JP5603211B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明はインナーライナーを備えた空気入りタイヤに関し、特に、タイヤ走行時の繰り返し屈曲変形に伴うインナーライナーの剥離を防止し、タイヤ内圧低下を軽減し、さらに転がり抵抗を軽減した空気入りタイヤに関する。
近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られており、タイヤ部材のなかでタイヤの内部に配置され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れの量(空気内圧低下)を低減して耐空気透過性を向上させる機能をもつインナーライナーにおいても軽量化の要請が強くなっている。
現在、インナーライナー用ゴム組成物は、たとえばブチルゴム70〜100質量%および天然ゴム30〜0質量%を含むブチルゴムを主体とするゴム配合を使用することで、タイヤの耐空気透過性を向上させることが行われている。また、ブチルゴムを主体とするゴム配合はブチレン以外に約1質量%のイソプレンを含み、これが硫黄・加硫促進剤・亜鉛華と相まって、ゴム分子間の架橋を可能にしている。上記ブチル系ゴムは、通常の配合では乗用車用タイヤでは0.6〜1.0mm、トラック・バス用タイヤでは1.0〜2.0mm程度の厚みが必要となるが、タイヤの軽量化を図るために、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れ、インナーライナー層の厚みをより薄くできるポリマーが要請されている。
従来、タイヤの軽量化を図るために、前記ゴム組成物にかえて熱可塑性樹脂を含む材料からなるフィルムが提案されている。しかし薄い熱可塑性樹脂のインナーライナーを用いてタイヤを製造すると、加硫工程の圧力で部分的に薄くなりすぎてタイヤ製品のインナーライナーの仕上がりゲージが設計より薄くなってしまう。仕上がりが薄いインナーライナーはその箇所ではカーカスコードが浮き出て見える現象(オープンスレッド)でユーザーには外観が悪いという印象を与えてしまうほかに、インナーライナーが薄いと、部分的にガスバリア性が悪くなってしまいタイヤ内圧が低下し、最悪な場合にはタイヤがバーストしてしまう虞がある。
またインナーライナーはタイヤ走行時にショルダー部近傍に大きなせん断歪が作用する。熱可塑性樹脂を含む材料をインナーライナーとして使用した場合、このせん断歪みによって、インナーライナーとカーカスプライの接着界面で剥離が発生しやすくなり、タイヤの空気漏れが発生するという問題があった。
またインナーライナーの軽量化のため、熱可塑性エラストマー材料を用いる技術も提案されている。しかしブチルゴムのインナーライナーよりも厚みを薄くし、また高い耐空気透過性を示す材料は、インナーライナーに隣接するインスレーションゴムやカーカスプライゴムとの加硫接着力がブチルゴムのインナーライナーよりも劣ることが分かっている。
インナーライナーの加硫接着力が低いと、インナーライナーとインシュレーションゴム、またはカーカスゴムの間に空気が混入し、小さな風船のようなものが現れる、所謂エアーイン現象が生じる。タイヤの内側に小さな斑模様が多数あることで、ユーザーには外観が悪いという印象を与えるほかに、走行中にエアが起点となり剥離が生じてインナーライナーに亀裂が生じタイヤ内圧が低下し、最悪な場合はタイヤがバーストしてしまう虞がある。
特許文献1には、熱可塑性江ラストマーであるSIBSに粘着付与剤として石油樹脂、テルペン樹脂を用いて接着力を向上することが提案されている。しかしSIBSのほかにポリアミド系ポリマーをブレンドしており、耐屈曲亀裂性が低下するという問題がある。
また特許文献2には、SIBSと硫黄架橋可能な重合体のブレンド物に粘着付与剤として、天然ロジン、テルペン、クロマンインデン樹脂、石油樹脂またはアルキルフェノール樹脂などを用いて、カーカスプライゴムの接着性を向上することが提案されている。
しかしSIBSの100重量部に対して硫黄加硫可能な重合体を10〜300重量部ブレンドする技術では、硫黄架橋可能な重合体が100重量部以下の場合、SIBSがマトリックス(海部分)で、硫黄架橋可能な重合体がドメイン構造(島部分)となり、カーカスゴムへの接触界面での接着力が向上しない。また硫黄架橋可能な重合体が100重量部以上の場合、ブチルゴム以外ではガスバリア性が低下し、ブチルゴムでは接着力が低下し、更にはブレンドする重合体によっては、粘着が高くなり厚さ600μm以下のフィルムを作製できないという問題がある。
特開2010−13646号公報 特開2010−100675号公報
本発明はインナーライナーを備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤの内圧低下を軽減し、タイヤ走行に伴う繰り返し屈曲変形に伴うインナーライナーの亀裂成長を軽減し、さらに転がり抵抗を低減した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、一対のビード部の間に装架されたカーカスプライのタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されており、前記第1層および第2層の、少なくともいずれかは、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるイソブチレン系ブロック共重合体であって、少なくとも一つのブロックがβ−ピネンを含むランダム共重合体であるイソブチレン系変性共重合体を含むエラストマー組成物である前記空気入りタイヤに関する。
前記第1層のエラストマー組成物は、イソブチレン系変性共重合体をエラストマー成分中に10質量%以上で100質量%以下含むことが好ましい。また前記第2層のエラストマー組成物は、イソブチレン系変性共重合体をエラストマー成分中に5質量%以上で80質量%以下であることが好ましい。
さらに前記イソブチレン系変性共重合体はβ−ピネン含有量が、0.5〜25重量%であり、イソブチレン系変性共重合体の重量平均分子量Mwが30,000〜300,000であり、かつ分子量分布の値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.3以下であることが好ましい。
また前記イソブチレン系変性共重合体は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体又はスチレン−イソブチレンブロック共重合体のスチレンブロックにβ−ピネンが含まれていることが好ましい。
本発明は、インナーライナーをタイヤ内側に配置される第1層と、カーカスプライに接して配置される第2層の複合層で構成し、少なくともいずれかに、イソブチレン系変性共重合体を用いているため、第1層と第2層の間の加硫接着を改善することができる。その結果第1層/カーカスプライ間、第1層/第2層間およびカーカスプライ/第2層間の接着力が改善されタイヤ耐久性能が向上する。
本発明の空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。 図2(a)〜図2(d)はインナーライナーとカーカスの配置を示す概略断面図である。
<タイヤの構造>
本発明はタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤを図に基づいて説明する。図1は、空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。図において空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部3とビード部4とを有している。さらに、ビード部4にはビードコア5が埋設される。また、一方のビード部4から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア5のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層7とが配置されている。
前記ベルト層7は、通常、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなるプライの2枚をタイヤ周方向に対して、コードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。なおベルト層の両端外側には、トッピングゴム層を設け、ベルト層両端の剥離を軽減することができる。またカーカスプライはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスプライとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア5の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8が配置される。また前記カーカスプライ6のタイヤ半径方向内側には一方のビード部4から他方のビード部4に亘るインナーライナー9が配置されている。
<インナーライナー>
本発明においてインナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されている。そして第1層および第2層のエラストマー組成物の少なくともいずれかは、イソブチレン系変性共重合体を含む。
<イソブチレン系変性共重合体>
本発明において、イソブチレン系変性共重合体とは、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるイソブチレン系変性共重合体であって、少なくとも1つのブロックがβ−ピネンを含むランダム共重合体である。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロック(A)は、ソフトセグメントがイソブチレンに由来するユニットが80重量%以上から構成される重合体ブロックである。かかる重合体ブロックは、単量体成分として、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等を用いて製造できる。
一方、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)は、ハードセグメントが芳香族ビニル系化合物に由来するユニットが80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレンなどが例示される。特にコストの観点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
本発明のイソブチレン系変性共重合体は重合体ブロック(A)、(B)のうち少なくとも一つのブロックがβ−ピネンとのランダム共重合体である。低温特性の観点からは芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)に共重合していることが好ましい。
一方、接着性の観点からはイソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)に共重合しているのが好ましい。この場合、β−ピネンの含有量はイソブチレン系変性共重合体の0.5〜25重量%が好ましく、2〜25重量%がさらに好ましい。β−ピネンの含有量が0.5重量%を未満の場合には接着性が十分でなく、25重量%を超えると脆くなり、ゴム弾性が低下する傾向にある。
本発明のイソブチレン系変性共重合体の構造には特に制限はなく、直鎖状、分岐状、スター状の分子鎖構造を有するブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。物性バランス及び成形加工性の点から、重合体ブロック(A)、(B)がジブロック共重合体((A)−(B))、トリブロック共重合体((B)−(A)−(B))の構造が採用できる。これらは所望の物性・成形加工性を得る為に、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
またイソブチレン系変性共重合体の分子量は、流動性、成形加工性、ゴム弾性等の面から、GPC測定による重量平均分子量で30,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が30,000よりも低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向があり、一方300,000を超える場合には流動性、加工性が悪化する傾向がある。さらには加工安定性の観点からイソブチレン系変性共重合体の分子量分布の値(重量平均分子量/数平均分子量)が1.3以下であることが好ましい。
<イソブチレン系変性共重合体の製造方法>
イソブチレン系変性共重合体の製造方法は、例えば、特開2010−195969号公報に開示されている。例えば、次の一般式(I)で表される重合開始剤の存在下に、前記単量体成分を重合させて製造できる。
(CR12X)nR3 (1)
(式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR1、R2は同一であっても異なっていても良く、R3は一価若しくは多価芳香族炭化水素基または一価若しくは多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。)
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になる。上記一般式(1)の化合物の例として、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH32363]がある。
イソブチレン系変性共重合体を製造する際には、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。ルイス酸としては、カチオン重合に使用できるもので、例えばTiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、ZnBr2、AlCl3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物が使用できる。前記ルイス酸は、一般式(1)で示される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができる。
また、イソブチレン系変性共重合体の製造に際しては、電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類またはスルホキシド類がある。
イソブチレン系変性共重合体の重合は有機溶媒中で行うことができ、ここで有機溶媒はカチオン重合を阻害しないものが使用できる。たとえば塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼン類、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の直鎖式脂肪族炭化水素類、2−メチルプロパン、2−メチルブタン等の分岐式脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類などが使用できる。
上記有機溶媒の量は、生成する共重合体溶液の粘度調整および放熱性の観点から、共重合体の濃度が5〜40質量%となるように調整される。なお共重合反応は、−20℃〜−70℃の範囲が好ましい。
<第1層>
本発明において、インナーライナーの第1層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分は、イソブチレン系変性共重合体単独または、他のエラストマー成分との混合物で構成される。
イソブチレン系変性共重合体は、エラストマー成分全体の10〜100質量%、好ましくは30〜100質量%の範囲である。イソブチレン系変性共重合体が、10質量%未満の場合は、第2層との加硫接着力が低下する可能性がある。
前記エラストマー成分として、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。ここでスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを含む共重合体をいう。例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう。)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(以下、「SIB」ともいう。)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう。)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEPS」ともいう。)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEEPS」ともいう。)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBBS」ともいう。)がある。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、その分子構造において、エポキシ基を有してもよく、例えば、ダイセル化学工業(株)社製、エポフレンドA1020(重量平均分子量が10万、エポキシ当量が500)のエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(エポキシ化SBS)が使用できる。なおスチレン系熱可塑性エラストマーのうち、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体が好適に使用される。
第1層のエラストマー成分としてゴム成分を混合することができる。ゴム成分の混合によって、隣接するカーカスプライとの未加硫状態での粘着性を付与し、加硫によりカーカスプライやインスレーションとの加硫接着性を高めることができる。
ゴム成分は天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含みことが好ましい。ゴム成分の配合量は、熱可塑性エポリマー成分100質量部に対し、5〜20質量%の範囲が好ましい。
第1層の厚さは、0.05〜0.6mmである。第1層の厚さが0.05mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じる虞がある。一方、第1層の厚さが0.6mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第1層の厚さは、さらに0.05〜0.4mmであることが好ましい。第1層は、SIBSを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
<第2層>
本発明において、インナーライナーの第2層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分は、イソブチレン系変性共重合体と他のエラストマー成分との混合物で構成される。
イソブチレン系変性共重合体は、エラストマー成分全体の5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%の範囲である。イソブチレン系変性共重合体が、5質量%未満の場合は、第1層との加硫接着力が低下する可能性があり、80質量%を超えるとカーカスプライとの加硫接着が低下する可能性がある。
第2層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分として、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとして、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)がある。
特に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物が好ましい。
第2層に用いられる前記スチレン系熱可塑性エラストマーのうち、特にSISおよびSIBが好適である。スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスプライのゴム層との接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
前記SISの分子量はゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が100,000〜290,000であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、290,000を超えると押出加工性が悪くなるため好ましくない。SIS中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜30質量%が好ましい。
本発明において、SISにおける、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソプレンでは500〜5,000程度、またスチレンでは50〜1,500程度であることが好ましい。
前記SISは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができ、例えば、リビングカチオン重合法により得ることができる。SIS層は、SISを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBとしては、直鎖状のものを用いることがゴム弾性および接着性の観点から好ましい。SIBの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が40,000〜120,000であることが好ましい。重量平均分子量が40,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、120,000を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIB中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜35質量%であることが好ましい。本発明において、SIBにおける、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソブチレンでは300〜3,000程度、またスチレンでは10〜1,500程度であることが好ましい。
前記SIBは、一般的なビニル系化合物のリビング重合法により得ることができ、例えば、攪拌機にメチルシクロヘキサン、n−ブチルクロライド、クミルクロライドを加え、−70℃に冷却した後、2時間反応させ、その後に大量のメタノールを添加して反応を停止させ、60℃で真空乾燥してSIBを得る製造方法が開示されている。
SIB層は、SIBを押出成形またはカレンダー成形などのスチレン系熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によって成型できる。
第2層の厚さは、0.01mm〜0.3mmが好ましい。ここで第2層の厚さとは、例えば第2層がSIS層、SIBなどの1層のみからなる場合は、その厚さをいう。一方、第2層が例えば、SIS層およびSIB層などを含む2層あるいは第3層の場合は、これらの合計の厚さを意味する。第2層の厚さが0.01mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第2層がプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する虞がある。一方、第2層の厚さが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し低燃費性能が低下する可能性がある。第2層の厚さは、さらに0.05〜0.2mmであることが好ましい。
なお、第2層はSIS層とSIB層の複合層で構成できるが、第1層とSIS層の間、第1層とSIB層の間またはSIS層とSIB層の間に、さらに第3層として、ウレタンゴム、シリコーンゴムよりなるフィルムを配置することができる。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、その分子構造において、エポキシ基を有してもよく、例えば、ダイセル化学工業(株)社製、エポフレンドA1020(重量平均分子量が10万、エポキシ当量が500)のエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(エポキシ化SBS)も使用できる。
<SIBS混合物>
第2層をSISとSIBSの混合物、またはSIBとSIBSの混合物で構成することができる。この場合、SIBSの配合量はエラストマー成分の10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲で調整される。SIBSが10質量%より少ないと第1層との接着性が低下し、SIBSが80質量%を超えるとカーカスプライとの接着性が低下する傾向がある。
<粘着付与剤>
本発明において、前記第1層及び第2層の少なくともいずれかは、エラストマー成分100質量部に対し、粘着付与剤が0.1〜100質量部は配合される。ここで粘着付与剤とは、エラストマー組成物の粘着性を増進するための配合剤をいい、例えば次の粘着付与剤が例示される。
典型的には、C9石油樹脂、C5石油樹脂がある。ここでC9石油樹脂は、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC5〜C9留分(主としてC9留分)を混合状態のまま重合して得られた芳香族石油樹脂である。例えば、商品名として、アルコンP70、P90、P100、P125、P140、M90、M100、M115、M135(いずれも、荒川化学工業(株)社製、軟化点70〜145℃)、またアイマーブS100、S110、P100、P125、P140(いずれも出光石油化学(株)製、芳香族共重合系水添石油樹脂、軟化点100〜140℃、重量平均分子量700〜900、臭素価2.0〜6.0g/100g)、さらに、ペトコールXL(東ソー(株)製)がある。
またC5石油樹脂とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレンやブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC4〜C5留分(主としてC5留分)を混合状態のまま重合して、得られた脂肪族石油樹脂である。商品名として、ハイレッツG100(三井石油化学(株)製、軟化点が100℃)、またマルカレッツT100AS(丸善石油(株)製、軟化点100℃)、さらにエスコレッツ1102(トーネックス(株)製、軟化点が110℃)がある。
テルペン樹脂は、例えば、商品名として、YSレジンPX800N、PX1000、PX1150、PX1250、PXN1150N、クリアロンP85、P105、P115、P125、P135、P150、M105、M115、K100(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点は75〜160℃)がある。
芳香族変性テルペン樹脂は、例えば、商品名として、YSレジンTO85、TO105、TO115、TO125(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
テルペンフェノール樹脂は、例えば商品名として、タマノル803L、901(荒川化学工業(株)製、軟化点120℃〜160℃)、またYSポリスターU115、U130、T80、T100、T115、T145、T160(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
クマロン樹脂は、例えば、軟化点90℃のクマロン樹脂(神戸油化学工業(株)製)がある。クマロンインデンオイルは、例えば商品名として、15E(神戸油化学工業(株)製、流動点15℃)がある。
ロジンエステルは、例えば商品名として、エステルガムAAL、A、AAV、105、AT、H、HP、HD(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点68℃〜110℃)、またハリエスターTF、S、C、DS70L、DS90、DS130(いずれもハリマ化成(株)製、軟化点68℃〜138℃)がある。
水添ロジンエステルは、例えば商品名として、スーパーエステルA75、A100、A115、A125(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点70℃〜130℃)がある。アルキルフェノール樹脂は、例えば商品名として、タマノル510(荒川化学工業(株)製、軟化点75℃〜95℃)がある。DCPDは、商品名として、エスコレッツ5300(トーネックス(株)製、軟化点105℃)がある。
粘着付与剤は、C9石油樹脂の完全水添系石油樹脂がSIBと相溶性がよく、またガスバリア性も低下することなく、接着性を高めることができる。また粘度も下げる効果もあり、フィルム押出成形にも有利に使用できる。
前記粘着付与剤は、第1層の熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部の範囲で配合される。粘着付与剤が0.1質量部未満の場合は、第2層との加硫接着力が十分でなく、一方、100質量部を超えると粘着性が高くなりすぎて、加工性、生産性を低下し、更にガスバリア性が低下することになる。
第2層は、タイヤ内側の第1層とカーカスプライの間に配置され、これら両者との接着性が要求される。そこで前記粘着付与剤は、第2層の熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部の範囲で配合される。粘着付与剤が0.1質量部未満の場合は、第1層との加硫接着力が十分でなく、一方、100質量部を超えると粘着性が高くなりすぎて、加工性、生産性を低下し、更にガスバリア性が低下することになる。
<エラストマー組成物の添加剤>
第1層、第2層のエラストマー組成物には、架橋剤、架橋助剤を添加できる。架橋剤は硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、4,4−ジチオビスモルホリン、有機過酸化物、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ハロメチルフェノールが使用できる。
架橋助剤として、スルフェンアミド、ベンゾチアゾール、グアニジン、ジチオカルバミン酸、酸化亜鉛などの金属酸化物、ステアリン酸などの脂肪酸、含窒素化合物、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレートが使用できる。架橋剤、架橋助剤の配合量は、エラストマー成分100質量部に対して0.3〜6質量部である。
前記エラストマー組成物は、さらに充填剤、老化防止剤、軟化剤、加工助剤などを添加できる。充填剤は、カーボンブラック、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー等が使用できる。老化防止剤は酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を包含する。軟化剤はパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、ナタネ油、ジオクチルフタレートなどが使用できる。また、加工助剤は高級脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、パラフィンワックス、脂肪アルコール、フッ素・シリコーン系樹脂などが使用できる。
<ポリマー積層体>
本発明においてインナーライナーは第1層と第2層で構成されるポリマー積層体が使用される。ここで第1層、第2層は好ましくは、熱可塑性エラストマー組成物であり、加硫温度、例えば150℃〜180℃において、金型中で軟化状態にある。軟化状態とは、分子運動性が向上し固体と液体の中間状態を意味する。また、熱可塑性エラストマー組成物が軟化状態では、固体状態よりも反応性が向上するため、隣接する部材と粘着、接着する。そのため、熱可塑性エラストマーの形状変化や隣接部材との粘着、融着を防止するために、タイヤの製造の際には、冷却工程を必要とする。冷却工程は、タイヤ加硫後に、10〜300秒間、50〜120℃に急冷し、ブラダー部内を冷却する。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルより選択される1種以上が使用される。かかる冷却工程を採用することで、インナーライナーを0.05〜0.6mmの範囲の薄いインナーライナーを形成することができる。
つぎにインナーライナーの加硫タイヤにおけるカーカスプライとの配置状態を図2に基づいて具体的に示す。図2(a)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1および第2層としてのSIS主体層PL2から構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIS主体層PL2がカーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIS主体層PL2とカーカス61との接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライ61のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図2(b)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1および第2層としてのSIB主体層PL3から構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIB主体層PL3の面を、カーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIB主体層PL3とカーカス61との接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライ61のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図2(c)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1、第2層としてのSIS主体層PL2およびSIB主体層PL3が前記の順に積層されて構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIB主体層PL3の面を、カーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIB主体層PL3とカーカスプライ61との接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライ61のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図2(d)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1、第2層としてのSIB主体層PL3およびSIS主体層PL2が前記の順に積層されて構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIS主体層PL2の面を、カーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIS主体層PL2とカーカスプライ61との接着強度を高めることができる。したがってインナーライナーとカーカスプライ61のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
<空気入りタイヤの製造方法>
本発明の空気入りタイヤは、一般的な製造方法を用いることができる。前記ポリマー積層体PLを用いてインナンーライナーを製造する。空気入りタイヤ1の生タイヤに前記インナーライナーを適用して他の部材とともに加硫成形することによって製造することができる。ポリマー積層体PLを生タイヤに配置する際は、ポリマー積層体PLの第2層であるSIS主体層PL2またはSIB主体層PL3が、カーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、SIS主体層PL2またはSIB主体層PL3とカーカス6との接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライ61のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
<エラストマー成分の調製>
本発明の第1層および第2層に用いるエラストマーを以下のように調製した。
(1)イソブチレン系変性共重合体
(1−1)成分A−1:(スチレン/β−ピネン)−イソブチレン−(スチレン/β−ピネン)ブロック共重合体(β−ピネン含量:9.7重量%、数平均分子量(Mn):103,000)。
前記成分A−1の製造方法は、以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素で置換した後、注射器を用いて、モレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及び同様に乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノールの混合バス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。さらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間に、同様な温度で撹拌を行った後、重合溶液から重合溶液の1mLをサンプルとして抜き取った。そして−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)とβ−ピネン6.8g(49.7mmol)を均一に攪拌した後、重合容器内に添加した。スチレンとβ−ピネンを添加して45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。そしてトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた生成物を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック共重合体の分子量を測定した。数平均分子量(Mn)は103,000、Mw/Mnは1.21である。
(1−2)成分A―2:(スチレン/β−ピネン)−イソブチレン−(スチレン/β−ピネン)ブロック共重合体(β−ピネン含量:5.3重量%、数平均分子量:10,7000)。
成分A−2の製造方法は以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素で置換した後、注射器を用いてモレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及び同様に乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノールの混合バス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。
次に四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液から重合溶液1mLをサンプルとして抜き取った。そして−70℃に冷却したスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)とβ−ピネン3.6g(26.3mmol)を均一に攪拌したあと、重合容器内に添加した。スチレンとβ−ピネン添加45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が107,000、Mw/Mnが1.23である。
(1−3)成分A―3:スチレン−(イソブチレン/β−ピネン)−スチレンブロック共重合体(β−ピネン含量5.3重量%、数平均分子量10,9000)。
成分A−3の製造方法は、以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素で置換した後、注射器を用いて、モレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及びモレキュラーシーブスで乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノール混合バス中につけて冷却した後、β−ピネン3.6g(26.3mmol)を添加した。
次にイソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さらにp−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から45分後、そして−70℃に冷却したスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加してから45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック共重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は109,000、Mw/Mnは1.21である。
(2)SIB(スチレン−イソブチレンブロック共重合体)
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン−イソブチレンジブロック共重合体を得た(スチレン成分含有量:15質量%、重量平均分子量 :70,000)。
(3)SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)
カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102T(ショアA硬度25、スチレン成分含有量25質量%、重量平均分子量:100,000)」を用いた。
(4)SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
(5)IIRはエクソンモービル(株)社製「エクソンクロロブチル1066」を用いた。
<第1層、第2層のエラストマー組成物の調整>
上記エラストマー成分に、表1、表2に示すように添加剤を配合して、第1層および第2層のエラストマー組成物を調整した。
Figure 0005603211
Figure 0005603211
(注1)カーボンブラック(CB):東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)。
(注2)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」。
(注3)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」。
(注4)老化防止剤:大内新興化学社製「ノクラック6C」。
(注5)加硫促進剤:大内新興化学社製「ノクセラーDM」。
(注6)硫黄:鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」。
(注7)粘着防止剤:C9石油樹脂、アルコンP140(荒川化学工業(株)社製、軟化点140℃、重量平均分子量Mw:900)。
(注8)ポリイソプレン:新日本石油(株)社製、「テトラックス 3T」(粘度平均分子量30,000、重量平均分子量、49,000)。
<インナーライナーの製造方法>
表1、表2の配合に基づき、イソブチレン系変性共重合体、SIBS、SISおよびSIBなどの熱可塑性エラストマーに添加剤を投入し、バンバリーミキサー、ニーダー、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてブレンドして、エラストマー組成物を得た。その後、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイリップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃)にてインナーライナーを作製した。なお、インナーライナーの厚さは、0.3mm(第1層:0.25mm、第2層:0.05mm)である。
<空気入りタイヤの製造>
空気入りタイヤは、図1に示す基本構造を有する195/65R15サイズのものに、表1〜5に示すエラストマー組成物を有する第1層及び第2層のポリマー積層体をインナーライナーに用いて生タイヤを製造し、次に加硫工程において、170℃で20分間プレス成型して製造した。タイヤ加硫後に、金型から取り出すことなく100℃で3分間冷却して加硫タイヤを製造した。
<比較例1〜10>
比較例1、3、比較例7〜10は、第1層にSIBSを用い、第2層にSISを用いたポリマー積層体をインナーライナーに用いた例である。比較例2は、第1層にSIBSを用い、第2層にSIBを用いたポリマー積層体をインナーライナーに用いた例である。
比較例4,5は第1層にSIBSに粘着付与剤を配合し、第2層にSISを用いた例である。比較例6は第1層にSIBSに酸化亜鉛、ステアリン酸などを配合し、第2層にSISを用いた例である。
<実施例1〜29>
実施例1〜6は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体のみを用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用いた例である。実施例7〜9は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体とIIRの混合物を用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用いた例である。
実施例10〜15、25〜29は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用いている。そのうち実施例16〜19、25〜27、29は、第2層にSISを用いており、実施例28はSIBを用いている。
実施例20〜24は、第1層にイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)の混合を用いている。
実施例1〜29は、いずれも比較例1〜10よりも、加硫接着力、屈曲亀裂成長性、転がり抵抗変化率および静的空気低下率が総合的に優れていることが判る。
Figure 0005603211
Figure 0005603211
Figure 0005603211
<性能試験>
前述の如く製造された空気入りタイヤに関し、以下の方法で性能評価を実施した。
<加硫接着力>
第1層と第2層の未加硫シートを張り合わせて170℃×20分で加硫し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張試験機により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、比較例1を基準として各配合の加硫接着力を指数で表示した。なお加硫接着力の指数が大きいほど、加硫接着力が高いことを示す。
加硫接着力の指数=(各配合の加硫接着力)/(比較例1の加硫接着力)×100
<屈曲亀裂成長試験>
耐久走行試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準として、各配合の亀裂成長性を指数で表示した。指数の値が大きいほど、屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
屈曲亀裂成長指数=(比較例1の亀裂の数)/(各配合の亀裂の数)×100
<転がり抵抗指数>
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用いて、試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/hの条件で、室温(30℃)にて走行させて転がり抵抗を測定した。そして、下記の計算式に基づき比較例1を基準100として、実施例の転がり抵抗変化率(%)を指数で表示した。転がり抵抗変化率が大きいほど、転がり抵抗が低減されていることを示す。
転がり抵抗指数=(比較例1の転がり抵抗)/(実施例の転がり抵抗)×100
<静的空気圧低下率試験>
試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を計算する。数値が小さいほど、空気圧が減りにくく好ましい。
<総合判定>
判定Aは、次の条件をすべて満たしたものをいう。
(a)加硫接着力が100以上。
(b)屈曲亀裂成長性が100以上。
(c)転がり抵抗変化率が100以上。
(d)静的空気圧低下率(%/月間)が2.6以下。
判定Bは、次の条件のいずれか1つを満たす場合をいう。複数の判定に該当する場合は、評価の低い方を採用した。
(a1)加硫接着力が100より低い。
(b1)屈曲亀裂成長性が100より低い。
(c1)転がり抵抗変化率が100より低い。
(d1)静的空気圧低下率(%/月間)が2.7以上。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤのほか、トラック・バス用、重機用等の空気入りタイヤとして用いることができる。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカスプライ、7 ベルト層、8 ビードエーペックス、9 インナーライナー、PL ポリマー積層体、PL1 第1層、PL2 SIS主体層、PL3 SIB主体層。

Claims (2)

  1. 一対のビード部の間に装架されたカーカスプライのタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、
    前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されており、
    前記第1層のエラストマー組成物は、エラストマー成分がイソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるイソブチレン系ブロック共重合体であって、少なくとも一つのブロックがβ−ピネンを含むランダム共重合体であるイソブチレン系変性共重合体を10質量%以上100質量%以下、および、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を0質量%以上50質量%以下含み、
    前記第2層のエラストマー組成物は、エラストマー成分が前記イソブチレン系変性共重合体を5質量%以上80質量%以下、および、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体の少なくともいずれかを含み、
    前記イソブチレン系変性共重合体のβ−ピネン含有量が、0.5〜25重量%である、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記イソブチレン系変性共重合体は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体又はスチレン−イソブチレンブロック共重合体のスチレンブロックにβ−ピネンが含まれている請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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