JP2009214330A - 空気入りタイヤの加硫方法 - Google Patents

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  • Tires In General (AREA)
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Abstract

【課題】インナーライナーを熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物で形成した未加硫タイヤを加硫成形するときに、生産性を維持しながら、インナーライナーを損傷しないようにした空気入りタイヤの加硫方法を提供する。
【解決手段】上下のプラテン1,2間に上型11と下型12を配置した加硫金型10に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナーを備えた未加硫タイヤTを挿入し、その内側に挿入したブラダー16を加熱流体の圧入により膨張させて加硫成形するときに、ブラダー16内部の温度を前記インナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低くすると共に、プラテン1,2の温度を加硫成形サイクルの前半と後半とを変化させ、加硫前半のプラテン温度を前記融点より15℃以上高くし、加硫後半のプラテン温度を前記融点より5℃以上低くしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤの加硫方法に関し、さらに詳しくは、インナーライナーを熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物で形成した未加硫タイヤの加硫方法において、そのインナーライナーの加硫故障を効率的に抑制するようにした空気入りタイヤの加硫方法に関する。
一般に、チューブレスの空気入りタイヤは、タイヤ内面の空気透過防止用のインナーライナーがブチル系ゴムで形成されているが、ブチル系ゴムは比重が大きいためタイヤ軽量化の手法の一つとして、このインナーライナーに熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物を使用するようにした提案がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このように熱可塑性樹脂が主成分のフィルムをインナーライナーとした場合、タイヤ製造工程における加硫工程終了時に、加硫後のタイヤ内側からブラダーを収縮させて離脱するとき、未だ軟化状態にあるインナーライナーがブラダーに擦られて傷つくという問題がある。特に、タイヤビード部は両ビード部間の間隔がタイヤ内側よりも幅狭になっているため、ブラダーの収縮・離脱時に擦れが起こることが避けられず、インナーライナーを熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物で形成する場合の課題であった。
このようなブラダー離脱時のインナーライナーの損傷を防止する対策として、加硫サイクルのうち加硫後半にブラダー内部に冷却用の窒素ガスを導入して、タイヤ内表面の温度を熱可塑性樹脂の軟化点以下に下げるという方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このように熱交換用の媒体として、窒素ガスを使用する場合には、熱容量が小さいため、冷却効率が必ずしも高くなく、またタイヤ内側の全体を冷却するため、トータルの加硫サイクル時間が延長され、生産性が低下するという問題がある。
特開平08−258506号公報 特開2005−66861号公報
本発明の目的は、インナーライナーを熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物で形成した未加硫タイヤを加硫成形するときに、生産性を維持しながら、インナーライナーを損傷しないようにした空気入りタイヤの加硫方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤの加硫方法は、上下のプラテン間に上型と下型を配置した加硫金型に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナーを備えた未加硫タイヤを挿入し、該未加硫タイヤの内側に挿入したブラダーを加熱流体の圧入により膨張させて加硫成形する空気入りタイヤの加硫方法において、前記ブラダー内部の温度を前記インナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低くすると共に、前記プラテンの温度を加硫成形サイクルの前半と後半とを変化させ、加硫前半のプラテン温度を前記融点より15℃以上高くし、加硫後半のプラテン温度を前記融点より5℃以上低くしたことを特徴とする。
また、前記加硫金型のタイヤビード部付近に副室を設け、この副室に前記加硫成形サイクルの加硫後半に冷媒を流通させるとよい。前記加硫成形サイクルの加硫後半は、加硫サイクル終了時から30秒以上前に始まり、かつ加硫後半の加硫時間は、加硫サイクル時間の20〜30%にするとよく、冷媒としては、水を使用するとよい。
前記インナーライナーの構成材料の融点は、150〜280℃であるとよく、このような構成材料の主成分となる熱可塑性樹脂は、ナイロン6樹脂、ナイロン6/66共重合体、ビニルアルコール/エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
本発明の空気入りタイヤの加硫方法によれば、タイヤサイド部を成形する上型及び下型を介装する上下のプラテンの温度を加硫成形サイクルの加硫前半と加硫後半とで変化させ、加硫前半のプラテン温度を、インナーライナーの構成材料の融点より15℃以上高くしたので、加硫金型を介して未加硫タイヤの加硫を促進するため、加硫成形サイクルを短縮して生産性を向上する。また、ブラダー内部の温度をインナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低くすると共に、加硫後半のプラテン温度をインナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低くしたので、加硫金型を介して加硫タイヤのビード部の冷却を促進し、加硫終了時のインナーライナーの温度を低くすることにより、ブラターの収縮・離脱時の擦れによる損傷を効率的に抑制することができる。
本発明は、インナーライナーが熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物で構成された未加硫タイヤを加硫する方法に関し、図1は、その加硫方法を実施するために使用するタイヤ加硫装置の実施形態の一例を示す。
図1において、上部プラテン1と下部プラテン2との間に、セクショナル型金型からなる加硫金型10が介装されている。上部プラテン1及び下部プラテン2は、加熱温度の制御手段を有しており、加硫成形サイクルのうち加硫前半と加硫後半とでプラテン温度を変更できるように構成されている。加硫金型10は、タイヤ軸が鉛直方向にセットされ、未加硫タイヤTのサイド部を成形する上型11及び下型12とが上下に配置され、その径方向外周側にトレッド部を成形するセクター型13が周方向に複数に分割されて配置され、また径方向内周側にビード部を成形する上側ビードリング14及び下側ビードリング15が配置されている。この上側ビードリング14と下側ビードリング15には、ゴム袋状のブラダー16の端部が固定され、その内側に加熱流体が圧入することにより膨張するようになっている。また、この実施形態では、上型11と下型12との、タイヤビード部に相当する領域に、冷媒が環流する副室3が設けられている。なお、加硫金型としては、セクターが設けられていない上型と下型だけの2分割型金型であってもよい。
上記ブラダー16の両端部のうち、下端部は下側ビードリング15と下側ブラダークランプリング17との間に挟み込まれ、上端部は鉛直方向に移動自在の上側ブラダークランプリング18と補助リング19との間に挟み込まれている。そのため、閉型時には上側ブラダークランプリング18が下方位置に停止することでブラダー16を膨張可能にし、加硫時にスチームなどの加熱流体を圧入し、未加硫タイヤTを内側から金型内表面に押圧するようになっている。加硫終了後、加熱流体の排出によりブラダー16がクランプリング側にビード部内壁面を擦りながら収縮し、次いで開型すると上側ブラダークランプリング18が上方位置に移動することでタイヤ内側からブラダー16を引き出すようになっている。
加硫金型が、上記のように構成されているため、従来の方法で加硫を行なうと、加硫終了後、ブラダーの収縮に伴い、ブラダー外表面とタイヤ内表面との間で擦れが起きるため、タイヤ内表面の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる軟化状態のインナーライナーが傷を受けやすい。
本発明の加硫方法は、ひとつの未加硫タイヤを加硫するための加硫金型の閉缶から開缶までの加硫成形サイクルを加硫前半と加硫後半とに分け、加硫前半のプラテン温度を、インナーライナーを形成する構成材料、すなわち熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物の融点より15℃以上高く、好ましくは15〜20℃高くする。このように標準の加硫温度より高めに設定されているので、上型及び下型を介して、未加硫タイヤの加硫を促進することにより加硫成形サイクルを短縮し、生産性を向上する。
次いで、加硫後半のプラテン温度は、インナーライナーを形成する構成材料の融点より5℃以上低く、好ましくは5〜50℃低くする。このように標準の加硫温度より低い設定にするので、上型及び下型を介してタイヤを冷却することにより、加硫終了時のインナーライナーの軟化度を低下させ、ブラターの収縮・離脱時の擦れによるインナーライナーの傷付を防止する。
なお、本発明において、インナーライナーの構成材料の融点は、DSCにより昇温速度
10℃/分で測定される吸熱ピーク温度とする。
プラテンの加熱方式は、特に制限されるものではなく、例えば、電熱式、電磁誘導式、熱媒循環式などいずれであってもよい。また、温度制御方法は公知の手段のいずれであってもよい。
本発明の加硫方法において、加硫前半の加硫時間は、加硫サイクル時間の70〜80%の時間にするとよく、加硫後半の加硫時間は、加硫サイクル時間の20〜30%の時間にするとよい。加硫後半の加硫時間は、加硫サイクル時間の20%より短いと、インナーライナーを十分に冷却することができない。また、加硫後半の加硫時間が、加硫サイクル時間の30%より長いと生産性が低下する。
また、本発明の製造方法において、加硫前半と加硫後半とを通して、ブラダー内部の温度をインナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低く、好ましくは5〜50℃低くする。ブラダー内部の温度をこのように設定にすることにより、加硫終了時のインナーライナーの温度を低くして、ブラターの収縮・離脱時の擦れによる損傷を効率的に抑制することができる。なお、ブラダー内部の温度とは、ブラダー内部に圧入するスチームなどの加熱流体及び不活性ガスの温度とする。
なお、トレッド部分を加熱するジャケットを備えた金型を使用する場合には、加硫前半と加硫後半とを通して、ジャケット温度をインナーライナーの構成材料の融点より5〜50℃低い温度にするとよい。
上述した加硫方法は、プラテンの加熱部の制御により、加硫前半と加硫後半の温度を変化させているが、次のように加硫温度の変化を与えてもよい。
すなわち、加硫成形サイクルの加硫後半において、上型11及び下型12の副室3,3の内部に、インナーライナーの構成材料の融点より5℃以上、好ましくは5〜50℃低い温度にするための冷媒を流通させるとよい。このように低い温度の冷媒をビード部近傍の副室3,3の内部に流通させることにより、ビード部付近のインナーライナーを冷却することができる。また、上型11、下型12のいずれかの副室3にのみ冷媒を流通させてもよい。
副室の内部に流通させる冷媒としては、特に制限されるものではないが、水又は温水を使用するとよい。水又は温水の温度は、特に制限されるものではないが、好ましくは20〜30℃がよく、常温でもよい。このような水を流通させることにより、タイヤビード部を急速に冷却することができる。
なお、副室の大きさは、特に制限されるものではなく、例えば、タイヤ子午線方向の断面形状が、20×50mmから20×100mm程度であればよい。また、副室のタイヤ幅方向内側の壁面と上型11及び下型12の内表面との距離は、好ましくは5〜10mmにするとよく、タイヤビード部を効率的に冷却することができる。
本発明の加硫方法を適用する未加硫タイヤは、インナーライナーが熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成されている。熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物の融点は、特に制限されるものではないが、好ましくは150〜280℃であり、より好ましくは150〜225℃にするとよい。熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物の融点が、150℃未満であると、加硫時間が長くなり生産性が低下する。また、融点が280℃より高いと、本発明の加硫方法ではプラテンの設定温度が高過ぎるため、加硫故障を起こしやすくなる。
インナーライナーを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
また、本発明で使用する熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドして構成することができる。
本発明では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物の融点は、好ましくは150〜280℃であり、より好ましくは150〜225℃であるとよく、このような熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物中の熱可塑性樹脂としては、ナイロン6樹脂、ナイロン6/66共重合体、ビニルアルコール/エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性エラストマー組成物を構成するエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比で10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜85/15である。
本発明において、熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、第三成分として相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマーを分散させることによる。エラストマーを加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂又はエラストマーへの各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマーの混練およびエラストマーの動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec−1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の混合時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形又はカレンダー成形によって、フィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂又はエラストマーをフィルム化する方法にすればよい。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物のフィルムは、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、JIS K7100により定められるところの標準雰囲気中におけるヤング率を1〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これにより本発明の範囲が制限を受けるものではない。
タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを加硫成形するときに、融点が195℃の熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー(厚み0.1mm)を備えた未加硫タイヤを、ブラダー加硫成形機の加硫金型に所定の向きに挿入し、ブラダー内部に加熱流体として、155℃のスチーム(飽和)を3分、次いで常温、2.0MPaの窒素ガスを7分圧入して加硫成形することを共通条件とし、加硫前半(7分間)及び加硫後半(3分間)の上下プラテン温度、加硫後半における副室内への冷媒の流通の有無及び冷媒を流通させるときは冷媒である水の温度を表1に示すように異ならせた3種類の空気入りタイヤ(実施例1,2、比較例1)を100本ずつ加硫成形した。
なお、熱可塑性エラストマー組成物としては、ナイロン6/66共重合体(東レ社製アラミンCM6001、融点195℃)を40重量部、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(エクソンモービルケミカル社製MDX90−10)を60重量部、亜鉛華(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)を1重量部、ステアリン酸(日本油脂社製ビーズステアリン酸)を1重量部、をブレンドした組成物を用いた。
得られた3種類の空気入りタイヤ(実施例1,2、比較例1)のブラダー離脱後のビード部内側のインナーライナーの表面温度を測定すると共に、インナーライナー表面の擦れ故障の有無を目視観察し故障率を評価し、得られた結果を表1に示す。
本発明の空気入りタイヤの加硫方法において、未加硫タイヤを加硫金型にセットした一例を示すタイヤ子午線方向の断面図である。
符号の説明
1 上部プラテン
2 下部プラテン
3 副室
10 加硫金型
11 上型
12 下型
16 ブラダー
T 未加硫タイヤ

Claims (6)

  1. 上下のプラテン間に上型と下型を配置した加硫金型に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナーを備えた未加硫タイヤを挿入し、該未加硫タイヤの内側に挿入したブラダーを加熱流体の圧入により膨張させて加硫成形する空気入りタイヤの加硫方法において、
    前記ブラダー内部の温度を前記インナーライナーの構成材料の融点より5℃以上低くすると共に、前記プラテンの温度を加硫成形サイクルの前半と後半とを変化させ、加硫前半のプラテン温度を前記融点より15℃以上高くし、加硫後半のプラテン温度を前記融点より5℃以上低くした空気入りタイヤの加硫方法。
  2. 前記加硫金型のタイヤビード部付近に副室を設け、該副室に前記加硫成形サイクルの加硫後半に冷媒を流通させる請求項1に記載の空気入りタイヤの加硫方法。
  3. 前記加硫成形サイクルの加硫後半の加硫時間が加硫サイクル時間の20〜30%である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの加硫方法。
  4. 前記インナーライナーの構成材料の融点が150〜280℃である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ナイロン6樹脂、ナイロン6/66共重合体、ビニルアルコール/エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫方法。
  6. 前記冷媒が水である請求項2〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの加硫方法。
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