JP5281135B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造方法、特に、インナーライナーの成形方法に関し、カーカスプライなどの未加硫ゴムシートとインナーライナーとの積層体を製造して生タイヤを成形する工程を含む空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られており、タイヤ部材のなかでも、タイヤの内部に配され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れを低減することが要請されている空気遮断層(インナーライナー)においても、その軽量化が求められている。
現在、空気遮断層用ゴム組成物は、たとえばブチルゴム70〜100質量%および天然ゴム30〜0質量%を含むブチルゴムを主体とするゴム配合を使用することで、タイヤの耐空気透過性を向上させることが行われている。また、ブチルゴムを主体とするゴム配合はブチレン以外に約1質量%のイソプレンを含み、これが硫黄・加硫促進剤・亜鉛華と相俟って、隣接ゴム層との分子間の共架橋を可能にしている。上記ブチル系ゴムは、通常の配合では乗用車用タイヤでは0.6〜1.0mm、トラック・バス用タイヤでは1.0〜2.0mm程度の厚みが必要となるが、タイヤの軽量化を図るために、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れ、空気遮断層の厚みをより薄くできるポリマーが要請されている。
空気入りタイヤの生タイヤの成形において、図7に示すように、インナーライナーPをドラム5A上で成形する際に、インナーライナーフィルムP2を、コンベア上で、未加硫インナーライナーゴムP1に、長手方向の両端縁位置を揃えて予め貼着させて積層体とし、該積層体のインナーライナーフィルムP2を内面側として、バンド上に、その全周にわたって巻き付けて、積層体の両端部を、周上の一個所で重複させて接合部PJを形成し、その後、ステッチングローラーを用いて、その積層体の接合部PJを押し付けてエアー抜きを行うのが一般的である。
かかる技術では、インナーライナーフィルムP2と、未加硫インナーライナーゴムP1とをドラム上に巻き付けるにあたって、それらの長手方向の両端縁位置を揃えて予め貼着させることから、その積層体の両端部の、ドラム上での重複接合に際し、ドラム5A上の周上に形成される接合部PJの厚みが必然的に厚くなる。このため接合部PJにステッチングローラーを施しても接合部PJ間にエアーが残留することがあり、その残留エアーが、生タイヤの加硫成型によって膨張すると積層体Pの接合部PJが剥離する虞があった。
しかも、この技術では積層体Pの端部がドラム5Aの周上の一個所で接合部を形成するため、成形された生タイヤのインナーライナーの接合部に剥離が生じた場合は、隣接するカーカスプライの損傷を招来することがある。
従来技術において、空気入りタイヤの軽量化を意図して、インナーライナーに熱可塑性エラストマーを用いることが提案されている。しかしブチル系ゴムのインナーライナーよりも薄くし、高い耐空気透過性を有する材料は、インナーライナーに隣接するインスレーションゴムやカーカスプライゴムとの加硫接着力がブチル系ゴムのインナーライナーよりも劣ることになる。
特にインナーライナーの接合部において接着力が弱いと、走行中に接合部が剥離しタイヤ内圧が低下し、タイヤのバーストを招来することがある。また前記接合部は他部材が内面に露出する構造となるため、エアー漏れの経路となり、タイヤ内圧低下を生じやすくなる。
特許文献1(特開2009−208444号公報)には、インナーライナーフィルムと未加硫ゴムシートを、延在方向の両端を相互にずらした状態で貼り付け、この粘着体をドラム上に巻いて未加硫タイヤを成形する技術が開示されている。
しかし、延在方向の両端を相互にずらすためには、それぞれ部材を1枚ずつ定寸カットし、個別にずらして張り合わせなければならないため、生産性が低下する可能性がある。また貼り合わせ方法によっては、精度が悪くなり、フィルム間にエアーが溜まることによってタイヤ加硫時に損傷を与えることになる。
特許文献2(特開2007―291256号公報)には、天然ゴムおよび/または合成ゴムからなるゴム成分の100質量部に対して、エチレンービニルアルコール共重合体が15〜30質量部の範囲で含有されたインナーライナー用ゴム組成物を備えた空気入りタイヤが開示されている。しかしこの技術は、インナーライナーの厚さが1mmと厚くタイヤの軽量化の観点で好ましくない。
特許文献3(特開平9−165469号公報)にはインナーライナーとして用いるナイロンフィルムが開示されている。ここではナイロンフィルムをRFL処理した後、ゴム組成物からなるゴム糊により、タイヤ内面またはカーカス層と接着させて空気入りタイヤを製造することが開示されている。
この技術では工程が複雑化する問題がある。さらに加硫工程では一般に金型内に収容した未加硫タイヤの内側から金型内面に押し付けて加硫成形を行うが、インナーライナーがナイロンフィルムであるため加硫時にブラダーを加熱する際にナイロンフィルムがブラダーに粘着、接着して破損する問題がある。
特開2009−208444号公報 特開2007―291256号公報 特開平9−165469号公報
本発明は空気入りタイヤの製造において、インナーライナーとカーカスプライなどの未加硫ゴムシートとの積層体を成形ドラム上に巻きつけてタイヤを成形する方法においてドラムの周上の接合部での厚さの均一性を高め、エアーの残留を防止しインナーライナーおよびカーカスプライの接合部の剥離も有効に軽減することを目的とする。そのため前記インナーライナーと前記未加硫ゴムシートを予め積層してドラムに巻きつける際に、前記インナーライナーと未加硫ゴムシートは相互に幅方向にずらして貼り付けた積層体を製造する。
本発明は、インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量部を含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量%を含む熱可塑性エラストマー組成物であり、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマー組成物よりなる、厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の積層体である前記空気入りタイヤの製造方法に関する。
前記アッセンブル工程において、インナーライナーの幅と未加硫ゴムシートは異なる幅とし、それらの幅方向の両端部が相互に重複しないように幅方向にずらして積層体を製造することができる。
前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物であることが好ましい。さらに前記第1層の熱可塑性エラストマー混合物のポリマー成分中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜40質量%含むことが好ましい。
本発明では前記スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体がスチレン成分を10〜30質量%含んでいることが好ましい。また前記ポリアミド系ポリマーがポリアミド成分とポリエーテル成分からなるブロック共重合体であることが好ましい。なお、前記未加硫ゴムシートは、例えばカーカスプライである。
本発明はSIBSとポリアミド系ポリマーの混合物に有機化処理粘土鉱物を配合した熱可塑性エラストマー組成物の第1層と熱可塑性エラストマー組成物の第2層の複合層よりなるインナーライナーを用いたためエアーインおよび屈曲亀裂成長が軽減でき静的空気圧低下も改善できる。そして前記複合層の第2層が未加硫ゴムシートと接して、かつ幅方向に相互にずらして積層し、インナーライナーを内面側になるように積層体のドラム上に、その全周にわたって巻き付け、インナーライナーおよび未加硫ゴムシートのそれぞれの端部を、ドラムの周方向に相互に離隔した位置で接合させることにより、インナーライナーの接合部と未加硫ゴムシートの接合部における厚みの段差を緩和させることができる。そしてステッチングに際して接合部のエアーを確実に除去することができ残留エアーに起因する接合部の剥離を防止できる。
そして成形されたインナーライナーとカーカスプライなどの未加硫ゴムシートとは相互に円周方向に隔離した接合部が形成される。そのためカーカスプライの接合部に剥離が生じても、インナーライナーによって該剥離部分は補強されるため、製品タイヤの損傷および破損は緩和されることになる。
さらに前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置されスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を主体とする、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマー組成物よりなり厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の複合層であるため、第2層と隣接するカーカスプライのゴムとの接着力が強化される。そしてカーカスプライの接合部が剥離した場合のインナーライナーによる補強効果は高くなり、一方、インナーライナーの接合部が剥離した場合のカーカスプライによる補強効果は高くなる。
アッセンブル工程を示す概略図である。 アッセンブル工程の概略を示す斜視図である。 裁断工程を示す概略図である。 (a)は、積層体の断面図、(b)は積層体をドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。 裁断工程を示す概略図である。 (a)は、積層体の断面図、(b)は積層体をドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。 従来のインナーライナーの成形方法の概略図である。 空気入りタイヤの概略断面図である。 ポリマー積層体の概略断面図である。
本発明はインナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法であって、該製造方法は、以下の生タイヤの成形工程で行われる。
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を、幅方向に相互に50mm〜500mmの範囲で、ずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程。
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程。
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラム周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程。
ここで、本発明の空気入りタイヤの製造方法について図を参照して説明する。
実施の形態1
<アッセンブル工程>
図1はアッセンブル工程を示す横方向概略図であり、図2はアッセンブル工程を示す斜視概略図である。図1および図2において、フィルム状のインナーライナー2は離型紙で被覆された状態で、保管ロールR1から第1駆動ローラR2を介して矢印方向に送られて剥離ローラR3,R4において離型紙と分離される。そして、インナーライナー2は、一対のカレンダーロールR7に送られる。
一方、未加硫ゴムシート3は、第2駆動ローラR6を介して、一対のカレンダーロールR7に送られる。ここで、インナーライナー2と未加硫ゴムシート3は、一対のカレンダーロールR7で貼合されて積層体1が製造される。積層体1は、巻取ロールR8に巻き取られて一時保管されるか、若しくは、連続的にその後の裁断工程に送られる。ここで、インナーライナー2と未加硫ゴムシート3は、実質的に同じ幅のものが使用されており、これらの両端の位置は相互に、ずらしされており、ずらし距離Lが形成されている。
ここでずらし距離Lは、50mm〜500mmの範囲、好ましくは100mm〜300mmの範囲で調製される。ずらし距離Lが、50mmより小さい場合には、未加硫ゴムシートの接合部とインナーライナーの接合部の間隔が狭くなり、接合部での接着不良が生じやすいからである。一方、ずらし距離Lが500mmを超えると、ドラム上でのタイヤ成形が困難となる。
なお、インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体よりなり、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマーよりなり厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の複合層で構成されている。またインナーライナーの幅は、タイヤサイズによって調整される。
本発明では、インナーライナーと未加硫ゴムシートはロールを用いて圧着されるため、空気溜まりがなく、確実に密着させることができ、また効率的で生産性が良い。
<裁断工程>
図3は裁断工程を示す斜視概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に、巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1は、タイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断され、裁断シート4を製造する。なお積層体の裁断は、ナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の、裁断方向がドラムの円周方向に、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。またインナーライナーの長さはタイヤサイズによって、適宜、調製される。
<接合工程>
図4は、積層体の接合工程を示す概略図である。ここで図4(a)は、裁断シート4の断面図であり、図4(b)は、裁断シート4をドラム5上に巻きつけ方法を示す概略図である。インナーライナー2がドラム5の表面に隣接するように積層体を巻きつける。ここでインナーライナーの端部2a,2bが相互に接合されて接合部を形成する位置と、未加硫ゴムシートの端部3a,3bが相互に接合されて接合部を形成する位置は、相互にオフセットされることになる。
<タイヤの成形・加硫工程>
前述の如く接合工程において、インナーライナーと未加硫カーカスプライの積層体を製造し、これをドラム状で円筒状に形成する。接合工程の後、ドラム両端に位置する積層体の両端部分をビードコアの周りに巻き返した後、ビードコア同士の間隔を狭めながらインナーライナーおよび未加硫カーカスプライよりなる積層体の中央部を膨出変形させる。この作動に伴って積層体の中央部分に、ベルト部材、トレッドゴム等を貼着し、さらにサイ
ドウォール、ビードエーペックスなどの他のゴム部材をも貼り付けて生タイヤを成形する。このように成形された生タイヤを金型に投入して、従来の方法で加硫することで製品タイヤを得る。
<インナーライナー>
本発明においてインナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されている。
<第1層>
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量部を含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量%を含む熱可塑性エラストマー組成物で構成される。
(SIBS)
前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)を主体とする熱可塑性エラストマーの組成物からなる。SIBSのイソブチレンブロック由来により、SIBSからなるポリマーフィルムは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSからなるポリマーをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
さらに、SIBSは芳香族以外の分子構造が完全飽和であることにより、劣化硬化が抑制され、優れた耐久性を有する。したがって、SIBSからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBSからなるポリマーフィルムをインナーライナーに適用して空気入りタイヤを製造した場合には、耐空気透過性を確保できる。したがってハロゲン化ブチルゴム等の、従来耐空気透過性を付与するために使用されてきた高比重のハロゲン化ゴムを使用する必要がなく、使用する場合にも使用量の低減が可能である。これによってタイヤの軽量化が可能であり燃費が向上する。
SIBSの分子量は特に制限はないが、流動性、成形化工程、ゴム弾性などの観点から、GPC測定による重量平均分子量が50,000〜400,000であることが好ましい。重量平均分子量が50,000未満であると引張強度、引張伸びが低下するおそれが
あり、400,000を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。SIBSは耐空気透過性と耐久性をより良好にする観点から、SIBS中のスチレン成分の含有量は10〜30質量%、好ましくは14〜23質量%であることが好ましい。
該SIBSは、その共重合体において、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱い(重合度が10,000未満では液状になる)の点からイソブチレンでは10,000〜150,000程度、またスチレンでは5,000〜30,000程度であることが好ましい。
SIBSは、一般的なビニル系化合物のリビングカチオン重合法により得ることができ。例えば、特開昭62−48704号公報および特開昭64−62308号公報には、イソブチレンと他のビニル化合物とのリビングカチオン重合が可能であり、ビニル化合物にイソブチレンと他の化合物を用いることでポリイソブチレン系のブロック共重合体を製造できることが開示されている。
(ポリアミド系ポリマー)
第1層において熱可塑性エラストマー混合物中のポリアミド系ポリマーの含有量は1〜40質量%とされる。ポリアミド系ポリマーの含有量が40質量%以下であることにより、耐久性と接着性とが両立されたポリマー混合物を得られる。また、耐久性と接着性が確保でき、耐空気透過性に優れるSIBSとエチレン−ビニルアルコール共重合体を併用する場合は、3〜20質量%とする。
ポリアミド系ポリマーは、ショアD硬度が70以下のポリアミド系ポリマーである。ショアD硬度が70を超えるとタイヤ屈曲時および移動時の亀裂性に劣る。ショアD硬度は、好ましくは15〜70の範囲、さらに好ましくは18〜70の範囲、より好ましくは20〜70の範囲、特に好ましくは25〜70の範囲が好ましい。ポリアミド系ポリマーは、次の式(I)で示される構造のポリエーテルアミドエラストマーを50質量%以上含むことが好ましい。
ここでポリエーテルアミドエラストマーは、式(I)で表されるトリブロックポリエーテルジアミン化合物(A)、ポリアミド形成性モノマー(B)、及びジカルボン酸化合物(C)を重合して得られるポリアミド成分とポリエーテル成分からなるブロック共重合体が好ましい。
Figure 0005281135
(式中、aおよびbは1〜20、cは4〜50を示す。)
上記ポリアミド形成性モノマー(B)が、式(II)または式(III)で表わされることが好ましい。
Figure 0005281135
(式中、R1は炭化水素鎖を含む連結基を表わす。)
Figure 0005281135
(式中、R2は炭化水素鎖を含む連結基を表わす。)
上記ジカルボン酸化合物(C)が、下記式(IV)または脂肪族ジカルボン酸化合物および/または脂環族ジカルボン酸化合物で表されることが好ましい。
Figure 0005281135
(式中、R3は炭化水素鎖を含む連結基を表わし、yは0または1を表わす。)
上記ポリアミド系ポリマーがポリアミド成分に由来するハードセグメント、ポリエーテル成分に由来するソフトセグメントを有するポリアミド系ポリマーであると、結晶性が低くなり、このため、破断伸び(EB)が高く、低温から高温領域まで柔軟性を示すポリアミド系ポリマーを得ることができる。
また、ポリアミド系ポリマーはタイヤ加硫温度(140〜180℃)で流動性が高まり、凹凸面との濡れ性が高まるため、隣接ゴムとの接着性においても優れた効果を発揮することができる。
前記ポリアミド系ポリマーは、公知のポリアミド系ポリマーを用いることができる。ポリアミド系ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12から選ばれる少なくとも1種の脂肪族ナイロンからなるポリアミドブロックと、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンから選ばれる少なくとも1種のポリエーテルブロックとから構成されるエラストマーなどを用いることができる。
<エチレン−ビニルアルコール共重合体>
第1層の前記熱可塑性エラストマー組成物は、ポリマー成分中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜40質量%の範囲内で含むことが好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量が15質量%以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物のガスバリアー性が確保される。また該含有量が40質量%以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の作製時の混練性が確保されるとともに、タイヤのインナーライナー層において機械強度等の基本性能が確保される。該含有量は、さらに20質量%以上、さらに25質量%以上とされることが好ましい。また、タイヤの耐久性の観点から、該含有量はさらに30質量%以下が好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、次の一般式(V)で表される。
Figure 0005281135
(式中、mおよびnはそれぞれ独立して1〜100であり、xは1〜1000である。) エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン由来部位により、ポリマー混合物中の他の成分との相溶性が良好に付与され、エチレン−ビニルアルコール共重合体はポリマー組成物中に微細な分散サイズで存在することができる。一方、該エチレン−ビニルアルコール共重合体は、ビニルアルコール由来部位の寄与により良好なガスバリアー性を有する。すなわち、本発明においては、熱可塑性エラストマー組成物中に、ガスバリアー性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体が微細なサイズで島状に分散していることにより、タイヤのインナーライナー層が薄くされた場合でも良好なガスバリアー性が発現される。これによりタイヤの軽量化が可能であり、燃費の向上効果が得られる。
一般式(V)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成するためにmおよびnは1以上とされる。一方、mおよびnがそれぞれ100以下であることにより、ポリマー混合物中の他の成分との相溶性とガスバリアー性とが両立されたエチレン−ビニルアルコール共重合体が得られる。ポリマー混合物中の他の成分との相溶性がより良好になる点で、mは、さらに5以上とされることが好ましい。また、ガスバリアー性がより良好になる点で、nは、さらに5以上とされることが好ましい。一方、ビニルアルコール由来部位によるガスバリアー性の発現を損ない難い点で、mは、さらに95以下、さらに80以下とされることが好ましい。また、エチレン由来部位によるポリマー混合物との良好な相溶性の発現を損ない難い点で、nは、さらに95以下、さらに80以下とされることが好ましい。
一般式(V)において、エチレン−ビニルアルコール共重合体を構成するためにxは1以上とされる。一方、xが1000以下であることにより、ポリマー組成物の作製時の混練性が確保され、エチレン−ビニルアルコール共重合体が均一に分散されたポリマー組成物が得られる。ポリマー混合物中の他の成分との相溶性およびガスバリアー性が良好に発現される点で、xは、さらに10以上とされることが好ましく、混練性が良好である点で、xは、さらに500以下、さらに100以下とされることが好ましい。
一般式(V)で表されるエチレン−ビニルアルコール共重合体は、他の成分との共重合体とされた状態でポリマー組成物中に含有されても良く、この場合のエチレン−ビニルアルコール共重合体の含有量とは、一般式(V)で表される構造部分の含有量を意味する。エチレン−ビニルアルコール共重合体の分子構造は、たとえば赤外吸収スペクトル(IR)や核磁気共鳴スペクトル(NMR)等により確認することができる。
<ポリマー混合物>
本発明において前記熱可塑性エラストマー組成物は、ポリマー成分として、前記SIBS、前記ポリアミド系ポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体に加えて、他のポリマーを20質量%以下の範囲で混合できる。例えば、PET、クロロブチルゴム、天然ゴム、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を混合できる。
<有機化処理粘土鉱物>
積層体の第1層は、熱可塑性エラストマー組成物のポリマー成分100質量部に対し、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量部を含む。前記有機化処理粘土鉱物とは、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物である。有機化合物が層状粘土鉱物の層間にインターカレートすることにより、層間が広がり、ポリマーへの分散性が向上する。
層状粘土鉱物は、層状珪酸塩鉱物の一種で、結晶構造は珪酸四面体層−アルミナ八面体層−珪酸四面体層の3層が積み重なっており、その単位層は厚さ約10Å(1nm)、広がり0.1〜1μmという極めて薄い板状になっている。
層状粘土鉱物の代表としてモンモリロナイトが挙げられる。モンモリロナイトは結晶構造中のアルミナ八面体層の中心原子であるAlの一部がMgに置換されることで陽電荷不足となり、各結晶層自体は負に帯電しているが、結晶層間にNa+・K+・Ca2+・Mg2+などの陽イオンを挟むことで電荷不足を中和し、安定状態となる。そのため、モンモリロナイトは結晶層が何層も重なり合った状態で存在している。
モンモリロナイトの板状結晶層表面に水が接触すると、層間の交換性陽イオンに水分子が水和し層間が膨張する。また、モンモリロナイトの陽イオン交換性を利用して層間に有機化合物をインターカレートすることで、層間が広がり有機溶媒やポリマーへの分散性が向上する。
層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト(特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイトおよびカルシウムモンモリロナイト)、ベントナイト、カオリナイト、ノンライト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スティブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライトなどのスメクタイト系粘土などといったフィロシリケート類、イライトおよびイライト/スメクタイトの混合物(レクトライト、タロソバイト、レディカイトおよび前記粘土化合物とイライトとの混合物)などの雲母鉱物類またはアタパルジャイトおよびセピオライトハイドロタルサイト系層状化合物などが挙げられる。なかでもスメクタイト系粘土が好ましく、特にモンモリロナイト系粘土が好ましい。また、スメクタイト系粘土鉱物を含むベントナイトを用いても良い。これら層状粘土鉱物は一般には天然鉱物を採取して所定の精製操作を経て得られる。これらの合成粘土は区別なく使用できる。
インターカラントとして使用できる有機化合物としては、イオン化しやすい極性基を分子内に有する有機化合物が挙げられる。極性基を有する有機化合物は、スメクタイト系粘土鉱物の酸素イオンなど負イオンで覆われた層の表面との間で強い相互作用を起こし、層状粘土鉱物の層間へ入り込み(インターカレート)、層間を押し広げて膨張させるものと考えられている。
有機化合物としては、炭素原子を6個以上有するアルキル基を有し、末端にイオン化する極性基を有するものが好ましい。たとえば、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有するもの、アルデヒド類、アミン類、アミド類または4級アンモニウム塩が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する有機化合物としては、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどの脂肪族アルコール、アルキル基が置換した芳香族アルコールなどのアルコール類のほか、フェノール類などが挙げられる。
カルボキシル基を有する有機化合物としては、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸などの直鎖状脂肪族、オレイン酸などの直鎖状アルケン酸、リノールエライジン酸などのジエン酸、トリエン酸などのポリ不飽和脂肪族酸などが挙げられる。
アルデヒド類としてはヘキシルアルデヒドなどが挙げられる。アミン類またはアミド類としては、1以上のアミンまたはアミドを有する極性有機化合物、たとえばアルキルアミン、アミノシクロアルカンおよびアミノシクロアルカン置換体、環状脂肪族ジアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミン、脂肪族アミドなどが挙げられ、一級、二級、および/または三級アミンまたはアミドが含まれる。中でも、アルキルアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミンが好ましい。上記有機化合物は単独または2種以上を混合して使用できる。
アミン類は、1−ヘキシルアミン、1−ヘプチルアミン、1−オクチルアミン、1−ノミルアミン、1−ドデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、1−オクタデシルアミン、オレイルアミンなどの一級アミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n−ヘキサデシルアミン、ジ−n−オクタデシルアミンなどの二級アミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−n−デシルアミン、ジメチル−n−テトラデシルアミン、ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、ジメチル−n−オクタデシルアミン、ジメチルオレイルアミンなどの三級アミン、ジ−n−デシルメチルアミンジココアルキルメチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ヘキサデシルアミンなどの脂肪族アミンが挙げられる。
アミド類は、ヘキシルアミド、ヘプチルアミド、オクチルアミド、ノニルアミド、ラウラミド、ミリスタミド、パルミタミド、ステラミド、パルミアミド、オレアミド、リノレアミドなどが挙げられる。
また、極性基を有する有機化合物としてニトリル基またはラクタム基を有するもの、ピリジン類、エステル類、界面活性剤類、エーテル類などを使用することもできる。
4級アンモニウム塩としては、たとえばジメチルジステアリルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルベンジルオクタデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどが挙げられる。
層状粘土鉱物に有機化合物をインターカレートする方法としては、公知の方法を採用することができる。たとえばモンモリロナイト系粘土鉱物と有機化合物とを接触させるために、予め層状粘土鉱物にその質量の10質量%から20倍程度の水を含ませて、その後有機化合物とモンモリロナイト系粘土鉱物とを接触させ、有機化処理粘土鉱物を得る方法がある。有機化処理粘土鉱物中の有機化合物の陽イオン交換量は、50〜200meg/100gが好ましい。
有機化処理粘土鉱物の配合量は、ポリマー混合物100質量部に対して0.1〜50質量%であり、さらに0.5〜30質量%が好ましい。有機化処理粘土鉱物の配合量が0.1質量%未満であると、ポリマー組成物の空気透過性、高温時の引張特性が低下する。また、有機化処理粘土鉱物の配合量が50質量%を超えると、ポリマー組成物の硬度が大きくなりすぎて屈曲疲労性が低下する。
<その他の配合剤>
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの一般のゴム組成物に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
(第1層の厚さ)
SIBSからなる第1層の厚さは、0.05〜0.6mmである。第1層の厚さが0.05mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じる虞がある。一方、第1層の厚さが0.6mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第1層の厚さは、0.05〜0.4mmであることが好ましい。第1層は、SIBSを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
<第2層>
本発明において、第2層は熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマー組成物で構成される。ここでスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを含む共重合体をいう。例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう。)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(以下、「SIB」ともいう。)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう。)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEPS」ともいう。)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEEPS」ともいう。)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBBS」ともいう。)がある。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、その分子構造において、エポキシ基を有してもよく、例えば、ダイセル化学工業(株)社製、エポフレンドA1020(重量平均分子量が10万、エポキシ当量が500)のエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(エポキシ化SBS)を使用できる。
第2層に用いられる前記スチレン系熱可塑性エラストマーのうち、特にSISおよびSIBが好適である。SISのイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスプライのゴム層との接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
前記SISの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が100,000〜290,000であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、290,000を超えると押出加工性が悪くなるため好ましくない。SIS中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜30質量%が好ましい。
本発明において、SISにおける、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソプレンでは500〜5,000程度、またスチレンでは50〜1,500程度であることが好ましい。
前記SISは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができ、例えば、リビングカチオン重合法により得ることができる。SIS層は、SISを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBとしては、直鎖状のものを用いることがゴム弾性および接着性の観点から好ましい。SIBの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が40,000〜120,000であることが好ましい。重量平均分子量が40,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、120,000を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIB中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜35質量%であることが好ましい。本発明において、SIBにおける各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソブチレンでは300〜3,000程度、またスチレンでは10〜1,500程度であることが好ましい。
前記SIBは、一般的なビニル系化合物のリビング重合法により得ることができ、例えば、攪拌機にメチルシクロヘキサン、n−ブチルクロライド、クミルクロライドを加え、−70℃に冷却した後、2時間反応させ、その後に大量のメタノールを添加して反応を停止させ、60℃で真空乾燥してSIBを製造できる。
第2層は、例えばSIBを押出成形またはカレンダー成形などのスチレン系熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によって成型できる。第2層の厚さは、0.01mm〜0.3mmが好ましい。ここで第2層の厚さは、複数層で構成される場合は合計厚さをいう。第2層の厚さが0.01mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第2層がプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する虞がある。一方、第2層の厚さが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し低燃費性能が低下する可能性がある。
<ポリマー積層体>
本発明においてインナーライナーは第1層と第2層の複合層で構成されるポリマー積層体が使用される。ここで第1層、第2層は熱可塑性エラストマー組成物であり、加硫温度、例えば150℃〜180℃において、金型中で軟化状態にある。軟化状態とは、分子運動性が向上し固体と液体の中間状態を意味する。また、熱可塑性エラストマー組成物が軟化状態では、固体状態よりも反応性が向上するため、隣接する部材と粘着、接着する。そのため、熱可塑性エラストマーの形状変化や隣接部材との粘着、融着を防止するために、タイヤの製造の際には、冷却工程を必要とする。冷却工程は、タイヤ加硫後に、10〜300秒間、50〜120℃に急冷し、ブラダー部内を冷却する。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルより選択される1種以上が使用される。かかる冷却工程を採用することで、インナーライナーを0.05〜0.6mmの範囲の薄いインナーライナーを形成することができる。
実施の形態2
実施の形態2では、インナーライナー2の幅W2は、未加硫ゴムシート3の幅W1よりも広く形成される。
<裁断工程>
図5は裁断工程を示す概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1はタイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断されて裁断シート4が製造される。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の裁断方向がドラムの円周方向に、一方、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。
<接合工程>
図6(a)は、積層体の断面図、図6(b)は積層体をドラムに巻き付ける接合工程を示す概略図である。ここでドラム5の上にインナーライナー2が接するように巻きつけられ、その両端2a、2bは重複するようにして接合部を形成する。その上にインスレーションなどの未加硫ゴムシート3の両端3a、3bを接合するには、未加硫ゴム片6が用いられる。この場合に接合部は2ヶ所形成されるが、前記インナーライナーとの接合部位置とはオフセットされている。
<タイヤの構造>
本発明はタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤを図に基づいて説明する。図8は、空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。図において空気入りタイヤ11は、トレッド部12と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部13とビード部14とを有している。さらに、ビード部14にはビードコア15が埋設される。また、一方のビード部14から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア15のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ16と、該カーカスプライ16のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層17とが配置されている。
前記ベルト層17は、通常、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなるプライの2枚をタイヤ周方向に対して、コードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。なおベルト層の両端外側には、トッピングゴム層を設け、ベルト層両端の剥離を軽減することができる。またカーカスプライはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスプライとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア15の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス18が配置される。また前記カーカスプライ16のタイヤ半径方向内側には一方のビード部14から他方のビード部14に亘るインナーライナー19が配置されている。
次にインナーライナーの加硫タイヤにおけるカーカスプライとの配置状態を図9において具体的に示す。図9(a)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1および第2層としてのSIS主体層PL2から構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIS主体層PL2がカーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIS主体層PL2とカーカスCとの接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図9(b)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1および第2層としてのSIB主体層PL3から構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライ
ナーに適用する場合、SIB主体層PL3の面を、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIB主体層PL3とカーカスCとの接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図9(c)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1、第2層としてのSIS主体層PL2およびSIB主体層PL3が前記の順に積層されて構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIB主体層PL3の面を、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIB主体層PL3とカーカスプライCとの接着強度を高めることができる。したがって得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
図9(d)において、ポリマー積層体PLは、第1層PL1、第2層としてのSIB主体層PL3およびSIS主体層PL2が前記の順に積層されて構成される。該ポリマー積層体PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、SIS主体層PL2の面を、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、SIS主体層PL2とカーカスプライCとの接着強度を高めることができる。したがってインナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
<空気入りタイヤの製造方法>
本発明の空気入りタイヤは、一般的な製造方法を用いることができる。前記ポリマー積層体PLを用いてインナンーライナーを製造する。空気入りタイヤ11の生タイヤに前記インナーライナーを適用して他の部材とともに加硫成形することによって製造することができる。ポリマー積層体PLを生タイヤに配置する際は、ポリマー積層体PLの第2層であるSIS主体層PL2またはSIB主体層PL3が、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、SIS主体層PL2またはSIB主体層PL3とカーカスプライとの接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
<ポリマー積層体>
本発明のインナーライナーに用いられる、第1層および第2層を表1、表2の配合処方で製造してポリマー積層体の製造に用いた。ここで用いたポリマー成分および配合成分は以下のとおりである。
[SIBS]
カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102(ショアA硬度25、スチレン成分含有量25質量%、重量平均分子量:100,000)」を用いた。
前記SIBSを表1に示す配合処方にしたがって、ポリマー混合物成分と有機化処理粘土鉱物または無機粘土鉱物とを2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。
[SIS]
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
[SIB]
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することにより
スチレン−イソブチレンジブロック共重合体を得た(スチレン成分含有量:15質量%、重量平均分子量:70,000)。
[ポリアミド系ポリマー]
宇部興産(株)社製の「UBESTA XPA 9040」(ショアD硬度:40)。
[エチレンービニルアルコール共重合体]
クラレ(株)社製の「エバール E105」。
[クロロブチル]
エクソンモービル(株)社製の「エクソンクロロブチル 1068」
[天然ゴム(NR)]
TSR20
カーボンブラック:東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
有機化処理粘土鉱物:Pheox社製の「BENTONE34」を用いた。層状粘土鉱物はヘクトライト粘土鉱物であり、有機化合物は、ジメチルジステアリルアンモニウム塩で、有機化合物の陽イオン交換量は100meg/100gである。
無機粘土鉱物:クニミネ工業(株)の「クニピアF」
Figure 0005281135
Figure 0005281135
上記ポリマー成分に各種配合剤を添加して組成物を調製した。配合剤は、以下のものを用いた。なお、第1層および第2層には、表3に示す共通の配合剤を用いた。
Figure 0005281135
ステアリン酸:花王(株)社製の「ステアリン酸ルナックS30」
酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
老化防止剤:大内新興化学社製「ノクラック6C」
加硫促進剤:大内新興化学社製「ノクセラーDM」
硫黄:鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
<未加硫ゴムシート>
本発明において、未加硫ゴムシートは、カーカスプライを用い、そのトッピングゴムの配合は、以下のとおりである。
<トッピングゴムの配合A>
天然ゴム(注1) 100質量部
カーボンブラック(注2) 50質量部
亜鉛華(注3) 3質量部
老化防止剤(注4) 0.2質量部
硫黄(注5) 1質量部
加硫促進剤(注6) 1質量部
加硫助剤 (注7) 1質量部
(注1)TSR20
(注2)東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
(注3)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
(注4)大内新興化学社製「ノクラック6C」
(注5)鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
(注6)大内新興化学社製「ノクセラーDM」
(注7)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」
<空気入りタイヤの製造>
本発明の空気入りタイヤの製造を、前述のアッセンブル工程、裁断工程、接合工程に基づき実施した。詳細は表1に示すように比較例、実施例の空気入りタイヤを製造した。なお加硫は、170℃で20分間、プレス成型し、加硫金型から取り出さずに100℃で3分間冷却した後、加硫タイヤから取り出し、図8に示す基本構造を有する195/65R15サイズのものを製造した。
参考例1、2、実施例3は、インナーライナーの第1層にSIBSとポリアミド系ポリマーの混合系で有機化処理粘土鉱物が0.1質量部配合されており、第2層にSISまたはSIBを用い、インナーライナーとカーカスのずらし距離が、それぞれ50mm、500mm、250mmである。
参考例3、4、実施例6は、インナーライナーの第1層にSIBSとポリアミド系ポリマーの混合系で有機化処理粘土鉱物が30質量部配合されており、第2層にSISまたはSIBを用い、インナーライナーとカーカスのずらし距離が、それぞれ50mm、500mm、250mmである。
参考例5、6、実施例9は、インナーライナーの第1層にSIBSとポリアミド系ポリマーの混合系で有機化処理粘土鉱物が50質量部配合されており、第2層にSISまたはSIBを用い、インナーライナーとカーカスのずらし距離が、それぞれ50mm、500mm、250mmである。
参考例7、8、実施例12は、インナーライナーの第1層にSIBSとポリアミド系ポリマーおよびエチレンビニルアルコール共重合体の混合系で有機化処理粘土鉱物が30質量部配合されており、第2層にSISまたはSIBを用い、インナーライナーとカーカスのずらし距離が、それぞれ50mm、500mm、250mmである。
比較例1は、インナーライナーの第1層にクロロブチルとNRの混合系である。比較例2〜4はインナーライナーの第1層に無機粘土鉱物を配合し、ずらし距離の異なる例である。比較例6〜8は第1層のポリマーの配合が本発明から外れる例である。比較例9、10は、第1層に有機化処理粘土鉱物を配合していない例である。
実施例1〜12は、いずれもエアーイン性能、屈曲亀裂成長性、転がり抵抗性および静的空気低下率の総合的判定さらにタイヤのユニフォミティに優れている。
<性能試験>
前述の如く製造された空気入りタイヤに関し、以下の方法で性能評価を実施した。
<エアーイン性能>
加硫後のタイヤ内側を外観で検査し、その評価を以下のとおりとした。
A: 外観上、タイヤ1本当たり、直径5mm以下のエアーインの数が0個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個の場合
B: 外観上、タイヤ1本当たり、直径5mm以下のエアーインの数が1〜3個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個の場合
C: 外観上、タイヤ1本当たり、直径5mm以下のエアーインの数が4個以上、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が1個以上の場合
<屈曲亀裂成長試験>
屈曲亀裂成長試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準にして各実施例、比較例の亀裂成長性を、以下の式に基づき指数で表示した。数字が大きいほど屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
屈曲亀裂成長指数=(比較例1の亀裂の数)/(各実施例の亀裂の数)×100
<転がり抵抗指数>
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用いて、試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/hの条件で、室温(30℃)にて走行させて転がり抵抗を測定した。そして、下記の計算式に基づき比較例1を基準100として、実施例の転がり抵抗変化率(%)を指数で表示した。転がり抵抗変化率が大きいほど、転がり抵抗が低減されていることを示す。
転がり抵抗指数=(比較例1の転がり抵抗)/(実施例の転がり抵抗)×100
<静的空気圧低下率>
試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を計算する。数値が小さいほど、空気圧が減りにくく好ましい。
<ユニフォミティ(RFV)>
JASOC607:2000の「自動車タイヤのユニフォミティ試験方法」に準拠し、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。比較例1を100とする相対値を指数表示した。指数が大きいほどユニフォミティが優れている。測定条件は、リムは8.0×17、タイヤ回転速度は60rpm、空気圧は200kPa、縦荷重は4000kNとした。
<総合判定>
判定Aは、次の条件をすべて満たしたものをいう。
(a)エアーイン性能がA評価
(b)屈曲亀裂成長性が100以上
(c)転がり抵抗変化率が100以上
(d)静的空気圧低下率(%/月間)が2.6以下
判定Bは、次の条件のいずれか1つを満たす場合をいう。複数の判定に該当する場合は、評価の低い方を採用した。
(a)エアーイン評価がBまたはC評価
(b)屈曲亀裂成長性が100未満評価
(c)転がり抵抗変化率が100より低い
(d)静的空気圧低下率(%/月間)が2.7以上
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、乗用車用空気入りタイヤのほか、トラック・バス用、重機用等の空気入りタイヤの製造方法に適用できる。
1 積層体、2 インナーライナー、3 未加硫ゴムシート、4 裁断シート、5 ドラム、L ずらし距離(量)、11 空気入りタイヤ、12 トレッド部、13 サイドウォール部、14 ビード部、15 ビードコア、16 カーカスプライ、17 ベルト層、18 ビードエーペックス、19 インナーライナー、PL ポリマー積層体、PL1 第1層。

Claims (6)

  1. インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
    (a)未加硫ゴムシートと、前記未加硫ゴムシートの幅よりも広い幅を有するインナーライナーとを準備し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部が、前記インナーライナーの幅方向の両端部の内側に位置するように、前記インナーライナーの幅方向端部と前記未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
    (b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
    (c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、前記インナーライナーの幅方向の両端部が重複するように接合し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部を未加硫ゴム片を用いて接合する接合工程を有し、
    前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体60〜99質量%と、ポリアミドを分子鎖に含むショアD硬度が、70以下のポリアミド系ポリマー1〜40質量%とを含む熱可塑性エラストマー混合物100質量部に対して、有機化処理粘土鉱物0.1〜50質量部を含むポリマー組成物であり、厚さが0.05mm〜0.6mmである第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマー組成物よりなる、厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の積層体である空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物である請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記第1層の熱可塑性エラストマー混合物のポリマー成分中にエチレン−ビニルアルコール共重合体を15〜30質量%含む請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体がスチレン成分を10〜30質量%含んでいる請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記ポリアミド系ポリマーがポリアミド成分とポリエーテル成分からなるブロック共重合体である請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記未加硫ゴムシートはカーカスプライである請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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