JP4433647B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラダーを備えた加硫機で空気入りタイヤを製造する方法に関し、更に詳しくは、加硫済みタイヤに対するブラダーの密着や外観損傷等の加硫故障を防止するようにした空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、空気入りタイヤを製造する場合、未加硫タイヤを金型内にセットした後、タイヤの内側に挿入したブラダーを膨らませて該タイヤを金型内面に押し付けた状態で加硫を行う。そして、加硫終了後、金型を開けて加硫済みタイヤを取り出すのである。
【0003】
しかしながら、上述のような空気入りタイヤの製造方法においては、タイヤを金型から取り出す際に、特にビード部でタイヤとブラダーとが互いに密着して、タイヤを取り外し難くなるという問題があった。特に、空気入りタイヤのインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた場合には、タイヤを金型から取り出す際に、ビード部の内表面を荒らしてしまうという故障も発生し易くなる。
【0004】
この対策として、離型性を向上するために内面離型剤(GIP)を厚く塗布するといった方法があるが、この方法ではタイヤ取り出し時に内面離型剤が金型内に落ちて次回の加硫タイヤの外観損傷を誘発したり、離型剤の使用量が増え、コストの増大及び作業環境への悪影響が懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加硫済みタイヤに対するブラダーの密着や外観損傷等の加硫故障を防止することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、金型内に未加硫の空気入りタイヤを挿入し、該タイヤの内側に挿入したブラダー内に所定圧力の加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させることにより、前記タイヤを金型内面に押し付けた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、前記ブラダーのタイヤビード部に当たる領域に凹部を設け、この凹部のタイヤ径方向内側の端部の位置を、タイヤ加硫終了時においてタイヤのビードトウから1mm以上タイヤ径方向内側に設定し、この凹部のタイヤ径方向外側の端部の位置を、タイヤ加硫終了時においてタイヤのビードトウから1mm以上タイヤ径方向外側にして最大でもタイヤのベルトエッジ部に当る所までに設定し、この凹部のタイヤビード側端部とタイヤクラウン側端部とを結んだ直線から凹部の底部までの深さを2mm以上100mm未満に設定して、前記領域の形状を、加硫終了後に前記加熱媒体を排出した状態では自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部から離れるような形状にすることを特徴とするものである。
【0012】
本発明者は、加硫済みタイヤに対するブラダーの密着が発生するメカニズムについて鋭意研究を重ねた結果、ブラダーとタイヤとの接触圧が特にビード部において高いため、加硫終了後においてブラダーが剥がれ難く、しかもブラダーがタイヤ内面に対して剪断方向に動くため、離間する方向に動く場合に比べてブラダーとタイヤ内表面との界面にかかる力が大きくなることを知見した。また、インナーライナー材料に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドからなる熱可塑性エラストマー組成物を用いた空気入りタイヤにおいては、加硫終了直後の内表面温度が高いので材料が軟化し、破壊されやすい状態にあることを知見した。
【0013】
この対策として、空気入りタイヤの加硫工程において、下記A,B,Cのうち少なくとも1つの作用を得るようにすれば良いのである。
【0014】
A.タイヤビード部におけるブラダー接触圧を下げる。
B.ブラダーをタイヤビード部から離間する方向に引き剥がす。
C.加硫終了後のタイヤ内表面温度を下げる。
【0016】
そこで、本発明のように、ブラダーのタイヤビード部に当たる領域の形状を、加硫終了後に加熱媒体を排出した状態では自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部から離れるような形状にすることにより、タイヤビード部に対する加硫時のブラダー接触圧が下がると共に、加硫終了後にブラダーがタイヤビード部から離間する方向に動作し、タイヤとブラダーとの間へのエアの流入が容易になるため、ブラダーの密着を防ぐことができる。また、ブラダーはタイヤビード部から離間する方向に動作し、ビード部の内表面にかかる力が小さくなるため、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の参考形態となる空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示すものである。
【0022】
このタイヤ加硫装置は、図1に示すように、未加硫の空気入りタイヤTを加硫するための下側金型1、上側金型2、下側ビードリング3及び上側ビードリング4を備えていると共に、タイヤT内に挿入されるブラダー5を把持する下側ブラダークランプ6及び上側ブラダークランプ7を備えている。下側ブラダークランプ6は下側ビードリング3と共にブラダー5の下側の内周端を把持するようになっている。一方、上側ブラダークランプ7はクランプリング8と共にブラダー5の上側の内周端を把持するようになっており、また不図示の中心機構によりタイヤ軸方向に上下動するようになっている。即ち、上側ブラダークランプ7が下方に移動するとブラダー5が膨径し、上側ブラダークランプ7が上方に移動するとブラダー5が縮径する。
【0023】
上記タイヤ加硫装置では、金型内に未加硫の空気入りタイヤTを挿入し、該タイヤTの内側にブラダー5を挿入し、そのブラダー5内に所定圧力の加熱媒体を供給して該ブラダー5を膨張させることにより、タイヤTを金型内面に押し付けた状態にする。そして、この状態でタイヤTを加熱して加硫を行うのである。
【0024】
上記タイヤ加硫装置において、ブラダー5を把持する一対のブラダークランプ6,7によるクランプ間隔D1 は、一対のタイヤビード部TBの相互間隔D2 よりも小さく設定されている。クランプ間隔D1 とは把持されたブラダー5の外表面位置の相互間隔であり、タイヤビード部TBの相互間隔D2 とは一対のビードトウの相互間隔であり、従来は間隔D1 と間隔D2 とが略等しくなるように設定されている。
【0025】
ブラダークランプ6,7によるクランプ間隔D1 を一対のタイヤビード部TBの相互間隔D2 よりも小さく設定する方法は、特に限定されるものではないが、クランプリング8の厚さを変更したり、図示のようにクランプリング8と上側ビードリング4との間にスペーサ9を挿入したり、或いは、上側ブラダークランプ7の位置を加硫時に中心機構のシリンダ等で調整したりすることが可能である。また、図では上側のクランプ位置だけを下げているが、これと同時に下側のクランプ位置を上げるようにしても良い。
【0026】
上述のようにブラダー5を把持する一対のブラダークランプ6,7によるクランプ間隔D1 を、一対のタイヤビード部TBの相互間隔D2 よりも小さくした状態で加硫を行うことにより、タイヤビード部TBに対する加硫時のブラダー接触圧が下がると共に、加硫終了後にブラダー5がタイヤビード部TBから離間する方向に動作し、タイヤTとブラダー5との間へのエアの流入が容易になるため、ブラダー5の密着を防ぐことができる。また、ブラダー5はタイヤビード部TBから離間する方向に動作し、タイヤビード部TBの内表面にかかる力が小さくなるため、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0027】
クランプ間隔D1 は、一対のタイヤビード部TBの相互間隔D2 よりも1mm以上、より好ましくは3mm以上狭くすると良い。この差が不十分であると上記効果が得られなくなる。但し、クランプ間隔D1 がタイヤビード部TBの相互間隔D2 の半分以下になると、ブラダー5がタイヤTに対して正常に当たらず加硫故障を生じ易くなる。
【0028】
図2は本発明の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示すものである。なお、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0029】
図2において、ブラダー5のタイヤビード部TBに当たる領域には凹部5aが形成されている。そのため、加硫終了後にブラダー5内の加熱媒体を排出した状態では、ブラダー5が自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部TBから離れるようになっている。
【0030】
上述のようにブラダー5のタイヤビード部TBに当たる領域に凹部5aを設けることにより、タイヤビード部TBに対する加硫時のブラダー接触圧が下がると共に、加硫終了後にブラダー5がタイヤビード部TBから離間する方向に動作し、タイヤTとブラダー5との間へのエアの流入が容易になるため、ブラダー5の密着を防ぐことができる。また、ブラダー5はタイヤビード部TBから離間する方向に動作し、タイヤビード部TBの内表面にかかる力が小さくなるため、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0031】
凹部5aのタイヤ径方向内側(ブラダークランプ側)の端部は、タイヤ加硫終了時において、タイヤTのビードトウから1mm以上内側にあれば上記効果を発生する。即ち、本発明では凹部5aのタイヤビード側端部とビードトウとの距離aは1mm以上に設定し、より好ましくは5mm以上に設定すると良い。
【0032】
凹部5aのタイヤ径方向外側(タイヤクラウン側)の端部は、タイヤ加硫終了時において、タイヤTのビードトウから1mm以上外側にあれば上記効果を発生する。即ち、本発明では凹部5aのタイヤクラウン側端部とビードトウとの距離bは1mm以上に設定し、より好ましくは5mm以上に設定すると良い。但し、最大でもタイヤのベルトエッジ部に当たる所までにする。これ以上、凹部5aを広げるとブラダー5のタイヤTへの当たりが悪くなり接触圧が不足する。しかし、この問題はブラダーゲージを薄くするといった方法で解決することが可能である。
【0033】
凹部5aのタイヤビード側端部とタイヤクラウン側端部とを結んだ直線から凹部5aの底部までの深さは、2mm以上あれば上記効果を発生する。即ち、本発明では凹部5aの深さcは2mm以上に設定し、より好ましくは10mm以上に設定すると良い。但し、深さcが100mm以上になると、ビード部の形状が出なくなるような加硫故障を生じ易くなる。
【0034】
上記のようにブラダー5のタイヤビード部TBに当たる領域に凹部5aを形成することが最も好ましく、本発明ではブラダー5のタイヤビード部TBに当たる領域の形状が、加硫終了後に加熱媒体を排出した状態では自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部TBから離れるような本発明の実施形態で示した形状にする。例えば、従来ではブラダー5のタイヤビード部TBに当たる領域が無負荷状態においてタイヤ側へ凸状に湾曲しているものを直線状に変更するだけでも多少の効果が得られる。
【0035】
図3は本発明の参考形態となる他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示すものである。なお、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0036】
この参考形態では、図3に示すように、加硫終了後、ブラダー5を把持するブラダークランプ6,7を、該ブラダー5がタイヤビード部TBから離間する方向に動作させるのである。より具体的には、加硫終了後、上側のタイヤビード部TBからブラダー5を離間させるために、上側ブラダークランプ7を矢印Xの方向に下降させる。その後、下側のタイヤビード部TBからブラダー5を離間させるために、上側ブラダークランプ7を矢印Yの方向に上昇させるのである。なお、下側ブラダークランプ6を上下動可能に構成した場合は、下側のタイヤビード部TBからブラダー5を離間させるために、下側ブラダークランプ6を上昇させても良い。
【0037】
上述のように、加硫終了後、ブラダー5を把持するブラダークランプ6,7を、該ブラダー5がタイヤビード部TBから離間する方向に動作させることにより、ブラダー5の密着を防ぐことができる。また、タイヤビード部TBの内表面にかかる力が小さくなるため、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0038】
ブラダー5をタイヤビード部TBから離間させるための動作手段及び順序は、ブラダー5がタイヤビード部TBから実質的に垂直方向に剥離される限り、特に限定されるものではない。また、ブラダークランプ6,7を動作させるタイミングは、加硫終了後、金型を開く前後のいずれでも良い。
【0039】
図4は本発明の参考形態となる更に他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示すものである。なお、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0040】
図4において、ビードリング3,4にはそれぞれ金型外部から内部に連通する連通孔10が形成されている。この連通孔10は金型外部に配設された不図示のエア供給源に接続されている。この参考形態では、加硫終了後、連通孔10を介してブラダー5とタイヤTとの間にエアAを吹き込むのである。
【0041】
上述のように、加硫終了後、ブラダー5とタイヤTとの間にエアAを吹き込むことにより、ブラダー5の密着を防ぐことができる。また、ブラダー5とタイヤTとを剪断力を与えることなく剥離し、同時にタイヤTの内表面温度を下げることができるので、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0042】
エアの圧力は0.01MPa以上であれば上記効果を発生し、好ましくは0.05MPa以上にすると良い。エアの吹き込み位置は、タイヤのビードトウとブラダークランプとの間の任意の位置に設定すれば良い。また、連通孔10からなる吹き出し口の加工方法及び形状は特に限定されるものではない。エアを吹き込むタイミングは、加硫終了後、金型を開く前後のいずれでも良い。
【0043】
図5は本発明の参考形態となる更に他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示すものである。なお、図1と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0044】
この参考形態では、加硫後期もしくは加硫終了後、ブラダー5の内部状態の変化に基づいてタイヤ内表面を冷却してからタイヤTを取り出すのである。
【0045】
タイヤ内表面を冷却する手段として、ブラダー5内に冷却媒体Fを導入することができる。冷却媒体Fとしては、窒素等の気体のほか、水等の液体を用いることが可能である。冷却媒体Fの温度は、ブラダー温度より低いことが必要であるが、その具体的な数値は特に限定されるものではなく、例えば常温の窒素や90℃の温水などを用いることが可能である。この冷却媒体Fは加硫用加熱媒体の導入経路を利用してブラダー5に循環させれば良い。
【0046】
より具体的には、ガス加硫方式の場合、加硫ステップの後半において、ブラダー5内に存在する高温・高圧ガスを、常温・高圧ガスに入れ替えて、タイヤ内表面温度を下げると良い。一方、飽和蒸気加硫方式の場合、加硫ステップの後半において、ブラダー5内に存在する飽和蒸気を、常温・高圧ガスに入れ替えて、タイヤ内表面温度を下げると良い。これらガス入れ替えの場合、図6に示すように、加硫終了時にブラダー内圧pを急激に低下させる以前に、タイヤ内表面温度tの低下を促進することができる。図6の破線部は、通常の加硫ステップにおけるタイヤ内表面温度を示すものである。また、熱容量が小さいガスに入れ替えるようにすれば、タイヤ内表面温度だけを低下させ、タイヤ内部の加硫進行を妨げない。それにより、タイヤの生産性の悪化を回避することができる。
【0047】
タイヤ内表面を冷却する他の手段として、ブラダー5内の加熱媒体の圧力を低下させ、その断熱膨張を利用することができる。
【0048】
より具体的には、ガス加硫方式の場合、加硫ステップの後半において、ブラダー5内の高温・高圧ガスの圧力を、ブラダー5が動かない程度に下げることにより、タイヤ内表面温度を下げると良い。一方、飽和蒸気加硫方式の場合、加硫ステップの後半において、ブラダー5内の飽和蒸気の圧力を、ブラダー5が動かない程度に下げることにより、タイヤ内表面温度を下げると良い。これらガス減圧の場合も、図7に示すように、加硫終了時にブラダー内圧pを急激に低下させる以前に、タイヤ内表面温度tの低下を促進することができる。図7の破線部は、通常の加硫ステップにおけるタイヤ内表面温度を示すものである。
【0049】
上述のように、加硫後期もしくは加硫終了後、ブラダー5の内部状態の変化に基づいてタイヤ内表面を冷却することにより、タイヤTの内表面温度を下げることができるので、特にインナーライナー材料に熱可塑性樹脂等を用いた空気入りタイヤの場合、材料の損傷を防ぐことができる。
【0050】
図1〜図5を用いて説明したタイヤ製造方法は、いずれも加硫済みタイヤに対するブラダーの密着や外観損傷等の加硫故障を防止するという共通の目的を持っているので、単独で実施しても良く、或いは、同時に組み合わせて実施しても良い。特に、インナーライナー材料に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドからなる熱可塑性エラストマー組成物を用いた空気入りタイヤの製造に適用すれば顕著な作用効果を得ることができる。勿論、インナーライナー材料にゴム組成物を用いた空気入りタイヤの製造にも適用可能である。
【0051】
また、上述の実施形態および各参考形態では上下2つ割りタイプの金型について説明したが、本発明はタイヤサイド部を成形する上型及び下型とタイヤトレッド部を成形する複数のセクターとを備えたセクショナルタイプの金型にも適用可能である。
【0052】
ここで、インナーライナー材料に用いる熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドからなる熱可塑性エラストマー組成物について説明する。
【0053】
本発明でインナーライナー材料に用いる熱可塑性樹脂は、空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下、好ましくは5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHg以下で、ヤング率が1〜500MPa、好ましくは10〜300MPaのものである。空気透過係数が25×10-12 cc・cm/cm2 ・sec ・cmHgを超えると、タイヤ空気圧を保持するための空気透過防止層の厚さを厚くしなければならい。また、ヤング率が1MPa未満であるとタイヤ成形時に皺などが発生して成形加工性が低下し、逆に500MPaを超えると耐久性の観点から好ましくない。
【0054】
そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、それらのN−アルコキシアルキル化物〔例えば6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタアクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができ、2種以上であっても良い。
【0055】
本発明で使用されるインナーライナー材料は、上記熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドしたものであっても良い。熱可塑性樹脂とブレンドすることができるエラストマー成分としては、熱可塑性樹脂とブレンドした状態で組成物をなし、結果として上記空気透過係数及びヤング率を有するものであれば、その種類及び量は特に限定されない。
【0056】
そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができ、2種以上であっても良い。
【0057】
特定の熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を添加するのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散相を形成しているエラストマー成分の粒子が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すれば良いが、通常使用されるものにはスチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM:EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の総和)100重量部に対して、0.5〜10重量部が良い。
【0058】
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めれば良いが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/90〜90/10、更に好ましくは15/85〜90/10である。
【0059】
インナーライナー材料には、上記必須ポリマーに加えて、タイヤ用ポリマー組成物の必須特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。また、インナーライナー材料には、更に一般的にポリマー組成物に配合される充填剤、カーボンブラック、石英粉体、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタンなどを上記空気透過係数及びヤング率の要件を損なわない限り任意に配合しても良い。
【0060】
また、エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すれば良く、特に限定されるものではない。
【0061】
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr程度用いることができる。
【0062】
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。
【0063】
加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr程度)等が使用できる。
【0064】
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)として分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は1000〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によってシート状のフィルムに成形される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良い。
【0065】
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、熱可塑状態での加工が可能となり、かつフィルムに分散相からなるエラストマー成分による柔軟性と連続相からなる熱可塑性樹脂による剛性を併せて付与することができる。また、エラストマー成分の多少に因らず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を有するため、通常の樹脂用成形機を用いて、即ち押出し成形またはカレンダー成形によって、フィルム化することが可能である。
【0066】
上述した熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂エラストマー組成物のフィルムとタイヤ内表面のゴム層との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを作製しておき、加硫時にゴムと接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205、ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
【0067】
タイヤサイズ195/60R15でインナーライナー材料に熱可塑性樹脂を用いた空気入りタイヤを、下記従来例、実施例及び参考例1〜5の方法によりそれぞれ製造した。
【0068】
従来例:
金型内に未加硫の空気入りタイヤを挿入し、該タイヤの内側に挿入したブラダー内に所定圧力の加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させることにより、タイヤを金型内面に押し付けた状態で加硫を行った。
【0069】
参考例1:図1に示すように、ブラダーを把持する一対のブラダークランプによるクランプ間隔を、一対のタイヤビード部の相互間隔よりも小さくした状態で加硫を行うこと以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。クランプ間隔D1 は従来の140mmを変更して134mmとし、タイヤビード部の相互間隔D2 は従来と同様に140mmとした。
【0070】
実施例:図2に示すように、ブラダーのタイヤビード部に当たる領域に凹部を設けたこと以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。凹部のタイヤビード側端部とビードトウとの距離aは5mmとし、凹部のタイヤクラウン側端部とビードトウとの距離bは5mmとし、凹部の深さcは10mmとした。
【0071】
参考例2:図3に示すように、加硫終了後、ブラダーを把持するブラダークランプを、該ブラダーがタイヤビード部から離間する方向に動作させること以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。より具体的には、上側ブラダークランプを一旦下降させてから、上昇させてタイヤ内からブラダーを剥離した。
【0072】
参考例3:図4に示すように、加硫終了後、ブラダーとタイヤとの間にエアを吹き込むこと以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。エアの吹き出し口はタイヤ周方向の4箇所に設け、その圧力は0.2MPaとした。
【0073】
参考例4:図5に示すように、加硫後期以降に、ブラダー内に冷却媒体を導入すること以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。冷却媒体としては、常温の窒素を用いた。
【0074】
参考例5:図5と同様の装置を用いて、加硫後期以降に、ブラダー内の加熱媒体の圧力をブラダーが動かない程度に下げること以外は、従来通りの方法でタイヤを製造した。
【0075】
上述した従来例、実施例及び参考例1〜5において加硫済みタイヤを金型内から取り出し、下記評価基準に基づいて、ブラダーの密着状態及びインナーライナー材料の損傷状態をそれぞれ評価した。
【0076】
ブラダーの密着状態
×:密着して、タイヤの取り出し不良に至る。
△:やや密着するものの、正常に生産できる。
○:全く密着しない。
インナーライナー材料の損傷状態
×:損傷がある。
△:若干の損傷は認められるが、性能及び外観に影響がない。
○:損傷がない。
【0077】
【表1】
この表1から判るように、実施例及び参考例1〜5では加硫済みタイヤに対するブラダーの密着や外観損傷等の加硫故障を防止することができた。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ブラダーを膨張させてタイヤを金型内面に押し付けた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、ブラダーのタイヤビード部に当たる領域の形状を、加硫終了後に加熱媒体を排出した状態では自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部から離れるような形状にすることにより、加硫済みタイヤに対するブラダーの密着や外観損傷等の加硫故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考形態となる空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示す断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示す断面図である。
【図3】本発明の参考形態となる他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示す断面図である。
【図4】本発明の参考形態となる更に他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示す断面図である。
【図5】本発明の参考形態となる更に他の空気入りタイヤの製造方法を実施するためのタイヤ加硫装置を示す断面図である。
【図6】加硫後期以降にブラダー内に冷却媒体を導入した場合のタイヤ内表面温度とブラダー内圧を経時的に示すグラフである。
【図7】加硫後期以降にブラダー内の加熱媒体の圧力を低下させた場合のタイヤ内表面温度とブラダー内圧を経時的に示すグラフである。
【符号の説明】
1 下側金型
2 上側金型
3 下側ビードリング
4 上側ビードリング
5 ブラダー
5a 凹部
6 下側ブラダークランプ
7 上側ブラダークランプ
8 クランプリング
9 スペーサ
10 連通孔
T 空気入りタイヤ
TB タイヤビード部

Claims (4)

  1. 金型内に未加硫の空気入りタイヤを挿入し、該タイヤの内側に挿入したブラダー内に所定圧力の加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させることにより、前記タイヤを金型内面に押し付けた状態で加硫を行う空気入りタイヤの製造方法において、前記ブラダーのタイヤビード部に当たる領域に凹部を設け、この凹部のタイヤ径方向内側の端部の位置を、タイヤ加硫終了時においてタイヤのビードトウから1mm以上タイヤ径方向内側に設定し、この凹部のタイヤ径方向外側の端部の位置を、タイヤ加硫終了時においてタイヤのビードトウから1mm以上タイヤ径方向外側にして最大でもタイヤのベルトエッジ部に当る所までに設定し、この凹部のタイヤビード側端部とタイヤクラウン側端部とを結んだ直線から凹部の底部までの深さを2mm以上100mm未満に設定して、前記領域の形状を、加硫終了後に前記加熱媒体を排出した状態では自己の弾性回復力に基づいてタイヤビード部から離れるような形状にしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 加硫終了後、前記ブラダーを把持するブラダークランプを、該ブラダーがタイヤビード部から離間する方向に動作させる請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 加硫終了後、前記ブラダーと前記タイヤとの間にエアを吹き込む請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記空気入りタイヤのインナーライナー材料に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドからなる熱可塑性エラストマー組成物を用いた請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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