JP4193368B2 - 磁石式架橋義歯 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,2以上の歯冠を直接又は連結歯を介して連結してなる義歯部を,磁気吸引力により,支台上に設置したキーパーに吸着させてなる磁石式架橋義歯に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より,2以上の歯冠を連結して構成した義歯部を口内に着脱可能に配設することができる可撤性の架橋義歯が種々開発されている。
例えば,図11に示すごとく,凸形状の凸部931を有する内冠93と,上記凸部931に嵌合する凹部921を有する義歯部91とから構成したコーヌス冠構造の架橋義歯9がある。
この架橋義歯9においては,上記凹部921の内周面922は,その先端に行くに従って外側に拡大した傾斜面を有し,上記凸部931の外周面932は,その先端に行くに従って内側に小さくなった傾斜面を有している。そして,この架橋義歯9は,凹部921を外側に弾性的に変形させ,天然歯951に設置した内冠93の凸部931に嵌合させて,口内95に着脱可能に取り付けられる(従来技術1)。
【0003】
また,図12に示すごとく,上記内層部92における凹部921の内周面922と上記内冠93における凸部931の外周面932とを,それぞれ取付方向に平行な面としたテレスコープ冠構造の架橋義歯9もある。この架橋義歯9は,上記凹部921と凸部931との間の間隙941に発生する摩擦抵抗を利用して,口内95に着脱可能に取り付けられる(従来技術2)。
【0004】
また,図13に示すごとく,永久磁石942を設置した義歯部91と,永久磁石942を吸着させるキーパー933を設置した支台930とから構成した磁石式の架橋義歯9がある。この磁石式の架橋義歯9の義歯部91においては,その内層部92に凹部921を形成すると共に,該凹部921に形成した磁石配置部923に上記永久磁石942を配置している。また,上記支台930は,上記凹部921の内周面922の形状に沿った外周面932を有する凸部931を有している。
そして,この磁石式の架橋義歯9は,凹部921を凸部931に嵌め合わせると共に,永久磁石942をキーパー933に吸着させ,その磁気吸引力により口内95に着脱可能に取り付けられる(従来技術3)。
【0005】
また,上記従来技術1〜3における架橋義歯9は,以下のようにして技工操作を行って製作している。
即ち,まず,上記内冠93又は支台930と,上記義歯部91とを順次手作業にて製作し(支台・義歯部製作工程),上記内冠93又は支台930を口内95の天然歯951に設置する。
【0006】
そして,口内95に設置した内冠93又は支台930における凸部931と,上記義歯部91における凹部921との嵌め合い状態を手作業で調整する(調整工程)。
また,従来技術3においては,上記調整工程を行った後に,義歯部91の磁石配置部923に上記永久磁石942をレジンによって合着し(合着工程),場合によっては,上記凸部931と上記凹部921との嵌め合い状態を再度手作業で調整する(再調整工程)。
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来技術1〜3の架橋義歯においては,いずれも上記調整工程においては,手作業で上記嵌め合い状態を調整する作業時間が多くかかり,上記凹部921と凸部931との間の隙間941,表面性状等にバラツキが生じる。そのため,この手作業による調整が失敗した場合には,上記内冠93又は支台930,義歯部91を再度製作して上記各工程をやり直す必要がある。それ故,上記架橋義歯9の製作に多大な時間を費やしている。
このことは,1本の歯冠からなる義歯においても生じる問題点であるが,2以上の歯冠910を連結する義歯部91と内冠93又は支台930とからなる上記架橋義歯9においては,特に顕著な問題点となっている。
【0008】
また,上記従来技術3においては,上記永久磁石942をレジンによって合着するため,永久磁石942と磁石配置部923との間の隙間920は,レジンを配置できるように若干大きく取られている。そして,上記合着工程における合着時にレジンが流動性を有するため,永久磁石942が横方向にずれて,永久磁石による吸着力が低下する場合がある。それ故,磁石式の架橋義歯9の製作を困難にしている。
【0009】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,短時間で製作ができると共に安定した吸着力を有し,かつ耐久性に優れる磁石式架橋義歯を提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,磁気吸引力を発生する磁石装置を内蔵する2以上の歯冠を直接又は連結歯を介して連結してなる義歯部と,上記磁石装置をそれぞれ吸着させるために支台上に設置したキーパーとからなる磁石式架橋義歯において,
上記キーパーは,凸形状の凸部を有すると共に該凸部の上面に被吸着面を有し,
上記義歯部における上記磁石装置は,永久磁石を内蔵してなると共に,吸着面を有する磁石構造体と,該磁石構造体の側周面に配設された筒状形状の非磁性材料よりなる非磁性ガイドリング部とを有し,
上記非磁性ガイドリング部における内周面は,上記凹部の先端に行くに従って外側に拡大した傾斜面を有し,上記キーパーにおける外周面は,上記凸部の先端に行くに従って内側に小さくなった傾斜面を有しており,
上記義歯部は,上記磁石装置の上記吸着面を上記キーパーの上記被吸着面に吸着すると共に,上記非磁性ガイドリング部と上記吸着面とによって形成された凹部を,上記キーパーの上記凸部と嵌め合わせて上記キーパーに取り付けるよう構成されていることを特徴とする磁石式架橋義歯にある。
【0011】
本発明において最も注目すべきことは,上記磁石装置は,上記永久磁石を有する磁石構造体と非磁性ガイドリング部とを有し,上記義歯部は,上記磁石装置の上記吸着面を上記キーパーの上記被吸着面に吸着すると共に,上記吸着面と上記非磁性ガイドリング部とによる上記凹部を上記キーパーの上記凸部と嵌め合わせて上記キーパーに取り付けるよう構成されていることである。
【0012】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記磁石式架橋義歯においては,上記凹部が上記磁石装置における非磁性ガイドリング部によって形成されており,上記凸部が上記キーパーに形成されている。そして,これら凹部と凸部とは,上記キーパーを口内に設置する前に,口外において予め機械加工により加工しておくことができる。
【0013】
この機械加工により,磁石装置とキーパーとをそれぞれ単体で組み合わせたときにおける上記凹部と凸部との間の間隙を精度よく形成することができる。
そして,複数の磁石装置及びキーパーを配置した上記磁石式架橋義歯は,各単体の磁石装置の凹部とキーパーの凸部とを嵌め合わせて吸着させた状態で,即ち各単体の凹部及び凸部における上記間隙の精度を保った状態で,磁石装置を義歯部に合着して製作することができる。
【0014】
そのため,磁石式架橋義歯を,複数の磁石装置と複数のキーパーとによる嵌め合わせにより,口内に取り付けたときにおいても,上記間隙の精度を保持することができる。そのため,上記支台に設置したキーパーを口内に配設した後,上記凹部の内周面と凸部の外周面との間の間隙に,手作業による嵌め合い状態の調整を行う必要がない。また,上記磁石装置を義歯部に合着した後においても,上記手作業による嵌め合い状態の調整を簡単に行うことができる。それ故,上記磁石式架橋義歯は,短時間で製作することができる。
【0015】
また,上記磁石式架橋義歯は,上記のごとく,上記間隙の精度を保った状態で製作することができるため,上記磁石装置とキーパーとを容易に正規の位置に正対させることができる。そのため,上記磁石式架橋義歯は,安定した吸着力を発生させることができる。
また,上記磁石式架橋義歯においては,上記義歯部を取り付ける方向である縦方向の外力に耐える力である維持力が上記磁石装置の磁気吸引力にのみ依存している。そのため,磁石式架橋義歯は,長期間の使用によっても,上記凹部及び凸部にほとんど摩耗を生じることがない。それ故,上記磁石式架橋義歯は耐久性に優れている。
【0016】
また,上記非磁性ガイドリング部は,非磁性材料よりなる。そのため,非磁性ガイドリング部の内周面には,上記磁石装置による磁気回路が形成されない。
そのため,上記磁石装置を有する義歯部を上記キーパーとの間で着脱する際に,非磁性ガイドリング部の内周面が上記キーパーの凸部に吸着してしまうことがない。それ故,上記磁石式架橋義歯は,上記義歯部を上記キーパーに対して容易に着脱することができ,可撤性の架橋義歯を容易に構成することができる。
【0017】
以上,本発明によれば,短時間で製作ができると共に安定した吸着力を有し,かつ耐久性に優れる磁石式架橋義歯を提供することができる。
【0018】
次に,上記非磁性ガイドリング部における内周面は,上記凹部の先端に行くに従って外側に拡大した傾斜面を有し,上記キーパーにおける外周面は,上記凸部の先端に行くに従って内側に小さくなった傾斜面を有している。
これにより,上記義歯部は,上記キーパーに対面する方向に対して若干傾けた状態でも着脱することができる。そのため,上記義歯部の着脱が一層容易になる。
【0019】
次に,請求項2に記載の発明のように,上記支台は,歯根に配設した根面板よりなり,上記キーパーは,該根面板に接合してなることが好ましい。
これにより,上記義歯部を取り付ける患者の歯根が健全であるとき,上記支台は,上記歯根に配設する根面板により形成することができる。
また,上記歯根への根面板の配設は,例えば,歯科用セメント等の接着剤を用いて行うことができる。この場合,容易に上記配設を行うことができる。
また,上記根面板へのキーパーの接合は,例えば,鋳接,溶接又は接着等により行うことができる。この場合,容易に上記接合を行うことができる。
【0020】
次に,請求項3に記載の発明のように,上記支台は,顎骨に固定したインプラントよりなり,上記キーパーは,該インプラントに設置してなることもできる。
これにより,上記義歯部を取り付ける者の歯根がない場合,あるいは,歯根はあるが上記のような根面板を配設可能でない場合,上記支台は,顎骨に固定する上記インプラントにより形成することができる。
【0021】
また,インプラントは,接着剤を用いて上記顎骨に固定できる他,ネジ構造を有していることにより上記顎骨に螺合することもできる。
また,上記キーパーは,鋳接,溶接又は接着のいずれかによってインプラントに固定することができる他,ネジ等の固定具によってもインプラントに固定することができる。
【0022】
次に,請求項4に記載の発明のように,上記磁石構造体は,底部と側壁部とにより磁石挿入部を形成してなるヨークと,該ヨークの上記磁石挿入部に挿入した上記永久磁石と,該永久磁石に被せられ上記吸着面の少なくとも一部を構成する軟磁性シールド板とを有しており,上記非磁性ガイドリング部は上記ヨークに溶接接合されており,また,上記軟磁性シールド板と上記ヨークとの間は,非磁性のシール材によりシールされていることが好ましい。
【0023】
上記のごとく,上記磁石式架橋義歯における磁石構造体は,上記軟磁性シールド板と上記ヨークとの間が,非磁性のシール材によりシールされている。そのため,上記永久磁石の吸着面側から軟磁性シールド板,キーパー,ヨークの側壁部及びヨークの底部を通って,永久磁石の吸着面とは反対側に循環する磁気のループを形成することができる。これにより,上記磁石式架橋義歯は,強力な磁気吸引力を容易に発生させることができる。
【0024】
また,上記非磁性ガイドリング部は,上記ヨークに溶接接合することにより,上記磁石構造体と一体化されて,容易に強固な上記磁石装置を形成することができる。
【0025】
次に,請求項5に記載の発明のように,上記非磁性ガイドリング部は,その外周面に溝又は突起を有していることが好ましい。
これにより,上記磁石装置を上記歯冠に取り付けた後,上記磁石装置と上記歯冠との接合性を向上させることができ,歯冠から磁石装置が離脱してしまうことを防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる磁石式架橋義歯につき,図1〜図6を用いて説明する。
図1,図2に示すごとく,本例における磁石式架橋義歯1は,磁気吸引力を発生する磁石装置4を内蔵する2以上の歯冠25を連結歯26を介して連結してなる義歯部2と,上記磁石装置4をそれぞれ吸着させるために支台3上に設置したキーパー31とからなる。
また,上記キーパー31は,凸形状の凸部311を有すると共に該凸部311の上面に被吸着面312を有している。
【0027】
上記義歯部2における上記磁石装置4は,永久磁石41を内蔵してなると共に吸着面441を有する磁石構造体40と,該磁石構造体40の側周面401に配設された非磁性ガイドリング部43とを有している。
上記義歯部2は,上記磁石装置4の上記吸着面441を上記キーパー31の上記被吸着面312に吸着すると共に,上記非磁性ガイドリング部43と上記吸着面441とによって形成された凹部47を,上記キーパー31の上記凸部311と嵌合して上記キーパー31に取り付けるよう構成されている。
このようにして,上記磁石式架橋義歯1は,上記義歯部2と上記キーパー31とを着脱自在に取り付けてなる可撤性の架橋義歯を構成する。
なお,上記義歯部2は,上記歯冠25を直接連結して構成されていてもよい。
【0028】
以下に,これを詳説する。
本例における上記支台3は,歯根51に配設した根面板32よりなり,上記キーパー31は,根面板32に接合してなる(図5(a)参照)。
図3(a)に示すごとく,上記磁石構造体40は,底部421と側壁部422とにより磁石挿入部423を形成してなると共に軟磁性の材料よりなるヨーク42と,該ヨーク42の上記磁石挿入部423に挿入した上記永久磁石41と,該永久磁石41に被せられ上記吸着面441を構成する軟磁性シールド板44とを有している。
また,上記非磁性ガイドリング部43は上記ヨーク42に非磁性の溶接材料45により溶接接合されており,また,上記軟磁性シールド板44と上記ヨーク42の側壁部422との間は,非磁性のシール材46を配置することによりシールされている。
【0029】
また,上記非磁性ガイドリング部43は,その外周面431に,上記磁石装置4と上記歯冠25(図1参照)との接合性を向上させるための溝432を有している。つまり,上記磁石装置4は,上記溝432に接着性のレジン222が入っており,上記歯冠25に形成された挿入凹部221(図6(a)参照)から離脱することを防止されている。
【0030】
また,上記非磁性ガイドリング部43における上記キーパー31と接する内周面434は,上記凹部47の先端に行くに従って外側に拡大した傾斜面状に形成されており,上記キーパー31は,上記凸部311の外周面313は,該凸部311の先端に行くに従って内側に小さくなった傾斜面状に形成されている。
【0031】
図3(b)に示すごとく,上記キーパー31は,軟磁性の材料よりなり,上記凸部311と該凸部311の下方において拡径した段部314とからなる段差付きの構造を有している。上記凸部311は,その外周面313が上記非磁性ガイドリング部43の内周面434に対向すると共に,その上面の被吸着面312が上記磁石装置4の吸着面441に対面する。
【0032】
図4に示すごとく,上記磁石構造体40における永久磁石41は,上記キーパー31と対面する厚み方向にN−S極が伸びている。
また,上記磁石構造体40は円盤状の形状を有しており,上記被磁性ガイドリング部43は筒状の形状を有している。また,上記キーパー31は,円柱状の形状を有しており,段差付きの台形状に形成されている。
また,上記磁石式架橋義歯1において,上記永久磁石41によって,磁気のループ402が形成される箇所,即ち,軟磁性シールド板44,キーパー31,ヨーク42は軟磁性の材料からなる。
【0033】
そして,上記磁石構造体40は,磁気吸引力によって,着脱自在に上記支台3に吸着させることができる。つまり,上記義歯部2は,上記磁石装置4と上記キーパー31とを吸着させることにより,支台3に取り付けられ,上記磁石装置4と上記キーパー31との吸着を解除することにより,支台3から取り外されることができる。
【0034】
そして,同図に示すごとく,上記磁石装置4を上記キーパー31に吸着した際には,上記磁石装置4と上記キーパー31とにより,それらを循環する磁気のループ402が形成される。この磁気のループ402は,N極である永久磁石41の吸着面441からキーパー31及びヨーク42の側壁部422及び底部421を通って,上記底部421に対面する面であると共に永久磁石41のS極である底面411に向けて循環する。そして,この磁気のループ402によって,磁石装置4がキーパー31に吸着する磁気吸引力を発生させることができる。
なお,上記磁石装置4のN−S極は,吸着面441側をS極,底面411側をN極として構成することもできる。この場合には,上記磁気のループ402は,逆方向に循環することになる。
【0035】
また,図1,図2に示すごとく,本例における義歯部2は,別名をブリッジとも言い,少数の欠損歯,即ち天然歯が抜けてなくなった部分を補充する連結歯列よりなる。
上記義歯部2における上記歯冠25は,外層部21,内層部22及び磁石装置4より構成されている。また,義歯部2における上記連結歯26は,外層部21及び内層部22よりなる。
【0036】
上記外層部21は,硬質のレジン又はハイブリットセラミックスからできており,内層部22は,金属からできている。また,内層部22は,それぞれ隣接する歯冠25と連結歯26とを連結するフレーム構造を有しており,歯冠25と連結歯26とを連結している。
【0037】
なお,上記内層部22は,上記歯冠25同士又は上記連結歯26同士を連結していてもよく,また,上記歯冠25に対して上記連結歯26とは反対側に位置する隣接歯として,上記磁石装置4を有しない上記連結歯26があってもよい。
また,本例においては,2つの磁石装置4及び2つのキーパー31は,それぞれ同じサイズのものを用いているが,これに対し,歯冠25のサイズに合わせて異なるサイズのものを用いてもよい。
【0038】
上記歯冠25は,口内5の顎骨53から生えている歯根51を有する部分に設けており,歯根51がない部分には,口内5の歯肉52の上に連結歯26を設けている。
上記支台3は,天然の歯髄を取り除いた歯根51に配設した根面板32よりなり,上記キーパー31は,この根面板32に接合してなる。
【0039】
次に,上記磁石式架橋義歯1を製作する方法につき説明する。
まずは,図5(a)に示すごとく,上記キーパー31及び根面板32を設置する歯の歯根51における歯髄を取り除く。
次いで,上記歯髄を取り除いた歯根51の内面511の型を取り,該型と同等の形状を有する上記支台3である根面板32を,その上部にキーパー31を鋳接して製作する。
【0040】
次いで,図5(b)に示すごとく,上記キーパー31を鋳接した根面板32を,歯科用セメントである接着剤により,上記歯根51の歯髄を取り除いた歯根51の内面511に固定する。
次いで,図6(b)に示すごとく,上記支台3上に設置されたキーパー31に,上記磁石構造体40及び非磁性ガイドリング部43からなる磁石装置4を吸着させる。
【0041】
次に,図6(a)に示すごとく,上記歯冠25及び連結歯26からなる義歯部本体20を,上記キーパー31を鋳接した根面板32に合わせて形成する。このとき,歯冠25には,上記磁石装置4が入る挿入凹部221を設けておき,該挿入凹部221には,貫通穴であるとん路223を設けておく。
【0042】
そして,図6(a),(b)に示すごとく,上記磁石装置4における非磁性ガイドリング部43の外周面431又は上記歯冠25の挿入凹部221の少なくともいずれか一方に接着性のレジン222を塗布し,上記磁石装置4を上記挿入凹部221に固定させる。このとき,余剰の接着性レジン222は,上記とん路223から外に逃すことができる。また,この外に逃した余剰のレジンを拭き取る。
こうして,上記義歯部2と上記支台3とからなる磁石式架橋義歯1を製作する。
【0043】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記磁石式架橋義歯1においては,上記凹部47が上記磁石装置4における非磁性ガイドリング部43によって形成されており,上記凸部311が上記キーパー31に形成されている。そして,これら凹部47と凸部311とは,上記キーパー31を口内5に設置する前に,口外において予め機械加工により加工しておくことができる。
【0044】
この機械加工により,磁石装置4とキーパー31とをそれぞれ単体で組み合わせたときにおける上記凹部47の内周面434と凸部311の外周面313との間の間隙30を精度よく形成することができる。
そして,複数の磁石装置4及びキーパー31を配置した上記磁石式架橋義歯1は,各単体の磁石装置2の凹部47とキーパー31の凸部311とを嵌め合わせて吸着させた状態で,即ち各単体における上記間隙30の精度を保った状態で,磁石装置4を義歯部2に合着して製作することができる。
【0045】
そのため,磁石式架橋義歯1を,複数の磁石装置2と複数のキーパー31とによる嵌め合わせにより,口内5に取り付けたときにおいても,上記間隙30の精度を保持することができる。そのため,上記支台3に設置したキーパー31を口内5に配設した後,上記間隙30に,手作業による嵌め合い状態の調整を行う必要がない。また,上記磁石装置4を義歯部2に合着した後においても,上記手作業による嵌め合い状態の調整が簡単なため,上記磁石式架橋義歯1は,短時間で製作することができる。
【0046】
また,上記磁石式架橋義歯1は,上記のごとく,上記間隙30の精度を保った状態で製作することができるため,上記磁石装置4とキーパー31とを容易に正規の位置に正対させることができる。そのため,上記磁石式架橋義歯1は,安定した吸着力を発生させることができる。
また,上記磁石式架橋義歯1においては,上記義歯部2を取り付ける方向である縦方向の外力に耐える力である維持力が上記磁石装置4の磁気吸引力にのみ依存している。そのため,磁石式架橋義歯1は,長期間の使用によっても,上記間隙30にほとんど摩耗を生じることがない。それ故,上記磁石式架橋義歯1は耐久性に優れている。
【0047】
上記非磁性ガイドリング部43の内周面434及び上記キーパー31の凸部31における外周面313は互いに対向する傾斜面状に形成されている。そのため,上記義歯部2は,上記キーパー31に対面する方向に対して若干傾けた状態でも着脱することができる。そのため,上記義歯部2の着脱が容易になる。
【0048】
また,上記非磁性ガイドリング部43は,非磁性材料よりなる。そのため,非磁性ガイドリング部43の内周面434には,上記磁石装置4による磁気回路が形成されない。
そのため,上記磁石装置4を有する義歯部2を上記キーパー31との間で着脱する際に,非磁性ガイドリング部43の内周面434が上記キーパー31の凸部311に吸着してしまうことがない。それ故,上記磁石式架橋義歯1は,上記義歯部2を上記キーパー31に対して一層容易に着脱することができる。
【0049】
図4に示すごとく,上記磁石式架橋義歯1は,上記軟磁性シールド板44と上記ヨーク42との間が,非磁性のシール材46によりシールされている。そのため,N極である上記永久磁石41の吸着面441側から軟磁性シールド板44,キーパー31,ヨーク42の側壁部422及びヨーク42の底部421を通って,S極である永久磁石41の吸着面441とは反対側の底面411に循環する複数の磁気のループ402を形成することができる。また,この磁気のループ402は,上記円盤状の永久磁石41の円周上に沿って複数形成される。
これにより,上記磁石式架橋義歯1は,強力な磁気吸引力を発生させることができる。
【0050】
また,上記非磁性ガイドリング部43は,上記ヨーク42に溶接接合することにより,上記磁石構造体40と一体化されて,容易に強固な上記磁石装置4を形成することができる。
【0051】
また,上記非磁性ガイドリング部43は,その外周面431に,上記磁石装置4と上記歯冠25との接合性を向上させるための溝432を有している。そのため,上記磁石装置4を上記歯冠25に取り付けた後,該歯冠25からその磁石装置4が離脱してしまうことを防止することができる。
【0052】
実施形態例2
図7(a),(b)に示すごとく,本例における磁石式架橋義歯1は,上記磁石装置4を内蔵する2以上の歯冠25を連結歯26を介して連結してなる。また上記歯冠25及び連結歯26は,上記内層部22を有しておらず上記外層部21によって構成されており,上記キーパー31は,支台3である根面板32上にレーザ溶接にて設置している。その他は上記実施形態例1と同様である。
【0053】
なお,上記義歯部2は,上記歯冠25を直接連結して構成されていてもよい。
本例のように上記歯冠25および連結歯26は,外層部21によってのみ構成することもできる。本例においても,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
実施形態例3
図8に示すごとく,本例における磁石式架橋義歯1は,上記磁石装置4を内蔵する2以上の歯冠25を連結歯26を介して連結してなる義歯部2と,上記磁石装置4をそれぞれ吸着させるために支台3である根面板32上に設置したキーパー31とからなると共に,上記義歯部2を口内5の上顎又は下顎の歯列の全体に使用してなる。
本例における義歯部2の構造をフルブリッジの構造と言い,上記内層部22は,すべての歯冠25又は連結歯26を連結している。
また,上記磁石装置4は,左側の歯列と右側の歯列の両方にそれぞれ2箇所づつ設けてある。その他は上記実施形態例1と同様である。
【0055】
本例の磁石式架橋義歯1は,口内5に天然の歯冠が残っていない場合に有効である。この場合,健全な天然の歯冠が一本もなくても,上記磁石式架橋義歯1を構成することができる。
その他,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
実施形態例4
図9に示すごとく,本例における磁石式架橋義歯1は,上記磁石装置4を内蔵する2以上の歯冠25を連結歯26を介して連結してなる義歯部2と,支台3であるインプラント33に設置したキーパー31とよりなる。
上記インプラント33はネジ構造を有しており,上記顎骨53に螺合して固定されている。また,上記キーパー31は,ネジである固定具34によって,インプラント33に固定されている。
その他は上記実施形態例1と同様である。
【0057】
本例においては,上記義歯部2を取り付ける者の歯根51がない場合,あるいは,歯根51はあるが上記のような根面板32を配設可能でない場合,上記支台3は,顎骨53に固定する上記インプラント33により形成することができる。
その他,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
実施形態例5
図10(a),(b)に示すごとく,本例における磁石式架橋義歯1は,上記永久磁石41が上記ヨーク42に両側部から挟まれたサンドイッチ構造を有していると共に,磁石構造体40の磁気回路が上記キーパー31と対面する厚み方向とは直角の方向である直角方向にN−S極が伸びている。
また,磁石構造体40は,永久磁石41における上記直角方向の外周には,非磁性のシールドケース48が被せられており,永久磁石41と上記キーパー31の被吸着面312との間から磁気が漏れないようになっている。
また,本例における上記非磁性ガイドリング部43は,上記溝432を有している代わりに,突起435を有しており,該突起435により離脱が防止されている。その他は上記実施形態例1と同様である。
【0059】
図10(b)に示すごとく,上記磁石装置4を上記キーパー31に吸着した際には,上記磁石装置4と上記キーパー31とにより,それらを循環する磁気のループ402が形成される。この磁気のループ402は,N極である永久磁石41の片側の側面415から,ヨーク42及びキーパー31を通って,上記永久磁石41のS極である反対側の側面415に向けて循環する。そして,この磁気のループ402によって,磁気吸引力を発生させることができる。
上記磁石式架橋義歯1は,本例のようなサンドイッチ構造によっても,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
実施形態例6
本例においては,上記磁石式架橋義歯1と,従来のコーヌス冠構造の架橋義歯,テレスコープ冠構造の架橋義歯及び磁石式の架橋義歯について,維持力,把持力,操作性,寿命及び技工操作の各性能の試験及び評価を行った。
ここで,上記維持力は,上記義歯部を取り付ける方向である縦方向の外力に耐える力のことを言い,上記把持力は,上記縦方向とは直角の横方向の外力に耐える力のことを言い,上記操作性は,義歯部の着脱容易性を示す。
【0061】
発明品1
上記義歯部2の構造は,2本の上記歯冠25の間に上記連結歯26を連結する構造である。
上記磁石装置4は,上記歯冠25にそれぞれ有しており,外径D1がφ5mm,全体の高さH1が2.3mmで,吸着面441の外径D2がφ4mmである。
上記義歯部2は,歯根51に配設された根面板32に鋳接されたキーパー31に吸着させてなる。
上記磁石構造体40のヨーク42は,19Cr−2Mo−0.2Tiよりなる。
【0062】
上記永久磁石41は,Nd系の磁石よりなり,上記非磁性ガイドリング部43は,SUS316Lよりなると共にその外周面431に脱落防止用のアンダーカットを設けてなる。
上記キーパー31は,上記凸部311が19Cr−2Mo−0.2Tiよりなり,上記段部314がSUS316Lよりなる。また,段部314の外径D3がφ5mmで,被吸着面312の外径D4がφ4mmであり,凸部311の高さH3が1mm,上記キーパー31全体の高さH2は1.6mmである。また,キーパー31の凸部311及び段部314の表面には厚み1μmの純金がコーティングしてある。
なお,上記2つの上記磁石装置4及び2つのキーパー31は,それぞれ同じ材質,寸法を有する。実際には,歯によりスペース等が異なり,それらは互いに異なる寸法を有することがある。また,上記各部の寸法は,図3参照のこと。
【0063】
発明品2
上記義歯部2の構造は,口内5の上顎又は下顎の歯列の全体に使用したフルブリッジの構造である。
上記磁石装置4は,左側の歯列と右側の歯列の両方にそれぞれ2箇所づつ設けており,外径D1がφ4mm,全体の高さH1が3.2mmで,吸着面441の外径D2がφ3mmである。
上記内層部22は,すべての歯冠25又は連結歯26を連結している。
上記義歯部2は,歯根51に配設された根面板32に溶接されたキーパー31に吸着させてなる。
上記磁石構造体40のヨーク42は,17Cr−2Mo−0.2Tiよりなる。
【0064】
上記永久磁石41は,Nd系の磁石よりなり,上記非磁性ガイドリング部43は,SUS316Lよりなると共にその外周面431に脱落防止用のレジンをコーティングしている。
上記キーパー31は,上記凸部311が17Cr−2Mo−0.2Tiよりなり,上記段部314がSUS316Lよりなる。また,段部314の外径D3がφ4mmで,被吸着面312の外径D4がφ3mmであり,凸部311の高さH3が2mm,上記キーパー31全体の高さH2は2.6mmである。
なお,上記2つの上記磁石装置4及び2つのキーパー31は,それぞれ同じ材質,寸法を有する。実際には,歯によりスペース等が異なり,それらは互いに異なる寸法を有することがある。また,上記各部の寸法は,図3参照のこと。
【0065】
発明品3
上記義歯部2の構造は,2本の上記歯冠25の間に上記連結歯26を2本連結する構造である。
上記磁石装置4は,上記歯冠25にそれぞれ有しており,外径D1がφ4mm,全体の高さH1が1.2mmで,吸着面441の外径D2がφ3mmである。
上記義歯部2は,顎骨53に固定されたインプラント33に固定具34により固定された上記キーパー31に吸着させてなる。
上記磁石構造体40のヨーク42は,17Cr−2Mo−0.2Tiよりなる。
【0066】
上記永久磁石41は,Nd系の磁石よりなり,上記非磁性ガイドリング部43は,SUS316Lよりなると共にその外周面431に脱落防止用のレジンをコーティングしている。
上記キーパー31は,上記凸部311が17Cr−2Mo−0.2Tiよりなり,上記段部314がSUS316Lよりなる。また,段部314の外径D3がφ4mmで,被吸着面312の外径D4がφ3mmであり,凸部311の高さH3が0.2mm,上記キーパー31全体の高さH2は0.8mmである。
なお,上記2つの上記磁石装置4及び2つのキーパー31は,それぞれ同じ材質,寸法を有する。実際には,歯によりスペース等が異なり,それらは互いに異なる寸法を有することがある。また,上記各部の寸法は,図3参照のこと。
【0067】
比較品1
上記従来技術1に示したコーヌス冠構造の架橋義歯9である。
上記義歯部91の構造は,2本の歯冠の間に連結歯を連結する構造である。
内層部92の凹部921は,先端部の内径D5がφ5mm,底部の内径D6がφ4mm,高さH4が7mmである。また,内冠93は,凸部931の高さH5が6.5mmであり,上記凹部921に嵌合する寸法を有している(図11参照)。
なお,2つの凹部921及び2つの内冠93は,それぞれ同じ寸法を有する。
【0068】
比較品2
上記従来技術2に示したテレスコープ冠構造の架橋義歯9である。
上記義歯部91の構造は,2本の歯冠の間に連結歯を連結する構造である。
内層部92の凹部921は,先端部及び底部の内径D5が共にφ5mm,凹部921の高さH4が7mmである。また,内冠93は,凸部931の高さH5が6.5mm,凸部931の外径がD5と同じであり,茶筒効果を有して嵌め合う。(図12参照)。
なお,2つの凹部及び2つの内冠は,それぞれ同じ寸法を有する。
【0069】
比較品3
上記従来技術3に示した磁石式の架橋義歯である。
上記義歯部91の構造は,2本の歯冠の間に連結歯を連結する構造である。
上記義歯部91は,歯根951に配設された支台930に鋳接されたキーパー933に吸着させてなる。
【0070】
上記永久磁石942は,Nd系の磁石よりなり,全体の外径がφ4.4mm,吸着面の外径がφ4mm,全体の高さが1.3mmである。
上記キーパー31は,19Cr−2Mo−0.2Tiよりなり,被吸着面の外径がφ4mm,全体の高さが0.8mmである。
なお,上記2つの上記永久磁石942及び2つのキーパー31は,それぞれ同じ材質,寸法を有する。
【0071】
上記各性能の試験を行った結果及び評価を以下に示す。
ここで,上記把持力は,上記義歯部とキーパーとをそれらが横ズレする方向にスライドさせても,当該義歯部が外れない場合を○,外れてしまう場合を×として評価した。
また,操作性は,ワンタッチで特別な道具等を必要とすることなく着脱できる場合を○,所定の方向にしか着脱できず,該着脱が困難な場合を×として評価した。
【0072】
また,寿命は,上記義歯部の取り外し可能回数を示しており,取り外し回数を5回/日×3年(約5000回)としたときに,上記把持力の低下が1%未満の場合を○,それ以上の場合を×して評価した。
また,技工操作は,上記磁石式架橋義歯の製作時間が,1日未満の場合を○,それ以上(2日以上)の場合を×として評価した。
なお,上記維持力,把持力,操作性,寿命及び技工操作のすべてについて,各3セット試験を行った。
【0073】
発明品1は,維持力がそれぞれ3セットとも16N,把持力が○,操作性が○,寿命が○及び技工操作が○となった。
発明品2は,維持力がそれぞれ3セットとも10N,把持力が○,操作性が○,寿命が○及び技工操作が○となった。
発明品3は,維持力がそれぞれ3セットとも10N,把持力が○,操作性が○,寿命が○及び技工操作が○となった。
【0074】
比較品1は,維持力がそれぞれ3セットとも12N,把持力が○,操作性が○,寿命が×及び技工操作が×となった。
比較品2は,維持力がそれぞれ3セットとも10N,把持力が○,操作性が×,寿命が×及び技工操作が×となった。
比較品3は,維持力が12N〜16Nとバラツキがあり,把持力が○,操作性が○,寿命が○及び技工操作が×となった。
【0075】
上記各性能の試験の結果よりわかることをまとめると以下のようになる。
発明品1〜3は,維持力が安定しており,把持力,操作性,寿命及び技工操作共に○となり,安定した吸着力を発生させることができると共に着脱が容易で,耐久性にも優れており,口内に取り付ける際の技工操作が極めて容易であることがわかる。
これに対して,上記比較品1は寿命が短く,技工操作が困難で,上記比較品2は寿命が短く,操作性及び技工操作が困難であることがわかる。また,上記比較品3は,安定した維持力を発揮すること及び技工操作が困難であることがわかる。
以上の結果より,上記実施形態例1〜6に記載の磁石式架橋義歯1は,上記のすべての性能について優れていることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,短時間で製作ができると共に安定した吸着力を有し,かつ耐久性に優れる磁石式架橋義歯を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,磁石式架橋義歯を示す断面説明図。
【図2】実施形態例1における,磁石式架橋義歯を示す平面説明図。
【図3】実施形態例1における,磁石装置及びキーパーを示す断面説明図。
【図4】実施形態例1における,磁石装置をキーパーに吸着した状態を示す断面説明図。
【図5】実施形態例1における,(a)歯根における歯髄を取り除いた状態,(b)キーパーを鋳接した根面板を,歯髄を取り除いた歯根に固定した状態を示す断面説明図。
【図6】実施形態例1における,(a)歯冠及び連結歯からなる義歯部本体の挿入凹部に接着性のレジンを塗布した状態,(b)キーパーに磁石装置を吸着させた状態を示す断面説明図。
【図7】実施形態例2における,(a)磁石式架橋義歯を示す図で,(a)平面図,(b)断面説明図。
【図8】実施形態例3における,磁石式架橋義歯を示す平面図。
【図9】実施形態例4における,磁石式架橋義歯を示す断面説明図。
【図10】実施形態例5における,磁石式架橋義歯を示す断面説明図。
【図11】従来例における,コーヌス冠構造の架橋義歯を示す断面説明図。
【図12】従来例における,テレスコープ冠構造の架橋義歯を示す断面説明図。
【図13】従来例における,磁石式の架橋義歯を示す断面説明図。
【符号の説明】
1...磁石式架橋義歯,
2...義歯部,
25...歯冠,
26...連結歯,
3...支台,
31...キーパー,
311...凸部,
312...被吸着面,
32...根面板,
4...磁石装置,
40...磁石構造体,
41...永久磁石,
43...非磁性ガイドリング部,
441...吸着面,
47...凹部,
5...口内,
51...歯根,
Claims (5)
- 磁気吸引力を発生する磁石装置を内蔵する2以上の歯冠を直接又は連結歯を介して連結してなる義歯部と,上記磁石装置をそれぞれ吸着させるために支台上に設置したキーパーとからなる磁石式架橋義歯において,
上記キーパーは,凸形状の凸部を有すると共に該凸部の上面に被吸着面を有し,
上記義歯部における上記磁石装置は,永久磁石を内蔵してなると共に,吸着面を有する磁石構造体と,該磁石構造体の側周面に配設された筒状形状の非磁性材料よりなる非磁性ガイドリング部とを有し,
上記非磁性ガイドリング部における内周面は,上記凹部の先端に行くに従って外側に拡大した傾斜面を有し,上記キーパーにおける外周面は,上記凸部の先端に行くに従って内側に小さくなった傾斜面を有しており,
上記義歯部は,上記磁石装置の上記吸着面を上記キーパーの上記被吸着面に吸着すると共に,上記非磁性ガイドリング部と上記吸着面とによって形成された凹部を,上記キーパーの上記凸部と嵌め合わせて上記キーパーに取り付けるよう構成されていることを特徴とする磁石式架橋義歯。 - 請求項1において,上記支台は,歯根に配設した根面板よりなり,上記キーパーは,該根面板に接合してなることを特徴とする磁石式架橋義歯。
- 請求項1において,上記支台は,顎骨に固定したインプラントよりなり,上記キーパーは,該インプラントに設置してなることを特徴とする磁石式架橋義歯。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記磁石構造体は,底部と側壁部とにより磁石挿入部を形成してなるヨークと,該ヨークの上記磁石挿入部に挿入した上記永久磁石と,該永久磁石に被せられ上記吸着面の少なくとも一部を構成する軟磁性シールド板とを有しており,
上記非磁性ガイドリング部は上記ヨークに溶接接合されており,また,上記軟磁性シールド板と上記ヨークとの間は,非磁性のシール材によりシールされていることを特徴とする磁石式架橋義歯。 - 請求項1〜4のいずれか一項において,上記非磁性ガイドリング部は,その外周面に溝又は突起を有していることを特徴とする磁石式架橋義歯。
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