JP2009208394A - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、生産性の悪化を招くことなく、インナーライナー層の擦れ故障を改善することが可能な空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10をタイヤ内面に配置したグリーンタイヤTを成形した後加硫機30の金型31内で加硫する際に、ブラダーがない加硫機30を使用し、グリーンタイヤTの空洞部T2内に加熱媒体を供給し、グリーンタイヤTに加熱媒体を直接接触させて加硫する。
【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法及びその方法により製造された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層の擦れ故障を改善するようにした空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤに関する。
従来、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをインナーライナー層として用いた空気入りタイヤが周知である(例えば、特許文献1,2参照)。これによりインナーライナー層を軽量化し、燃費を向上することができる利点がある。
ところで、空気入りタイヤは、加硫時にブラダーを使用して製造することが一般に行われている。上記のように熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをインナーライナー層に使用した空気入りタイヤも同様に製造されるが、その場合、加硫終了時にインナーライナー層が軟化して柔らかくなっているため、ブラダーを収縮させた時に擦れてインナーライナー層の内面に傷がつくという擦れ故障が発生し易い。
その対策として、インナーライナー層の軟化を防ぐために、ブラダー内に供給する加熱媒体の温度を低くするようにした技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。これにより加硫終了時のインナーライナー層の軟化を防ぎ、それにより擦れ故障の発生を回避するようにしている。しかしながら、このように加熱媒体の温度を低くすると、加硫時間が延びるため生産性が悪化する。
WO2005/007423号公報 特開2002−283808号公報 特開2005−66861号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層を有する空気入りタイヤにおいて、生産性の悪化を招くことなく、インナーライナー層の擦れ故障を改善することが可能な空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層をタイヤ内面に配置したグリーンタイヤを成形した後加硫機の金型内で加硫する空気入りタイヤの製造方法において、前記加硫機はブラダーレス構造に構成され、前記グリーンタイヤを加硫する際に、該グリーンタイヤの空洞部内に加熱媒体を供給し、グリーンタイヤに加熱媒体を直接接触させて加硫することを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、上記空気入りタイヤの製造方法により製造することを特徴とする。
上述した本発明によれば、ブラダーを使用せずにグリーンタイヤを加硫するため、ブラダーによる擦れが発生することがない。従って、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層のブラダーに起因する擦れ故障を改善することができる。また、加硫時に供給する加熱媒体の温度を低下させる必要がないので、加硫時間が延びて生産性の悪化を招くようなこともない。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。
左右のビード部3間にタイヤ径方向に延在する補強コードをタイヤ周方向に所定の間隔で配置してゴム層に埋設したカーカス層4が延設され、その両端部がビード部3に埋設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。
トレッド部1のカーカス層4の外周側には、複数のベルト層7が設けられている。ベルト層7の外周側にはトレッドゴム層8が配設されている。カーカス層4の内側にタイゴム層9を介して熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム状のインナーライナー層10が配置されている。タイヤ内面に配置されるインナーライナー層10は、左右のビード部3まで延在している。
サイドウォール部2のカーカス層4の外側にはサイドゴム層11が配設されている。ビード部3のカーカス層4の折り返し部外側にはリムクッションゴム層12が設けられている。
以下、図2〜4を参照しながら、図1の空気入りタイヤを本発明の製造方法により製造する方法を説明する。
先ず、従来と同様にして、図1に示す構造を有するグリーンタイヤを製造する。即ち、図2に示すように、成形ドラム21上に筒状のインナーライナー層10、未加硫のタイゴム層9、未加硫のカーカス層4、未加硫のビードフィラー6を外周側に配置したビードコア5、未加硫のリムクッションゴム層12、未加硫のサイドゴム層11を取り付けて、筒状の第1成形体13を成形する。
この成形された第1成形体13を成形ドラム21から外して、図3に示すようにシェーピングドラム22に取り付けて内圧を付与し、それにより第1成形体13をトロイダル状に膨張させて、第1成形体13の外周側に配置した、未加硫のベルト層7の外周側に未加硫のトレッドゴム層8を貼り合わせた環状の第2成形体14の内周側に圧着し、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10をタイヤ内面に配置したグリーンタイヤを成形する。
次いで、図4に示すように、成形したグリーンタイヤTを加硫機30の金型31内で加熱して加硫する。ここで使用する加硫機30は、ブラダーを有していないブラダーレス構造になっている。また、加硫機30はグリーンタイヤTの両ビード部T1を金型31に押し付けるための上下の押し付け部材32を有している。環状に配置される複数の押し付け部材32は、リンク機構33を介してビード部T1の押さえ位置と待機位置との間を移動するようになっている。
グリーンタイヤTを金型31内にセットし、押し付け部材32によりビード部T1を金型31の内面に押し付けると共に、ビード部T1まで延在するインナーライナー層10の端部10Aを押さえる。この状態で、グリーンタイヤTの空洞部T2内に加圧媒体と加熱媒体を順次供給し、グリーンタイヤTに直接媒体を接触させて加硫し、図1に示す空気入りタイヤを得る。
このように本発明では、ブラダーを使用せずにグリーンタイヤTを加硫するため、ブラダーによる擦れが発生することがない。従って、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層10を有する空気入りタイヤにおいて、ブラダーに起因するインナーライナー層10の擦れ故障を改善することができる。加硫時の加熱媒体の温度を下げる必要もないため、加硫時間が延びて生産性が悪化することもない。
また、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム状のインナーライナー層10は、ゴムより剛性が高いため、タイヤ内面に配置するとその端部で剥がれが生じ易いが、このように押し付け部材32によりインナーライナー層10の端部10Aを押さえながら加硫することにより、端部10Aの剥がれを抑制することができる。
本発明において、図5に示すように、インナーライナー層端部10Aの端末10Eの位置としては、ビードトウT1xから5〜30mm離れた範囲とすることができる。端末10Eが5mm未満の位置にある(インナーライナー層が長くなる)と、図2に示すように成形ドラム21より縮径した状態となるインナーライナー層端部10Aに皺が発生し易くなり、エア溜まりの原因となる。逆に30mmを超えると、インナーライナー層10がない部分からの空気漏れ量が多くなり、好ましくない。なお、ここで言う距離は、タイヤ子午線断面においてタイヤ内面に沿って測定した長さである。
押し付け部材32がインナーライナー層10の端部10Aを押さえる量としては、タイヤ子午線断面においてタイヤ内面に沿って測定される押さえ長さMが5mm以下となるようにするのがよい。長さMが5mmを超えると、押さえ量が過度になるため、押し付け部材32との間に擦れの問題が発生するおそれがある。押し付け部材32は、必ずしもインナーライナー層10の端部10Aを押さえる必要はないが、端部10Aの剥がれを効果的に抑制するためには、5mm以下の範囲で押さえるのがよい。
押し付け部材32は、好ましくは図6に示すように、インナーライナー層10の端部10Aを押さえる押さえ面32xの部分x1に少なくとも、所定の間隔で配置した高さhが0.2〜1.0mmの凸部34を有するようにするのがよい。このように微小な凸部34を設けた押さえ面32xを有する押し付け部材32によりインナーライナー層10の端部10Aを押さえることにより、その端部10Aをタイヤ内に食い込ませた状態で加硫することができるので、端部10Aの剥がれを一層抑制することができる。
凸部34の高さhが0.2mmより低いと、端部10Aを効果的に食い込ませることが難しくなる。逆に1.0mmより高いと、カーカス層4の補強コードに悪影響を与える。好ましくは、高さhを0.3〜0.5mmの範囲にするのがよい。
凸部34は、図示する例では半球状の突起に形成されているが、その形状は特に限定されず、インナーライナー層10の端部10Aを凸部34により押し込んでタイヤ内に食い込ませた状態にできれば、いずれの形状の凸部であってもよい。例えば、細長く延在する突起であってもよく、環状に配置される複数の押し付け部材32に均等に配分するのがよい。
本発明では、インナーライナー層10に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂の成分にエラストマー成分を混合して構成することができる。使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブラジエンゴム(SBR)、ブラジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15である。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、第三成分として相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマー成分を分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は2500〜7500Sec -1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂押出機による成形またはカレンダー成形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によればよい。
このようにして得られる熱可塑性エラストマーの薄膜は、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、JIS K7100により定められるところの標準雰囲気中におけるヤング率を1〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
タイヤサイズを215/45R17で共通にし、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)からなるインナーライナー層(端末はビードトウから15mm離れた位置)をタイヤ内面に配置したグリーンタイヤを各20本、以下に示す本発明方法1(実施例1)と従来方法1,2(従来例1,2)に従って加硫し、空気入りタイヤを得た。
本発明方法1は、ブラダーを使用せずに、グリーンタイヤの空洞部内に、1.8MPaのスチームを3分間循環させ、次いで2.0MPaの窒素ガスを7分間循環させた後、0.5分間排気する加硫仕様で、押し付け部材によりインナーライナー層の端部を押さえずにビード部のみを押さえた状態でグリーンタイヤを加硫するものである。
従来方法1,2は、いずれもブラダーを使用する加硫方法で、従来方法1はブラダー内に、上記と同様に、1.8MPaのスチームを3分間循環させ、次いで2.0MPaの窒素ガスを7分間循環させた後、0.5分間排気する加硫仕様でグリーンタイヤを加硫し、従来方法2はブラダー内に、1.8MPaのスチームを1.5分間循環させ、次いで2.0MPaの窒素ガスを9分間循環させた後、0.5分間排気する加硫仕様でグリーンタイヤを加硫したものである。いずれの方法も金型温度は170度で共通である。
得られた空気入りタイヤにおいて、目視により擦れ故障が発生した本数を調べたところ、表1に示す結果を得た。また、各方法により加硫した際のブローポイント(所望の加硫度に達するまでの時間)を調べたところ、表1に示す結果を得た。このブローポイントの時間が短いほど、加硫時間が短く、生産性が優れていることを意味する。
Figure 2009208394
表1から、本発明は、従来例2のように生産性を悪化させることなく、擦れ故障を改善できることがわかる。
タイヤサイズ及びタイヤ構造を実施例1と同じにし、以下に示す本発明方法2,3(実施例2,3)によりグリーンタイヤを各20本加硫し、空気入りタイヤを得た。
本発明方法2,3は、本発明方法1と同じ加硫仕様で、本発明方法2はインナーライナー層の端部を押さえる押さえ面部分に凸部がない押し付け部材によりインナーライナー層の端部を押さえた状態(押さえ長さが5mm)でグリーンタイヤを加硫し、本発明方法3は高さ0.3〜0.5mmの凸部を押さえ面部分に配列した押し付け部材によりインナーライナー層の端部を押さえた状態(押さえ長さが5mm)でグリーンタイヤを加硫するものである。
実施例1と同様にして、擦れ故障が発生したタイヤの本数とブローポイントを調べると共に、インナーライナー層端部に剥がれ故障が発生したタイヤの本数を調べたところ、表2に示す結果を得た。なお、本発明方法1により得られた空気入りタイヤのインナーライナー層端部に剥がれ故障が発生したタイヤの本数は3本である。
Figure 2009208394
表2から、本発明方法2は、剥がれ故障が発生したタイヤ本数が1本と少なく、押し付け部材によりインナーライナー層の端部を押さえることにより、インナーライナー層端部の剥がれを改善できることがわかる。また、本発明方法3は、剥がれ故障が発生したタイヤ本数が0本であり、微小の凸部を押さえ面部分に設けた押し付け部材によりインナーライナー層の端部を押さえることにより、インナーライナー層端部の剥がれを一層改善できることがわかる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法による製造される空気入りタイヤの一実施形態を示す部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、成形ドラム上に第1成形体を成形する工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、第1成形体を膨張させて第2成形体に圧着することによりグリーンタイヤを成形する工程を示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態において、加硫工程を示す説明図である。 ビード部を押し付ける押し付け部材の部分拡大断面図である。 (A)は凸部を設けた押し付け部材の押さえ面を示す説明図、(B)はその部分断面図である。
符号の説明
3 ビード部
10 インナーライナー層
10A 端部
10E 端末
30 加硫機
31 金型
32 押さえ部材
32x 押さえ面
34 凸部
M 押さえ長さ
T グリーンタイヤ
T1 ビード部
T1x ビードトウ
T2 空洞部
h 高さ
x1 部分

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるインナーライナー層をタイヤ内面に配置したグリーンタイヤを成形した後加硫機の金型内で加硫する空気入りタイヤの製造方法において、前記加硫機はブラダーレス構造に構成され、前記グリーンタイヤを加硫する際に、該グリーンタイヤの空洞部内に加熱媒体を供給し、グリーンタイヤに加熱媒体を直接接触させて加硫する空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記加硫機はグリーンタイヤのビード部を金型に押し付けるための押し付け部材を有し、該押し付け部材によりビード部を金型に押し付けた状態で加硫する請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記押し付け部材によりビード部まで延在するインナーライナー層の端部を押さえた状態で加硫する請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記押し付け部材がインナーライナー層の端部をタイヤ内面に沿って押さえる長さが5mm以下である請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記押し付け部材はインナーライナー層の端部を押さえる押さえ面部分に高さが0.2〜1.0mmの凸部を有する請求項3または4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記インナーライナー層端部の端末がビードトウから5〜30mm離れた位置にある請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法により製造した空気入りタイヤ。
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