JP5758618B2 - 空気入りタイヤおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は空気入りタイヤおよびその製造方法に関し、より特定的にはポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られている。タイヤ部材のなかでも、タイヤ半径方向の内側に配置され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れの量(空気透過量)を低減して耐空気透過性を向上させるはたらきをもつインナーライナーにおいても、軽量化などが行なわれるようになってきた。
現在、インナーライナー用ゴム組成物として、ブチルゴム70〜100質量%および天然ゴム30〜0質量%を含むブチル系ゴムを使用することで、タイヤの耐空気透過性を向上させることが行なわれている。また、ブチルゴムを主体とするゴム配合は、ブチレン以外に約1質量%のイソプレンを含み、これが硫黄・加硫促進剤・亜鉛華と相まって、ゴム分子間の架橋を可能にしている。上記ブチル系ゴムは、通常の配合では乗用車用タイヤでは0.6〜1.0mm、トラック・バス用タイヤでは1.0〜2.0mm程度の厚みが必要となるが、タイヤの軽量化を図るために、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れ、インナーライナー層の厚みをより薄くできるポリマーが提案されている。
特許文献1(特開2007−291256号公報)には、空気圧低下の抑制、耐久性の向上および燃費の向上を同時に実現することが可能な空気入りタイヤとして、天然ゴムおよび/または合成ゴムからなるゴム成分の100質量部に対して、下記の一般式(I)
Figure 0005758618
(式中、mおよびnはそれぞれ独立して1〜100であり、xは1〜1000である。)で表されるエチレン−ビニルアルコール共重合体が15〜30質量部の範囲内で少なくとも含有されたインナーライナー用ゴム組成物をインナーライナー層に用いてなる空気入りタイヤが提案されている。しかし、特許文献1の技術においては、該ゴム組成物を用いたゴムシートの厚みは1mmであり、タイヤの軽量化という点で改善の余地がある。
特許文献2(特開平09−165469号公報)には、空気透過率の低いナイロンを用いてインナーライナー層を形成することで、インナーライナーとタイヤ内部またはカーカス層を形成するゴム組成物との接着性を向上させることのできる空気入りタイヤが提案されている。しかし、特許文献2の技術においては、ナイロンフィルム層を形成するために、ナイロンフィルムをRFL処理した後、ゴム組成物から成るゴム糊を接着する必要があり、工程が複雑化するという問題がある。
さらに、加硫工程では、一般に金型内に収容した未加硫タイヤ(生タイヤ)内にブラダー本体を挿入し、ブラダー本体を膨張させて未加硫タイヤの内側から金型内面に押し付けて加硫成形を行うタイヤ加硫方法が採用されているが、特許文献1のインナーライナー層では、ナイロンフィルム層からなるインナーライナー層とブラダーとが加熱状態で接触することになり、インナーライナー層がブラダーに粘着、接着してしまう。すると加硫後タイヤを金型から取り出す時に、ブラダーに接着したインナーライナー層がブラダー側にとられ、インナーライナー層とインスレーションまたはカーカスの間にエアーイン現象が生じるという問題がある。
特開2007−291256号公報 特開平09−165469号公報
本発明は、厚みが薄く、耐空気透過性に優れたポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤの製造方法であって、インナーライナーとブラダーとの粘着を防止して、インナーライナーとカーカスとの間にエアーイン現象を生じにくい空気入りタイヤの製造方法、および該製造方法を用いて製造された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体100質量部に対し、有機化処理粘度鉱物0.1〜50質量部を含むポリマー組成物からなる、厚さ0.05mm〜0.6mmの第1層、ならびに、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体からなる第2a層およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体からなる第2b層の少なくともいずれかからなる第2層を含み、第2層の厚さが0.01mm〜0.3mmであるポリマー積層体をインナーライナーに用いた生タイヤを準備する工程と、該生タイヤを金型に装着し、ブラダーにより加圧しつつ加硫して加硫タイヤを得る工程と、該加硫タイヤを金型から取り出さずに50〜120℃で10〜300秒間冷却する工程とを含むことを特徴とする。
上記加硫タイヤを冷却する工程は、ブラダー内を冷却して行うことが好ましい。加硫タイヤを冷却する工程は、冷却媒体として、空気、水蒸気、水およびオイルよりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。第1層は、生タイヤの半径方向の最も内側に配置されることが好ましい。第2層は、生タイヤのカーカス層に接して配置されることが好ましい。
スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は、重量平均分子量が5万〜40万であり、かつスチレン単位含有量が10〜30質量%であることが好ましい。スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体は、重量平均分子量が10万〜29万であり、かつスチレン単位含有量が10〜30質量%であることが好ましい。スチレン−イソブチレンジブロック共重合体は、直鎖状であり、重量平均分子量が4万〜12万であり、かつスチレン単位含有量が10〜35質量%であることが好ましい。
本発明は、ポリマー組成物からなるインナーライナーを有する空気入りタイヤである。
本発明によれば、厚みが薄く、耐空気透過性に優れたポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤの製造方法であって、インナーライナーとブラダーとの粘着を防止して、インナーライナーとカーカスとの間にエアーイン現象を生じにくい空気入りタイヤの製造方法、および該製造方法を用いて製造された空気入りタイヤを提供することができる。このようにして製造された空気入りタイヤは、屈曲亀裂成長性、転がり抵抗、静的空気圧低下率に優れるものである。
本発明の製造方法によって製造される空気入りタイヤの右半分を示す模式的断面図である。 本発明の製造方法によって製造されるポリマー積層体を示す模式的断面図である。 本発明の製造方法によって製造されるポリマー積層体を示す模式的断面図である。 本発明の製造方法によって製造されるポリマー積層体を示す模式的断面図である。 本発明の製造方法によって製造されるポリマー積層体を示す模式的断面図である。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤの製造方法を用いて製造される空気入りタイヤの構造について、図1を用いて説明する。
本発明の製造方法によって製造される空気入りタイヤ1は、図1に示されるように、トレッド部2とサイドウォール部3とビード部4とを有している。さらに、ビード部4にはビードコア5が埋設される。また、一方のビード部4から他方のビード部にわたって設けられ、両端を折り返してビードコア5を係止するカーカス6と、該カーカス6のクラウン部外側に2枚のプライよりなるベルト層7とが配置されている。カーカス6のタイヤ半径方向内側には一方のビード部4から他方のビード部4に亘るインナーライナー9が配置されている。
ベルト層7は、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなる2枚のプライを、タイヤ周方向に対してコードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。また、カーカスはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア5の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8が配置される。なお、インナーライナー9とカーカス6との間に、インスレーションが配置されていてもよい。このような空気入りタイヤ1は、乗用車用、トラック・バス用、重機用等として用いることができる。
<空気入りタイヤの製造方法>
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、以下の工程を含む。SIBSからなる第1層、ならびにSISからなる第2a層およびSIBからなる第2b層の少なくともいずれかからなる第2層を含むポリマー積層体をインナーライナーに用いた生タイヤを準備する。上記生タイヤを金型に装着し、ブラダーにより加圧しつつ加硫して加硫タイヤを得る。上記加硫タイヤを50〜120℃で10〜300秒間冷却する。以下において、これらの各工程を説明する。
<生タイヤを準備する工程>
本発明において、インナーライナー9はポリマー積層体からなり、該ポリマー積層体は、生タイヤのインナーライナーに配置される。かかるポリマー積層体は、0.05mm〜0.6mmの厚さの第1層と、0.01mm〜0.3mmの厚さの第2層とを積層したものである。ポリマー積層体を生タイヤに配置する際は、ポリマー積層体の第2層を、カーカス6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、第2層とカーカス6とを加硫接着することができる。したがって得られた空気入りタイヤ1は、インナーライナー9とカーカス6のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
また、インナーライナー9とカーカス6との間に、インスレーションが配置されている場合も、ポリマー積層体の第2層が、インスレーションに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置することにより、インナーライナー9とインスレーションとの接着強度を高めることができる。
<加硫タイヤを得る工程>
次に、得られた生タイヤを金型に装着し、かつブラダーにより加圧しつつ加硫する。金型は、金属からなる。ブラダーは、ゴムからなる。ブラダーは、金型に収容されている。
加硫タイヤを得る工程では、生タイヤが開かれた金型に投入される。投入のとき、ブラダーは収縮している。投入により、ブラダーは生タイヤの内側に位置する。ブラダーは、ガスの充填により膨張する。この膨張により、生タイヤは変形する。この変形は、シェーピングと称されている。次に、金型が締められ、ブラダーの内圧が高められる。生タイヤは、金型のキャビティ面とブラダーの外側表面とに挟まれて加圧される。生タイヤは、金型およびブラダーからの熱伝導により、加熱される。加圧と加熱とにより、生タイヤのゴム組成物が流動する。流動によってモールド内のエアーが移動し、モールドから排出される。加熱によりゴムが加硫反応を起こし、加硫タイヤが得られる。加硫はたとえば150〜180℃で3〜50分間行うことが好ましい。
<加硫タイヤを冷却する工程>
次に、得られた加硫タイヤを50〜120℃で10〜300秒間冷却する。本発明の製造方法によって製造される空気入りタイヤは、ポリマー積層体をインナーライナーに用いる。該ポリマー積層体を構成するSIBS、SISおよびSIBは熱可塑性エラストマーであるため、加硫タイヤを得る工程において、たとえば150〜180℃に加熱されると、金型内で分子運動性が向上し、固体と液体との中間体である軟化状態となる。軟化状態の熱可塑性エラストマーは、固体状態よりも反応性が向上するため、隣接部材と融着する。すなわち、膨張したブラダーの外側表面と接するインナーライナーは、加熱により軟化してブラダーに融着してしまう。インナーライナーとブラダーの外側表面が融着した状態で加硫タイヤを金型から取り出そうとすると、インナーライナーが、隣接するインスレーションやカーカスから剥離してしまい、エアーイン現象が生じてしまう。また、タイヤの形状自体が変形してしまう場合もある。
本発明においては、得られた加硫タイヤを、金型から取り出さずにブラダー内圧が高い状態のまま、直ちに50℃以上120℃以下で10秒以上300秒以下急冷する。これにより、インナーライナーに用いられる熱可塑性エラストマーを固化させることができる。熱可塑性エラストマーが固化すると、インナーライナーとブラダーとの融着が解消し、加硫タイヤを金型から取り出す際の離型性が向上する。このため、インナーライナーがブラダーに加熱粘着することを防ぎ、エアーインを生じにくくすることができる。
冷却温度は50〜120℃である。冷却温度が50℃より低いと、特別な冷却媒体を準備する必要があり、生産性を悪化させるおそれがある。冷却温度が120℃を超えると、熱可塑性エラストマーが十分に冷却されず、金型開放時にインナーライナーがブラダーに融着したままとなり、エアーイン現象が発生するおそれがある。冷却温度は、熱可塑性エラストマーの軟化点以下で固化させるという観点から、70〜100℃であることが好ましい。
冷却時間は10〜300秒間である。冷却時間が10秒より短いと熱可塑性エラストマーが十分に冷却されず、金型開放時にインナーライナーがブラダーに融着したままとなり、エアーイン現象が発生する恐れがある。冷却時間が300秒を超えると生産性が悪くなる。冷却時間は、熱可塑性エラストマーの固化と生産性の両立の観点から、30〜180秒であることが好ましい。
加硫タイヤを冷却する工程は、ブラダー内を冷却して行うことが好ましい。ブラダー内は空洞であるため、加硫工程終了後にブラダー内に冷却温度に調整された冷却媒体を導入することができる。
なお、加硫タイヤを冷却する工程は、ブラダー内を冷却することと併せて、金型に冷却構造を設置して実施することも可能である。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルよりなる群から選択される1種以上を用いることが好ましい。なかでも、冷却効率に優れている水を用いることが好ましい。以下においては、上記のインナーライナーを構成するポリマー積層体を説明する。
<ポリマー積層体>
本発明の一実施の形態において、ポリマー積層体は、0.05mm〜0.6mmの厚さの第1層と、0.01mm〜0.3mmの厚さの第2層とを積層したものである。このようなポリマー積層体は、インナーライナーに用いられるものであるため、その厚みは0.06mm以上0.9mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1mm以上0.5mm以下である。以下において、ポリマー積層体を構成する第1層および第2層を説明する。
<第1層>
本発明の一実施の形態において、第1層は、スチレン‐イソブチレン‐スチレントリブロック共重合体(以下、SIBSともいう)と、有機化合物をインターカレートした有機化処理粘土鉱物とを含むポリマー組成物からなるものである。
上記第1層の厚みは、0.05〜0.6mmである。第1層の厚みが0.05mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じるおそれがある。一方、第1層の厚みが0.6mmを超えると、タイヤ重量が増加して低燃費性能が低下する。第1層の厚みは、さらに0.05〜0.4mmであることが好ましい。
第1層は、SIBSと、有機化処理粘土鉱物とを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
このような第1層は、SIBSのイソブチレンブロック由来により、SIBSからなるポリマーフィルムは優れた耐空気透過性と耐久性を有する。したがって、SIBSからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。また、SIBSは、芳香族以外の分子構造が完全飽和であることにより、劣化硬化が抑制され、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSを含むポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
さらに本発明においては、該ポリマー組成物をインナーライナーに適用して空気入りタイヤに使用する場合、SIBSを含有させることにより耐空気透過性を確保するため、たとえばハロゲン化ブチルゴム等の、従来耐空気透過性を付与するために使用されてきた高比重のハロゲン化ゴムを使用しないか、使用する場合にも使用量の低減が可能である。これによってタイヤの軽量化が可能であり、燃費の向上効果が得られる。
(スチレン‐イソブチレン‐スチレントリブロック共重合体:SIBS)
本発明の一実施の形態におけるポリマー組成物は、SIBS100質量部に対し、有機化処理粘度鉱物0.1〜50質量部を含むポリマー組成物からなる。
SIBSの分子量は特に制限はないが、流動性、成形化工程、ゴム弾性などの観点から、GPC測定による重量平均分子量が5万〜40万であることが好ましい。重量平均分子量が5万未満であると引張強度、引張伸びが低下するおそれがあり、40万を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIBSは一般的にスチレンを10〜40質量%含む。耐空気透過性と耐久性がより良好になる点で、該スチレンの含有量は10〜30質量%であることが好ましい。
SIBSは、イソブチレンとスチレンのモル比(イソブチレン/スチレン)が、該共重合体のゴム弾性の点から40/60〜95/5であることが好ましい。SIBSにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱い(重合度が10,000未満では液状になる)の点からイソブチレンでは10,000〜150,000程度、またスチレンでは10,000〜30,000程度であることが好ましい。
SIBSは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができ、例えば、リビングカチオン重合法により得ることができる。
例えば、特開昭62−48704号公報および特開昭64−62308号公報には、イソブチレンと他のビニル化合物とのリビングカチオン重合が可能であり、ビニル化合物にイソブチレンと他の化合物を用いることでポリイソブチレン系のブロック共重合体を製造できることが開示されている。このほかにも、リビングカチオン重合法によるビニル化合物重合体の製造法が、例えば、米国特許第4,946,899号明細書、米国特許第5,219,948号明細書、特開平3−174403号公報などに記載されている。
SIBSは分子内に芳香族以外の二重結合を有していないために、ポリブタジエンなどの分子内に二重結合を有している重合体に比べて紫外線に対する安定性が高く、したがって耐候性が良好である。さらに分子内に二重結合を有しておらず、飽和系のゴム状ポリマーであるにも関わらず、波長589nmの光の20℃での屈折率(nD)は、ポリマーハンドブック(1989年:ワイリー(Polymer Handbook, Willy,1989))によると、1.506である。これは他の飽和系のゴム状ポリマー、例えば、エチレン−ブテン共重合体に比べて有意に高い。
(他のポリマーまたは樹脂)
本発明の一実施の形態で用いるポリマー組成物は、SIBSに加えて、他のポリマーまたは樹脂を含んでも良い。例えば、SIBSに加えて、ナイロン、PET、クロロブチルゴム、天然ゴム、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を配合することができる。
本発明の一実施の形態で用いるポリマー組成物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜40質量%の範囲内で含むことが好ましい。ポリマー組成物中のエチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が15質量%以上であることにより、ポリマー組成物のガスバリアー性が確保される。また該含有量が40質量%以下であることにより、ポリマー組成物の作製時の混練性が確保されるとともに、タイヤのインナーライナー層において機械強度等の基本性能が確保される。該含有量は、さらに20質量%以上、さらに25質量%以上とされることが好ましい。また、タイヤの耐久性の観点から、該含有量はさらに30質量%以下とされることが好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、下記の一般式(I)
Figure 0005758618
(式中、mおよびnはそれぞれ独立して1〜100であり、xは1〜1000である。)で表わされるエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン由来部位により、ポリマー組成物中の他の成分との相溶性が良好に付与され、エチレン−ビニルアルコール共重合体はポリマー組成物中に微細な分散サイズで存在することができる。一方、該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ビニルアルコール由来部位の寄与により良好なガスバリアー性を有する。すなわち、本発明においては、ポリマー組成物中に、ガスバリアー性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体が微細なサイズで島状に分散していることにより、タイヤのインナーライナー層が薄くされた場合でも良好なガスバリアー性が発現される。これによりタイヤの軽量化が可能であり、燃費の向上効果が得られる。
一般式(I)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成するためにmおよびnは1以上とされる。一方、mおよびnがそれぞれ100以下であることにより、ポリマー組成物中の他の成分との相溶性とガスバリアー性とが両立されたエチレン−ビニルアルコール共重合体が得られる。ポリマー組成物中の他の成分との相溶性がより良好になる点で、mは、さらに5以上とされることが好ましい。また、ガスバリアー性がより良好になる点で、nは、さらに5以上とされることが好ましい。一方、ビニルアルコール由来部位によるガスバリアー性の発現を損ない難い点で、mは、さらに95以下、さらに80以下とされることが好ましい。また、エチレン由来部位によるポリマー組成物との良好な相溶性の発現を損ない難い点で、nは、さらに95以下、さらに80以下とされることが好ましい。
一般式(I)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成するためにxは1以上とされる。一方、xが1000以下であることにより、ポリマー組成物の作製時の混練性が確保され、エチレン−ビニルアルコール共重合体が均一に分散されたポリマー組成物が得られる。ポリマー組成物中の他の成分との相溶性およびガスバリアー性が良好に発現される点で、xは、さらに10以上とされることが好ましく、混練性が良好である点で、xは、さらに500以下、さらに100以下とされることが好ましい。
一般式(I)で表されるエチレン−ビニルアルコール共重合体は、他の成分との共重合体とされた状態でポリマー組成物中に含有されても良く、この場合のエチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量とは、一般式(I)で表される構造部分の含有量を意味する。
エチレン−ビニルアルコール共重合体の分子構造は、たとえば赤外吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴スペクトル(NMR)等により確認することができる。
(有機化処理粘土鉱物)
本発明の一実施の形態に係るポリマー組成物は、SIBSに加えて、有機化処理粘土鉱物を含むことを特徴とする。
有機化処理粘土鉱物とは、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物である。有機化合物が層状粘土鉱物の層間にインターカレートすることにより、層間が広がり、ポリマーへの分散性が向上するとともに、ポリマーへの耐熱性、難燃性、ガスバリア性、引っ張り強度、寸法安定性等の諸特性の向上が見込まれる。
層状粘土鉱物は、層状珪酸塩鉱物の一種で、結晶構造は珪酸四面体層−アルミナ八面体層−珪酸四面体層の3層が積み重なっており、その単位層は厚さ約10Å(1nm)、広がり0.1〜1μmという極めて薄い板状になっている。
層状粘土鉱物の代表としてモンモリロナイトが挙げられる。モンモリロナイトは結晶構造中のアルミナ八面体層の中心原子であるAlの一部がMgに置換されることで陽電荷不足となり、各結晶層自体は負に帯電しているが、結晶層間にNa+・K+・Ca2+・Mg2+などの陽イオンを挟むことで電荷不足を中和し、安定状態となる。そのため、モンモリロナイトは結晶層が何層も重なり合った状態で存在している。
モンモリロナイトの板状結晶層表面に水が接触すると、層間の交換性陽イオンに水分子が水和し、層間が膨張する。また、モンモリロナイトの陽イオン交換性を利用して層間に有機化合物をインターカレートすることで、層間が広がり、有機溶媒やポリマーへの分散性が向上する。これを有機化処理粘土鉱物という。
層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト(特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイトおよびカルシウムモンモリロナイト)、ベントナイト、カオリナイト、ノンライト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スティブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライトなどのスメクタイト系粘土などといったフィロシリケート類、イライトおよびイライト/スメクタイトの混合物(レクトライト、タロソバイト、レディカイトおよび粘土化合物とイライトとの混合物)などの雲母鉱物類またはアタパルジャイトおよびセピオライトハイドロタルサイト系層状化合物などが挙げられる。なかでもスメクタイト系粘土が好ましく、特にモンモリロナイト系粘土が好ましい。モンモリロナイトの単位層は、アスペクト比が高い板状構造であるため、少量の添加量でマトリックス樹脂と強く結合した状態で高密度に分散させることができる。また、スメクタイト系粘土鉱物を含むベントナイトを用いても良い。これら層状粘土鉱物は一般には天然鉱物を採取して所定の精製操作を経て得られる。これらの合成粘土は区別なく使用できる。
インターカラントとして使用できる有機化合物としては、イオン化しやすい極性基を分子内に有する有機化合物が挙げられる。極性基を有する有機化合物は、スメクタイト系粘土鉱物の酸素イオンなど負イオンで覆われた層の表面との間で強い相互作用を起こし、層状粘土鉱物の層間へ入り込み(インターカレート)、層間を押し広げて膨張させるものと考えられている。
有機化合物としては、炭素原子を6個以上有するアルキル基を有し、末端にイオン化する極性基を有するものが好ましい。たとえば、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するものや、アルデヒド類、アミン類、アミド類または4級アンモニウム塩が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する有機化合物としては、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどの脂肪族アルコール、アルキル基が置換した芳香族アルコールなどのアルコール類のほか、フェノール類などが挙げられる。
カルボキシル基を有する有機化合物としては、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸などの直鎖状脂肪族、オレイン酸などの直鎖状アルケン酸、リノールエライジン酸などのジエン酸、トリエン酸などのポリ不飽和脂肪族酸などが挙げられる。
アルデヒド類としてはヘキシルアルデヒドなどが挙げられる。
アミン類またはアミド類としては、1以上のアミンまたはアミドを有する極性有機化合物、たとえばアルキルアミン、アミノシクロアルカンおよびアミノシクロアルカン置換体、環状脂肪族ジアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミン、脂肪族アミドなどが挙げられ、一級、二級、および/または三級アミンまたはアミドが含まれる。中でも、アルキルアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミンが好ましい。上記有機化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。
好ましいアミン類としては、1−ヘキシルアミン、1−ヘプチルアミン、1−オクチルアミン、1−ノミルアミン、1−ドデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、1−オクタデシルアミン、オレイルアミンなどの一級アミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n−ヘキサデシルアミン、ジ−n−オクタデシルアミンなどの二級アミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−n−デシルアミン、ジメチル−n−テトラデシルアミン、ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、ジメチル−n−オクタデシルアミン、ジメチルオレイルアミンなどの三級アミン、ジ−n−デシルメチルアミンジココアルキルメチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ヘキサデシルアミンなどの脂肪族アミンが挙げられる。
好ましいアミド類としては、ヘキシルアミド、ヘプチルアミド、オクチルアミド、ノニルアミド、ラウラミド、ミリスタミド、パルミタミド、ステラミド、パルミアミド、オレアミド、リノレアミドなどが挙げられる。
また、極性基を有する有機化合物としてニトリル基またはラクタム基を有するもの、ピリジン類、エステル類、界面活性剤類、エーテル類などを使用することもできる。
4級アンモニウム塩としては、たとえばジメチルジステアリルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルベンジルオクタデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどが挙げられる。
層状粘土鉱物に有機化合物をインターカレートする方法としては、公知の方法を採用することができる。たとえばモンモリロナイト系粘土鉱物と有機化合物とを接触させるために、予め層状粘土鉱物にその質量の10質量%から20倍程度の水を含ませて、その後有機化合物とモンモリロナイト系粘土鉱物とを接触させ、有機化処理粘土鉱物を得る方法がある。
有機化処理粘土鉱物中の有機化合物の陽イオン交換量は、50〜200meg/100gが好ましい。
有機化処理粘土鉱物の配合量は、SIBS100質量部に対して0.1〜50質量部であり、さらに0.5〜30質量部が好ましい。有機化処理粘土鉱物の配合量が0.1質量部未満であると、ポリマー組成物の空気透過性、高温時の引張特性が低下する。また、有機化処理粘土鉱物の配合量が50質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が大きくなりすぎて屈曲疲労性が低下する。
(その他の配合剤)
本発明の一実施の形態におけるポリマー組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
<ポリマー組成物の作製>
本発明において、第1層は、所定の配合処方にしたがったポリマー組成物を、2軸押出機にてペレット化した後、Tダイ押出機またはインフレーション共押出機を用いて作製することができる。
<第2層>
本発明の一実施の形態において、第2層は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(以下、SISともいう)からなる第2a層(以下、SIS層ともいう)およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体(以下、SIBともいう)からなる第2b層(以下、SIB層ともいう)の少なくともいずれかを含むものである。
上記第2層の厚みは、0.01mm〜0.3mmである。ここで第2層の厚みとは、第2層が第2a層(SIS層)のみからなる場合は第2a層の厚みを意味し、第2層が第2b層(SIB層)のみからなる場合は第2b層の厚みを意味し、第2層が第2a層(SIS層)および第2b層(SIB層)の2層からなる場合は、第2a層および第2b層SIB層の合計の厚みを意味し、第2層が第2a層(SIS層)、第2b層(SIB層)および第2c層からなる場合は、これらの合計の厚みを意味する。第2層の厚みが0.01mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第2層がプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する恐れがある。一方、第2層の厚みが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第2層の厚みは、さらに0.05〜0.2mmであることが好ましい。以下においては、第2層を構成する第2a層および第2b層を説明する。
<第2a層(SIS層)>
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SISの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が10万〜29万であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満であると引張強度が低下するおそれがあり、29万を超えると押出加工性が悪くなるため好ましくない。
SIS中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜30質量%であることが好ましい。
該SISは、イソプレン単位とスチレン単位のモル比(イソプレン単位/スチレン単位)が、90/10〜70/30であることが好ましい。SISにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソプレンブロックでは500〜5,000程度、またスチレンブロックでは50〜1,500程度であることが好ましい。
SISは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。
SIS層は、SISを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
<第2b層(SIB層)>
スチレン−イソブチレンジブロック共重合体のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBとしては、直鎖状のものを用いることがゴム弾性および接着性の観点から好ましい。
SIBの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が4万〜12万であることが好ましい。重量平均分子量が4万未満であると引張強度が低下するおそれがあり、12万を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIB中のスチレン単位の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜35質量%であることが好ましい。
該SIBは、イソブチレン単位とスチレン単位のモル比(イソブチレン単位/スチレン単位)が、90/10〜65/35であることが好ましい。SIBにおいて、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソブチレンブロックでは300〜3,000程度、またスチレンブロックでは10〜1,500程度であることが好ましい。
SIBは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。たとえば、リビングカチオン重合法により得ることができる。
国際公開第2005/033035号には、攪拌機にメチルシクロヘキサン、n−ブチルクロライド、クミルクロライドを加え、−70℃に冷却した後、2時間反応させ、その後大量メタノールを添加して反応を停止させ、60℃で真空乾燥してSIBを得るという製造方法が開示されている。
SIB層は、SIBを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
なお、第2層は第2a層および第2b層以外のその他の層(以下、第2c層ともいう)を含むこともできる。第2c層としては、たとえばウレタンゴムやシリコーンゴムからなるポリマーフィルムを用いることが好適である。
<ポリマー積層体の製造方法>
上記のポリマー積層体は、図2〜図5に記載された順序でラミネート押出や共押出などの積層押出をして得ることができる。
本発明において、図2に示すように、ポリマー積層体10aは、第1層11aおよび第2a層12aから構成される場合もある。
図1を参照して、該ポリマー積層体10aを空気入りタイヤ1のインナーライナー9に適用する場合、第1層11aの存在する面をタイヤ半径方向の最も内側に向け、第2a層12aの存在する面をカーカス6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2a層12aとカーカス6とが加硫接着することができる。したがって得られた空気入りタイヤ1は、インナーライナー9とカーカス6のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明において、図3に示すように、ポリマー積層体10bは、第1層11bおよび第2b層13bから構成される場合もある。
図1を参照して、該ポリマー積層体10bを空気入りタイヤ1のインナーライナー9に適用する場合、第1層11bの存在する面をタイヤ半径方向の最も内側に向け、第2b層13bの存在する面をカーカス6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2b層13bとカーカス6とが加硫接着することができる。したがって得られた空気入りタイヤ1は、インナーライナー9とカーカス6のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明において、図4に示すように、ポリマー積層体10cは、第1層11c、第2a層12cおよび第2b層13cが上記の順に積層されて構成される場合もある。
図1を参照して、該ポリマー積層体10cを空気入りタイヤ1のインナーライナー9に適用する場合、第1層11cの存在する面をタイヤ半径方向の最も内側に向け、第2b層13cの存在する面をカーカス6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2b層13cとカーカス6とが加硫接着することができる。したがって得られた空気入りタイヤ1は、インナーライナー9とカーカス6のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明において、図5に示すように、ポリマー積層体10dは、第1層11d、第2b層13dおよび第2a層12dが上記の順に積層されて構成される場合もある。
図1を参照して、該ポリマー積層体10dを空気入りタイヤ1のインナーライナー9に適用する場合、第1層11dの存在する面をタイヤ半径方向の最も内側に向け、第2a層12dの存在する面をカーカス6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2a層12dとカーカス6とが加硫接着することができる。したがって得られた空気入りタイヤ1は、インナーライナー9とカーカス6のゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明において、ポリマー積層体は第1層、第2a層、第2b層以外の第2c層を含むことができる。この場合、第2c層は、第1層と第2a層との間、第1層と第2b層との間、または第2a層と第2b層との間に配置されることが好ましい。
以下において、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<実施例5、参考例1〜4、6、比較例1〜6>
(SIBの製造)
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン−イソブチレンジブロック共重合体(SIB)を得た。
(ポリマー積層体の作製)
SIBS(カネカ(株)社製のシブスターSIBSTAR 102T(重量平均分子量10万、スチレン単位含有量25質量%、ショアA硬度25))と、有機化処理粘土鉱物、無機粘土鉱物、またはフィラーのいずれかとを、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。
ここで、有機化処理粘土鉱物としては、Pheox製の「BENTONE34」(層状粘土鉱物:ヘクトライト粘度鉱物、有機化合物:ジメチルジステアリルアンモニウム塩、有機化合物の陽イオン交換量:100meg/100g)を用い、フィラーとしては、東海カーボン(株)社製の「シーストV」(N660、窒素吸着比表面積:27m2/g)を用いた。また、無機粘土鉱物としては、クニミネ工業(株)の「クニピアF」を用いた。
SIS(クレイトンポリマー社製のD1161JP(重量平均分子量15万、スチレン単位含有量15質量%))を、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。
SIBとして、上記のSIBの製造方法を用いて製造したSIB(重量平均分子量7万、スチレン単位含有量15質量%))を、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。
得られたSIBS、SIS、SIBのペレットを共押出しして、表2に示す厚みの各実施例、各参考例および各比較例のポリマー積層体を作製した。なお、各実施例、各参考例および各比較例のポリマー積層体は、第1層(SIBS層)の上に、第2a層(SIS層)および/または第2b層(SIB層)をこの順で積層した。
(生タイヤを準備する工程)
上記で作製したポリマー積層体をタイヤのインナーライナー部分に適用して生タイヤを準備した。なお、各実施例、各参考例、各比較例では、ポリマー積層体の第1層が生タイヤの半径方向の最も内側に配置され、第2層が生タイヤのカーカス層に接するように、ポリマー積層体の第2層を、カーカスに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置した。たとえば参考例1においては、0.59mmの厚みの第1層と、0.01mmの厚みの第2層とを積層した。
(加硫タイヤを得る工程)
次に、得られた生タイヤを金型に装着し、かつブラダーにより加圧しつつ加熱することにより、ゴムに加硫反応を起こさせた。そして、該生タイヤを金型内で170℃で20分間プレス成形し、195/65R15サイズの加硫タイヤを作製した。
(加硫タイヤを冷却する工程)
上記で得られた加硫タイヤを、金型から取り出さずにブラダー内圧が高い状態のまま、ブラダー内に表2に示す冷却温度に水温を調節した水を導入することにより、加硫タイヤを冷却した。表2に示す冷却時間の経過後、加硫タイヤを金型から取り出し空気入りタイヤを得た。たとえば、参考例1においては、50℃の冷却温度で10秒間冷却することにより、空気入りタイヤを得た。得られた空気入りタイヤについて以下の評価を行った。
(タイヤ生産性)
タイヤ生産性とは、時間当たりのタイヤ生産本数に基づく生産効率を意味し、以下の基準で評価した。
A:通常の生産性と同等レベル。
B:通常の生産性より劣るが、生産効率の低下が5%以内。
C:通常の生産性より劣り、生産効率の低下が5%を超える。
(エアーイン有無)
加硫および冷却工程後のタイヤの内側を検査し、以下の基準で評価した。
A:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が0個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個。
B:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が1〜3個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個。
C:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が4個以上、または直径5mmを超えるエアーインの数が1個以上。
(屈曲亀裂成長性)
タイヤの耐久走行試験にて、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかを評価した。製造した195/65R15サイズの空気入りタイヤを、JIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧を通常よりも低内圧である150KPa、荷重600kg、速度100km/時間とし、走行距離20,000kmの時のタイヤ内側を観察し、亀裂剥離の数を測定した。得られた数値を比較例1を基準(100)として、各実施例、各参考例、各比較例の屈曲亀裂成長性について、下記式により指数表示した。数値が大きいほど、耐屈曲亀裂成長性が優れていることを示す。
(屈曲亀裂成長性指数)=(比較例1の亀裂剥離の数)/(各実施例、各参考例、各比較例の亀裂剥離の数)×100。
(転がり抵抗)
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用い、製造した195/65R15サイズの空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/時間の条件下で、室温(38℃)にて走行させて、転がり抵抗を測定した。得られた数値を比較例1を基準(100)とし、各実施例、各参考例、各比較例の転がり抵抗について、下記式により指数表示した。なお、数値が大きいほど、転がり抵抗が低減され、好ましいことを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)/(各実施例、各参考例、各比較例の転がり抵抗)×100。
(静的空気圧低下率)
製造した195/65R15サイズのタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を計算した。
(総合判定)
総合判定の判定基準は表1の通り。
Figure 0005758618
(評価結果)
試験結果を表2に示す。
Figure 0005758618
参考例1〜4、6は、第1層および第2a層(SIS層)からなるポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤであり、第1層の厚みは0.3〜0.59mm、第2層の厚みは0.01〜0.3mmである。これらの各実施例のタイヤの製造方法は、
加硫タイヤを50〜120℃で10〜300秒間冷却する工程を含む。各参考例の空気入りタイヤの製造方法は、従来の製造方法と同等の生産性を有し、かつ得られた空気入りタイヤは、エアーインの有無、耐屈曲亀裂成長性、転がり抵抗および耐静的空気圧低下率において、比較例1より優れていた。
実施例5は、第1層および第2b層(SIB層)からなるポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤであり、第1層の厚みは0.59mm、第2層の厚みは0.01mmである。これらの各実施例のタイヤの製造方法は、加硫タイヤを120℃で300秒間冷却する工程を含む。各実施例の空気入りタイヤの製造方法は、従来の製造方法と同等の生産性を有し、かつ得られた空気入りタイヤは、エアーインの有無、耐屈曲亀裂成長性、転がり抵抗および耐静的空気圧低下率において、比較例1より優れていた。
比較例1〜6は、第1層および第2a層(SIS層)からなるポリマー積層体をインナーライナーに用いた空気入りタイヤであり、第1層の厚みは0.59mm、第2層の厚みは0.01mmである。比較例1〜2、4〜5の製造方法は、加硫タイヤの冷却工程を含まないため、ポリマーフィルムとブラダーが融着したまま空気入りタイヤが離型され、エアーイン現象が生じたため、耐屈曲亀裂成長性が非常に悪化した。しかも、比較例1〜2、4〜5で製造された空気入りタイヤは、生産性も従来の製造方法に比して劣るものであり、転がり抵抗も悪かった。
比較例3で製造された空気入りタイヤは、フィラーを含むものであるが、有機化処理粘土鉱物を含まないものであるため、タイヤの生産性が悪く、また静的空気圧低下率が高いものであった。
比較例6で製造された空気入りタイヤは、無機粘土鉱物を含むものであるが、有機化処理粘土鉱物を含まないものであるため、タイヤの生産性が悪く、また静的空気圧低下率が高いものであった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカス、7 ベルト層、8 ビードエーペックス、9 インナーライナー、10a,10b,10c,10d ポリマー積層体、11a,11b,11c,11d 第1層、12a,12c,12d 第2a層、13b,13c,13d 第2b層。

Claims (9)

  1. スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体100質量部に対し、有機化処理粘度鉱物0.1〜50質量部を含むポリマー組成物からなる、厚さ0.05mm〜0.6mmの第1層、ならびに、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体からなる第2b層を有する第2層を含み、前記第2層の厚さが0.01mm〜0.3mmであるポリマー積層体をインナーライナーに用いた生タイヤを準備する工程と、
    前記生タイヤを金型に装着し、ブラダーにより加圧しつつ加硫して加硫タイヤを得る工程と、
    前記加硫タイヤを前記金型から取り出さずに、前記ブラダー内に50〜120℃に調整された冷却媒体を導入して、前記加硫タイヤを10〜300秒間冷却する工程とを含む、空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第2層はさらにスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体からなる第2a層を有する、請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記加硫タイヤを冷却する工程は、冷却媒体として、空気、水蒸気、水およびオイルよりなる群から選択される1種以上を用いる、請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記第1層は、前記生タイヤの半径方向の最も内側に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記第2層は、前記生タイヤのカーカス層に接して配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は、スチレン単位含有量が10〜30質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体は、スチレン単位含有量が10〜30質量%である、請求項〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記スチレン−イソブチレンジブロック共重合体は、直鎖状であり、スチレン単位含有量が10〜35質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法を用いて製造された空気入りタイヤ。
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