WO2014087697A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

 インナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、ポリマー成分が、SIBSを5質量%以上70質量%以下ならびにゴム成分を30質量%以上95質量%以下含む第1ポリマー組成物を含む第1層と、ポリマー成分が、SISおよびSIBの少なくともいずれかを10質量%以上85質量%以下ならびにゴム成分を10質量%以上90質量%以下含む第2ポリマー組成物を含む第2層とを備え、第1層がタイヤ半径方向内側になるように配置されており、インナーライナーは、タイヤ最大幅位置からビードトウに亘るビード領域Rbの平均厚さGbより、タイヤ最大幅位置からベルト層端の対応位置Luに亘るバットレス領域Rsの平均厚さGsが薄い。

Description

空気入りタイヤ
 本発明は、インナーライナーを備えた空気入りタイヤに関する。
 近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られている。タイヤ部材のなかでも、タイヤ半径方向の内側に配置され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れの量(空気透過量)を低減して耐空気透過性を向上させる働きを有するインナーライナーにおいても、軽量化などが行なわれるようになってきた。
 現在、インナーライナー用ゴム組成物として、ブチルゴム70~100質量%および天然ゴム30~0質量%を含むブチル系ゴムを使用することで、タイヤの耐空気透過性を向上させることが行なわれている。また、ブチル系ゴムはブチレン以外に約1質量%のイソプレンを含み、これが硫黄、加硫促進剤、亜鉛華と相まって、隣接ゴムとの共架橋を可能にしている。上記ブチル系ゴムは、通常の配合では乗用車用タイヤでは0.6~1.0mm、トラック・バス用タイヤでは1.0~2.0mm程度の厚みが必要となる。
 そこで、タイヤの軽量化を図るために、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れ、インナーライナーの厚みを薄くすることができる熱可塑性エラストマーを、インナーライナーに用いることが提案されている。
 特開2008-174037号公報(特許文献1)は、カーカス層の内側に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとを含む熱可塑性エラストマー組成物の空気透過防止層を有する空気入りタイヤにおいて、ベルト層の最大幅端部近傍からタイヤ最大幅の領域Tsにおける空気透過防止層の平均厚さGsを、タイヤ最大幅とビードトゥの領域Tfにおける空気透過防止層の平均厚さGfよりも薄くし、屈曲耐久性を改善することが提案されている。しかしかかる構成では、カーカスプライのゴム層と空気透過防止層の間の剥離が生じることがある。
特開2008-174037号公報
 本発明は、耐空気透過性、耐クラック性能、乗り心地に優れ、転がり抵抗の低減された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
 本発明は、タイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、インナーライナーは、ポリマー成分が、スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体を5質量%以上70質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を30質量%以上95質量%以下含む第1ポリマー組成物を含む第1層と、ポリマー成分が、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソブチレンジブロック共重合体の少なくともいずれかを10質量%以上85質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を10質量%以上90質量%以下含む第2ポリマー組成物を含む第2層とを備え、第1層がタイヤ半径方向内側になるように配置されており、インナーライナーは、タイヤ最大幅位置からビードトウに亘るビード領域Rbの平均厚さGbより、タイヤ最大幅位置からベルト層端の対応位置Luに亘るバットレス領域Rsの平均厚さGsが薄い。
 本発明の空気入りタイヤにおいて好ましくは、インナーライナーのバットレス領域の平均厚さGsと、ビード領域の平均厚さGbの比(Gs/Gb)は、0.5以上0.7以下である。
 本発明の空気入りタイヤにおいて好ましくは、インナーライナーのバットレス領域の平均厚さGsは、0.06mm以上0.30mm以下である。
 本発明の空気入りタイヤにおいて好ましくは、第1ポリマー組成物および第2ポリマー組成物の少なくともいずれかは、ポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下、ステアリン酸を1質量部以上5質量部以下、酸化亜鉛を0.1質量部以上8質量部以下、老化防止剤を0.1質量部以上5質量部以下および加硫促進剤を0.1質量部以上5質量部以下含む。
 本発明によれば、耐空気透過性、耐クラック性能、乗り心地に優れ、転がり抵抗の低減された空気入りタイヤを得ることができる。
本発明の一実施の形態における空気入りタイヤの右半分を示す模式的断面図である。 本発明の一実施の形態におけるインナーライナーを示す模式的断面図である。 本発明の一実施の形態におけるインナーライナーを示す模式的断面図である。
<空気入りタイヤ>
 本発明の空気入りタイヤの一実施の形態を図に基づき説明する。図1は、乗用車用空気入りタイヤの右半分の断面図である。空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部3とビード部4とを有している。さらに、ビード部4にはビードコア5が埋設される。また、一方のビード部4から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア5のまわりに折り返して係止されるカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層7とが配置されている。
 ベルト層7は、通常、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなるプライの2枚をタイヤ周方向に対して、コードが通常5~30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。なおベルト層の両端外側には、トッピングゴム層を設け、ベルト層両端の剥離を軽減することができる。またカーカスプライはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスプライとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア5の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス8が配置される。また前記カーカスプライ6のタイヤ半径方向内側には一方のビード部4から他方のビード部4に亘るインナーライナー9が配置されている。
 インナーライナー9は、タイヤ最大幅位置LeからビードトウLtに亘るビード領域Rbのインナーライナー9の平均厚さGbより、タイヤ最大幅位置Leからベルト層端の対応位置Luに亘るバットレス領域Rsのインナーライナー9の平均厚さGsが薄くなるように形成されている。
 バットレス領域Rsにおけるインナーライナーの厚さを薄くすることで、タイヤ走行時に当該領域で、繰り返し屈曲変形に伴うせん断変形が生じても、その応力を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。
 屈曲変形による応力を効果的に緩和するには、インナーライナーのバットレス領域Rsの平均厚さGsと、ビード領域Rbの平均厚さGbの比(Gs/Gb)を0.5以上0.7以下とすることが好ましい。また空気圧保持性能を維持し、バットレス領域の応力を緩和する効果を兼備するには、インナーライナーのバットレス領域Rsの平均厚さGsは、0.06mm以上0.30mm以下であることが好ましい。
<インナーライナー>
 本発明の一実施の形態において、空気りタイヤに用いられるインナーライナーは第1層と第2層とを備える。
<第1層>
 第1層は、ポリマー成分が、スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体(以下、SIBSともいう)を5質量%以上70質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を30質量%以上95質量%以下含む第1ポリマー組成物を含む。
(SIBS)
 SIBSが有するイソブチレンブロックの寄与によって、SIBSからなるポリマーフィルムは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSを用いて作製されたインナーライナーは優れた耐空気透過性を有する。さらに、SIBSは芳香環以外の分子構造が完全飽和であるため、劣化硬化が生じにくく、優れた耐久性を有する。SIBSを用いた場合、フィルムの厚さを薄くすることができタイヤの軽量化が可能となり燃費の向上を達成できる。
 SIBSの分子量は特に制限されないが、SIBSのゴム弾性および流動性、インナーライナーへの成形加工性などの観点から、GPC測定による重量平均分子量が50,000~400,000であることが好ましい。重量平均分子量が50,000未満であると、SIBSのゴム弾性、引張強度および引張伸びが低下するおそれがある。また、400,000を超えると、SIBSの流動性の低下によりインナーライナーへの成形加工性(押出加工性など)が低下するおそれがある。SIBSは、耐空気透過性と耐久性をより良好にする観点から、SIBS中のスチレン成分の含有量が10~40質量%であることが好ましい。
 SIBSは、リビングカチオン重合法などの一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。
(ゴム成分)
 第1ポリマー組成物はゴム成分を含む。ゴム成分は第1ポリマー組成物に第2層との加硫前粘着性を与えることができる。さらに硫黄と加硫反応することにより、第1ポリマー組成物に第2層との加硫接着性を与えることができる。
 ゴム成分は天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む。なかでも破壊強度および接着性の観点から、天然ゴムを含むことが好ましい。ゴム成分の含有量はポリマー組成物のポリマー成分中、30質量%以上95質量%以下が好ましい。ゴム成分の含有量が30質量%未満であると、ポリマー組成物の粘度が高くなり押出加工性が悪化するため、第1層を薄くすることができないおそれがある。一方、ゴム成分の含有量が95質量%を超えると、ポリマーシートの耐空気透過性が低下するおそれがある。ゴム成分の含有量は加硫前粘着性および加硫接着性の観点から、ポリマー成分中70質量%以上90質量%以下が好ましい。
(硫黄)
 第1ポリマー組成物は硫黄を含むことが好ましい。硫黄は、ゴム工業において加硫時に一般的に用いられる硫黄を用いることができるが、中でも不溶性硫黄を用いることが好ましい。ここで不溶性硫黄とは、天然硫黄S8を加熱、急冷し、Sx(x=10万~30万)となるように高分子量化した硫黄のことをいう。不溶性硫黄を用いることで、通常、硫黄をゴム加硫剤として用いた場合に生じるブルーミングを防止することができる。
 硫黄の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。硫黄の含有量が0.1質量部未満であると、ゴム成分の加硫効果を得ることができない。一方、硫黄の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が高くなり、インナーライナーに用いた場合に、空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。硫黄の含有量は、さらに0.3質量部以上3.0質量部以下が好ましい。
(その他の添加剤)
 第1ポリマー組成物はステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を含むことができる。
 ステアリン酸はゴム成分の加硫助剤として機能する。ステアリン酸の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。ステアリン酸の含有量が1質量部未満であると、加硫助剤としての効果を得ることができない。一方、ステアリン酸の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物の粘度が低下し、破壊強度が低下するおそれがあるため好ましくない。ステアリン酸の含有量は、さらに1質量部以上4質量部以下が好ましい。
 酸化亜鉛はゴム成分の加硫助剤として機能する。酸化亜鉛の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下であることが好ましい。酸化亜鉛の含有量が0.1質量部未満であると、加硫助剤としての効果を得ることができない。一方、酸化亜鉛の含有量が8質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が高くなり空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。酸化亜鉛の含有量は、さらに0.5質量部以上6質量部以下が好ましい。
 老化防止剤は、酸化劣化、熱劣化、オゾン劣化、疲労劣化などの一連の劣化を防止する機能を有する。老化防止剤は、アミン類やフェノール類からなる一次老化防止剤と硫黄化合物やフォスファイト類からなる二次老化防止剤とに分類される。一次老化防止剤は各種ポリマーラジカルに水素を供与して自動酸化の連鎖反応を停止させる機能を有し、二次老化防止剤はヒドロキシペルオキシドを安定なアルコールに変えることにより安定化作用を示すものである。
 老化防止剤としては、アミン類、フェノール類、イミダゾール類、リン類またはチオウレア類などが挙げられる。上記の老化防止剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせても用いても良い。なかでも、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンを用いることが好ましい。老化防止剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。老化防止剤の含有量が0.1質量部未満であると、老化防止効果を得ることができない。一方、老化防止剤の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物にブルーミング現象が発生する。老化防止剤の含有量は、さらに0.3質量部以上4質量部以下が好ましい。
 加硫促進剤としては、チウラム類、チアゾール類、チオウレア類、ジチオカーバミン酸塩類、グアニジン類およびスルフェンアミド類などを用いることができる。上記の加硫促進剤は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。なかでも、ジベンゾチアジルスルフィドを用いることが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ポリマー成分100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、加硫促進効果を得ることができない。一方、加硫促進剤の含有量が5質量部を超えると、ポリマー組成物の硬度が高くなり空気入りタイヤの耐久性能が低下するおそれがある。さらに、ポリマー組成物の原料費が上昇する。加硫促進剤の含有量は、さらに0.3質量部以上4質量部以下が好ましい。
 第1ポリマー組成物は、補強剤、加硫剤、各種オイル、軟化剤、可塑剤、カップリング剤などの他の添加剤を含有することができる。
(第1層の厚さ)
 第1層の平均厚さは、0.05mm以上0.6mm以下が好ましい。第1層の厚さが0.05mm未満であると、インナーライナーを適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じるおそれがある。一方、第1層の厚さが0.6mmを超えると、タイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第1層の厚さは、好ましくは0.05mm以上0.4mm以下である。
 第1層は、ポリマー組成物を押出成形、カレンダー成形などの熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
 第1層のゴム組成物では、熱可塑性エラストマーであるSIBSがマトリックス相となりゴム成分が島相として分散している。これに硫黄などの添加剤成分が反応して島相であるゴム成分が架橋反応する。ゴム成分は押出機中で動的に架橋され、いわゆる動的架橋を形成する。押出機中でゴム成分が架橋しても系のマトリックス相は熱可塑性エラストマー成分からなるため系全体のせん断粘土は低く維持され、押出加工は可能となる。
<第2層>
 第2層は、ポリマー成分が、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体(以下、SISともいう)およびスチレン-イソブチレンジブロック共重合体(以下、SIBともいう)の少なくともいずれかを10質量%以上85質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を10質量%以上90質量%以下含む第2ポリマー組成物を含む。
(SIS、SIB)
 SISのイソプレンブロックおよびSIBのイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SISまたはSIBを含むポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISまたはSIBを含む第2層を備えるインナーライナーを用いることにより、インナーライナーとカーカスプライのゴム層との接着強度に優れる空気入りタイヤを得ることができる。これにより、空気入りタイヤの耐久性および乗り心地を向上させることができる。
 SISの分子量は特に制限はないが、SISのゴム弾性およびインナーライナーへの成形加工性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が100,000~290,000であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると、SISのゴム弾性、引張強度が低下するおそれがある。また、290,000を超えると、SISの流動性の低下によりインナーライナーへの成形加工性(押出加工性など)が低下するおそれがある。SIS中のスチレン成分の含有量は、SISの粘着性およびゴム弾性、ならびに第1層およびカーカスプライに対する第2層の接着強度の観点から、10~30質量%であることが好ましい。
 SISを構成する各ブロックの重合度は、SISのゴム弾性および取り扱い性の観点から、イソプレンブロックが500~5,000程度であることが好ましく、また、スチレンブロックが50~1,500程度であることが好ましい。SISは、リビングカチオン重合法などの一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。
 SIBとしては、直鎖状のものを用いることがゴム弾性、ならびに第1層およびカーカスプライに対する第2層の接着強度の観点から好ましい。SIBの分子量は特に制限はないが、SIBのゴム弾性およびインナーライナーへの成形加工性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が40,000~120,000であることが好ましい。重量平均分子量が40,000未満であると、SIBのゴム弾性、引張強度が低下するおそれがある。また、120,000を超えると、SIBの流動性の低下によりインナーライナーへの成形加工性(押出加工性など)が低下するおそれがある。SIB中のスチレン成分の含有量は、SIBの粘着性およびゴム弾性、ならびに第1層およびカーカスプライに対する第2層の接着強度の観点から、10~35質量%であることが好ましい。
 SIBは、リビングカチオン重合法などの一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができる。第2ポリマー組成物は、SISとSIBを含んでいてもよく、SISを含む層とSIB層を含む層との多層構造であってもよい。
(ゴム成分)
 第2ポリマー組成物はゴム成分を含む。ゴム成分は第2ポリマー組成物に第1層およびカーカスプライなどの隣接部材との加硫前粘着性を与えることができる。さらに硫黄と加硫反応することにより、ポリマー組成物に第1層およびカーカスプライなどの隣接部材との加硫接着性を与えることができる。ゴム成分は天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、なかでも破壊強度および接着性の観点から、天然ゴムを含むことが好ましい。
 ゴム成分の含有量はポリマー組成物のポリマー成分中、10質量%以上90質量%以下である。ゴム成分の含有量が10質量%未満であると、ポリマー組成物の粘度が高くなり押出加工性が悪化するため、第2層を薄くすることができないおそれがある。一方、ゴム成分の含有量が90質量%を超えると第2層の耐空気透過性が低下するおそれがある。ゴム成分の上記配合量の範囲において加硫前の粘着性および加硫後の接着性が改善される。(その他の添加剤)
 第2ポリマー組成物は第1ポリマー組成物と同様に、硫黄、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を含むことができる。その種類および配合量は、その要求特性に応じて適宜調整することができる。
(第2層の厚さ)
 第2層の平均厚さは、0.01mm以上0.3mm以下が好ましい。ここで、第2層の厚さは、第2層が1層で構成される場合は、その厚さを、第2層が2層構造など多層構造からなる場合は、多層構造の合計の厚さを意味する。第2層の厚さが0.01mm未満であると、インナーライナーを適用した生タイヤの加硫時に、第2層がプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下するおそれがある。一方、第2層の厚さが0.3mmを超えると、タイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第2層の厚さは、好ましくは0.05mm以上0.2mm以下である。
 第2層は、SISおよびSIBの少なくともいずれかと、任意で添加される添加剤を含むポリマー組成物を押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
 第2層のポリマー組成物では、熱可塑性エラストマーであるSIBまたはSISがマトリックス相となりゴム成分が島相として分散している。これに硫黄などの添加剤成分が反応して島相であるゴム成分が架橋反応する。ゴム成分は押出機中で動的架橋を形成する。マトリックス相は熱可塑性エラストマー成分からなるため系全体のせん断粘度は低く維持され、押出加工は可能となる。
(第1ポリマー組成物、第2ポリマー組成物の他のポリマー成分)
 第1ポリマー組成物および第2ポリマー組成物は、他のポリマー成分として、スチレン-イソプレン・ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・ブテン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン・エチレン・プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン・ブチレン-スチレン共重合体)およびこれらの熱可塑性エラストマーにエポキシ基を導入したものからなる群から選択される1種以上の熱可塑性エラストマーを混合できる。エポキシ基を有する熱可塑性エラストマーとしては、たとえば、エポキシ変性スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(具体例としては、エポキシ化SBS ダイセル化学工業(株)製「エポフレンド A1020」、重量平均分子量:10万、エポキシ当量:500等)などが挙げられる。<インナーライナーの構成>
 インナーライナーの構成を、図2および図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
 図2においてインナーライナー10は、第1層11および第2層12から構成される。インナーライナー10は、第2層12がカーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置される。これにより、タイヤの加硫工程において、第2層12とカーカスプライ61との接着強度を高めることができる。ポリマー積層体は、第1層のポリマー組成物と、第2層のポリマー組成物を用い、図2に示された順序でラミネート押出や共押出などの積層押出をして得ることができる。
(実施の形態2)
 図3においてインナーライナー10は、第1層11、第2層12およびゴムシート層13から構成される。インナーライナー10は、ゴムシート層13がカーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置される。これにより、タイヤの加硫工程において、ゴムシート層13とカーカスプライ61との接着強度を高めることができる。
<空気入りタイヤの製造方法>
 空気入りタイヤは、一般的な製造方法で作製することができる。すなわち、インナーライナー10を空気入りタイヤ1の生タイヤのインナーライナーに適用して他の部材とともに加硫成形することによって製造することができる。インナーライナー10を生タイヤに配置する際は、ポリマー積層体10の第2層12またはゴムシート層13が、カーカスプライ6に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。すなわち、第1層11をタイヤ半径方向内側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、第2層またはゴムシート層13とカーカスプライ6との接着強度が改善できる。
 ここで、インナーライナーの第1層および第2層を構成する熱可塑性エラストマーおよびゴム成分は、加硫中の温度、たとえば150~180℃において、金型内で軟化状態(固体と液体の中間状態)である。そのため、加硫後に金型を開放すると、熱可塑性エラストマーおよびゴム成分が軟化状態であるときには、インナーライナーの形状が変形してしまう。また、軟化状態時は固体状態時よりも反応性が高いため、隣接部材と粘着、接着してしまう場合がある。
 そこで加硫後に冷却工程を設けることが好ましい。冷却方法は、加硫後に直ちに120℃以下で10秒以上急冷することにより、熱可塑性エラストマーおよびゴム成分を固化することができる。冷却は温度が50~120℃の範囲でブラダー内を急冷する方法がある。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルより選択される1種以上を用いることができる。
 また、冷却時間は10~300秒が好ましい。冷却時間が10秒より短いと熱可塑性エラストマーおよびゴム成分が十分冷却されず、金型開放時にインナーライナーがブラダーに融着したままとなり、エアーイン現象が発生する虞がある。冷却期間が300秒を超えると生産性が悪くなる。冷却時間は30~180秒であることが好ましい。
[実施例1~5、比較例1~7]
<熱可塑性エラストマーの調製>
 第1層、第2層に用いるSIB、SIBSおよびSISを以下のとおり調製した。
(SIB)
 攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n-ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を-70℃に冷却した後、α-ピコリン(2-メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、-70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン-イソブチレンジブロック共重合体を得た。
 スチレン成分含有量:15質量%
 重量平均分子量:70,000
(SIBS)
 カネカ(株)社製のシブスターSIBSTAR 102T(ショアA硬度25、スチレン成分含有量25質量%、重量平均分子量:100,000)を用いた。
(SIS)
 クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
<空気入りタイヤの作製>
 表1および表2に示す配合処方にしたがって各配合剤を2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:200℃)に投入し、200rpmで混練してペレット化した。得られたペレットを用いて、表3に示す仕様で、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイギャップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃、フィルムゲージ:0.3mm)に投入して、インナーライナー用ポリマーシートを作製した。ここでインナーライナーのビード領域Rbとバットレス領域Rsで厚さを調整するために、ポリマーシートの押し出し口にプロファイルをつけて、バットレス領域の厚さGsを薄くした一体物のシートを作製した。
 得られたインナーライナー用ポリマーシートを、図1に示す基本構造を有する195/65R15サイズの空気入りタイヤに適用して生タイヤを製造し、次に加硫工程において、170℃で20分間プレス成型して製造した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
(注1)IIR:エクソンモービル(株)社製の「エクソンクロロブチル1066」。
(注2)NR:天然ゴム TSR20。
(注3)イソプレンゴム:日本ゼオン(株)社製の「Nipol IR2200」。
(注4)SIBS:カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102T」(スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量100,000、スチレン成分含有量25質量%、ショアA硬度25)。
(注5)ステアリン酸:花王(株)社製の「ステアリン酸ルナックS30」。
(注6)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)社製の「亜鉛華1号」。
(注7)老化防止剤:大内新興化学(株)社製の「ノクラック6C」(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)。
(注8)加硫促進剤:大内新興化学(株)社製の「ノクセラーDM」(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)。
(注9)硫黄:鶴見化学工業(株)社製の「粉末硫黄」。
(注10)SIS:クレイトンポリマー社製の「D1161JP」(スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量150,000、スチレン単位含有量15質量%)。
(注11)SIB:上記の<熱可塑性エラストマーの調製>で得られたSIB(スチレン-イソブチレンジブロック共重合体、重量平均分子量70,000、スチレン成分含有量15質量%)。<評価試験>
 インナーライナー用ポリマーシートおよび空気入りタイヤについて、以下の試験を行った。
(第1層と第2層との加硫接着力)
 インナーライナー用ポリマーシートを170℃で20分間加熱し、加硫接着力測定用のサンプルを作製した。引張剥離試験により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、実施例1を基準(100)として、各ポリマーシートの加硫接着力を指数で表示した。加硫接着力指数が大きいほど、加硫接着力が強く、好ましいことを示す。(加硫接着力指数)=(各配合の加硫接着力)/(比較例1の加硫接着力)×100
(静的空気圧低下率)
 空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300Kpaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率(%/月間)を計算した。
(転がり抵抗)
 (株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用い、空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/時間の条件下で、室温(38℃)にて走行させて、転がり抵抗を測定した。下記計算式により、比較例1を基準(100)として、各空気入りタイヤの転がり抵抗を指数で表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低減され、好ましいことを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)/(各空気入りタイヤの転がり抵抗)×100
(耐クラック性能)
 耐久走行試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準として、各空気入りタイヤの亀裂成長性を指数で表示した。指数の値が大きいほど、屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
(屈曲亀裂成長指数)=(比較例1の亀裂の数)/(各実施例の亀裂の数)×100
(乗り心地)
 タイヤを、排気量が2000cmである前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。なお、このタイヤの内圧を230kPaとした。この乗用車を、アスファルト製路面の上で、走行テストを行い、乗り心地についてドライバーによる官能評価を行った。なお、乗り心地については、衝撃吸収性を評価した。比較例1を基準(100)として指数で表示した。点数が高いほど、良好であることが表されている。
 結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
<評価結果>
 実施例1~4は、第1層に実施配合A1またはA2を、第2層に実施配合B1~B6のいずれかを用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤである。比較例1に比べて、第1層と第2層との加硫接着力、耐クラック性能、乗り心地が向上し、静的空気圧低下率および転がり抵抗は同等程度であった。
 比較例2は、第1層に比較配合A5、第2層に比較配合B8を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤである。第1層と第2層との加硫接着力、静的空気圧低下率、乗り心地、耐クラック性能は比較例1と同等あった。
 比較例3~5は、第1層に比較配合A6またはA7、第2層に比較配合B7またはB8を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤである。比較例1に比べて、第1層と第2層との加硫接着力が優れるが、静的空気圧低下率が不十分であった。
 実施例1および5、比較例6および7は、いずれも第1層に実施配合A1、第2層に実施配合B1を用いたインナーライナーを備えた空気入りタイヤである。Gs/Gfが実施例1は0.5、実施例5は0.7であり、比較例6は0.3、比較例7は1.0である。実施例1および5は、比較例1に比べて、第1層と第2層との加硫接着力、耐クラック性能、乗り心地が向上し、静的空気圧低下率および転がり抵抗が減少した。比較例6は、比較例1に比べて静的空気圧低下率が増加し、耐クラック性能が劣っていた。比較例7は、比較例1に比べて、転がり抵抗および静的空気圧低下率が増加し、耐クラック性能が劣っていた。
 本発明の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤのほか、トラック・バス用、重機用等の空気入りタイヤとして用いることができる。
 1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6,61 カーカスプライ、7 ベルト層、8 ビードエーペックス、9,10 インナーライナー、11 第1層、12 第2層、13 ゴムシート層、Rb ビード領域、Rs バットレス領域、Le タイヤ最大幅位置、Lt ビードトウ、Lu ベルト層端の対応位置。

Claims (4)

  1.  タイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤであって、
     前記インナーライナーは、
     ポリマー成分が、スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体を5質量%以上70質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を30質量%以上95質量%以下含む第1ポリマー組成物を含む第1層と、
     ポリマー成分が、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体およびスチレン-イソブチレンジブロック共重合体の少なくともいずれかを10質量%以上85質量%以下ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分を10質量%以上90質量%以下含む第2ポリマー組成物を含む第2層とを備え、
     前記第1層がタイヤ半径方向内側になるように配置されており、
     前記インナーライナーは、タイヤ最大幅位置からビードトウに亘るビード領域Rbの平均厚さGbより、タイヤ最大幅位置からベルト層端の対応位置Luに亘るバットレス領域Rsの平均厚さGsが薄い、空気入りタイヤ。
  2.  前記インナーライナーのバットレス領域の平均厚さGsと、ビード領域の平均厚さGbの比(Gs/Gb)は、0.5以上0.7以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3.  前記インナーライナーのバットレス領域の平均厚さGsは、0.06mm以上0.30mm以下である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4.  前記第1ポリマー組成物および第2ポリマー組成物の少なくともいずれかは、ポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下、ステアリン酸を1質量部以上5質量部以下、酸化亜鉛を0.1質量部以上8質量部以下、老化防止剤を0.1質量部以上5質量部以下および加硫促進剤を0.1質量部以上5質量部以下含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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