JP2002000627A - 義歯用磁性アタッチメントおよびその組立方法 - Google Patents
義歯用磁性アタッチメントおよびその組立方法Info
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- JP2002000627A JP2002000627A JP2000182869A JP2000182869A JP2002000627A JP 2002000627 A JP2002000627 A JP 2002000627A JP 2000182869 A JP2000182869 A JP 2000182869A JP 2000182869 A JP2000182869 A JP 2000182869A JP 2002000627 A JP2002000627 A JP 2002000627A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 支台歯掘孔部に吸着体を容易に且つ確実に接
着によって取り付けることができる歯科用磁性アタッチ
メントを得ることを目的とする 【解決手段】 磁石を所要の材料と構造を有する構造体
で封止した磁石構造体を装着した義歯と、支台歯に設置
する吸着体と前記磁石構造体との磁気吸引力で着脱可能
にした義歯用磁性アッタチメントにおいて、前記吸着体
は磁石構造体との吸着面とポスト部とからなることを特
徴
着によって取り付けることができる歯科用磁性アタッチ
メントを得ることを目的とする 【解決手段】 磁石を所要の材料と構造を有する構造体
で封止した磁石構造体を装着した義歯と、支台歯に設置
する吸着体と前記磁石構造体との磁気吸引力で着脱可能
にした義歯用磁性アッタチメントにおいて、前記吸着体
は磁石構造体との吸着面とポスト部とからなることを特
徴
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科の補修、補綴
に用いられる装置の内、磁石の磁力を利用した義歯維持
装置の磁性アタッチメントに関するもので、特に磁性ア
タッチメントの吸着体に係わるものである。
に用いられる装置の内、磁石の磁力を利用した義歯維持
装置の磁性アタッチメントに関するもので、特に磁性ア
タッチメントの吸着体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】歯科の分野における義歯の維持装置とし
ては種々の方法があり、クラウンやブリッジ、セメント
等による固定方法や、またこれらの可撤性を持たせたも
の等、機械的な力で義歯を維持する方法が用いられてき
ている。しかし近年では、高性能な磁石の開発によっ
て、小型でも強力な磁力を有する磁石が製造できるよう
になり、これを義歯の維持装置への適用が図られてきて
おり、義歯用磁性アタッチメントとして多くの臨床実績
を上げてきている。
ては種々の方法があり、クラウンやブリッジ、セメント
等による固定方法や、またこれらの可撤性を持たせたも
の等、機械的な力で義歯を維持する方法が用いられてき
ている。しかし近年では、高性能な磁石の開発によっ
て、小型でも強力な磁力を有する磁石が製造できるよう
になり、これを義歯の維持装置への適用が図られてきて
おり、義歯用磁性アタッチメントとして多くの臨床実績
を上げてきている。
【0003】義歯用磁性アタッチメントは、義歯の側に
装着される磁石構造体と歯肉側に装着された吸着体から
なり、その磁石構造体と吸着体との間で発生する磁気吸
着力によって着脱可能とするものである。図4は従来の
磁性アタッチメントを使用して義歯1aを装着する方法を
示したものである。また、図5はその磁石構造体の断面
を示す。磁石構造体1は義歯1aのレジン床6にレジンセ
メントを用いて装着されている。一方、患者の支台歯4
に金、銀合金等からなる根面板3がレジンセメントによ
って合着され、その根面板3の上部には吸着体2が埋設さ
れている。この吸着体2の埋設は根面板3の作成時の遠心
加圧鋳造等による鋳ぐるみによって行われ、吸着体2は
強固な維持力で根面板3に固定される。以上述べた構成
であるため、義歯1aを使用する際には、支台歯4に設
置した強磁性の吸着体2と磁石構造体1との磁気吸引力
により義歯1aは固定され、不要になると義歯1aを引
き離すことが出来る。
装着される磁石構造体と歯肉側に装着された吸着体から
なり、その磁石構造体と吸着体との間で発生する磁気吸
着力によって着脱可能とするものである。図4は従来の
磁性アタッチメントを使用して義歯1aを装着する方法を
示したものである。また、図5はその磁石構造体の断面
を示す。磁石構造体1は義歯1aのレジン床6にレジンセ
メントを用いて装着されている。一方、患者の支台歯4
に金、銀合金等からなる根面板3がレジンセメントによ
って合着され、その根面板3の上部には吸着体2が埋設さ
れている。この吸着体2の埋設は根面板3の作成時の遠心
加圧鋳造等による鋳ぐるみによって行われ、吸着体2は
強固な維持力で根面板3に固定される。以上述べた構成
であるため、義歯1aを使用する際には、支台歯4に設
置した強磁性の吸着体2と磁石構造体1との磁気吸引力
により義歯1aは固定され、不要になると義歯1aを引
き離すことが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】義歯用磁性アタッチメ
ントは、摩擦力や弾性力を利用せずに磁気吸引力のみで
維持するため、義歯の着脱時に支台歯に無理な力がかか
らず義歯の装着、撤去が容易であるほか、維持力が磁石
構造体と吸着体の吸着面に垂直な方向で作用しており、
吸着面に対する側方力や回転力を逃がす作用があり、義
歯の装着時の違和感を軽減するなど多くの利点を有す
る。しかしながら、磁性アタッチメントの義歯および支
台歯への取り付けは容易でなく、熟練した技工技術が要
求され、中でも支台歯に必要な根面板の作製と吸着体の
根面板への埋設が困難である。
ントは、摩擦力や弾性力を利用せずに磁気吸引力のみで
維持するため、義歯の着脱時に支台歯に無理な力がかか
らず義歯の装着、撤去が容易であるほか、維持力が磁石
構造体と吸着体の吸着面に垂直な方向で作用しており、
吸着面に対する側方力や回転力を逃がす作用があり、義
歯の装着時の違和感を軽減するなど多くの利点を有す
る。しかしながら、磁性アタッチメントの義歯および支
台歯への取り付けは容易でなく、熟練した技工技術が要
求され、中でも支台歯に必要な根面板の作製と吸着体の
根面板への埋設が困難である。
【0005】さらに吸着体2を根面板3に埋設する際に
は、金、銀合金等の根面板形成材料を各々の合金の融点
以上の温度で溶解し、吸着体を把持した石膏鋳型等に鋳
込むことにより吸着体を根面板に埋設することは、製造
工程が複雑になり、熟練した技工作業のみならず各種の
設備投資や、多大な作業時間及び患者への負担コストを
要する。また、上述の製造工程では充分な精度を得るこ
とが出来ず、そのため仕上げ工程を追加することもあ
る。
は、金、銀合金等の根面板形成材料を各々の合金の融点
以上の温度で溶解し、吸着体を把持した石膏鋳型等に鋳
込むことにより吸着体を根面板に埋設することは、製造
工程が複雑になり、熟練した技工作業のみならず各種の
設備投資や、多大な作業時間及び患者への負担コストを
要する。また、上述の製造工程では充分な精度を得るこ
とが出来ず、そのため仕上げ工程を追加することもあ
る。
【0006】上記のように、吸着体を高温に加熱された
根面板材料の鋳込みによって埋設する方法では、吸着体
が高温に加熱され、この熱影響によって吸着体自体の最
適な磁気特性の発現が困難になり、また根面板の鋳造応
力による吸着体の変形や、吸着体と根面板の境界に隙間
ができる鋳造欠陥が生じることが有る。これらの問題点
は磁性アタッチメントとしての吸引力を低下させるほ
か、口腔内環境での隙間腐食の発生を促している。
根面板材料の鋳込みによって埋設する方法では、吸着体
が高温に加熱され、この熱影響によって吸着体自体の最
適な磁気特性の発現が困難になり、また根面板の鋳造応
力による吸着体の変形や、吸着体と根面板の境界に隙間
ができる鋳造欠陥が生じることが有る。これらの問題点
は磁性アタッチメントとしての吸引力を低下させるほ
か、口腔内環境での隙間腐食の発生を促している。
【0007】さらに根面板の作製に当たっては、支台歯
への根面形成のための前処理等に患者を設備の整った臨
床医のもとで行う必要があり、肢体の不自由な在宅治療
が望まれる患者への適用が困難であった。また、治療に
要する時間も多くとられ、患者に多大の時間的、金銭的
な負担を強いていた。
への根面形成のための前処理等に患者を設備の整った臨
床医のもとで行う必要があり、肢体の不自由な在宅治療
が望まれる患者への適用が困難であった。また、治療に
要する時間も多くとられ、患者に多大の時間的、金銭的
な負担を強いていた。
【0008】本発明は、上記問題点を鑑みなされたもの
で、磁性アタッチメントを構成する吸着体を根面板に埋
設せず、吸着体を直接支台歯に装着すべく、平板状或い
はそれに近い吸着体の一面ににポスト部を敷設するとと
もにポスト部に最適な寸法を見定めた埋設部を設け、そ
の外周面の円周上に溝を備えることによって、支台歯掘
孔部に吸着体を容易に且つ確実に接着によって取り付け
ることができる歯科用磁性アタッチメントを得ることを
目的とするものである。
で、磁性アタッチメントを構成する吸着体を根面板に埋
設せず、吸着体を直接支台歯に装着すべく、平板状或い
はそれに近い吸着体の一面ににポスト部を敷設するとと
もにポスト部に最適な寸法を見定めた埋設部を設け、そ
の外周面の円周上に溝を備えることによって、支台歯掘
孔部に吸着体を容易に且つ確実に接着によって取り付け
ることができる歯科用磁性アタッチメントを得ることを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、歯科用磁性
アタッチメントを以下の本発明の構成とすることによっ
て解決されるものである。以下、解決手段について詳述
することにする。即ち、本発明の磁性アタッチメント
は、磁石を所要の材料と構造を有する構造体で封止した
磁石構造体を装着した義歯と、支台歯に設置する吸着体
と前記磁石構造体との磁気吸引力で着脱可能にした義歯
用磁性アッタチメントにおいて、前記吸着体は磁石構造
体との吸着面とポスト部とからなり、かつ前記ポスト部
は吸着板と径が1.3mm以下の埋設部を具備すること
を特徴とする。支台歯に固定される吸着体がポスト部を
有することによって、支台歯にダイヤモンドバー等によ
り予め掘孔された孔に容易に装着することができ、且つ
接着力に関わる接着面積の増大が可能となって支台歯内
に吸着体を確実に接着固定することができる。
アタッチメントを以下の本発明の構成とすることによっ
て解決されるものである。以下、解決手段について詳述
することにする。即ち、本発明の磁性アタッチメント
は、磁石を所要の材料と構造を有する構造体で封止した
磁石構造体を装着した義歯と、支台歯に設置する吸着体
と前記磁石構造体との磁気吸引力で着脱可能にした義歯
用磁性アッタチメントにおいて、前記吸着体は磁石構造
体との吸着面とポスト部とからなり、かつ前記ポスト部
は吸着板と径が1.3mm以下の埋設部を具備すること
を特徴とする。支台歯に固定される吸着体がポスト部を
有することによって、支台歯にダイヤモンドバー等によ
り予め掘孔された孔に容易に装着することができ、且つ
接着力に関わる接着面積の増大が可能となって支台歯内
に吸着体を確実に接着固定することができる。
【0010】埋設部は支台歯に埋め込まれ、吸着体を固
定するものである。吸着体は支台歯の神経が通っていた
神経が通っていた根管部に装着される。通常、根管は1
〜1.3mmの径を有する空洞部である。前記空洞部に
対して埋設部が太いと根管部の周囲を削り、空洞部を広
げなければ成らない。しかしながら実際には削った空洞
部と埋設部を同形にすることは困難である。吸着体と支
台歯の保持力を向上させるには接着材を両者の間に没入
させる必要があるが、あまり根管部側を削ることは強度
的に好ましくないため、埋設部は径を1.3mm以下と
することが好ましい。
定するものである。吸着体は支台歯の神経が通っていた
神経が通っていた根管部に装着される。通常、根管は1
〜1.3mmの径を有する空洞部である。前記空洞部に
対して埋設部が太いと根管部の周囲を削り、空洞部を広
げなければ成らない。しかしながら実際には削った空洞
部と埋設部を同形にすることは困難である。吸着体と支
台歯の保持力を向上させるには接着材を両者の間に没入
させる必要があるが、あまり根管部側を削ることは強度
的に好ましくないため、埋設部は径を1.3mm以下と
することが好ましい。
【0011】前記埋設部は全体の径が0.7mm以上で
あり、かつ径が1mm以上の部分を少なくとも一部有す
るこが好ましい。支台歯に装着する作業時でも折れがた
く、かつ装着した後でも十分な強度を保つことが可能で
ある。また、吸着板を円板形状とすれば回転角度に関係
無く磁石構造体と一定の吸着力を得られると共に、根官
に設ける掘孔穴を回転切削工具で簡単に設けることがで
き好ましい。さらに埋設部の長さは2.8mm以上とす
ることが好ましい。2.8mm未満では吸着体と支台歯
との固着力が弱く、脱落しやすい。
あり、かつ径が1mm以上の部分を少なくとも一部有す
るこが好ましい。支台歯に装着する作業時でも折れがた
く、かつ装着した後でも十分な強度を保つことが可能で
ある。また、吸着板を円板形状とすれば回転角度に関係
無く磁石構造体と一定の吸着力を得られると共に、根官
に設ける掘孔穴を回転切削工具で簡単に設けることがで
き好ましい。さらに埋設部の長さは2.8mm以上とす
ることが好ましい。2.8mm未満では吸着体と支台歯
との固着力が弱く、脱落しやすい。
【0012】吸着体が、磁石構造体に吸着する吸着板と
テーパ形状のポスト部とからなることを特徴とすること
により、吸着体を支台歯に装着する作業工程がより容易
になり、かつ強度的にも埋設部の破損が起きずらい。ま
た、レジンセメントによる接着の強度と信頼性も得やす
い。
テーパ形状のポスト部とからなることを特徴とすること
により、吸着体を支台歯に装着する作業工程がより容易
になり、かつ強度的にも埋設部の破損が起きずらい。ま
た、レジンセメントによる接着の強度と信頼性も得やす
い。
【0013】吸着体のポスト部の外周に複数の溝を備え
ることによって、吸着体と支台歯との間の接着面におい
て溝が接着面のアンカーとしての作用をなし、接着の安
全性をより高めることができる。また、ポスト部の長さ
が支台歯に掘孔された孔の長さに比し長い場合は、テー
パ面上の複数の溝の配列を寸法ゲージとして用い、かつ
溝部から切断することに依ってポスト部の長さを調整す
ることができる。
ることによって、吸着体と支台歯との間の接着面におい
て溝が接着面のアンカーとしての作用をなし、接着の安
全性をより高めることができる。また、ポスト部の長さ
が支台歯に掘孔された孔の長さに比し長い場合は、テー
パ面上の複数の溝の配列を寸法ゲージとして用い、かつ
溝部から切断することに依ってポスト部の長さを調整す
ることができる。
【0014】吸着体の材質をフェライト系ステンレス鋼
等の合金とすることが好ましい。磁石構造体との吸着力
を発現し、低コストで容易に材料を調達することがで
き、かつ口腔内環境にも十分耐えうることができる。最
適な磁性を示すようにフェライト系ステンレス鋼は、熱
処理が行われている。従って、熱の影響を受けることが
ないため、磁気特性の劣化を生じない利点がある。吸着
板と埋設部は接合層を有さない一体のものが好ましい。
口内では逐次咬合力がはたらく。例えば吸着板と埋設部
を別途作成したものを溶接などの接合を行うと咬合力に
よる繰り返し荷重でその接合部での破断が起きやすい。
ポストキーパにおいては上部の吸着板のみが取れてしま
うと埋め込まれた埋設部を歯根から取り出すことは非常
に難しい。よって安全性確保のためにも一体の物から削
り出したり、一体に鋳造することが好ましい。
等の合金とすることが好ましい。磁石構造体との吸着力
を発現し、低コストで容易に材料を調達することがで
き、かつ口腔内環境にも十分耐えうることができる。最
適な磁性を示すようにフェライト系ステンレス鋼は、熱
処理が行われている。従って、熱の影響を受けることが
ないため、磁気特性の劣化を生じない利点がある。吸着
板と埋設部は接合層を有さない一体のものが好ましい。
口内では逐次咬合力がはたらく。例えば吸着板と埋設部
を別途作成したものを溶接などの接合を行うと咬合力に
よる繰り返し荷重でその接合部での破断が起きやすい。
ポストキーパにおいては上部の吸着板のみが取れてしま
うと埋め込まれた埋設部を歯根から取り出すことは非常
に難しい。よって安全性確保のためにも一体の物から削
り出したり、一体に鋳造することが好ましい。
【0015】本発明の手段を用いれば、従来の複雑な工
程と多大な時間を必要とする根面板形成が不要であり、
義歯用磁性アタッチメントのポスト付き吸着体を支台歯
に取り付けるに際し、容易にかつ確実に取り付けること
ができ、在宅診療にも適合できる。
程と多大な時間を必要とする根面板形成が不要であり、
義歯用磁性アタッチメントのポスト付き吸着体を支台歯
に取り付けるに際し、容易にかつ確実に取り付けること
ができ、在宅診療にも適合できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による義歯用磁性ア
タッチメントの基本的な実施形態を示すものである。本
発明の磁性アタッチメントは、図1に示すように義歯1a
に取り付けられる磁石構造体1と患者の支台歯4に取り
付けられる吸着体2aとから成る。磁石構造体1は通法の
通り、レジンセメントを用いて義歯1aに取り付けられ、
吸着体2aはレジンセメントを用いて支台歯4に装着す
る。
タッチメントの基本的な実施形態を示すものである。本
発明の磁性アタッチメントは、図1に示すように義歯1a
に取り付けられる磁石構造体1と患者の支台歯4に取り
付けられる吸着体2aとから成る。磁石構造体1は通法の
通り、レジンセメントを用いて義歯1aに取り付けられ、
吸着体2aはレジンセメントを用いて支台歯4に装着す
る。
【0017】図5は磁石構造体1の断面構造を示す。磁
石構造体1は円筒形状をなし、本実施形態では、直径2.
5, 3.0, 3.5, 4.0, 4.5mm,厚さ1.3mmの各サイ
ズのものを使用する。磁石構造体1には下記の各種ステ
ンレス製構造物によって磁石本体8が封入されている。
磁石構造体1には吸着面13と非吸着面14があり、吸着面
13は支台歯に取り付けられる吸着体2aと吸着して最大の
吸引力が発現するように、磁性ステンレスのカップヨー
ク9とシールト゛デイスク10、非磁性ステンレスのシールト゛リン
グ11からなり、これらの部品はレーザー溶接によって接
合されている。カップヨーク9の外周面には接着力を上
げる目的で溝12を備えている。磁石構造体1の非吸着面
14は上記カップヨーク9のみの面であり、磁石本体8か
らの磁束は全て下側にある吸着体2aに入り、非吸着面
14からの漏れる磁束はないため、外部への磁気吸引力
は存在しない。この非吸着面14は義歯の人工歯5側に取
り付ける。
石構造体1は円筒形状をなし、本実施形態では、直径2.
5, 3.0, 3.5, 4.0, 4.5mm,厚さ1.3mmの各サイ
ズのものを使用する。磁石構造体1には下記の各種ステ
ンレス製構造物によって磁石本体8が封入されている。
磁石構造体1には吸着面13と非吸着面14があり、吸着面
13は支台歯に取り付けられる吸着体2aと吸着して最大の
吸引力が発現するように、磁性ステンレスのカップヨー
ク9とシールト゛デイスク10、非磁性ステンレスのシールト゛リン
グ11からなり、これらの部品はレーザー溶接によって接
合されている。カップヨーク9の外周面には接着力を上
げる目的で溝12を備えている。磁石構造体1の非吸着面
14は上記カップヨーク9のみの面であり、磁石本体8か
らの磁束は全て下側にある吸着体2aに入り、非吸着面
14からの漏れる磁束はないため、外部への磁気吸引力
は存在しない。この非吸着面14は義歯の人工歯5側に取
り付ける。
【0018】図2は吸着体2aの構造を示す図である。
吸着体2aの吸着板15は厚みが0.8mmの円筒状で、磁
石構造体1の直径と同一サイズのものを組合わせて用い
る。磁石構造体1と吸着する吸着板15の吸着面18は平面
であり、その反対の非吸着面19にテーパ形状の埋没部16
が吸着板15と同心的に形成されている。吸着板15とポス
ト16は一体構造で磁性ステンレスで製造してある。
吸着体2aの吸着板15は厚みが0.8mmの円筒状で、磁
石構造体1の直径と同一サイズのものを組合わせて用い
る。磁石構造体1と吸着する吸着板15の吸着面18は平面
であり、その反対の非吸着面19にテーパ形状の埋没部16
が吸着板15と同心的に形成されている。吸着板15とポス
ト16は一体構造で磁性ステンレスで製造してある。
【0019】埋没部16はテーパ形状でその最大径は吸着
板15に接したところで直径1.2mmであり、そこから
長さ5.0mmのポスト端部では最小径の1.0mmにしてあ
る。テーパ面の外周には、その円周上に長さ方向に1mm
ピッチで巾0.2mm,深さ0.1mmの溝17が切ってある。これ
らの各寸法は義歯を維持する支台歯のサイズによって任
意に設定できる。
板15に接したところで直径1.2mmであり、そこから
長さ5.0mmのポスト端部では最小径の1.0mmにしてあ
る。テーパ面の外周には、その円周上に長さ方向に1mm
ピッチで巾0.2mm,深さ0.1mmの溝17が切ってある。これ
らの各寸法は義歯を維持する支台歯のサイズによって任
意に設定できる。
【0020】図3は義歯1aへの磁石構造体1の取り付け
方及び支台歯4への吸着体2aの取り付け方の概要を示す
図である。義歯1aを維持する支台歯4は、歯神経を除去
するために予めラルゴバーで掘孔し、所定の根管充填剤
で根管4aを塞ぐ。さらに吸着体2aとの間合を良くするた
めに吸着体2aと同一形状のダイヤモンドバーにて支台歯
4に掘孔穴4bをあける。このダイヤモンドバーによる掘
孔は吸着体2aの吸着板15との間合が重要で、不必要に大
径とならないよう、また吸着板15の非吸着面19と平滑に
接触するように特に注意をはらって行う。
方及び支台歯4への吸着体2aの取り付け方の概要を示す
図である。義歯1aを維持する支台歯4は、歯神経を除去
するために予めラルゴバーで掘孔し、所定の根管充填剤
で根管4aを塞ぐ。さらに吸着体2aとの間合を良くするた
めに吸着体2aと同一形状のダイヤモンドバーにて支台歯
4に掘孔穴4bをあける。このダイヤモンドバーによる掘
孔は吸着体2aの吸着板15との間合が重要で、不必要に大
径とならないよう、また吸着板15の非吸着面19と平滑に
接触するように特に注意をはらって行う。
【0021】吸着体2aを一旦支台歯4に掘孔した穴4bに
装着して間合を確認した後、吸着体2aの吸着面18を除く
外周面及び支台歯4の内面にレジンセメントを塗布し、
すみやかに吸着体2aを支台歯4内に装着し、支台歯4と吸
着体2aの間合面からはみ出たレジンセメントを除去し、
所定の硬化時間保持する。
装着して間合を確認した後、吸着体2aの吸着面18を除く
外周面及び支台歯4の内面にレジンセメントを塗布し、
すみやかに吸着体2aを支台歯4内に装着し、支台歯4と吸
着体2aの間合面からはみ出たレジンセメントを除去し、
所定の硬化時間保持する。
【0022】義歯1aに磁石構造体1を取り付けるに際
し、予め義歯1aに磁石構造体1が取り付けられる穴1bを
あけておく。まず支台歯4に取り付けられた吸着体2aの
吸着面18上に磁石構造体1の吸着面13を吸着させる。次
いで先の義歯1aにあけた穴1bに所定量のレジンセメント
を挿入し、すみやかに口腔内で義歯の装着と同時に磁石
構造体1を義歯1aの穴に差し込む。この一連の作業によ
って、磁石構造体1と支台歯4に固定した吸着体2aとが、
位置ずれが無く、精度良く支台歯4、義歯1a双方を固定
することができる。またこの手段は臨床サイドにおける
根面板3を形成する作業が無く至便であり、在宅治療を
も十分可能である。
し、予め義歯1aに磁石構造体1が取り付けられる穴1bを
あけておく。まず支台歯4に取り付けられた吸着体2aの
吸着面18上に磁石構造体1の吸着面13を吸着させる。次
いで先の義歯1aにあけた穴1bに所定量のレジンセメント
を挿入し、すみやかに口腔内で義歯の装着と同時に磁石
構造体1を義歯1aの穴に差し込む。この一連の作業によ
って、磁石構造体1と支台歯4に固定した吸着体2aとが、
位置ずれが無く、精度良く支台歯4、義歯1a双方を固定
することができる。またこの手段は臨床サイドにおける
根面板3を形成する作業が無く至便であり、在宅治療を
も十分可能である。
【0023】実施例においては埋設部が吸着板側が最も
径の大きいテーパ状のものを示したが、本発明は特にこ
れに限定されない。たとえば根管内の切削作業の短縮や
支台歯の強度を重視する場合には円筒状の埋設部とすれ
ばよい。また、吸着面と根管とが垂直でなければ埋設部
の一部を細くして埋設部の一部が曲がるようにし、かつ
埋設部の一部は1.0mm以上として根管に嵌合させる
ような形状としても良い。
径の大きいテーパ状のものを示したが、本発明は特にこ
れに限定されない。たとえば根管内の切削作業の短縮や
支台歯の強度を重視する場合には円筒状の埋設部とすれ
ばよい。また、吸着面と根管とが垂直でなければ埋設部
の一部を細くして埋設部の一部が曲がるようにし、かつ
埋設部の一部は1.0mm以上として根管に嵌合させる
ような形状としても良い。
【0024】
【発明の効果】上述の如く、本発明の義歯用磁性アタッ
チメントによれば、下記の効果があることは明らかであ
る。 (1)磁性アタッチメントの吸着体にポスト部をつける
ことにより、症例にあった義歯用磁性アタッチメントと
することができる。 (2)吸着体にポスト部をつけることにより、従来の
金、銀合金を用いた根面板形成が不要になり、支台歯に
直接接着レジンで吸着体を固定することができ、治療工
数の縮減、患者負担コストの軽減、及び在宅治療が可能
にすることができる。 (3)従来の金、銀合金を用いた根面板形成がないこと
から、吸着体に鋳造応力や熱影響を与えることなく、吸
着体の磁気特性及び磁石構造体との磁気吸引力を最適化
することができる。 (4)吸着体の埋設部を最適な寸法とすることにより、
支台歯内の根管の切削量を低減でき、十分な強度を有す
る義歯用磁性アタッチメントを得ることが可能である。 (5)吸着体のポスト部外周の円周上に溝を備えること
により、吸着体と支台歯との接着強度を向上させる。ま
たポスト部外周の円周上に複数個の溝を等ピッチで備え
ることにより、長さゲージとしての応用ができ、支台歯
に掘孔した孔の深さに応じてポスト部の長さを切断し、
調整することができる。
チメントによれば、下記の効果があることは明らかであ
る。 (1)磁性アタッチメントの吸着体にポスト部をつける
ことにより、症例にあった義歯用磁性アタッチメントと
することができる。 (2)吸着体にポスト部をつけることにより、従来の
金、銀合金を用いた根面板形成が不要になり、支台歯に
直接接着レジンで吸着体を固定することができ、治療工
数の縮減、患者負担コストの軽減、及び在宅治療が可能
にすることができる。 (3)従来の金、銀合金を用いた根面板形成がないこと
から、吸着体に鋳造応力や熱影響を与えることなく、吸
着体の磁気特性及び磁石構造体との磁気吸引力を最適化
することができる。 (4)吸着体の埋設部を最適な寸法とすることにより、
支台歯内の根管の切削量を低減でき、十分な強度を有す
る義歯用磁性アタッチメントを得ることが可能である。 (5)吸着体のポスト部外周の円周上に溝を備えること
により、吸着体と支台歯との接着強度を向上させる。ま
たポスト部外周の円周上に複数個の溝を等ピッチで備え
ることにより、長さゲージとしての応用ができ、支台歯
に掘孔した孔の深さに応じてポスト部の長さを切断し、
調整することができる。
【図1】本発明による実施形態の一例を示す。
【図2】本発明による義歯用磁性アタッチメントの吸着
体である。
体である。
【図3】本発明による義歯用磁性アタッチメントの装着
方法を示す。
方法を示す。
【図4】従来技術の一例を示す。
【図5】従来技術による磁石構造体である。
1 磁石構造体、1a 義歯、1b 穴、2 吸着体、2a
吸着体(ポスト付き)、3 根面板、4 支台歯(歯根)、
4a 根管、4b 掘孔穴、5 人工歯、6 レジン床、7
歯肉、8 磁石本体、9 カップヨーク、10 シールドデ
ィスク、11 シールドリング、12 溝、13 吸着面、14
非吸着面、15 吸着板、16 埋没部、17 溝、18
吸着面、19 非吸着面、20 ポスト、21 吸着体
吸着体(ポスト付き)、3 根面板、4 支台歯(歯根)、
4a 根管、4b 掘孔穴、5 人工歯、6 レジン床、7
歯肉、8 磁石本体、9 カップヨーク、10 シールドデ
ィスク、11 シールドリング、12 溝、13 吸着面、14
非吸着面、15 吸着板、16 埋没部、17 溝、18
吸着面、19 非吸着面、20 ポスト、21 吸着体
Claims (5)
- 【請求項1】 磁石を所要の材料と構造を有する構造体
で封止した磁石構造体を装着した義歯と、支台歯に設置
する吸着体と前記磁石構造体との磁気吸引力で着脱可能
にした義歯用磁性アッタチメントにおいて、前記吸着体
は磁石構造体との吸着面とポスト部とからなり、かつ前
記ポスト部は吸着板と径が1.3mm以下の埋設部を具
備することを特徴とする義歯用磁性アタッチメント。 - 【請求項2】 前記埋設部は全体の径が0.7mm以上
であり、かつ径が1mm以上の部分を少なくとも一部有
する請求項1に記載の義歯用磁性アタッチメント。 - 【請求項3】 前記埋設部は円筒形状もしくは吸着面側
の端部が最も径が大きいテーパ形状である請求項1また
は2のに記載の義歯用磁性アタッチメント。 - 【請求項4】 前記吸着体のポスト部には複数の溝を設
けて、必要に応じてポスト部の高さを示すゲージの機能
を持たせた請求項1〜3のいずれかに記載の義歯用磁性
アタッチメント。 - 【請求項5】 ポスト部の吸着版と埋設部は接合層を有
さない一体物である請求項1〜4に記載の義歯用磁性ア
タッチメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182869A JP2002000627A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 義歯用磁性アタッチメントおよびその組立方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182869A JP2002000627A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 義歯用磁性アタッチメントおよびその組立方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002000627A true JP2002000627A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18683543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000182869A Pending JP2002000627A (ja) | 2000-06-19 | 2000-06-19 | 義歯用磁性アタッチメントおよびその組立方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002000627A (ja) |
-
2000
- 2000-06-19 JP JP2000182869A patent/JP2002000627A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20040526 |