JPWO2005094845A1 - 経口投与用吸着剤、並びに腎疾患治療又は予防剤、及び肝疾患治療又は予防剤 - Google Patents

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Abstract

平均粒子径が50〜200μmであり、BET法により求められる比表面積が700m2/g以上であり、嵩密度が0.54g/mL未満であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.9meq/gである表面改質球状活性炭からなることを特徴とする経口投与吸着剤を記載する。この経口投与吸着剤は、吸着能が高く、腸管内滞留期間内の毒性物質吸着量が多く、尿中タンパク質の排泄量が顕著に減少する。

Description

本発明は、平均粒子径が小さく、しかも嵩密度が小さい表面改質球状活性炭からなる経口投与用吸着剤に関する。また、本発明は、前記の経口投与用吸着剤を有効成分とする腎疾患治療又は予防剤、及び肝疾患治療又は予防剤に関する。
本発明による経口投与用吸着剤は、体内の有毒な毒性物質(Toxin)に対する吸着能が高く、従って、経口摂取から体外排出までの体内滞留期間内において、毒性物質を吸着すべき一定時間内に多くの毒性物質を吸着することができる。
腎機能や肝機能の欠損患者らは、それらの臓器機能障害に伴って、血液中等の体内に有害な毒性物質が蓄積したり生成したりするので、尿毒症や意識障害等の脳症をひきおこす。これらの患者数は年々増加する傾向を示しているため、これら欠損臓器に代わって毒性物質を体外へ除去する機能をもつ臓器代用機器あるいは治療薬の開発が重要な課題となっている。現在、人工腎臓としては、血液透析による有毒物質の除去方式が最も普及している。しかしながら、このような血液透析型人工腎臓では、特殊な装置を用いるために、安全管理上から専門技術者を必要とし、また血液の体外取出しによる患者の肉体的、精神的及び経済的負担が高いなどの欠点を有していて、必ずしも満足すべきものではない。
これらの欠点を解決する手段として、経口的な服用が可能で、腎臓や肝臓の機能障害を治療することができる経口吸着剤が開発され、利用されている(特許文献1)。その経口吸着剤は、特定の官能基を有する多孔性の球形炭素質物質(すなわち、表面改質球状活性炭)からなり、生体に対する安全性や安定性が高く、同時に腸内での胆汁酸の存在下でも有毒物質の吸着性に優れ、しかも、消化酵素等の腸内有益成分の吸着が少ないという有益な選択吸着性を有し、また、便秘等の副作用の少ない経口治療薬として、例えば、肝腎機能障害患者に対して広く臨床的に利用されている。なお、前記特許文献1に記載の吸着剤は、石油ピッチなどのピッチ類を炭素源とし、球状活性炭を調製した後、酸化処理、及び還元処理を行うことにより製造されていた。
前記の選択吸着性、すなわち、有毒物質に対しては優れた吸着性を示し、腸内有益成分の吸着が少ないという有益な選択吸着性を更に向上させた経口投与用吸着剤も知られている(特許文献2)。この特許文献2に記載の経口投与用吸着剤は、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04mL/g以上で0.10mL/g未満という特定範囲の細孔容積において、前記の選択吸着性が向上する現象を発見したことに基づくものであり、有毒物質を充分に吸着すると共に、特に、腸内有益成分の吸着を抑制することが望ましい疾患に対して極めて有効である。
また、比表面積500〜2000m/g、細孔容積0.2〜1.0mL/g、及び充填密度0.5〜0.75g/mLを有し、球状フェノール樹脂を炭化及び賦活することにより得られた活性炭からなる医薬用吸着剤も知られている(特許文献3)。この特許文献3に記載の医薬用吸着剤は、比表面積及び細孔容積、平均細孔直径、粒子径、表面酸化物量を調整した活性炭からなるため、多糖類及び酵素等のような生体に必要な高分子の吸着を抑制しつつイオン性有機化合物を選択的に吸着することができるとされている。
特公昭62−11611号公報 特許第3522708号(特開2002−308785号公報) 特開2004−244414号公報
表面改質球状活性炭又は活性炭からなる経口吸着剤においては、前記の選択吸着性は極めて重要な特性であるが、その一方で、生体内の毒性物質をできる限り大量にしかも迅速に吸着・除去することも重要である。すなわち、表面改質球状活性炭又は活性炭からなる経口吸着剤は、一般に上部小腸管内での滞留時間が3〜5時間程度である。従って、有害物質と接触してから約3時間までの期間内での吸着能力が高く、しかも初期吸着性能が優れた表面改質球状活性炭又は活性炭が望ましい。
ところが、後述する実施例に示すとおり、前記特許文献1や前記特許文献2に記載の経口吸着剤は、有害物質と接触してから約3時間までの期間では、吸着能力が必ずしも高くなく、しかも吸着能力を完全には使い尽くさず、依然として充分な吸着能力を有した状態で小腸下部や大腸へ送られ、更に体外に排出される。
本発明者は、吸着能力が高く、従って、比較的大量の有害物質の吸着・除去が可能で、しかも初期吸着速度の点で優れている経口吸着剤を鋭意開発していたところ、特許文献1又は特許文献2に記載の従来公知の経口吸着剤が有する平均粒子径の範囲とは異なる平均粒子径(すなわち、小粒子径)において、優れた吸着能力及び初期吸着速度を示す経口吸着剤が得られることを見出した。また、約3時間の上部小腸管内滞留期間内に多量の有害物質を吸着することができるので、服用量を減少させることが可能になる。
更に、本発明者は、本発明者が見出した前記の平均粒子径範囲(すなわち、小粒子径範囲)においても、特許文献3に記載の活性炭が有する嵩密度とは異なる嵩密度範囲(すなわち、低い嵩密度範囲)において、尿中タンパク質の排泄量が顕著に減少することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、平均粒子径が50〜200μmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、嵩密度が0.54g/mL未満であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.9meq/gである表面改質球状活性炭からなることを特徴とする経口投与吸着剤に関する。
更に、本発明は、前記の経口投与用吸着剤のいずれかを有効成分とする、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤にも関する。
本発明による経口投与用吸着剤は、吸着能が高いので、初期吸着能の点でも優れており、一般的な上部小腸管内滞留期間内において、生体内の有毒な毒性物質を極めて迅速に吸着することができる。従って、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として有効である。更に、服用量を従来の経口投与用吸着剤よりも減少させることができる。
また、平均粒子径が小さいので、口に含んだ際のジャリジャリ感が解消ないし軽減されるため、服用が容易になる。しかも、本発明者がラットに投与してから、開腹して確認したところ、腸管内壁表面への付着もほとんど観察されず、むしろ、平均粒子径が大きい従来の経口投与用吸着剤(例えば、前記特許文献1に記載の経口投与用吸着剤)よりも、腸管内壁表面への付着が減少する場合があることも観察されている。すなわち、腸管内壁表面への付着も、従来の経口投与用吸着剤と少なくとも同程度である。
更に、嵩密度が低い範囲の表面改質球状活性炭からなるので、尿中タンパク質の排泄量が顕著に減少する。
図1は、実施例1及び実施例7で得られた本発明による表面改質球状活性炭と、比較例3の表面改質球状活性炭とのDL−β−アミノイソ酪酸吸着量と、吸着時間との関係を比較した結果を示すグラフである。 図2は、実施例1で得られた本発明による表面改質球状活性炭と、比較例3の表面改質球状活性炭とに関して、腎不全ラットモデルにおける尿中の蛋白排泄量を比較した試験の結果を示すグラフである。 図3は、実施例1で得られた本発明による表面改質球状活性炭と、比較例3の表面改質球状活性炭とに関して、腎不全ラットモデルにおける尿中の蛋白排泄量を比較した別の試験の結果を示すグラフである。 図4は、実施例1で得られた本発明による表面改質球状活性炭と、比較例3の表面改質球状活性炭との累積細孔容積を示すグラフである。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、酸性点が0.30meq/g以上の球状活性炭を意味する。これに対して、表面非改質球状活性炭とは、酸性点が0.30meq/g未満の球状活性炭を意味する。表面改質球状活性炭は、後述するとおり、炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行い、更にその後で、酸化処理及び還元処理による表面改質処理を実施することによって得られる多孔質体であり、酸及び塩基に対して適度な相互作用を示すことができる。一方、表面非改質球状活性炭は、例えば、炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行うことによって得られる多孔質体であり、その後の酸化処理及び還元処理による表面改質処理を実施していない球状活性炭、あるいは、前記賦活処理の後に非酸化性雰囲気での熱処理を実施して得られる球状活性炭である。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、前記のとおり、特定範囲の平均粒子径を有すると共に、特定範囲の嵩密度を有する。すなわち、平均粒子径が50〜200μmであり、好ましくは50〜180μmであり、より好ましくは50〜150μmである。なお、本明細書において平均粒子径(Dv50)とは、体積基準の粒度累積線図において粒度累積率50%における粒径である。また、嵩密度が0.54g/mL未満である。嵩密度の上限は、好ましくは0.50g/mL(すなわち、0.50g/mL以下、もしくは0.50g/mL未満)であり、より好ましくは0.49/mLである。嵩密度の下限は特に限定されないが、好ましくは0.30g/mLである。なお、本明細書において嵩密度ρBとは、容器に球状活性炭を充填したときの球状活性炭の乾燥重量W(g)を充填された球状活性炭の体積V(mL)で除した値であり、以下の計算式から得ることができる。
Figure 2005094845
本発明者の知る限り、経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭又は球状活性炭において、平均粒子径が50〜200μmであって、しかも嵩密度が0.54g/mL未満である球状活性炭は従来全く知られていない。例えば、前記特許文献2の実施例1〜5で具体的に調製されている多孔性球状炭素質物質の平均粒子径は、全てが350μmである。なお、前記特許文献2には、直径が0.01〜1mm(10〜1000μm)の多孔性球状炭素質物質が一般的に記載されている(例えば、請求項1)。しかしながら、この0.01〜1mmの範囲は直径として記載されており、平均粒子径として記載されているわけではない。また、その特許文献2の実施例1〜5で具体的に開示されている吸着剤は、前記の通り、平均粒子径が350μmの多孔性球状炭素質物質のみであり、しかも、平均粒子径が50〜200μmの球状活性炭において、吸着量が増加し、初期吸着速度が向上することは全く記載されていない。なお、前記特許文献2の比較例には、平均粒子径が20μmの炭素質材料(比較例3)及び平均粒子径が40μmの炭素質材料(比較例6)が記載されている。しかしながら、平均粒子径が20μmの炭素質材料(比較例3)は、実施例1で調製した多孔性球状炭素質物質を粉砕機によって粉砕したものであり、球状ではない。また、平均粒子径が40μmの炭素質材料(比較例6)は、粉末状の薬用炭である。
また、前記特許文献1にも、直径0.05〜1mm(50〜1000μm)の球形炭素質物質が一般的に記載されており(例えば、特許請求の範囲第1項)、更に、実施例1〜3にも粒径が0.05〜1mm又は0.07〜1mmの炭素質吸着剤が具体的に記載されている。しかしながら、これらの範囲が平均粒子径でないことは明らかであり、最小粒径から最大粒径の範囲を示していると思われる。
なお、前記特許文献1や前記特許文献2に記載されている種々の物性を有する多孔性球状炭素質物質を製造する技術は近年になって急速に進歩しており、後述する実施例に示すとおり、例えば、合成樹脂を炭素源として用いることなどにより、目的とする種々の物性値を有する多孔性球状炭素質物質を製造することが容易になってきている。例えば、平均粒子径の制御も比較的に容易に実施可能になっている。これに対して、ピッチを炭素源として用いて、例えば、平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭を製造することは、技術的には必ずしも容易ではなく、少なくとも、平均粒子径50〜200μmの球状活性炭を製造する動機がなければ、製造することはない。従って、少なくとも、前記特許文献1の出願当時においては、平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭をピッチから製造することは、あり得ないことであった。
なお、本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、前記のとおり、特定範囲の平均粒子径(50〜200μm)を有する表面改質球状活性炭であり、その平均粒子径は、例えば、前記特許文献2に具体的に記載されている多孔性球状炭素質物質の平均粒子径(350μm)と比較すると小さくなっており、しかも、本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、従来の表面改質球状活性炭又は球状活性炭に比較して吸着能が高く、初期吸着能の点でも優れていることを特徴としている。しかしながら、この程度の平均粒子径の低下は、実質的な比表面積(外表面積)の増加を伴うものではなく、本発明で用いる表面改質球状活性炭によって吸着特性が実質的に変化することは、比表面積(外表面積)の増加の観点からのみでは説明することのできない現象である。
ちなみに、平均粒子径が350μmの表面改質活性炭1gと、平均粒子径が50μmの表面改質活性炭1gとについて、それらの比表面積(外表面積)を計算してみる。表面改質活性炭の密度をρ(g/m)とし、粒子径をd(m)とすると、表面改質活性炭1gあたりの外表面積(S)は次式:
Figure 2005094845
で求めることができる。ここで、表面改質活性炭の密度(ρ)を1×10g/m(1g/cm)とし、粒子径(d)を350×10−6m(350μm)とすると、外表面積(S)は0.03m/gとなる。同様にして粒子径(d)を50×10−6m(50μm)とすると外表面積(S)は0.21m/gとなり、その差異は0.18m/gである。ここで、本発明の球状活性炭の比表面積は700m/gであり、粒子径の低下に伴う外表面積の増加量は、全体の比表面積の0.1%以下である。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、その粒度分布が狭いことが好ましい。例えば、個数基準平均の長さ平均粒子径D(=ΣnD/Σn)と、重量基準分布の重量平均粒子径D(=Σ(nD)/Σ(nD))との比(D/D)によって表した場合、本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、前記の比(D/D)が、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である。ここで、前記の比(D/D)が1に近いほど粒度分布が狭いことを示している。なお、前記の計算式で、Dは測定粒子径区分の代表粒子径であり、nは個数である。
平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭は、前記特許文献3の実施例に記載されている。もっとも、前記特許文献3では、一般的には平均粒子径を350μm以下と規定しているのみで、200μm以下にすることによって特定の効果を得ることができることについては全く記載がなく、平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭が初期吸着能の点で優れていることについての記載はない。すなわち、前記特許文献3の実施例において、平均粒子径が60〜117μmの範囲になる球状活性炭が製造されているに過ぎない。しかしながら、前記特許文献3の実施例で実際に製造されている球状活性炭の嵩密度の範囲は、0.54〜0.61g/mLである。しかも、前記特許文献3には、嵩密度(充填密度)が0.5g/mL以下であると、活性炭の細孔直径が大きくなり、トリプシン等のタンパク質(酵素)等、プルラン等の多糖類等の高分子化合物を吸着してしまうおそれがあり、服用する容量が多くなってしまうため好ましくないことが明記されている。従って、前記特許文献3には、嵩密度が0.54g/mL未満の球状活性炭は実質的に記載されておらず、少なくとも嵩密度が0.50g/mL以下(あるいは0.50g/mL未満)の球状活性炭は記載されていない。
表面改質球状活性炭又は球状活性炭において、嵩密度は賦活の程度を示す良い指標である。すなわち、嵩密度が小さいほど、賦活が進んでいることを示す。表面改質球状活性炭又は球状活性炭の製造工程において、後述する水蒸気賦活では、賦活初期に比較的小さな細孔が形成され、賦活が進むに従って細孔径が拡大し、その結果嵩密度が低下する。
本発明による経口投与用吸着剤が前記のような優れた効果を有する理由は、現在のところ不明であるが、以下のように推定することもできる。もっとも、本発明は、以下の推定に限定されるものではない。
人は、タンパク質あるいはアミノ酸を必須栄養物として体内に摂取する。しかしながら、その必要量は、成長と身体の構成成分の維持に要求される量をはるかに上回り、結果として身体全体としては、摂取した窒素化合物を分解し、排出させる。ここで、肝機能及び腎機能に障害を有する場合、窒素化合物の代謝及び排出が不十分となり、体内に蓄積され尿毒素物質となる。従って、尿毒素物質を吸着するための経口投与吸着剤の吸着特性を向上させるには、分子量が数十〜数百にいたる幅広い分子を吸着する物性を有することが好ましい。特に、β−アミノイ酪酸などのイオン性化合物を吸着するには、表面構造が重要である。更に、尿毒素物質を吸着するには、分子量の異なる分子を幅広く吸着する必要がある。本発明の経口投与用吸着剤では、粒子径が小さく、外表面積が増加しているので、尿毒素分子と経口投与吸着剤との接触面積が増加している。更に、粒子径が小さいので、尿毒素物質が経口投与吸着剤の粒子内を拡散する際の平均自由行程が短くなり、吸着速度が早くなる。また、嵩密度が低く、細孔径が拡大しているため、比較的大きな分子の吸着が可能となる。その結果、幅広い分子量を有する化合物の吸着が可能になる。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、炭素源として、任意の炭素含有材料を用いることができる。使用可能な炭素含有材料としては、例えば、合成樹脂又はピッチを用いることができる。合成樹脂としては、熱溶融性樹脂又は熱不融性樹脂を用いることができる。ここで、熱溶融性樹脂とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行うと、温度上昇に伴って溶融・分解してしまう樹脂であり、活性炭を得ることができない樹脂である。しかしながら、予め不融化処理を実施してから賦活処理を行うと、活性炭とすることができる。これに対して、熱不融性樹脂とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行っても、温度上昇に伴って溶融することなく炭素化が進み、活性炭を得ることができる樹脂である。なお、不融化処理とは、後述するように、例えば、酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことである。
熱溶融性樹脂の代表例は、熱可塑性樹脂であり、例えば、架橋ビニル樹脂を挙げることができる。一方、熱不融性樹脂の代表例は、熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂又はフラン樹脂を挙げることができる。公知の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の中から、球状体を形成することのできる任意の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。なお、架橋ビニル樹脂から表面改質球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が必要であるのに対し、架橋ビニル樹脂に官能基を付与することによって製造されるイオン交換樹脂から表面改質球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が不要である。これは、官能基付与処理や導入された官能基によって架橋ビニル樹脂が熱溶融性樹脂から熱不融性樹脂に変性されるものと考えられる。すなわち、架橋ビニル樹脂は本明細書における熱溶融性樹脂に含まれるのに対し、イオン交換樹脂は、本明細書における熱不融性樹脂に含まれる。
本発明における炭素源としては、イオン交換樹脂、架橋ビニル樹脂又はピッチを用いることが好ましく、イオン交換樹脂又は架橋ビニル樹脂を用いることがより好ましい。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭の調製に、炭素源として熱不融性樹脂(例えば、イオン交換樹脂)を用いる場合には、ピッチ類を用いる従来の製造方法と実質的に同様の操作を利用することができる。例えば、最初に、熱不融性樹脂からなる球状体を、炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガス)中で、700〜1000℃の温度で賦活処理して、球状活性炭を得ることができる。本明細書において、「活性炭」とは、球状の熱不融性樹脂などの炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行うことによって得られる多孔質体を意味し、「球状活性炭」とは、球状で比表面積が100m/g以上であるものを意味する。本発明においては、比表面積が700m/g以上、更に好ましくは1300m/g以上、特に好ましくは1650m/g以上である表面改質球状活性炭を使用する。出発材料として用いる熱不融性樹脂の前記球状体は、平均粒子径が約70〜500μmが好ましく、100〜300μmであることが更に好ましい。
一方、熱溶融性樹脂(例えば、架橋ビニル樹脂)を炭素源として用いる場合には、熱溶
融性樹脂からなる前記球状体が、熱処理により軟化して形状が非球形に変形するか、あるいは球状体同士が融着するので、前記の賦活処理の前に、不融化処理として、酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことにより軟化を抑制することができる。
また、不融処理後の熱溶融性樹脂や熱不融性樹脂の球状体を熱処理すると、多くの熱分解ガスなどが発生する場合には、賦活操作を行う前に適宜予備焼成を行い、予め熱分解生成物を除去することができる。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭の調製に、炭素源としてピッチを用いる場合に、平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭は、例えば以下の方法で調製することができる。
石油ピッチ又は石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2環又は3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形してピッチ成形体を得る。ピッチ成形体の大きさは、押出し成形時のノズル径、あるいは、ピッチ成形体の粉砕条件によって制御することができる。ピッチ成形体の体積が小さいほど、小さい球状ピッチを作ることができ、より小さい粒子径を有する球状活性炭を得ることができる。
次に、ピッチ成形体を50〜120℃の熱水中で撹拌下に分散し、造粒して微小球体化したのちに冷却し、球状ピッチ成形体を得る。球状ピッチ成形体の平均粒子径は60〜350μmが好ましく、60〜300μmが更に好ましい。更に、ピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、球状ピッチ成形体から添加剤を抽出除去し、得られた多孔性ピッチを、酸化剤を用いて酸化して不融性多孔性ピッチとし、得られた熱に対し不融性の多孔性ピッチを、更に炭素と反応性を有する気流、例えばスチーム又は炭酸ガス中、800〜1000℃の温度で処理すれば、球状活性炭を得ることができる。
上記した芳香族添加剤の目的は、成形後のピッチ成形体から前記添加剤を抽出除去させて成形体を多孔質とし、後工程の酸化による炭素質材料の構造制御ならびに焼成を容易にすることにある。このような添加剤は、例えば、ナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、又はビフェニル等の芳香族化合物の1種又は2種以上の混合物から選択される。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対し10〜50重量部の範囲が好ましい。
ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達成するため、加熱し溶融状態で行う。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後粉砕する等の方法によってもよいが、溶融状態で糸状に混合ピッチを押し出し、その後これを等間隔で切断もしくは粉砕する方法が、粒子径分布をより狭い範囲で制御できるので好ましい。粒子径は混合ピッチを押し出す時のノズル径により制御することができ、細いノズルを使用することにより小さな混合物成形体とすることができる。
ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、又はケロシン等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等の脂肪族アルコール類等が好適である。
このような溶剤でピッチと添加剤の混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま添加剤を成形体から除去することができる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
こうして得られた多孔性を示すピッチ成形体を、次いで不融化処理、すなわち酸化剤を用いた、好ましくは150℃〜400℃までの温度での酸化処理により、熱に対して不融の多孔性不融性ピッチ成形体とする。酸化剤としてはO、あるいはこれらを空気又は窒素等で希釈した混合ガスを用いることができる。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭の調製に炭素源としてピッチを用いる場合、芳香族添加剤の量、種類、ピッチ内での析出条件を制御することにより、細孔容積を制御することができる。
また、金属含有球状炭素を賦活することによっても、細孔容積を制御することができる。例えば、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25〜1.0mL/gである表面改質球状活性炭を以下の方法で調製することができる。
金属含有球状炭素の調製方法としては、例えば、(1)ピッチへの添加、(2)多孔性ピッチへの添着、(3)多孔性不融ピッチへの添着、(4)多孔性不融ピッチを加熱処理した球状炭素への添着、又は(5)賦活処理を施した球状活性炭への添着等の方法を挙げることができる。金属化合物の添加及び添着は、金属化合物を溶剤により溶解して金属化合物溶液とした後、炭素前駆体へ添加及び添着した後に溶媒を加熱蒸発により除去し、金属含有ピッチ、金属含有球状多孔性ピッチ、金属含有球状多孔性不融化ピッチ、又は金属含有球状活性炭などを得ることができる。ピッチへの金属化合物の添加及び球状多孔性ピッチへの金属化合物の添着の場合、上記方法により金属含有球状多孔性不融化ピッチとした後、炭素と反応性を有する気流、例えばスチーム又は炭酸ガス、あるいはそれらのガスを主成分とする混合ガス中、800〜1000℃の温度で賦活処理することで、多孔性の金属含有球状活性炭とした後、これを酸洗浄により金属を除去することにより、前記の球状活性炭を得ることができる。また、金属化合物の添着を球状活性炭に対して行う場合、金属化合物を球状活性炭に添着した後、再度賦活操作を行い、更にこれを酸洗浄により金属を除去することにより、前記の球状活性炭を得ることができる。
前記金属含有球状炭素の調製に用いる金属としては、水蒸気賦活において触媒効果を示す金属であればいずれの金属も使用することができ、特に好ましくは、コバルト、鉄、又はニッケルなどの遷移金属、イットリウムなどの希土類金属、又はそれらの化合物、更にはそれらの化合物塩のいずれも使用することができる。金属化合物又は化合物塩としては、例えば、該金属元素を含む水酸化物、塩化物、硝酸塩、又は硫酸塩などの無機化合物、アセチルアセトン塩、又は酢酸塩などの有機塩、あるいは有機無機複合塩を使用することができる。炭素に導入する金属量は、賦活前の炭素質物質における金属原子濃度が、0.001〜10重量%の範囲となるよう導入することが好ましく、更に好ましくは0.001〜5重量%である。
前記洗浄処理は、経口投与用である表面改質球状活性炭の安全上十分な純度を確保するために行うものであり、洗浄方法は、例えば、水又は塩酸、硝酸、硫酸、又はフッ化水素酸などの酸性溶液による洗浄により、金属分を除去する必要がある。洗浄後の球状活性炭中の金属含有量は、好ましくは150ppm以下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂は、球状体を成形することが可能な材料であり、500℃以下の熱処理においては溶融又は軟化せずに、形状変形も起こさないことが重要である。また、熱溶融性樹脂も、酸化処理などのいわゆる不融化処理により、溶融酸化を回避することのできる状態に変性してから好適に使用することができる。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂としては、熱処理による炭素化収率が高いことが望ましい。炭素化収率が低いと、球状活性炭としての強度が弱くなる。また、不必要な細孔が形成されるため、球状活性炭の嵩密度が低下して、体積あたりの比表面積が低下するので、投与体積が増加し、経口投与が困難になるという問題を引き起こす。従って、熱不融性樹脂の炭素化収率は高いほど好ましく、非酸化性ガス雰囲気中800℃での熱処理による収率の好ましい値は30重量%以上であり、更に好ましくは35重量%以上である。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂としては、除去すべき毒性物質に対する吸着能が高い経口投与用吸着剤を製造することができる点でイオン交換樹脂が好ましい。イオン交換樹脂は、一般的に、ジビニルベンゼンと、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、又はメタクリル酸との共重合体(すなわち、熱溶融性樹脂である架橋ビニル樹脂)からなり、基本的には三次元網目骨格をもつ共重合体母体に、イオン交換基が結合した構造を有する。イオン交換樹脂は、イオン交換基の種類により、スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂、カルボン酸基又はスルホン酸基を有する弱酸性イオン交換樹脂、第四級アンモニウム塩を有する強塩基性イオン交換樹脂、第一級又は第三級アミンを有する弱塩基性イオン交換樹脂に大別され、このほか特殊な樹脂として、酸及び塩基両方のイオン交換基を有するいわゆるハイブリッド型イオン交換樹脂があり、本発明においては、これらのすべてのイオン交換樹脂を原料として使用することができる。
炭素源として熱不融性樹脂(特には、イオン交換樹脂)を用いて、前記の方法によって賦活処理を実施すると、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.25mL/g〜1.0mL/gである球状活性炭を得ることができる。
また、出発材料としては、前記の通り、ピッチを用いることもできる。出発材料として用いるピッチとしては、熱処理による炭素化収率が高いことが望ましい。炭素化収率が低いと、球状活性炭としての強度が弱くなる。また、不必要な細孔が形成されるため、球状活性炭の嵩密度が低下して、体積あたりの比表面積が低下するので、投与体積が増加し、経口投与が困難になるという問題を引き起こす。従って、ピッチの炭素化収率は高いほど好ましく、非酸化性ガス雰囲気中800℃での熱処理による収率の好ましい値は50重量%以上、更に好ましくは60重量%以上である。
熱溶融性樹脂である架橋ビニル樹脂は、非酸化性ガス雰囲気中での熱処理により軟化、溶融して炭素化収率が10%に満たないが、不融化処理として酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことにより軟化、溶融することなく、30%以上の高い炭素化収率で球状の炭素質材料を得るができ、これを前記の熱不融性樹脂の場合と同様にして賦活処理を行うことにより球状活性炭を得ることができる。
出発原料として用いる前記の架橋ビニル樹脂は、例えば、乳化重合、塊状重合、若しくは溶液重合によって得られる球状ポリマー、又は好ましくは懸濁重合によって得られる球状ポリマーを用いることができる。直径50μm以上の球状の架橋ビニル樹脂を均一に不融化するには、架橋ビニル樹脂に予め細孔形成を行うことが不可欠である。樹脂の細孔形成は、重合時にポロゲンを添加することにより可能となる。架橋ビニル樹脂を均一に不融化するために必要な、架橋ビニル樹脂の表面積は10m/g以上が好ましく、更に好ましくは50m/g以上である。
例えば、架橋ビニル樹脂を懸濁重合によって調製する場合には、ビニル系モノマー、架橋剤、ポロゲン及び重合開始剤を含む有機相を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に添加し、攪拌混合により水相中に懸濁された多数の有機液滴を形成した後、加熱して有機液滴中のモノマーを重合させることにより、球状の架橋ビニル樹脂を調製することができる。
ビニル系モノマーとしては、球形に成型することができる任意のビニル系モノマーを用いることができ、例えば、芳香族ビニル系モノマー、例えば、スチレン、あるいはビニル基水素やフェニル基水素が置換されたスチレン誘導体、あるいはフェニル基のかわりに複素環式あるいは多環式化合物がビニル基に結合した化合物などを用いることができる。芳香族ビニル系モノマーとしては、より具体的には、α−あるいはβ−メチルスチレン、α−あるいはβ−エチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、あるいはクロロスチレンなど、あるいは、o−、m−、あるいはp−メチルスチレン、エチルスチレン、メトキシスチレン、メチルシリルスチレン、ヒドキロシスチレン、クロロスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、アミノスチレン、カルボキシスチレン、あるいはスルホキシスチレン、スチレンスルホン酸ソーダなど、あるいは、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルピロリドン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、又はビニルビフェニル等を挙げることができる。また、脂肪族ビニル系モノマーも使用することができ、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンなどのビニルケトン類、アクロレイン、メタアクロレインなどのビニルアルデヒド類、あるいは、ビニルメチルエーテル、又はビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、ジフェニルアクリロニトリル、クロロアクリロニトリルなどのビニルニトリル類を挙げることができる。
また、架橋剤としては、前記のビニル系モノマーの架橋化に用いることができる任意の架橋剤を用いることができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタラート、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメチラート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、グリコール又はグリセロールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ペンタエリトリトールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、グリコールのモノ又はジチオ誘導体のポリビニル又はポリアリルエーテル類、あるいはレゾルシノールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリルアクリラート、ジアリルマレアート、ジアリルフマラート、ジアリルスクシナート、ジアリルカルボナート、ジアリルマロナート、ジアリルオキサラート、ジアリルアジパート、ジアリルセバサート、トリアリルトリカルバリラート、トリアリルアコニタート、トリアリルシトラート、トリアリルホスファート、N,N’−メチレンジアクリルアミド、1,2−ジ(α−メチルメチレンスルホンアミド)エチレン、トリビニルベンゼン、トリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、あるいはトリビニルシクロヘキサンを用いることができる。特に好ましい架橋剤の例に含まれるものは、ポリビニル芳香族炭化水素(例えば、ジビニルベンゼン)、グリコールトリメタクリラート(例えば、エチレングリコールジメタクリラート)、又はポリビニル炭化水素(例えば、トリビニルシクロヘキサン)である。ジビニルベンゼンは、その熱分解特性が優れているので、最も好ましい。
適当なポロゲンとしては、炭素原子数4〜10のアルカノール(例えば、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、又は、4−メチル−2−ペンタノール)、炭素原子数が少なくとも7のアルキルエステル(例えば、n−ヘキシルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、メチルオレアート、ジブチルセバサート、ジブチルアジパート、又はジブチルカルボナート)、炭素原子数4〜10のアルキルケトン(例えば、ジブチルケトン又はメチルイソブチルケトン)、又はアルキルカルボン酸(例えば、ヘプタン酸)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、又はベンゼン)、高級飽和脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、又はイソオクタン)、あるいは環式脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサン)を挙げることができる。
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、重合性単量体に可溶性である油溶性重合開始剤が好ましい。重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、又はアゾ化合物を挙げることができる。より具体的には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;などを挙げることができる。
前記の熱溶融性樹脂又は熱不融性樹脂を用いて本発明による表面改質球状活性炭を調製する場合には、表面改質球状活性炭の物性(例えば、平均粒子径、細孔容積、粒度分布、又は比表面積など)を、種々の方法で制御することができる。例えば、樹脂の平均粒子径及び粒度分布は、水相中の液滴の大きさに依存し、液滴の大きさは懸濁剤の量、攪拌の回転数、攪拌羽根の形状、あるいは水相中のモノマー比(水の量とモノマー量の比)により制御することができる。例えば、懸濁剤の量を多くすると液滴を小さくすることができ、攪拌の回転数を大きくすると、液滴を小さくすることができ、更に、水相中のモノマー量を少なくすると液滴の合一化を制御することができるだけでなく、重合熱の除熱が容易になるなどの観点で好ましいが、モノマー比が少なすぎると、1バッチ当たりのモノマー量が少なくなるため、得られる合成樹脂量が減少し、生産性の観点からは好ましくない。
また、細孔容積と比表面積は、制御する細孔直径が10nm以上の場合には、主にポロゲンの量及び種類によって制御することができ、制御する細孔直径が10nm以下の場合には、水蒸気による賦活条件により制御することができる。更に、それ以外に、表面改質球状活性炭としての微細組織は、樹脂の種類、架橋剤の種類と量、不融化条件、及び/又は賦活温度などにより、制御することができる。
こうして得られた所望の細孔を有する球状活性炭を、酸素含量0.1〜50容量%、好ましくは1〜30容量%、特に好ましくは3〜20容量%の雰囲気の下、300〜800℃、好ましくは320〜600℃の温度で酸化処理し、更に、800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度下、非酸化性ガス雰囲気下で還元処理を行うことにより、本発明の表面改質球状活性炭を得ることができる。特定の酸素含有の雰囲気は純粋な酸素、酸化窒素又は空気等を酸素源として用いることができる。また、炭素に対して不活性な雰囲気とは、窒素、アルゴン、又はヘリウム等単独、又はそれらの混合系を意味する。ここで、表面改質球状活性炭とは、前記の球状活性炭を、前記の酸化処理及び還元処理して得られる多孔質体であり、球状活性炭の表面に酸性点と塩基性点とをバランスよく付加することにより上部小腸管内の有毒物質の吸着特性を向上させたものである。例えば、前記球状活性炭を、酸化処理及び還元処理することにより、吸着されるべき毒性物質に対する特異性を向上することができる。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、BET法により求められる比表面積(以下「SSA」と省略することがある)が700m/g以上である。SSAが700m/gより小さい表面改質球状活性炭では、毒性物質の吸着性能が低くなるので好ましくない。SSAは、好ましくは1300m/g以上、特に好ましくは1650m/g以上である。SSAの上限は特に限定されるものではないが、嵩密度及び強度の観点から、SSAは、3000m/g以下であることが好ましい。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭における細孔容積は、特に限定されない。例えば、水銀圧入法による細孔直径20〜15000nmの細孔容積は、0.01〜1mL/gであることが好ましく、更に好ましい細孔容積は0.04mL/gより大きく1mL/g以下である。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭における圧潰強力は、好ましくは10N/粒以上、更に好ましくは25N/粒以上、特に好ましくは30N/粒以上である。上限は特に限定されないが、例えば、80N/粒程度で充分である。圧潰強力が10N/粒未満になると、取り扱いや経口時の噛み込みなどによって砕けて粉末になる可能性が高くなるので好ましくない。すなわち、粉末の活性炭を経口投与すると通過障害を起こしやすいことが知れており、球状の形態を保持することが好ましい。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭では、官能基の構成において、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.9meq/gである。官能基の構成において、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.9meq/gの条件を満足しない表面改質球状活性炭では、前述した有毒物質の吸着能が低くなるので好ましくない。官能基の構成において、全酸性基は0.30〜1.00meq/gであることが好ましく、全塩基性基は0.30〜0.70meq/gであることが好ましい。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭が有する各物性値、すなわち、平均粒子径、嵩密度、比表面積、細孔容積、粒度分布、圧搾強力、全酸性基、及び全塩基性基は、以下の方法によって測定する。
(1)平均粒子径(Dv50)
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、体積基準の粒度累積線図を作成し、粒度累積率50%における粒子径を平均粒子径(Dv50)とした。
(2)嵩密度
JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法に準じ、測定を行った。
(3)比表面積(BET法による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」)を用いて、球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、下記の式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球状活性炭を試料管に充填し、300℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し球状活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、BETプロットを行う。すなわち、縦軸にp/(v(1−p))、横軸にpを取り、pが0.02〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きb(単位=g/cm)、及び切片c(単位=g/cm)から、比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 2005094845
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(4)比表面積(ラングミュアの式による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」)を用いて、表面改質球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、ラングミュアの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である表面改質球状活性炭を試料管に充填し、300℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し、表面改質球状活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、ラングミュアプロットを行う。すなわち、縦軸にp/v、横軸にpを取り、pが0.02〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きをb(g/cm)とすると比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 2005094845
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(5)細孔分布(Horverth−Kawazoeの計算式)
ガス吸着法による比表面積測定装置(ASAP2010:Micromeritics社製)を用いて、液体窒素温度(−196℃)で、窒素分圧と表面改質球状活性炭試料の吸着量の関係(吸着等温線)を測定した。得られた吸着等温線より、前記比表面積測定装置(ASAP2010)付属の解析ソフトを用い、Horverth−Kawazoeの計算式〔Horvath, G. and Kawazoe, K., J. Chem. Eng. Japan 16 (6),470 (1983)〕により細孔分布を計算した。細孔の形状をスリット幾何学で解析したものがオリジナルのHorverth−Kawazoeの計算法であるが、炭素の構造が難黒鉛化性炭素で三次元的に乱れた構造であるため、ここではシリンダー幾何学〔Saito,
A. and Foley, H. C., AlChE Journal 37 (3), 429 (1991)〕による計算を選択し計算した。
計算に使用した各種パラメータを以下に示す。
相互作用パラメータ(Interaction Parameter):1.56×10-43
ergs・cm4
吸着ガスの分子径(Diameter of Adsorptive Molecule):0.3000nm
サンプルの原子直径(Diameter of Sample Molecule):0.3400nm
密度変換係数(Density Conversion Factor):0.001547(cm3液体/cm3STP)
(6)水銀圧入法による細孔容積
水銀ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9200」)を用いて細孔容積を測定することができる。試料である表面改質球状活性炭を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を表面改質球状活性炭試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて表面改質球状活性炭試料の細孔容積分布を測定する。
具体的には、細孔直径21μmに相当する圧力(0.06MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに表面改質球状活性炭試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
−πDγcosθ=π(D/2)・P
が成り立つ。従って
D=(−4γcosθ)/P
となる。
本明細書においては、水銀の表面張力を484dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:
D=1.27/P
により圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。例えば、細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.08MPaから63.5MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。
なお、本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、その粒子径が非常に小さいので、試料容器内に充填された試料粒子間の空隙も小さくなる。従って、前記の水銀圧入法による細孔容積の測定操作においては、その粒子間空隙に水銀が圧入される段階が存在し、その圧入段階では、あたかも細孔直径8000〜15000nmの細孔が存在するかのような挙動を示す。本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭に、細孔直径8000〜15000nmの細孔が存在しないことは、例えば、電子顕微鏡による観察で確認することができる。従って、本明細書において「細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積」には、前記の粒子間空隙に圧入される水銀量も含まれる。
(7)粒度分布
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、個数基準の粒度分布を測定し、測定粒子径区分の代表粒子径D、及びその測定粒子径区分内の個数nの値を求め、以下の式により長さ平均粒子径D、及び重量平均粒子径Dを計算する。
Figure 2005094845
Figure 2005094845
(8)圧潰強力
粉体硬度計〔例えば、筒井理化学器械(株)製の簡易粉体硬度計〕を用いて表面改質球状活性炭試料1粒を圧潰するのに必要な力を測定する。具体的には、表面改質球状活性炭試料1粒を2枚の板に挟み(必要に応じて試料粒子を両面テープで固定し)、加重を加えながら、試料粒子が破壊するときの力を測定する。
(9)全酸性基
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
(10)全塩基性基
0.05規定のHCl溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、24時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる表面改質球状活性炭は、後述する実施例において示すように、肝疾患憎悪因子や腎臓病での毒性物質の吸着性に優れているので、腎疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いるか、あるいは、肝疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いることができる。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
従って、本発明による経口投与用吸着剤は、腎臓疾患治療薬として用いる場合には、前記の表面改質球状活性炭を有効成分として含有する。本発明の経口投与用吸着剤を腎臓疾患治療薬又は肝臓疾患治療薬として用いる場合、その投与量は、投与対象がヒトであるかあるいはその他の動物であるかにより、また、年令、個人差、又は病状などに影響されるので、場合によっては下記範囲外の投与量が適当なこともあるが、一般にヒトを対象とする場合の経口投与量は1日当り1〜20gを3〜4回に分けて服用し、更に症状によって適宜増減することができる。投与形態は、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、懸濁剤、スティック剤、分包包装体、又は乳剤等であることができる。カプセル剤として服用する場合は、通常のゼラチンの他に、必要に応じて腸溶性のカプセルを用いることもできる。錠剤として用いる場合は、体内でもとの微小粒体に解錠されることが必要である。更に他の薬剤であるアルミゲルやケイキサレートなどの電解質調節剤と配合した複合剤の形態で用いることもできる。
平均粒子径が50〜200μmであると共に嵩密度が0.54g/mL未満である本発明による表面改質球状活性炭は、従来公知の球状活性炭(すなわち、平均粒子径が50〜200μmの範囲以外及び/又は嵩密度が0.54g/mL以上の球状活性炭又は表面改質球状活性炭)と混合した混合物の形で、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として使用することができる。あるいは、平均粒子径が50〜200μmであると共に嵩密度が0.54g/mL未満である本発明による表面改質球状活性炭と、従来公知の球状活性炭(すなわち、平均粒子径が50〜200μmの範囲以外及び/又は嵩密度が0.54g/mL以上の球状活性炭又は表面改質球状活性炭)とを併用して、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
脱イオン交換水220g、及びメチルセルロース58gを1Lのセパラブルフラスコに入れ、これにスチレン105g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)184g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68g、及びポロゲンとして1−ブタノール63gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を200rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、ロータリーエバポレーターで乾燥させたのち、減圧乾燥機にて1−ブタノールを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径180μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約90m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温したのち、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理したのち、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で10時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例2》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、100rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例3》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、150rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例4》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、300rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例1》
前記実施例1において、賦活処理時間を10時間とする代わりに、6時間とすること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例5》
前記実施例1において、賦活処理時間を10時間とする代わりに、13時間とすること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例6》
軟化点210℃、キノリン不溶分1重量%以下、H/C原子比0.63の石油系ピッチ680gと、ナフタレン320gとを、攪拌翼のついた内容積3リットルの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、140〜160℃に冷却し,0.5mmのノズルで押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を破砕し,篩にて目開き100μm−200μm分画を分取し、得られた破砕物を0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度88%)を溶解した水溶液中に投入し、95℃で50分間攪拌分散して球状化したのち、40℃まで90分で冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。この様にして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温し、235℃に1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、900℃で174分間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例2》
軟化点210℃、キノリン不溶分1重量%以下、H/C原子比0.63の石油系ピッチ68kgと、ナフタレン32kgとを、攪拌翼のついた内容積300リットルの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、140〜160℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1〜2になるように破砕し、得られた破砕物を93℃に加熱した0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度88%)を溶解した水溶液中に投入し、攪拌分散により球状化したのち、水溶液を水で置換することにより冷却し20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。この様にして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温し、235℃に1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で400分間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例3》
前記比較例2で得られた球状活性炭を更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2(並びに表4)に示す。
《比較例4》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、80rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例5》
前記実施例1において、賦活により得られた球状活性炭をロッドミルにて10秒間粉砕したのち、酸化、還元すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質活性炭を得た。得られた表面改質活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例6》
前記実施例1において、球状活性炭の酸化・還元処理を行わないこと以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例7》
前記実施例1において、球状活性炭の酸化処理後に還元処理を行わないこと以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例8》
前記実施例6において、球状活性炭の酸化・還元処理を行わないこと以外は、前記実施例6の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例9》
球状のフェノール樹脂(商品名:マリリンHF500;群栄化学工業株式会社)を、目開き250μmの篩で篩分して微粉末を除去した後、球状フェノール樹脂150gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、窒素ガス気流下にて1.5時間で350℃まで昇温し、更に900℃まで6時間で昇温した後、900℃で1時間保持して球状炭素質材料を得た。その後、窒素ガス(3NL/min)と水蒸気(2.5NL/min)との混合ガス雰囲気中にて900℃で賦活処理を行った。球状活性炭の充填密度が0.5g/mLまで減少した時点で賦活処理を終了し、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《比較例10》
球状活性炭の充填密度が0.63g/mLまで減少した時点で賦活処理を終了したこと以外は比較例8と同様の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1及び表2に示す。
《実施例7》
脱イオン交換水3003g、及び1.4%のメチルセルロース水溶液530gを10Lのステンレススチール製重合缶に入れ、これにスチレン813g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)1427g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)13g、及びポロゲンとして1−ブタノール634gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を220rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、ロータリーエバポレーターで乾燥させたのち、減圧乾燥機にて1−ブタノールを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径200μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約100m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温したのち、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理したのち、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で11.5時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《実施例8》
前記実施例7において、820℃で11.5時間賦活処理を行う代わりに、9.5時間賦活処理を行うこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《実施例9》
前記実施例7において、820℃で11.5時間賦活処理を行う代わりに、8時間賦活処理を行うこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《実施例10》
前記実施例8において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、150rpmで攪拌すること以外は、前記実施例8の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《実施例11》
軟化点210℃、キノリン不溶分1重量%以下、H/C原子比0.63の石油系ピッチ680gと、ナフタレン320gとを、攪拌翼のついた内容積3Lの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、140〜160℃に冷却し、0.5mmのノズルで押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を破砕し、目開き125μm〜212μmの篩で分画を分取し、得られた破砕物を0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度88%)を溶解した水溶液中に投入し、95℃で50分間攪拌分散して球状化したのち、40℃まで90分間で冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。この様にして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温し、235℃に1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、900℃で174分間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す
《比較例11》
前記実施例7において、820℃で11.5時間賦活処理を行う代わりに、6.5時間賦活処理を行うこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例12》
前記実施例7において、820℃で11.5時間賦活処理を行う代わりに、5時間賦活処理を行うこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例13》
前記実施例7において、球状活性炭の酸化処理及び還元処理を行わないこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例14》
前記実施例7において、球状活性炭の還元処理を行わないこと以外は、前記実施例7の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例15》
前記比較例12において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、75rpmで攪拌すること以外は、前記比較例12の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例16》
球状のフェノール樹脂(商品名:マリリンHF500;群栄化学工業株式会社)を篩分して微粉末を除去した後、球状フェノール樹脂150gを目皿付き石英製縦型反応管に入れ、窒素ガス気流下、700℃で1時間保持し、放冷したのち、脱イオン交換水で水洗・乾燥し、球状炭素質材料とした。球状炭素質材料を、流動床を用い64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で6時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
〔経口吸着剤の評価方法〕
以下の各表に示す各種の特性は、以下の方法で測定した。
(1)平均粒子径
前記のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、測定した。結果を表1及び表3に示す。
(2)細孔容積
前記実施例及び比較例で得られた各球状活性炭及び表面改質球状活性炭の細孔容積は、前記の水銀圧入法により求めた。結果を表1及び表3に示す。
(3)BET法及びラングミュア(Langmuir)法による比表面積
前記のBET法及びラングミュア(Langmuir)法によって測定した。結果を表1及び表3に示す。
(4)嵩密度
50mLのメスシリンダに試料を50mLになるまで充填し、50回タップした後で、試料重量を体積で除算して嵩密度とした。結果を表1及び表3に示す。なお、この方法によって得られた測定値は、JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法によって得られた測定値と、表1及び表3に示す有効数字範囲内で全く差異がなかった。
(5)細孔分布(Horverth−Kawazoeの計算式)
前記の通り、ガス吸着法による比表面積測定装置(ASAP2010:Micromeritics社製)を用いて、液体窒素温度(−196℃)で、窒素分圧と表面改質球状活性炭試料の吸着量の関係(吸着等温線)を測定した。
(6)圧潰強力
粉体硬度計〔例えば、筒井理化学器械(株)製の簡易粉体硬度計〕を用いて球状活性炭試料1粒を圧潰するのに必要な力を測定する。具体的には、球状活性炭試料1粒を2枚の板に挟み(必要に応じて試料粒子を両面テープで固定し)、加重を加えながら、試料粒子が破壊するときの力を測定する。圧潰強力は、粒子径が大きいほど強くなるため、平均粒子径Dv50が200μm以上の粒子に関しては、目開き425μmの篩目詰まり品を使用した。また、平均粒子径が200μm以下のその他の試料については、粒子径が75μm〜180μmになるように篩い分けし、圧潰強力を測定した。測定は20回実施し、その平均値を試料の圧潰強力とした。結果を表2及び表4に示す。
(7)全酸性基及び全塩基性基
0.05規定のNaOH溶液50mL(全酸性基)又はHCl溶液50mL(全塩基性基)中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により、NaOHの消費量(全酸性基)又はHClの消費量(全塩基性基)を求めた。結果を表2及び表4に示す。
(8)α−アミラーゼ吸着試験
前記実施例1〜11及び比較例1〜16で得られた各表面改質球状活性炭及び活性炭試料を乾燥した後、乾燥試料0.500gを正確に量って共栓付三角フラスコにとる。一方、α−アミラーゼ(液化型)0.100gを正確に秤量して、pH7.4のリン酸塩緩衝液を加えて溶かし、正確に1000mLとした液(原液)50mLを、前記の共栓付三角フラスコに正確に加え、37±1℃で3時間振り混ぜる。フラスコの内容物をろ孔0.65μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、はじめのろ液約20mLを除き、次のろ液約10mLを取って試料溶液とする。
一方、pH7.4のリン酸塩緩衝液を用いて同じ操作を行い、そのろ液を補正液とする。試料溶液及び補正液につき、pH7.4のリン酸塩緩衝液を対照とし、吸光度測定法により試験を行い、波長282nmにおける吸光度を測定する。試料溶液の吸光度と補正液の吸光度の差を試験吸光度とする。
検量線はα−アミラーゼ原液を0mL、25mL、50mL、75mL、及び100mLの量でメスフラスコに正確に分取し、pH7.4リン酸塩緩衝液で100mLにメスアップして波長282nmにおける吸光度を測定することにより作成した。
試験吸光度と検量線より、α−アミラーゼ吸着量(mg/dL)を計算した。結果を表2及び表4に示す。
(9)DL−β−アミノイソ酪酸吸着量試験(平均粒子径との関係)
前記実施例1〜11及び比較例1〜16で得られた各表面改質球状活性炭及び活性炭に関して、DL−β−アミノイソ酪酸吸着試験を以下の方法で実施した。
球状活性炭試料又は表面改質球状活性炭試料を乾燥した後、乾燥試料0.500gを正確に量って共栓付三角フラスコにとった。一方、DL−β−アミノイソ酪酸0.100gを正確に量り、pH7.4のリン酸塩緩衝液を加えて溶かし、正確に1000mLとした液(原液)50mLを、前記の共栓付三角フラスコに正確に加え、37±1℃で3時間振り混ぜた。フラスコの内容物を、ろ孔0.65μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、はじめのろ液約20mLを除き、次のろ液約10mLを取って試料溶液とした。
試料溶液0.1mLを試験管に正確に取り、pH8.0のリン酸塩緩衝液5mLを正確に加えて混合した後、フルオレスカミン0.100gを非水滴定用アセトン100mLに溶かした液1mLを正確に加えて混合した後で、15分間静置した。この液につき、蛍光光度法により試験を行い、励起波長390nm、及び蛍光波長475nmで蛍光強度を測定した。
DL−β−アミノイソ酪酸原液を0mL、15mL、50mL、75mL、及び100mLの量とpH7.4リン酸塩緩衝液とで100mLにして攪拌し、ろ過し、ろ液0.1mLを試験管に正確に取り、pH8.0のリン酸塩緩衝液5mLを正確に加えて混合した後、フルオレスカミン0.100gを非水滴定用アセトン100mLに溶かした液1mLを正確に加えて混合した後で、15分間静置した。これらの液につき、蛍光光度法により試験を行い、励起波長390nm、及び蛍光波長475nmで蛍光強度を測定し、検量線を作成した。最後にDL−β−アミノイソ酪酸の吸着量(mg/dL)について上記検量線を用いて計算し、この値より試料1g当たりのDL−β−アミノイソ酪酸の吸着量(mg/g)を計算した。結果を表2及び表4に示す。
(10)DL−β−アミノイソ酪酸吸着量の試験(経時変化)
前項(7)の「DL−β−アミノイソ酪酸吸着量試験」では、各種活性炭試料とDL−β−アミノイソ酪酸とを接触させて振とうさせる時間を一定時間(3時間)として実験を行ったが、実施例1、実施例7及び比較例3で得られた表面改質球状活性炭に関して、接触振とう時間を変化させた場合の吸着速度の変化を調べた。
DL−β−アミノイソ酪酸の初期濃度は10mg/dLとし、接触振とう時間が、0.5時間、1.5時間、3時間、6時間、16時間、及び24時間におけるDL−β−アミノイソ酪酸残量を前項(7)の操作と同様にして調べた。結果を図1に示す。
(11)トリプトファンの吸着試験
実施例7〜11、並びに比較例3及び比較例11〜16で得られた各種表面改質球状活性炭及び活性炭に関して、トリプトファン吸着試験を以下の方法で実施した。
球状活性炭又は表面改質活性炭試料を乾燥させたのち、乾燥試料0.01gを秤量し、共栓付き三角フラスコにいれる。pH7.4のリン酸塩緩衝溶液を加えて溶解したトリプトファン水溶液(トリプトファン濃度100mg/L)50mLを前記の共栓付き三角フラスコに加え、40℃にて振とう機を用いて3時間振とうした。振とうを終えたフラスコの内容物を濾過し、そのろ液の紫外吸光度(280nm)を測定し、トリプトファン吸着量を算出した。結果を表4に示す。
Figure 2005094845
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Figure 2005094845
(12)尿中タンパク質量の試験:その1
残腎率25%となるように腎臓を摘出して作製した腎不全ラットモデルを用い、本発明の経口投与吸着剤の投与による腎不全に対する薬理効果試験を行った。試料としては、前記実施例1及び比較例3で得られた表面改質球状活性炭を使用した。
モデルラット作製から6週間経過時点で群間に偏りの無いように対照群(10匹;以下R1群と呼ぶ)、実施例1の経口投与吸着剤投与群(10匹;以下E1群と呼ぶ)、比較例3の経口投与吸着剤投与群(10匹;以下C1群と呼ぶ)に分けた。モデルラット作製から7週間経過後、これ以降15週間に亘り、対照群(R1群)には通常粉末飼料を与え、経口投与吸着剤投与群(E1群及びC1群)に対しては、ラットの体重1kgあたり0.25g/dayの量で混餌飼料を作製し、24時間自由摂取により15週間投与した。投与開始後、3週間ごとに24時間蓄尿による尿中の蛋白排泄量を測定した。図2に投与期間と尿中排泄量の関係を示す。対照群(R1群;図2の□)及び比較例3の投与群(C1群;図2の△)と比較し、本発明の経口投与吸着剤の投与群(E1群;図2の●)では尿中タンパク質量が有意に改善した。
(13)尿中タンパク質量の試験:その2
残腎率20%となるように腎臓を摘出して作製した腎不全ラットモデルを用い、本発明の経口投与吸着剤の投与による腎不全に対する薬理効果試験を行った。試料としては、前記実施例7及び比較例12で得られた表面改質球状活性炭を使用した。
モデルラット作製から6週間経過時点で群間に偏りの無いように対照群(7匹;以下R2群と呼ぶ)、実施例7の経口投与吸着剤投与群(7匹;以下E2群と呼ぶ)、及び比較例12の経口投与吸着剤投与群(7匹;以下C2群と呼ぶ)に分けた。モデルラット作製から7週間経過後、これ以降15週間に亘り、対照群(R2群)には通常粉末飼料を与え、経口投与吸着剤投与群(E2群及びC2群)に対しては、ラットの体重1kgあたり0.25g/dayの量で混餌飼料を作製し、24時間自由摂取により9週間投与した。投与開始後、3週間ごとに24時間蓄尿による尿中の蛋白排泄量を測定した。図3に投与期間と尿中排泄量の関係を示す。対照群(R2群;図3の□)及び比較例12の投与群(C2群;図3の◆)と比較し、本発明の経口投与吸着剤の投与群(E2群;図3の●)では尿中タンパク質量が有意に改善した。
なお、前記実施例7及び比較例12で得られた表面改質球状活性炭の累積細孔容積を図4に示す。図4から明らかなとおり、前記実施例7で得られた表面改質球状活性炭は、前記比較例12で得られた表面改質球状活性炭と比較して、累積細孔容積は小さい。なお、累積細孔容積は、前記のHorverth−Kawazoe法によって測定した。
本発明の経口投与用吸着剤は、腎疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いるか、あるいは、肝疾患の治療用又は予防用吸着剤として用いることができる。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (3)

  1. 平均粒子径が50〜200μmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、嵩密度が0.54g/mL未満であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.9meq/gである表面改質球状活性炭からなることを特徴とする経口投与吸着剤。
  2. 請求項1に記載の経口投与用吸着剤を有効成分とする、腎疾患治療又は予防剤。
  3. 請求項1に記載の経口投与用吸着剤を有効成分とする、肝疾患治療又は予防剤。
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