JP2002102258A - バータイプインプラント用義歯アタッチメント - Google Patents
バータイプインプラント用義歯アタッチメントInfo
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- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
- A61C8/00—Means to be fixed to the jaw-bone for consolidating natural teeth or for fixing dental prostheses thereon; Dental implants; Implanting tools
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- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
- A61C13/00—Dental prostheses; Making same
- A61C13/225—Fastening prostheses in the mouth
- A61C13/275—Fastening prostheses in the mouth removably secured by using bridging bars or rails between residual teeth
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- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
- A61C13/00—Dental prostheses; Making same
- A61C13/225—Fastening prostheses in the mouth
- A61C13/235—Magnetic fastening
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- A61C—DENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
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- A61C8/0048—Connecting the upper structure to the implant, e.g. bridging bars
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 バータイプのインプラント用であって、噛み
合わせに伴う義歯の揺動に従って回転することが可能で
あり、義歯の着脱操作が容易で、かつ、耐摩耗性に優れ
た義歯アタッチメントを提供する。 【解決手段】 少なくとも曲率半径が一定の断面弧状の
被吸着面をもつバー状のキーパーと、互いに背向する両
面がＮ極及びＳ極となる磁石体と、該磁石体の両側にサ
ンドイッチ状に組み込まれ同一側の各一側面が該キーパ
ーの該被吸着面と型対象な吸着面をもち該キーパーの該
被吸着面に着脱自在に吸着する一対のヨークと、少なく
とも一対の該ヨーク間の該磁石体の側周面を液密的に覆
う耐食非磁性材料製のシール部材とからなる磁石構造体
とを具備する。
合わせに伴う義歯の揺動に従って回転することが可能で
あり、義歯の着脱操作が容易で、かつ、耐摩耗性に優れ
た義歯アタッチメントを提供する。 【解決手段】 少なくとも曲率半径が一定の断面弧状の
被吸着面をもつバー状のキーパーと、互いに背向する両
面がＮ極及びＳ極となる磁石体と、該磁石体の両側にサ
ンドイッチ状に組み込まれ同一側の各一側面が該キーパ
ーの該被吸着面と型対象な吸着面をもち該キーパーの該
被吸着面に着脱自在に吸着する一対のヨークと、少なく
とも一対の該ヨーク間の該磁石体の側周面を液密的に覆
う耐食非磁性材料製のシール部材とからなる磁石構造体
とを具備する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気吸引力によっ
て義歯を歯根部に着脱自在に固定する義歯アタッチメン
トに関する。
て義歯を歯根部に着脱自在に固定する義歯アタッチメン
トに関する。
【０００２】
【従来の技術】歯科治療において、図３および図４に示
すように、インプラントに義歯を固定するためのバー＆
クリップタイプの義歯アタッチメントがある。このタイ
プのアタッチメントは、歯根部に埋設された固定基部に
支持される円柱状のバー４１に、義歯を義歯床に植設さ
れたクリップ４２によって係止するものであり、義歯を
クリップにより弾性的に保持するアタッチメントであ
る。
すように、インプラントに義歯を固定するためのバー＆
クリップタイプの義歯アタッチメントがある。このタイ
プのアタッチメントは、歯根部に埋設された固定基部に
支持される円柱状のバー４１に、義歯を義歯床に植設さ
れたクリップ４２によって係止するものであり、義歯を
クリップにより弾性的に保持するアタッチメントであ
る。
【０００３】しかし、このバー＆クリップタイプの義歯
アタッチメントは、金属または樹脂のクリップで円柱状
のバーを把持するものであるため、義歯の装着の際にク
リップをバーに圧入することが必要であり、義歯の着脱
操作が容易ではない。また、クリップとバーとの摺動部
分が摩耗しやすいという問題もある。
アタッチメントは、金属または樹脂のクリップで円柱状
のバーを把持するものであるため、義歯の装着の際にク
リップをバーに圧入することが必要であり、義歯の着脱
操作が容易ではない。また、クリップとバーとの摺動部
分が摩耗しやすいという問題もある。
【０００４】一方、インプラントに義歯を固定するにあ
たり、義歯の着脱が容易であるという観点から、例えば
特開平８−３１７９４１号公報等に開示されているよう
に、磁気吸引力を利用する試みも種々なされている。
たり、義歯の着脱が容易であるという観点から、例えば
特開平８−３１７９４１号公報等に開示されているよう
に、磁気吸引力を利用する試みも種々なされている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の磁気吸
引力を利用したアタッチメントは、インプラントの構造
はバータイプとは異なり、支台歯タイプであって、さら
に、義歯床に植設された磁石構造体と歯根部に設けられ
たキーパーとの吸着面は平面をなすものである。したが
って、従来の磁気吸引力を利用したアタッチメントは、
上記吸着面が平面であるため、噛み合わせに伴う義歯の
揺動に従って回転することはできない。また、義歯床に
植設された磁石構造体は、被吸着面が円柱側面状である
上記バータイプのキーパーに吸着することは困難であ
り、このバータイプのキーパーと組み合わせて用いるこ
ともできない。
引力を利用したアタッチメントは、インプラントの構造
はバータイプとは異なり、支台歯タイプであって、さら
に、義歯床に植設された磁石構造体と歯根部に設けられ
たキーパーとの吸着面は平面をなすものである。したが
って、従来の磁気吸引力を利用したアタッチメントは、
上記吸着面が平面であるため、噛み合わせに伴う義歯の
揺動に従って回転することはできない。また、義歯床に
植設された磁石構造体は、被吸着面が円柱側面状である
上記バータイプのキーパーに吸着することは困難であ
り、このバータイプのキーパーと組み合わせて用いるこ
ともできない。
【０００６】本発明は、上記問題点に鑑み、バータイプ
のインプラント用であって、噛み合わせに伴う義歯の揺
動に従って回転することが可能であり、義歯の着脱操作
が容易で、かつ、耐摩耗性に優れた義歯アタッチメント
を提供することを課題とする。
のインプラント用であって、噛み合わせに伴う義歯の揺
動に従って回転することが可能であり、義歯の着脱操作
が容易で、かつ、耐摩耗性に優れた義歯アタッチメント
を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明のバータイプイン
プラント用義歯アタッチメントは、歯根部に埋設された
固定基部に支持され少なくとも曲率半径が一定の断面弧
状の被吸着面をもつバー状のキーパーと、互いに背向す
る両面がＮ極及びＳ極となる磁石体と、該磁石体の両側
にサンドイッチ状に組み込まれ同一側の各一側面が該キ
ーパーの該被吸着面と型対称な吸着面をもち該キーパー
の該被吸着面に着脱自在に吸着する一対のヨークと、少
なくとも一対の該ヨーク間の該磁石体の側周面を液密的
に覆う耐食非磁性材料製のシール部材とからなる磁石構
造体と、を具備することを特徴とする。
プラント用義歯アタッチメントは、歯根部に埋設された
固定基部に支持され少なくとも曲率半径が一定の断面弧
状の被吸着面をもつバー状のキーパーと、互いに背向す
る両面がＮ極及びＳ極となる磁石体と、該磁石体の両側
にサンドイッチ状に組み込まれ同一側の各一側面が該キ
ーパーの該被吸着面と型対称な吸着面をもち該キーパー
の該被吸着面に着脱自在に吸着する一対のヨークと、少
なくとも一対の該ヨーク間の該磁石体の側周面を液密的
に覆う耐食非磁性材料製のシール部材とからなる磁石構
造体と、を具備することを特徴とする。
【０００８】本発明のバータイプインプラント用義歯ア
タッチメントは、磁石の吸引力を利用してインプラント
に義歯を固定するため、義歯の着脱が容易な義歯アタッ
チメントとなる。すなわち、クリップを用いて弾性的に
義歯を固定する従来のアタッチメントとは異なり、厳密
な位置合わせや圧入操作が不要となり、ワンタッチで義
歯の着脱が可能となる。
タッチメントは、磁石の吸引力を利用してインプラント
に義歯を固定するため、義歯の着脱が容易な義歯アタッ
チメントとなる。すなわち、クリップを用いて弾性的に
義歯を固定する従来のアタッチメントとは異なり、厳密
な位置合わせや圧入操作が不要となり、ワンタッチで義
歯の着脱が可能となる。
【０００９】また、本発明の義歯アタッチメントを構成
する磁石構造体における一対のヨークは、バー状のキー
パーの断面弧状の被吸着面と型対称な吸着面をもつた
め、磁石構造体とキーパーとの吸着性は良好であること
に加え、本発明の義歯アタッチメントは、一方向の回転
機能を有し、噛み合わせに伴う義歯のシーソー運動に対
応が可能となる。さらに、上記一対のヨークは磁石体の
両側にサンドイッチ状に組み込まれているため、磁気回
路が閉磁路化され、キーパーと磁石構造体との磁気吸引
力が高く、より吸着力が増すため、充分に義歯を維持で
きるアタッチメントとなる。
する磁石構造体における一対のヨークは、バー状のキー
パーの断面弧状の被吸着面と型対称な吸着面をもつた
め、磁石構造体とキーパーとの吸着性は良好であること
に加え、本発明の義歯アタッチメントは、一方向の回転
機能を有し、噛み合わせに伴う義歯のシーソー運動に対
応が可能となる。さらに、上記一対のヨークは磁石体の
両側にサンドイッチ状に組み込まれているため、磁気回
路が閉磁路化され、キーパーと磁石構造体との磁気吸引
力が高く、より吸着力が増すため、充分に義歯を維持で
きるアタッチメントとなる。
【００１０】また、耐食非磁性材料製のシール部材が、
少なくとも一対のヨーク間の磁石体の側周面を液密的に
覆うことにより、磁石体自体は口内において比較的腐食
しやすいものの、その全周囲が上記ヨークとシール部材
とで完全に囲まれることになるため磁石体の腐食のおそ
れはない。
少なくとも一対のヨーク間の磁石体の側周面を液密的に
覆うことにより、磁石体自体は口内において比較的腐食
しやすいものの、その全周囲が上記ヨークとシール部材
とで完全に囲まれることになるため磁石体の腐食のおそ
れはない。
【００１１】このシール部材は、一対のヨーク間に液密
的に溶接され、ヨーク間の磁性体の側周面を覆う環状キ
ャップである態様とすることができる。磁石体の側周面
に環状キャップを被覆し、一対のヨークは露出した構造
とすることで、上述の通り磁石体の腐食を防止すること
に加え、磁石構造体全体の大きさを小さくすることがで
きる。そのため、口内により適したサイズの義歯アタッ
チメントとなる。
的に溶接され、ヨーク間の磁性体の側周面を覆う環状キ
ャップである態様とすることができる。磁石体の側周面
に環状キャップを被覆し、一対のヨークは露出した構造
とすることで、上述の通り磁石体の腐食を防止すること
に加え、磁石構造体全体の大きさを小さくすることがで
きる。そのため、口内により適したサイズの義歯アタッ
チメントとなる。
【００１２】さらに、本発明のバータイプインプラント
用義歯アタッチメントは、前記吸着面に対して側方側と
なる面の一部に突部または凹部を設けた態様とすること
ができる。突部または凹部を設けることにより、磁石構
造体を義歯床により強く固定することができる。すなわ
ち、磁石構造体は、レジン材料等からなる義歯床内に接
着剤を用いて埋設固定するが、長期間の使用によって義
歯床との間に剥離を生じるおそれがある。しかし、上記
突部または凹部の形成により、該突部が義歯床に侵入
し、または該凹部に義歯床が侵入した状態で磁石構造体
が固定される。そのため、磁石構造体の剥離、脱落を一
層確実に防止することができる。
用義歯アタッチメントは、前記吸着面に対して側方側と
なる面の一部に突部または凹部を設けた態様とすること
ができる。突部または凹部を設けることにより、磁石構
造体を義歯床により強く固定することができる。すなわ
ち、磁石構造体は、レジン材料等からなる義歯床内に接
着剤を用いて埋設固定するが、長期間の使用によって義
歯床との間に剥離を生じるおそれがある。しかし、上記
突部または凹部の形成により、該突部が義歯床に侵入
し、または該凹部に義歯床が侵入した状態で磁石構造体
が固定される。そのため、磁石構造体の剥離、脱落を一
層確実に防止することができる。
【００１３】また、本発明のバータイプインプラント用
義歯アタッチメントは、前記被吸着面と対向する面を除
く磁石構造体の表面に、プライマーコートを設けた態様
とすることができる。このプライマーコートを設けるこ
とで、磁石構造体と義歯床であるレジン材料等との接合
性をより高めることができ、上述の突部または凹部の作
用と同様、磁石構造体を義歯床により強く固定すること
ができる。
義歯アタッチメントは、前記被吸着面と対向する面を除
く磁石構造体の表面に、プライマーコートを設けた態様
とすることができる。このプライマーコートを設けるこ
とで、磁石構造体と義歯床であるレジン材料等との接合
性をより高めることができ、上述の突部または凹部の作
用と同様、磁石構造体を義歯床により強く固定すること
ができる。
【００１４】そして、本発明のバータイプインプラント
用義歯アタッチメントは、前記被吸着面と対向する面は
耐摩耗性を高めるための表面処理がされている態様とす
ることができる。キーパーとの吸着面表面が表面処理さ
れていることによって、繰り返し行われる着脱や咬合に
よる磁石構造体の吸着面の摩耗を減少することができ、
より寿命の長い義歯アタッチメントとなる。
用義歯アタッチメントは、前記被吸着面と対向する面は
耐摩耗性を高めるための表面処理がされている態様とす
ることができる。キーパーとの吸着面表面が表面処理さ
れていることによって、繰り返し行われる着脱や咬合に
よる磁石構造体の吸着面の摩耗を減少することができ、
より寿命の長い義歯アタッチメントとなる。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下本発明のバータイプインプラ
ント用義歯アタッチメントの実施の形態について説明す
る。
ント用義歯アタッチメントの実施の形態について説明す
る。
【００１６】図１に、本発明の代表的な実施形態である
バータイプインプラント用義歯アタッチメントの斜視図
を、また図２に、その義歯アタッチメントを構成する磁
石構造体の軸垂直方向の一部拡大断面図をそれぞれ示
す。
バータイプインプラント用義歯アタッチメントの斜視図
を、また図２に、その義歯アタッチメントを構成する磁
石構造体の軸垂直方向の一部拡大断面図をそれぞれ示
す。
【００１７】図１に示すように、本実施形態の義歯アタ
ッチメント１は、磁性材料からなる円柱状のキーパー２
と、キーパー２の円柱側面の被吸着面２１に磁気吸引力
で吸着する磁石構造体３とから構成される。
ッチメント１は、磁性材料からなる円柱状のキーパー２
と、キーパー２の円柱側面の被吸着面２１に磁気吸引力
で吸着する磁石構造体３とから構成される。
【００１８】まず、キーパー２について説明する。キー
パー２は、円柱状であって、１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２
Ｔｉで形成される。本実施形態においては、キーパー２
は円柱状としたが、この形状に限定されるものではな
く、バー状であって、少なくとも曲率半径が一定の断面
弧状の被吸着面を有するものであればよい。例えば、棒
状であって断面が半月状のものや、断面が一定の曲率半
径を有する長円状のもの等を用いることもできる。
パー２は、円柱状であって、１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２
Ｔｉで形成される。本実施形態においては、キーパー２
は円柱状としたが、この形状に限定されるものではな
く、バー状であって、少なくとも曲率半径が一定の断面
弧状の被吸着面を有するものであればよい。例えば、棒
状であって断面が半月状のものや、断面が一定の曲率半
径を有する長円状のもの等を用いることもできる。
【００１９】本実施形態においては、キーパー２を形成
する材料として１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉを用いた
が、キーパーを形成する材料としては、従来より磁気吸
引力を利用する義歯アタッチメントのキーパーとして使
用されている種々の歯科用の耐食性磁性材料を用いるこ
とができる。すなわち、キーパーは、磁石構造体ととも
に磁気回路を形成し、義歯をインプラントへ固定するも
のであるため、飽和磁束密度１．３Ｔ以上、透磁率３０
００以上の磁性材料を用いることが望ましく、このよう
な特性を有する磁性材料には、クロムモリブデン合金
や、１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ等の軟磁性ステンレ
ス鋼等がある。したがって、本発明の義歯アタチメント
は、上記磁性材料であるクロムモリブデン合金等を用い
てキーパーを形成する態様とすることもできる。
する材料として１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉを用いた
が、キーパーを形成する材料としては、従来より磁気吸
引力を利用する義歯アタッチメントのキーパーとして使
用されている種々の歯科用の耐食性磁性材料を用いるこ
とができる。すなわち、キーパーは、磁石構造体ととも
に磁気回路を形成し、義歯をインプラントへ固定するも
のであるため、飽和磁束密度１．３Ｔ以上、透磁率３０
００以上の磁性材料を用いることが望ましく、このよう
な特性を有する磁性材料には、クロムモリブデン合金
や、１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ等の軟磁性ステンレ
ス鋼等がある。したがって、本発明の義歯アタチメント
は、上記磁性材料であるクロムモリブデン合金等を用い
てキーパーを形成する態様とすることもできる。
【００２０】また、キーパー２は、通常金属製品の製造
に用いられる種々の方法により作製することができる。
例えば、原料となる１種または２種以上の金属を溶融、
混合し、これを円柱状の型に入れ鋳造することにより作
製することができる。
に用いられる種々の方法により作製することができる。
例えば、原料となる１種または２種以上の金属を溶融、
混合し、これを円柱状の型に入れ鋳造することにより作
製することができる。
【００２１】次に、磁石構造体３について説明する。磁
石構造体３は、図１および図２に示すように、厚さ方向
ＡにＮ極およびＳ極が互いに背向し、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系
の希土類磁石からなる板状の磁石体３１と、磁石体３１
の厚さ方向Ａの両側面に当接配置し、１９Ｃｒ−２Ｍｏ
−０．２Ｔｉからなる一対のヨーク３２ａ、３２ｂと、
一対のヨーク３２ａ、３２ｂ間に液密的に溶接され、該
ヨーク間の磁石体３１の側周面を覆うステンレス鋼製の
環状キャップ３３とから構成される。そして、一対のヨ
ーク３２ａ、３２ｂおよび環状キャップ３３の、キーパ
ー２の被吸着面２１に対向する吸着面は、該被吸着面２
１と型対称な面となっている。
石構造体３は、図１および図２に示すように、厚さ方向
ＡにＮ極およびＳ極が互いに背向し、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系
の希土類磁石からなる板状の磁石体３１と、磁石体３１
の厚さ方向Ａの両側面に当接配置し、１９Ｃｒ−２Ｍｏ
−０．２Ｔｉからなる一対のヨーク３２ａ、３２ｂと、
一対のヨーク３２ａ、３２ｂ間に液密的に溶接され、該
ヨーク間の磁石体３１の側周面を覆うステンレス鋼製の
環状キャップ３３とから構成される。そして、一対のヨ
ーク３２ａ、３２ｂおよび環状キャップ３３の、キーパ
ー２の被吸着面２１に対向する吸着面は、該被吸着面２
１と型対称な面となっている。
【００２２】さらに、磁石構造体３は、一対のヨーク３
２ａ、３２ｂの外周両側面に帯状の突部３２２ａ、３２
２ｂを有し、該ヨークの上端部には外方向に下降するよ
うに傾斜面３６ａ、３６ｂが設けられている。そして、
被吸着面２１と対向する面を除く表面には、義歯床との
接合性を高めるためのレジンコート３４を有し、被吸着
面２１と対向する面には、耐摩耗性を高めるための表面
処理であるＴｉＮ膜３５を有している。
２ａ、３２ｂの外周両側面に帯状の突部３２２ａ、３２
２ｂを有し、該ヨークの上端部には外方向に下降するよ
うに傾斜面３６ａ、３６ｂが設けられている。そして、
被吸着面２１と対向する面を除く表面には、義歯床との
接合性を高めるためのレジンコート３４を有し、被吸着
面２１と対向する面には、耐摩耗性を高めるための表面
処理であるＴｉＮ膜３５を有している。
【００２３】本実施形態において、磁石体３１には、Ｎ
ｄ−Ｆｅ−Ｂ系の希土類磁石を用いたが、従来より磁気
吸引力を利用する義歯アタッチメントの磁石体として使
用されている種々の磁性体を用いることができる。特
に、高いエネルギー積をもつ磁性体を用いることが望ま
しく、具体的には、２３８８ｋＪ／ｍ3以上のエネルギ
ー積をもつ磁性体を用いることが実用的に望ましい。こ
のような磁性体としては、他にＳｍ−Ｃｏ系の希土類磁
石等がある。磁石体３１にこのような希土類磁石を用
い、キーパー２を上記軟磁性ステンレス鋼等で形成する
ことによって、５Ｎ以上の磁気吸着力を発揮させること
ができる。
ｄ−Ｆｅ−Ｂ系の希土類磁石を用いたが、従来より磁気
吸引力を利用する義歯アタッチメントの磁石体として使
用されている種々の磁性体を用いることができる。特
に、高いエネルギー積をもつ磁性体を用いることが望ま
しく、具体的には、２３８８ｋＪ／ｍ3以上のエネルギ
ー積をもつ磁性体を用いることが実用的に望ましい。こ
のような磁性体としては、他にＳｍ−Ｃｏ系の希土類磁
石等がある。磁石体３１にこのような希土類磁石を用
い、キーパー２を上記軟磁性ステンレス鋼等で形成する
ことによって、５Ｎ以上の磁気吸着力を発揮させること
ができる。
【００２４】本実施形態において、ヨーク３２ａ、３２
ｂには１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉを用いたが、従来
より磁気吸引力を利用する義歯アタッチメントのヨーク
として使用されている種々の材料を用いることができ
る。なかでも磁石の腐食を防止する観点から、耐食性の
軟磁性材料を用いることが望ましい。具体的には、クロ
ムモリブデン合金や、１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ、
純鉄等が挙げられる。
ｂには１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉを用いたが、従来
より磁気吸引力を利用する義歯アタッチメントのヨーク
として使用されている種々の材料を用いることができ
る。なかでも磁石の腐食を防止する観点から、耐食性の
軟磁性材料を用いることが望ましい。具体的には、クロ
ムモリブデン合金や、１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ、
純鉄等が挙げられる。
【００２５】本実施形態においては、磁石体を覆うシー
ル部材としてステンレス鋼を用いているが、人間の口内
における耐食性に優れる非磁性材料であればよく、例え
ば、Ｔｉ合金、純Ｔｉ、あるいは歯科用合金であるＰｄ
−Ｃｏ−Ｎｉ合金、金合金、金−Ｐｄ合金等を用いるこ
ともできる。
ル部材としてステンレス鋼を用いているが、人間の口内
における耐食性に優れる非磁性材料であればよく、例え
ば、Ｔｉ合金、純Ｔｉ、あるいは歯科用合金であるＰｄ
−Ｃｏ−Ｎｉ合金、金合金、金−Ｐｄ合金等を用いるこ
ともできる。
【００２６】また、本実施形態では、磁石体３１を覆う
シール部材は環状キャップ３３である態様を採用し、一
対のヨーク３２ａ、３２ｂと、磁石体３１の側周面を覆
う環状キャップ３３とは、その当接面における外周部分
をレーザー溶接によって互いに接合してある。レーザー
溶接によれば、ヨークと環状キャップとの当接面の外周
を細線状に接合でき、凹凸の少ない接合部を形成するこ
とができる。
シール部材は環状キャップ３３である態様を採用し、一
対のヨーク３２ａ、３２ｂと、磁石体３１の側周面を覆
う環状キャップ３３とは、その当接面における外周部分
をレーザー溶接によって互いに接合してある。レーザー
溶接によれば、ヨークと環状キャップとの当接面の外周
を細線状に接合でき、凹凸の少ない接合部を形成するこ
とができる。
【００２７】なお、他の接合手段を採用してもよく、か
かる手段としては、例えば、電子ビーム溶接、ろう付け
等が挙げられる。このように、磁石体がヨークと環状キ
ャップとにより覆われ、溶接等により密封されているた
め、磁石体の腐食のおそれがない。
かる手段としては、例えば、電子ビーム溶接、ろう付け
等が挙げられる。このように、磁石体がヨークと環状キ
ャップとにより覆われ、溶接等により密封されているた
め、磁石体の腐食のおそれがない。
【００２８】本実施形態では、磁石構造体３は、一対の
ヨーク３２ａ、３２ｂの外周両側面に帯状の突部３２２
ａ、３２２ｂを有する。この突部を設けることにより突
部が義歯床に侵入し、磁石構造体を義歯床により強く固
定することができる。なお、突部の形状は特に限定する
ものではなく、上記帯状の他、突部をいくつか点在させ
る態様等種々の態様を採用することができる。また、突
部を有しない態様とすることもできる。なお、シール部
材が磁石体および一対のヨークを収納するケースである
態様である場合には、上記突部は該ケースの外周両側面
に設ければよい。
ヨーク３２ａ、３２ｂの外周両側面に帯状の突部３２２
ａ、３２２ｂを有する。この突部を設けることにより突
部が義歯床に侵入し、磁石構造体を義歯床により強く固
定することができる。なお、突部の形状は特に限定する
ものではなく、上記帯状の他、突部をいくつか点在させ
る態様等種々の態様を採用することができる。また、突
部を有しない態様とすることもできる。なお、シール部
材が磁石体および一対のヨークを収納するケースである
態様である場合には、上記突部は該ケースの外周両側面
に設ければよい。
【００２９】また、上記突部に代えて、一対のヨーク３
２ａ、３２ｂの外周両側面に溝状の凹部を設ける態様と
することもできる。凹部を設けることにより、その凹部
に義歯床が侵入した状態で磁石構造体が固定されるた
め、上記同様、磁石構造体を義歯床により強く固定する
ことができる。なお、凹部の形状も特に限定するもので
はなく、種々の態様を採用することができる。
２ａ、３２ｂの外周両側面に溝状の凹部を設ける態様と
することもできる。凹部を設けることにより、その凹部
に義歯床が侵入した状態で磁石構造体が固定されるた
め、上記同様、磁石構造体を義歯床により強く固定する
ことができる。なお、凹部の形状も特に限定するもので
はなく、種々の態様を採用することができる。
【００３０】本実施形態では、磁石構造体３は、被吸着
面２１と対向する面を除く表面に、義歯床との接合性を
高めるためのプライマーコートとしてレジンコート３４
を有する。レジンコートを有することで、磁石構造体と
義歯床であるレジン材料等との接合性を高めることがで
き、上述の突部または凹部の作用と同様、磁石構造体を
義歯床により強く固定することができる。なお、プライ
マーは、義歯床との接合性を高めるためのものであれば
レジンの他、種々のものを用いることができ、また、プ
ライマーコートを有しない態様とすることもできる。
面２１と対向する面を除く表面に、義歯床との接合性を
高めるためのプライマーコートとしてレジンコート３４
を有する。レジンコートを有することで、磁石構造体と
義歯床であるレジン材料等との接合性を高めることがで
き、上述の突部または凹部の作用と同様、磁石構造体を
義歯床により強く固定することができる。なお、プライ
マーは、義歯床との接合性を高めるためのものであれば
レジンの他、種々のものを用いることができ、また、プ
ライマーコートを有しない態様とすることもできる。
【００３１】本実施形態では、被吸着面２１と対向する
磁石構造体３の吸着面は、耐摩耗性を高めるための表面
処理であるＴｉＮ膜３５を有している。キーパーとの吸
着面表面が表面処理されていることによって、繰り返し
行われる着脱や咬合による磁石構造体の吸着面の摩耗を
減少することができ、寿命の長い義歯アタッチメントと
なる。なお、表面処理は、通常耐摩耗性を向上するため
に行われる種々の処理を行うことができ、例えば、ダイ
ヤモンド、Ｎ、Ｃｒ、セラミック等を用いた表面処理を
施した態様とすることもできる。また、キーパーとの吸
着面は、表面処理を行わない態様でもよい。表面処理を
を行わない場合であっても、吸着面は比較的硬い金属材
料で構成されるため、咬合等に対する耐摩耗性は実用上
充分である。
磁石構造体３の吸着面は、耐摩耗性を高めるための表面
処理であるＴｉＮ膜３５を有している。キーパーとの吸
着面表面が表面処理されていることによって、繰り返し
行われる着脱や咬合による磁石構造体の吸着面の摩耗を
減少することができ、寿命の長い義歯アタッチメントと
なる。なお、表面処理は、通常耐摩耗性を向上するため
に行われる種々の処理を行うことができ、例えば、ダイ
ヤモンド、Ｎ、Ｃｒ、セラミック等を用いた表面処理を
施した態様とすることもできる。また、キーパーとの吸
着面は、表面処理を行わない態様でもよい。表面処理を
を行わない場合であっても、吸着面は比較的硬い金属材
料で構成されるため、咬合等に対する耐摩耗性は実用上
充分である。
【００３２】本実施形態では、磁石構造体３は、一対の
ヨーク３２ａ、３２ｂの外周両側面の上端部に外方向に
下降するように傾斜面３６ａ、３６ｂを設けている。こ
れによりヨーク肩部の高さを縮小することができ、小型
で装着しやすい義歯アタッチメントを構成することがで
きる。なお、ヨーク肩部は磁気回路上、磁束密度が低い
部分であるため、傾斜面を設けても磁気吸引力の低下は
ほとんどない。なお、傾斜面の形状は特に限定されるも
のではなく、直線状であっても、弧状等であってもよ
い。また、傾斜面を有しない態様とすることもできる。
ヨーク３２ａ、３２ｂの外周両側面の上端部に外方向に
下降するように傾斜面３６ａ、３６ｂを設けている。こ
れによりヨーク肩部の高さを縮小することができ、小型
で装着しやすい義歯アタッチメントを構成することがで
きる。なお、ヨーク肩部は磁気回路上、磁束密度が低い
部分であるため、傾斜面を設けても磁気吸引力の低下は
ほとんどない。なお、傾斜面の形状は特に限定されるも
のではなく、直線状であっても、弧状等であってもよ
い。また、傾斜面を有しない態様とすることもできる。
【００３３】なお、上記実施形態は一例にすぎず、本発
明のバータイプインプラント用義歯アタッチメントは、
上記実施形態を始めとして、当業者が行い得る改良、変
更を施した種々の態様にて実施することができる。
明のバータイプインプラント用義歯アタッチメントは、
上記実施形態を始めとして、当業者が行い得る改良、変
更を施した種々の態様にて実施することができる。
【００３４】
【実施例】上記実施の形態の項で説明した本発明のバー
タイプインプラント用義歯アタッチメントを、着脱する
操作性および耐久性において評価した。また、比較のた
め従来のクリップ式アタッチメントについても同様に評
価した。以下に、本発明のバータイプインプラント用義
歯アタッチメント、クリップ式アタッチメント、各アタ
ッチメントの着脱操作性および耐久性の評価の順に説明
する。
タイプインプラント用義歯アタッチメントを、着脱する
操作性および耐久性において評価した。また、比較のた
め従来のクリップ式アタッチメントについても同様に評
価した。以下に、本発明のバータイプインプラント用義
歯アタッチメント、クリップ式アタッチメント、各アタ
ッチメントの着脱操作性および耐久性の評価の順に説明
する。
【００３５】〈本発明のバータイプインプラント用義歯
アタッチメント〉 （１）実施例の義歯アタッチメント 直径φ３ｍｍ、長さ５０ｍｍの１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．
２Ｔｉからなる円柱状のキーパーと、厚さ１．８ｍｍ、
長さ４．８ｍｍ、高さ１．８ｍｍの磁石構造体とからな
る義歯アタッチメントを用いた。磁石構造体を構成する
磁石体には、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ希土類磁石を用い、その大
きさは、厚さ０．８ｍｍ、長さ４．６ｍｍ、高さ１．４
ｍｍとした。一対のヨークには、１９Ｃｒ−２Ｍｏ−
０．２Ｔｉを用い、各ヨークの大きさは、厚さ０．９ｍ
ｍ、長さ４．８ｍｍ、最大高さ１．８ｍｍとした。シー
ル部材である環状キャップには、ステンレス鋼を用い、
その大きさは、厚さ１．０ｍｍ、長さ４．８ｍｍ、高さ
１．６ｍｍ、肉厚０．１ｍｍとした。
アタッチメント〉 （１）実施例の義歯アタッチメント 直径φ３ｍｍ、長さ５０ｍｍの１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．
２Ｔｉからなる円柱状のキーパーと、厚さ１．８ｍｍ、
長さ４．８ｍｍ、高さ１．８ｍｍの磁石構造体とからな
る義歯アタッチメントを用いた。磁石構造体を構成する
磁石体には、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ希土類磁石を用い、その大
きさは、厚さ０．８ｍｍ、長さ４．６ｍｍ、高さ１．４
ｍｍとした。一対のヨークには、１９Ｃｒ−２Ｍｏ−
０．２Ｔｉを用い、各ヨークの大きさは、厚さ０．９ｍ
ｍ、長さ４．８ｍｍ、最大高さ１．８ｍｍとした。シー
ル部材である環状キャップには、ステンレス鋼を用い、
その大きさは、厚さ１．０ｍｍ、長さ４．８ｍｍ、高さ
１．６ｍｍ、肉厚０．１ｍｍとした。
【００３６】また、磁石構造体の一対のヨークの外周両
側面には、突部厚さ０．２ｍｍ、突部長さ３．６ｍｍ、
突部高さ０．３ｍｍの帯状の突部を設けた。そして、キ
ーパーとの被吸着面と対向する磁石構造体の吸着面は、
ＴｉＮによる表面処理を施した。なお、本義歯アタッチ
メントにおける磁気吸引力は６Ｎであった。このように
構成される義歯アタッチメントを実施例の義歯アタッチ
メントとした。
側面には、突部厚さ０．２ｍｍ、突部長さ３．６ｍｍ、
突部高さ０．３ｍｍの帯状の突部を設けた。そして、キ
ーパーとの被吸着面と対向する磁石構造体の吸着面は、
ＴｉＮによる表面処理を施した。なお、本義歯アタッチ
メントにおける磁気吸引力は６Ｎであった。このように
構成される義歯アタッチメントを実施例の義歯アタッチ
メントとした。
【００３７】〈クリップ式アタッチメント〉 （１）比較例１のクリップ式アタッチメント 直径φ２ｍｍ、長さ５０ｍｍの１８Ｋ金合金からなる円
柱状のバーと、厚さ２ｍｍ、長さ５ｍｍ、高さ３ｍｍの
１８Ｋ金合金からなるクリップとから構成される義歯ア
タッチメントを用いた。また、クリップは、脱落防止の
ため、突起厚さ２ｍｍ、突起長さ３ｍｍ、突起高さ０．
３ｍｍの突起を有する。なお、本義歯アタッチメント
は、クリップがバーの断面円周の約８割を覆っており、
把持力は８Ｎであった。このように構成される義歯アタ
ッチメントを比較例１の義歯アタッチメントとした。
柱状のバーと、厚さ２ｍｍ、長さ５ｍｍ、高さ３ｍｍの
１８Ｋ金合金からなるクリップとから構成される義歯ア
タッチメントを用いた。また、クリップは、脱落防止の
ため、突起厚さ２ｍｍ、突起長さ３ｍｍ、突起高さ０．
３ｍｍの突起を有する。なお、本義歯アタッチメント
は、クリップがバーの断面円周の約８割を覆っており、
把持力は８Ｎであった。このように構成される義歯アタ
ッチメントを比較例１の義歯アタッチメントとした。
【００３８】（２）比較例２のクリップ式アタッチメン
ト 直径φ２ｍｍ、長さ３５ｍｍの１８Ｋ金合金からなる円
柱状のバーと、厚さ３ｍｍ、長さ１０ｍｍ、高さ３ｍｍ
のポリオキシメチレンからなるクリップとから構成され
る義歯アタッチメントを用いた。また、クリップは、突
起厚さ３ｍｍ、突起長さ１０ｍｍ、突起高さ１ｍｍの突
起を有する。なお、本義歯アタッチメントは、クリップ
がバーの断面円周の約９割を覆っており、把持力は１０
Ｎであった。このように構成される義歯アタッチメント
を比較例２の義歯アタッチメントとした。
ト 直径φ２ｍｍ、長さ３５ｍｍの１８Ｋ金合金からなる円
柱状のバーと、厚さ３ｍｍ、長さ１０ｍｍ、高さ３ｍｍ
のポリオキシメチレンからなるクリップとから構成され
る義歯アタッチメントを用いた。また、クリップは、突
起厚さ３ｍｍ、突起長さ１０ｍｍ、突起高さ１ｍｍの突
起を有する。なお、本義歯アタッチメントは、クリップ
がバーの断面円周の約９割を覆っており、把持力は１０
Ｎであった。このように構成される義歯アタッチメント
を比較例２の義歯アタッチメントとした。
【００３９】〈着脱操作性および耐久性の評価〉上記実
施例、２および比較例１、２の各義歯アタッチメントの
着脱操作性および耐久性を評価した。
施例、２および比較例１、２の各義歯アタッチメントの
着脱操作性および耐久性を評価した。
【００４０】まず、着脱操作性について述べる。実施
例、２の義歯アタッチメントは、装着の際に厳密な位置
合わせや圧入操作が不要であり、ワンタッチで義歯を装
着できた。また同様に、ワンタッチで取り外すことも可
能であった。これに対し、比較例１、２の義歯アタッチ
メントは、着脱の方向が限定されるため、厳密な位置合
わせが必要であり、かつ圧入操作も必要であった。した
がって、本発明の義歯アタッチメントは、従来のクリッ
プ式アタッチメントと比較して、着脱操作を極めて容易
に行うことができるアタッチメントであることが確認で
きた。
例、２の義歯アタッチメントは、装着の際に厳密な位置
合わせや圧入操作が不要であり、ワンタッチで義歯を装
着できた。また同様に、ワンタッチで取り外すことも可
能であった。これに対し、比較例１、２の義歯アタッチ
メントは、着脱の方向が限定されるため、厳密な位置合
わせが必要であり、かつ圧入操作も必要であった。した
がって、本発明の義歯アタッチメントは、従来のクリッ
プ式アタッチメントと比較して、着脱操作を極めて容易
に行うことができるアタッチメントであることが確認で
きた。
【００４１】次に、耐久性について述べる。耐久性は、
義歯アタッチメントの取り外し回数および咬合負荷回数
で評価した。磁気吸引力を利用した義歯アタッチメント
では、義歯アタッチメントの取り外しを、一日当たり５
回行うと仮定して、それを３年間継続して行った場合、
すなわち５０００回程度取り外しを繰り返しても、磁気
吸引力の低下が１％未満であることが耐久性が良好であ
るための一つの条件となる。また、義歯は回転角±３度
で揺動し、噛み合わせを一日当たり１０００回行うと仮
定して、それを３年間継続して行った場合、すなわち１
００万回程度の咬合を繰り返しても、磁石構造体のキー
パーとの吸着面の摩耗量が１μｍ以下であることが、耐
久性が良好であるためのもう一つの条件となる。
義歯アタッチメントの取り外し回数および咬合負荷回数
で評価した。磁気吸引力を利用した義歯アタッチメント
では、義歯アタッチメントの取り外しを、一日当たり５
回行うと仮定して、それを３年間継続して行った場合、
すなわち５０００回程度取り外しを繰り返しても、磁気
吸引力の低下が１％未満であることが耐久性が良好であ
るための一つの条件となる。また、義歯は回転角±３度
で揺動し、噛み合わせを一日当たり１０００回行うと仮
定して、それを３年間継続して行った場合、すなわち１
００万回程度の咬合を繰り返しても、磁石構造体のキー
パーとの吸着面の摩耗量が１μｍ以下であることが、耐
久性が良好であるためのもう一つの条件となる。
【００４２】なお、実施例の義歯アタッチメントにおけ
る吸着面は、厚さ１μｍのＴｉＮ膜による表面処理が施
されているため、吸着面は地色以外の色を有する。した
がって、咬合により吸着面の摩耗量が１μｍを超えた場
合には、吸着面の地色が表出するため確認できる。
る吸着面は、厚さ１μｍのＴｉＮ膜による表面処理が施
されているため、吸着面は地色以外の色を有する。した
がって、咬合により吸着面の摩耗量が１μｍを超えた場
合には、吸着面の地色が表出するため確認できる。
【００４３】実施例の義歯アタッチメントは、取り外し
回数１００００回においても、磁気吸引力の低下が１％
未満であり、咬合負荷回数２００万回においても、磁石
構造体のキーパーとの吸着面の摩耗量が１μｍ以下であ
った。したがって、耐久性に優れ、寿命の長い義歯アタ
ッチメントであることがわかる。
回数１００００回においても、磁気吸引力の低下が１％
未満であり、咬合負荷回数２００万回においても、磁石
構造体のキーパーとの吸着面の摩耗量が１μｍ以下であ
った。したがって、耐久性に優れ、寿命の長い義歯アタ
ッチメントであることがわかる。
【００４４】これに対して比較例１の義歯アタッチメン
トは、取り外し回数１０００回において、クリップの把
持力が低下し充分に義歯を固定できなくなった。また、
咬合負荷回数３０万回において、クリップのバーとの摺
動部分が摩耗して、クリップとバーとの間に隙間が発生
し、義歯が充分に固定できなくなった。また、比較例２
の義歯アタッチメントは、取り外し回数１５００回にお
いて、クリップの把持力が低下し充分に義歯を固定でき
なくなった。また、咬合負荷回数５０万回において、上
記同様、クリップのバーとの摺動部分が摩耗して、クリ
ップとバーとの間に隙間が発生し、義歯が充分に固定で
きなくなった。
トは、取り外し回数１０００回において、クリップの把
持力が低下し充分に義歯を固定できなくなった。また、
咬合負荷回数３０万回において、クリップのバーとの摺
動部分が摩耗して、クリップとバーとの間に隙間が発生
し、義歯が充分に固定できなくなった。また、比較例２
の義歯アタッチメントは、取り外し回数１５００回にお
いて、クリップの把持力が低下し充分に義歯を固定でき
なくなった。また、咬合負荷回数５０万回において、上
記同様、クリップのバーとの摺動部分が摩耗して、クリ
ップとバーとの間に隙間が発生し、義歯が充分に固定で
きなくなった。
【００４５】以上より、本発明の義歯アタッチメント
は、従来のクリップ式アタッチメントと比較して、耐久
性に優れ、寿命の極めて長い義歯アタッチメントである
ことが確認できた。
は、従来のクリップ式アタッチメントと比較して、耐久
性に優れ、寿命の極めて長い義歯アタッチメントである
ことが確認できた。
【００４６】
【発明の効果】本発明のバーインプラント用義歯アタッ
チメントによれば、義歯を充分に固定できることに加
え、容易に義歯の着脱操作を行うことができる。また、
本発明のバーインプラント用義歯アタッチメントは、噛
み合わせに伴う義歯の揺動に従って回転することが可能
な、かつ耐摩耗性に優れた義歯アタッチメントとなる。
チメントによれば、義歯を充分に固定できることに加
え、容易に義歯の着脱操作を行うことができる。また、
本発明のバーインプラント用義歯アタッチメントは、噛
み合わせに伴う義歯の揺動に従って回転することが可能
な、かつ耐摩耗性に優れた義歯アタッチメントとなる。
【図１】 本発明の代表的な実施形態であるバータイプ
インプラント用義歯アタッチメントの斜視図である。
インプラント用義歯アタッチメントの斜視図である。
【図２】 本発明の代表的な実施形態であるバータイプ
インプラント用義歯アタッチメントの軸垂直方向の一部
拡大断面図である。
インプラント用義歯アタッチメントの軸垂直方向の一部
拡大断面図である。
【図３】 従来例としてのクリップ式アタッチメントの
装着図である。
装着図である。
【図４】 従来例としてのクリップ式アタッチメントの
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
１：義歯アタッチメント ２：キーパー ３：磁石構造
体 ２１：キーパーの被吸着面 ３１：磁石体 ３２
ａ、３２ｂ：一対のヨーク ３３：環状キャップ３４：
プライマーコート ３５：ＴｉＮ膜 ３６ａ、３６ｂ：
傾斜面 ４１：バー ４２：クリップ
体 ２１：キーパーの被吸着面 ３１：磁石体 ３２
ａ、３２ｂ：一対のヨーク ３３：環状キャップ３４：
プライマーコート ３５：ＴｉＮ膜 ３６ａ、３６ｂ：
傾斜面 ４１：バー ４２：クリップ
Claims (6)
- 【請求項１】 歯根部に埋設された固定基部に支持され
少なくとも曲率半径が一定の断面弧状の被吸着面をもつ
バー状のキーパーと、 互いに背向する両面がＮ極及びＳ極となる磁石体と、該
磁石体の両側にサンドイッチ状に組み込まれ同一側の各
一側面が該キーパーの該被吸着面と型対称な吸着面をも
ち該キーパーの該被吸着面に着脱自在に吸着する一対の
ヨークと、少なくとも一対の該ヨーク間の該磁石体の側
周面を液密的に覆う耐食非磁性材料製のシール部材とか
らなる磁石構造体と、 を具備することを特徴とするバータイプインプラント用
義歯アタッチメント。 - 【請求項２】 前記シール部材は一対の前記ヨーク間に
液密的に溶接され前記ヨーク間の前記磁性体の側周面を
覆う環状キャップである請求項１に記載のバータイプイ
ンプラント用義歯アタッチメント。 - 【請求項３】 一対の前記ヨークの前記吸着面の間にあ
る前記環状キャップの側面も該吸着面と同じ前記キーパ
ーの前記被吸着面と型対称の側面をもつ請求項１に記載
のバータイプインプラント用義歯アタッチメント。 - 【請求項４】 前記吸着面に対して側方側となる面の一
部は突部または凹部となっている請求項１に記載のバー
タイプインプラント用義歯アタッチメント。 - 【請求項５】 前記被吸着面と対向する面を除く表面は
接合性を高めるプライマーコートをもつ請求項１に記載
のバータイプインプラント用義歯アタッチメント。 - 【請求項６】 前記被吸着面と対向する面は耐摩耗性を
高める表面処理がされている請求項１に記載のバータイ
プインプラント用義歯アタッチメント。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000298325A JP2002102258A (ja) | 2000-09-29 | 2000-09-29 | バータイプインプラント用義歯アタッチメント |
| EP01121562A EP1192916A3 (en) | 2000-09-29 | 2001-09-10 | Dental bar attachment for implants |
| US09/955,073 US6652278B2 (en) | 2000-09-29 | 2001-09-19 | Dental bar attachment for implants |
| KR10-2001-0058959A KR100406068B1 (ko) | 2000-09-29 | 2001-09-24 | 바아 형 임플런트용 의치 어태치먼트 |
| TW090124202A TW496733B (en) | 2000-09-29 | 2001-09-28 | Dental bar attachment for implants |
| CNB011354429A CN1190172C (zh) | 2000-09-29 | 2001-09-28 | 义齿磁固位体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000298325A JP2002102258A (ja) | 2000-09-29 | 2000-09-29 | バータイプインプラント用義歯アタッチメント |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002102258A true JP2002102258A (ja) | 2002-04-09 |
Family
ID=18780303
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000298325A Pending JP2002102258A (ja) | 2000-09-29 | 2000-09-29 | バータイプインプラント用義歯アタッチメント |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6652278B2 (ja) |
| EP (1) | EP1192916A3 (ja) |
| JP (1) | JP2002102258A (ja) |
| KR (1) | KR100406068B1 (ja) |
| CN (1) | CN1190172C (ja) |
| TW (1) | TW496733B (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US7748982B2 (en) | 2003-02-17 | 2010-07-06 | Aichi Steel Corporation | Denture attachment |
| CN102058440A (zh) * | 2010-11-12 | 2011-05-18 | 大连盛辉钛业有限公司 | 微钛板磁性附着体 |
| JP2021093491A (ja) * | 2019-12-12 | 2021-06-17 | Ｎｅｃプラットフォームズ株式会社 | スペーサ |
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|---|---|---|---|---|
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| US20050217226A1 (en) * | 2004-04-05 | 2005-10-06 | 3M Innovative Properties Company | Pleated aligned web filter |
| DE102006026864A1 (de) * | 2006-06-09 | 2007-12-13 | Profim Ltd. | Medizinisches Bauteil mit elektrischen Antriebsmitteln |
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