JP6870224B2 - 熱可塑性エラストマー組成物および成形品 - Google Patents
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(1)少なくとも芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックとイソブチレンを主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体(A)およびDSC測定による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(B)を含む熱可塑性エラストマー組成物であって、前記ブロック共重合体(A)がジブロック共重合体およびトリブロック共重合体から選択される少なくともいずれかの共重合体であり、前記ブロック共重合体(A)における芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックの含有量が10〜40重量%であって、前記ブロック共重合体(A)と前記ポリアミド樹脂(B)の合計100重量部に対して、前記ブロック共重合体(A)を60〜90重量部および前記ポリアミド樹脂(B)を10〜40重量部含み、さらに前記ブロック共重合体(A)と前記ポリアミド樹脂(B)の合計100重量部に対して、前記ブロック共重合体(A)以外の反応性官能基を有するゴム質重合体(D)を1〜50重量部配合してなり、該ゴム質重合体(D)が酸無水物基を有するスチレン系ゴムであり、該ゴム質重合体(D)の酸無水物基の導入量がゴム質重合体(D)100質量部に対し0.1〜5質量部である、熱可塑性エラストマー組成物。
(2)前記熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品の、温度23℃、差圧0.15MPaにおける水素ガス透過係数が3.0×10−10cc・cm/cm2・s・cmHg以下であることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(3)前記熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品の、温度23℃、湿度50%の雰囲気下で、ASTM D2240−05準拠のショアD硬度が60以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(4)前記ポリアミド樹脂(B)が、ポリアミド6樹脂、ポリアミド610樹脂、およびポリアミド66樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(5)さらに銅化合物(C)を含有し、原子吸光分光法で決定される熱可塑性エラストマー組成物中の銅元素含有量が5〜300ppmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる、成形品、
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を押出成形してなる、中空成形品。
各実施例および比較例で使用するポリアミド系樹脂の融点をDSC測定により求めた。まず、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用い、2点校正(インジウム、鉛)、ベースライン補正を行った。ポリアミド系樹脂を8〜10mg秤量し、昇温速度20℃/分の条件で昇温させ、昇温工程において観察される融解吸熱ピーク温度を融点とした。
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥した。そのペレットを550℃の電気炉で24時間灰化させ、その灰化物に濃硫酸を加えて加熱して湿式分解した後、分解液を希釈した。その希釈液を原子吸光分析(検量線法)することにより、銅元素含有量およびカリウム元素含有量を求めた。原子吸光分析計は島津製作所社製AA−6300を使用した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、住友重機械工業(株)製射出成形機(SE−75DUZ−C250)を用いて、金型温度80℃、射出速度40mm/秒、冷却時間20秒の成形条件で、80mm×80mm×1mmtの角板を成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、230℃−235℃−240℃−240℃に設定した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、住友重機械工業(株)製射出成形機(SE−75DUZ−C250)を用いて、金型温度80℃、射出速度40mm/秒、冷却時間20秒の成形条件で、80mm×80mm×1mmtの角板を成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、230℃−235℃−240℃−240℃に設定した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、住友重機械工業(株)製射出成形機(SE−75DUZ−C250)を用いて、金型温度80℃、射出速度40mm/秒、冷却時間20秒の成形条件で、厚さ2mmのJIS2号ダンベル試験片を成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、230℃−235℃−240℃−240℃に設定した。
各実施例および比較例により得られたペレットを、住友重機械工業(株)製射出成形機(SE−75DUZ−C250)を用いて、金型温度80℃、射出速度40mm/秒、冷却時間20秒の成形条件で、厚さ2mmのJIS2号ダンベル試験片を成形した。なお、射出成形機の温度は、ホッパ下から先端に向かって、230℃−235℃−240℃−240℃に設定した。
CuI/KI(重量比)=0.16の割合で含むポリアミド6樹脂マスターバッチ
ポリアミド6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM1010)100重量部に対して、ヨウ化銅2.0重量部、ヨウ化カリウム40%水溶液31.3重量部の割合で予備混合した後、日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D:45.5)で、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。その後、80℃で8時間真空乾燥し、銅含有量0.58重量%のマスターバッチペレットを作製した。
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体「(株)カネカ製“SIBSTAR”(登録商標)102T」(スチレン含量15.0%)(ブロック共重合体(A)に該当する。)
SEBS:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体「クレイトンポリマージャパン(株)製“クレイトン”(登録商標)G1645M」(スチレン含量12.0%)
SIS:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体「クレイトンポリマージャパン(株)製“クレイトン”(登録商標)D1117PT」(スチレン含量17.2%)
PA6:ポリアミド6樹脂「東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM1010」(融点224℃、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中25℃における相対粘度2.70)(ポリアミド(B)に該当する。)
PA系ポリマー1:ポリエーテルアミドエラストマー「宇部興産(株)製“UBESTA”(登録商標)9040X1」(融点135℃)
PA系ポリマー2:ポリエーテルアミドエラストマー「宇部興産(株)製“UBESTA”(登録商標)9048X1」(融点153℃)。
MAH−SEBS:無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体「クレイトンポリマージャパン(株)製“クレイトン”(登録商標)FG1924」(スチレン含量13.0%)(前記成分(A)以外の反応性官能基を有するゴム質重合体(D)に該当する。)
表1記載の原料を、シリンダー温度を240℃に設定し、ニーディングゾーンを2つ設けたスクリューアレンジとし、スクリュー回転数150rpmとした2軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(ここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給して溶融混練し、ダイから吐出後のガットを10℃に温調した水を満たした冷却バス中を15秒間かけて通過させることで急冷し構造を固定した後、ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。得られたペレットを用いて前記方法により評価した結果を表1に示した。
Claims (7)
- 少なくとも芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックとイソブチレンを主体とする重合体ブロックを含むブロック共重合体(A)およびDSC測定による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(B)を含む熱可塑性エラストマー組成物であって、前記ブロック共重合体(A)がジブロック共重合体およびトリブロック共重合体から選択される少なくともいずれかの共重合体であり、前記ブロック共重合体(A)における芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックの含有量が10〜40重量%であって、前記ブロック共重合体(A)と前記ポリアミド樹脂(B)の合計100重量部に対して、前記ブロック共重合体(A)を60〜90重量部および前記ポリアミド樹脂(B)を10〜40重量部含み、さらに前記ブロック共重合体(A)と前記ポリアミド樹脂(B)の合計100重量部に対して、前記ブロック共重合体(A)以外の反応性官能基を有するゴム質重合体(D)を1〜50重量部配合してなり、該ゴム質重合体(D)が酸無水物基を有するスチレン系ゴムであり、該ゴム質重合体(D)の酸無水物基の導入量がゴム質重合体(D)100質量部に対し0.1〜5質量部である、熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品の、温度23℃、差圧0.15MPaにおける水素ガス透過係数が3.0×10−10cc・cm/cm2・s・cmHg以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品の、温度23℃、湿度50%の雰囲気下で、ASTM D2240−05準拠のショアD硬度が60以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記ポリアミド樹脂(B)が、ポリアミド6樹脂、ポリアミド610樹脂、およびポリアミド66樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに銅化合物(C)を含有し、原子吸光分光法で決定される熱可塑性エラストマー組成物中の銅元素含有量が5〜300ppmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる、成形品。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を押出成形してなる、中空成形品。
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