JP2016117650A - 経口投与用吸着剤並びに腎疾患治療剤及び肝疾患治療剤 - Google Patents

経口投与用吸着剤並びに腎疾患治療剤及び肝疾患治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、胆汁酸の存在下において、トリプトファン又はインドキシル硫酸を大量に吸着することのできる経口投与用吸着剤を提供することである。【解決手段】前記課題は、平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が、式(1)y>6×10−8x2−9×10−5x+0.0241(1)〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m2/g)を表す〕を満たす、球状活性炭を含むことを特徴とする、経口投与用吸着剤によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、賦活の進行度(賦活度)の異なる球状活性炭が含まれている球状活性炭を含む経口投与用吸着剤に関する。また、本発明は、前記の経口投与用吸着剤を有効成分とする腎疾患治療又は予防剤、及び肝疾患治療又は予防剤に関する。本発明による経口投与用吸着剤は、高濃度の胆汁酸存在下において、体内の有毒な毒性物質(Toxin)であるインドキシル硫酸、並びにその前駆体であるトリプトファンに対する吸着能が高く、従って、経口摂取から体外排出までの体内滞留期間内において、多くの毒性物質を吸着することができる。
腎機能や肝機能の欠損患者らは、それらの臓器機能障害に伴って、血液中等の体内に有害な毒性物質が蓄積したり生成したりするので、尿毒症や意識障害等の脳症をひきおこす。これらの患者数は年々増加する傾向を示しているため、これら欠損臓器に代わって毒性物質を体外へ除去する機能をもつ臓器代用機器あるいは治療薬の開発が重要な課題となっている。現在、人工腎臓としては、血液透析による有毒物質の除去方式が最も普及している。しかしながら、このような血液透析型人工腎臓では、特殊な装置を用いるために、安全管理上から専門技術者を必要とし、また血液の体外取出しによる患者の肉体的、精神的及び経済的負担が高いなどの欠点を有していて、必ずしも満足すべきものではない。
これらの欠点を解決する手段として、経口的な服用が可能で、腎臓や肝臓の機能障害を治療することができる経口吸着剤が開発され、利用されている(特許文献1)。その経口吸着剤は、特定の官能基を有する多孔性の球形炭素質物質(すなわち、球状活性炭)からなり、生体に対する安全性や安定性が高く、同時に腸内での胆汁酸の存在下でも有毒物質(すなわち、β−アミノイソ酪酸、γ−アミノ−n−酪酸、ジメチルアミン、及びオクトパミン)の吸着性に優れ、しかも、消化酵素等の腸内有益成分の吸着が少ないという有益な選択吸着性を有し、また、便秘等の副作用の少ない経口治療薬として、例えば、肝腎機能障害患者に対して広く臨床的に利用されている。なお、前記特許文献1に記載の吸着剤は、石油ピッチなどのピッチ類を炭素源とし、球状活性炭を調製した後、酸化処理、及び還元処理を行うことにより製造されていた。
一方、慢性腎不全患者では、血清中のインドキシル硫酸濃度が、正常者の約60倍に増加する場合があることが知られており、前記特許文献1に記載の経口吸着剤の投与によって、前記の血清中インドキシル硫酸濃度が低下し、腎不全の進行が遅延されることも知られている(非特許文献1及び2)。
特公昭62−11611号公報 特開2006−131461号公報 特開2008−303193号公報
日腎誌,第XXXII巻第6号(1990)第65−71頁 臨床透析,Vol.14,No.4(1998),第433−438頁
球状活性炭からなる経口吸着剤においては、毒性物質を吸着することがきわめて重要な特性であるが、特に、腸内環境において、慢性腎不全患者における毒性物質であるインドキシル硫酸、並びにその前駆体であるトリプトファンを、できる限り大量にしかも迅速に吸着・除去することが重要である。すなわち、人の腸内には様々な物質が大量に存在し、特に大量の胆汁酸(15mM)が存在している。従って、大量の胆汁酸が存在する小腸内における毒性物質の吸着能力に優れた球状活性炭が望ましい。
本発明の目的は、胆汁酸の存在下において、トリプトファン又はインドキシル硫酸を大量に吸着することのできる経口投与用吸着剤を提供することである。
本発明者は、高濃度の胆汁酸共存下において、大量の有害物質の吸着・除去が可能な経口吸着剤を鋭意開発していたところ、嵩密度が小さく、しかも比表面積が大きい、表面非改質球状活性炭又は表面改質球状活性炭によって、胆汁酸共存下においても優れた吸着能力を示す経口吸着剤が得られることを見出した。しかしながら、嵩密度が小さい球状活性炭は、炭化収率が低いため、製造コストが高くなるという欠点がある。更に、吸着剤の単位重量当たりの体積が増加してしまうため、経口投与用吸着剤として服用する患者にとって、服用しにくいという欠点が生じる。従って、製造コスト及び患者の服用のしやすさを考慮した吸着能力の向上が望まれる。
本発明者は、更に研究を進め、賦活度の異なる球状活性炭が含まれている(賦活度に分布のある)球球状活性炭(以下、「賦活度分布球状活性炭」と称することがある)を含む経口投与用吸着剤を用いることによって、胆汁酸共存下において、更に優れた吸着能力を示す経口投与用吸着剤が得られることを見出した。本発明の経口投与用吸着剤は、同じ平均嵩密度を有する、従来公知の均一な嵩密度の球状活性炭、すなわち、賦活度に分布のない球状活性炭(以下、「賦活度非分布球状活性炭」と称することがある)を含む経口投与用吸着剤と比較して、胆汁酸共存下における有害物質の吸着・除去の能力が優れている。
すなわち、平均嵩密度が同じ場合、本発明の経口投与用吸着剤は、従来の経口投与用吸着剤よりも、毒性物質の吸着能が優れているため、単位重量当たりの体積を増加させることなく、小腸管内で大量の有害物質を吸着することができ、患者が服用する体積を減少させることが可能である。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、
[1]平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が、式(1)
y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(1)〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕を満たす、球状活性炭を含むことを特徴とする、経口投与用吸着剤、
[2]平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、及び平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、混合することによって得られる球状活性炭を含むことを特徴とする、経口投与用吸着剤、
[3]前記球状活性炭が、0.30meq以上の全酸性基を有する表面改質球状活性炭、又は0.30meq未満の全酸性基を有する表面非改質球状活性炭である、[1]又は[2]に記載の経口投与用吸着剤、
[4]前記表面改質球状活性炭が、0.30meq/g〜1.20meq/gの全酸性基、及び0.20meq/g〜0.9meq/gの全塩基性基を有する、[3]に記載の経口投与用吸着剤、
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の経口投与用吸着剤を有効成分として含む、腎疾患治療又は予防剤、又は
[6][1]〜[4]のいずれかに記載の経口投与用吸着剤を有効成分として含む、肝疾患治療又は予防剤
に関する。
本発明による経口投与用吸着剤は、胆汁酸存在下における毒性物質の吸着能が高いので、腸管内において、有毒な毒性物質を極めて迅速に吸着することができる。従って、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として有効である。更に、服用量を従来の経口投与用吸着剤よりも減少させることができる。
また、本発明による経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭は、高濃度の胆汁酸共存下において、インドキシル硫酸やその前駆体であるトリプトファンなどを高いレベルで吸着することが可能であり、単位重量当たりの体積を増加させることなく、小腸管内で大量の有害物質を吸着することができるため、患者が服用する体積を減少させることができる。
実施例1〜11及び比較例1〜5で得られた球状活性炭の胆汁酸存在下におけるトリプトファン吸着試験の結果を示した図である。 実施例1〜11及び比較例1〜5で得られた球状活性炭の胆汁酸存在下におけるインドキシル硫酸吸着試験の結果を示した図である。 実施例1〜11及び比較例1〜5で得られた球状活性炭のBET比表面積と、SF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積の関係を示した図である。
本発明の経口投与用吸着剤は、平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が、式(1)
y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(1)
〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕を満たす、球状活性炭を含むことを特徴とする。
(トリプトファン又はインドキシル硫酸の吸着量)
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、前記のとおり、賦活度分布を有するものである。例えば、賦活度の進行に関連する物性として、嵩密度又はBET比表面積を挙げることができる。後述の実施例に示すように、嵩密度の異なる球状活性炭を混合することにより、賦活度分布を有する球状活性炭(実施例1〜11)を得ることができる。この賦活度分布を有する球状活性炭は、同じ嵩密度の賦活度分布を有さない球状活性炭(比較例2〜4)と比較すると、胆汁酸存在下におけるトリプトファン及びインドキシル硫酸の吸着量が優れている。すなわち、賦活度分布を有する球状活性炭は、賦活度分布を有さない球状活性炭と比較して、胆汁酸存在下におけるトリプトファン及びインドキシル硫酸の吸着量が優れている(図1及び2)。
比較例1〜5で製造された賦活度分布を有さない表面非改質球状活性炭は、図1及び2に示すように、嵩密度が小さくなるにつれてトリプトファン又はインドキシル硫酸の吸着量が増加する。比較例1〜5で得られた表面非改質球状活性炭の胆汁酸共存下におけるトリプトファン100mg/Lを含む溶液中でのトリプトファン吸着量は、式(2)
y=−23375x+44075x−27926x+6155.3x−120.8(2)(式中、yはトリプトファン吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
で表される。また、比較例1〜5で得られた表面非改質球状活性炭の胆汁酸共存下におけるインドキシル硫酸100mg/Lを含む溶液中でのインドキシル硫酸吸着量は、式(3)
y’=−4416.7x+8950x−6020.8x+1401x−25.8(3)(式中、y’はインドキシル硫酸吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
で表される。
また、比較例6〜8で製造された賦活度分布を有さない表面改質球状活性炭も前記式(2)及び(3)を満たすものである。
これに対して、本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、賦活度分布を有している。従って、実施例1〜11で得られた表面非改質球状活性炭の胆汁酸共存下におけるトリプトファン100mg/Lを含む溶液中でのトリプトファン吸着量は、式(4)
y>−23375x+44075x−27926x+6155.3x−120.8(4)(式中、yはトリプトファン吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
を満たす。一方、本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭トリプトファン吸着量の上限は、特に限定されるものではないが、式(5)
y≦−640x+150x+210.2(5)(式中、yはトリプトファン吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
を満たすものが好ましい。
また、実施例1〜11で得られた表面非改質球状活性炭の胆汁酸共存下におけるインドキシル硫酸100mg/Lを含む溶液中でのインドキシル硫酸吸着量は、式(6)
y’>−4416.7x+8950x−6020.8x+1401x−25.8(6)(式中、y’はインドキシル硫酸吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
を満たす。一方、本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭インドキシル硫酸吸着量の上限は、特に限定されるものではないが、式(7)
y≦−235x+131.5x+34.8(7)(式中、yはインドキシル硫酸吸着量を表し、xは嵩密度を表す)
を満たすものが好ましい。
実施例1〜11で得られた表面非改質球状活性炭は、前記式(4)及び/又は(6)を満たすものであり、実施例12〜14において製造された賦活度分布を有する表面改質球状活性炭も前記式(4)及び/又は(6)を満たすものである。
トリプトファン吸着量及びインドキシル硫酸吸着量を測定する際に共存させる胆汁酸は、限定されるものではないが、コール酸ナトリウムを用いることができる。胆汁酸の濃度も限定されるものでないが、精製水1000mLに対して6458mgを溶解させて、行うことができる。
なお、コール酸ナトリウム以外の胆汁酸(例えば、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム)を用い、0.645w/v%以外の濃度で、トリプトファン吸着量及びインドキシル硫酸吸着量を測定するができる。そして、その測定値から前記式(1)及び式(2)に代わるトリプトファン吸着量及びインドキシル硫酸吸着量の式を作成することが可能であり、それらの式を満たす球状活性炭も本発明の範囲に含まれることは、当業者にとって自明である。
(細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積とBET比表面積の関係)
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、前記のとおり、賦活度分布を有するものである。本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭は、窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が、式(1)
y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(1)
〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕を満たす。
SF法により求める細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積は、ミクロ孔に分類される細孔容積である。本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、賦活によりミクロ孔を形成している。炭素材料は、賦活の進行に伴い、炭素材料の未組織化部分が選択的に分解消費され、炭素構造内(炭素結晶体間)の閉ざされている微細な孔隙が開放されることにより、微細な細孔(ミクロ孔)が形成される。つまり、賦活の進行に伴い、閉孔が開孔となり、これがミクロ孔となる。このようなミクロ孔は、賦活の進行のみによって形成され、賦活の進行度を示す指標となる。
更に、BET比表面積もミクロ孔を反映する物性値であるため、賦活の進行に関連する物性である。
従って、BET比表面積に対する細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積の関係は、賦活の進行度を示す良い指標である。
比較例1〜5で製造された賦活度分布を有さない表面非改質球状活性炭は、図3に示すように、BET比表面積が大きくなるにつれて細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が相乗的に増加する。比較例1〜5で得られた表面非改質球状活性炭の細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積は、式(8)
y=6×10−8−9×10−5x+0.0241(8)
〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕
で表される。
また、比較例6〜8で製造された賦活度分布を有さない表面改質球状活性炭も前記式(8)を満たすものである。
なお、式(8)は、賦活の進行度を示す指標であるため、賦活度に分布を有しない限りこの関係式から外れることはなく、球状活性炭が賦活度分布を有するか、否かの指標となるものである。
一方、本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、賦活度分布を有している。実施例1〜11で得られた表面非改質球状活性炭のBET比表面積に対する細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積は、式(1)
y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(1)
〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕を満たす。賦活の進行度を示す指標である、BET比表面積に対する細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積の関係式は、2次関数であるため、本発明における賦活度分布を有している球状活性炭は、式(8)を満たさず、式(1)を満たす。
すなわち、本発明の経口投与用吸着剤に用いる賦活度に分布を有する表面非改質球状活性炭は、賦活度に分布を有さない表面非改質球状活性炭と比較して、BET比表面積に対するSF法により求められる細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が高いものである(図3)。また、実施例12〜14において製造された賦活度分布を有する表面改質球状活性炭も前記式(1)を満たすものである。
換言するならば、「球状活性炭が賦活度に分布を有している」とは、球状活性炭が式(1)の条件を満たすことを意味しており、より具体的には、同じBET比表面積の球状活性炭において、SF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が高いことを意味している。賦活度分布を有する球状活性炭は、賦活度分布を有さない球状活性炭を混合することによって得ることができる。
本発明に用いる球状活性炭の細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積は、y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(式中、yは細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す)であり、より好ましくは、y>6×10−8−9×10−5x+0.0308(式中、yは細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す)であり、最も好ましくはy>6×10−8−9×10−5x+0.0361(式中、yは細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す)である。
BET比表面積に対する、細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積の上限は特に限定されるものではないが、y<8×10−22+0.0001x−0.1057(式中、yは細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す)である。
細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積は、窒素吸着法により測定することが可能であり、Saito−Foley法(以下、「SF法」と称する)、Horverth−Kawazoe法、及びDensity Functional Theory法などにより解析することができるが、本発明においては、細孔形状をシリンダー状と仮定し、解析を行うSF法によって得られた細孔容積を用いる。
(表面非改質球状活性炭)
表面非改質球状活性炭は、炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行うことによって得られる多孔質体であり、賦活処理後の酸化処理及び還元処理による表面改質処理を実施していない球状活性炭、あるいは、前記賦活処理の後に非酸化性雰囲気での熱処理を実施して得られる球状活性炭である。官能基の構成の観点からは、表面非改質球状活性炭とは、全酸性基が0.30meq/g未満の球状活性炭を意味する。全酸性基は、好ましくは0.25meq/g以下、より好ましくは0.20meq/g以下である。
(表面改質球状活性炭)
表面改質球状活性炭は、炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行い、更にその後で、酸化処理による表面改質処理、又は酸化処理及び還元処理による表面改質処理を実施することによって得られる多孔質体であり、酸及び塩基に対して適度な相互作用を示すことができる。官能基の構成の観点からは、表面改質球状活性炭とは、酸性点が0.30meq/g以上の球状活性炭を意味する。特に、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.9meq/gの表面改質球状活性炭は、DL−β−アミノイソ酪酸のような水溶性毒素の吸着性能が高いので好ましい。特には、全酸性基は0.30〜1.00meq/gであることが好ましく、全塩基性基は0.30〜0.70meq/gであることが好ましい。
(平均嵩密度)
本発明に用いる球状活性炭の平均嵩密度は、0.40g/mL〜0.60g/mLであり、より好ましくは0.42g/mL〜0.58g/mLであり、最も好ましくは0.45g/mL〜0.55g/mLである。嵩密度が0.60g/mLを超えると、インドキシル硫酸及びトリプトファンの吸着量が減少するため、好ましくない。また、平均嵩密度が、0.40g/mL未満においても、インドキシル硫酸及びトリプトファンの吸着能は優れているが、嵩密度が小さくなるにつれて、球状活性炭の強度が弱くなり破砕してしまうため、球状を保てなくなる。また、球状活性炭の収率が悪くなり、活性炭の製造における経済性が低下するため、0.40g/mL以上が好ましい。
なお、本明細書において平均嵩密度とは、「賦活度の異なる球状活性炭を含む球状活性炭の嵩密度」を意味する。例えば、従来の方法によって調製された嵩密度の異なる2つ以上の球状活性炭を混合した場合の球状活性炭の嵩密度を平均嵩密度と称することができる。しかしながら、その測定方法は、通常の嵩密度の測定方法と変わるものではない。
具体的には、嵩密度ρBとは、容器に球状活性炭を充填したときの球状活性炭の乾燥重量W(g)を充填された球状活性炭の体積V(mL)で除した値であり、以下の計算式から得ることができる。
Figure 2016117650
球状活性炭の嵩密度は、賦活の程度を示す良い指標である。すなわち、嵩密度が小さいほど、賦活が進んでいることを示す。球状活性炭の製造工程において、後述する水蒸気賦活では、賦活初期に比較的小さな細孔が形成され、賦活が進むに従って細孔径が拡大し、その結果嵩密度が低下する。
《賦活度分布を有する活性炭の製造》
本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭の製造方法は、賦活度分布を有する限り限定されるものではないが、例えば賦活度の異なる球状活性炭を混合する方法によって製造することができる。
(混合による製造方法)
本発明に用いる球状活性炭は、従来の方法によって調製された賦活度に分布のない球状活性炭、すなわち非分布球状活性炭の2種以上を混合することによって製造することができる。従って、前記球状活性炭は、平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、及び平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、混合することによって製造することが可能である。
賦活反応とは、炭素材料の細孔構造を発達させ細孔を付与する反応であり、その賦活の進行度は、原料の種類や量、賦活反応ガスの種類・組成・濃度や、賦活温度、賦活時間などによって制御することができる。賦活温度、賦活時間や賦活ガスの濃度などが均一となるように賦活すると、賦活分布が生じない。本発明に用いる分布球状活性炭は、例えば、得られた賦活度の異なる2つ以上の非分布球状活性炭を混合することによって調製することができる。
本明細書において、「平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭」とは、嵩密度の異なる2つ以上の非分布球状活性炭を混合して得られた分布球状活性炭の平均嵩密度より大きな嵩密度を有する球状活性炭を意味する。
平均嵩密度を超える球状活性炭の嵩密度と、本発明の球状活性炭活性炭との平均嵩密度の差は、限定されるものではないが、下限は0.0025g/mL以上であり、好ましくは0.005g/mL以上であり、より好ましくは0.01g/mL以上であり、より好ましくは0.02g/mLであり、更に好ましくは0.05g/mLである。上限は限定されるものではないが、0.3g/mLであり、好ましくは0.2g/mLである。
また、本明細書において、「平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭」とは、嵩密度の異なる2つ以上の非分布球状活性炭等を混合して得られた分布球状活性炭の平均嵩密度より小さな嵩密度を有する球状活性炭を意味する。平均嵩密度未満の球状活性炭の嵩密度と、本発明の球状活性炭活性炭との平均嵩密度の差は、限定されるものではないが、下限は0.0025g/mL以上であり、好ましくは0.005g/mL以上であり、より好ましくは0.01g/mL以上であり、より好ましくは0.02g/mLであり、更に好ましくは0.05g/mLである。上限は限定されるものではないが、0.3g/mLであり、好ましくは0.2g/mLである。
前記分布球状活性炭は、平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭を5重量%以上含み、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、最も好ましくは20重量%以上含む。また、その平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭を5重量%以上含み、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、最も好ましくは20重量%以上含む。
平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭と、平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭との量の比は、特に制限されるものではなく、例えば1:99〜99:1の範囲において、適宜決定することができるが、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは40:60〜60:40であり、更に好ましくは45:55〜55:45であり、最も好ましくは50:50である。この混合比は、3つ以上の嵩密度の球状活性炭を混合する場合にも当てはまる。
更に、本発明に用いる前記分布球状活性炭は、平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭、及び平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭に加えて、平均嵩密度と同じ嵩密度の非分布球状活性炭を含むことができる。例えば、嵩密度が0.5g/mLの非分布球状活性炭を用いて、平均嵩密度が0.5g/mLの分布球状活性を調製することができる。この場合、加える嵩密度が同じ非分布球状活性炭の量は、得られる分布球状活性炭に対して、90重量%以下であり、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下であり、最も好ましくは60重量%以下である。
混合に用いる球状活性炭としては、限定されるものではないが、前記表面非改質球状活性炭、表面改質球状活性炭を用いることができる。特に、嵩密度の小さい球状活性炭を「平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭」として用いることによって、本発明の効果を得ることができる。
例えば、「平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭」として用いる表面非改質球状活性炭の嵩密度は、限定されないが0.30〜0.50g/mLが好ましく、0.30〜0.46g/mLが更に好ましい。
また、表面非改質球状活性炭の比表面積も限定されないが、BET法により求められる比表面積が1600m/g以上が好ましく、2000m/g以上が更に好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭の20〜10000nmの細孔容積は、限定されないが0.21mL/g以下が好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭は、式(1)
Vm=(V2.0−V1.1)/(V1.1−V0.64) (1)
[式中、V2.0、V1.1、及びV0.64は、それぞれ窒素吸着量からSF法により計算された細孔直径2.0nm以下、1.1nm以下、及び0.64nm以下の累積細孔容積である]で求められるミクロ孔容積比(Vm)が、0.80以上である球状活性炭が好ましく、1.0以上である球状活性炭が更に好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭の平均粒子径は、限定されないが50〜200μmが好ましい。
例えば、「平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭」として用いる表面改質球状活性炭の嵩密度は、限定されないが0.30〜0.50g/mLが好ましく、0.30〜0.46g/mLが更に好ましい。
また、表面改質球状活性炭の比表面積も限定されないが、BET法により求められる比表面積が1600m/g以上が好ましく、1900m/g以上が更に好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭の20〜10000nmの細孔容積は、限定されないが0.21mL/g以下が好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭は、式(1)
Vm=(V2.0−V1.1)/(V1.1−V0.64) (1)
[式中、V2.0、V1.1、及びV0.64は、それぞれ窒素吸着量からSF法により計算された細孔直径2.0nm以下、1.1nm以下、及び0.64nm以下の累積細孔容積である]で求められるミクロ孔容積比(Vm)が、0.8以上である球状活性炭が好ましく、1.0以上である球状活性炭が更に好ましい。
更に、表面非改質球状活性炭の平均粒子径は、限定されないが50〜200μmが好ましい。
(比表面積)
球状活性炭の比表面積は、BET法又はラングミュア(Langmuir)法により求めることができる。本発明による経口投与用吸着剤として用いる球球状活性炭の比表面積は、BET法により求められる比表面積(以下「SSA」と省略することがある)が700m/g以上であり、更に好ましくは1200m/g以上であり、特に好ましくは1600m/g以上であり、最も好ましくは、1900m/g以上である。SSAが700m/gより小さい球状活性炭では、胆汁酸存在下における毒性物質の吸着性能が低くなるので好ましくない。SSAの上限は特に限定されるものではないが、嵩密度及び強度の観点から、SSAは、3000m/g以下であることが好ましい。
(細孔容積)
本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭は、細孔直径20〜10000nmの細孔容積が好ましくは0.21mL/g以下であり、より好ましくは0.20mL/g以下であり、更に好ましくは0.19mL/g以下である。細孔直径20〜10000nmの細孔容積が0.21mL/gを超えると消化酵素等の有用物質の吸着量が増加することがあるので好ましくない。下限は、特に限定されるものではないが、0.02mL/g以上が好ましい。
本発明の経口投与用吸着剤に用いる球状活性炭は、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.01mL/g以上であり、好ましくは0.05mL/g以上であり、より好ましくは0.08mL/g以上であり、更に好ましくは0.1mL/g以上であり、最も好ましくは0.2mL/g以上である。細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が大きいことにより、有毒物質の吸着速度が優れている。また、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積の上限は特に限定されるものではないが、1.0mL/g以下が好ましい。細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が1.0mL/gを超えると、消化酵素等の有用物質の吸着量が増加してしまうことがあるので好ましくない。
(ミクロ孔容積比)
例えば、IUPACでは、2nm以下の細孔をミクロ孔、2〜50nmをメソ孔、50nm以上をマクロ孔と規定している。本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、ガス賦活により比較的小さなミクロ孔を主に形成している。そして、そのミクロ孔が形成されることによって、球状活性炭が低密度化し、比表面積を増加させて、それによって、胆汁酸共存下における毒性物質の吸着性能が高くなっている。
2nm以下のミクロ孔の細孔容積は、窒素吸着法により測定することが可能であり、Saito−Foley法(以下、「SF法」と称する)、Horverth−Kawazoe法、及びDensity Functional Theory法などにより解析することができるが、本発明においては、細孔形状をシリンダー状と仮定し、解析を行うSF法によって得られた細孔容積を用いる。
具体的には、本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭における細孔容積は、Vm=(V2.0−V1.1)/(V1.1−V0.64)[式中、V2.0は窒素吸着量からSF法により計算された細孔直径2.0nm以下の累積細孔容積であり、V1.1は窒素吸着量からSF法により計算された細孔直径1.1nm以下の累積細孔容積であり、V0.64は窒素吸着量からSF法により計算された細孔直径0.64nm以下の累積細孔容積である]で求められるミクロ孔容積比Vmが高いことが望ましい。ミクロ孔容積比が低いと、比較的大きな胆汁酸分子が細孔閉塞を起こしてしまい、分子サイズより小さい尿毒症物質やその前駆体の吸着が阻害されてしまうため好ましくない。ミクロ孔容積比が増大すると共に、比較的大きな胆汁酸分子が細孔閉塞を起こさずに、分子サイズのより小さい尿毒症物質やその前駆体の吸着が優れるため好ましい。
(直径)
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭における直径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜1mmであり、より好ましくは0.02〜0.8mmである。球状活性炭の直径が0.01mm未満になると、球状活性炭の外表面積が増加し、消化酵素等の有益物質の吸着が起こり易くなるので好ましくない。また、直径が1mmを超えると、球状活性炭の内部への毒性物質の拡散距離が増加し、吸着速度が低下するので好ましくない。
(平均粒子径)
本明細書において平均粒子径とは、体積基準の粒度累積線図において粒度累積率50%における粒子径(Dv50)を意味する。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭における平均粒子径の範囲は、特に限定されるものではないが、0.01〜1mmである。球状活性炭の平均粒子径が0.01mm未満になると、球状活性炭の外表面積が増加し、消化酵素等の有益物質の吸着が起こり易くなるので好ましくない。また平均粒子径が1mmを超えると球状活性炭の内部への毒性物質の拡散距離が増加し、吸着速度が低下するため好ましくない。平均粒子径は好ましくは、0.02〜0.8mmであり、特に平均粒子径が50〜200μmである球状活性炭は、初期吸着能に優れており、一般的な上部小腸管内滞留時間内において、生体内の有毒な毒性物質を極めて迅速に吸着することができるからである。平均粒子径のより好ましい範囲は50〜170μmであり、更に好ましい範囲は50〜150μmである。
(粒度分布)
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、その粒度分布が狭いことが好ましい。例えば、個数基準平均の長さ平均粒子径D(=ΣnD/Σn)と、重量基準分布の重量平均粒子径D(=Σ(nD)/Σ(nD))との比(D/D)によって表した場合、本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、前記の比(D/D)が、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下である。ここで、前記の比(D/D)が1に近いほど粒度分布が狭いことを示している。なお、前記の計算式で、Dは測定粒子径区分の代表粒子径であり、nは個数である。
(全酸性基及び全塩基性基)
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭の全酸性基及び全塩基性基は、特に限定されるものではない。特に表面非改質球状活性炭、及び表面改質球状活性炭の混合物である場合は、全酸性基及び全塩基性基の量は限定されない。しかしながら、球状活性炭が表面非改質球状活性炭である場合は、全酸性基が0.30meq/g未満が好ましい。また、球状活性炭が表面改質球状活性炭である場合は、0.30meq/g以上が好ましく、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20〜0.9meq/gであることが更に好ましい。
本発明者の知る限り、経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭において、賦活度分布のある球状活性炭は全く知られていない。
例えば特許文献2の実施例1〜7で具体的に調製されている活性炭は、賦活度分布については全く記載されておらず、またその実施例の製造の記載から、賦活度分布が生じていないことは明らかである。例えば、実施例1では、水蒸気雰囲気とし、1分間に8℃の割合で850℃まで昇温し、850℃で9時間保持して水蒸気賦活を行っているが、賦活度分布を有していない。また、賦活度分布を有する活性炭が、大量の胆汁酸共存下における毒性物質の吸着能力に優れていることは一切記載されていない。
また、特許文献3においても、賦活度分布については全く記載されておらず、その実施例の製造の記載から、賦活度分布が生じていないことは明らかである。例えば、実施例1では、炭素質材料の50kgを回転炉に仕込み、100%水蒸気雰囲気中、950℃で13時間賦活処理を行っており、賦活度の異なる非分布球状活性炭を混合していないため、賦活度分布を有しない。更に、賦活度分布を有する活性炭が、大量の胆汁酸共存下における毒性物質の吸着能力に優れていることも一切記載されていない。
本発明による経口投与用吸着剤が前記のような優れた効果を有する理由は、現在のところ不明であるが、以下のように推定することもできる。もっとも、本発明は、以下の推定に限定されるものではない。
生体内には高濃度の胆汁酸が存在している。胆汁酸とは、水に溶けにくい脂質の吸収を手助けするための界面活性剤の一種である。従って、胆汁酸が脂質をミセル化するためには臨界ミセル濃度以上の濃度が必要であり、人の小腸内には飽食時で15mMの濃度で存在している。胆汁酸の代表例としては、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウムなどであり、分子量400〜600程度の中分子である。また、胆汁酸分子同士が会合しミセル化すると、ミセルサイズは数nmと大きくなり、体内の有毒な毒性物質(Toxin)として注目されているインドキシル硫酸やその前駆体であるトリプトファンと比較して、大きなサイズで存在していることになる。
このような高濃度の胆汁酸共存下において、大きなサイズの胆汁酸分子や胆汁酸ミセルが細孔閉塞などの吸着阻害を引き起こすことなく、小さいサイズの有毒な毒性物質であるインドキシル硫酸やその前駆体であるトリプトファンなどを吸着するためには、嵩密度が低く、比表面積が大きく、細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が高い経口投与用吸着剤が有効であり、その吸着能は、嵩密度が低いほど、比表面積が高いほど、及び細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が高いほど、指数的に向上する。
本発明の球状活性炭は、指数的に吸着能を向上させる特定の嵩密度範囲、及び比表面積範囲において賦活度分布を有していることにより、同じ平均嵩密度で賦活度分布を有していない球状活性炭と比較して、服用体積を増加させることなく、胆汁酸共存下における毒性物質の吸着能に優れた効果を有するものと考える。
(炭素源)
本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、炭素源として、任意の炭素含有材料を用いることができる。使用可能な炭素含有材料としては、例えば、合成樹脂又はピッチを用いることができる。合成樹脂としては、熱溶融性樹脂又は熱不融性樹脂を用いることができる。ここで、熱溶融性樹脂とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行うと、温度上昇に伴って溶融・分解してしまう樹脂であり、活性炭を得ることができない樹脂である。しかしながら、予め不融化処理を実施してから賦活処理を行うと、活性炭とすることができる。これに対して、熱不融性樹脂とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行っても、温度上昇に伴って溶融することなく炭素化が進み、活性炭を得ることができる樹脂である。なお、不融化処理とは、後述するように、例えば、酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことである。
熱溶融性樹脂の代表例は、熱可塑性樹脂であり、例えば、架橋ビニル樹脂を挙げることができる。一方、熱不融性樹脂の代表例は、熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂又はフラン樹脂を挙げることができる。公知の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の中から、球状体を形成することのできる任意の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。なお、架橋ビニル樹脂から球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が必要であるのに対し、架橋ビニル樹脂に官能基を付与することによって製造されるイオン交換樹脂から球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が不要である。これは、官能基付与処理や導入された官能基によって架橋ビニル樹脂が熱溶融性樹脂から熱不融性樹脂に変性されるものと考えられる。すなわち、架橋ビニル樹脂は本明細書における熱溶融性樹脂に含まれるのに対し、イオン交換樹脂は、本明細書における熱不融性樹脂に含まれる。
本発明に用いる球状活性炭の炭素源は、特に限定されるものではないが、取り扱いが容易であることから合成樹脂を用いることが好ましい。合成樹脂としては、熱不融性樹脂である熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、及びフラン樹脂)及びイオン交換樹脂;並びに熱溶融性樹脂である熱可塑性樹脂(例えば、架橋ビニル樹脂)を挙げることができる。ここで熱硬化性樹脂は球状活性炭に中空が形成され易くなり、強度が弱く破砕したとき腸内に突き刺さる危険性がある。また、イオン交換樹脂は硫黄分などを含むことから経口投与に用いる場合は、注意が必要である。従って、球状活性炭の炭素源としては、熱可塑性樹脂(例えば、架橋ビニル樹脂)を用いることが、より好ましい。
(熱溶融性樹脂)
熱溶融性樹脂(例えば、架橋ビニル樹脂)を炭素源として用いる場合には、ピッチ類を用いる従来の製造方法と実質的に同様の操作を利用することができる。例えば、熱溶融性樹脂からなる前記球状体は、熱処理により軟化して形状が非球形に変形するか、あるいは球状体同士が融着するので、賦活処理の前に、不融化処理として、酸化剤を用いて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことにより軟化を抑制することができる。酸化剤としてはO、あるいはこれらを空気又は窒素等で希釈した混合ガスを用いることができる。
熱溶融性樹脂である架橋ビニル樹脂は、非酸化性ガス雰囲気中での熱処理により軟化、溶融して炭素化収率が10%に満たないが、不融化処理として酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことにより軟化、溶融することなく、30%以上の高い炭素化収率で球状の炭素質材料を得るができ、これを賦活処理を行うことにより球状活性炭を得ることができる。
また、不融処理後の熱溶融性樹脂の球状体を熱処理すると、多くの熱分解ガスなどが発生する場合には、賦活操作を行う前に適宜予備焼成を行い、予め熱分解生成物を除去することができる。
続いて、炭素と反応性を有する気流(例えばスチーム又は炭酸ガス)中で、700〜1000℃の温度で賦活処理して、球状活性炭を得ることができる。本明細書において、「活性炭」とは、球状の熱溶融性樹脂などの炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行うことによって得られる多孔質体を意味し、「球状活性炭」とは、球状で比表面積が100m/g以上であるものを意味する。出発材料として用いる熱溶融性樹脂の前記球状体の平均粒子径は、特に限定されないが、約0.02〜1.5mmであることが好ましく、50μm〜800μmがより好ましく、70μm〜500μmが更に好ましい。
出発原料として用いる前記の架橋ビニル樹脂は、例えば、乳化重合、塊状重合、若しくは溶液重合によって得られる球状ポリマー、又は好ましくは懸濁重合によって得られる球状ポリマーを用いることができる。直径50μm以上の球状の架橋ビニル樹脂を均一に不融化するには、架橋ビニル樹脂に予め細孔形成を行うことが不可欠である。樹脂の細孔形成は、重合時にポロゲンを添加することにより可能となる。架橋ビニル樹脂を均一に不融化するために必要な、架橋ビニル樹脂の表面積は10m/g以上が好ましく、更に好ましくは50m/g以上である。
例えば、架橋ビニル樹脂を懸濁重合によって調製する場合には、ビニル系モノマー、架橋剤、ポロゲン及び重合開始剤を含む有機相を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に添加し、攪拌混合により水相中に懸濁された多数の有機液滴を形成した後、加熱して有機液滴中のモノマーを重合させることにより、球状の架橋ビニル樹脂を調製することができる。
ビニル系モノマーとしては、球形に成型することができる任意のビニル系モノマーを用いることができ、例えば、芳香族ビニル系モノマー、例えば、スチレン、あるいはビニル基水素やフェニル基水素が置換されたスチレン誘導体、あるいはフェニル基のかわりに複素環式あるいは多環式化合物がビニル基に結合した化合物などを用いることができる。芳香族ビニル系モノマーとしては、より具体的には、α−あるいはβ−メチルスチレン、α−あるいはβ−エチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、あるいはクロロスチレンなど、あるいは、o−、m−、あるいはp−メチルスチレン、エチルスチレン、メトキシスチレン、メチルシリルスチレン、ヒドキロシスチレン、クロロスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、アミノスチレン、カルボキシスチレン、あるいはスルホキシスチレン、スチレンスルホン酸ソーダなど、あるいは、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルピロリドン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、又はビニルビフェニル等を挙げることができる。また、脂肪族ビニル系モノマーも使用することができ、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンなどのビニルケトン類、アクロレイン、メタアクロレインなどのビニルアルデヒド類、あるいは、ビニルメチルエーテル、又はビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、ジフェニルアクリロニトリル、クロロアクリロニトリルなどのビニルニトリル類を挙げることができる。
また、架橋剤としては、前記のビニル系モノマーの架橋化に用いることができる任意の架橋剤を用いることができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタラート、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメチラート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、グリコール又はグリセロールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ペンタエリトリトールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、グリコールのモノ又はジチオ誘導体のポリビニル又はポリアリルエーテル類、あるいはレゾルシノールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリルアクリラート、ジアリルマレアート、ジアリルフマラート、ジアリルスクシナート、ジアリルカルボナート、ジアリルマロナート、ジアリルオキサラート、ジアリルアジパート、ジアリルセバサート、トリアリルトリカルバリラート、トリアリルアコニタート、トリアリルシトラート、トリアリルホスファート、N,N’−メチレンジアクリルアミド、1,2−ジ(α−メチルメチレンスルホンアミド)エチレン、トリビニルベンゼン、トリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、あるいはトリビニルシクロヘキサンを用いることができる。特に好ましい架橋剤の例に含まれるものは、ポリビニル芳香族炭化水素(例えば、ジビニルベンゼン)、グリコールトリメタクリラート(例えば、エチレングリコールジメタクリラート)、又はポリビニル炭化水素(例えば、トリビニルシクロヘキサン)である。ジビニルベンゼンは、その熱分解特性が優れているので、最も好ましい。
適当なポロゲンとしては、炭素原子数4〜10のアルカノール(例えば、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、又は、4−メチル−2−ペンタノール)、炭素原子数が少なくとも7のアルキルエステル(例えば、n−ヘキシルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、メチルオレアート、ジブチルセバサート、ジブチルアジパート、又はジブチルカルボナート)、炭素原子数4〜10のアルキルケトン(例えば、ジブチルケトン又はメチルイソブチルケトン)、又はアルキルカルボン酸(例えば、ヘプタン酸)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、又はベンゼン)、高級飽和脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、又はイソオクタン)、あるいは環式脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサン)を挙げることができる。
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、重合性単量体に可溶性である油溶性重合開始剤が好ましい。重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、又はアゾ化合物を挙げることができる。より具体的には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;などを挙げることができる。
(熱不融性樹脂)
本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭の調製に、炭素源として熱不融性樹脂(例えば、熱硬化性樹脂やイオン交換樹脂)を用いる場合には、ピッチ類を用いる従来の製造方法と実質的に同様の操作を利用することができる。例えば、最初に、熱不融性樹脂からなる球状体を、炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガス)中で、700〜1000℃の温度で賦活処理して、球状活性炭を得ることができる。なお、前記の熱溶融性樹脂の場合と同様に、熱不融性樹脂の球状体を熱処理すると、多くの熱分解ガスなどが発生する場合には、賦活操作を行う前に適宜予備焼成を行い、予め熱分解生成物を除去することができる。出発材料として用いる熱不融性樹脂の前記球状体の平均粒子径は、特に限定されないが、約0.02〜1.5mmであることが好ましく、50μm〜800μmがより好ましく、70μm〜500μmが更に好ましい。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂は、球状体を成形することが可能な材料であり、500℃以下の熱処理においては溶融又は軟化せずに、形状変形も起こさないことが重要である。
出発材料として用いる前記の熱不融性樹脂としては、熱処理による炭素化収率が高いことが望ましい。炭素化収率が低いと、球状活性炭としての強度が弱くなる。また、不必要な細孔が形成されるため、球状活性炭の嵩密度が低下して、体積あたりの比表面積が低下するので、投与体積が増加し、経口投与が困難になるという問題を引き起こす。従って、熱不融性樹脂の炭素化収率は高いほど好ましく、非酸化性ガス雰囲気中800℃での熱処理による収率の好ましい値は30重量%以上であり、更に好ましくは35重量%以上である。
出発材料として用いる前記の熱硬化性樹脂としては、具体的には、フェノール樹脂、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型アルキルフェノール樹脂、若しくはレゾール型アルキルフェノール樹脂を挙げることができ、その他にもフラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂としては、更に、ジビニルベンゼンと、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、又はメタクリル酸との共重合体を用いることができる。
また、前記の熱不融性樹脂としては、イオン交換樹脂を用いることができる。イオン交換樹脂は、一般的に、ジビニルベンゼンと、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、又はメタクリル酸との共重合体(すなわち、熱溶融性樹脂である架橋ビニル樹脂)からなり、基本的には三次元網目骨格をもつ共重合体母体に、イオン交換基が結合した構造を有する。イオン交換樹脂は、イオン交換基の種類により、スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂、カルボン酸基又はスルホン酸基を有する弱酸性イオン交換樹脂、第四級アンモニウム塩を有する強塩基性イオン交換樹脂、第一級又は第三級アミンを有する弱塩基性イオン交換樹脂に大別され、このほか特殊な樹脂として、酸及び塩基両方のイオン交換基を有するいわゆるハイブリッド型イオン交換樹脂があり、本発明においては、これらのすべてのイオン交換樹脂を原料として使用することができる。
炭素源として熱不融性樹脂(特には、イオン交換樹脂)を用いて、炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガス)中で、700〜1000℃の温度で賦活処理を実施することによって表面非改質球状活性炭が得られる。更に、その表面非改質球状活性炭を酸化のみ、又は酸化及び還元処理することによって、表面改質球状活性炭を得ることができる。
(合成樹脂における物性の制御)
前記の熱溶融性樹脂又は熱不融性樹脂を用いて本発明による球状活性炭を調製する場合には、球状活性炭の物性(例えば、平均粒子径、細孔容積、粒度分布、又は比表面積など)を、種々の方法で制御することができる。例えば、樹脂の平均粒子径及び粒度分布は、水相中の液滴の大きさに依存し、液滴の大きさは懸濁剤の量、攪拌の回転数、攪拌羽根の形状、あるいは水相中のモノマー比(水の量とモノマー量の比)により制御することができる。例えば、懸濁剤の量を多くすると液滴を小さくすることができ、攪拌の回転数を大きくすると、液滴を小さくすることができ、更に、水相中のモノマー量を少なくすると液滴の合一化を制御することができるだけでなく、重合熱の除熱が容易になるなどの観点で好ましいが、モノマー比が少なすぎると、1バッチ当たりのモノマー量が少なくなるため、得られる合成樹脂量が減少し、生産性の観点からは好ましくない。
また、細孔容積と比表面積は、制御する細孔直径が10nm以上の場合には、主にポロゲンの量及び種類によって制御することができ、制御する細孔直径が10nm以下の場合には、水蒸気による賦活条件により制御することができる。更に、それ以外に、表面改質球状活性炭としての微細組織は、樹脂の種類、架橋剤の種類と量、不融化条件、焼成条件、及び/又は賦活温度などにより、制御することができる。
賦活反応としては、炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガス)中で、700〜1000℃の温度で賦活処理することによって表面非改質球状活性炭が得られる。更に、その表面非改質球状活性炭を酸化のみ、又は酸化及び還元処理することによって、本発明の経口投与用吸着剤として用いることのできる表面改質球状活性炭を得ることができる。嵩密度は、賦活条件によって制御することができ、例えば、賦活時間を長くする、賦活温度を高くする、炭素と反応性を有する気流の濃度を増加させることによって、嵩密度を小さくすることが可能である。
(ピッチ)
本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭の調製に、炭素源としてピッチを用いる場合は、例えば以下の方法で調製することができる。
石油ピッチ又は石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上の2環又は3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形してピッチ成形体を得る。ピッチ成形体の大きさは、押出し成形時のノズル径、あるいは、ピッチ成形体の粉砕条件によって制御することができる。ピッチ成形体の体積が小さいほど、小さい球状ピッチを作ることができ、より小さい粒子径を有する球状活性炭を得ることができる。
次に、ピッチ成形体を50〜120℃の熱水中で撹拌下に分散し、造粒して微小球体化したのちに冷却し、球状ピッチ成形体を得る。球状ピッチ成形体の平均粒子径は特に限定されないが、約0.02〜1.5mmが好ましく、60〜350μmがより好ましく、60〜300μmが更に好ましい。更に、ピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、球状ピッチ成形体から添加剤を抽出除去し、得られた多孔性ピッチを、酸化剤を用いて酸化して不融性多孔性ピッチとし、得られた熱に対し不融性の多孔性ピッチを、更に炭素と反応性を有する気流、例えばスチーム又は炭酸ガス中、800〜1000℃の温度で処理すれば、球状活性炭を得ることができる。
特に、平均粒子径50〜200μm程度の微小球の球状活性炭を作製するためには、ナフタレンとピッチを紡糸する際の温度を高くする、ポリビニルアルコール量を増量する、又は冷却工程を短時間で行うなどの制御を行うことが好ましい。
上記した芳香族添加剤の目的は、成形後のピッチ成形体から前記添加剤を抽出除去させて成形体を多孔質とし、後工程の酸化による炭素質材料の構造制御ならびに焼成を容易にすることにある。このような添加剤は、例えば、ナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、又はビフェニル等の芳香族化合物の1種又は2種以上の混合物から選択される。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対し10〜50重量部の範囲が好ましい。
ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達成するため、加熱し溶融状態で行う。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後粉砕する等の方法によってもよいが、溶融状態で糸状に混合ピッチを押し出し、その後これを等間隔で切断若しくは粉砕する方法が、粒子径分布をより狭い範囲で制御できるので好ましい。粒子径は混合ピッチを押し出す時のノズル径により制御することができ、細いノズルを使用することにより小さな混合物成形体とすることができる。
ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、又はケロシン等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等の脂肪族アルコール類等が好適である。
このような溶剤でピッチと添加剤の混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま添加剤を成形体から除去することができる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
こうして得られた多孔性を示すピッチ成形体を、次いで不融化処理、すなわち酸化剤を用いた、好ましくは150℃〜400℃までの温度での酸化処理により、熱に対して不融の多孔性不融性ピッチ成形体とする。酸化剤としてはO、あるいはこれらを空気又は窒素等で希釈した混合ガスを用いることができる。
本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭の調製に炭素源としてピッチを用いる場合、芳香族添加剤の量、種類、ピッチ内での析出条件を制御することにより、細孔容積を制御することができる。
出発材料として用いるピッチとしては、熱処理による炭素化収率が高いことが望ましい。炭素化収率が低いと、球状活性炭としての強度が弱くなる。また、不必要な細孔が形成されるため、球状活性炭の嵩密度が低下して、体積あたりの比表面積が低下するので、投与体積が増加し、経口投与が困難になるという問題を引き起こす。従って、ピッチの炭素化収率は高いほど好ましく、非酸化性ガス雰囲気中800℃での熱処理による収率の好ましい値は50重量%以上、更に好ましくは60重量%以上である。
(表面改質)
熱溶融性樹脂、熱不融性樹脂、又はピッチを炭素源として、得られた所望の細孔を有する表面非改質球状活性炭を、酸化処理のみ、又は酸化処理及び還元処理を行うことにより、本発明に用いる表面改質球状活性炭を得ることができる。酸化処理は、酸素含量0.1〜50容量%、好ましくは1〜30容量%、特に好ましくは3〜20容量%の雰囲気の下、300〜800℃、好ましくは320〜600℃の温度で行うことができる。還元処理は、800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度下、非酸化性ガス雰囲気下で行うことができる。特定の酸素含有の雰囲気は純粋な酸素、酸化窒素又は空気等を酸素源として用いることができる。また、炭素に対して不活性な雰囲気とは、窒素、アルゴン、又はヘリウム等単独、又はそれらの混合系を意味する。本明細書において、表面改質球状活性炭とは、前記の球状活性炭を前記の酸化処理のみ、又は酸化処理及び還元処理して得られる多孔質体である。特に酸化処理及び還元処理を行うことによって、球状活性炭の表面に酸性点と塩基性点とをバランスよく付加することにより上部小腸管内の有毒物質の吸着特性を向上させたものである。例えば、前記球状活性炭を、酸化処理及び還元処理することにより、吸着されるべき毒性物質に対する特異性を向上することができる。
本発明による経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭が有する各物性値、すなわち、平均粒子径、嵩密度、比表面積、細孔容積、及び粒度分布、は、以下の方法によって測定する。
(1)平均粒子径(Dv50)
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、体積基準の粒度累積線図を作成し、粒度累積率50%における粒子径を平均粒子径(Dv50)とした。
(2)嵩密度
JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法に準じ、測定を行った。
(3)比表面積(BET法による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」又は「ASAP2020」)を用いて、球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、下記の式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球状活性炭を試料管に充填し、350℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し球状活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、BETプロットを行う。すなわち、縦軸にp/(v(1−p))、横軸にpを取り、pが0.05〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きb(単位=g/cm)、及び切片c(単位=g/cm)から、比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 2016117650
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(4)比表面積(ラングミュアの式による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」又は「ASAP2020」)を用いて、球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、ラングミュアの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球状活性炭を試料管に充填し、350℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し、球状活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧力をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、ラングミュアプロットを行う。すなわち、縦軸にp/v、横軸にpを取り、pが0.05に〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きをb(g/cm)とすると比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 2016117650
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(5)細孔分布(Saito−Foleyの計算式)
ガス吸着法による比表面積測定装置(ASAP2010又はASAP2020:Micromeritics社製)を用いて、液体窒素温度(−196℃)で、窒素分圧と球状活性炭試料の吸着量の関係(吸着等温線)を測定した。得られた吸着等温線より、前記比表面積測定装置(ASAP2010又はASAP2020)付属の解析ソフトを用い、Saito−Foleyの計算式〔Saito,A. and Foley, H. C., AlChE Journal 37 (3), 429 (1991)〕により細孔分布を計算した。細孔の形状をスリット幾何学で解析したものがオリジナルのHorverth−Kawazoeの計算法〔Horvath, G. and Kawazoe, K., J. Chem. Eng. Japan 16 (6), 470 (1983)〕であるが、炭素の構造が難黒鉛化性炭素で三次元的に乱れた構造であるため、ここではシリンダー幾何学〔Saito, A. and Foley, H. C., AlChE Journal 37 (3), 429 (1991)〕による計算を選択し計算した。
計算に使用した各種パラメータを以下に示す。
相互作用パラメータ(Interaction Parameter):1.56×10-43ergs・cm4
吸着ガスの分子径(Diameter of Adsorptive Molecule):0.3000nm
サンプルの原子直径(Diameter of Sample Molecule):0.3400nm
密度変換係数(Density Conversion Factor):0.001547(cm3液体/cm3STP)
(6)水銀圧入法による細孔容積
水銀ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9200」)を用いて細孔容積を測定することができる。試料である球状活性炭を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を球状活性炭試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて球状活性炭試料の細孔容積分布を測定する。
具体的には、細孔直径21μmに相当する圧力(0.06MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに球状活性炭試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
−πDγcosθ=π(D/2)・P
が成り立つ。従って
D=(−4γcosθ)/P
となる。
本明細書においては、水銀の表面張力を484dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:
D=1.24/P
により圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。例えば細孔直径20〜10000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.124MPaから62MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。細孔直径7.5〜15000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.083MPaから165MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。細孔直径3〜20nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧413MPaから62MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。
なお、本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、その粒子径が非常に小さいので、試料容器内に充填された試料粒子間の空隙も小さくなる。従って、前記の水銀圧入法による細孔容積の測定操作においては、その粒子間空隙に水銀が圧入される段階が存在し、その圧入段階では、あたかも細孔直径8000〜15000nmの細孔が存在するかのような挙動を示す。本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭に、細孔直径8000〜15000nmの細孔が存在しないことは、例えば、電子顕微鏡による観察で確認することができる。従って、本明細書において「細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積」又は「細孔直径7.5〜15000nmの範囲の細孔容積」には、前記の粒子間空隙に圧入される水銀量も含まれる。
(7)粒度分布
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、個数基準の粒度分布を測定し、測定粒子径区分の代表粒子径D、及びその測定粒子径区分内の個数nの値を求め、以下の式により長さ平均粒子径D、及び重量平均粒子径Dを計算する。
Figure 2016117650
Figure 2016117650
(8)全酸性基
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、球状活性炭試料料1gを添加し、8の字振とう器(タイテック(株)製「TRIPLE SHAKER NR−80」)を用いて、8の字振とう、振幅3cm、76サイクル/minにより37℃で48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
(9)全塩基性基
0.05規定のHCl溶液50mL中に、球状活性炭試料1gを添加し、8の字振とう器(タイテック(株)製「TRIPLE SHAKER NR−80」)を用いて、8の字振とう、振幅3cm、76サイクル/minにより37℃で24時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
本発明の経口投与用吸着剤は、前記球状活性炭を有効成分として含むものであるが、球状活性炭のみからなるものでもよく、球状活性炭以外に薬学的に許容可能な添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば賦形剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、滑沢剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、安定化剤、又は矯味剤着香剤を挙げることができる。
経口投与用吸着剤が、球状活性炭からなるものである場合の投与形態としては、例えば散剤、顆粒、カプセル剤、又は分包包装体を挙げることができる。また、経口投与用吸着剤が、球状活性炭及び添加剤を含む場合の投与形態としては、例えば散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、懸濁剤、スティック剤、分包包装体、又は乳剤を挙げることができる。
[2]腎疾患又は肝疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤
本発明の経口投与用吸着剤として用いる球状活性炭は、肝疾患憎悪因子や腎臓病での毒性物質の吸着性に優れているので、腎疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いるか、あるいは、肝疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いることができる。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
従って、本発明による経口投与用吸着剤は、腎臓疾患治療薬として用いる場合には、前記の球状活性炭を有効成分として含有する。本発明の経口投与用吸着剤を腎臓疾患治療薬又は肝臓疾患治療薬として用いる場合、その投与量は、投与対象がヒトであるかあるいはその他の動物であるかにより、また、年令、個人差、又は病状などに影響されるので、場合によっては下記範囲外の投与量が適当なこともあるが、一般にヒトを対象とする場合の経口投与量は1日当り1〜20gを3〜4回に分けて服用し、更に症状によって適宜増減することができる。投与形態は、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、懸濁剤、スティック剤、分包包装体、又は乳剤等であることができる。カプセル剤として服用する場合は、通常のゼラチンの他に、必要に応じて腸溶性のカプセルを用いることもできる。錠剤として用いる場合は、体内でもとの微小粒体に解錠されることが必要である。更に他の薬剤であるアルミゲルやケイキサレートなどの電解質調節剤と配合した複合剤の形態で用いることもできる。
賦活度分布を有する球状活性炭は、従来公知の賦活度に分布のない球状活性炭と混合した混合物の形で、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として使用することができる。あるいは、賦活度分布を有する球状活性炭と、従来公知の賦活度に分布のない球状活性炭とを併用して、腎疾患治療又は予防剤、あるいは肝疾患治療又は予防剤として使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《比較例1》
脱イオン交換水4800g、及びメチルセルロース7.2g、亜硝酸ナトリウム1.0gを10Lの重合缶に入れ、これにスチレン481g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)1119g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)9.3g、及びポロゲンとしてヘキサン560gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を140rpmで攪拌し、55℃に過熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、減圧乾燥にてヘキサンを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径246μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約240m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂を目皿付き反応装置に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、190℃まで昇温後、190℃から290まで10℃/hで昇温することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中850℃で焼成した後、850℃で水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、槽型反応器を用いた流動層による回分式賦活を、嵩密度が0.70g/mLになるまで行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表3及び表4に示す。
《比較例2》
前記比較例1において、嵩密度を0.70g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.60g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。
《比較例3》
前記比較例1において、嵩密度を0.70g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.50g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。
《比較例4》
前記比較例1において、嵩密度を0.70g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.40g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。
《比較例5》
前記比較例1において、嵩密度を0.70g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.30g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭を得た。
《比較例6》
脱イオン交換水4800g、及びメチルセルロース7.2g、亜硝酸ナトリウム1.0gを10Lの重合缶に入れ、これにスチレン481g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)1119g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)9.3g、及びポロゲンとしてヘキサン560gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を140rpmで攪拌し、55℃に過熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、減圧乾燥にてヘキサンを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径246μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約240m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂を目皿付き反応装置に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、190℃まで昇温後、190℃から290まで10℃/hで昇温することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中850℃で焼成した後、850℃で水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、槽型反応器を用いた流動層による回分式賦活を、嵩密度が0.63g/mLになるまで行い、球状活性炭を得た。
得られた球状活性炭を更に流動床にて、空気中470℃で3時間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の嵩密度は0.60g/mLであった。
《比較例7》
前記比較例6において、嵩密度を0.63g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.48g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例6の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の嵩密度は0.50g/mLであった。
《比較例8》
前記比較例6において、嵩密度を0.63g/mLになるまで賦活処理する代わりに、嵩密度0.37g/mLまで賦活処理すること以外は、前記比較例6の操作を繰り返すことにより、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の嵩密度は0.40g/mLであった。
《参考例1》
球状のフェノール樹脂(商品名「工業用フェノールレヂン レヂトップ(マリリンHF−100、製造番号60303);群栄化学株式会社製」)を目皿付き石英製縦型反応管に入れ、窒素ガス気流下0.5時間で300℃まで昇温し、2時間で700℃まで昇温した後30分保持した。その後、更に水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、850℃で嵩密度が0.40g/mLまで賦活処理を行い、球状活性炭を得た。
《実施例1》
前記比較例1、3、及び5の球状活性炭を、重量比として5:90:5で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例2》
前記比較例1、3、及び5の球状活性炭を、重量比として10:80:10で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例3》
前記比較例1及び5の球状活性炭を、重量比として:50:50で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例4》
前記比較例2〜4の球状活性炭を、重量比として15:70:15で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例5》
前記比較例2〜4の球状活性炭を、重量比として30:40:30で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例6》
前記比較例2及び4の球状活性炭を、重量比として50:50で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例7》
前記比較例1〜5の球状活性炭を、重量比として20:20:20:20:20で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例8》
前記比較例1〜3の球状活性炭を、重量比として15:70:15で混合することにより、平均嵩密度0.60g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例9》
前記比較例1及び5の球状活性炭を、重量比として75:25で混合することにより、平均嵩密度0.60g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例10》
前記比較例3〜5の球状活性炭を、重量比として15:70:15で混合することにより、平均嵩密度0.40g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例11》
前記比較例1及び5の球状活性炭を、重量比として25:75で混合することにより、平均嵩密度0.40g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例12》
前記比較例6乃至8の球状活性炭を、重量比として15:70:15で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例13》
前記比較例6乃至8の球状活性炭を、重量比として30:40:30で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
《実施例14》
前記比較例6及び8の球状活性炭を、重量比として50:50で混合することにより、平均嵩密度0.50g/mLの球状活性炭を得た。
〔経口吸着剤の評価方法〕
以下の表1〜6に示す各種の特性は、以下の方法で測定した。
(1)平均粒子径
前記のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、測定した。
(2)細孔容積
前記実施例及び比較例で得られた各種球状活性炭のミクロ孔細孔容積は、前記窒素吸着法によるSF法により求め、細孔直径20〜10000nmの細孔容積、細孔直径7.5〜150000nmの細孔容積、及び細孔直径3〜20nmの細孔容積は、前記の水銀圧入法により求めた。
(3)BET法及びラングミュア(Langmuir)法による比表面積
前記のBET法及びラングミュア(Langmuir)法によって測定した。
(4)嵩密度
50mLのメスシリンダに試料を50mLになるまで充填し、50回タップした後で、試料重量を体積で除算して嵩密度とした。結果を表1〜6に示す。なお、この方法によって得られた測定値は、JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法によって得られた測定値と、表1〜6に示す有効数字範囲内で全く差異がなかった。
(5)全酸性基
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、球状活性炭試料1gを添加し、8の字振とう器(タイテック(株)製「TRIPLE SHAKER NR−80」)を用いて、8の字振とう、振幅3cm、76サイクル/minにより37℃で48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
(6)全塩基性基
0.05規定のHCl溶液50mL中に、球状活性炭試料1gを添加し、8の字振とう器(タイテック(株)製「TRIPLE SHAKER NR−80」)を用いて、8の字振とう、振幅3cm、76サイクル/minにより37℃で24時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
(7)インドキシル硫酸カリウム吸着試験
試料を乾燥した後、乾燥試料0.05gを秤量し、50mL用ねじ口サンプル瓶に取った。一方、インドキシル硫酸カリウム100mg、及びコール酸ナトリウム6458mgを正確に秤量して、pH7.4のリン酸塩緩衝液を加えて溶かし、正確に1000mLとした液(インドキシル硫酸カリウム原液)50mLを、前記の50mL用ねじ口サンプル瓶に正確に加え、10rpm、37±1℃でミックスローター(アズワン(株)製「ミックスローターバリアブルVMR−5R」)を用いて2時間振とうした。ねじ口サンプル瓶の内容物をろ孔0.65μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、はじめのろ液約20mLを除き、次のろ液約10mLをアセトニトリルで希釈し、ろ液:アセトニトリル=1:1の試料溶液とした。
検量線は、インドキシル硫酸カリウム原液を0mL、25mL、50mL、75mL、及び100mLの量でメスフラスコに正確に分取し、pH7.4リン酸塩緩衝液で100mLにメスアップした検量線原液を調製した後、アセトニトリルで希釈し、検量線原液:アセトニトリル=1:1の検量線溶液とした。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて、試料溶液及び検量線溶液の波長278nmにおける吸光度を測定し、インドキシル硫酸カリウム吸着量(mg/g)を計算した。結果を表5及び6に示す。
(8)トリプトファン吸着試験
実施例1〜14及び比較例1〜8で得られた各種球状活性炭及び表面改質球状活性炭に関して、トリプトファン吸着試験を以下の方法で実施した。
試料を乾燥させたのち、乾燥試料0.01gを秤量し、50mL用ねじ口サンプル瓶にとった。一方、トリプトファン100mg、及びコール酸ナトリウム6458mgを正確に秤量して、PH7.4のリン酸塩緩衝溶液を加えて溶かし、正確に1000mLとした液(トリプトファン原液)50mLを、前記の50mL用ねじ口サンプル瓶に加え、10rpm、37±1℃でミックスローター(アズワン(株)製「ミックスローターバリアブルVMR−5R」)を用いて2時間振とうした。振とうを終えたねじ口サンプル瓶の内容物をろ孔0.65μmのメンブランフィルターで吸引ろ過し、はじめのろ液約20mLを除き、次のろ液約10mLをアセトニトリルで希釈し、ろ液:アセトニトリル=1:1の試料溶液とした。
検量線は、トリプトファン原液を0mL、25mL、50mL、75mL、及び100mLの量でメスフラスコに正確に分取し、pH7.4リン酸塩緩衝液で100mLにメスアップした検量線原液を調製した後、アセトニトリルで希釈し、検量線原液:アセトニトリル=1:1の検量線溶液とした。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いて、試料溶液及び検量線溶液の波長278nmにおける吸光度を測定し、トリプトファン吸着量(mg/g)を計算した。結果を表5及び6に示す。
Figure 2016117650
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本発明の経口投与用吸着剤は、腎疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いるか、あるいは、肝疾患の治療用又は予防用吸着剤として用いることができる。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (6)

  1. 平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、
    窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積が、式(1)
    y>6×10−8−9×10−5x+0.0241(1)
    〔式中、yは窒素吸着法によるSF法により求めた細孔直径1.5〜2.0nmの細孔容積(mL/g)を表し、xはBET比表面積(m/g)を表す〕
    を満たす、球状活性炭を含むことを特徴とする、経口投与用吸着剤。
  2. 平均嵩密度が0.4〜0.6g/mLであり、平均嵩密度を超える嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、及び平均嵩密度未満の嵩密度の球状活性炭を5重量%以上、混合することによって得られる球状活性炭を含むことを特徴とする、経口投与用吸着剤。
  3. 前記球状活性炭が、0.30meq以上の全酸性基を有する表面改質球状活性炭、又は0.30meq未満の全酸性基を有する表面非改質球状活性炭である、請求項1又は2に記載の経口投与用吸着剤。
  4. 前記表面改質球状活性炭が、0.30meq/g〜1.20meq/gの全酸性基、及び0.20meq/g〜0.9meq/gの全塩基性基を有する、請求項3に記載の経口投与用吸着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の経口投与用吸着剤を有効成分として含む、腎疾患治療又は予防剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の経口投与用吸着剤を有効成分として含む、肝疾患治療又は予防剤。
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