JP2002177300A - 歯科磁性アタッチメントの根面部材 - Google Patents

歯科磁性アタッチメントの根面部材

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JP2002177300A JP2000385612A JP2000385612A JP2002177300A JP 2002177300 A JP2002177300 A JP 2002177300A JP 2000385612 A JP2000385612 A JP 2000385612A JP 2000385612 A JP2000385612 A JP 2000385612A JP 2002177300 A JP2002177300 A JP 2002177300A
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Yoshitada Sugiyama
義祥 杉山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯茎部に対してキーパが着脱自在であり、容
易、安価に製造可能な歯科磁性アタッチメントの根面部
材を提供するものである。 【解決手段】 本発明に係る歯科磁性アタッチメントの
根面部材10は、歯茎部21に対する義歯体41の着脱
を永久磁石体45の磁気吸着力を用いて行う歯科磁性ア
タッチメントの根面部材において、樹脂からなり、ネジ
孔13,18を有するポスト本体11を歯茎部21の残
存歯根22に埋設固定し、そのネジ孔13,18に、軟
磁性材からなり、義歯体41を着脱するためのキーパ1
2を螺合して設け、キーパ12を着脱自在としたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、義歯を固定するた
めの根面部材に係り、特に、永久磁石体の磁気吸着力を
利用して義歯の固定を行う歯科磁性アタッチメントの根
面部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯茎部に残存する歯根を利用して
装着固定される義歯(総入れ歯、複数本の部分入れ歯な
ど)体を、着脱自在に歯茎部に固定するには、機械的な
固定手段が用いられてきた。
【0003】近年、永久磁石体の磁気吸着力を利用して
義歯体の固定を行う歯科磁性アタッチメントが開発さ
れ、取り扱いが簡単であると共に、衛生的である等の理
由から、その利用が急速に増加している。歯科磁性アタ
ッチメントは、永久磁石体と、永久磁石体が磁気的固着
(以下、磁着と示す)される軟磁性材からなるキーパで
構成される。
【0004】図4に示すように、義歯体41は樹脂製の
義歯床42に人口歯43を固定したものであり、この義
歯体41の裏面41aに形成した凹部44に、円盤状の
永久磁石体45が接着固定される。また、歯茎部47に
残存する歯根48に根面体49が鋳接され、この根面体
49の凹部50に円盤状のキーパ46が鋳接される。こ
こで、歯根48に鋳接される根面体49は別名“金冠”
とも呼ばれており、金合金のような耐食性を有した非磁
性材が使用される。この根面体49により、歯根48が
被覆保護される。また、キーパ46には、永久磁石体4
5との間で所定の磁気吸着力を生じるべく良好な軟磁特
性と、口腔内の酸性環境に対する耐食性が必要であるこ
とから、磁性ステンレス鋼が用いられる。
【0005】永久磁石体45が接着固定された義歯体4
1をキーパ46に接近させると、磁気吸着力Fmが生
じ、義歯体41が歯茎部47に磁着固定される。義歯体
41の取り外しの際は、磁気吸着力Fm以上の力で義歯
体41を引張ることで、歯茎部47に装着された義歯体
41を取り外すことができる。このように、歯科磁性ア
タッチメントを用いた義歯体41は、磁気吸着力により
確実に歯茎部47に磁着され、また、その着脱も容易で
あるという特長を有している。
【0006】しかし、この歯科磁性アタッチメントを用
いた義歯体41を装着した人が、MRI(核磁気共鳴診
断装置)などの磁気を応用した医療機器で検査・診断を
受けると、永久磁石体45およびキーパ46によって診
断画像に乱れが生じ、正確な検査・診断ができないとい
う問題がある。このため、診断画像に乱れが生じないよ
うにすべく、検査・診断の前に永久磁石体45およびキ
ーパ46を取り除く必要がある。
【0007】ここで、永久磁石体45は、義歯体41を
歯茎部47から取り外すことで簡単に取り除くことがで
きる。一方、キーパ46は、根面体49に鋳接(鋳ぐる
み又は溶接)されて根面体49と一体となっていると共
に、その根面体49は歯根48に鋳接あるいは接着され
て歯根48と一体となっており、歯根48に対して半永
久的に固定されているため、簡単に取り除くことができ
ない。このため、キーパ46を取り除くには、根面体4
9よりも下の部分まで歯根48を削らなくてはならなか
った。特に、義歯体装着者が、脳梗塞などの緊急救命措
置を受ける場合、専門の歯科医師ではなく、一般の医師
が担当するため、歯根48ごと抜かれてしまうことがあ
る。このように、歯根48ごと抜かれてしまうと、再
度、残存歯根48にキーパ46を取り付けることができ
なくなってしまう。
【0008】また、検査・診断後には、義歯体41を再
び歯茎部47に装着するが、根面体49の鋳接及びキー
パ46の鋳接といった工程が再び必要となり、義歯体4
1の再装着(機能回復)までに多くの日数を要すること
から、日常生活に支障を来してしまう。
【0009】そこで、キーパが根面体(根面部材)から
取り外し可能な構成とした歯科磁性アタッチメントとし
て、図5(図4と同様の部材には同じ符号を付す)に示
すように、歯根48にポスト本体61を鋳接すると共
に、そのポスト本体61の鋳造時に、非磁性材からな
り、ネジ孔63を有するポスト62を埋設鋳造し(鋳ぐ
るみ)、そのネジ孔63に、断面T字型のキーパ鋳接体
(根面体)64を螺合して設け、そのキーパ鋳接体64
の上面にキーパ46を鋳接したものが挙げられる(特開
平9−103436号公報参照)。根面部材を、キーパ
46、キーパ鋳接体64、ポスト62、及びポスト本体
61で構成したことで、キーパ鋳接体64を回転させる
ことにより、ポスト62に対してキーパ46を着脱自在
とすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この根
面部材の場合、キーパ鋳接体64にキーパ46を鋳接す
る工程、ポスト62をポスト本体61に鋳ぐるむ工程、
およびポスト本体61の製造工程が必要となる。ポスト
本体61は、歯根48を歯科用工具等で削り、ポスト本
体61の設置・載置に適するように支台歯形成を行い、
その後、支台歯の印象を採取、石膏模型の作成、ワック
スアップ、埋め込み、加熱脱蝋、鋳型鋳造を経て製造さ
れるものであって、複雑な製造工程を必要とする。この
ため、ポスト本体61の製造には、高度な歯科技工術を
必要としていた。
【0011】また、特に、鋳接工程は、高度な技術と熟
練を必要とするため、鋳接作業者の技能によって、鋳接
の仕上がり、延いては根面部材の製品精度が左右されて
しまう。さらに、キーパ46の鋳接時の加熱方法・状態
によってはキーパ46が酸化するおそれがあり、その場
合、良好な鋳接及び永久磁石体45との磁着ができなく
なってしまう。
【0012】よって、これらの工程を経て製造される根
面部材は、技工操作(作業)上、極めて難しい作業を必
要とし、それに伴ってかなりの作業時間を必要とするこ
とから、義歯体完成までに時間がかかると共に、義歯体
の製造費用の上昇を招いてしまう。
【0013】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、歯茎部に対してキーパが着脱自在であり、容
易、安価に製造可能な歯科磁性アタッチメントの根面部
材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係る歯科磁性アタッチメントの根面部材は、歯茎
部に対する義歯体の着脱を永久磁石体の磁気吸着力を用
いて行う歯科磁性アタッチメントの根面部材において、
樹脂からなり、ネジ孔を有するポスト本体を歯茎部の残
存歯根に埋設固定し、そのネジ孔に、軟磁性材からな
り、義歯体を着脱するためのキーパを螺合して設け、キ
ーパを着脱自在としたものである。
【0015】以上の構成によれば、根面部材を歯茎部の
残存歯根に対して固定する際に、支台歯形成後の印象の
採取、キーパ又はキーパ支持体との鋳接工程を必要とし
ないことから、根面部材の製造・取付が容易である。
【0016】また、上記ポスト本体がテーパ円柱状を呈
しており、小径端側を歯茎部の残存歯根に埋設固定し、
大径端側にネジ孔を形成することが好ましい。
【0017】また、上記ポスト本体が、その大径端縁部
にフランジを有することが好ましい。
【0018】また、上記キーパの義歯体着脱面に、キー
パ着脱用溝を形成することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基いて説明する。
【0020】本発明に係る歯科磁性アタッチメントの根
面部材の縦断面図を図1に、本発明に係る根面部材を歯
茎部に埋設固定した時の縦断面図を図2に示す。ここ
で、図1(b)は、ポスト本体にキーパを螺合させた時
の上面図である。
【0021】図1,図2に示すように、本発明に係る歯
科磁性アタッチメントの根面部材10は、歯茎部21に
残存する歯根22に埋設固定され、合成樹脂からなるポ
スト本体11と、そのポスト本体11に螺合され、軟磁
性材からなるキーパ12とで構成されるものである。
【0022】ポスト本体11は、合成樹脂材で一体的に
成形され、テーパ円柱状、すなわち、一端側(図1
(a)では上側)から他端側(図1(a)では下側)に
亘って、順次断面積が小さくなるように、その外周面に
テーパ加工が施された円柱状を呈している。また、ポス
ト本体11の大径側端部(図1(a)では上側端部)の
周縁部にはフランジ14が一体に形成されている。つま
り、ポスト本体11はテーパ部11aとフランジ部11
bで構成され、このテーパ部11aが歯茎部21の歯根
22に埋設固定され、フランジ部11bのフランジ14
の下面が歯根22の上面24によって支持される。
【0023】また、ポスト本体11のフランジ部11b
側端(大径側端;図1(a)では上端)には孔(丸孔)
13が形成され、この孔13にはネジ溝18が形成され
ている。この孔13は、ポスト本体11の小径側端(図
1(a)では下端)まで達するものではなく、孔13の
底部13aはポスト本体11の長手方向(図1(a)で
は上下方向)の中央部近傍に位置する。ここで、底部1
1aよりも下方の部分のテーパ部11aを、特に、本体
底部15とする。この本体底部15は、歯根22に形成
される孔23に嵌合させるために、歯科治療用機器によ
り、その外周部を切削加工し、断面積又は長さを調節で
きるように構成されている。
【0024】キーパ12は、ポスト本体11の孔13と
略同径の円柱状を呈しており、その外周面にはネジ溝1
8と螺合するようにネジ山16が形成されている。キー
パ12の底端部(図1(a)では下部)の形状は、ポス
ト本体11の孔13との整合性を考慮して、孔13の底
部13aと同じ形状であることが好ましい。また、キー
パ12の義歯体着脱面(図1(a)では上面)には、キ
ーパ着脱用溝17が形成される。このキーパ着脱用溝1
7にドライバー等を差込んで回転させることで、キーパ
12は容易に周方向に回転し、ポスト本体11に対する
キーパ12の着脱が容易に可能となる。
【0025】ポスト本体11を構成する合成樹脂材とし
ては、十分な強度を有すると共に歯科治療用機器によっ
て切削加工可能な硬度を有するものであれば特に限定す
るものではなく、例えば、強化プラスチックが挙げら
れ、特に、多少の弾性を有する強化プラスチックが好ま
しい。
【0026】ポスト本体11及びキーパ12は、単一径
のものではなく、その外径が異なるものを数種類(例え
ば、キーパ12の場合、φ2.5mmから、0.5mm
刻みで、φ4.5mmまでの5種類)それぞれ用意して
おくことで、歯茎部21に残存する歯根22の大きさに
応じて、適切なサイズのものを選択することができる。
【0027】また、ポスト本体11のネジ溝18及びキ
ーパ12のネジ山16の数n(又はピッチP)は、キー
パ12がポスト本体11から容易に外れない範囲であれ
ば、特に限定するものではないが、口腔内におけるキー
パ12の脱着が容易となるように、山数nはできるだけ
小さい(ピッチPはできるだけ大きい)方が好ましい。
これによって、ポスト本体11からキーパ12を取り外
すための回転角度が小さくて済む(例えば、360°未
満)。
【0028】さらに、キーパ着脱用溝17の溝形状は、
キーパ12と後述する義歯体41の永久磁石体45(図
3参照)との磁着に支障を来さないような形状であれ
ば、特に限定するものではない。
【0029】また、キーパ12の構成材としては、軟磁
性材料、好ましくは、耐食・耐摩耗性ステンレス鋼又は
極低Cフェライトステンレス鋼、例えば、SUS447
JI、SUSXM27等が挙げられる。これらのステン
レス鋼は、1〜2wt%のMoと26〜30wt%の高
Crを含有しているため、耐食性及び耐摩耗性には優れ
ているものの、強度(靭性)が不足しており、このた
め、ネジ部が破損したり(特開平11−299807号
公報参照)、取り扱い中に破損するおそれがある。この
ため、キーパ12は、ポスト本体11に予め螺合装着さ
せた状態、つまりポスト本体11と一体になった状態で
取り扱われる。これによって、キーパ12は、弾性を有
する合成樹脂製のポスト本体11で保護された状態で取
り扱われることになるため、破損のおそれなく、確実に
歯根22に対して取り付けることができる。
【0030】次に、本発明に係る根面部材の使用方法を
添付図面に基いて説明する。
【0031】先ず、歯根22に対して所定の治療を施し
た後、歯科用工具を用い、歯根22にポスト本体11を
埋め込むための孔23を形成する。
【0032】次に、その孔23の径に見合ったサイズの
ポスト本体11を選択し、フランジ14の下面が歯根2
2の上面24に着座するまで、ポスト本体11のテーパ
部11aの方を孔23に埋め込む(嵌め込む)。ポスト
本体11はテーパ状を呈しているため、歯根22の孔2
3への埋め込みが容易となる。また、この埋め込みの
際、必要に応じて接着剤などを用いてもよい。さらに、
ポスト本体11のフランジ部11aを加熱して半溶融状
態で孔23内に埋め込み、孔23と融着させるようにし
てもよい。
【0033】ここで、ポスト本体11を孔23に嵌合さ
せて埋め込むためには、ポスト本体11の形状と孔23
の形状が適合するように、複数の形状のポスト本体11
を予め用意しておく必要があるが、もし、ポスト本体1
1が歯根22に予め形成しておいた孔23の径に適合し
なかった場合、歯科治療用機器又は工具によって、プラ
スチックからなるポスト本体11の本体底部15を切削
加工することで、適合させることができる。本発明に係
る根面部材10によれば、ポスト本体11はプラスチッ
クで形成されているため、本体周面(テーパ部11a)
の切削加工及び孔13の穿孔加工が容易であると共に、
本体底部15も容易に切断・除去することができる。
【0034】また、ポスト本体11には、キーパ12を
螺合させるための孔13を予め形成しておき、この孔1
3にキーパ12が螺合された状態でポスト本体11が扱
われる。この螺合の際は、ドライバーなどを用いてキー
パ12を回転(図1(a)では右廻りに回転)させ、ポ
スト本体11の孔13に螺合させて固定する。この時、
キーパ12を締めすぎると、キーパ12又はポスト本体
11に破損が生じるおそれがある。このため、キーパ1
2を締めすぎることがないようにすべく、ポスト本体1
1の大径側端面(フランジ14の上面)に、キーパ着脱
用溝17の位置合わせのための目印19,19を予め形
成しておく(図1(b)参照)ことが好ましい。この目
印19は、ポスト本体11と色が異なる樹脂などを用
い、フランジ14の上面が平坦になるように形成され
る。
【0035】次に、フランジ14の周囲における歯根2
2の上面24を光重合型樹脂(又はセメント)25で被
覆した後、光を照射して硬化させ、本発明に係る根面部
材10が形成される。この光重合型樹脂25は、フラン
ジ14と歯根22の上面24の境界部を塞ぎ、唾液や食
物滓等が境界部から孔23内に浸入するのを防ぐ。この
時、歯根22の上面24の露出範囲は、フランジ14の
突出分だけ狭くなっているため、光重合樹脂等で被覆し
なければならない範囲が狭くなり、被覆加工が容易にな
り、かつ、その加工時間も短くなる。
【0036】その後、図3に示す永久磁石体45が接着
固定された義歯体41を、キーパ12に接近させると、
磁気吸着力が生じ、義歯体41が歯茎部21に設けられ
た根面部材10のキーパ12に磁着固定される。洗浄等
のために義歯体41を取り外す際は、磁気吸着力以上の
力で義歯体41を引張ることで、歯茎部21に装着され
た義歯体41を取り外すことができる。
【0037】一方、本発明に係る根面部材10を用いた
義歯体装着者が、MRIの検査・診断を受診する際は、
先ず、義歯体41を取り外した後、ドライバーなどを用
いてキーパ12を固定時とは反対方向に回転(図1
(a)では左廻りに回転)させることで、ポスト本体1
1(根面部材10)及び歯根22を損壊することなく、
容易にキーパ12を取り外すことができる。これによっ
て、MRIの診断画像に乱れが生じることはなく、正確
に検査・診断を行うことができる。また、キーパ12の
取り外しの際に、ポスト本体11及び歯根22を損壊す
ることがないため、検査・診断後は、ドライバーなどを
用いてキーパ12を回転させるだけで、容易に、ポスト
本体11の孔13に再螺合・固定することができ、義歯
体装着者が、その日常生活に支障を来すことはない。
【0038】以上、本発明に係る歯科磁性アタッチメン
トの根面部材10によれば、キーパ12を固定するポス
ト本体11として、強化プラスチック材の成形品を用い
るため、材料コストの低減を図ることができる。つま
り、同一規格で製造されたポスト本体11を用い、この
ポスト本体11を歯根22の孔23に嵌合させて埋め込
むだけであるため、大量生産に伴って製造コストの低減
を図ることができる。
【0039】また、ポスト本体11が、プラスチックか
らなるため、切削加工だけで、歯根22内に形成した孔
23の大きさや深さに応じて、ポスト本体11の外形及
び高さを自由に調整することができることから、図5に
示した従来のポスト本体61のように、その製造の際に
印象(型取り)工程や、鋳接工程等を必要としない。ま
た、ポスト本体11を多少の弾性を有するプラスチック
で形成した場合、孔23の形状とポスト本体11の形状
が多少違っていても(形状に誤差があっても)、その形
状誤差を許容することができる。つまり、ポスト本体1
1は、切削加工だけで製造可能であるため、従来のよう
に複雑な製造工程を必要とせず、また、その製造に高度
な歯科技工術を必要としなくなる。
【0040】さらに、ポスト本体11の製造の際に高度
な技術と熟練を要する鋳接工程などは必要とせず、ポス
ト本体11の製造に必要な工程は比較的容易な切削工程
だけであるため、ポスト本体11の製造作業者の違い
が、根面部材10の製品精度に影響を及ぼすことは殆ど
ない。
【0041】また、キーパ12は、直接、ポスト本体1
1に螺合して取り付けられることから、図5に示した従
来のキーパ46のように、その取付時に酸化されるおそ
れがなく、永久磁石体45との磁着性が悪化するおそれ
はない。
【0042】すなわち、本発明に係る根面部材10は、
従来の根面部材と比較して、容易な技工操作(作業)で
製造可能であることから、製造工程の簡略化、製造日数
の短縮、及び製造コストの大幅な低減を図ることができ
る。
【0043】以上、本発明の実施の形態は、上述した実
施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のもの
が想定されることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。 (1) 根面部材を歯茎部の残存歯根に対して固定する
際に、支台歯形成後の印象の採取や、鋳接工程を必要と
しないことから、製造・取付が容易な根面部材を得るこ
とができる。 (2) (1)の結果、本発明に係る根面部材の製造・
取付コストが安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯科磁性アタッチメントの根面部
材の縦断面図である。
【図2】本発明に係る根面部材を歯茎部に埋設固定した
時の縦断面図である。
【図3】本発明に係る根面部材が埋設固定された歯茎部
に義歯体を装着した時の縦断面図である。
【図4】従来のキーパ固定式の根面部材が埋設固定され
た歯茎部に義歯体を装着する状態を示す縦断面図であ
る。
【図5】従来のキーパ取外し式の根面部材が埋設固定さ
れた歯茎部に義歯体を装着した時の縦断面図である。
【符号の説明】
10 根面部材 11 ポスト本体 12 キーパ 13 孔(ネジ孔) 14 フランジ 17 キーパ着脱用溝 18 ネジ溝(ネジ孔) 21 歯茎部 22 歯根 41 義歯体 45 永久磁石体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯茎部に対する義歯体の着脱を永久磁石
    体の磁気吸着力を用いて行う歯科磁性アタッチメントの
    根面部材において、樹脂からなり、ネジ孔を有するポス
    ト本体を歯茎部の残存歯根に埋設固定し、そのネジ孔
    に、軟磁性材からなり、義歯体を着脱するためのキーパ
    を螺合して設け、キーパを着脱自在としたことを特徴と
    する歯科磁性アタッチメントの根面部材。
  2. 【請求項2】 上記ポスト本体がテーパ円柱状を呈して
    おり、小径端側を歯茎部の残存歯根に埋設固定し、大径
    端側にネジ孔を形成した請求項1記載の歯科磁性アタッ
    チメントの根面部材。
  3. 【請求項3】 上記ポスト本体が、その大径端縁部にフ
    ランジを有する請求項1又は2記載の歯科磁性アタッチ
    メントの根面部材。
  4. 【請求項4】 上記キーパの義歯体着脱面に、キーパ着
    脱用溝を形成した請求項1記載の歯科磁性アタッチメン
    トの根面部材。
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