JP3003920B2 - 歯科用磁力吸着器具 - Google Patents

歯科用磁力吸着器具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠損した歯列の補綴の
ため、歯科補綴物の形状に直接歯科精密鋳造したFe−
Pt系高耐蝕性永久磁石と高耐蝕性磁性材料とから構成
し、両者間に作用する吸引力で該補綴物を口腔内に維持
固定する歯科用磁力吸着器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯科補綴物維持具の内、ダブルク
ラウン(二重金冠)システムに属するシリンダー型維持
具は摩擦力によって義歯を固定する構造のため、寸法を
精密に保持する必要があるが、装着期間の長期化に伴な
う材料の摩耗によって維持力が極端に低下する。シリン
ダー型の欠点を改良したコーヌスクローネ型の維持具は
外冠と内冠が円錐形状を成し、高度な歯科技工によって
複数の維持具のコーヌス角度(円錐の傾斜角度)を正確
に形成すると強力な維持力が発揮されるが、両者の接触
部分が少ない場合や材料の摩耗によって、口腔内におけ
る維持力が不安定になる。そこで、義歯の維持固定力を
増すために、Sm−Co系あるいはNd−Fe−B系磁
石を用いた磁性アタッチメントの適用が試みられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Sm−Co系あるいはNd−Fe−B系希土類磁石は耐
蝕性が劣り、口腔内で使用するためにはステンレス薄板
等による密閉構造をとる必要性から、アタッチメントの
小形化に限界が生じる。その結果、アタッチメントを維
持あるいは支持する健常歯の必要以上の研削、補綴スペ
ースへの収納不全等の問題が生じる。加えて、鑞接や鋳
接時の熱によって磁石が変性あるいは消磁されてしまう
ので、非加熱の接着剤を使用することが原則となり、歯
科用接着剤の維持能力等も問題となる。
【0004】従来の磁性アタッチメントは、外形および
着磁方向が限定されており、クラウン・ブリッジ等の形
状に対応させることが難しく、その結果、最適な吸引力
を得られる方向が選べないことにも問題があった。ま
た、寸法的に余裕がある場合でも、磁性アタッチメント
を埋設することによってクラウン・ブリッジ本体の機械
的強度が低下する欠点がある。
【0005】さらに、現在用いられているダブルクラウ
ンシステム自体においても、シリンダー型では適正な摩
擦力を一定に得ることの困難性、コーヌス型ではシステ
ムを複数組合わせた場合に維持力のバラツキや摩耗によ
る維持力の低下が生じる等、基本的に寸法精度に由来す
る問題がある。よって、バルク状Fe−Pt系永久磁石
合金から機械加工によって、高度な加工技術を必要とす
るダブルクラウンシステムを作製することは非常に手間
がかかり、経済的に不利な方法である。同じ理由から、
義歯、例えば部分床義歯あるいは可撤橋義歯等の歯科補
綴物を機械加工によって作製することも現実的でない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決するため、優れた耐蝕性を有するFe−Pt系永
久磁石合金に着目し、歯科補綴物、例えばダブルクラウ
ン外冠、クラウン、ブリッジあるいは義歯等自体が、永
久磁石によって構成される歯科用磁力吸着器具を発明し
たのである。即ち、本発明においては、Pt33〜47
%および残部がFeからなり、望ましくはPt35〜3
9.9%および残部Feからなる永久磁石合金、または
Pt33〜47%、望ましくはPt35〜39.9%を
主成分とし、副成分としてTi,V,Cr,Nb,M
o,Ta,Wのそれぞれ10%以下、Al,Ga,G
e,Rh,Pd,Ir,Auのそれぞれ7%以下のうち
1種または2種以上合計0.001〜20%および残部
Feと少量の不純物からなる永久磁石合金を高周波炉あ
るいはアーク溶解炉等によって溶湯と成し、これを上述
の歯科補綴物の形状に成形された歯科用埋没材(鋳型)
中に圧迫鋳造、遠心鋳造あるいは吸引鋳造等を応用した
歯科精密鋳造技術をもって鋳込む。圧迫鋳造には水蒸
気、空気または各種の気体が圧力源として用いられる
が、Ar等の不活性ガスを使用すれば試料の酸化を抑制
できる利点がある。同じ理由から、遠心鋳造あるいは吸
引鋳造を適用する場合も不活性ガス雰囲気あるいは真空
中における操作が望ましい。歯科精密鋳造法において使
用される埋没材には、鋳造される歯科補綴物の体積、形
状および種類に応じて、耐火材の主成分がシリカである
リン酸塩系および石膏系埋没材、高融点合金用のセメン
ト系、エチルシリケート系埋没材、または非シリカ系埋
没材、例えばマグネシア系、ジルコニア系、アルミナ系
埋没材等が用いられる。これらをロストワックス法等に
よって歯科補綴物の形状に成形し、室温〜1200℃の
温度で乾燥、焼成後、鋳造用鋳型として使用する。この
ようにして得られた鋳塊の表面を研磨等によって仕上
げ、磁石特性向上のため種々の熱処理を施した後着磁す
る。このようにして仕上げられた歯科補綴物を、歯根側
に接着した高耐蝕性磁性材料、例えば磁性ステンレス鋼
や軟磁性材料もしくは歯科用Pd−Co−Ni磁性合金
等、あるいは高耐蝕性永久磁石(Fe−Pt系磁石合
金、Fe−Pd系磁石合金、アルニコ磁石合金、Co−
Pt系磁石合金等)により作製された内冠に密着させ、
両者間の吸引力を利用して補綴物を維持固定するもので
ある。本発明の特徴とするところは下記の点にある。
【0007】第1発明は、原子比にてPt33〜47%
および残部Feと少量の不純物からなる合金を歯科補綴
物の形状に直接歯科精密鋳造した永久磁石と耐蝕性磁性
材料とで構成することを特徴とする歯科用磁力吸着器具
に関する。
【0008】第2発明は、原子比にてPt33〜47%
を主成分とし、副成分としてTi,V,Cr,Nb,M
o,Ta,Wのそれぞれ10%以下、Al,Ga,G
e,Rh,Pd,Ir,Auのそれぞれ7%以下のうち
1種あるいは2種以上合計0.001〜20%および残
部Feと少量の不純物からなる合金を歯科補綴物の形状
に直接歯科精密鋳造した永久磁石と、耐蝕性磁性材料と
で構成することを特徴とする歯科用磁力吸着器具に関す
る。
【0009】第3発明は、歯科補綴物が義歯であること
を特徴とする第1発明または第2発明の歯科用磁力吸着
器具に関する。
【0010】第4発明は、歯科補綴物がダブルクラウン
外冠であることを特徴とする第1発明または第2発明の
歯科用磁力吸着器具に関する。
【0011】第5発明は、義歯またはダブルクラウン外
冠の咬合面と側壁部が、両者間で独立あるいは連続して
2以上の複数個に面分割され、各々の部分がN極あるい
はS極に着磁された永久磁石で構成することを特徴とす
る第3発明または第4発明に記載の歯科用磁力吸着器具
に関する。
【0012】第6発明は、義歯またはダブルクラウンの
外冠の内面に設けた溝によって2以上の複数個に面分割
され、各々の部分がN極あるいはS極に着磁された永久
磁石で構成することを特徴とする第3発明または第4発
明に記載の歯科用磁力吸着器具に関する。
【0013】
【作用】以下に本発明の構成を説明する。永久磁石合金
の成分は、原子比にて、Pt33〜47%および残部F
eからなり、望ましくはPt35〜39.9%および残
部Feからなる合金、またはPt33〜47%、望まし
くはPt35〜39.9%を主成分とし、副成分として
Ti,V,Cr,Nb,Mo,Ta,Wのそれぞれ10
%以下、Al,Ga,Ge,Rh,Pd,Ir,Auの
それぞれ7%以下のうち1種あるいは2種以上合計0.
001〜20%および残部Feと少量の不純物からな
る。これらの合金を、高周波炉あるいはアーク炉等にガ
ス圧迫鋳造機あるいは遠心鋳造機等を併設した歯科精密
鋳造法によって埋没材中に鋳込む。これによってクラウ
ンやブリッジ等のように複雑な形状と正確な寸法精度を
要求される歯科補綴物の作製が、機械加工によらず、可
能となる。これが、本発明の鋳造法の大きな利点であ
る。なお、融点が高く、磁気特性が組成敏感性を有する
本系合金において良好な磁石特性を得るには、溶湯が一
様に加熱され、効率良く攪拌が行われる高周波炉を用
い、鋳造には遠心鋳造法と比較して2倍程度速い0.1
〜0.2秒の鋳込み時間と4倍程度高い2kg/cm2
におよぶ高圧力で鋳込みが実施できるガス圧迫鋳造法が
適している。また、埋没材に関しては、鋳造物の表面粗
さ等から、リン酸塩系、セメント系またはマグネシア系
の高温用埋没材が適している。次に、磁石特性向上のた
め、得られた鋳塊に種々の熱処理を施した後、着磁す
る。この磁石の性能は、例えば残留磁束密度(Br)1
0〜11kG,保磁力(HCJ)4.5〜5.0kOe、
最大エネルギー積(BH)max は20〜21MGOeと
Sm−Co系磁石に匹敵し、合金系磁石においては最も
高い性能を示している。
【0014】磁石合金の組成範囲を上述のように限定し
た理由は、原子比にてPt33%未満および47%以上
では最大エネルギー積(BH)max が3MGOe以下に
低下して吸引力が極端に小さくなり、実用的な維持固定
力が得られなくなるからである。
【0015】次に、副成分としてTi,V,Cr,N
b,Mo,Ta,Wのそれぞれを10%以下、Al,G
a,Ge,Rh,Pd,Ir,Auのそれぞれを7%以
下のうち1種または2種以上を添加する理由は、これら
を合計0.001〜20%の範囲で含むと溶体化処理温
度を無添加の場合から約200℃低下させることができ
るため、溶体化処理ならびに合金の不規則相化を容易に
行えるようになる。また、磁石特性を得るための時効熱
処理時間は、例えば最も長い場合でも10時間以下に短
縮でき、かつ、磁石特性のバラツキが減少する。添加元
素量が、0.001%以下では上記の効果が得られず、
他方20%以上となると本来の特性に悪影響をおよぼ
し、磁石特性が劣化して実用的吸引力が得られない。
【0016】また、シリンダー、コーヌス両タイプのダ
ブルクラウンシステムにおいて、例えば外冠自体を永久
磁石、内冠を高耐蝕性磁性材料からなるキーパーとした
場合、歯の寸法は種類や形状に依存するので、外冠の厚
さを0.5〜3mm,内冠の厚さを0.3〜2mmの範
囲で、両者間の吸引力が最も有効に得られる厚さに調整
することができ、実用的な吸引力が得られる。両者の厚
さがこれ以上薄くなると両者間に発生する吸引力が極端
に減少し、また、いずれかを厚くすると、空間が限定さ
れているため、相対的に相手が薄くなってしまう。よっ
て、このように状況に応じて外冠と内冠の寸法を調整で
きるのも本発明にかかる鋳造磁石の大きな特長である。
【0017】図1は、実施例1におけるダブルクラウン
システムであり、生活歯に対して適用した状況の断面を
模式図で示してある。なお、失活歯に対しては、図2に
示した例のように、歯根4に耐蝕性磁性ステンレス鋼製
のキーパー8を歯科用接着剤等で固定し、外冠1と組み
合わせたシステムとして使用できる。また、歯根4はT
i等を用いた人工歯根を顎骨に埋設したものであっても
よく、その場合キーパーは、接着剤あるいは人工歯根と
キーパー間に設けたネジ等によって固定される。図3は
可撤橋義歯を製作した場合の模式図であり、図中の垂直
断面Pで支台歯10、内冠3および外冠1を組み合わせ
た状況が図1である。人工歯9のようにブリッジを可撤
構造とすることによって口腔内清掃性に加え、基底面を
鞍状型に形成できることから側方安定性も備えた、優れ
た構造のブリッジを実現できることも本発明の特長であ
る。
【0018】外冠1の着磁は補綴物の咬合面と側壁部の
両者間を独立あるいは連続させて、2以上の複数個、例
えば、咬合面の中心から放射状に面分割して図4(B)
のように4極とし、各々の部分をN極あるいはS極に着
磁すると、図4(A)に示した2極着磁と比較して、よ
り斉一な吸引力を示し、維持力が安定に得られるという
有利性を備えている。
【0019】さらに、寸法的に余裕のある大臼歯等に適
用する場合は外冠1を構成する磁石の咬合面に対する内
面に、例えば中心から放射状に幅0.1〜0.3mm、
深さ0.2〜0.5mmの溝を設けて複数個の部分に面
分割し、各々N極とS極とに交互に着磁することによっ
て吸引力の強化ならびに維持固定力の斉一化を図ること
ができる。これは、密着するキーパー(内冠)によって
閉磁路構造が強調され、磁束が多く閉じ込められる結
果、吸引力の増加に至るものであり、本発明の方法の優
れた特長の1つである。
【0020】図1に示したコーヌスクローネシステムの
場合、従来、内、外冠両者の接触面は強く接触し、内冠
3の上端面と外冠1の相対面(咬合面の裏側)との間に
空隙を設けることが重要な条件である。しかし、本発明
の組み合わせでは、両者の接触部分の長さが少なくて維
持力が不十分であったり、長期装着による磨耗等で空隙
が失われたような場合でも、磁石の吸引力によって外冠
は維持される。また、吸引力が付加されることで歯科精
密鋳造の条件ならびにコーヌス角度範囲等の作製条件が
緩和され、コーヌスクローネシステムの入手が容易にな
る。さらに、口腔内で外冠の沈下も起こすこと無く、咬
合の保全の観点からも有効である。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。 実施例1 高周波溶解炉により、真空中でPt39.0%、V1.
5%、残部Fe合金からなるインゴット(外径6mm×
長さ90mm)を鋳造した。このインゴットから長さ4
5mmを切り出し、歯科精密鋳造用母材とした。母材は
高周波溶解炉を用いて真空中で溶解し、直後にArガス
圧迫鋳造機によって、750〜850℃の温度で焼成し
たリン酸塩系埋没剤または650℃で焼成した石膏系埋
没材中に鋳込み、外径7mm、最小内径5.0mm、高
さ6mm、上端面の厚さ2mmの外冠状試験片を作製し
た。この試験片を真空中1325℃で30分間溶体化処
理後、冷水中に没入して冷却し、続いて真空中640℃
で15時間熱処理した。試験片を4T(テスラ)のパル
ス磁場中で、図4(B)に示した4極着磁したところ、
上端における1極の表面磁束が3.0kGであった。内
冠は耐蝕性磁性ステンレス鋼である26%Cr−1%M
o−残部Fe合金のSUSXM27を用い、歯科精密鋳
造装置により最小外径5.0mm、高さ4mm、上端面
の厚さ0.5〜1mmの各種形状に精密鋳造した後、軸
面を6〜8度のコーヌス角度に調整した。実施例1は以
上の2点より構成され、この場合の磁石特性および両者
間の吸引力等を表1および2に示した。吸引力は、内冠
側を半固定とし、外冠をコレットチャックによって保持
し、中心線の一致を図りながら精密引っ張り試験機を用
いて測定した。また、磁石特性は試験片のスプルー(湯
道)部分からφ2mm、長さ約6mmを切り出し、試験
片と同時に熱処理したものを、振動試料型磁力計(VS
M)を用いて外部磁場1Tで測定した値である。
【0022】
【表1】 *比較のため、外冠を着磁しない場合の吸引力を示す(以下、同じ)。
【0023】
【表2】
【0024】実施例2 永久磁石はPt38.5%、Nb1.0%、Cr1.0
%、残部Fe合金としたものを用い、溶解および鋳造法
は実施例1と同様であるが、埋没材に750℃と850
℃で焼成したリン酸塩系埋没材および1200℃で焼成
したセメント系埋没材を用いた。この試験片を真空中1
200℃で30分間溶体化処理後、700℃の塩浴中に
投入して5分間保持してから冷水中に投入して冷却し、
続いて真空中620℃で5時間熱処理した。着磁は実施
例1と同様4Tのパルス磁場中で4極着磁した。その結
果、表面磁束は2.9kGであった。内冠は実施例1と
同様の素材および方法によって作製した。実施例2は以
上の2点により構成され、この場合の磁石特性および両
者間の吸引力等を表3および4に示した。磁石特性測定
に供した試料の寸法ならびに測定条件等は実施例1と同
様である。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例3 磁石はPt39.0%、Au0.75%、残部Fe合金
としたものを用い、溶解、鋳造法および埋没材も実施例
1と同様とし、750℃と850℃で焼成したリン酸塩
系および650℃で焼成した石膏系の各埋没材を用い
た。試験片は真空中1325℃で30分間溶体化処理
後、冷水中に投入して冷却し、続いて真空中650℃で
15時間熱処理した。試験片の着磁は4Tのパルス磁場
中で図4(c)のように8極着磁した。その結果、表面
磁束は2.9kGであった。内冠は実施例1と同じ素材
および方法によって作製したものを用いた。実施例3は
以上の2点により構成され、この場合の磁石特性および
両者間の吸引力等を表5および6に示した。磁石特性測
定に供した試料の寸法ならびに測定条件等は実施例1と
同様である。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】従来、ダブルクラウンシステム等の歯科
用維持固定器具は、保磁力の不斉一性や維持力の不安定
性、および磨耗等によって内冠と外冠の空隙が失われる
と維持力が作用しなくなる等の欠点を有する。本発明
は、耐蝕性にすぐれたFe−Pt系永久磁石合金を歯科
補綴物形状に直接歯科精密鋳造して着磁し、磁石の吸引
力を利用して上記の問題を解決する大きな効果を有す
る。また、本発明は、永久磁石とキーパーが近接して存
在するダブルクラウンシステム等の構造をとるため、閉
磁路が形成され、殆ど漏洩磁束が生じないため、口腔内
における爆磁量は基準値2kGより大幅に低減する効果
がある。従って、本発明によって、口腔内衛生、健常歯
の保全、義歯の維持安定性等、従来の磁性アタッチメン
トの応用からは得られない優れた特長を有し、義歯の維
持固定に実用可能な歯科用磁力吸着器具を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用磁力吸着器具の断面図であり、
生活歯の歯根に接着された内冠と組み合わせた外冠を示
す。
【図2】本発明の歯科用磁力吸着器具を失活歯に適用し
た場合の断面図である。
【図3】本発明の歯科用磁力吸着器具の状況を説明する
図面であり、P面は図1に示した断面部分に相当する。
【図4】本発明の歯科用磁力吸着器具の着磁状況の例を
示す図面である。 (A)外冠の2極着磁の例 (B)外冠の4極着磁の例 (C)外冠の8極着磁の例 (D)外冠内面の中心から放射上に設けた溝によって面
分割し、各々の部分をN極とS極に交互に4極着磁した
【符号の説明】
1 永久磁石製外冠 2 極微小ギャップ 3 内冠 4 歯根 5 内冠と歯根の接着面(歯科用接着剤にて固定) 6 歯肉 7 顎骨 8 強磁性材料製キーパー 9 人工歯(ポンティック) 10 支台歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−241302(JP,A) 特開 昭63−272007(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 5/08,8/00,13/235 C22C 30/00,38/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子比にてPt33〜47%および残部
    Feと少量の不純物からなる合金を歯科補綴物の形状に
    直接歯科精密鋳造した永久磁石と耐蝕性磁性材料とで構
    成することを特徴とする歯科用磁力吸着器具。
  2. 【請求項2】 原子比にてPt33〜47%を主成分と
    し、副成分としてTi,V,Cr,Nb,Mo,Ta,
    Wのそれぞれ10%以下、Al,Ga,Ge,Rh,P
    d,Ir,Auのそれぞれ7%以下のうち1種または2
    種以上合計0.001〜20%および残部Feと少量の
    不純物からなる合金を、歯科補綴物の形状に直接歯科精
    密鋳造した永久磁石と耐蝕性磁性材料とで構成すること
    を特徴とする歯科用磁力吸着器具。
  3. 【請求項3】 前記歯科補綴物が義歯であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の歯科用磁力吸着
    器具。
  4. 【請求項4】 前記歯科補綴物がダブルクラウン外冠で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    歯科用磁力吸着器具。
  5. 【請求項5】 前記義歯または前記ダブルクラウン外冠
    を、その咬合面と側壁部が、両者間で独立あるいは連続
    して2以上の複数個に面分割され、各々の部分がN極あ
    るいはS極に着磁された前記永久磁石で構成することを
    特徴とする請求項3または請求項4に記載の歯科用磁力
    吸着器具。
  6. 【請求項6】 前記義歯または前記ダブルクラウン外冠
    を、その内面に設けた溝によって2以上の複数個に面分
    割され、各々の部分がN極あるいはS極に着磁された前
    記永久磁石で構成することを特徴とする請求項3または
    請求項4に記載の歯科用磁力吸着器具。
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