JP3941962B2 - 球状活性炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、球状活性炭の製造方法に関する。
腎機能や肝機能の欠損患者らは、それらの臓器機能障害に伴って、血液中等の体内に有害な毒性物質が蓄積したり生成したりするので、尿毒症や意識障害等の脳症をひきおこす。これらの患者数は年々増加する傾向を示しているため、これら欠損臓器に代わって毒性物質を体外へ除去する機能をもつ臓器代用機器あるいは治療薬の開発が重要な課題となっている。現在、人工腎臓としては、血液透析による有毒物質の除去方式が最も普及している。しかしながら、このような血液透析型人工腎臓では、特殊な装置を用いるために、安全管理上から専門技術者を必要とし、また血液の体外取出しによる患者の肉体的、精神的及び経済的負担が高いなどの欠点を有していて、必ずしも満足すべきものではない。
これらの欠点を解決する手段として、経口的な服用が可能で、腎臓や肝臓の機能障害を治療することができる経口吸着剤が開発され、利用されている(特許文献1)。その経口吸着剤は、特定の官能基を有する多孔性の球形炭素質物質(すなわち、表面改質球状活性炭)からなり、生体に対する安全性や安定性が高く、同時に腸内での胆汁酸の存在下でも有毒物質の吸着性に優れ、しかも、消化酵素等の腸内有益成分の吸着が少ないという有益な選択吸着性を有し、また、便秘等の副作用の少ない経口治療薬として、例えば、肝腎機能障害患者に対して広く臨床的に利用されている。なお、前記特許文献1に記載の吸着剤は、石油ピッチなどのピッチ類を炭素源とし、球状活性炭を調製した後、酸化処理及び還元処理を行うことにより製造されていた。
前記の選択吸着性、すなわち、有毒物質に対しては優れた吸着性を示し、腸内有益成分の吸着が少ないという有益な選択吸着性を更に向上させた経口投与用吸着剤も知られている(特許文献2)。この特許文献2に記載の経口投与用吸着剤は、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04mL/g以上で0.10mL/g未満という特定範囲の細孔容積において、前記の選択吸着性が向上する現象を発見したことに基づくものであり、有毒物質を充分に吸着すると共に、特に、腸内有益成分の吸着を抑制することが望ましい疾患に対して極めて有効である。なお、前記特許文献2に記載の吸着剤も、石油ピッチなどのピッチ類を炭素源とし、球状活性炭を調製した後、酸化処理及び還元処理を行うことにより製造されていた。
特公昭62−11611号公報 特許第3522708号(特開2002−308785号公報)
前記のような表面改質球状活性炭においては、細孔容積や平均粒子径などを種々に変化させると、有毒物質に対する吸着特性や選択吸着性が変化することが予想され、従来知られていない優れた特性を表す表面改質球状活性炭が開発される可能性がある。
一方、前記のような表面改質球状活性炭は、前記の通り、石油ピッチなどのピッチ類を炭素源とし、球状活性炭を調製した後、酸化処理及び還元処理を行うことにより製造されていた。しかしながら、ピッチ類を炭素源として球状活性炭を調製する場合、細孔容積や平均粒子径などの物性を制御することは、実験室レベルでも必ずしも容易ではなく、大規模生産工程を構築することは極めて困難であった。
従って、本発明の課題は、前記のような表面改質球状活性炭の原料となる球状活性炭を調製する際に、目的とする細孔容積や平均粒子径などの各種物性を得るための制御が容易になる手段を提供することにある。
前記の課題は、本発明による
(1)比表面積が10m /g以上である熱溶融性樹脂からなる球状体を形成する工程、
(2)前記熱溶融性樹脂球状体を、酸素を含有する雰囲気にて酸化処理して熱不融化球状体を形成する工程、及び
(3)前記熱不融化球状体を賦活化して球状活性炭を形成する工程
を含むことを特徴とする、球状活性炭の製造方法によって解決することができる。
本発明方法の好ましい態様においては、平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上である球状活性炭を得る。
本発明方法の好ましい態様においては、前記球状活性炭を酸化処理及び還元処理して表面改質球状活性炭を形成する工程を更に含む。
本発明方法の好ましい態様においては、平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.90meq/gである表面改質球状活性炭を得る。
本発明方法の好ましい態様においては、熱溶融性樹脂が架橋ビニル樹脂である
発明方法の好ましい態様においては、熱溶融性樹脂中の炭素原子、水素原子、及び酸素原子以外の元素の含有率が15重量%以下である。
本発明方法の好ましい態様においては、経口投与吸着剤用の球状活性炭又は表面改質球状活性炭を得る。
本発明の製造方法によれば、製造工程における種々の製造条件を変化させることによって、得られる球状活性炭の各種物性(例えば、細孔容積や平均粒子径)を簡単に制御することができる。従って、得られた球状活性炭を更に酸化処理及び還元処理して、目的とする各種物性(例えば、細孔容積や平均粒子径)を有する表面改質球状活性炭を容易に得ることができる。
本発明方法の第1工程は、熱溶融性樹脂からなる球状体(すなわち、熱溶融性樹脂球状体)を形成する工程である。
本明細書において「熱溶融性樹脂」とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行うと、温度上昇に伴って溶融・分解(溶融と分解が同時に起こる)してしまう樹脂であり、活性炭を得ることができない樹脂である。しかしながら、予め不融化処理を実施してから賦活処理を行うと、活性炭とすることができる。また、熱溶融性樹脂とは、熱不融性樹脂に対する用語であり、熱不融性樹脂とは、不融化処理を行わずに賦活処理を行っても、温度上昇に伴い溶融することなく炭素化が進み(若干の分解は起きる)、活性炭を得ることができる樹脂である。なお、不融化処理とは、後述するように、例えば、酸素を含有する雰囲気にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことである。
熱溶融性樹脂の代表例は、熱可塑性樹脂であり、例えば、架橋ビニル樹脂を挙げることができる。一方、熱不融性樹脂の代表例は、熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂又はフラン樹脂を挙げることができる。公知の熱可塑性樹脂の中から、球状体を形成することのできる任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。なお、不融化処理を行わずに賦活処理を行うと、温度上昇に伴って溶融してから分解してしまうが、予め不融化処理を実施してから賦活処理を行うと、活性炭とすることができる樹脂であれば、熱硬化性樹脂であっても、本明細書における熱溶融性樹脂に含まれる。従って、公知の熱硬化性樹脂の中から、球状体を形成することができ、しかも前記の性質を有する任意の熱硬化性樹脂も使用することができる。なお、架橋ビニル樹脂から球状活性炭又は表面改質球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が必要であるのに対し、架橋ビニル樹脂に官能基を付与することによって製造されるイオン交換樹脂から球状活性炭又は表面改質球状活性炭を得る場合には、前記の不融化処理が不要である。これは、官能基付与処理や導入された官能基によって架橋ビニル樹脂が熱溶融性樹脂から熱不融性樹脂に変性されることによるものと考えられる。すなわち、架橋ビニル樹脂は本明細書における熱溶融性樹脂に含まれるのに対し、イオン交換樹脂は、本明細書における熱不融性樹脂に含まれる。
出発原料として用いる前記の熱溶融性樹脂(例えば、架橋ビニル樹脂)の球状体としては、例えば、乳化重合、塊状重合、若しくは溶液重合によって得られる球状ポリマー、又は好ましくは懸濁重合によって得られる球状ポリマーを用いることができる。そのため、粒子径が50μm以上の球状の架橋ビニル樹脂を均一に不融化するには、架橋ビニル樹脂に予め細孔形成を行うことが必要である。樹脂の細孔形成は、重合時にポロゲンを添加することにより可能となる。架橋ビニル樹脂を均一に不融化するために必要な、架橋ビニル樹脂の表面積は10m/g以上が好ましく、更に好ましくは50m/g以上である。
例えば、架橋ビニル樹脂球状体を懸濁重合によって調製する場合には、ビニル系モノマー、架橋剤、ポロゲン及び重合開始剤を含む有機相を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に添加し、攪拌混合により水相中に懸濁された多数の有機液滴を形成した後、加熱して有機液滴中のモノマーを重合させることにより、球状の架橋ビニル樹脂を調製することができる。
ビニル系モノマーとしては、球形に成型することができる任意のビニル系モノマーを用いることができ、例えば、芳香族ビニル系モノマー、例えば、スチレン、あるいはビニル基水素やフェニル基水素が置換されたスチレン誘導体、あるいはフェニル基のかわりに複素環式あるいは多環式化合物がビニル基に結合した化合物などを用いることができる。芳香族ビニル系モノマーとしては、より具体的には、α−あるいはβ−メチルスチレン、α−あるいはβ−エチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、あるいはクロロスチレンなど、あるいは、o−、m−、あるいはp−メチルスチレン、エチルスチレン、メトキシスチレン、メチルシリルスチレン、ヒドキロシスチレン、クロロスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、アミノスチレン、カルボキシスチレン、あるいはスルホキシスチレン、スチレンスルホン酸ソーダなど、あるいは、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、ビニルピロリドン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、又はビニルビフェニル等を挙げることができる。また、脂肪族ビニル系モノマーも使用することができ、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジイソブチレン、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンなどのビニルケトン類、アクロレイン、メタアクロレインなどのビニルアルデヒド類、あるいは、ビニルメチルエーテル、又はビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、ジフェニルアクリロニトリル、クロロアクリロニトリルなどのビニルニトリル類を挙げることができる。
また、架橋剤としては、前記のビニル系モノマーの架橋化に用いることができる任意の架橋剤を用いることができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルピリジン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタラート、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメチラート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン、ジビニルスルホン、グリコール又はグリセロールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ペンタエリトリトールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、グリコールのモノ又はジチオ誘導体のポリビニル又はポリアリルエーテル類、あるいはレゾルシノールのポリビニル又はポリアリルエーテル類、ジビニルケトン、ジビニルスルフィド、アリルアクリラート、ジアリルマレアート、ジアリルフマラート、ジアリルスクシナート、ジアリルカルボナート、ジアリルマロナート、ジアリルオキサラート、ジアリルアジパート、ジアリルセバサート、トリアリルトリカルバリラート、トリアリルアコニタート、トリアリルシトラート、トリアリルホスファート、N,N’−メチレンジアクリルアミド、1,2−ジ(α−メチルメチレンスルホンアミド)エチレン、トリビニルベンゼン、トリビニルナフタレン、ポリビニルアントラセン、あるいはトリビニルシクロヘキサンを用いることができる。特に好ましい架橋剤の例に含まれるものは、ポリビニル芳香族炭化水素(例えば、ジビニルベンゼン)、グリコールメタクリラート(例えば、エチレングリコールジメタクリラート)、又はポリビニル炭化水素(例えば、トリビニルシクロヘキサン)である。ジビニルベンゼンは、その熱分解特性が優れているので、最も好ましい。
適当なポロゲンとしては、炭素原子数4〜10のアルカノール(例えば、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、又は、4−メチル−2−ペンタノール)、炭素原子数が少なくとも7のアルキルエステル(例えば、n−ヘキシルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、メチルオレアート、ジブチルセバサート、ジブチルアジパート、又はジブチルカルボナート)、炭素原子数4〜10のアルキルケトン(例えば、ジブチルケトン又はメチルイソブチルケトン)、又はアルキルカルボン酸(例えば、ヘプタン酸)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、又はベンゼン)、高級飽和脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、又はイソオクタン)、あるいは環式脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサン)を挙げることができる。
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、重合性単量体に可溶性である油溶性重合開始剤が好ましい。重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、又はアゾ化合物を挙げることができる。より具体的には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジn−プロピル−オキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;などを挙げることができる。
架橋ビニル樹脂の組成を特に制限するものではないが、本発明の製造方法では酸化処理工程、及び賦活工程などを経由するため、硫黄、窒素、ハロゲン元素などそれ自身またはその酸化物が有害なガスとなる恐れのある元素を架橋ビニル樹脂に含まないことが好ましい。また、それらの元素が球状活性炭中に在留する可能性があり、それらが及ぼす影響については計り知れないものがある。
従って、熱溶融性樹脂(架橋ビニル樹脂)の炭素原子、水素原子、及び酸素原子以外の元素の含有率は、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
本発明方法においては、この熱溶融性樹脂球状体形成工程における製造条件を種々に変更することによって、最終的に得られる球状活性炭あるいは表面改質球状活性炭の種々の物性(例えば、平均粒子径、細孔容積、粒度分布、又は比表面積など)を制御することができる。例えば、球状活性炭あるいは表面改質球状活性炭の平均粒子径及び粒度分布は、水相中の液滴の大きさに依存し、液滴の大きさは懸濁剤の量、攪拌の回転数、攪拌羽根の形状、あるいは水相中のモノマー比(水の量とモノマー量の比)により制御することができる。例えば、懸濁剤の量を多くすると液滴を小さくすることができ、攪拌の回転数を大きくすると、液滴を小さくすることができ、更に、水相中のモノマー量を少なくすると液滴の合一化を制御することができるだけでなく、重合熱の除熱が容易になるなどの観点で好ましいが、1バッチ当たりのモノマー量が少なくなるため、得られる合成樹脂量が減少し、生産性の観点からは好ましくない。
また、細孔容積と比表面積は、制御する細孔直径が10nm以上の場合には、主にポロゲンの量及び種類によって制御することができ、制御する細孔直径が10nm以下の場合には、水蒸気による賦活条件により制御することができる。更に、それ以外に、球状活性炭あるいは表面改質球状活性炭としての微細組織は、樹脂の種類、架橋剤の種類と量、不融化条件、及び/又は賦活温度などにより、制御することができる。
この工程で製造する前記熱溶融性樹脂球状体は、その平均粒子径及び粒度分布が、目的とする球状活性炭あるいは表面改質球状活性炭の平均粒子径及び粒度分布と、それぞれ同程度であることが好ましい。
本発明方法の第2工程は、前記熱溶融性樹脂球状体を酸化処理して熱不融化球状体を形成する工程である。
熱溶融性樹脂からなる前記球状体をそのまま賦活化すると、軟化して形状が非球形に変形するか、あるいは球状体同士が融着するので、不融化処理として、酸素を含有する雰囲気(例えば、空気内)にて、150℃〜400℃で酸化処理を行うことにより軟化を抑制することができる。温度が低すぎると酸化反応が不十分となり、温度が高すぎると樹脂が分解するため好ましくない。酸化処理温度は、酸化処理の時間によっても最適な条件が異なり、保持時間を長くすることが酸化温度を高くすることと同様の効果がある。しかしながら、保持時間を長くすると工業的には生産性が低下するため、保持時間(酸化処理時間)が短いほど好ましい。そのような意味で、酸化処理のための最終到達温度は、より好ましくは230℃〜350℃であり、更に好ましくは250℃〜330℃である。不融化の度合いは、不融化処理後の熱溶融性樹脂(熱不融化球状体)の酸素含有量により判断することができる。酸素含有率として好ましくは7重量%〜25重量%、更に好ましくは10重量%〜23重量%、特に好ましくは10重量%〜20重量%である。
また、不融化処理後の熱溶融性樹脂の球状体を熱処理すると、多くの熱分解ガスなどが発生する場合には、賦活処理を行う前に適宜予備焼成を行い、予め熱分解生成物を除去することができる。予備焼成温度としては、温度が低すぎると熱分解が不十分となる。したがって、予備焼成温度は、500℃〜1000℃で行うことが好ましい。予備焼成の方法としては、移動床、流動床、又は固定床などのいずれの方法を用いることも可能であるが、タールなどの樹脂への付着あるいは粒子同士の融着が低減されることから流動床を用いて行うことが好ましい。
本発明方法の第3工程は、前記熱不融化球状体を賦活化して球状活性炭を形成する工程である。
この賦活化処理は、ピッチ類を用いる従来の製造方法と実質的に同様の操作を利用することができる。例えば、熱不融化球状体を炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガスなど反応性を有するガスを反応性有しないガス、例えば窒素などで希釈して使用してもよい)中で700〜1000℃の温度で賦活して球状活性炭を得ることができる。賦活速度は使用するガスの組成、濃度、又は温度などにより異なる。例えば、スチームを使用する場合、700℃程度から反応が開始するが、反応速度が極めて遅い。また、1000℃以上になると反応速度が高くなり、賦活が反応ガス拡散律速(粒子内部にガスが拡散する速度に比べ反応速度が速くなるため、粒子表面での賦活反応が支配的となる)となり良好な細孔構造が得られない。従って、賦活温度は、760℃〜1000℃が更に好ましく、800℃〜1000℃が特に好ましい。賦活の方法としては、移動床、流動床、又は固定床などいずれの方法を用いることも可能であるが、系内の温度分布が狭く賦活が均一に進み易く、比較的大量の反応ガスを系内に導入し易い、また形状が球状であるため流れ易く均一流動し易いなどの観点から流動床を用いて行うことが好ましい。
なお、前記の通り、目的とする球状活性炭あるいは表面改質球状活性炭の細孔直径10nm以下(特に3nm以下)の細孔構造を賦活度の制御により調整することができる。具体的には、賦活初期に微細孔が生成し、賦活が進むに従い微細な細孔がより細孔径の大きな細孔へと変化する。
本明細書において、「活性炭」とは、球状の熱不融性樹脂などの炭素前駆体を熱処理した後に、賦活処理を行うことによって得られる多孔質体を意味し、「球状活性炭」とは、球状で比表面積が100m/g以上であるものを意味する。
前記の第1工程〜第3工程を含む本発明の製造方法によって、例えば、平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、そして細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.01mL/g〜1mL/gである球状活性炭を得ることができる。すなわち、例えば、平均粒子径が0.01〜1mmの範囲内の任意の平均粒子径(例えば、40〜1000μm、40〜600μm、あるいは50〜200μm)を有し、BET法により求められる比表面積が700m/g以上の範囲内の任意の比表面積(例えば、700〜3000m/g、1100〜2500m/g、又は1300〜2500m/g)を有し、そして細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.01mL/g〜1mL/gの範囲内の任意の細孔容積(例えば、0.01〜0.5mL/g、0.01〜0.25mL/g、又は0.01〜0.1mL/g)である球状活性炭を得ることができる。
本発明においては、前記の第3工程の後の第4工程として、前記球状活性炭を酸化処理及び還元処理して表面改質球状活性炭を形成する工程を更に実施することができる。
すなわち、前記の球状活性炭を、酸素含量0.1〜50容量%、好ましくは1〜30容量%、特に好ましくは3〜20容量%の雰囲気の下、300〜800℃、好ましくは320〜600℃の温度で酸化処理し、更に、800〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度下、非酸化性ガス雰囲気下で還元処理を行うことにより、表面改質球状活性炭を得ることができる。特定の酸素含有の雰囲気は純粋な酸素、酸化窒素又は空気等を酸素源として用いることができる。また、炭素に対して不活性な雰囲気とは、窒素、アルゴン、又はヘリウム等単独、又はそれらの混合系を意味する。ここで、表面改質球状活性炭とは、前記の球状活性炭を、前記の酸化処理及び還元処理して得られる多孔質体であり、球状活性炭の表面に酸性点と塩基性点とをバランスよく付加することにより有毒物質の吸着特性や選択吸着性を向上させたものである。例えば、前記球状活性炭を、酸化処理及び還元処理することにより、吸着されるべき毒性物質に対する特異性や選択吸着性を向上さ
せることができる。
前記の第1工程〜第4工程を含む本発明の製造方法によって、例えば、平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.01mL/g〜1mL/gであり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.90meq/gである表面改質球状活性炭を得ることができる。すなわち、例えば、平均粒子径が0.01〜1mmの範囲内の任意の平均粒子径(例えば、30〜1000μm、40〜600μm、あるいは50〜200μm)を有し、BET法により求められる比表面積が700m/g以上の範囲内の任意の比表面積(例えば、700〜3000m/g、1100〜2500m/g、又は1300〜2500m/g)を有し、細孔直径7.5〜15000nmの細孔容積が0.01mL/g〜1mL/gの範囲内の任意の細孔容積(例えば、0.01〜0.5mL/g、0.01〜0.25mL/g、又は0.01〜0.1mL/g)を有し、全酸性基が0.30〜1.20meq/gの範囲内の任意の全酸性基(例えば、0.30〜1.00meq/g、0.30〜0.80meq/g、又は0.40〜0.70meq/g)を有し、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.90meq/gの範囲内の任意の全塩基性基(例えば、0.30〜0.80meq/g、0.40〜0.80meq/g、又は0.40〜0.70meq/g)を有する表面改質球状活性炭を得ることができる。
本発明方法によって得られる球状活性炭又は表面改質球状活性炭が有する各物性値、すなわち、平均粒子径、嵩密度、比表面積、細孔容積、粒度分布、全酸性基、及び全塩基性基は、以下の方法によって測定する。
(1)平均粒子径(Dv50)
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、体積基準の粒度累積線図を作成し、粒度累積率50%における粒子径を平均粒子径(Dv50)とした。
(2)嵩密度
JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法に準じ、測定を行った。
(3)比表面積(BET法による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」)を用いて、球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料のガス吸着量を測定し、下記の式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球状活性炭又は表面改質球状活性炭を試料管に充填し、300℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧力をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、BETプロットを行う。すなわち、縦軸にp/(v(1−p))、横軸にpを取り、pが0.02〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きb(単位=g/cm)、及び切片c(単位=g/cm)から、比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 0003941962
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(4)比表面積(ラングミュアの式による比表面積の計算法)
ガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「ASAP2010」)を用いて、球状活性炭又は表面改質活性炭試料のガス吸着量を測定し、ラングミュアの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球状活性炭又は表面改質活性炭を試料管に充填し、300℃で減圧乾燥した後、乾燥後の試料重量を測定する。次に、試料管を−196℃に冷却し、試料管に窒素を導入し、球状活性炭又は表面改質活性炭試料に窒素を吸着させ、窒素分圧と吸着量の関係(吸着等温線)を測定する。
窒素の相対圧をp、その時の吸着量をv(cm/g STP)とし、ラングミュアプロットを行う。すなわち、縦軸にp/v、横軸にpを取り、pが0.02〜0.20の範囲でプロットし、そのときの傾きをb(g/cm)とすると比表面積S(単位=m/g)は下記の式により求められる。
Figure 0003941962
ここで、MAは窒素分子の断面積で0.162nmを用いた。
(5)水銀圧入法による細孔容積
水銀ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9200」)を用いて細孔容積を測定することができる。試料である球状活性炭又は表面改質球状活性炭を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料の細孔容積分布を測定する。
具体的には、細孔直径21μmに相当する圧力(0.06MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
−πDγcosθ=π(D/2)・P
が成り立つ。従って
D=(−4γcosθ)/P
となる。
本明細書においては、水銀の表面張力を484dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:
D=1.2/P
により圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。例えば、細孔直径7.5〜15000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.08MPaから16MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。
(6)粒度分布
レーザー回折式粒度分布測定装置〔(株)島津製作所:SALAD−3000S〕を用い、個数基準の粒度分布を測定し、測定粒子径区分の代表粒子径D、及びその測定粒子径区分内の個数nの値を求め、以下の式により長さ平均粒子径D、及び重量平均粒子径Dを計算した。
Figure 0003941962
Figure 0003941962
(7)全酸性基
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
(8)全塩基性基
0.05規定のHCl溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料1gを添加し、24時間振とうした後、球状活性炭又は表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
本発明方法によって得られる球状活性炭、あるいは特に、この球状活性炭から得られる表面改質球状活性炭は、肝疾患憎悪因子や腎臓病での毒性物質の吸着性に優れているので、腎疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いるか、あるいは、肝疾患の治療用又は予防用経口投与用吸着剤として用いることができる。
腎疾患としては、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、若しくは高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、更に、透析前の軽度腎不全を挙げることができ、透析前の軽度腎不全の病態改善や透析中の病態改善にも用いることができる(「臨床腎臓学」朝倉書店、本田西男、小磯謙吉、黒川清、1990年版及び「腎臓病学」医学書院、尾前照雄、藤見惺編集、1981年版参照)。
また、肝疾患としては、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振せん、脳症、代謝異常、又は機能異常を挙げることができる。その他、体内に存在する有害物質による病気、すなわち、精神病等の治療にも用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
脱イオン交換水220g、及びメチルセルロース58gを1Lのセパラブルフラスコに入れ、これにスチレン105g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)184g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68g、及びポロゲンとして1−ブタノール63gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を200rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、ロータリーエバポレーターで乾燥させたのち、減圧乾燥機にて1−ブタノールを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径180μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約90m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温したのち、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理したのち、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で10時間賦活処理を行い、球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示す。
次に、得られた球状活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球状活性炭を得た。得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
《実施例2》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、100rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭及び表面改質球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示し、得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
《実施例3》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、150rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭及び表面改質球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示し、得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
《実施例4》
前記実施例1において、二相系を200rpmで攪拌する代わりに、300rpmで攪拌すること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭及び表面改質球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示し、得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
《実施例5》
前記実施例1において、賦活処理時間を10時間とする代わりに、6時間とすること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭及び表面改質球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示し、得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
《実施例6》
前記実施例1において、賦活処理時間を10時間とする代わりに、13時間とすること以外は、前記実施例1の操作を繰り返すことにより、球状活性炭及び表面改質球状活性炭を得た。得られた球状活性炭の特性を表1に示し、得られた表面改質球状活性炭の特性を表2に示す。
〔球状活性炭及び表面改質球状活性炭の特性〕
以下の表1(球状活性炭)及び表2(表面改質球状活性炭)に示す各種の特性は、以下の方法で測定した。
(1)平均粒子径
前記のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、測定した。
(2)細孔容積
前記実施例1〜で得られた各球状活性炭及び表面改質球状活性炭の細孔容積は、前記の水銀圧入法により求めた。
(3)BET法及びラングミュア(Langmuir)法による比表面積
前記のBET法及びラングミュア(Langmuir)法によって測定した。
(4)嵩密度
50mLのメスシリンダに試料を50mLになるまで充填し、50回タップした後で、試料重量を体積で除算して嵩密度とした。結果を表1及び表に示す。なお、この方法によって得られた測定値は、JIS K 1474−5.7.2の充てん密度測定法によって得られた測定値と、表1及び表2に示す有効数字範囲内で全く差異がなかった。
(5)全酸性基及び全塩基性基
0.05規定のNaOH溶液50mL(全酸性基)又はHCl溶液50mL(全塩基性基)中に、200メッシュ以下に粉砕した表面改質球状活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、表面改質球状活性炭試料をろ別し、中和滴定により、NaOHの消費量(全酸性基)又はHClの消費量(全塩基性基)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0003941962
Figure 0003941962
本発明方法によれば、所望の物性(例えば、平均粒子径、粒径分布、細孔容積、あるいは比表面積)を有する球状活性炭を容易に得ることができ、この球状活性炭から所望の物性(例えば、平均粒子径、粒径分布、細孔容積、あるいは比表面積)を有する表面改質球状活性炭を容易に得ることができる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (7)

  1. (1)比表面積が10m /g以上である熱溶融性樹脂からなる球状体を形成する工程、
    (2)前記熱溶融性樹脂球状体を、酸素を含有する雰囲気にて酸化処理して熱不融化球状体を形成する工程、及び
    (3)前記熱不融化球状体を賦活化して球状活性炭を形成する工程
    を含むことを特徴とする、球状活性炭の製造方法。
  2. 平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上である球状活性炭を得る、請求項1に記載の方法。
  3. 前記球状活性炭を酸化処理及び還元処理して表面改質球状活性炭を形成する工程を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 平均粒子径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.90meq/gである表面改質球状活性炭を得る、請求項3に記載の方法。
  5. 熱溶融性樹脂が架橋ビニル樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 熱溶融性樹脂中の炭素原子、水素原子、及び酸素原子以外の元素の含有率が15重量%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 経口投与吸着剤用の球状活性炭又は表面改質球状活性炭を得る、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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