JPWO2005023140A1 - 義歯アタッチメント、並びに義歯及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
磁石体を内蔵した義歯アタッチメント91は、図10に示すごとく、人工歯81を固定した義歯床810に配設される。歯根側には、根面板82あるいはインプラント(図示略)に軟磁性材料よりなるキーパ92を配設する。これにより、義歯アタッチメント91を内蔵した義歯は、その磁気吸引力によってキーパ92に固定することができる。
また、それを実現するための、義歯アタッチメントを有する義歯の製造方法の開発も望まれていた。
該義歯アタッチメントは、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、
該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合していることを特徴とする義歯アタッチメントにある(請求項1)。
したがって、上記義歯アタッチメントを用いた義歯は、たとえ技工段階で模型上において完成させたとしても、咬合応力の集中を抑制することができる。
なお、勿論、技工段階で義歯アタッチメントを義歯に組み付けることなく、従来と同様に歯肉の沈み込みが安定してから歯科医によって義歯アタッチメントを義歯に組み付けるる手法を用いても、上述した再度の義歯の修正や義歯アタッチメントの再組み付けの必要性の低減効果を得ることが可能であることはいうまでもない。
さらに、上記義歯アタッチメントにおける吸着面は、後述する実施例にも示すように、平面状でも良いし、所定の曲率を持った凹曲面あるいは凸曲面とすることもできる。
上記義歯アタッチメントは、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、
該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合しており、
かつ、上記キャップを上記義歯床によって把持し、該キャップに対して上記アタッチメント本体部を進退可能に配設してなることを特徴とする義歯にある(請求項6)。
上記義歯アタッチメントとしては、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合している義歯アタッチメントを用い、
上記人工歯を上記義歯床に植設してなると共に、該義歯床に上記義歯アタッチメントを挿入配置するための配置穴を設けてなる義歯本体を作製する義歯本体作製工程と、
上記歯根部を含む歯茎の形状を模擬した模擬歯茎部に上記キーパを配設してなるキーパ側模型を作製するキーパ側模型作製工程と、
該キーパ側模型の上記キーパに、上記義歯アタッチメントの上記キャップの移動可能量の範囲内の厚みを有するスペーサを載置すると共に、該スペーサに上記ディスクが当接するように義歯アタッチメントを載置し、かつ、該義歯アタッチメントの上記キャップを上記当接位置に配置する義歯アタッチメントセット工程と、
接着剤を内部に塗布した上記配置穴内に上記義歯アタッチメントを収容するように、上記義歯本体を上記キーパ側模型に被せる義歯アタッチメント接着工程とを含むことを特徴とする義歯の製造方法にある(請求項7)。
[図2]実施例2における、義歯の構成を示す説明図。
[図3]実施例2における、義歯本体の構成を示す説明図。
[図4]実施例2における、キーパ側模型の構成を示す説明図。
[図5]実施例2における、キーパ側模型にスペーサ及び義歯アタッチメントをセットした状態を示す説明図。
[図6]実施例2における、義歯アタッチメント接着工程を行っている状態を示す説明図。
[図7]実施例2における、義歯アタッチメントを実際に使用開始した状態を示す説明図。
[図8]実施例3における、義歯アタッチメントの構成を示す説明図。
[図9]実施例4における、キーパ側模型にスペーサ及び義歯アタッチメントをセットした状態を示す説明図。
[図10]従来例における、義歯アタッチメントの使用状態を示す説明図。
[図11]従来例における、義歯を示す説明図。
[図12]従来例における、不具合を示す説明図。
この場合には、上記ヨーク、ディスク及びこれらの間のリング状接合部の存在によって、理想的な磁気回路を形成することができ、上記磁石体の磁力をより有効に利用することができる。
また、上記ディスクに適用可能な軟磁性材料としても、様々な軟磁性材料を適用可能であり、上記ヨークの場合と同様の材料を用いることができる。なお、上記ディスクと上記ヨークとの接合は、上記非磁性材料よりなるリング状接合部を用いて行う。具体的な接合方法としては溶接を適用することができる。
また、上記ヨーク内に内蔵する上記磁石体としては、単位体積あたりの起磁力が高い磁石を用いる。具体的には、例えば、Sm−Co系、Nd−Fe−B系をはじめとする高エネルギー積を持つ希土類磁石が好ましい。
このような構造を採用することによって、上記キャップと上記アタッチメント本体部の相対的な移動を実現することができると共に、その移動距離を上記つば部と上記内方突出部との係合によって容易に規制することができる。
なお、上記合成樹脂としては、例えば、POM(ポリオキシメチレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることができる。
本発明の実施例にかかる義歯アタッチメントにつき、図1を用いて説明する。
本例の義歯アタッチメント1は、図1に示すごとく、歯根部に設けた軟磁性材料よりなるキーパ92に磁気吸引力により接合されるよう、義歯床に配設される義歯アタッチメントである。
キャップ2は、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面112に当接した当接位置(A)と所定量離れた伸長位置(B)との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部100に係合している。
以下、これをさらに詳説する。
また、ヨーク11には、磁石体10を収容するための凹部110を切削加工により設けた。この凹部110の内径は、後述する磁石体10の外径に対応させた。また、この凹部110を設けた面の外周端の角部には、テーパ状の面取り部118を設けた。
また、上記ディスク12としては、軟磁性材料である19Cr−2Mo−0.2Ti−Feよりなる円板を用いた。そして、上記ヨーク11の凹部110に上記磁石体10を挿入した後、上記ディスク12を挿入し、その外周端をヨーク11に溶接して非磁性体よりなるリング状接合部19を設けて接合した。
なお、キャップ2は、POM(ポリオキシメチレン)により作製し、上記ヨーク11の頭部面112側からヨーク11に装着した。
本例では、図2〜図5に示すごとく、実施例1の義歯アタッチメントを用いて作製した義歯及びその製造方法につき説明する。
本例の義歯3は、図2に示すごとく、義歯床31に人工歯32を植設してなると共に、上記義歯床31に実施例1の義歯アタッチメント1を配設してなる。そして、キャップ2を上記義歯床31によって把持させ、キャップ2に対してヨーク11(アタッチメント本体部100)を進退可能に配設してなる。
また、図4に示すごとく、義歯3を装着しようとする歯根部を含む歯茎の形状を模擬した模擬歯茎部41にキーパ92を配設してなるキーパ側模型4を作製するキーパ側模型作製工程を行う。このキーパ側模型作製工程は、上記義歯本体作製工程の前後何れに行ってもよく、また、併行して行うことも可能である。
具体的には、同図に示すごとく、まず、キーパ側模型4の上記キーパ92に、上記スペーサ5を載置し、さらにその上に、キャップ2を当接位置に配した義歯アタッチメント1を載置する。このときディスク12をスペーサ5に当接させる。なお、本例では、上記のごとくスペーサ5が永久磁石よりなるので、キーパ92、スペーサ5及び義歯アタッチメント1の載置状態を安定させることができる。
そのため、図7に示すごとく、上記キーパ側模型4の元となった実際の歯茎88の歯根にキーパ92を配設し、これに義歯3を装着した際には、同図に示すごとく、ヨーク11がキャップ2に対してい相対的に前進してキーパ92に当接し、接合される。そのため、この使用初期段階では、キャップ2とヨーク11との間に一定の隙間Cが生じた状態となり、これが今後の経時変化に追従しうる余裕代となる。
本例は、図8、実施例1における義歯アタッチメントの形状等を変更した例である。
図8に示すごとく、まず、アタッチメント本体部100の吸着面106を凹曲面(球面状)により構成した。そして、アタッチメント本体部100に対面するキーパ92としても、上記吸着面106に密着可能な凸曲面(球面状)により構成した被吸着面926を採用する。さらに、上記キーパ92は、その被吸着面926と反対側の裏面中央からポスト部928を延設したタイプとした。
その他の構成は、実施例1と同様である。
その他は、実施例1と同様の作用効果が得られる。
本例では、図9に示すごとく、実施例3の義歯アタッチメントを用いて義歯を製造する方法につき説明する。
本例の製造方法は、基本的には実施例2に示した方法と同じであるが、スペーサ52の形状と材質を変更したものである。
すなわち、まず、実施例2と同様にして、義歯本体30を作製する義歯本体作製工程と、模擬歯茎部41にキーパ92を配設してなるキーパ側模型4を作製するキーパ側模型作製工程を行う。
その後の工程は実施例2と同様である。
その他は実施例2と同様の作用効果が得られる。
Claims (8)
- 歯根部に設けた軟磁性材料よりなるキーパに磁気吸引力により接合されるよう、義歯床に配設される義歯アタッチメントにおいて、
該義歯アタッチメントは、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、
該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合していることを特徴とする義歯アタッチメント。 - 請求項1において、上記アタッチメント本体部は、上記磁石体と、該磁石体を収容する凹部を有する軟磁性材料よりなるヨークと、上記凹部に上記磁石体を収容した状態で上記凹部の開口部を塞ぐように配置された軟磁性材料よりなるディスクと、該ディスクと上記ヨークとを接合する非磁性材料よりなるリング状接合部とを有してなり、上記ヨークの上記開口部を設けた面の反対側の面に位置する上記頭部面に、上記キャップが被せられていることを特徴とする義歯アタッチメント。
- 請求項1又は2において、上記アタッチメント本体部は、その外周側面に径方向外方に向けて突出したつば部を有しており、上記キャップは、上記頭部面に対面する底面部と上記アタッチメント本体部の上記外周側面に対面すると共に上記つば部を覆う側壁部とを有しており、かつ、該側壁部には上記ヨークの上記外周側面に向けて突出した内方突出部を有しており、上記キャップが上記伸長位置に位置した際に該内方突出部と上記つば部とが係合するように構成してあることを特徴とする義歯アタッチメント。
- 請求項3において、上記キャップの側壁部の外周面には、上記底面部から離れるにつれて縮径するテーパ面または/および外方に突出する外方突出部を設けてあることを特徴とする義歯アタッチメント。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記キャップは合成樹脂よりなることを特徴とする義歯アタッチメント。
- 義歯床に人工歯を植設してなると共に、歯根部に設けた軟磁性材料よりなるキーパに磁気吸引力により接合されるよう構成された義歯アタッチメントを上記義歯床に配設してなる義歯において、
上記義歯アタッチメントは、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、
該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合しており、
かつ、上記キャップを上記義歯床によって把持し、該キャップに対して上記アタッチメント本体部を進退可能に配設してなることを特徴とする義歯。 - 義歯床に人工歯を植設してなると共に、歯根部に設けた軟磁性材料よりなるキーパに磁気吸引力により接合されるよう構成された義歯アタッチメントを上記義歯床に配設してなる義歯を製造する方法であって、
上記義歯アタッチメントとしては、磁気吸引力を発揮する磁石体を内蔵しているアタッチメント本体部と、該アタッチメント本体部における上記キーパに接合させる吸着面とは反対側の面に位置する頭部面に被せられたキャップとよりなり、該キャップは、非磁性材料よりなると共に、上記頭部面に当接した当接位置と所定量離れた伸長位置との間において移動可能なように上記アタッチメント本体部に係合している義歯アタッチメントを用い、
上記人工歯を上記義歯床に植設してなると共に、該義歯床に上記義歯アタッチメントを挿入配置するための配置穴を設けてなる義歯本体を作製する義歯本体作製工程と、
上記歯根部を含む歯茎の形状を模擬した模擬歯茎部に上記キーパを配設してなるキーパ側模型を作製するキーパ側模型作製工程と、
該キーパ側模型の上記キーパに、上記義歯アタッチメントの上記キャップの移動可能量の範囲内の厚みを有するスペーサを載置すると共に、該スペーサに上記ディスクが当接するように義歯アタッチメントを載置し、かつ、該義歯アタッチメントの上記キャップを上記当接位置に配置する義歯アタッチメントセット工程と、
接着剤を内部に塗布した上記配置穴内に上記義歯アタッチメントを収容するように、上記義歯本体を上記キーパ側模型に被せる義歯アタッチメント接着工程とを含むことを特徴とする義歯の製造方法。 - 請求項7において、上記スペーサは、永久磁石又は軟磁性材料よりなることを特徴とする義歯の製造方法。
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