JP5281135B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量部を含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量%を含む熱可塑性エラストマー組成物であり、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマー組成物よりなる、厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の積層体である前記空気入りタイヤの製造方法に関する。
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を、幅方向に相互に50mm〜500mmの範囲で、ずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程。
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程。
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラム周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程。
実施の形態1
<アッセンブル工程>
図1はアッセンブル工程を示す横方向概略図であり、図2はアッセンブル工程を示す斜視概略図である。図1および図2において、フィルム状のインナーライナー2は離型紙で被覆された状態で、保管ロールR1から第1駆動ローラR2を介して矢印方向に送られて剥離ローラR3,R4において離型紙と分離される。そして、インナーライナー2は、一対のカレンダーロールR7に送られる。
図3は裁断工程を示す斜視概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に、巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1は、タイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断され、裁断シート4を製造する。なお積層体の裁断は、ナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の、裁断方向がドラムの円周方向に、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。またインナーライナーの長さはタイヤサイズによって、適宜、調製される。
図4は、積層体の接合工程を示す概略図である。ここで図4(a)は、裁断シート4の断面図であり、図4(b)は、裁断シート4をドラム5上に巻きつけ方法を示す概略図である。インナーライナー2がドラム5の表面に隣接するように積層体を巻きつける。ここでインナーライナーの端部2a,2bが相互に接合されて接合部を形成する位置と、未加硫ゴムシートの端部3a,3bが相互に接合されて接合部を形成する位置は、相互にオフセットされることになる。
前述の如く接合工程において、インナーライナーと未加硫カーカスプライの積層体を製造し、これをドラム状で円筒状に形成する。接合工程の後、ドラム両端に位置する積層体の両端部分をビードコアの周りに巻き返した後、ビードコア同士の間隔を狭めながらインナーライナーおよび未加硫カーカスプライよりなる積層体の中央部を膨出変形させる。この作動に伴って積層体の中央部分に、ベルト部材、トレッドゴム等を貼着し、さらにサイ
ドウォール、ビードエーペックスなどの他のゴム部材をも貼り付けて生タイヤを成形する。このように成形された生タイヤを金型に投入して、従来の方法で加硫することで製品タイヤを得る。
本発明においてインナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されている。
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量部を含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量%を含む熱可塑性エラストマー組成物で構成される。
前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)を主体とする熱可塑性エラストマーの組成物からなる。SIBSのイソブチレンブロック由来により、SIBSからなるポリマーフィルムは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSからなるポリマーをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
あり、400,000を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。SIBSは耐空気透過性と耐久性をより良好にする観点から、SIBS中のスチレン成分の含有量は10〜30質量%、好ましくは14〜23質量%であることが好ましい。
第1層において熱可塑性エラストマー混合物中のポリアミド系ポリマーの含有量は1〜40質量%とされる。ポリアミド系ポリマーの含有量が40質量%以下であることにより、耐久性と接着性とが両立されたポリマー混合物を得られる。また、耐久性と接着性が確保でき、耐空気透過性に優れるSIBSとエチレン−ビニルアルコール共重合体を併用する場合は、3〜20質量%とする。
上記ポリアミド形成性モノマー(B)が、式(II)または式(III)で表わされることが好ましい。
上記ジカルボン酸化合物(C)が、下記式(IV)または脂肪族ジカルボン酸化合物および/または脂環族ジカルボン酸化合物で表されることが好ましい。
上記ポリアミド系ポリマーがポリアミド成分に由来するハードセグメント、ポリエーテル成分に由来するソフトセグメントを有するポリアミド系ポリマーであると、結晶性が低くなり、このため、破断伸び(EB)が高く、低温から高温領域まで柔軟性を示すポリアミド系ポリマーを得ることができる。
第1層の前記熱可塑性エラストマー組成物は、ポリマー成分中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜40質量%の範囲内で含むことが好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が15質量%以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物のガスバリアー性が確保される。また該含有量が40質量%以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の作製時の混練性が確保されるとともに、タイヤのインナーライナー層において機械強度等の基本性能が確保される。該含有量は、さらに20質量%以上、さらに25質量%以上とされることが好ましい。また、タイヤの耐久性の観点から、該含有量はさらに30質量%以下が好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、次の一般式(V)で表される。
本発明において前記熱可塑性エラストマー組成物は、ポリマー成分として、前記SIBS、前記ポリアミド系ポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体に加えて、他のポリマーを20質量%以下の範囲で混合できる。例えば、PET、クロロブチルゴム、天然ゴム、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を混合できる。
積層体の第1層は、熱可塑性エラストマー組成物のポリマー成分100質量部に対し、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量部を含む。前記有機化処理粘土鉱物とは、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物である。有機化合物が層状粘土鉱物の層間にインターカレートすることにより、層間が広がり、ポリマーへの分散性が向上する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
SIBSからなる第1層の厚さは、0.05〜0.6mmである。第1層の厚さが0.05mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じる虞がある。一方、第1層の厚さが0.6mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第1層の厚さは、0.05〜0.4mmであることが好ましい。第1層は、SIBSを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
本発明において、第2層は熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマー組成物で構成される。ここでスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを含む共重合体をいう。例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう。)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(以下、「SIB」ともいう。)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう。)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEPS」ともいう。)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEEPS」ともいう。)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBBS」ともいう。)がある。
本発明においてインナーライナーは第1層と第2層の複合層で構成されるポリマー積層体が使用される。ここで第1層、第2層は熱可塑性エラストマー組成物であり、加硫温度、例えば150℃〜180℃において、金型中で軟化状態にある。軟化状態とは、分子運動性が向上し固体と液体の中間状態を意味する。また、熱可塑性エラストマー組成物が軟化状態では、固体状態よりも反応性が向上するため、隣接する部材と粘着、接着する。そのため、熱可塑性エラストマーの形状変化や隣接部材との粘着、融着を防止するために、タイヤの製造の際には、冷却工程を必要とする。冷却工程は、タイヤ加硫後に、10〜300秒間、50〜120℃に急冷し、ブラダー部内を冷却する。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルより選択される1種以上が使用される。かかる冷却工程を採用することで、インナーライナーを0.05〜0.6mmの範囲の薄いインナーライナーを形成することができる。
実施の形態2では、インナーライナー2の幅W2は、未加硫ゴムシート3の幅W1よりも広く形成される。
図5は裁断工程を示す概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1はタイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断されて裁断シート4が製造される。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の裁断方向がドラムの円周方向に、一方、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。
図6(a)は、積層体の断面図、図6(b)は積層体をドラムに巻き付ける接合工程を示す概略図である。ここでドラム5の上にインナーライナー2が接するように巻きつけられ、その両端2a、2bは重複するようにして接合部を形成する。その上にインスレーションなどの未加硫ゴムシート3の両端3a、3bを接合するには、未加硫ゴム片6が用いられる。この場合に接合部は2ヶ所形成されるが、前記インナーライナーとの接合部位置とはオフセットされている。
本発明はタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤを図に基づいて説明する。図8は、空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。図において空気入りタイヤ11は、トレッド部12と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部13とビード部14とを有している。さらに、ビード部14にはビードコア15が埋設される。また、一方のビード部14から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア15のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ16と、該カーカスプライ16のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層17とが配置されている。
ナーに適用する場合、SIB主体層PL3の面を、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIB主体層PL3とカーカスCとの接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明の空気入りタイヤは、一般的な製造方法を用いることができる。前記ポリマー積層体PLを用いてインナンーライナーを製造する。空気入りタイヤ11の生タイヤに前記インナーライナーを適用して他の部材とともに加硫成形することによって製造することができる。ポリマー積層体PLを生タイヤに配置する際は、ポリマー積層体PLの第2層であるSIS主体層PL2またはSIB主体層PL3が、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、SIS主体層PL2またはSIB主体層PL3とカーカスプライとの接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明のインナーライナーに用いられる、第1層および第2層を表1、表2の配合処方で製造してポリマー積層体の製造に用いた。ここで用いたポリマー成分および配合成分は以下のとおりである。
カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102(ショアA硬度25、スチレン成分含有量25質量%、重量平均分子量:100,000)」を用いた。
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
[SIB]
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することにより
スチレン−イソブチレンジブロック共重合体を得た(スチレン成分含有量:15質量%、重量平均分子量:70,000)。
[ポリアミド系ポリマー]
宇部興産(株)社製の「UBESTA XPA 9040」(ショアD硬度:40)。
[エチレンービニルアルコール共重合体]
クラレ(株)社製の「エバール E105」。
[クロロブチル]
エクソンモービル(株)社製の「エクソンクロロブチル 1068」
[天然ゴム(NR)]
TSR20
カーボンブラック:東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
有機化処理粘土鉱物:Pheox社製の「BENTONE34」を用いた。層状粘土鉱物はヘクトライト粘土鉱物であり、有機化合物は、ジメチルジステアリルアンモニウム塩で、有機化合物の陽イオン交換量は100meg/100gである。
酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
老化防止剤:大内新興化学社製「ノクラック6C」
加硫促進剤:大内新興化学社製「ノクセラーDM」
硫黄:鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
<未加硫ゴムシート>
本発明において、未加硫ゴムシートは、カーカスプライを用い、そのトッピングゴムの配合は、以下のとおりである。
天然ゴム(注1) 100質量部
カーボンブラック(注2) 50質量部
亜鉛華(注3) 3質量部
老化防止剤(注4) 0.2質量部
硫黄(注5) 1質量部
加硫促進剤(注6) 1質量部
加硫助剤 (注7) 1質量部
(注1)TSR20
(注2)東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
(注3)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
(注4)大内新興化学社製「ノクラック6C」
(注5)鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
(注6)大内新興化学社製「ノクセラーDM」
(注7)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」
<空気入りタイヤの製造>
本発明の空気入りタイヤの製造を、前述のアッセンブル工程、裁断工程、接合工程に基づき実施した。詳細は表1に示すように比較例、実施例の空気入りタイヤを製造した。なお加硫は、170℃で20分間、プレス成型し、加硫金型から取り出さずに100℃で3分間冷却した後、加硫タイヤから取り出し、図8に示す基本構造を有する195/65R15サイズのものを製造した。
前述の如く製造された空気入りタイヤに関し、以下の方法で性能評価を実施した。
加硫後のタイヤ内側を外観で検査し、その評価を以下のとおりとした。
B: 外観上、タイヤ1本当たり、直径5mm以下のエアーインの数が1〜3個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個の場合
C: 外観上、タイヤ1本当たり、直径5mm以下のエアーインの数が4個以上、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が1個以上の場合
<屈曲亀裂成長試験>
屈曲亀裂成長試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準にして各実施例、比較例の亀裂成長性を、以下の式に基づき指数で表示した。数字が大きいほど屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
<転がり抵抗指数>
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用いて、試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/hの条件で、室温(30℃)にて走行させて転がり抵抗を測定した。そして、下記の計算式に基づき比較例1を基準100として、実施例の転がり抵抗変化率(%)を指数で表示した。転がり抵抗変化率が大きいほど、転がり抵抗が低減されていることを示す。
<静的空気圧低下率>
試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を計算する。数値が小さいほど、空気圧が減りにくく好ましい。
JASOC607:2000の「自動車タイヤのユニフォミティ試験方法」に準拠し、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。比較例1を100とする相対値を指数表示した。指数が大きいほどユニフォミティが優れている。測定条件は、リムは8.0×17、タイヤ回転速度は60rpm、空気圧は200kPa、縦荷重は4000kNとした。
判定Aは、次の条件をすべて満たしたものをいう。
(b)屈曲亀裂成長性が100以上
(c)転がり抵抗変化率が100以上
(d)静的空気圧低下率(%/月間)が2.6以下
判定Bは、次の条件のいずれか1つを満たす場合をいう。複数の判定に該当する場合は、評価の低い方を採用した。
(b)屈曲亀裂成長性が100未満評価
(c)転がり抵抗変化率が100より低い
(d)静的空気圧低下率(%/月間)が2.7以上
Claims (6)
- インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
(a)未加硫ゴムシートと、前記未加硫ゴムシートの幅よりも広い幅を有するインナーライナーとを準備し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部が、前記インナーライナーの幅方向の両端部の内側に位置するように、前記インナーライナーの幅方向端部と前記未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、前記インナーライナーの幅方向の両端部が重複するように接合し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部を未加硫ゴム片を用いて接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量%とを含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量部を含むポリマー組成物であり、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマー組成物よりなる、厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の積層体である空気入りタイヤの製造方法。 - 前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物である請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記第1層の熱可塑性エラストマー混合物のポリマー成分中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜30質量%含む請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体がスチレン成分を10〜30質量%含んでいる請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記ポリアミド系ポリマーがポリアミド成分とポリエーテル成分からなるブロック共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記未加硫ゴムシートはカーカスプライである請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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