JPWO2005033035A1 - ガスバリア性に優れた、ホットメルト粘着性を有した樹脂組成物からなる複層ガラス封止材 - Google Patents
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Abstract
製造後の長時間を要する養生の問題を解決し、かつ長期的な接着力、形状維持、およびガスバリア性の高い、特にホットメルト粘着性に優れた樹脂組成物からなる複層ガラス封止材を提供する。芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)、及び、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)からなるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有するホットメルト粘着性を有した樹脂組成物からなることを特徴とする複層ガラス封止材により達成される。
Description
本発明は、ガスバリア性に優れ、特にホットメルト粘着性に優れた新規な樹脂組成物からなる複層ガラス封止材に関するものである。
近年、複層ガラスは省エネルギーの観点から注目され、その需要が増加しつづけている。その製造には多くの工程が必要であるため、通常のガラス板に比べコストが高く、さらなる低コスト化が望まれている。現在の複層ガラスの多くは、最低2枚のガラス板をアルミ製スペーサを介して対向させ、両ガラス板との間に中空層を形成してなる。そして、ガラス板とアルミ製スペーサとの間に一次シール材を介在させることによって、中空層を外気から遮断し、対向しているそれらのガラス板の周縁部の内面とスペーサ外周面とで構成された空隙(凹部)をポリスルフィド系またはシリコーン系で代表される常温硬化型の二次シール材で封着してなっている。
これまで、複層ガラスの製造工程において、種々の簡略化あるいは自動化による生産性改良、ひいてはコストダウンなどが検討され、提案されてきた。例えば、アルミ製スペーサの代わりに乾燥剤を練り込んだ樹脂組成物からなるスペーサを用いる方法も提案されてきている。しかし、こうした常温硬化型シール材を用いた複層ガラスでは、用いられるスペーサの種類を問わず、複層ガラス製造後、シール材の硬化のために長時間の養生を必要とする。そのため養生終了までは製品を出荷できない問題があった。
一方、複層ガラスの低コスト化の点からは、乾燥剤を練り込んだ樹脂からなる成形物をスペーサとして用い、二次シール材を用いずに複層ガラスを製造する方法が提案されている(特公昭61−20501号公報)。しかし、このスペーサ用樹脂はスペーサとしては硬度が不足し、実際には上記樹脂からなるスペーサ単独では複層ガラスとしての形状の維持が困難であった。
また、押出成形可能な硬質樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂やホットメルトブチルなどの熱可塑性樹脂に乾燥剤を練り込んだJIS A硬度95の硬さを有する材料をスペーサとして用いる複層ガラスが知られている(特開平7−17748号公報)。しかし、このJIS A硬度95の硬さを有する材料を、複層ガラスのスペーサまたはシール材として用いた場合には、複層ガラスのシール部またはガラス板にかかる応力が大きく、シール部の剥離や複層ガラス自体のガラス割れが生じるなどの難点があった。
複層ガラスの割れを防止する方法として、結晶性ポリオレフィンとブチル系ゴムからなる樹脂をスペーサとして用い、二次シール材を用いずに複層ガラスを製造する方法が提案されている(特開平10−114552号公報)。しかし、この組成物では主成分としてコールドフロー性のあるブチル系ゴムを用いているため、使用用途によっては長期耐久性の点で問題があり、シール部の剥離や変形が生じる。
他方、イソブチレン単位から構成されるブロックと芳香族ビニル化合物単位から構成されるブロックからなるトリブロック共重合体を弾性シーリング材として複層ガラスに使用する方法が提案されている(WO01/010969号公報)。このトリブロック共重合体は、ガスバリア性が高くコールドフロー性もないため、上記ブチル系ゴムを主成分とした組成物のような、シール材の変形は抑えられる。しかし、ガラス板とホットメルト粘着させる温度域での溶融粘度が高いため、十分な粘着力が得られず、長期耐久性の点で問題があり、シール部の剥離が生じるという難点がある。
これまで、複層ガラスの製造工程において、種々の簡略化あるいは自動化による生産性改良、ひいてはコストダウンなどが検討され、提案されてきた。例えば、アルミ製スペーサの代わりに乾燥剤を練り込んだ樹脂組成物からなるスペーサを用いる方法も提案されてきている。しかし、こうした常温硬化型シール材を用いた複層ガラスでは、用いられるスペーサの種類を問わず、複層ガラス製造後、シール材の硬化のために長時間の養生を必要とする。そのため養生終了までは製品を出荷できない問題があった。
一方、複層ガラスの低コスト化の点からは、乾燥剤を練り込んだ樹脂からなる成形物をスペーサとして用い、二次シール材を用いずに複層ガラスを製造する方法が提案されている(特公昭61−20501号公報)。しかし、このスペーサ用樹脂はスペーサとしては硬度が不足し、実際には上記樹脂からなるスペーサ単独では複層ガラスとしての形状の維持が困難であった。
また、押出成形可能な硬質樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂やホットメルトブチルなどの熱可塑性樹脂に乾燥剤を練り込んだJIS A硬度95の硬さを有する材料をスペーサとして用いる複層ガラスが知られている(特開平7−17748号公報)。しかし、このJIS A硬度95の硬さを有する材料を、複層ガラスのスペーサまたはシール材として用いた場合には、複層ガラスのシール部またはガラス板にかかる応力が大きく、シール部の剥離や複層ガラス自体のガラス割れが生じるなどの難点があった。
複層ガラスの割れを防止する方法として、結晶性ポリオレフィンとブチル系ゴムからなる樹脂をスペーサとして用い、二次シール材を用いずに複層ガラスを製造する方法が提案されている(特開平10−114552号公報)。しかし、この組成物では主成分としてコールドフロー性のあるブチル系ゴムを用いているため、使用用途によっては長期耐久性の点で問題があり、シール部の剥離や変形が生じる。
他方、イソブチレン単位から構成されるブロックと芳香族ビニル化合物単位から構成されるブロックからなるトリブロック共重合体を弾性シーリング材として複層ガラスに使用する方法が提案されている(WO01/010969号公報)。このトリブロック共重合体は、ガスバリア性が高くコールドフロー性もないため、上記ブチル系ゴムを主成分とした組成物のような、シール材の変形は抑えられる。しかし、ガラス板とホットメルト粘着させる温度域での溶融粘度が高いため、十分な粘着力が得られず、長期耐久性の点で問題があり、シール部の剥離が生じるという難点がある。
したがって現状では、二次シール材を用いずに、複層ガラスとして要求されるスペーサのみで寿命、形状維持性、成形性などの特性を全て満足する複層ガラスは知られていない。本発明の目的は、製造後の長時間を要する養生の問題を解消し、かつ、長期的な接着力、形状維持、及びガスバリア性の高い複層ガラス封止材を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)、からなるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に熱可塑性樹脂(B)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に粘着付与樹脂(C)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に可塑剤(D)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該熱可塑性樹脂(B)が、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、及びイソブチレン−イソプレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー、またはウレタン系熱可塑性エラストマーのいずれかであることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
本発明の樹脂組成物からなる複層ガラス封止材は、良好なガスバリア性とホットメルト粘着性を有し、形状維持性に優れた材料である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)、からなるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に熱可塑性樹脂(B)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に粘着付与樹脂(C)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該樹脂組成物が、更に可塑剤(D)を含有することを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該熱可塑性樹脂(B)が、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、及びイソブチレン−イソプレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー、またはウレタン系熱可塑性エラストマーのいずれかであることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
好ましい実施態様としては、該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする複層ガラス封止材に関する。
本発明の樹脂組成物からなる複層ガラス封止材は、良好なガスバリア性とホットメルト粘着性を有し、形状維持性に優れた材料である。
本発明の樹脂組成物からなる複層ガラス封止材は、芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)、及び、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)からなるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有するホットメルト粘着性を有した樹脂組成物からなることを特徴とする複層ガラス封止材である。
本発明でいうイソブチレン系ジブロック共重合体(A)は、重合体ブロック(a)及び重合体ブロック(b)からなるものである。
重合体ブロック(a)は、芳香族ビニル化合物を構成単量体としてなる重合体ブロックであり、その数平均分子量に特に制限はないが、30,000以下であることが好ましい。このような数平均分子量を満足することにより、ホットメルト加工が可能な(すなわち高温に加熱した時の溶融粘度が低い)材料が得られる。数平均分子量が30,000以上である場合、高温にしても溶融しがたいことから、そのホットメルト加工が困難である。
重合体ブロック(a)の数平均分子量は、更に15,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましい。また、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。重合体ブロック(a)の数平均分子量が低すぎると、室温付近での流動性が上がりコールドフロー性を示すため、形状維持性の点に関して問題が生じる傾向がある。
重合体ブロック(a)の数平均分子量は、その製造(重合)方法により計算方法が異なるが、芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合し、次いでイソブチレンを含む単量体成分を重合することにより合成する場合、芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合した後に得られた重合体の数平均分子量として表される。一方、イソブチレンを含む単量体成分を重合し、次いで芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合することにより合成する場合、(最終産物である共重合体の数平均分子量)−(イソブチレンを含む単量体成分を重合した後に得られた重合体の数平均分子量)として計算される。また、最終産物である共重合体の分子量の分散度が十分に小さい場合には、(最終産物である共重合体の数平均分子量)×(イソブチレン系ジブロック共重合体(A)のスチレン含量(重量%))/100として計算しても良い。
なお、本願明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算で表した値である。
重合体ブロック(a)は芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロックであるが、その芳香族ビニル化合物としては、芳香環を有しかつカチオン重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン、又はこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
重合体ブロック(a)は芳香族ビニル化合物以外の単量体を含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。芳香族ビニル化合物以外の単量体を含む場合には、重合体ブロック(a)全体のなかで芳香族ビニル化合物が60重量%以上を占めることが好ましく、さらに、80重量%以上を占めることがより好ましい。重合体ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物以外の単量体としては、芳香族ビニル化合物とカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、イソブチレン、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を構成する重合体ブロック(b)はイソブチレンを構成単量体としてなる重合体ブロックである。重合体ブロック(b)の数平均分子量としては特に限定されず、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)全体の数平均分子量が好ましい値になるような値であることが好ましい。
重合体ブロック(b)はイソブチレンを構成単量体とするが、イソブチレン以外の単量体を含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。イソブチレン以外の単量体を含む場合には、重合体ブロック(b)全体のなかでイソブチレンが60重量%以上を占めることが好ましく、さらに、80重量%以上を占めることがより好ましい。重合体ブロック(b)中のイソブチレン以外の単量体としては、イソブチレンとカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、上記の芳香族ビニル化合物、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)において、芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)とイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)の割合に関しては、特に制限はないが、ガスバリア性とホットメルト性のバランスから、重合体ブロック(a):重合体ブロック(b)が重量比で5:95から40:60であることが好ましく、10:90〜40:60であることがより好ましい。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の数平均分子量にも特に制限はないが、ホットメルト粘着性及び加工性の面から、3,000〜200,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましい。イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の数平均分子量が上記範囲よりも低い場合には室温付近で流動性を示し、一方、上記範囲を超える場合には加工性の面で不利である。
また本発明の組成物のガラス板への粘・接着性を改善する等の目的で、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)として分子鎖中又は分子鎖末端に各種官能基を有するものを用いることができる。官能基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシル基等のエーテル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシル基等のエステル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アシルアミノ基等のアミド基、無水マレイン酸等の酸無水物基、シリル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。イソブチレン系ジブロック共重合体(A)は、これらの官能基の1種のみを有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。好ましい官能基としては、エポキシ基、アミノ基、エーテル基、エステル基、アミド基、シリル基、アリル基、及び、ビニル基が挙げられる。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の製造方法としては、特に限定されず、公知の重合方法を用いることができるが、構造の制御されたジブロック共重合体を得るためには、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分および芳香族ビニル化合物を主成分とする単量体成分を重合することが好ましい。
R1R2R3CX (1)
式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群から選択される置換基を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。R1、R2及びR3は、同一であっても異なっていても良い。
上記ハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシル基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、メチルフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下、炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。2−クロル−2−フェニルプロパン「C6H5C(CH3)2Cl」、2−メトキシ−2−フェニルプロパン「C6H5C(CH3)2OCH3」、2−クロル−2,4,4−トリメチルプロパン「(CH3)3CCH2C(CH3)2Cl」。上記カチオン重合反応において、共存させることのできるルイス酸触媒としては、カチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。なかでも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。
上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限定されず、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。
上記重合反応においては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体が得られる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
上記重合反応は必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50wt%、好ましくは3〜35wt%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
上記重合反応は、バッチ式(回分式又は半回分式)で行ってもよいし、重合反応に必要な各成分を連続的に重合容器内に加える連続式で行ってもよい。
本発明の樹脂組成物におけるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)の含有量は、併用する各種成分により異なり、一概に規定することはできないが、20重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。この値未満では、ガスバリア性が悪化する傾向がある。
本発明の樹脂組成物はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有することを特徴とするが、更に熱可塑性樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、可塑剤(D)から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。さらに無機充填材、及び乾燥剤を配合しても良い。
熱可塑性樹脂(B)としては特に限定されず、例えば、プラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類よりなる群から選択される少なくとも1種が使用できる。プラスチック類としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリスチレン、ABS、MBS、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。ゴム類としては、例えば、ポリエーテル、ポリブタジエン、天然ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
プラスチック類としては、より低温で流動し、かつ、ガスバリア性の高いポリエチレン及びポリエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。ポリエチレン−αオレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が例示される。
ゴム類としては、ガスバリア性の観点からイソブチレン−イソプレン共重合体が好ましい。
熱可塑性エラストマー類(なお、本願明細書において熱可塑性エラストマーというとき、本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体(A)は除く)としては、例えば、ポリスチレンブロックとポリブタジエンやポリイソプレンブロック等からなるブロック共重合体であるスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン等のポリオレフィン成分とエチレン−プロピレンゴム等のゴム成分からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー、結晶性及び非結晶性ポリ塩化ビニルからなる塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタンブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステルブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるポリエステル系熱可塑性エラストマー、及び、ポリアミドブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記、熱可塑性エラストマーのうち、軟化点及びホットメルト粘着性の点でスチレン系熱可塑性エラストマー及びウレタン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。更に、スチレン系熱可塑性エラストマーは本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体(A)との相溶性が高い点からも好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、及び(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体が、工業的に入手しやすく、最も好ましい。
なお、共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロックとしては、例えば、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、ブタジエンとイソプレンの組み合わせからなるブロックなどが挙げられる。水添共役ジエンを構成単位とする重合体ブロックとしては、部分的に水添された共役ジエンの重合体ブロック、全部が水添された共役ジエンの重合体ブロック(例えば、エチレン−ブチレン共重合体ブロック、エチレン−プロピレン共重合体ブロック)などが挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなるものを挙げることができ、コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物であるものが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂はプラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類の分類に関わらず、少なくとも1種が使用でき、その配合量は特に限定されないが、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部が好ましい。
粘着付与樹脂(C)としては、数平均分子量300〜3,000、JIS K−2207に定められた環球法に基づく軟化点が60〜150℃である低分子の樹脂であって、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重合体が例示される。
このような粘着付与樹脂(C)は、ホットメルト粘着性を高める効果がある。このような目的を達成するためには、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)中のイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックに相溶する粘着付与樹脂(C)を配合することが望ましい。このような粘着付与樹脂(C)としては、例えば、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物、ポリテルペン樹脂などが好適に用いられる。
粘着付与樹脂(C)の配合量は特に限定されないが、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜300重量部であり、ガスバリア性と粘着性の両立の点から、好ましくは1〜100重量部である。
可塑剤(D)としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキル、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示され、これらのいずれも使用することができる。このような可塑剤は、ホットメルト時の流動性を向上させる効果があり、このような目的を達成し、ブリードアウトを防止するためには、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)中のイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックに相溶する可塑剤を配合することが望ましく、パラフィン系プロセスオイルや液状ポリブテンなどが好適に用いられる。
可塑剤(D)の配合量は特に限定されないが、通常、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜300重量部であり、好ましくは1〜100重量部である。
本発明の樹脂組成物には、無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、特に制限はなく従来公知ものを使用することができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、熔融シリカ、結晶シリカ、珪藻土、クレー、タルク、雲母、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
無機充填材は、本発明の封止材組成物の剛性を向上させる効果があり、使用温度域での形状維持性が向上する。しかし、多量の添加はホットメルト時の流動性を悪化させるため、その配合量はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、乾燥剤を添加することができる。乾燥剤としては、ゼオライト、シリカゲル、アルミナが例示され、これらのいずれも使用することができる。このような乾燥剤は、本発明の封止材組成物の水蒸気透過率を減少させ、複層ガラスのガラス板に挟まれた空隙部が湿気によって曇ることを防ぐことができる。乾燥剤の配合量はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、物性を損なわない範囲で、更にヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤等を適宜配合することができる。公知のシランカップリング剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、着色剤、無機ないし有機抗菌剤、滑剤なども加えることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。このときに、必要に応じて加熱することも可能である。また、適当な溶剤に配合剤を投入し、これを攪拌することによって組成物の均一な溶液を得た後、溶剤を留去する方法も用いることができる。さらに、必要に応じ、押出機、射出成型機、及びプレス機等により該組成物を成型することができる。
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性に優れ、ホットメルト粘着性を有していることから、封止材として好適に使用することができ、ガラス用封止材、その中でも複層ガラス用封止材として好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物の複層ガラス封止材としての施工方法に関しては、特に制限はないが、例えば成形操作と連続して成形物を、2枚以上のガラス板が対向配置された複層ガラス材料の端部に配置して複層ガラスを製造できる。この場合成形機から出た高温の組成物を用いることにより、ガラス板との高い接着性(ホットメルト粘着性)が得られる。また、アプリケータなどの装置を用いて組成物の温度低下を抑制しながら、複層ガラス材料に適用することもできる。この装置としては加熱可能なものが好ましい。
本発明の樹脂組成物を封止材として用いた複層ガラスの構成に使用するガラス板は特に制限されず、通常、建材、車両などに広く使用されている窓、ドアなどのガラス板、強化ガラス、合わせガラス、金属網入りガラス、熱線吸収ガラス、さらには、熱線反射ガラス、低反射率ガラスなどのように、内面に金属や他の無機物を薄くコーティングしたガラス板、有機ガラスと呼ばれるアクリル樹脂板、ポリカーボネート板などが挙げられる。また、複層ガラスは2枚のガラス板から構成されるものでもよく、3枚以上のガラス板から構成されるものでもよい。
また、必要に応じて、本発明の樹脂組成物が接するガラス面に溶剤に溶解した接着剤やプライマーを塗布し風乾しておき、適当な直径のシリンダーを有する汎用の押出機を用い、前記樹脂組成物を、例えば100〜200℃の温度で溶融させ、適当な先端形状をもつダイから押出ながら、2枚のガラス板間に介在させて冷却することによって形成することもできる。
この複層化の方法は一例であって、本発明の樹脂組成物からなる複層ガラス封止材を使用した複層ガラスの製造方法自体は上記方法に限定されず、例えば、前記樹脂組成物から予め所望形状のスペーサを成形しておき、これを例えば2枚のガラス板で熱圧着させて形成してもよい。
本発明でいうイソブチレン系ジブロック共重合体(A)は、重合体ブロック(a)及び重合体ブロック(b)からなるものである。
重合体ブロック(a)は、芳香族ビニル化合物を構成単量体としてなる重合体ブロックであり、その数平均分子量に特に制限はないが、30,000以下であることが好ましい。このような数平均分子量を満足することにより、ホットメルト加工が可能な(すなわち高温に加熱した時の溶融粘度が低い)材料が得られる。数平均分子量が30,000以上である場合、高温にしても溶融しがたいことから、そのホットメルト加工が困難である。
重合体ブロック(a)の数平均分子量は、更に15,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましい。また、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。重合体ブロック(a)の数平均分子量が低すぎると、室温付近での流動性が上がりコールドフロー性を示すため、形状維持性の点に関して問題が生じる傾向がある。
重合体ブロック(a)の数平均分子量は、その製造(重合)方法により計算方法が異なるが、芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合し、次いでイソブチレンを含む単量体成分を重合することにより合成する場合、芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合した後に得られた重合体の数平均分子量として表される。一方、イソブチレンを含む単量体成分を重合し、次いで芳香族ビニル化合物を含む単量体成分を重合することにより合成する場合、(最終産物である共重合体の数平均分子量)−(イソブチレンを含む単量体成分を重合した後に得られた重合体の数平均分子量)として計算される。また、最終産物である共重合体の分子量の分散度が十分に小さい場合には、(最終産物である共重合体の数平均分子量)×(イソブチレン系ジブロック共重合体(A)のスチレン含量(重量%))/100として計算しても良い。
なお、本願明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算で表した値である。
重合体ブロック(a)は芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロックであるが、その芳香族ビニル化合物としては、芳香環を有しかつカチオン重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン、又はこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
重合体ブロック(a)は芳香族ビニル化合物以外の単量体を含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。芳香族ビニル化合物以外の単量体を含む場合には、重合体ブロック(a)全体のなかで芳香族ビニル化合物が60重量%以上を占めることが好ましく、さらに、80重量%以上を占めることがより好ましい。重合体ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物以外の単量体としては、芳香族ビニル化合物とカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、イソブチレン、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を構成する重合体ブロック(b)はイソブチレンを構成単量体としてなる重合体ブロックである。重合体ブロック(b)の数平均分子量としては特に限定されず、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)全体の数平均分子量が好ましい値になるような値であることが好ましい。
重合体ブロック(b)はイソブチレンを構成単量体とするが、イソブチレン以外の単量体を含んでいてもよいし含んでいなくてもよい。イソブチレン以外の単量体を含む場合には、重合体ブロック(b)全体のなかでイソブチレンが60重量%以上を占めることが好ましく、さらに、80重量%以上を占めることがより好ましい。重合体ブロック(b)中のイソブチレン以外の単量体としては、イソブチレンとカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、上記の芳香族ビニル化合物、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)において、芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)とイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)の割合に関しては、特に制限はないが、ガスバリア性とホットメルト性のバランスから、重合体ブロック(a):重合体ブロック(b)が重量比で5:95から40:60であることが好ましく、10:90〜40:60であることがより好ましい。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の数平均分子量にも特に制限はないが、ホットメルト粘着性及び加工性の面から、3,000〜200,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましい。イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の数平均分子量が上記範囲よりも低い場合には室温付近で流動性を示し、一方、上記範囲を超える場合には加工性の面で不利である。
また本発明の組成物のガラス板への粘・接着性を改善する等の目的で、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)として分子鎖中又は分子鎖末端に各種官能基を有するものを用いることができる。官能基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシル基等のエーテル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシル基等のエステル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アシルアミノ基等のアミド基、無水マレイン酸等の酸無水物基、シリル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。イソブチレン系ジブロック共重合体(A)は、これらの官能基の1種のみを有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。好ましい官能基としては、エポキシ基、アミノ基、エーテル基、エステル基、アミド基、シリル基、アリル基、及び、ビニル基が挙げられる。
イソブチレン系ジブロック共重合体(A)の製造方法としては、特に限定されず、公知の重合方法を用いることができるが、構造の制御されたジブロック共重合体を得るためには、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分および芳香族ビニル化合物を主成分とする単量体成分を重合することが好ましい。
R1R2R3CX (1)
式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群から選択される置換基を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。R1、R2及びR3は、同一であっても異なっていても良い。
上記ハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシル基としては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、メチルフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下、炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。2−クロル−2−フェニルプロパン「C6H5C(CH3)2Cl」、2−メトキシ−2−フェニルプロパン「C6H5C(CH3)2OCH3」、2−クロル−2,4,4−トリメチルプロパン「(CH3)3CCH2C(CH3)2Cl」。上記カチオン重合反応において、共存させることのできるルイス酸触媒としては、カチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。なかでも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。
上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限定されず、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。
上記重合反応においては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体が得られる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
上記重合反応は必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50wt%、好ましくは3〜35wt%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
上記重合反応は、バッチ式(回分式又は半回分式)で行ってもよいし、重合反応に必要な各成分を連続的に重合容器内に加える連続式で行ってもよい。
本発明の樹脂組成物におけるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)の含有量は、併用する各種成分により異なり、一概に規定することはできないが、20重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。この値未満では、ガスバリア性が悪化する傾向がある。
本発明の樹脂組成物はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有することを特徴とするが、更に熱可塑性樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、可塑剤(D)から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。さらに無機充填材、及び乾燥剤を配合しても良い。
熱可塑性樹脂(B)としては特に限定されず、例えば、プラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類よりなる群から選択される少なくとも1種が使用できる。プラスチック類としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリスチレン、ABS、MBS、アクリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。ゴム類としては、例えば、ポリエーテル、ポリブタジエン、天然ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
プラスチック類としては、より低温で流動し、かつ、ガスバリア性の高いポリエチレン及びポリエチレン−αオレフィン共重合体が好ましい。ポリエチレン−αオレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が例示される。
ゴム類としては、ガスバリア性の観点からイソブチレン−イソプレン共重合体が好ましい。
熱可塑性エラストマー類(なお、本願明細書において熱可塑性エラストマーというとき、本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体(A)は除く)としては、例えば、ポリスチレンブロックとポリブタジエンやポリイソプレンブロック等からなるブロック共重合体であるスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン等のポリオレフィン成分とエチレン−プロピレンゴム等のゴム成分からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー、結晶性及び非結晶性ポリ塩化ビニルからなる塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタンブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステルブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるポリエステル系熱可塑性エラストマー、及び、ポリアミドブロックとポリエーテルブロック等からなるブロック共重合体であるアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記、熱可塑性エラストマーのうち、軟化点及びホットメルト粘着性の点でスチレン系熱可塑性エラストマー及びウレタン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。更に、スチレン系熱可塑性エラストマーは本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体(A)との相溶性が高い点からも好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーの中でも、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体、及び(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体が、工業的に入手しやすく、最も好ましい。
なお、共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロックとしては、例えば、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、ブタジエンとイソプレンの組み合わせからなるブロックなどが挙げられる。水添共役ジエンを構成単位とする重合体ブロックとしては、部分的に水添された共役ジエンの重合体ブロック、全部が水添された共役ジエンの重合体ブロック(例えば、エチレン−ブチレン共重合体ブロック、エチレン−プロピレン共重合体ブロック)などが挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなるものを挙げることができ、コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物であるものが好ましい。
これらの熱可塑性樹脂はプラスチック類、ゴム類、及び熱可塑性エラストマー類の分類に関わらず、少なくとも1種が使用でき、その配合量は特に限定されないが、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部が好ましい。
粘着付与樹脂(C)としては、数平均分子量300〜3,000、JIS K−2207に定められた環球法に基づく軟化点が60〜150℃である低分子の樹脂であって、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低分子量重合体が例示される。
このような粘着付与樹脂(C)は、ホットメルト粘着性を高める効果がある。このような目的を達成するためには、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)中のイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックに相溶する粘着付与樹脂(C)を配合することが望ましい。このような粘着付与樹脂(C)としては、例えば、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物、ポリテルペン樹脂などが好適に用いられる。
粘着付与樹脂(C)の配合量は特に限定されないが、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜300重量部であり、ガスバリア性と粘着性の両立の点から、好ましくは1〜100重量部である。
可塑剤(D)としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキル、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示され、これらのいずれも使用することができる。このような可塑剤は、ホットメルト時の流動性を向上させる効果があり、このような目的を達成し、ブリードアウトを防止するためには、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)中のイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックに相溶する可塑剤を配合することが望ましく、パラフィン系プロセスオイルや液状ポリブテンなどが好適に用いられる。
可塑剤(D)の配合量は特に限定されないが、通常、イソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜300重量部であり、好ましくは1〜100重量部である。
本発明の樹脂組成物には、無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、特に制限はなく従来公知ものを使用することができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、熔融シリカ、結晶シリカ、珪藻土、クレー、タルク、雲母、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等よりなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
無機充填材は、本発明の封止材組成物の剛性を向上させる効果があり、使用温度域での形状維持性が向上する。しかし、多量の添加はホットメルト時の流動性を悪化させるため、その配合量はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、乾燥剤を添加することができる。乾燥剤としては、ゼオライト、シリカゲル、アルミナが例示され、これらのいずれも使用することができる。このような乾燥剤は、本発明の封止材組成物の水蒸気透過率を減少させ、複層ガラスのガラス板に挟まれた空隙部が湿気によって曇ることを防ぐことができる。乾燥剤の配合量はイソブチレン系ジブロック共重合体(A)100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、物性を損なわない範囲で、更にヒンダードフェノール系やヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤等を適宜配合することができる。公知のシランカップリング剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、着色剤、無機ないし有機抗菌剤、滑剤なども加えることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。このときに、必要に応じて加熱することも可能である。また、適当な溶剤に配合剤を投入し、これを攪拌することによって組成物の均一な溶液を得た後、溶剤を留去する方法も用いることができる。さらに、必要に応じ、押出機、射出成型機、及びプレス機等により該組成物を成型することができる。
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性に優れ、ホットメルト粘着性を有していることから、封止材として好適に使用することができ、ガラス用封止材、その中でも複層ガラス用封止材として好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物の複層ガラス封止材としての施工方法に関しては、特に制限はないが、例えば成形操作と連続して成形物を、2枚以上のガラス板が対向配置された複層ガラス材料の端部に配置して複層ガラスを製造できる。この場合成形機から出た高温の組成物を用いることにより、ガラス板との高い接着性(ホットメルト粘着性)が得られる。また、アプリケータなどの装置を用いて組成物の温度低下を抑制しながら、複層ガラス材料に適用することもできる。この装置としては加熱可能なものが好ましい。
本発明の樹脂組成物を封止材として用いた複層ガラスの構成に使用するガラス板は特に制限されず、通常、建材、車両などに広く使用されている窓、ドアなどのガラス板、強化ガラス、合わせガラス、金属網入りガラス、熱線吸収ガラス、さらには、熱線反射ガラス、低反射率ガラスなどのように、内面に金属や他の無機物を薄くコーティングしたガラス板、有機ガラスと呼ばれるアクリル樹脂板、ポリカーボネート板などが挙げられる。また、複層ガラスは2枚のガラス板から構成されるものでもよく、3枚以上のガラス板から構成されるものでもよい。
また、必要に応じて、本発明の樹脂組成物が接するガラス面に溶剤に溶解した接着剤やプライマーを塗布し風乾しておき、適当な直径のシリンダーを有する汎用の押出機を用い、前記樹脂組成物を、例えば100〜200℃の温度で溶融させ、適当な先端形状をもつダイから押出ながら、2枚のガラス板間に介在させて冷却することによって形成することもできる。
この複層化の方法は一例であって、本発明の樹脂組成物からなる複層ガラス封止材を使用した複層ガラスの製造方法自体は上記方法に限定されず、例えば、前記樹脂組成物から予め所望形状のスペーサを成形しておき、これを例えば2枚のガラス板で熱圧着させて形成してもよい。
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
(製造例1)[スチレン−イソブチレン−ジブロック共重合体(SIB)の製造]
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613mL、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤等を除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共重合体を得た。
得られたイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は48,000であり、分子量分布は1.12であった。数平均分子量はWaters社製510型GPCシステム(溶媒としてクロロホルムを使用し、流量は1mL/分とした)により測定し、ポリスチレン換算の値を示した。
(製造例2)[スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)456.1mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)656.5mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー232mL(2871mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.647g(2.8mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド1.22g(14mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン8.67mL(79.1mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー77.9g(748mmol)、n−ヘキサン23.9mLおよび塩化ブチル34.3mLの混合溶液を重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから45分後に、約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。スチレン添加前のイソブチレン重合体のMnが50,000、Mw/Mnは1.40であり、スチレン重合後のブロック共重合体のMnが67,000、Mw/Mnが1.50であるブロック共重合体が得られた。
[実施例1〜3、及び比較例1、2]
表1に示した割合で合計40gになるように配合し、170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて15分間溶融混練し封止材となる樹脂組成物を製造した。
[透湿度試験片の製造]
得られた樹脂組成物を100〜170℃の条件下で加熱プレスし、1mm厚シートを製造した。
[ガラス粘着性、形状維持性試験片の製造]
得られた樹脂組成物を100〜170℃の条件下で加熱プレスし、10mm幅×50mm長×12mm厚に成形した。この試験片を50mm幅×50mm長×5mm厚の2枚のガラス板に挟み、100〜170℃のオーブン内で10分養生することによって試験片を製造した。
[評価方法]
(透湿度)
JIS Z0208に従い、40℃、90%RHでの透湿度を測定した。結果を表1に記す。
(ガラス粘着性試験)
2枚のガラス板間隔が初期(製造後)の10%伸び変形した状態で、25℃の温度条件下15分放置し、ガラスと材料界面との粘接着度合いを観察し、接着面積が変形させる前(初期)と変わらないものを○、剥離がみられたものを×とした。結果を表1に記す。
(形状維持性試験)
片側のガラス板を固定し、他方のガラス板に3Kgの荷重を15分間かけ、25℃の温度条件下で被荷重側のガラス板の下降移動量を測定し、移動量が0.5mm以下のものを○、それ以上を×とした。結果を表1に記す。
また、以下に実施例及び比較例で用いた材料の略号とその具体的な内容は、次のとおりである。
[実施例等記載成分の内容]
SIB:スチレン−イソブチレン−ジブロック共重合体(製造例1)
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(製造例2)
IIR:ブチルゴム(ブチル065、日本合成ゴム社製)
SEPS:スチレン−エチレンプロピレン−スチレントリブロック共重合体(SEPTON2007、クラレ社製)
EOC:エチレン−オクテン共重合体(ENGAGE8150、ダウ社製)
粘着付与樹脂:(アルコン P−100、荒川化学社製)
可塑剤:パラフィン系プロセスオイル(PW−380、出光興産社製)
シランカップリング剤:(A−171、日本ユニカー社製)
本発明のイソブチレン系ジブッロク共重合体を含有する樹脂組成物からなる封止剤、すなわち実施例1〜3は透湿度が3.0〜4.5と良好な値を示し、かつ、粘着性及び形状維持性にも優れていた。一方で、本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体を含有せず、SIBSからなる組成物である比較例1は、透湿度は良好であるが、粘着性が低く、容易に剥離するものであった。また、ブチルゴムからなる組成物である比較例2は容易に変形し、スペーサーとしての役割を十分に発揮できない結果であった。
(製造例1)[スチレン−イソブチレン−ジブロック共重合体(SIB)の製造]
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613mL、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤等を除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共重合体を得た。
得られたイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は48,000であり、分子量分布は1.12であった。数平均分子量はWaters社製510型GPCシステム(溶媒としてクロロホルムを使用し、流量は1mL/分とした)により測定し、ポリスチレン換算の値を示した。
(製造例2)[スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)456.1mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)656.5mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー232mL(2871mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.647g(2.8mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド1.22g(14mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン8.67mL(79.1mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー77.9g(748mmol)、n−ヘキサン23.9mLおよび塩化ブチル34.3mLの混合溶液を重合容器内に添加した。該混合溶液を添加してから45分後に、約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。スチレン添加前のイソブチレン重合体のMnが50,000、Mw/Mnは1.40であり、スチレン重合後のブロック共重合体のMnが67,000、Mw/Mnが1.50であるブロック共重合体が得られた。
[実施例1〜3、及び比較例1、2]
表1に示した割合で合計40gになるように配合し、170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて15分間溶融混練し封止材となる樹脂組成物を製造した。
[透湿度試験片の製造]
得られた樹脂組成物を100〜170℃の条件下で加熱プレスし、1mm厚シートを製造した。
[ガラス粘着性、形状維持性試験片の製造]
得られた樹脂組成物を100〜170℃の条件下で加熱プレスし、10mm幅×50mm長×12mm厚に成形した。この試験片を50mm幅×50mm長×5mm厚の2枚のガラス板に挟み、100〜170℃のオーブン内で10分養生することによって試験片を製造した。
[評価方法]
(透湿度)
JIS Z0208に従い、40℃、90%RHでの透湿度を測定した。結果を表1に記す。
(ガラス粘着性試験)
2枚のガラス板間隔が初期(製造後)の10%伸び変形した状態で、25℃の温度条件下15分放置し、ガラスと材料界面との粘接着度合いを観察し、接着面積が変形させる前(初期)と変わらないものを○、剥離がみられたものを×とした。結果を表1に記す。
(形状維持性試験)
片側のガラス板を固定し、他方のガラス板に3Kgの荷重を15分間かけ、25℃の温度条件下で被荷重側のガラス板の下降移動量を測定し、移動量が0.5mm以下のものを○、それ以上を×とした。結果を表1に記す。
また、以下に実施例及び比較例で用いた材料の略号とその具体的な内容は、次のとおりである。
[実施例等記載成分の内容]
SIB:スチレン−イソブチレン−ジブロック共重合体(製造例1)
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(製造例2)
IIR:ブチルゴム(ブチル065、日本合成ゴム社製)
SEPS:スチレン−エチレンプロピレン−スチレントリブロック共重合体(SEPTON2007、クラレ社製)
EOC:エチレン−オクテン共重合体(ENGAGE8150、ダウ社製)
粘着付与樹脂:(アルコン P−100、荒川化学社製)
可塑剤:パラフィン系プロセスオイル(PW−380、出光興産社製)
シランカップリング剤:(A−171、日本ユニカー社製)
本発明のイソブチレン系ジブッロク共重合体を含有する樹脂組成物からなる封止剤、すなわち実施例1〜3は透湿度が3.0〜4.5と良好な値を示し、かつ、粘着性及び形状維持性にも優れていた。一方で、本発明のイソブチレン系ジブロック共重合体を含有せず、SIBSからなる組成物である比較例1は、透湿度は良好であるが、粘着性が低く、容易に剥離するものであった。また、ブチルゴムからなる組成物である比較例2は容易に変形し、スペーサーとしての役割を十分に発揮できない結果であった。
本発明の樹脂組成物は、ホットメルト粘着性を有していることから、従来のホットメルト製品の代替として、各種用途で使用でき、シート、成形体、粘着体、発泡体に成形され、例えば、粘着接着材料、ガスケット材料、シール材、粘着材用基材材料、成形材料、ゴム材料等への使用が可能である。より具体的には、建築、車輌用シーリング材、ガラス用封止材、自動車用止水シール材、建築用止水テープや電気絶縁テープ、各種パッキン等が例示される。それらの中でも、ガスバリア性が重要な各種封止材として好適に使用することができ、ガラス用封止材、その中でも複層ガラス用封止材として好適に使用することができる。
本発明のホットメルト性封止材の複層ガラス用封止材としての使用方法としては、本発明の封止材をスペーサ兼シール材として2枚以上のガラス板間に配置し、本発明の封止材のみでシールする方法、本発明の封止材と乾燥剤を含有する金属製若しくは樹脂製スペーサを併用する方法、本発明の封止材と乾燥剤を含まない金属製若しくは樹脂製スペーサを併用する方法、本発明の封止材をスペーサ兼一次シール材とし、二次シール材と併用する方法等が有効である。いずれの方法においても、本発明のホットメルト性封止材を用いることにより、粘着性及び形状維持性にも優れ、製造が容易な複層ガラスを製造することは可能である。
本発明のホットメルト性封止材の複層ガラス用封止材としての使用方法としては、本発明の封止材をスペーサ兼シール材として2枚以上のガラス板間に配置し、本発明の封止材のみでシールする方法、本発明の封止材と乾燥剤を含有する金属製若しくは樹脂製スペーサを併用する方法、本発明の封止材と乾燥剤を含まない金属製若しくは樹脂製スペーサを併用する方法、本発明の封止材をスペーサ兼一次シール材とし、二次シール材と併用する方法等が有効である。いずれの方法においても、本発明のホットメルト性封止材を用いることにより、粘着性及び形状維持性にも優れ、製造が容易な複層ガラスを製造することは可能である。
Claims (9)
- 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(a)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(b)、からなるイソブチレン系ジブロック共重合体(A)を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする複層ガラス封止材。
- 該樹脂組成物が、更に熱可塑性樹脂(B)を含有することを特徴とする請求項1記載の複層ガラス封止材。
- 該樹脂組成物が、更に粘着付与樹脂(C)を含有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の複層ガラス封止材。
- 該樹脂組成物が、更に可塑剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複層ガラス封止材。
- 該熱可塑性樹脂(B)が、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、及びイソブチレン−イソプレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の複層ガラス封止材。
- 該熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱可塑性エラストマー、またはウレタン系熱可塑性エラストマーのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の複層ガラス封止材。
- 該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項6記載の複層ガラス封止材。
- 該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項6記載の複層ガラス封止材。
- 該スチレン系熱可塑性エラストマーが、(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)−(水添共役ジエンを構成単量体とする重合体ブロック)−(芳香族ビニル化合物を構成単量体とする重合体ブロック)からなるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項6記載の複層ガラス封止材。
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