが備えられている。ここでリフター装置10において取り扱われるマガジンカセット50には、複数の種類のサイズのものがあり、例えば、6インチサイズのもの、8インチサイズのもの、又は、12インチサイズのものがある。このような夫々のマガジンカセット50のサイズの相違を検出するために、カセット支持台51aの上面には、夫々の平面的な大きさの相違を検出することでもって、配置されたマガジンカセット50のサイズを検出可能な6インチカセット検出センサ53a、8インチカセット検出センサ53b、及び12インチカセット検出センサ53cが夫々設置されている。
次に、プレート配置装置12の半透過斜視図を図7に示す。図7に示すように、プレート配置装置12は、配置されるプレート6をその外周部近傍における下面側より支持可能であって、かつ、その支持高さ位置が可変する複数の弾性支持部材の一例であるプレート支持部60と、これらのプレート支持部60により支持されたプレート6を、夫々のプレート支持部60の上端との間で挟むように、その上記外周部近傍における上面側より押圧して、このプレート6の支持位置の保持を行うプレート押圧体61と、このプレート押圧体61の昇降動作を行う押圧体昇降部62とを備えている。
また、図7に示すように、プレート押圧体61は、半円状の切り欠き部分を有して、当該切り欠き部分が互いに同一平面状において対向するように配置された対称形状を有する一対の板状体となっている。また、このように上記半円状の切り欠き部分が形成されているため、夫々のプレート押圧体61は、ウェハ供給用プレート6wのウェハリング9の上面のみに、その下面が当接されて押圧することが可能となっており、またトレイ供給用プレート6tのトレイリング59の上面のみに、その下面が当接されて押圧することが可能となっている。また、プレート配置装置12においては、例えば、4本のプレート支持部60が設けられており、夫々のプレート支持部60は、夫々のプレート押圧体61のウェハリング9又はトレイリング59を押圧する部分の下方に配置されている。これにより、夫々のプレート支持部60により、ウェハリング9又はトレイリング59を夫々の下面側において支持することが可能となっている。なお、夫々のプレート支持部60は、その上部に配置されるウェハリング9又はトレイリング59の外周に沿って、大略均等な間隔にて配置されていることが望ましい。また、図7に示すように、プレート配置装置12は、夫々のプレート支持部60が配置されている円周上近傍における図示Y軸方向左側において、その上端側の先端部に、テーパ形状の傾斜端部を有し、当該傾斜端部においてプレート6の端部が当接される別の弾性支持部材の一例であるテーパ支持部65を備えている。
さらに、プレート配置装置12は、ウェハリング9が夫々のプレート支持部60に支持された状態のウェハ供給用プレート6wにおいて、ウェハ7の外周とウェハリング9の内周との間におけるウェハシート8の下面に当接可能な環状の当接部分をその上端に備えるエキスパンド部材63と、このエキスパンド部材63をその上面において固定して支持する配置フレーム64とを備えている。なお、プレート配置装置12においては、2つの押圧体昇降部62が、配置フレーム64に取り付けられて備えられており、図7において、配置フレーム64の図示X軸方向における夫々の側面に取り付けられている。また、夫々の押圧体昇降部62より、夫々のプレート押圧体61の昇降動作が一体的に行われることとなっている。
次に、このような構成のプレート配置装置12にウェハ供給用プレート6wが配置された状態の当該配置部分の拡大断面図を図8に、トレイ供給用プレート6tが配置された状態の当該配置部分の拡大断面図を図9に示す。
まず、図8に示すように、環状形状を有するエキスパンド部材63は、下部に外周方向に向けて形成されたフランジ部63bを備えており、夫々のプレート支持部60及びテーパ支持部65は、このフランジ部63bに昇降可能に取り付けられている。プレート支持部60は、その上部先端にフラット状または緩やかな隆起状の形状を有する支持端部60aを備える軸状の支持ピン60bと、フランジ部63bに対してこの支持ピン60bを常時上方に付勢するように、支持ピン60bの外周に配置された付勢バネ60cとを備えている。なお、この付勢バネ60cによる支持ピン60bの上方への付勢における上限位置は機械的に制限されている。また、図8においては、プレート支持部60は、エキスパンド部材63のフランジ部63bに取付部材66を介して取り付けられており、この取付部材66に形成されているピン孔部66aの内周面に沿って、支持ピン60bの昇降が案内可能となっている。従って、支持端部60aに下方に向けて外力が加えられることにより、付勢バネ60cが縮められて支持ピン60bが、ピン孔部66aの内周面に沿って下降され、上記外力が弱められる若しくは解除されることにより、縮められていた付勢バネ60cが伸ばされて支持ピン60bが、ピン孔部66aの内周面に沿って上昇されることになる。
また、テーパ支持部65も、その上端部分の形状を除いては、夫々のプレート支持部60と同様な考え方に基づく機構を備えており、図7、及び図8に示すように、支持ピン65b、付勢バネ65c、取付部材67、及びピン孔部67aを備えている。また、その上端部分は、テーパ状の形状を有する傾斜端部65aとなっており、この傾斜端部65aの傾斜面にウェハリング9の外周端部が当接されることにより、この角度抵抗を利用して、ウェハリング9の表面沿いの方向における支持位置を保持することが可能となっている。なお、図7、及び図8に示すように、テーパ支持部65には、支持ピン65bの昇降を案内するガイド部65dが備えられている。また、図8に示すように、エキスパンド部材63はその上部に環状の先端部63aが形成されており、この先端部63aがウェハ7の外周部とウェハリング9の内周部との間におけるウェハシート8の下面に当接可能となっている。
このような構成において、夫々のプレート押圧体61の下面と夫々のプレート支持部60との間で挟まれて支持された状態のウェハリング9を、押圧体昇降部62による夫々のプレート押圧体61の下降動作によって下降させることにより、エキスパンド部材63の先端部63aをウェハシート8の下面に当接させながら、当該当接位置を支点として、ウェハリング9の下降とともに、ウェハシート8を放射状に延伸させることができる。これにより、ウェハシート8の上面に貼着されている夫々のウェハ供給部品2wの配置位置も放射状に延伸させられて、いわゆるウェハ7のエキスパンドを行うことができる。なお、図7にしめすように、配置フレーム64の上面おける夫々のプレート押圧体61の下方には、下降される夫々のプレート押圧体61の下面と当接されることにより、その下降の下限位置を規制可能な複数のエキスパンド下限ストッパー68が取り付けられており、このように下限位置が規制されることで、当該エキスパンドにおけるウェハシート8の延伸の範囲を規制可能としている。
次に、図9は上述のような構成を有するプレート配置装置12に、トレイ供給用プレート6tが配置された状態を示している。図9に示すように、夫々のプレート押圧体61と、夫々のプレート支持部60の支持端部60aとの間で、トレイリング59を挟むようにして、トレイ供給用プレート6tが支持されている。また、テーパ支持部65の傾斜端部65aの傾斜面にトレイリング59の外周端部が当接されていることにより、角度抵抗によってトレイリング59のその表面沿いの方向の支持位置が保持されている。また、トレイリング59よりも一段下がった高さ位置に位置されているトレイ載置部58は環状のエキスパンド部材63の内側に配置されている。さらに、このトレイ供給用プレート6tの保持状態において、エキスパンド部材63の先端部63aと、その上方に位置されているトレイリング59の下面との間には、互いに接触しないような隙間が確保されている。これにより、先端部63aがトレイリング59に接触することにより、当該先端部63aが傷付けられることを防止することが可能となっている。また、このような上記隙間の確保は、夫々のプレート押圧体61の下降位置が、他の部材により規制されることにより行なわれている。この規制方法について、図10に示すプレート配置装置12の部分拡大斜視図を用いて説明する。
図10に示すように、プレート配置装置12の配置フレーム64の上面における図示手前の端部近傍には、夫々のプレート押圧体61の上記下降位置を規制する規制部の一例である中間ストッパー駆動部69が備えられている。この中間ストッパー駆動部69は、配置フレーム64の上面における図示左手前側端部近傍に配置された当接部の一例である中間ストッパー69aと、この中間ストッパー69aを当該端部に沿って移動させる当接部移動機構の一例であるストッパー移動部69bとを備えている。なお、このストッパー移動部69bは、例えば、圧縮空気の給排気でもって上下方向に駆動可能なシリンダとそのシリンダに取り付けられて、中間ストッパー69aに当該シリンダの駆動を機械的に伝達するリンク機構とにより構成されている。ここで、この中間ストッパー駆動部69の動作を説明する模式説明図を図11に示す。
図11に示すように、プレート押圧体61の下部に規制ピン61aが設けられている。この規制ピン61aはプレート押圧体61の下降によって、その下端において中間ストッパー69aの上端と当接可能に配置されている。一方、ストッパー移動部69bは、配置フレーム64の上面に沿って、規制ピン61aの下方の位置であり、中間ストッパー69aが規制ピン61aと当接可能な当接位置と、規制ピン61aが下降されても、中間ストッパー69aが規制ピン61aとの当接を退避することができる退避位置との間で、中間ストッパー69aを進退移動させることが可能となっている。従って、中間ストッパー69aを上記退避位置に位置させた状態で、夫々のプレート押圧体61を下降させることにより、図8に示すウェハ供給用プレート6wの状態を成し得、また、中間ストッパー69aを上記当接位置に位置させた状態で、夫々のプレート押圧体61を下降させることにより、中間ストッパー69aと規制ピン61aとを当接させて、夫々のプレート押圧体61の下降位置を規制して、図9に示すトレイ供給用プレート6tの状態を成し得る。すなわち、中間ストッパー69aと規制ピン61aとが当接された状態で、図9に示すように、トレイリング59とエキスパンド部材63の先端部63aとの間に上記隙間が確保されるようになっている。なお、プレート配置装置12において、夫々のプレート押圧体61の下降における下限位置を規制可能に、個別に中間ストッパー駆動部69が夫々に設けられており、夫々の中間ストッパー駆動部69は互いに同期されて駆動される。
次に、プレート移動装置40の斜視図を図14に示す。図14に示すように、プレート6を解除可能に保持する保持部の一例であるチャック部41と、チャック部41がその先端に取り付けられた平面的に略L字形状を有するアーム機構42と、アーム機構42を図示Y軸方向に進退移動させる保持部移動部の一例である移動部44とを備えている。移動部44は、図示Y軸方向に配置されたボールねじ軸部44aと、ボールねじ軸部44aに螺合されたナット部44bと、ボールねじ軸部の一端に固定されて、ボールねじ軸部44aをその軸心回りに回転させることにより、ナット部44bを図示Y軸方向に進退移動させる移動モータ44cとを備えている。また、アーム機構42のチャック部が取り付けられていない側の端部はLMブロック43aに固定されており、LMブロック43aは図示Y軸方向に配置されたLMレール43bに沿って、アーム機構42の移動を案内可能とされているとともに、LMブロック43aがナット部44bに固定されて、ナット部44bとともに移動されることにより、アーム機構42の当該移動が可能となっている。
また、図14に示すように、チャック部41に隣接して、プレート6の端部の形状に基づいて、保持されるプレート6がウェハ供給用プレート6wなのか、又は、トレイ供給用プレート6tなのかを識別するプレート識別部の一例であるプレート識別センサ41bがアーム機構42に取り付けられている。このプレート識別センサ41bは、図4におけるウェハリング9に形成されていなくて、図5におけるトレイリング59に形成されている識別孔56の有無を、透過型センサを用いて識別することでもって、上記プレート6の識別を行っている。また、チャック部41を挟んでプレート識別センサ41bと逆側には、チャック部41がプレート6を保持しているかどうかを検出するプレート有無検出センサ41aがアーム機構42に取り付けられている。このプレート有無検出センサ41aは透過型センサを用いて、ウェハリング9又はトレイリング59の端部によりセンサの光の遮光が検出されるかどうかでもって、上記プレート6の有無を検出している。なお、プレート識別センサ41bの識別結果に基づいて、プレート配置装置12における中間ストッパー駆動部69による中間ストッパー69aの移動位置が決定される。
また、図14に示すように、アーム機構42は、チャック部41を図示X軸方向における揺れを機械的に収束させながら、そのX軸方向における位置のセンタリングを自動的に行うX軸方向センタリング部42aを備えている。なお、このようなセンタリング機構は、図示X軸方向に限定されるものではなく、図示Y軸方向におけるセンタリングが行われるようなものであってもよい。さらに、アーム機構42は、図示Y軸方向奥側にアーム機構42が他の構成部材に干渉(衝突)したことを検出可能な衝突検出センサ42bを備えている。この衝突センサ42bにより上記衝突が検出された場合には、移動部44の移動を停止させて、当該衝突による装置の故障や保持している夫々の電子部品2の破損等の防止を図っている。
(部品供給装置の動作について)
次に、このような構成を有する部品供給装置4におけるマガジンカセット50より夫々のプレート6を取り出して、プレート配置装置12に夫々の電子部品2を取り出し可能に配置させるまでの動作について説明する。
まず、図2において、リフター装置10のカセット昇降部51によりマガジンカセット50を上昇又は下降させて、マガジンカセット50より取り出されるべきプレート6を、プレート移動装置40のチャック部41の高さ位置に位置させる。それとともに、プレート配置装置12において押圧体昇降部62により夫々のプレート押圧体61をその昇降の上限位置に上昇させて停止させる。なお、このとき、メカロックバルブ70のスイッチ部70aが当接バー78により押圧されて、スイッチ部70aが入った状態とされており、保持用の圧縮空気が押圧体昇降部62の夫々のシリンダ部71に供給されて、夫々のプレート押圧体61の昇降位置が上記昇降の上限位置にて保持された状態となっている。
次に、プレート移動装置40における移動部44によりアーム機構44が図2の図示Y軸方向左向きに移動されて、チャック部41がマガジンカセット50内に移動される。その後、マガジンカセット50より取り出されるべきプレート6の外周端部近傍が、チャック部41に隣接して設置されているプレート有無識別検出センサ41aにより検出されると、当該外周部近傍がチャック部41により保持される。それとともに、チャック部41に隣接して設置されているプレート識別センサ41bにより、当該保持されたプレート6が、ウェハ供給用プレート6wであるか、又は、トレイ供給用プレート6tであるかが識別される。その後、移動部44によるアーム機構42の図示Y軸方向右向きの移動が開始されて、上記保持されたプレート6がマガジンカセット50の夫々の溝部50bに沿って移動されて取り出される。
その後、チャック部41により保持されたプレート6が、プレート配置装置12の夫々のプレート押圧体61と夫々のプレート支持部60との間を通過するように移動されて、夫々のプレート支持部60によりプレート6が支持可能となる位置に位置されて停止される。その後、押圧体昇降部62により夫々のプレート押圧体61が下降されて、プレート6の外周部分の上面を下方に押し下げるとともに、上記外周部分の下面を夫々のプレート支持部60の上端に当接させて、夫々のプレート押圧体61と夫々のプレート支持部60にて挟むようにしてプレート6が保持される。それとともに、チャック部41によるプレートの保持が解除されて、移動部44によりアーム機構42が図2の図示Y軸方向右側に移動されて、チャック部41とプレート6との平面的な位置の干渉がなくなる位置にて停止される。
一方、プレート識別センサ41bによるプレート6の種類の識別結果を受けて、中間ストッパー駆動部69により中間ストッパー69aの移動位置が決定される。まず、当該プレート6が、ウェハ供給用プレート6wであるような場合にあっては、中間ストッパー69aが上記退避位置に移動されて、夫々の規制ピン61aと中間ストッパー69aの当接が退避された状態とされる。その後、夫々のプレート押圧体61がさらに下降されて、夫々のプレート支持部60が押し下げられて、エキスパンド部材63の先端部63aを支点として、ウェハシート8の延伸が行われて、エキスパンドが行われる。なお、下降されている夫々のプレート押圧体61は、夫々のエキスパンド下限ストッパー68に当接されてその下降における下限位置が規制され、この状態で夫々のプレート押圧体61の下降が停止される。このような状態において、ウェハ供給用プレート6wより、夫々のウェハ供給部品2wの取り出し供給が可能なり、ウェハシート8の下方より、夫々のウェハ供給部品2wを突き上げて、突き上げられたウェハ供給部品2wを反転ヘッド装置14にて保持して取り出すことにより、夫々のウェハ供給部品2wの取り出しが行われる。
一方、当該プレート6が、トレイ供給用プレート6tであるような場合にあっては、中間ストッパー69aが上記当接位置に移動されて、夫々の規制ピン61aと中間ストッパー69aの当接が可能な状態とされる。その後、夫々のプレート押圧体61がさらに下降されて、夫々のプレート支持部60が押し下げられるが、夫々の規制ピン61と夫々の中間ストッパー69aが当接されて、夫々のプレート押圧体61の下降位置が規制された状態とされる。この状態において、図9に示すように、トレイリング59の下面と、エキスパンド部材63の先端部63aとの間に互いに当接しないような隙間が確保された状態とされる。また、このような状態とされると、夫々のプレート押圧体61の下降が停止されて、トレイ供給用プレート6tより、夫々のトレイ供給部品2tが取り出し可能な状態となる。このような状態において、反転ヘッド装置14により、トレイ載置部58に載置された夫々の部品供給トレイ57より夫々のトレイ供給部品2tの保持による取り出しが行われる。
なお、上述のようにウェハ供給用プレート6w又はトレイ供給用プレート6tより夫々の電子部品2の取り出しが行われた後、夫々のプレート6が上述の手順の逆を追って、プレート移動装置40によりマガジンカセット50に移動されて収納される。
(マガジンカセットの詳細な構造について)
次に、このようなる部品供給装置4において、夫々のプレート6を段積みして収容するマガジンカセット50の構成における更なる工夫について、以下に説明する。
このようなマガジンカセット50においては、上述に説明したように、複数のプレート6(ウェハ供給用プレート6w又はトレイ供給用プレート6t)が、対の組を形成する夫々の溝部50bにより支持されて、略水平な支持姿勢を保たれながら、取り出し可能に収容されることとなる。一方、このようなマガジンカセット50においては、プレート6の収容効率を高めて、効率的な部品供給の達成を図るため、夫々の側壁部50aにおける夫々の溝部50bの形成間隔ピッチは可能な限り狭小化されている。このように夫々の溝部50bの形成間隔ピッチが単に狭小化されるだけでは、マガジンカセット50への夫々のプレート6の収容作業の際に、作業者によるプレート6の収容作業ミス、例えば、対の組以外の夫々の溝部50bにより収容されたプレート6を支持させる(いわゆる、斜め入れ状態)場合が生じ得、さらに、このような場合であっても、当該支持姿勢が上記斜め入れ状態であることを、作業者が認識することが困難であるという問題が生じ得る。このような問題の発生を防止する工夫について、以下に説明する。
まず、図2及び図3に示すように、マガジンカセット50においては、その内部と外部とのアクセス可能な部分として、プレート取出方向C沿いの夫々の方向に、開口部が形成されている。具体的には、マガジンカセット50において、プレート取出方向Cの前向き側には(すなわち、プレート配置装置12側には)、収容されている夫々のプレート6が、部品供給のために取り出され、さらにその後収容するためにアクセスされるプレート供給用開口部111が形成されており、また、プレート取出方向Cの後向き側には、作業者等による夫々のプレート6の収容、あるいは部品供給済みのプレート6の交換のためにアクセスされるプレート交換用開口部112が形成されている。また、プレート供給用開口部111及びプレート交換用開口部112は、プレート取出方向C沿いにおける夫々の側壁部50aの端部間に形成されており、また、夫々の側壁部50aにおいては、夫々の溝部50bが夫々の端部の近傍にまで延在するように形成されている。
ここで、マガジンカセット50をプレート交換用開口部112より見た状態を示す模式図を図13に示す。図13に示すように、マガジンカセット50のプレート交換用開口部112における夫々の側壁部50aの端面113には、互いに対の組を形成する夫々の溝部50bを、他の溝部50bと視覚的に識別可能な複数の識別マーク部114が形成されている。
具体的には、上記対の組を形成する夫々の溝部50bのすぐ近傍における夫々の側壁部50aの端面113に、例えば、切削加工により孔が形成されることで、夫々の識別マーク部114が形成されている。また、夫々の溝部50bにおいては、1段置きに識別マーク部114が形成されており、このように1段置きに形成することで、対の組を形成する夫々の溝部50bを、その1つ上の段の組及びその1つ下の段の組を形成する夫々の溝部50bと明確に区別することが可能となっている。なお、図13に示す模式図を具体的にしたマガジンカセット50のプレート交換用開口部112における部分的な側面図を図20A及び図20Bに示す。
このように、マガジンカセット50において、作業者により夫々のプレート6の収容作業及び交換作業が行なわれるプレート交換用開口部112における夫々の側壁部50aの端面に、夫々の識別マーク部114が形成されていることで、当該作業の際に、作業者が容易に夫々の識別マーク部114を視認することができ、当該視認により、対の組を形成する夫々の溝部50bをその1つ上下の段の組を形成する夫々の識別マーク部114と明確に区別することができる。従って、図13に示すように、マガジンカセット50において、プレート6を略水平な支持姿勢にて確実に収容することができる。
また、作業者が、マガジンカセット50へのプレート6の収容の際に夫々の識別マーク部114を視認しなかったような場合であって、図14に示すように、プレート6が斜め入れ状態にて収容されたような場合が生じても、当該収容後に作業者が夫々の識別マーク部114と収容されたプレート6とを視認することで、当該斜め入れ状態の支持姿勢を容易かつ迅速に認識することができる。このような状態が認識されることで、マガジンカセット50にて収容されている夫々のプレート6の供給が開始される前に、プレート6の支持姿勢を修正することができ、確実な部品供給を実現することができる。
なお、夫々の識別マーク部114は、夫々の溝部50bの組について、1段置きに形成されているが、全ての段について形成する場合には、夫々の識別マーク部114の識別機能を担保するためには、個別にその形状等を異ならせる必要があるからである。また、2段以上置きに形成する場合と比して、1段置きに形成する場合の方が、より高い識別機能を有していると考えられるが、夫々の識別マーク部114の設置間隔については、夫々の溝部50bの設置間隔ピッチを考慮して決定することが好ましい。
また、このような夫々の識別マーク部114を、側壁部50aの端面113に穴あけ加工により形状的なマークとして形成することにより、例えば、識別番号を表示したシール等を端面113に貼り付けるような場合と比べて、その形成作業をより簡単なものとすることができる。
なお、このような夫々の識別マーク部114の形態は、図15に示すように、側壁部50aの端面114に穴あけ加工により形成される場合にのみ限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、図17に示すように、側壁部50aの外周面に、溝状の複数の識別マーク部124が形成されるような場合であってもよい。このように溝状に形成されるような場合にあっては、例えば、押し出し成形により形成することができ、側壁部50aと一体的に形成することができるため、夫々の識別マーク部124を形成するために付加的な作業を要することがなく、効率的に夫々の識別マーク部124を形成することができる。
また、図19に示すように、夫々の側壁部50aの側面に穴あけ加工することにより、夫々の識別マーク部134が形成することもできる。
また、図16に示すように、夫々のプレート6と接触される夫々の溝部50bは、当該接触による切粉の発生を低減することが可能なように、例えば樹脂にて一体的に形成し、側壁部50a自体はアルミニウムにて形成することもできる。なお、このような形成材料の選定は、図18や図19に示すマガジンカセットにも適用することができる。
(実施形態による効果)
上記第1実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、夫々のプレート6を収容するマガジンカセット50において、作業者による作業側の開口部であるプレート交換用開口部112の周囲に位置される夫々の側壁部50aの端面113に、対の組を形成する夫々の溝部50bを、その上段及び下段の溝部50bと視覚的に識別可能な識別マーク部114が形成されていることにより、作業者によるマガジンカセット50へのプレート6の収容作業の際に、斜め入れ状態の支持姿勢にて収容されることに対して、注意を喚起することができ、夫々のプレート6を正常な支持姿勢にて収容することができる。
このように夫々のプレート6が正常な支持姿勢にて収容されることは、その後に行なわれるマガジンカセット50からのプレート6の取り出し動作を円滑かつ確実に行なうことができ、効率的かつ確実な部品供給を実現することができる。さらに、斜め入れ状態の支持姿勢のままで上記取り出しが行なわれるような場合にあっては、接触する夫々の溝部50bとプレート6の端部との接触抵抗が増大することによって、切粉が発生することとなるが、夫々のプレート6が略水平な支持姿勢にて収容されていることで、このような問題の発生を防止することができ、より高精度かつ確実な部品実装のための部品供給を実現することができる。
また、夫々の識別マーク部114、124、及び134が、シールや塗装等の模様によるものではなく、形状加工による形状的なマーク部であることにより、これらの識別マーク部114等の形成作業をより簡単なものとすることができる。
また、このようなマガジンカセット50を用いて部品供給が行なわれる部品供給装置4のプレート配置装置12における夫々のプレート押圧体61の下降位置を中間ストッパー駆動部69により選択的に規制することができるため、プレート配置装置12に配置されるプレート6の種類に応じて、上記下降位置の規制を行うことにより、トレイ供給用プレート6tの保持を確実に行うことができ、また、上記下降位置の規制を解除することにより、ウェハ供給用プレート6wを確実に保持しながら、ウェハシート8の延伸を行ってエキスパンドを行うことができる。従って、配置供給されるプレート6の種類に応じて、適切な保持動作やエキスパンド動作を選択的にかつ自動的に行うことができ、部品供給を効率的に行うことを可能とすることができる。
また、上記プレート6の種類の識別は、マガジンカセット50に混載されている夫々のプレート6をプレート移動装置40により取り出す際に、プレート6の端部を把持するチャック部41に隣接して備えられているプレート識別センサ41bを用いて行うことができる。具体的には、プレート6の端部に、トレイ供給用プレート6tの場合にのみ識別孔56を設けて、当該識別孔56の有無をプレート識別センサ41bにより識別することにより、上記プレート6の種類の識別行うことができる。また、この識別結果に基づいて中間ストッパー駆動部69による中間ストッパー69aの移動位置を決定することにより、夫々のプレート押圧体61の下降位置の規制を選択的に行うことができる。
また、ウェハ供給用プレート6wのウェハシート8に当接されることによりエキスパンドを行うエキスパンド部材63の先端部63aが、トレイ供給用プレート6tの下面に接触しないように、上記夫々のプレート押圧体61の下降位置が規制されているため、エキスパンド部材63の先端部を傷付けることを防止することができる。
また、プレート配置装置12においては、その支持高さ位置が可変可能とされた複数のプレート支持部60が備えられていることにより、夫々のプレート6の外周部近傍において夫々のプレート6を支持することができるとともに、夫々のプレート押圧体61の昇降動作に合わせて、上記支持を行いながらその支持高さ位置を自由に可変することができ、上述の効果を達成することが可能となっている。
また、その先端に傾斜端部65aを有するテーパ支持部65が備えられていることにより、この傾斜端部65aにプレート6の端部を当接させて、角度抵抗によりプレート6の表面沿いの方向の支持位置の保持を行うことができ、確実かつ正確な保持が可能となる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる部品供給装置について、以下に説明する。なお、本第2実施形態の部品供給装置は、上記第1実施形態の部品供給装置4と、以下に示す部分的な構成が異なるもののその基本的な構成は共通しているため、以降の説明の理解を容易なものとすることを目的として、上記第1実施形態の部品供給装置4と同様な構成部分には、同じ参照番号を付している。
図21に示す部品供給装置204において、リフター装置10には、複数の上記ウェハ供給用プレート及び複数の上記トレイ供給用プレートを混載して収納するマガジンカセット250が備えられている。このマガジンカセット250は、上記第1実施形態と同様に、プレート取出方向Cと直交する方向において、互いに対向するように側壁部250aが夫々設けられており、夫々の互いに対向する側面において、プレート取出方向Cに沿って、複数の溝部250bが形成されている。また、夫々のプレートは、その互いに対向する両端部において、夫々の側壁部250aの互いに対向して配置された夫々の組の溝部250bと係合して支持されることにより、マガジンカセット250に保持されて収納されており、これら夫々の溝部250bが、支持ガイド部の一例となっている。なお、夫々の側壁部250aにおいて夫々の溝部250bは一定の間隔ピッチでもって形成されており、夫々の溝部250bに係合されて保持された状態で、夫々のプレートはその表面が略水平な状態とされている。さらに、夫々のプレートは、上記互いに対向する組の溝部50bの形成方向に沿って案内されながら、プレート取出方向C沿いに進退移動(すなわち、スライド移動)可能な状態とされている。
また、ここで、このマガジンカセット250の側壁部250aの部分断面図を図22に示す。図22に示すように、側壁部250aは、金属材料であるアルミニウム製のプレート250cに、熱可塑性樹脂であるジュラコン(登録商標、DURACON:POM:ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene))を用いて一体的に形成された夫々の溝部250bが固定された構造を有している。このジュラコンは、トレイリング59やウェハリング9の形成材料であるステンレス材料(例えば、JIS規格:SUS304)よりもその表面硬度が低く、軟らかい材料であるという特徴を有しているため、夫々の溝部250bとプレート6とが、互いに夫々の接触表面において接触されるような場合であっても、当該接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることができる。また。熱可塑性樹脂材料が用いられていることにより、複数の凹凸部が連続するような構造の夫々の溝部250bを容易に形成することが可能となる。なお、このような夫々の溝部250bとトレイリング59等の形成材料の組み合わせは、上記組み合わせに限定されるものではない。トレイリング59の形成材料に対して、夫々の溝部250bの形成材料の硬度が低ければよく、このような条件のもとにおいてその他様々な組み合わせを採用することが可能である。
また、このような溝部250bにおけるトレイリング59やウェハリング9と接触される表面に、例えば、タフラムメッキ処理を施すことで、トレイリング59やウェハリング9との接触部分における摩擦をさらに低減することができ、これらの摺動性を向上させることができる。
また、このような夫々の溝部250bのさらに詳細な構造を示す一の溝部250bの側面図を図23Aに示し、その正面図を図23Bに示す。なお、夫々の溝部250bは一体的に形成されているものの、以下における溝部250bの構造の説明の理解を容易なものとするために、図23A及び図23Bにおいては、その上記一の溝部250bを切り出して表示した図としている。
図23Aに示すように、溝部250bにおけるプレート取出方向C側の端部、すなわち、夫々のプレート6の挿入端部250dには、プレート取出方向Cに対して、僅かに傾斜された面である傾斜面(滑面部の一例である)が形成されている。また、図23Bに示すように、この傾斜面は、プレート取出方向Cに対して、プレート6の大略表面に直交する方向である図示下向きに傾斜された下部側傾斜面250eと、プレート6の大略表面沿いの方向である図示左向きに傾斜された側部側傾斜面250fとにより構成されている。
このように夫々の溝部250bの挿入端部250dにおいて、下部側傾斜面250e及び側部側傾斜面250fが形成されていることにより、図示プレート取出方向Cと逆向きに、プレート6を挿入するような場合であっても、プレート6の端部と、このプレート6を支持案内する夫々の溝部250bの挿入端部250dとの接触による摩擦を軽減することができ、滑らかなプレート6の挿入を実現することができる。また、このプレート6の挿入の際に、プレート取出方向Cと直交する方向において、夫々の溝部250bによるプレート6の支持位置と、夫々の溝部250bへのプレート6の挿入位置との間に位置ズレが生じているような場合であっても、下部側傾斜面250eと側部側傾斜面250fとによりプレート6を案内しながら挿入して、上記位置ズレを補正することができるという効果もある。
次に、図24に、トレイ供給プレート6tの外観斜視図を示す。図24に示すトレイ供給プレート6tのトレイリング59のプレート取出方向C沿いの互いに対向する端部(直線的に形成された端部)と部分円弧状の端部との4箇所の連結部分(R)においては、その下面端部の角部分が削り取られて滑らかな曲線により構成される滑面部59aとされている。このような夫々の連結部分Rは、マガジンカセット250の夫々の組の溝部250bとの接触部分であるため、図25に示すように、夫々の溝部250bに支持された状態で、プレート取出方向Cに沿って、トレイ供給プレート6tが進退移動されるような場合であっても、夫々の滑面部59aと溝部250bとの間の摩擦力を低減することができる。従って、マガジンカセット250に対する夫々のトレイ供給プレート6tの挿入又は取出しの際に、トレイ供給プレート6tと夫々の溝部250bとの接触磨耗による切粉等の発生量を低減することができる。なお、このようなトレイ供給プレート6tにおける滑面部59aの形成は、その重量が、ウェハ供給プレート6wに比して重いという特徴を有するトレイ供給プレート6tに適用することが有効であるが、ウェハ供給プレート6wに対しても夫々の滑面部を形成し、更なる切粉の発生量を低減させるような場合であってもよい。
また、マガジンカセット250の夫々の溝部250bにおいて、図26に示すように、夫々のプレート6を支持するとともに、そのプレート取出方向C沿いの移動を案内する回転部材の一例である複数のローラ部250gが備えられているような場合であってもよい。このような夫々のローラ部250gが備えられていることにより、夫々のプレート6と溝部250bとの間の接触による摩擦力を著しく低減することができ、上記接触による切粉等の発生を抑制することができる。なお、図27に示すように、このような夫々のローラ部261aは、夫々のプレート6が挿入配置されるプレート配置装置212のプレート押圧体261の下面において、夫々のプレート6を支持するように備えられるような場合であってもよい。このような場合にあっては、マガジンカセット250だけでなく、プレート配置装置212においても、夫々のプレート6の接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることが可能となる。
ここで、マガジンカセット250の側壁部250aにおいて、アルミニウム製のプレート250cに、熱可塑性樹脂であるジュラコンを用いて夫々の溝部250bが形成され、トレイリング59やウェハリング9がステンレス材料により形成されているような場合に代えて、その他の材料により形成される場合について説明する。
上述のように、夫々の溝部250bを樹脂で形成することにより、夫々のプレート6との接触による切粉等の発生量を低減させることができるが、部品実装の現場においては、マガジンカセット250の汎用性を考慮して、マガジンカセット250をできるだけ標準仕様としたいという要望も多い。このような場合にあっては、逆に、マガジンカセット250における夫々の溝部250bの形成材料よりも、夫々のプレート6の形成材料を表面硬度が低くなるように、上記夫々の形成材料の選定を行なうことで、上記効果と同様な効果を得ることができる。
具体的には、図28のプレート、例えば、トレイ供給プレート306tの外観斜視図に示すように、トレイリング359のプレート取出方向C沿いの互いに対向する端部359bを、樹脂、例えばPEEK樹脂にて形成する。また、図28におけるプレート取出方向Cから見たマガジンカセットの夫々の溝部350bに支持された状態のトレイ供給プレート306tの側面図(一部断面含む)に示すように、夫々の溝部350bは、アルミニウムで形成されている。また、図29に示すように、トレイリング359の本体部359aは、例えば、アルミニウム板で形成されており、この本体部359aにおける夫々の端部が折り曲げられて段部359cが形成され、夫々の段部359cにPEEK樹脂にて形成された板が例えばネジ止めにて取り付けられることにより、夫々の端部359bが形成されている。
このようにトレイリング359の端部359b及びマガジンカセットの夫々の溝部350bが構成されることにより、汎用性が求められるマガジンカセットを特殊な仕様とすることなく、互いの接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることができる。なお、トレイリング359の端部359bの表面、あるいは、マガジンカセットの夫々の溝部350bの表面において、簡易的な表面処理を施すような場合であってもよい。
上記第2実施形態によれば、ウェハ供給プレート6wよりも、その重量が重いという特徴を有するトレイ供給プレート6tを、マガジンカセット250に挿入して収納させる場合、あるいはマガジンカセット250から取出すような場合であっても、夫々の溝部250bとプレート6とが接触移動されても、その摺動磨耗による切粉の発生量を著しく低減させることができる。
また、トレイ供給プレート6tは、ウェハ供給プレート6wと異なり、多数の種類の部品を1枚のトレイ供給プレート6tに混載して収納可能な構成とされているため、ある種類の部品の取出しが完了する度に、当該トレイ供給プレート6tをマガジンカセット250に収納し、その後、収納されたトレイ供給プレート6tから異なる部品を取り出す場合には、マガジンカセット250から再び取り出すというように、マガジンカセット250に対する出し入れの頻度が多いという特徴も備えている。このように出し入れの頻度が多いような場合であっても、上記切粉の発生抑制対策が施されているため、当該切粉発生による駆動トラブルの発生やメンテナンス性の低下等の併発を防止することができ、ウェハ供給プレート6wとトレイ供給プレート6tとが混載された部品供給装置において、メンテナンス性の向上を図り、効率的な部品供給を実現することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる部品供給装置について、以下に説明する。本第3実施形態の部品供給装置は、上記第1実施形態の部品供給装置4と、以下に示す部分的な構成が異なるものの、その基本的な構成は共通しているため、以降の説明の理解を容易なものとすることを目的として、上記第1実施形態の部品供給装置4と同様な構成部分には、同じ参照番号を付している。
本第3実施形態にかかる部品供給装置が備えるマガジンカセット450をプレート取出方向Cを正面側として、当該正面側より見たマガジンカセット450の模式説明図を図30に示す。
図30に示すように、マガジンカセット450における夫々の側壁部450aの内側には、互いに対向して配置された多数の溝部450bが形成されており、互いに対向する夫々の組の溝部450bにプレート6の夫々の端部が支持されることで、略水平な姿勢を保ちながら当該プレート6を収容することが可能となっている。さらに、マガジンカセット450における図示奥側にも奥側壁部450cが設けられており、この奥側壁部450cには、プレート6の端部と係合されることにより、プレート6の水平姿勢と、プレート取出方向Cに対する水平方向の姿勢とを正常な姿勢に保つことを可能とする姿勢ガイド部490が備えられている。
さらに具体的に説明すると、上記第1実施形態においては詳細には説明しなかったが、図5に示すように、トレイ供給プレート6tにおけるプレート取出方向Cと逆側の端部(すなわち、トレイリング59の端部)の下面には、姿勢ガイド部490と係合可能な姿勢ガイドブロック59aが形成されている。
ここで、このトレイ供給プレート6tに備えられた姿勢ガイドブロック59aと、マガジンカセット450の奥側壁部450cに備えられた姿勢ガイド部490との互いの係合状態の拡大平面図を図32に示す。また、マガジンカセット450における図30と同じ向きの詳細な正面図を図33に示し、図33のマガジンカセット450におけるV−V矢視断面図を図34に示す。
図33及び図34に示すように、マガジンカセット450の奥側壁面450cの略中央付近には、夫々の溝部450bの形成間隔ピッチと同じ間隔ピッチにて、複数の姿勢ガイド部490が、上下方向に一列に配列されて備えられている。また、図32に示すように、姿勢ガイド部490は、折り曲げられた状態の2つのピン状部材491が、互いに対向しかつ所定の間隔が保たれるように、例えば、奥側壁面450cにネジ止め等により取り付けられることにより形成されている。また、上記夫々のピン状部材491の上記所定の間隔は、奥側壁部450cの近傍において、トレイ供給プレート6tの姿勢ガイドブロック59aの形成幅と略同じ寸法とされており、奥側壁部450cから離れるに従って、上記間隔が広くなるように形成されている。
このようにマガジンカセット450において夫々の姿勢ガイド部490が備えられ、夫々のトレイ供給プレート6tに姿勢ガイドブロック59aが備えられていることにより、マガジンカセット450の互いに対向する組の溝部450bに、その互いに対向する端部が支持された状態のトレイ供給プレート6tを、さらに、図32に示すように、姿勢ガイドブロック59aと姿勢ガイド部490とを係合させることで、トレイ供給プレート6tをプレート取出方向Cに対して水平方向に正常な姿勢に保つことができ、さらに、夫々の溝部450bによる支持姿勢を水平な姿勢に保つことができる。特に、姿勢ガイド部490における夫々のピン状部材491の間隔が、図32に示すようにテーパ状に形成されていることにより、姿勢ガイドブロック59aと姿勢ガイド部490との係合を容易なものとすることができるとともに、プレート取出方向Cに対して水平方向に傾斜されたトレイ供給プレート6tの姿勢を、この係合過程において補正しながら係合することが可能となる。なお、このようにマガジンカセット450において、トレイ供給用プレート6tの支持姿勢の傾斜を検出可能な姿勢ガイド490が備えられているような場合にあっては、マガジンカセット450に識別マーク部が備えられていないような場合であってもよい。
このようにマガジンカセット450に収容された夫々のプレート6の支持姿勢が正常な状態に保たれていることにより、図31の模式図に示すように、マガジンカセット450よりの夫々のプレート6の取出しを円滑に行なうことができ、トレイ供給プレート6tからの部品2の飛び出しが発生することも防止することができる。従って、マガジンカセット450に収容されている夫々のプレート6へのランダムアクセスを効率的に行なうことができ、効率的な部品供給を実現することができる。
なお、上記説明においては、プレート6がトレイ供給プレート6tである場合について代表して説明したが、ウェハ供給プレート6wについても同様な構成を採ることができる。
また、このようなウェハ供給プレート6wやトレイ供給プレート6tが収容されるマガジンカセット450においては、マガジンカセット450の帯電による夫々の部品2への影響が懸念されることが考えられる。例えば、その帯電量は、通常400V〜600V程度となる。また、図40に示すように、マガジンカセット450の底部には、マガジンカセット450と基台52とを連結(固定)するための連結ブロック471(固定部の一例である)が、例えば3個備えられている。このような帯電による部品への影響を防止するために、例えば、3個の連結ブロック471のうちの少なくとも1つの連結ブロック471を、導電性材料にて形成することで、接地端子部としての機能を備えさせてマガジンカセット450を接地することができ、その帯電量を数V程度、例えば2V程度にまで低減することができる。
上記説明においては、マガジンカセット450の奥側壁面450cに、姿勢ガイド部490が形成されるような場合について説明したが、本第3実施形態はこのような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、上述の姿勢ガイド部490の装備による効果を得ながら、さらに作業性を改善することができるマガジンカセットについて、本第3実施形態の変形例として以下に説明する。
多数のプレート6を収容するマガジンカセットが用いられる部品供給装置や部品実装装置においては、マガジンカセット内に収容されている夫々のプレート6の交換や補給作業等を行なうことが必要となる。従って、効率的な部品実装や部品供給にあっては、このようなマガジンカセットに対するプレート6の交換作業における作業性を良好なものとすることが求められる。
しかしながら、図35の模式図に示すような従来のマガジンカセット500においては、マガジンカセット500のプレート取出方向Cから見て、奥側壁面500cがマガジンカセット500の本体に固定されており、夫々のプレート6の交換等のためには、マガジンカセット500をカセット昇降部51により所定の場所に位置させて、基台52よりマガジンカセット500を取り外して、マガジンカセット500におけるプレート取出方向C側の開口部より夫々のプレート6の交換作業等を行なう必要がある。また、このようなマガジンカセットは、その重量も総じて大きなものとなり、例えば、20〜30kg程度の重量となるため、このような作業者によるマガジンカセット500の脱着作業は、作業効率の向上を阻害する要因となる。また、マガジンカセット500を取り外すことは、部品供給装置の稼動を停止させることにもなり、このような観点からも、作業効率の向上が望まれている。本変形例は、このようなランダムアクセスにおける諸問題を解決して、さらなる作業効率の向上を実現することを目的としている。
まず、本変形例にかかるマガジンカセット550の模式的な斜視図を図36に示し、さらに、このマガジンカセット550の断面図的な模式説明図を図37に示す。
図36及び図37に示すように、マガジンカセット550においては、プレート取出方向Cに対して奥側壁面が、開閉可能な扉部の一例である開閉カバー部550cとなっている点において、上記第3実施形態のマガジンカセット450と異なる構成を有している。また、この開閉カバー部550cの内側には、上記マガジンカセット450の奥側壁面450cと同様に、夫々のプレート6の支持姿勢を正常な姿勢に保つための姿勢ガイド部590が備えられている。
このように開閉カバー部550cが設けられていることにより、マガジンカセット550を基台52から取り外すことなく、開閉カバー部550cを開放させることで、夫々のプレート6の交換作業を行なうことが可能となる。従って、このような交換作業における作業性を著しく向上させることができる。また、開閉カバー部550cに夫々の姿勢ガイド部590が備えられていることにより、マガジンカセット550内に夫々のプレート6を収容した後、開閉カバー部550cを閉止することで、夫々のプレート6の姿勢ガイドブロックと開閉カバー部550cの姿勢ガイド部590とを係合させることができ、当該係合により夫々のプレート6の姿勢を正常に保つことができる。なお、このような開閉カバー部550cが開放されることにより現れる開口部がプレート交換用開口部となっている。
また、マガジンカセット550内にプレート6が水平状態ではなく傾斜された姿勢で収容された場合には、姿勢ガイドブロックと姿勢ガイド部590とが互いに係合することができず、開閉カバー部550cを完全に閉止することができないこととなる。このような特徴を利用して、作業者がマガジンカセット550において、夫々のプレート6の交換作業を終えた後、開閉カバー部550cを閉止する際に、完全に閉止されたかどうかを確認することにより、夫々のプレート6が正常な姿勢で収容されたかどうかを判断することが可能となる。
なお、このように作業者が目視で開閉カバー部550cの開閉状態を確認するような場合に代えて、開閉カバー部550cに開閉状態を検出可能な開閉検出センサ580を備えさせるような場合であってもよい。例えば、図36及び図37に示すように、開閉カバー部550cに開閉検出センサ580の被検出部580aを備えさせ、開閉カバー部550cが閉止した際に、この被検出部580aを検出可能に、マガジンカセット550の本体側に検出部580bを備えさせるようにすることができる。
このように制御的に開閉を検出することで、作業者の視認ミス等を防止することができ、確実な検出を行なうことができるとともに、例えば、この開閉検出センサ580による開閉カバー部550cの閉止を検出して初めて、部品供給装置を稼動させるというインターロック回路を設けることもできる。
また、図37に示すように、カセット昇降部51によりマガジンカセット550が収納されている夫々のプレート6を交換可能な位置、例えば原点位置に位置された状態において、プレート移動装置40によりマガジンカセット550との間でプレート6の出し入れが可能なプレート収容部570が、マガジンカセット550の下部に設けられている。このプレート収容部570には、例えば、1枚のプレート6のみが収容可能となっており、上記原点位置に位置された状態のマガジンカセット550に対して、夫々のプレート6の交換作業中であっても、プレート収容部570に収容されたプレート6を、プレート移動装置40により取出して、部品2の供給を行なうこと、及び、部品2の供給が行われたプレート6をプレート収容部570に収容させることが可能となっている。
このようなプレート収容部570がマガジンカセット550に備えられていることにより、マガジンカセット550の収容されている夫々のプレート6の交換作業を行なっている間であっても、プレート収容部570に収容されたプレート6を用いて、部品供給を継続して行なうことができ、効率的な部品供給を行なうことができる。
また、図38A、図38Bは、マガジンカセット550の本体部における開閉カバー部550cの開口端部における夫々の側壁部550aの部分拡大図(左側、右側)であるが、これらに示すように、マガジンカセット550の内部に備えられている夫々の溝部550bにおける互いに対向する組ごとに、例えば識別マーク部の一例として段番号を表示することもできる。このような場合にあっては、マガジンカセット550内に作業者が夫々のプレート6を収容する場合に、左右の溝部550bの段数を間違うことを防止することができる。
上述のような夫々の構成を利用したマガジンカセット550内に収容されている夫々のプレート6の交換作業を、プレート交換作業工程(あるいは部品供給作業工程)として、図39のフローチャートにその手順を示す。
図39に示すように、ステップS1にて、プレート交換作業を開始する。この作業開始は、例えば交換作業モードとして、部品実装装置が備える制御装置等を操作することにより行なうことができる。次に、ステップS2にて、マガジンカセット550が、カセット昇降部51により昇降されて、上記原点位置に位置される。
その後、ステップS3において、マガジンカセット550の開閉カバー部550cを開放して、夫々のプレート6の交換作業を行なう。このとき、プレート配置装置12において、部品供給中のプレート6があるような場合であって、当該部品供給が完了した場合には、このプレート6は、プレート移動装置40によりプレート収容部570に収容させることができる(ステップS4)。
夫々のプレート6の交換作業が完了すると、ステップS5において、夫々のプレート6が収容された段番号の確認を行なって、斜め姿勢にて収容されていないことを確認する。その後、開閉カバー部550cを閉止し、この閉止を確認することで、夫々のプレート6が正常な姿勢で収容されたことを確認することができる。なお、この閉止の確認は、上述したように開閉検出センサ580でもって行なうこともできる。これにより、プレート交換作業が完了する(ステップS7)。
このような手順にて上記プレート交換作業を行なうことにより、部品供給装置による部品供給作業を中断させることなく、上記夫々のプレートの交換を、円滑かつ効率的に行なうことができ、より効率的な部品供給を行なうことができる。
なお、上述のマガジンカセット550においては、対の組を形成する夫々の溝部550bを識別するために段落番号の表示を行なう場合について説明したが、このような場合に代えて、図41に示すマガジンカセット650にように、上記第1実施形態のマガジンカセット50にて用いられた夫々の識別マーク部134が用いられるような場合であってもよい。このような構成の選択は、夫々の識別マーク部の形成作業にようする手間等を考慮して決定することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2004年5月13日に出願された日本国特許出願No.2004−142984号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明は、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートを、複数段に段積みして収容可能であって、上記収容された部品供給用プレートをその表面沿いの方向であるプレート供給方向に移動させることで、上記配置された夫々の部品を供給可能に当該部品供給用プレートが取り出される部品供給用プレート収容体(あるいはプレート収容ユニット)及び部品供給装置に関する。
従来、この種の部品供給用プレート収容体は、例えば、マガジンカセットと呼ばれて、部品実装のための部品の供給を行なう部品供給装置において用いられている。このようなマガジンカセットには、基板に実装される部品のうちの複数のウェハ供給部品が配置されたウェハを載置するウェハ供給用プレート、又は、複数のトレイ供給部品が配置された部品供給トレイを載置するトレイ供給用プレートのうちのいずれか一方が選択的に収容される。さらに、このように夫々のプレートが収容された状態のマガジンカセットが、部品供給装置に装備されることで、当該部品供給装置において、当該マガジンカセットから、上記ウェハ供給用プレート又は上記トレイ供給用プレートが取り出され、上記夫々のウェハ供給部品又は上記トレイ供給部品の部品実装のための供給が行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなマガジンカセットにおいては、略水平な支持姿勢を保ちながら夫々のプレートの互いに対向する夫々の端部を支持するとともに、当該支持された状態の上記夫々のプレートをスライド移動可能とさせる一対の複数の組の支持ガイド部の一例である夫々の溝部が形成されている。このようにマガジンカセットにおいて、夫々の溝部が形成されていることにより、多数のプレートを上下方向に段積みして効率的に収容しながら、選択されたプレートを、上記夫々の溝部に沿ってスライド移動させることで、当該マガジンカセットから当該選択されたプレートを取り出すことが可能となっている。
近年、部品実装における生産性の効率化がより強く求められつつあり、部品供給の効率化のために、マガジンカセットにおける夫々のプレートの薄型化や夫々の溝部の設置間隔の狭小化が図られ、1台のマガジンカセットに段積み収容されるプレートの枚数の増大化が図られている。
さらに、このような部品実装においては、上記生産性の効率化を図りながら、微小化された部品を基板に高精度に実装することも求められ、このような要求に応えるために、マガジンカセットからの確実なプレートの供給、すなわち、確実な部品供給の実施が求められている。
しかしながら、このような部品供給装置にて、マガジンカセットよりプレートを保持して取り出す際においては、例えば、プレートが大略円盤状の形状を有していることにより、図42の模式図に示すように、マガジンカセット750内において、プレート706が、プレート取出方向Cに対して傾斜した姿勢で収容されている場合があり、このような場合にあっては、プレート706の周部とマガジンカセット750の溝部750bとの接触(あるいは衝突)が発生し、プレート706のガタツキが発生する場合がある。
特に、プレート706が、その上面に複数のトレイ供給部品を載置するようなトレイ供給プレートであるような場合にあっては、上記ガタツキの発生により、上記載置されている夫々のトレイ供給部品がトレイ供給プレートから飛び散る場合があり、このような場合にあっては確実な部品供給が阻害されて、効率的な部品供給を行なうことができないという問題がある。また、作業者において、マガジンカセット750への夫々のプレート706の収容の際に、夫々のプレート706の上記姿勢を確認すれば、このような問題の発生の可能性を低減することも可能と考えられるものの、上記確認のために作業時間を必要とすることは、夫々のプレート706の収容に要する時間を増大させることとなり、却って部品供給の効率化を阻害することになってしまう。
また、マガジンカセット750において、夫々の溝部750bの間隔の狭ピッチ化は、作業者によるマガジンカセット750への夫々のプレート706の収容の際に、図43の模式説明図に示すように、互いに対向する対の組の溝部750bへのプレート706の支持収容を困難なものとし、マガジンカセット750において、プレート706を水平な支持姿勢で収容させることが困難(すなわち、斜め入れ状態)となる場合がある。このような場合にあっては、マガジンカセット750よりの当該プレート706の取出し作業に障害が生じることとなり、確実かつ効率的な部品供給が阻害されることとなる。
また、上述のようにマガジンカセット750において、プレート706が傾斜された支持姿勢にて収容され、当該状態にてプレート706の取り出しが行なわれるような場合にあっては、確実な取り出しを行なうことが困難であるだけでなく、プレート706の夫々の端部を支持する夫々の溝部750bと、当該溝部との接触による摩擦抵抗が、正常な支持姿勢にて収容されている場合に比して大きくなり、これによりプレート706の端部あるいは溝部750bが削られて、切粉が発生することとなる。このような場合にあっては、当該発生した切粉が部品の表面等に付着して、高精度な部品実装のための確実な部品供給が阻害される場合があるという問題もある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、複数の部品が配置された複数の部品供給用プレートを段積みして収容する部品供給用プレート収容体において、部品供給用プレートの収容姿勢に起因する諸問題を解決し、上記収容されている夫々のプレートの取り出しを確実かつ効率的に行なうことができる部品供給用プレート収容体及び部品供給装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートの互いに対向する端部を支持することで、略水平な支持姿勢にて上記夫々のプレートを、その表面沿いの一の方向であるプレート供給方向沿いに移動案内可能に支持する複数の対の組を形成する支持ガイド部と、
上記夫々の支持ガイド部の中から、上記各々の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部を、他の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部から識別可能であり、上記プレート供給方向より視認可能に、当該方向における上記夫々の支持ガイド部の端部又はその近傍に配置された識別マーク部とを備え、
上記それぞれの識別マーク部により識別された上記各々の対の組の支持ガイド部にその端部を支持させて、上記それぞれのプレートを複数段に段積みして収容可能であって、当該収容された部品供給用プレートを上記それぞれの支持ガイド部により案内しながら上記プレート供給方向沿いに移動させることで、当該プレートに配置された上記夫々の部品供給のために当該部品供給用プレートを取り出し可能とする部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記夫々のプレートの交換が行なわれるプレート交換用開口部を備え、
上記夫々の識別マーク部は上記プレート交換用開口部より視認可能に配置される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記夫々の識別マーク部は、上記夫々の支持ガイド部の上記端部又はその近傍の形状の一部が加工されて形成される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記識別マーク部が配置された上記一対の組の支持ガイド部と、当該識別マーク部が配置されない上記一対の支持ガイド部とが、上下方向に交互に配置される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記プレート供給方向における上記夫々のプレートの支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部をさらに備える第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第6態様によれば、開閉可能な上記夫々のプレートの交換用の扉部を有し、上記夫々の姿勢ガイド部は当該扉部の内側に備えられる第5態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサを備える第6態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記収容される夫々のプレートにおける上記各々の支持ガイド部との接触部分に、滑面部が形成されている第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記夫々のプレートの上記移動の方向と略直交する方向における上記夫々の組の支持ガイド部への上記夫々のプレートの挿入位置と、上記夫々の組の支持ガイド部による支持位置との間の位置ズレを補正可能に、上記夫々の組の支持ガイド部の挿入端部に、上記移動の方向に対する傾斜部が形成されている第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記夫々のプレートと上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における夫々の硬度が、上記夫々のプレートよりも上記夫々の支持ガイド部が低くなるように、上記夫々の接触表面が形成される第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記夫々のプレートと上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における夫々の硬度が、上記夫々の支持ガイド部よりも上記夫々のプレートが低くなるように、上記夫々の接触表面が形成される第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記夫々の支持ガイド部は、上記夫々のプレートの端部を支持しながら、当該端部の表面に沿って回転可能なローラ部を備える第8態様又は第9態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記部品供給用プレート収容体の支持を行う基台への支持面に、当該支持位置を固定する複数の固定部を備え、少なくとも1つの上記固定部が、導電性材料にて形成され、接地端子部としての機能を有する第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第14態様によれば、上記夫々の部品供給用プレートは、上記夫々の部品として複数のウェハ供給部品が配置されたウェハを載置するウェハ供給用プレート、又は上記夫々の部品として複数のトレイ供給部品が配置された部品供給トレイを載置するトレイ供給用プレートであり、
上記ウェハ供給用プレート及び上記トレイ供給用プレートが、混載して段積み収容される第1態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第15態様によれば、第14態様に記載の上記部品供給用プレート収容体と、
上記夫々のプレートのうちのいずれかの上記プレートを選択的に配置させて保持し、上記ウェハよりウェハ供給部品を、又は、上記部品供給トレイより上記トレイ供給部品を供給可能な状態とさせるプレート配置装置と、
上記プレートを解除可能に保持して、上記プレート収納部から取り出すとともに、上記プレート配置装置に保持可能に移動させるプレート移動装置とを備える部品供給装置を提供する。
本発明の第16態様によれば、基板に実装される複数の部品を供給可能に配置する複数の部品供給用プレートの互いに対向する端部を支持することで、略水平な支持姿勢にて上記夫々のプレートを、その表面沿いの一の方向であるプレート供給方向沿いに移動案内可能に支持する複数の対の組を形成する支持ガイド部と、
上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記プレート供給方向における上記夫々のプレートの支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部を備え、
上記それぞれの姿勢ガイド部により上記それぞれのプレートの支持姿勢を案内しながら、上記各々の対の組の支持ガイド部にその端部を支持させて、上記それぞれのプレートを複数段に段積みして収容可能であって、当該収容された部品供給用プレートを上記それぞれの支持ガイド部により案内しながら上記プレート供給方向沿いに移動させることで、当該プレートに配置された上記夫々の部品供給のために当該部品供給用プレートを取り出し可能とする部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第17態様によれば、開閉可能な上記夫々のプレートの交換用の扉部を有し、上記夫々の姿勢ガイド部は当該扉部の内側に備えられる第16態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の第18態様によれば、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサを備える第17態様に記載の部品供給用プレート収容体を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、部品供給用プレート収容体において、夫々のプレートを略水平な支持姿勢にて支持する夫々の支持ガイド部の中から、対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部を、その上段及び下段において他の対の組を形成する上記夫々の支持ガイド部から識別可能な複数の識別マーク部が備えられていることにより、作業者が上記プレートを当該プレート収容体内に収容する際等において、当該プレートを斜め入れ収容してしまうことを、視覚的に確実に防止することができる。
また、このような上記夫々の識別マーク部が、上記プレート収容体におけるプレート供給方向より上記作業者が視認可能に、当該方向における上記夫々の支持ガイド部の端部又はその近傍に配置されていることにより、当該作業者による視覚的な識別を具体的に実現することができる。
従って、このような斜め入れ収容の発生を未然に防止することができ、確実な上記プレートの供給を実現することができ、効率的な部品供給を実現することができる。また、斜め入れ収容が行なわれた上記プレートが取り出される場合に生じる切粉の発生を確実に防止することができ、清浄化環境における上記部品供給の実現を通じて、より高精度な部品実装に適合することができる部品供給を行なうことができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記プレート収容体が、上記夫々のプレートの交換が行なわれるプレート交換用開口部を備え、上記夫々の識別マーク部が当該プレート交換用開口部より視認可能に配置されていることにより、上記プレート収容体への上記夫々のプレートの交換作業を行なう作業者が、上記収容される夫々のプレートの支持姿勢と、上記夫々の識別マーク部との配置関係により、視覚的に当該支持姿勢の異常の有無を視認することができ、上記プレート収容体に上記夫々のプレートを略水平な支持姿勢にて確実に収容することができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記夫々の識別マーク部が、上記夫々の支持ガイド部の上記端部の形状の一部を加工することで形成されていることにより、例えば、シールや塗装を施すこと等により模様的なマーク部を形成するような場合よりも、容易に上記夫々の識別マーク部を形成することができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記夫々の識別マーク部が、上記夫々の支持ガイド部の組において、交互に形成されていることで、上記夫々の支持ガイド部が狭小化された間隔ピッチで形成されているような場合であっても、その識別性をより高めることができ、上記夫々のプレートの支持姿勢を確実に認識することができる。
また、本発明のその他の態様によれば、上記プレート収納体が、上記夫々の支持ガイド部の組の間に配置され、上記夫々のプレートと係合されることで、上記夫々のプレートの上記プレート供給方向における支持姿勢、すなわち水平方向の支持姿勢を案内する複数の姿勢ガイド部をさらに備えることで、上記プレート収納体への上記プレートの収納姿勢を正常な状態に保持することができ、上記プレート収納体に対する上記夫々のプレートの収納及び取り出しを円滑に行なうことができる。
また、このような上記夫々の姿勢ガイド部が、上記プレート収納体の扉部の内側に備えられることにより、上記扉の閉止を行なうことで、上記夫々のプレートと上記姿勢ガイド部とを係合させることができ、上記水平方向の姿勢を正常な状態とすることができる。
また、上記扉部の開閉を検出する開閉検出センサをさらに備えることにより、当該開閉検出センサにより上記扉の閉止が検出された場合にのみ、上記夫々のプレートが正常な姿勢で収納されたものと判断することができ、上記プレートの収納姿勢を効率的に管理することができる。
また、上記夫々のプレートにおける上記各々の支持ガイド部との接触部分が、上記滑面部を有していることにより、上記接触部分に生じる摩擦力を低減することができ、当該接触磨耗により切粉等が発生することを防止することができる。このような切粉の発生は、部品供給装置におけるメンテナンス性を低下させるとともに、夫々の部品の基板等に対する実装面を汚染する等の機能的問題をも発生する場合があるため、このような問題の発生頻度を著しく低減することができる。例えば、上記夫々のプレートのうちのウェハ供給用プレートと、その重量が比較的重く、上記切粉の発生を引き起こす恐れのある上記トレイ供給用プレートとを、混載して供給するような場合であっても、部品供給装置におけるメンテナンス性の向上を図ることができ、効率的な部品供給を実現することができる。
また、夫々の組の支持ガイド部の挿入端部に、上記移動の方向に対する傾斜部が形成されていることにより、上記夫々のプレートの挿入位置と、上記夫々の支持ガイド部による支持位置との間の位置ズレを補正することができ、上記プレート収納部への確実かつ安定した上記夫々のプレートの収納を実現することができる。また、このような上記傾斜部の形成は、上記夫々の支持ガイド部に沿った上記プレートの挿入移動を滑らかなものとすることができ、上記切粉の発生量を低減することにも寄与し得る。
また、上記夫々のプレートを上記夫々の支持ガイド部との互いの接触表面における硬度が、上記夫々のプレートよりも上記夫々の支持ガイド部を低くするように、上記夫々の支持ガイド部が形成されることにより、互いの接触による切粉の発生量を低減することができる。
また、逆に、上記夫々の硬度が、上記夫々の支持ガイド部よりも上記夫々のプレートを低くするように、上記夫々のプレートが形成されることでも同様な効果を得ることができるとともに、汎用性が要求される上記プレート収納体の形成材料を標準仕様のままとすることができる。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる部品供給装置の一例である部品供給装置4を備え、この部品供給装置4から供給された部品を基板に実装する部品実装装置の一例である電子部品実装装置101の斜視図を図1に示す。部品供給装置4についての詳細な構造や動作の説明を行うに先だって、このような部品供給装置4を備える電子部品実装装置101の全体的な構成及び動作についての説明を、図1を用いて行う。
(電子部品実装装置について)
図1に示すように、電子部品実装装置101は、部品の一例であるチップ部品やベアICチップ等の電子部品2を基板に実装する実装動作を行う装置であり、大別して、複数の電子部品2を供給可能に収容する部品供給装置4と、この部品供給装置4から供給される各電子部品2を基板に実装する実装動作を行う実装部5とを備えている。
図1に示す部品供給装置4においては、基板に実装される多数の電子部品2のうちのウェハ供給部品2w(部品の一例である)が複数配置されたウェハをその上面に載置するウェハ供給用プレートと、上記多数の電子部品2のうちのトレイ供給部品2t(部品の一例である)が格子上に配列されて収容配置された部品供給トレイをその上面に複数載置するトレイ供給用プレートとを混載して上記夫々のプレートを選択的に供給可能に収納しているプレート収納部の一例であるリフター装置10が、部品供給装置4の図示Y軸方向手前側に設置されている。なお、以降の説明において、上記ウェハ供給用プレート又は上記トレイ供給用プレートを限定して用いない場合には、上記夫々のプレート(部品供給用プレートの一例である)として記載するものとし、また、ウェハ供給部品2w又はトレイ供給部品2tを限定して用いない場合には、電子部品2(部品の一例である)として記載するものとする。なお、上記夫々のプレート等の構成の説明については、後述するものとする。また、ウェハ供給部品2wとしては、主にウェハがダイシングされることにより形成されるベアICチップ等があり、また、トレイ供給部品2tとしては、上記ベアICチップ及び上記ベアICチップ以外のICチップ(例えば、パッケージが施されたICチップ等)やチップ部品等がある。
また、部品供給装置4には、リフター装置10から選択的に供給される上記夫々のプレートを配置して、夫々より電子部品2を取り出し可能な状態とさせるプレート配置装置12が備えられている。なお、リフター装置10から上記ウェハ供給用プレートが供給されて、プレート配置装置12に配置されるような場合には、プレート配置装置12において、上記ウェハ供給用プレートに載置されているウェハに対してエキスパンド動作が施される。
さらに、部品供給装置4には、プレート配置装置12上に選択的に配置された上記プレート上に載置されている上記ウェハあるいは上記部品供給トレイから電子部品2を個別に吸着保持して、実装部5に向けて図示X軸方向沿いに移動させるとともに、上記吸着保持した電子部品2を上下方向に反転させる反転ヘッド装置14が備えられている。なお、このような反転ヘッド装置14を部品供給装置4が備えている場合に代えて、部品供給装置4とは別の構成の装置として、部品供給装置4とともに、電子部品実装装置101に備えられているような場合であってもよい。
また、図1に示すように、実装部5には、電子部品2を吸着保持して基板に実装する実装ヘッド部20が備えられている。また、互いに図示X軸方向沿いに配置された位置であって、反転ヘッド装置14により保持された電子部品2が実装ヘッド部20に受渡し可能な位置である部品供給位置と、基板に対する電子部品2の実装動作が行われる基板実装領域との間で、実装ヘッド部20を支持しながら、図示X軸方向に沿って進退移動させる移動装置の一例であるX軸ロボット22が、さらに実装部5に備えられている。
なお、実装ヘッド部20は、ボイスコイルモータ等の移動手段にて昇降駆動可能であり、かつ、吸着保持した電子部品2を介して、押圧エネルギーや超音波振動エネルギーや熱エネルギー等の接合エネルギーを、電子部品2と基板の接合部に付与できるように構成された保持部(図示しない)を備えており、電子部品2を基板に対して加圧しながら上記接合エネルギーを付与することが可能となっている。また、X軸ロボット22は、例えば、ボールねじ軸部とこのボールねじ軸部に螺合されたナット部とを用いた移動機構(図示しない)が備えられている。
また、図1に示すように、実装ヘッド部20及びX軸ロボット22の下方における実装部5の基台24上には、基板を図示X軸方向及びY軸方向に移動可能であって、かつ、実装ヘッド部20に対する基板上における電子部品2が実装される位置の位置決めを行うXYテーブル26が配設されている。このXYテーブル26は、図示X軸方向とY軸方向との夫々に、例えばサーボモータにて移動駆動するとともに、リニアスケールを用いてフルクローズ制御にて位置決めすることが可能となっている。また、このXYテーブル26の上面には、基板を解除可能に保持して固定する基板保持台28が設置されている。なお、図1において、X軸方向とY軸方向は、基板の表面沿いの方向であって、かつ、互いに直交する方向である。
また、図1に示すように、電子部品実装装置101には、基台24の上面における図示Y軸方向手前側の端部において、図示X軸方向左向きの方向である基板搬送方向Bに沿って基板を搬送し、基板保持台28への基板の供給及び基板保持台28からの基板の排出を行う基板搬送装置30が備えられている。基板搬送装置30は、電子部品実装装置101の図示X軸方向右側の端部からXYテーブル26上の基板保持台28にまで、基板を搬送して供給するローダ部の一例であるローダ32と、基板保持台28から電子部品実装装置101の図示X軸方向左側の端部にまで、基板を搬送して排出するアンローダ部の一例であるアンローダ34とを備えている。なお、本実施形態においては、電子部品実装装置101におけるXYテーブル26が、基板搬送装置30が備える基板保持移動装置と兼用されている例となっている。また、XYテーブル26と基板支持台28とが、基板の上記移動及び保持を行う基板保持移動装置の一例となっている。また、このように兼用されているような場合に代えて、電子部品実装装置101におけるXYテーブル26とは別に、基板保持移動装置が基板搬送装置30に備えられているような場合であってもよい。
なお、図1に示す電子部品実装装置101は、当該構成の説明の便宜を考慮して、基台24の上面全体を覆っているケーシングカバーが取り外された状態の斜視図となっている。
次に、このような構成を有する電子部品実装装置101における電子部品2の基板への実装動作について説明する。
図1の電子部品実装装置101において、基台24上におけるローダ32及びアンローダ34の間に位置するように、基板保持台28がXYテーブル26により移動される。それとともに、電子部品実装装置101にて夫々の電子部品2の実装が行われるべき基板が、例えば、電子部品実装装置101に隣接する他の装置等より基板搬送装置30のローダ32に供給されて、ローダ32にて基板搬送方向Bに基板が搬送されて、この基板が基板保持台28に供給されて保持される。その後、XYテーブル26が図示X軸方向又はY軸方向に移動されて、基板が上記基板実装領域に移動される。
一方、部品供給装置4にて、リフター装置10に収納されている夫々のプレートより1枚のプレートが選択されて取り出され、プレート配置装置12に配置される。その後、上記配置されたプレートより電子部品2が反転ヘッド装置14により吸着保持されて取り出されるとともに、当該電子部品2が、反転されて上記部品供給位置にまで移動される。また、実装部5にて実装ヘッド部20が、X軸ロボット22により、上記部品供給位置にまで移動されて、反転ヘッド装置14から実装ヘッド部20に電子部品2が受け渡される。その後、上記受け渡された電子部品2を吸着保持した状態の実装ヘッド部20が、X軸ロボット22により、上記基板実装領域の上方へと移動される。
その後、実装ヘッド部20により吸着保持されている電子部品2と、基板保持台28により保持されている基板における電子部品3が実装されるべき位置との位置合わせが、XYテーブル26の移動により行われる。この位置合わせの後、実装ヘッド部20の昇降動作等が行われて、電子部品2の基板への実装動作が行われる。複数の電子部品2の上記実装動作が行われるような場合にあっては、上記夫々の動作が繰り返して行うことにより、夫々の電子部品2の実装動作が行われる。
その後、夫々の電子部品2の上記実装動作が終了すると、夫々の電子部品2が実装された状態の基板が、基板保持台28とともに、XYテーブル26により、ローダ32とアンローダ34との上記間の位置にまで移動されて、基板保持台28より基板がアンローダ34に受け渡され、アンローダ34にて基板が基板搬送方向Bに沿って搬送されて、電子部品実装装置101より基板が排出される。上記排出された基板は、例えば、電子部品実装装置101に隣接して設置されている上記部品実装の次の処理等を行う他の装置に供給されたり、部品実装済みの基板として基板収納装置等に収納されたりする。
このようにして、電子部品実装装置101において、夫々の電子部品2の基板への実装動作が行われる。なお、夫々の電子部品2が実装された基板がアンローダ34により排出された後、新たな別の基板がローダ32により供給されることにより、順次供給される夫々の基板に対して夫々の電子部品2の実装が行われる。
(部品供給装置について)
次に、このような構成及び部品実装動作を行う電子部品実装装置101が備える部品供給装置4の詳細な構成について、特に、リフター装置10及びプレート配置装置12とこれらに関連する構成を中心に説明する。また、このような部品供給装置4におけるリフター装置10及びプレート配置装置12の半透過斜視図を図2に示す。
図2に示すように、部品供給装置4は、上述したリフター装置10とプレート配置装置12に加えて、さらに、リフター装置10に収納されている夫々のプレートを保持して取り出し、プレート配置装置12に配置させるように、上記プレートの移動を行うプレート移動装置40を備えている。また、プレート移動装置40は、プレート配置装置12に配置されたプレートを保持して、再びリフター装置10に収納するように、上記プレートの移動を行うことが可能となっている。
まず、リフター装置10は、複数の上記ウェハ供給用プレート及び複数の上記トレイ供給用プレートを混載して、上下方向に積層的に収納する箱体状の形状を有する部品供給用プレート収容体(あるいはプレート収容ユニット)の一例であるマガジンカセット50と、このマガジンカセット50を支持するとともに、マガジンカセット50の昇降動作を行って、マガジンカセット50に収納されている上記夫々のプレートのうちの1枚のプレートを、プレート移動装置40により取り出し可能な昇降高さ位置に位置させる収納体昇降部の一例であるカセット昇降部51と、カセット昇降部51を取り付けられて、かつ、カセット昇降部51によるマガジンカセット50の昇降動作を案内可能な基台52とを備えている。
ここで、マガジンカセット50の拡大斜視図(半透過斜視図)を図3に示す。図3に示すように、マガジンカセット50においては、図示C方向がプレート配置装置12への上記夫々のプレートの取り出し方向(以降、プレート取出方向Cとする)となっている。また、マガジンカセット50は、プレート取出方向Cと直交する方向において、互いに対向するように側壁部50aが夫々設けられており、夫々の側壁部50aの互いに対向する側面において、プレート取出方向に沿って複数の溝部50bが形成されている。上記夫々のプレート(以降、プレート6とする)は、その互いに対向する両端部において、夫々の側壁部50aの溝部50bと係合されることにより、マガジンカセット50に保持されて収納されている。なお、夫々の側壁部50aにおいて夫々の溝部50bは一定の間隔ピッチでもって形成されており、夫々の溝部50bに係合されて保持された状態で、プレート6はその表面が略水平な状態とされている。さらに、夫々のプレート6は、夫々の溝部50bの形成方向に沿って案内されながら、プレート取出方向沿いに進退移動(すなわち、スライド移動)可能な状態とされている。また、マガジンカセット50においては、収納されている夫々のプレート6の取り出しが行われるため、上記取り出しの障害とならないように、プレート取出方向C側には側壁部が設けられておらず、常時開放された状態とされている。なお、図3においては、図示上方に収納されているプレート6がウェハ供給用プレート6wであり、図示下方に収納されているプレート6がトレイ供給用プレート6tである。
次に、ウェハ供給用プレート6wの斜視図を図4に、トレイ供給用プレート6tの斜視図を図5に示し、夫々のプレートの構造について説明する。
図4に示すように、ウェハ供給用プレート6wは、直線状の部分と曲線状の部分とが組み合わされた外周部分を有する大略円盤状の形状を有している。また、プレート取出方向Cを挟んで互いに対向される夫々の端部は、マガジンカセット50の夫々の溝部50bと係合されることが考慮されて、上記直線状の外周部分となっている。また、図4に示すように、ウェハ供給プレート6wは、伸縮性を有するシートであって、ダイシングが施されたウェハ7がその上面に貼着されて載置されたウェハシート8と、環状プレートであって、その環状の内側にウェハ7が位置されるように、ウェハシート8をその外周端部近傍において保持するウェハリング9とを備えている。このようにウェハ供給用プレート6wが形成されていることにより、ウェハシート8を放射状に延伸させることで、格子状に配置されている夫々のウェハ供給部品2wの配置位置も放射状に延伸させることができ、いわゆるエキスパンドを行うことが可能となっている。
一方、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tは、上述したウェハ供給用プレート6wと同様な外径形状を有している。これにより、共通のマガジンカセット50に、ウェハ供給用プレート6wとトレイ供給用プレート6tとを混載して収納することが可能となっている。また、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tは、ウェハリング9と略同じ外周形状を有するとともに、略正方形状の内周孔部を有する環状プレートであるトレイリング59と、このトレイリング59の上記内周孔部分に取り付けられて形成され、複数の部品供給トレイ57を着脱可能に載置するトレイ載置部58とを備えている。トレイ載置部58は、トレイリング59の表面よりも一段低くなるように形成されており、部品供給トレイ57が載置された場合に、その部品供給トレイ57に収納されている夫々のトレイ供給部品2tの上面高さ位置が、トレイリング59の表面高さ位置と略同じとなるように形成されている。このように形成されていることで、トレイ供給用プレート6tにおけるトレイ供給部品2tの高さ位置を、ウェハ供給用プレート6wにおけるウェハ供給部品2wの高さ位置と略同じ高さ位置とされている。なお、図5においては、略正方形状の平面形状を有する4つの部品供給トレイ57が2列に配列されて、トレイ載置部58に載置されている。なお、トレイ載置部58がトレイリング59と別に形成されて、トレイリング59の内側に取り付けられるような場合に代えて、トレイ載置部58がトレイリング59と一体的に形成されるような場合であってもよい。また、図5に示すように、トレイ供給用プレート6tにおけるトレイリング59のプレート取出方向C側の端部近傍位置が、プレート移動装置40によるトレイ供給用プレート6tの保持位置となっており、また、この部分には、トレイ供給用プレート6tを識別するための識別孔56が形成されている。なお、図4のウェハ供給用プレート6wにおいても、当該部分が上記保持位置となっているものの、上記識別のための識別孔56は設けられていない。後述するように、識別孔56の有無の相違により、トレイ供給用プレート6tとウェハ供給用プレート6wとを識別するためである。
さらに、図6に示すように、リフター装置10におけるカセット昇降部51は、その上面にマガジンカセット50を配置させて保持するカセット支持台51aが備えられている。ここでリフター装置10において取り扱われるマガジンカセット50には、複数の種類のサイズのものがあり、例えば、6インチサイズのもの、8インチサイズのもの、又は、12インチサイズのものがある。このような夫々のマガジンカセット50のサイズの相違を検出するために、カセット支持台51aの上面には、夫々の平面的な大きさの相違を検出することでもって、配置されたマガジンカセット50のサイズを検出可能な6インチカセット検出センサ53a、8インチカセット検出センサ53b、及び12インチカセット検出センサ53cが夫々設置されている。
次に、プレート配置装置12の半透過斜視図を図7に示す。図7に示すように、プレート配置装置12は、配置されるプレート6をその外周部近傍における下面側より支持可能であって、かつ、その支持高さ位置が可変する複数の弾性支持部材の一例であるプレート支持部60と、これらのプレート支持部60により支持されたプレート6を、夫々のプレート支持部60の上端との間で挟むように、その上記外周部近傍における上面側より押圧して、このプレート6の支持位置の保持を行うプレート押圧体61と、このプレート押圧体61の昇降動作を行う押圧体昇降部62とを備えている。
また、図7に示すように、プレート押圧体61は、半円状の切り欠き部分を有して、当該切り欠き部分が互いに同一平面状において対向するように配置された対称形状を有する一対の板状体となっている。また、このように上記半円状の切り欠き部分が形成されているため、夫々のプレート押圧体61は、ウェハ供給用プレート6wのウェハリング9の上面のみに、その下面が当接されて押圧することが可能となっており、またトレイ供給用プレート6tのトレイリング59の上面のみに、その下面が当接されて押圧することが可能となっている。また、プレート配置装置12においては、例えば、4本のプレート支持部60が設けられており、夫々のプレート支持部60は、夫々のプレート押圧体61のウェハリング9又はトレイリング59を押圧する部分の下方に配置されている。これにより、夫々のプレート支持部60により、ウェハリング9又はトレイリング59を夫々の下面側において支持することが可能となっている。なお、夫々のプレート支持部60は、その上部に配置されるウェハリング9又はトレイリング59の外周に沿って、大略均等な間隔にて配置されていることが望ましい。また、図7に示すように、プレート配置装置12は、夫々のプレート支持部60が配置されている円周上近傍における図示Y軸方向左側において、その上端側の先端部に、テーパ形状の傾斜端部を有し、当該傾斜端部においてプレート6の端部が当接される別の弾性支持部材の一例であるテーパ支持部65を備えている。
さらに、プレート配置装置12は、ウェハリング9が夫々のプレート支持部60に支持された状態のウェハ供給用プレート6wにおいて、ウェハ7の外周とウェハリング9の内周との間におけるウェハシート8の下面に当接可能な環状の当接部分をその上端に備えるエキスパンド部材63と、このエキスパンド部材63をその上面において固定して支持する配置フレーム64とを備えている。なお、プレート配置装置12においては、2つの押圧体昇降部62が、配置フレーム64に取り付けられて備えられており、図7において、配置フレーム64の図示X軸方向における夫々の側面に取り付けられている。また、夫々の押圧体昇降部62より、夫々のプレート押圧体61の昇降動作が一体的に行われることとなっている。
次に、このような構成のプレート配置装置12にウェハ供給用プレート6wが配置された状態の当該配置部分の拡大断面図を図8に、トレイ供給用プレート6tが配置された状態の当該配置部分の拡大断面図を図9に示す。
まず、図8に示すように、環状形状を有するエキスパンド部材63は、下部に外周方向に向けて形成されたフランジ部63bを備えており、夫々のプレート支持部60及びテーパ支持部65は、このフランジ部63bに昇降可能に取り付けられている。プレート支持部60は、その上部先端にフラット状または緩やかな隆起状の形状を有する支持端部60aを備える軸状の支持ピン60bと、フランジ部63bに対してこの支持ピン60bを常時上方に付勢するように、支持ピン60bの外周に配置された付勢バネ60cとを備えている。なお、この付勢バネ60cによる支持ピン60bの上方への付勢における上限位置は機械的に制限されている。また、図8においては、プレート支持部60は、エキスパンド部材63のフランジ部63bに取付部材66を介して取り付けられており、この取付部材66に形成されているピン孔部66aの内周面に沿って、支持ピン60bの昇降が案内可能となっている。従って、支持端部60aに下方に向けて外力が加えられることにより、付勢バネ60cが縮められて支持ピン60bが、ピン孔部66aの内周面に沿って下降され、上記外力が弱められる若しくは解除されることにより、縮められていた付勢バネ60cが伸ばされて支持ピン60bが、ピン孔部66aの内周面に沿って上昇されることになる。
また、テーパ支持部65も、その上端部分の形状を除いては、夫々のプレート支持部60と同様な考え方に基づく機構を備えており、図7、及び図8に示すように、支持ピン65b、付勢バネ65c、取付部材67、及びピン孔部67aを備えている。また、その上端部分は、テーパ状の形状を有する傾斜端部65aとなっており、この傾斜端部65aの傾斜面にウェハリング9の外周端部が当接されることにより、この角度抵抗を利用して、ウェハリング9の表面沿いの方向における支持位置を保持することが可能となっている。なお、図7、及び図8に示すように、テーパ支持部65には、支持ピン65bの昇降を案内するガイド部65dが備えられている。また、図8に示すように、エキスパンド部材63はその上部に環状の先端部63aが形成されており、この先端部63aがウェハ7の外周部とウェハリング9の内周部との間におけるウェハシート8の下面に当接可能となっている。
このような構成において、夫々のプレート押圧体61の下面と夫々のプレート支持部60との間で挟まれて支持された状態のウェハリング9を、押圧体昇降部62による夫々のプレート押圧体61の下降動作によって下降させることにより、エキスパンド部材63の先端部63aをウェハシート8の下面に当接させながら、当該当接位置を支点として、ウェハリング9の下降とともに、ウェハシート8を放射状に延伸させることができる。これにより、ウェハシート8の上面に貼着されている夫々のウェハ供給部品2wの配置位置も放射状に延伸させられて、いわゆるウェハ7のエキスパンドを行うことができる。なお、図7にしめすように、配置フレーム64の上面おける夫々のプレート押圧体61の下方には、下降される夫々のプレート押圧体61の下面と当接されることにより、その下降の下限位置を規制可能な複数のエキスパンド下限ストッパー68が取り付けられており、このように下限位置が規制されることで、当該エキスパンドにおけるウェハシート8の延伸の範囲を規制可能としている。
次に、図9は上述のような構成を有するプレート配置装置12に、トレイ供給用プレート6tが配置された状態を示している。図9に示すように、夫々のプレート押圧体61と、夫々のプレート支持部60の支持端部60aとの間で、トレイリング59を挟むようにして、トレイ供給用プレート6tが支持されている。また、テーパ支持部65の傾斜端部65aの傾斜面にトレイリング59の外周端部が当接されていることにより、角度抵抗によってトレイリング59のその表面沿いの方向の支持位置が保持されている。また、トレイリング59よりも一段下がった高さ位置に位置されているトレイ載置部58は環状のエキスパンド部材63の内側に配置されている。さらに、このトレイ供給用プレート6tの保持状態において、エキスパンド部材63の先端部63aと、その上方に位置されているトレイリング59の下面との間には、互いに接触しないような隙間が確保されている。これにより、先端部63aがトレイリング59に接触することにより、当該先端部63aが傷付けられることを防止することが可能となっている。また、このような上記隙間の確保は、夫々のプレート押圧体61の下降位置が、他の部材により規制されることにより行なわれている。この規制方法について、図10に示すプレート配置装置12の部分拡大斜視図を用いて説明する。
図10に示すように、プレート配置装置12の配置フレーム64の上面における図示手前の端部近傍には、夫々のプレート押圧体61の上記下降位置を規制する規制部の一例である中間ストッパー駆動部69が備えられている。この中間ストッパー駆動部69は、配置フレーム64の上面における図示左手前側端部近傍に配置された当接部の一例である中間ストッパー69aと、この中間ストッパー69aを当該端部に沿って移動させる当接部移動機構の一例であるストッパー移動部69bとを備えている。なお、このストッパー移動部69bは、例えば、圧縮空気の給排気でもって上下方向に駆動可能なシリンダとそのシリンダに取り付けられて、中間ストッパー69aに当該シリンダの駆動を機械的に伝達するリンク機構とにより構成されている。ここで、この中間ストッパー駆動部69の動作を説明する模式説明図を図11に示す。
図11に示すように、プレート押圧体61の下部に規制ピン61aが設けられている。この規制ピン61aはプレート押圧体61の下降によって、その下端において中間ストッパー69aの上端と当接可能に配置されている。一方、ストッパー移動部69bは、配置フレーム64の上面に沿って、規制ピン61aの下方の位置であり、中間ストッパー69aが規制ピン61aと当接可能な当接位置と、規制ピン61aが下降されても、中間ストッパー69aが規制ピン61aとの当接を退避することができる退避位置との間で、中間ストッパー69aを進退移動させることが可能となっている。従って、中間ストッパー69aを上記退避位置に位置させた状態で、夫々のプレート押圧体61を下降させることにより、図8に示すウェハ供給用プレート6wの状態を成し得、また、中間ストッパー69aを上記当接位置に位置させた状態で、夫々のプレート押圧体61を下降させることにより、中間ストッパー69aと規制ピン61aとを当接させて、夫々のプレート押圧体61の下降位置を規制して、図9に示すトレイ供給用プレート6tの状態を成し得る。すなわち、中間ストッパー69aと規制ピン61aとが当接された状態で、図9に示すように、トレイリング59とエキスパンド部材63の先端部63aとの間に上記隙間が確保されるようになっている。なお、プレート配置装置12において、夫々のプレート押圧体61の下降における下限位置を規制可能に、個別に中間ストッパー駆動部69が夫々に設けられており、夫々の中間ストッパー駆動部69は互いに同期されて駆動される。
次に、プレート移動装置40の斜視図を図14に示す。図14に示すように、プレート6を解除可能に保持する保持部の一例であるチャック部41と、チャック部41がその先端に取り付けられた平面的に略L字形状を有するアーム機構42と、アーム機構42を図示Y軸方向に進退移動させる保持部移動部の一例である移動部44とを備えている。移動部44は、図示Y軸方向に配置されたボールねじ軸部44aと、ボールねじ軸部44aに螺合されたナット部44bと、ボールねじ軸部の一端に固定されて、ボールねじ軸部44aをその軸心回りに回転させることにより、ナット部44bを図示Y軸方向に進退移動させる移動モータ44cとを備えている。また、アーム機構42のチャック部が取り付けられていない側の端部はLMブロック43aに固定されており、LMブロック43aは図示Y軸方向に配置されたLMレール43bに沿って、アーム機構42の移動を案内可能とされているとともに、LMブロック43aがナット部44bに固定されて、ナット部44bとともに移動されることにより、アーム機構42の当該移動が可能となっている。
また、図14に示すように、チャック部41に隣接して、プレート6の端部の形状に基づいて、保持されるプレート6がウェハ供給用プレート6wなのか、又は、トレイ供給用プレート6tなのかを識別するプレート識別部の一例であるプレート識別センサ41bがアーム機構42に取り付けられている。このプレート識別センサ41bは、図4におけるウェハリング9に形成されていなくて、図5におけるトレイリング59に形成されている識別孔56の有無を、透過型センサを用いて識別することでもって、上記プレート6の識別を行っている。また、チャック部41を挟んでプレート識別センサ41bと逆側には、チャック部41がプレート6を保持しているかどうかを検出するプレート有無検出センサ41aがアーム機構42に取り付けられている。このプレート有無検出センサ41aは透過型センサを用いて、ウェハリング9又はトレイリング59の端部によりセンサの光の遮光が検出されるかどうかでもって、上記プレート6の有無を検出している。なお、プレート識別センサ41bの識別結果に基づいて、プレート配置装置12における中間ストッパー駆動部69による中間ストッパー69aの移動位置が決定される。
また、図14に示すように、アーム機構42は、チャック部41を図示X軸方向における揺れを機械的に収束させながら、そのX軸方向における位置のセンタリングを自動的に行うX軸方向センタリング部42aを備えている。なお、このようなセンタリング機構は、図示X軸方向に限定されるものではなく、図示Y軸方向におけるセンタリングが行われるようなものであってもよい。さらに、アーム機構42は、図示Y軸方向奥側にアーム機構42が他の構成部材に干渉(衝突)したことを検出可能な衝突検出センサ42bを備えている。この衝突センサ42bにより上記衝突が検出された場合には、移動部44の移動を停止させて、当該衝突による装置の故障や保持している夫々の電子部品2の破損等の防止を図っている。
(部品供給装置の動作について)
次に、このような構成を有する部品供給装置4におけるマガジンカセット50より夫々のプレート6を取り出して、プレート配置装置12に夫々の電子部品2を取り出し可能に配置させるまでの動作について説明する。
まず、図2において、リフター装置10のカセット昇降部51によりマガジンカセット50を上昇又は下降させて、マガジンカセット50より取り出されるべきプレート6を、プレート移動装置40のチャック部41の高さ位置に位置させる。それとともに、プレート配置装置12において押圧体昇降部62により夫々のプレート押圧体61をその昇降の上限位置に上昇させて停止させる。なお、このとき、メカロックバルブ70のスイッチ部70aが当接バー78により押圧されて、スイッチ部70aが入った状態とされており、保持用の圧縮空気が押圧体昇降部62の夫々のシリンダ部71に供給されて、夫々のプレート押圧体61の昇降位置が上記昇降の上限位置にて保持された状態となっている。
次に、プレート移動装置40における移動部44によりアーム機構44が図2の図示Y軸方向左向きに移動されて、チャック部41がマガジンカセット50内に移動される。その後、マガジンカセット50より取り出されるべきプレート6の外周端部近傍が、チャック部41に隣接して設置されているプレート有無識別検出センサ41aにより検出されると、当該外周部近傍がチャック部41により保持される。それとともに、チャック部41に隣接して設置されているプレート識別センサ41bにより、当該保持されたプレート6が、ウェハ供給用プレート6wであるか、又は、トレイ供給用プレート6tであるかが識別される。その後、移動部44によるアーム機構42の図示Y軸方向右向きの移動が開始されて、上記保持されたプレート6がマガジンカセット50の夫々の溝部50bに沿って移動されて取り出される。
その後、チャック部41により保持されたプレート6が、プレート配置装置12の夫々のプレート押圧体61と夫々のプレート支持部60との間を通過するように移動されて、夫々のプレート支持部60によりプレート6が支持可能となる位置に位置されて停止される。その後、押圧体昇降部62により夫々のプレート押圧体61が下降されて、プレート6の外周部分の上面を下方に押し下げるとともに、上記外周部分の下面を夫々のプレート支持部60の上端に当接させて、夫々のプレート押圧体61と夫々のプレート支持部60にて挟むようにしてプレート6が保持される。それとともに、チャック部41によるプレートの保持が解除されて、移動部44によりアーム機構42が図2の図示Y軸方向右側に移動されて、チャック部41とプレート6との平面的な位置の干渉がなくなる位置にて停止される。
一方、プレート識別センサ41bによるプレート6の種類の識別結果を受けて、中間ストッパー駆動部69により中間ストッパー69aの移動位置が決定される。まず、当該プレート6が、ウェハ供給用プレート6wであるような場合にあっては、中間ストッパー69aが上記退避位置に移動されて、夫々の規制ピン61aと中間ストッパー69aの当接が退避された状態とされる。その後、夫々のプレート押圧体61がさらに下降されて、夫々のプレート支持部60が押し下げられて、エキスパンド部材63の先端部63aを支点として、ウェハシート8の延伸が行われて、エキスパンドが行われる。なお、下降されている夫々のプレート押圧体61は、夫々のエキスパンド下限ストッパー68に当接されてその下降における下限位置が規制され、この状態で夫々のプレート押圧体61の下降が停止される。このような状態において、ウェハ供給用プレート6wより、夫々のウェハ供給部品2wの取り出し供給が可能なり、ウェハシート8の下方より、夫々のウェハ供給部品2wを突き上げて、突き上げられたウェハ供給部品2wを反転ヘッド装置14にて保持して取り出すことにより、夫々のウェハ供給部品2wの取り出しが行われる。
一方、当該プレート6が、トレイ供給用プレート6tであるような場合にあっては、中間ストッパー69aが上記当接位置に移動されて、夫々の規制ピン61aと中間ストッパー69aの当接が可能な状態とされる。その後、夫々のプレート押圧体61がさらに下降されて、夫々のプレート支持部60が押し下げられるが、夫々の規制ピン61と夫々の中間ストッパー69aが当接されて、夫々のプレート押圧体61の下降位置が規制された状態とされる。この状態において、図9に示すように、トレイリング59の下面と、エキスパンド部材63の先端部63aとの間に互いに当接しないような隙間が確保された状態とされる。また、このような状態とされると、夫々のプレート押圧体61の下降が停止されて、トレイ供給用プレート6tより、夫々のトレイ供給部品2tが取り出し可能な状態となる。このような状態において、反転ヘッド装置14により、トレイ載置部58に載置された夫々の部品供給トレイ57より夫々のトレイ供給部品2tの保持による取り出しが行われる。
なお、上述のようにウェハ供給用プレート6w又はトレイ供給用プレート6tより夫々の電子部品2の取り出しが行われた後、夫々のプレート6が上述の手順の逆を追って、プレート移動装置40によりマガジンカセット50に移動されて収納される。
(マガジンカセットの詳細な構造について)
次に、このようなる部品供給装置4において、夫々のプレート6を段積みして収容するマガジンカセット50の構成における更なる工夫について、以下に説明する。
このようなマガジンカセット50においては、上述に説明したように、複数のプレート6(ウェハ供給用プレート6w又はトレイ供給用プレート6t)が、対の組を形成する夫々の溝部50bにより支持されて、略水平な支持姿勢を保たれながら、取り出し可能に収容されることとなる。一方、このようなマガジンカセット50においては、プレート6の収容効率を高めて、効率的な部品供給の達成を図るため、夫々の側壁部50aにおける夫々の溝部50bの形成間隔ピッチは可能な限り狭小化されている。このように夫々の溝部50bの形成間隔ピッチが単に狭小化されるだけでは、マガジンカセット50への夫々のプレート6の収容作業の際に、作業者によるプレート6の収容作業ミス、例えば、対の組以外の夫々の溝部50bにより収容されたプレート6を支持させる(いわゆる、斜め入れ状態)場合が生じ得、さらに、このような場合であっても、当該支持姿勢が上記斜め入れ状態であることを、作業者が認識することが困難であるという問題が生じ得る。このような問題の発生を防止する工夫について、以下に説明する。
まず、図2及び図3に示すように、マガジンカセット50においては、その内部と外部とのアクセス可能な部分として、プレート取出方向C沿いの夫々の方向に、開口部が形成されている。具体的には、マガジンカセット50において、プレート取出方向Cの前向き側には(すなわち、プレート配置装置12側には)、収容されている夫々のプレート6が、部品供給のために取り出され、さらにその後収容するためにアクセスされるプレート供給用開口部111が形成されており、また、プレート取出方向Cの後向き側には、作業者等による夫々のプレート6の収容、あるいは部品供給済みのプレート6の交換のためにアクセスされるプレート交換用開口部112が形成されている。また、プレート供給用開口部111及びプレート交換用開口部112は、プレート取出方向C沿いにおける夫々の側壁部50aの端部間に形成されており、また、夫々の側壁部50aにおいては、夫々の溝部50bが夫々の端部の近傍にまで延在するように形成されている。
ここで、マガジンカセット50をプレート交換用開口部112より見た状態を示す模式図を図13に示す。図13に示すように、マガジンカセット50のプレート交換用開口部112における夫々の側壁部50aの端面113には、互いに対の組を形成する夫々の溝部50bを、他の溝部50bと視覚的に識別可能な複数の識別マーク部114が形成されている。
具体的には、上記対の組を形成する夫々の溝部50bのすぐ近傍における夫々の側壁部50aの端面113に、例えば、切削加工により孔が形成されることで、夫々の識別マーク部114が形成されている。また、夫々の溝部50bにおいては、1段置きに識別マーク部114が形成されており、このように1段置きに形成することで、対の組を形成する夫々の溝部50bを、その1つ上の段の組及びその1つ下の段の組を形成する夫々の溝部50bと明確に区別することが可能となっている。なお、図13に示す模式図を具体的にしたマガジンカセット50のプレート交換用開口部112における部分的な側面図を図20A及び図20Bに示す。
このように、マガジンカセット50において、作業者により夫々のプレート6の収容作業及び交換作業が行なわれるプレート交換用開口部112における夫々の側壁部50aの端面に、夫々の識別マーク部114が形成されていることで、当該作業の際に、作業者が容易に夫々の識別マーク部114を視認することができ、当該視認により、対の組を形成する夫々の溝部50bをその1つ上下の段の組を形成する夫々の識別マーク部114と明確に区別することができる。従って、図13に示すように、マガジンカセット50において、プレート6を略水平な支持姿勢にて確実に収容することができる。
また、作業者が、マガジンカセット50へのプレート6の収容の際に夫々の識別マーク部114を視認しなかったような場合であって、図14に示すように、プレート6が斜め入れ状態にて収容されたような場合が生じても、当該収容後に作業者が夫々の識別マーク部114と収容されたプレート6とを視認することで、当該斜め入れ状態の支持姿勢を容易かつ迅速に認識することができる。このような状態が認識されることで、マガジンカセット50にて収容されている夫々のプレート6の供給が開始される前に、プレート6の支持姿勢を修正することができ、確実な部品供給を実現することができる。
なお、夫々の識別マーク部114は、夫々の溝部50bの組について、1段置きに形成されているが、全ての段について形成する場合には、夫々の識別マーク部114の識別機能を担保するためには、個別にその形状等を異ならせる必要があるからである。また、2段以上置きに形成する場合と比して、1段置きに形成する場合の方が、より高い識別機能を有していると考えられるが、夫々の識別マーク部114の設置間隔については、夫々の溝部50bの設置間隔ピッチを考慮して決定することが好ましい。
また、このような夫々の識別マーク部114を、側壁部50aの端面113に穴あけ加工により形状的なマークとして形成することにより、例えば、識別番号を表示したシール等を端面113に貼り付けるような場合と比べて、その形成作業をより簡単なものとすることができる。
なお、このような夫々の識別マーク部114の形態は、図15に示すように、側壁部50aの端面114に穴あけ加工により形成される場合にのみ限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、図17に示すように、側壁部50aの外周面に、溝状の複数の識別マーク部124が形成されるような場合であってもよい。このように溝状に形成されるような場合にあっては、例えば、押し出し成形により形成することができ、側壁部50aと一体的に形成することができるため、夫々の識別マーク部124を形成するために付加的な作業を要することがなく、効率的に夫々の識別マーク部124を形成することができる。
また、図19に示すように、夫々の側壁部50aの側面に穴あけ加工することにより、夫々の識別マーク部134が形成することもできる。
また、図16に示すように、夫々のプレート6と接触される夫々の溝部50bは、当該接触による切粉の発生を低減することが可能なように、例えば樹脂にて一体的に形成し、側壁部50a自体はアルミニウムにて形成することもできる。なお、このような形成材料の選定は、図18や図19に示すマガジンカセットにも適用することができる。
(実施形態による効果)
上記第1実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、夫々のプレート6を収容するマガジンカセット50において、作業者による作業側の開口部であるプレート交換用開口部112の周囲に位置される夫々の側壁部50aの端面113に、対の組を形成する夫々の溝部50bを、その上段及び下段の溝部50bと視覚的に識別可能な識別マーク部114が形成されていることにより、作業者によるマガジンカセット50へのプレート6の収容作業の際に、斜め入れ状態の支持姿勢にて収容されることに対して、注意を喚起することができ、夫々のプレート6を正常な支持姿勢にて収容することができる。
このように夫々のプレート6が正常な支持姿勢にて収容されることは、その後に行なわれるマガジンカセット50からのプレート6の取り出し動作を円滑かつ確実に行なうことができ、効率的かつ確実な部品供給を実現することができる。さらに、斜め入れ状態の支持姿勢のままで上記取り出しが行なわれるような場合にあっては、接触する夫々の溝部50bとプレート6の端部との接触抵抗が増大することによって、切粉が発生することとなるが、夫々のプレート6が略水平な支持姿勢にて収容されていることで、このような問題の発生を防止することができ、より高精度かつ確実な部品実装のための部品供給を実現することができる。
また、夫々の識別マーク部114、124、及び134が、シールや塗装等の模様によるものではなく、形状加工による形状的なマーク部であることにより、これらの識別マーク部114等の形成作業をより簡単なものとすることができる。
また、このようなマガジンカセット50を用いて部品供給が行なわれる部品供給装置4のプレート配置装置12における夫々のプレート押圧体61の下降位置を中間ストッパー駆動部69により選択的に規制することができるため、プレート配置装置12に配置されるプレート6の種類に応じて、上記下降位置の規制を行うことにより、トレイ供給用プレート6tの保持を確実に行うことができ、また、上記下降位置の規制を解除することにより、ウェハ供給用プレート6wを確実に保持しながら、ウェハシート8の延伸を行ってエキスパンドを行うことができる。従って、配置供給されるプレート6の種類に応じて、適切な保持動作やエキスパンド動作を選択的にかつ自動的に行うことができ、部品供給を効率的に行うことを可能とすることができる。
また、上記プレート6の種類の識別は、マガジンカセット50に混載されている夫々のプレート6をプレート移動装置40により取り出す際に、プレート6の端部を把持するチャック部41に隣接して備えられているプレート識別センサ41bを用いて行うことができる。具体的には、プレート6の端部に、トレイ供給用プレート6tの場合にのみ識別孔56を設けて、当該識別孔56の有無をプレート識別センサ41bにより識別することにより、上記プレート6の種類の識別行うことができる。また、この識別結果に基づいて中間ストッパー駆動部69による中間ストッパー69aの移動位置を決定することにより、夫々のプレート押圧体61の下降位置の規制を選択的に行うことができる。
また、ウェハ供給用プレート6wのウェハシート8に当接されることによりエキスパンドを行うエキスパンド部材63の先端部63aが、トレイ供給用プレート6tの下面に接触しないように、上記夫々のプレート押圧体61の下降位置が規制されているため、エキスパンド部材63の先端部を傷付けることを防止することができる。
また、プレート配置装置12においては、その支持高さ位置が可変可能とされた複数のプレート支持部60が備えられていることにより、夫々のプレート6の外周部近傍において夫々のプレート6を支持することができるとともに、夫々のプレート押圧体61の昇降動作に合わせて、上記支持を行いながらその支持高さ位置を自由に可変することができ、上述の効果を達成することが可能となっている。
また、その先端に傾斜端部65aを有するテーパ支持部65が備えられていることにより、この傾斜端部65aにプレート6の端部を当接させて、角度抵抗によりプレート6の表面沿いの方向の支持位置の保持を行うことができ、確実かつ正確な保持が可能となる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる部品供給装置について、以下に説明する。なお、本第2実施形態の部品供給装置は、上記第1実施形態の部品供給装置4と、以下に示す部分的な構成が異なるもののその基本的な構成は共通しているため、以降の説明の理解を容易なものとすることを目的として、上記第1実施形態の部品供給装置4と同様な構成部分には、同じ参照番号を付している。
図21に示す部品供給装置204において、リフター装置10には、複数の上記ウェハ供給用プレート及び複数の上記トレイ供給用プレートを混載して収納するマガジンカセット250が備えられている。このマガジンカセット250は、上記第1実施形態と同様に、プレート取出方向Cと直交する方向において、互いに対向するように側壁部250aが夫々設けられており、夫々の互いに対向する側面において、プレート取出方向Cに沿って、複数の溝部250bが形成されている。また、夫々のプレートは、その互いに対向する両端部において、夫々の側壁部250aの互いに対向して配置された夫々の組の溝部250bと係合して支持されることにより、マガジンカセット250に保持されて収納されており、これら夫々の溝部250bが、支持ガイド部の一例となっている。なお、夫々の側壁部250aにおいて夫々の溝部250bは一定の間隔ピッチでもって形成されており、夫々の溝部250bに係合されて保持された状態で、夫々のプレートはその表面が略水平な状態とされている。さらに、夫々のプレートは、上記互いに対向する組の溝部50bの形成方向に沿って案内されながら、プレート取出方向C沿いに進退移動(すなわち、スライド移動)可能な状態とされている。
また、ここで、このマガジンカセット250の側壁部250aの部分断面図を図22に示す。図22に示すように、側壁部250aは、金属材料であるアルミニウム製のプレート250cに、熱可塑性樹脂であるジュラコン(登録商標、DURACON : POM:ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene))を用いて一体的に形成された夫々の溝部250bが固定された構造を有している。このジュラコンは、トレイリング59やウェハリング9の形成材料であるステンレス材料(例えば、JIS規格:SUS304)よりもその表面硬度が低く、軟らかい材料であるという特徴を有しているため、夫々の溝部250bとプレート6とが、互いに夫々の接触表面において接触されるような場合であっても、当該接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることができる。また。熱可塑性樹脂材料が用いられていることにより、複数の凹凸部が連続するような構造の夫々の溝部250bを容易に形成することが可能となる。なお、このような夫々の溝部250bとトレイリング59等の形成材料の組み合わせは、上記組み合わせに限定されるものではない。トレイリング59の形成材料に対して、夫々の溝部250bの形成材料の硬度が低ければよく、このような条件のもとにおいてその他様々な組み合わせを採用することが可能である。
また、このような溝部250bにおけるトレイリング59やウェハリング9と接触される表面に、例えば、タフラムメッキ処理を施すことで、トレイリング59やウェハリング9との接触部分における摩擦をさらに低減することができ、これらの摺動性を向上させることができる。
また、このような夫々の溝部250bのさらに詳細な構造を示す一の溝部250bの側面図を図23Aに示し、その正面図を図23Bに示す。なお、夫々の溝部250bは一体的に形成されているものの、以下における溝部250bの構造の説明の理解を容易なものとするために、図23A及び図23Bにおいては、その上記一の溝部250bを切り出して表示した図としている。
図23Aに示すように、溝部250bにおけるプレート取出方向C側の端部、すなわち、夫々のプレート6の挿入端部250dには、プレート取出方向Cに対して、僅かに傾斜された面である傾斜面(滑面部の一例である)が形成されている。また、図23Bに示すように、この傾斜面は、プレート取出方向Cに対して、プレート6の大略表面に直交する方向である図示下向きに傾斜された下部側傾斜面250eと、プレート6の大略表面沿いの方向である図示左向きに傾斜された側部側傾斜面250fとにより構成されている。
このように夫々の溝部250bの挿入端部250dにおいて、下部側傾斜面250e及び側部側傾斜面250fが形成されていることにより、図示プレート取出方向Cと逆向きに、プレート6を挿入するような場合であっても、プレート6の端部と、このプレート6を支持案内する夫々の溝部250bの挿入端部250dとの接触による摩擦を軽減することができ、滑らかなプレート6の挿入を実現することができる。また、このプレート6の挿入の際に、プレート取出方向Cと直交する方向において、夫々の溝部250bによるプレート6の支持位置と、夫々の溝部250bへのプレート6の挿入位置との間に位置ズレが生じているような場合であっても、下部側傾斜面250eと側部側傾斜面250fとによりプレート6を案内しながら挿入して、上記位置ズレを補正することができるという効果もある。
次に、図24に、トレイ供給プレート6tの外観斜視図を示す。図24に示すトレイ供給プレート6tのトレイリング59のプレート取出方向C沿いの互いに対向する端部(直線的に形成された端部)と部分円弧状の端部との4箇所の連結部分(R)においては、その下面端部の角部分が削り取られて滑らかな曲線により構成される滑面部59aとされている。このような夫々の連結部分Rは、マガジンカセット250の夫々の組の溝部250bとの接触部分であるため、図25に示すように、夫々の溝部250bに支持された状態で、プレート取出方向Cに沿って、トレイ供給プレート6tが進退移動されるような場合であっても、夫々の滑面部59aと溝部250bとの間の摩擦力を低減することができる。従って、マガジンカセット250に対する夫々のトレイ供給プレート6tの挿入又は取出しの際に、トレイ供給プレート6tと夫々の溝部250bとの接触磨耗による切粉等の発生量を低減することができる。なお、このようなトレイ供給プレート6tにおける滑面部59aの形成は、その重量が、ウェハ供給プレート6wに比して重いという特徴を有するトレイ供給プレート6tに適用することが有効であるが、ウェハ供給プレート6wに対しても夫々の滑面部を形成し、更なる切粉の発生量を低減させるような場合であってもよい。
また、マガジンカセット250の夫々の溝部250bにおいて、図26に示すように、夫々のプレート6を支持するとともに、そのプレート取出方向C沿いの移動を案内する回転部材の一例である複数のローラ部250gが備えられているような場合であってもよい。このような夫々のローラ部250gが備えられていることにより、夫々のプレート6と溝部250bとの間の接触による摩擦力を著しく低減することができ、上記接触による切粉等の発生を抑制することができる。なお、図27に示すように、このような夫々のローラ部261aは、夫々のプレート6が挿入配置されるプレート配置装置212のプレート押圧体261の下面において、夫々のプレート6を支持するように備えられるような場合であってもよい。このような場合にあっては、マガジンカセット250だけでなく、プレート配置装置212においても、夫々のプレート6の接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることが可能となる。
ここで、マガジンカセット250の側壁部250aにおいて、アルミニウム製のプレート250cに、熱可塑性樹脂であるジュラコンを用いて夫々の溝部250bが形成され、トレイリング59やウェハリング9がステンレス材料により形成されているような場合に代えて、その他の材料により形成される場合について説明する。
上述のように、夫々の溝部250bを樹脂で形成することにより、夫々のプレート6との接触による切粉等の発生量を低減させることができるが、部品実装の現場においては、マガジンカセット250の汎用性を考慮して、マガジンカセット250をできるだけ標準仕様としたいという要望も多い。このような場合にあっては、逆に、マガジンカセット250における夫々の溝部250bの形成材料よりも、夫々のプレート6の形成材料を表面硬度が低くなるように、上記夫々の形成材料の選定を行なうことで、上記効果と同様な効果を得ることができる。
具体的には、図28のプレート、例えば、トレイ供給プレート306tの外観斜視図に示すように、トレイリング359のプレート取出方向C沿いの互いに対向する端部359bを、樹脂、例えばPEEK樹脂にて形成する。また、図28におけるプレート取出方向Cから見たマガジンカセットの夫々の溝部350bに支持された状態のトレイ供給プレート306tの側面図(一部断面含む)に示すように、夫々の溝部350bは、アルミニウムで形成されている。また、図29に示すように、トレイリング359の本体部359aは、例えば、アルミニウム板で形成されており、この本体部359aにおける夫々の端部が折り曲げられて段部359cが形成され、夫々の段部359cにPEEK樹脂にて形成された板が例えばネジ止めにて取り付けられることにより、夫々の端部359bが形成されている。
このようにトレイリング359の端部359b及びマガジンカセットの夫々の溝部350bが構成されることにより、汎用性が求められるマガジンカセットを特殊な仕様とすることなく、互いの接触磨耗による切粉等の発生量を低減させることができる。なお、トレイリング359の端部359bの表面、あるいは、マガジンカセットの夫々の溝部350bの表面において、簡易的な表面処理を施すような場合であってもよい。
上記第2実施形態によれば、ウェハ供給プレート6wよりも、その重量が重いという特徴を有するトレイ供給プレート6tを、マガジンカセット250に挿入して収納させる場合、あるいはマガジンカセット250から取出すような場合であっても、夫々の溝部250bとプレート6とが接触移動されても、その摺動磨耗による切粉の発生量を著しく低減させることができる。
また、トレイ供給プレート6tは、ウェハ供給プレート6wと異なり、多数の種類の部品を1枚のトレイ供給プレート6tに混載して収納可能な構成とされているため、ある種類の部品の取出しが完了する度に、当該トレイ供給プレート6tをマガジンカセット250に収納し、その後、収納されたトレイ供給プレート6tから異なる部品を取り出す場合には、マガジンカセット250から再び取り出すというように、マガジンカセット250に対する出し入れの頻度が多いという特徴も備えている。このように出し入れの頻度が多いような場合であっても、上記切粉の発生抑制対策が施されているため、当該切粉発生による駆動トラブルの発生やメンテナンス性の低下等の併発を防止することができ、ウェハ供給プレート6wとトレイ供給プレート6tとが混載された部品供給装置において、メンテナンス性の向上を図り、効率的な部品供給を実現することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる部品供給装置について、以下に説明する。本第3実施形態の部品供給装置は、上記第1実施形態の部品供給装置4と、以下に示す部分的な構成が異なるものの、その基本的な構成は共通しているため、以降の説明の理解を容易なものとすることを目的として、上記第1実施形態の部品供給装置4と同様な構成部分には、同じ参照番号を付している。
本第3実施形態にかかる部品供給装置が備えるマガジンカセット450をプレート取出方向Cを正面側として、当該正面側より見たマガジンカセット450の模式説明図を図30に示す。
図30に示すように、マガジンカセット450における夫々の側壁部450aの内側には、互いに対向して配置された多数の溝部450bが形成されており、互いに対向する夫々の組の溝部450bにプレート6の夫々の端部が支持されることで、略水平な姿勢を保ちながら当該プレート6を収容することが可能となっている。さらに、マガジンカセット450における図示奥側にも奥側壁部450cが設けられており、この奥側壁部450cには、プレート6の端部と係合されることにより、プレート6の水平姿勢と、プレート取出方向Cに対する水平方向の姿勢とを正常な姿勢に保つことを可能とする姿勢ガイド部490が備えられている。
さらに具体的に説明すると、上記第1実施形態においては詳細には説明しなかったが、図5に示すように、トレイ供給プレート6tにおけるプレート取出方向Cと逆側の端部(すなわち、トレイリング59の端部)の下面には、姿勢ガイド部490と係合可能な姿勢ガイドブロック59aが形成されている。
ここで、このトレイ供給プレート6tに備えられた姿勢ガイドブロック59aと、マガジンカセット450の奥側壁部450cに備えられた姿勢ガイド部490との互いの係合状態の拡大平面図を図32に示す。また、マガジンカセット450における図30と同じ向きの詳細な正面図を図33に示し、図33のマガジンカセット450におけるV−V矢視断面図を図34に示す。
図33及び図34に示すように、マガジンカセット450の奥側壁面450cの略中央付近には、夫々の溝部450bの形成間隔ピッチと同じ間隔ピッチにて、複数の姿勢ガイド部490が、上下方向に一列に配列されて備えられている。また、図32に示すように、姿勢ガイド部490は、折り曲げられた状態の2つのピン状部材491が、互いに対向しかつ所定の間隔が保たれるように、例えば、奥側壁面450cにネジ止め等により取り付けられることにより形成されている。また、上記夫々のピン状部材491の上記所定の間隔は、奥側壁部450cの近傍において、トレイ供給プレート6tの姿勢ガイドブロック59aの形成幅と略同じ寸法とされており、奥側壁部450cから離れるに従って、上記間隔が広くなるように形成されている。
このようにマガジンカセット450において夫々の姿勢ガイド部490が備えられ、夫々のトレイ供給プレート6tに姿勢ガイドブロック59aが備えられていることにより、マガジンカセット450の互いに対向する組の溝部450bに、その互いに対向する端部が支持された状態のトレイ供給プレート6tを、さらに、図32に示すように、姿勢ガイドブロック59aと姿勢ガイド部490とを係合させることで、トレイ供給プレート6tをプレート取出方向Cに対して水平方向に正常な姿勢に保つことができ、さらに、夫々の溝部450bによる支持姿勢を水平な姿勢に保つことができる。特に、姿勢ガイド部490における夫々のピン状部材491の間隔が、図32に示すようにテーパ状に形成されていることにより、姿勢ガイドブロック59aと姿勢ガイド部490との係合を容易なものとすることができるとともに、プレート取出方向Cに対して水平方向に傾斜されたトレイ供給プレート6tの姿勢を、この係合過程において補正しながら係合することが可能となる。なお、このようにマガジンカセット450において、トレイ供給用プレート6tの支持姿勢の傾斜を検出可能な姿勢ガイド490が備えられているような場合にあっては、マガジンカセット450に識別マーク部が備えられていないような場合であってもよい。
このようにマガジンカセット450に収容された夫々のプレート6の支持姿勢が正常な状態に保たれていることにより、図31の模式図に示すように、マガジンカセット450よりの夫々のプレート6の取出しを円滑に行なうことができ、トレイ供給プレート6tからの部品2の飛び出しが発生することも防止することができる。従って、マガジンカセット450に収容されている夫々のプレート6へのランダムアクセスを効率的に行なうことができ、効率的な部品供給を実現することができる。
なお、上記説明においては、プレート6がトレイ供給プレート6tである場合について代表して説明したが、ウェハ供給プレート6wについても同様な構成を採ることができる。
また、このようなウェハ供給プレート6wやトレイ供給プレート6tが収容されるマガジンカセット450においては、マガジンカセット450の帯電による夫々の部品2への影響が懸念されることが考えられる。例えば、その帯電量は、通常400V〜600V程度となる。また、図40に示すように、マガジンカセット450の底部には、マガジンカセット450と基台52とを連結(固定)するための連結ブロック471(固定部の一例である)が、例えば3個備えられている。このような帯電による部品への影響を防止するために、例えば、3個の連結ブロック471のうちの少なくとも1つの連結ブロック471を、導電性材料にて形成することで、接地端子部としての機能を備えさせてマガジンカセット450を接地することができ、その帯電量を数V程度、例えば2V程度にまで低減することができる。
上記説明においては、マガジンカセット450の奥側壁面450cに、姿勢ガイド部490が形成されるような場合について説明したが、本第3実施形態はこのような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、上述の姿勢ガイド部490の装備による効果を得ながら、さらに作業性を改善することができるマガジンカセットについて、本第3実施形態の変形例として以下に説明する。
多数のプレート6を収容するマガジンカセットが用いられる部品供給装置や部品実装装置においては、マガジンカセット内に収容されている夫々のプレート6の交換や補給作業等を行なうことが必要となる。従って、効率的な部品実装や部品供給にあっては、このようなマガジンカセットに対するプレート6の交換作業における作業性を良好なものとすることが求められる。
しかしながら、図35の模式図に示すような従来のマガジンカセット500においては、マガジンカセット500のプレート取出方向Cから見て、奥側壁面500cがマガジンカセット500の本体に固定されており、夫々のプレート6の交換等のためには、マガジンカセット500をカセット昇降部51により所定の場所に位置させて、基台52よりマガジンカセット500を取り外して、マガジンカセット500におけるプレート取出方向C側の開口部より夫々のプレート6の交換作業等を行なう必要がある。また、このようなマガジンカセットは、その重量も総じて大きなものとなり、例えば、20〜30kg程度の重量となるため、このような作業者によるマガジンカセット500の脱着作業は、作業効率の向上を阻害する要因となる。また、マガジンカセット500を取り外すことは、部品供給装置の稼動を停止させることにもなり、このような観点からも、作業効率の向上が望まれている。本変形例は、このようなランダムアクセスにおける諸問題を解決して、さらなる作業効率の向上を実現することを目的としている。
まず、本変形例にかかるマガジンカセット550の模式的な斜視図を図36に示し、さらに、このマガジンカセット550の断面図的な模式説明図を図37に示す。
図36及び図37に示すように、マガジンカセット550においては、プレート取出方向Cに対して奥側壁面が、開閉可能な扉部の一例である開閉カバー部550cとなっている点において、上記第3実施形態のマガジンカセット450と異なる構成を有している。また、この開閉カバー部550cの内側には、上記マガジンカセット450の奥側壁面450cと同様に、夫々のプレート6の支持姿勢を正常な姿勢に保つための姿勢ガイド部590が備えられている。
このように開閉カバー部550cが設けられていることにより、マガジンカセット550を基台52から取り外すことなく、開閉カバー部550cを開放させることで、夫々のプレート6の交換作業を行なうことが可能となる。従って、このような交換作業における作業性を著しく向上させることができる。また、開閉カバー部550cに夫々の姿勢ガイド部590が備えられていることにより、マガジンカセット550内に夫々のプレート6を収容した後、開閉カバー部550cを閉止することで、夫々のプレート6の姿勢ガイドブロックと開閉カバー部550cの姿勢ガイド部590とを係合させることができ、当該係合により夫々のプレート6の姿勢を正常に保つことができる。なお、このような開閉カバー部550cが開放されることにより現れる開口部がプレート交換用開口部となっている。
また、マガジンカセット550内にプレート6が水平状態ではなく傾斜された姿勢で収容された場合には、姿勢ガイドブロックと姿勢ガイド部590とが互いに係合することができず、開閉カバー部550cを完全に閉止することができないこととなる。このような特徴を利用して、作業者がマガジンカセット550において、夫々のプレート6の交換作業を終えた後、開閉カバー部550cを閉止する際に、完全に閉止されたかどうかを確認することにより、夫々のプレート6が正常な姿勢で収容されたかどうかを判断することが可能となる。
なお、このように作業者が目視で開閉カバー部550cの開閉状態を確認するような場合に代えて、開閉カバー部550cに開閉状態を検出可能な開閉検出センサ580を備えさせるような場合であってもよい。例えば、図36及び図37に示すように、開閉カバー部550cに開閉検出センサ580の被検出部580aを備えさせ、開閉カバー部550cが閉止した際に、この被検出部580aを検出可能に、マガジンカセット550の本体側に検出部580bを備えさせるようにすることができる。
このように制御的に開閉を検出することで、作業者の視認ミス等を防止することができ、確実な検出を行なうことができるとともに、例えば、この開閉検出センサ580による開閉カバー部550cの閉止を検出して初めて、部品供給装置を稼動させるというインターロック回路を設けることもできる。
また、図37に示すように、カセット昇降部51によりマガジンカセット550が収納されている夫々のプレート6を交換可能な位置、例えば原点位置に位置された状態において、プレート移動装置40によりマガジンカセット550との間でプレート6の出し入れが可能なプレート収容部570が、マガジンカセット550の下部に設けられている。このプレート収容部570には、例えば、1枚のプレート6のみが収容可能となっており、上記原点位置に位置された状態のマガジンカセット550に対して、夫々のプレート6の交換作業中であっても、プレート収容部570に収容されたプレート6を、プレート移動装置40により取出して、部品2の供給を行なうこと、及び、部品2の供給が行われたプレート6をプレート収容部570に収容させることが可能となっている。
このようなプレート収容部570がマガジンカセット550に備えられていることにより、マガジンカセット550の収容されている夫々のプレート6の交換作業を行なっている間であっても、プレート収容部570に収容されたプレート6を用いて、部品供給を継続して行なうことができ、効率的な部品供給を行なうことができる。
また、図38A、図38Bは、マガジンカセット550の本体部における開閉カバー部550cの開口端部における夫々の側壁部550aの部分拡大図(左側、右側)であるが、これらに示すように、マガジンカセット550の内部に備えられている夫々の溝部550bにおける互いに対向する組ごとに、例えば識別マーク部の一例として段番号を表示することもできる。このような場合にあっては、マガジンカセット550内に作業者が夫々のプレート6を収容する場合に、左右の溝部550bの段数を間違うことを防止することができる。
上述のような夫々の構成を利用したマガジンカセット550内に収容されている夫々のプレート6の交換作業を、プレート交換作業工程(あるいは部品供給作業工程)として、図39のフローチャートにその手順を示す。
図39に示すように、ステップS1にて、プレート交換作業を開始する。この作業開始は、例えば交換作業モードとして、部品実装装置が備える制御装置等を操作することにより行なうことができる。次に、ステップS2にて、マガジンカセット550が、カセット昇降部51により昇降されて、上記原点位置に位置される。
その後、ステップS3において、マガジンカセット550の開閉カバー部550cを開放して、夫々のプレート6の交換作業を行なう。このとき、プレート配置装置12において、部品供給中のプレート6があるような場合であって、当該部品供給が完了した場合には、このプレート6は、プレート移動装置40によりプレート収容部570に収容させることができる(ステップS4)。
夫々のプレート6の交換作業が完了すると、ステップS5において、夫々のプレート6が収容された段番号の確認を行なって、斜め姿勢にて収容されていないことを確認する。その後、開閉カバー部550cを閉止し、この閉止を確認することで、夫々のプレート6が正常な姿勢で収容されたことを確認することができる。なお、この閉止の確認は、上述したように開閉検出センサ580でもって行なうこともできる。これにより、プレート交換作業が完了する(ステップS7)。
このような手順にて上記プレート交換作業を行なうことにより、部品供給装置による部品供給作業を中断させることなく、上記夫々のプレートの交換を、円滑かつ効率的に行なうことができ、より効率的な部品供給を行なうことができる。
なお、上述のマガジンカセット550においては、対の組を形成する夫々の溝部550bを識別するために段落番号の表示を行なう場合について説明したが、このような場合に代えて、図41に示すマガジンカセット650にように、上記第1実施形態のマガジンカセット50にて用いられた夫々の識別マーク部134が用いられるような場合であってもよい。このような構成の選択は、夫々の識別マーク部の形成作業にようする手間等を考慮して決定することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2004年5月13日に出願された日本国特許出願No.2004−142984号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子部品実装装置の斜視図である。
図2は、図1の電子部品実装装置が備える部品供給装置の拡大半透過斜視図である。
図3は、部品供給装置のリフター装置におけるマガジンカセットの半透過斜視図である。
図4は、部品供給装置にて取り扱われるウェハ供給用プレートの斜視図である。
図5は、部品供給装置にて取り扱われるトレイ供給用プレートの斜視図である。
図6は、リフター装置におけるカセット昇降部の斜視図である。
図7は、部品供給装置のプレート配置装置の斜視図である。
図8は、プレート配置装置にウェハ供給用プレートが配置された状態の断面図である。
図9は、プレート配置装置にトレイ供給用プレートが配置された状態の断面図である。
図10は、プレート配置装置の部分拡大斜視図である。
図11は、プレート配置装置における中間ストッパー駆動部の模式説明図である。
図12は、部品供給装置におけるプレート移動装置の斜視図である。
図13は、マガジンカセットの模式側面図であり、略水平な支持姿勢にてプレートが支持されている状態を示す図である。
図14は、マガジンカセットの模式側面図であり、斜め入れ状態の支持姿勢にてプレートが支持されている状態を示す図である。
図15は、マガジンカセットの側壁部の端面を示す模式図である。
図16は、図15のマガジンカセットにおいて、当該側壁部が2層構造に形成されている状態を示す図である。
図17は、マガジンカセットの側壁部の端面を示す模式図であり、溝状形状を有する識別マーク部が形成されている状態を示す図である。
図18は、図17のマガジンカセットにおいて、当該側壁部が2層構造に形成されている状態を示す図である。
図19は、マガジンカセットの模式斜視図であって、夫々の側壁部の外周面に識別マーク部が形成されている状態を示す図である。
図20Aは、図13のマガジンカセットにおける夫々の側壁部の端面を示す図であって、左側の側壁部の端面を示し図である。
図20Bは、図13のマガジンカセットにおける夫々の側壁部の端面を示す図であって、右側の側壁部の端面を示す図である。
図21は、本発明の第2実施形態にかかる部品供給装置の拡大半透過斜視図である。
図22は、部品供給装置が備えるマガジンカセットの側壁部の断面図である。
図23Aは、マガジンカセットの溝部の側面図である。
図23Bは、マガジンカセットの溝部の正面図である。
図24は、トレイ供給プレートの外観斜視図である。
図25は、図24のトレイ供給プレートが溝部により支持された状態を示す模式断面図である。
図26は、上記第2実施形態の変形例にかかる溝部の形態を示す部分断面図であり、ローラ部を備える溝部の形態を示す図である。
図27は、プレート押圧体にローラ部が備えられた状態の部分断面図である。
図28は、上記第2実施形態の変形例にかかるトレイ供給プレートの斜視図である。
図29は、図28のトレイ供給プレートの側面図である。
図30は、本発明の第3実施形態にかかるマガジンカセットの模式的な側面図である。
図31は、図30のマガジンカセットに収納されたプレートが取出される状態を示す模式説明図である。
図32は、図30のマガジンカセットが備える姿勢ガイド部の拡大平面図である。
図33は、図30のマガジンカセットのプレート取出方向側から見た側面図である。
図34は、図33のマガジンカセットのV−V線断面図である。
図35は、上記第3実施形態の変形例にかかるマガジンカセットの構成を説明するための比較対象のマガジンカセットの模式斜視図である。
図36は、上記第3実施形態の変形例にかかるマガジンカセットの模式斜視図である。
図37は、図36のマガジンカセットの構成を示す断面図的な模式図である。
図38Aは、マガジンカセットの本体における開閉カバー部用の夫々の開口端部の左側端部を示す図である。
図38Bは、マガジンカセットの本体における開閉カバー部用の夫々の開口端部の右側端部を示す図である。
図39は、プレート交換作業工程の手順を示すフローチャートである。
図40は、マガジンカセットの底部を示す図である。
図41は、上記第2実施形態の識別マーク部が形成された上記第3実施形態のマガジンカセットの模式図である。
図42は、従来のマガジンカセットの模式説明図であり、プレート取出方向に対して水平方向にプレートが傾斜された状態で、当該プレートが取り出されている状態を示す図である。
図43は、従来のマガジンカセットに斜めの姿勢でプレートが収容された状態を示す模式説明図である。
符号の説明
2 電子部品
2w ウェハ供給部品
2t トレイ供給部品
4 部品供給装置
5 実装部
6 プレート
6w ウェハ供給用プレート
6t トレイ供給用プレート
7 ウェハ
8 ウェハシート
9 ウェハリング
10 リフター装置
12 プレート配置装置
40 プレート移動装置
50 マガジンカセット
51 カセット昇降部
52 基台
57 部品供給トレイ
58 トレイ載置部
59 トレイリング
101 電子部品実装装置
114、124、134 識別マーク部
C プレート取出方向