JPH11276505A - 義歯アタッチメント - Google Patents

義歯アタッチメント

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JPH11276505A
JPH11276505A JP10081702A JP8170298A JPH11276505A JP H11276505 A JPH11276505 A JP H11276505A JP 10081702 A JP10081702 A JP 10081702A JP 8170298 A JP8170298 A JP 8170298A JP H11276505 A JPH11276505 A JP H11276505A
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JP
Japan
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keeper
magnet
magnet structure
denture
parallel
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Application number
JP10081702A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Nariyuki Toki
造之 土岐
Kazuo Arai
一生 荒井
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁石体とキーパーとの間でずれをほとんど生
じない磁気吸着式の義歯アタッチメントを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の義歯アタッチメントは、永久磁
石をもち磁気吸引力を発揮する磁石体としての磁石構造
体1と、磁石構造体1に吸着されるキーパー2とからな
る。キーパー2は、磁石構造体1と嵌合して磁石構造体
1とキーパー2との吸着方向以外の(すなわち被吸着面
2aの面内方向の)相対移動を制限する一対の凸部22
を外縁部に有し、磁石構造体1は、凸部22が嵌合する
一対の凹部10を外縁部に有する。磁石構造体1がキー
パー2に吸着すると、各凸部22が各凹部10に嵌合
し、磁石構造体1とキーパー2との間に吸着方向以外の
相対移動が生じないので、より強固に義歯が口中に固定
され、あわせて義歯の装用感も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気吸引力を利用
して義歯を口中に固定する義歯アタッチメントの技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】磁石を利用する従来の義歯アタッチメン
トとしては、たとえば特開平7−136190号公報に
開示されているものなどがある。この義歯アタッチメン
トは、永久磁石をもち磁気吸引力を発揮する磁石体とし
ての磁石構造体と、軟磁性体からなり磁石構造体に吸着
されるキーパーとを有する。この磁石構造体は、キーパ
ーを吸着する吸着面をもち、吸着面は平面で構成されて
いる。一方、キーパーは磁石構造体の吸着面に吸着され
る被吸着面をもつが、被吸着面にはキーパーをインプラ
ントに固定するネジのネジ頭に形成された溝が形成され
ており、同溝によって凹部が形成されている。しかし、
前述のように磁石構造体の吸着面は平面で形成されてい
るので、キーパーの被吸着面に形成されている凹部に係
合する凸部を磁石構造体は有していなかった。
【0003】それゆえ、磁石構造体はキーパーに対し
て、磁気吸引力と歯肉に対する義歯床の反発力とによっ
てその位置を保っており、磁石構造体とキーパーとの間
に外力が作用すると、吸着方向に垂直な吸着面の面内方
向にずれを生じることがあった。すなわち、磁石構造体
がキーパーに対して、面内方向に平行移動したり面内で
回転運動したりして、小さからぬずれを生じることがあ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、磁石体の
吸着面とキーパーの被吸着面との間で小さからぬずれが
生じると、義歯アタッチメントの磁気吸引力が低下して
義歯が外れやすくなるという不都合が生じる。また、自
然歯では生じないずれが生じるので、噛み合わせをする
うえで不自然な感じがし、義歯の装用感が劣化するとい
う不都合をも生じる。
【0005】そこで本発明は、これらの不都合を解消す
ることを目的に、磁石体とキーパーとの間でずれをほと
んど生じない義歯アタッチメントを提供することを解決
すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は、永久磁石をもち磁気吸引力を発揮す
る磁石体と、該磁石体に吸着されるキーパーとを有する
義歯アタッチメントである。本発明の義歯アタッチメン
トの特徴は、磁石体およびキーパーのうち一方は、他方
と嵌合して磁石体とキーパーとの吸着方向以外の相対移
動を制限する凸部を有し、磁石体およびキーパーのうち
他方は、凸部が嵌合する凹部を有することである。
【0007】本発明の義歯アタッチメントでは、凸部と
凹部とが互いに嵌合することにより、凸部と凹部とのは
めあい公差の範囲でしか磁石体とキーパーとの相対移動
が起こり得ない。すなわち、支持歯の歯根部ないし顎骨
に埋設されたインプラントに固定されたキーパーに対
し、吸着方向と直交する面内での磁石体の前後左右の並
進移動および回転移動のうち少なくともいずれかは、は
めあい公差以内にすることができる。さらに、凸部およ
び凹部の個数や配設位置が適正に設定されていれば、吸
着方向と直交する面内でのキーパーに対する磁石体の並
進移動および回転移動の全てを、はめあい公差の範囲内
に収めることができる。
【0008】したがって、本発明の義歯アタッチメント
によれば、キーパーに対する磁石体の相対移動を所定の
範囲内に規制することができ、同相対移動を極めて小さ
くするかほとんど無くすることができる。すなわち本発
明によれば、吸着方向と垂直な面内方向のずれがほとん
ど生じない義歯アタッチメントを提供することができ
る。その結果、磁石体がキーパーからいっそう外れにく
くなり、不用意に義歯が外れることがより確実に防止さ
れるだけではなく、自然歯により近い噛み合わせが得ら
れ、義歯の装用感がいっそう良好になるという効果があ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の義歯アタッチメントにお
いて、互いに嵌合する凸部および凹部が、十分に大き
く、かつ回転対称形でない多角形などの形状をしていれ
ば、凸部および凹部が複数個なくても、並進運動だけで
はなく回転運動をも規制することができる。
【0010】また、磁石体およびキーパーのうち一方
は、互いに離れた複数の凸部を有し、当然に他方は互い
に離れた複数の凹部を有するのであれば、互いに離れて
いることにより複数の凸部の間にも複数の凹部の間に
も、モーメントアームを生じる。それゆえ、磁石体とキ
ーパーとの相対移動のうち、並進運動が規制されるだけ
ではなく、回転運動も規制されて、より自然歯に近い良
好な義歯の装用感が得られるようになるという効果があ
る。さらに、互いに嵌合する凸部および凹部が磁石体お
よびキーパーの外縁部に形成されていれば、より大きく
モーメントアームが形成されるので、さらに強固に回転
運動が規制されるという効果がある。
【0011】ところで、凸部の側面は、吸着方向に平行
な第1平行面を有し、凹部の側面は、吸着方向に平行で
第1平行面と対向する第2平行面を有して、前述の凸部
および凹部が形成されていることが望ましい。かように
構成されていれば、外力が加わって第1平行面と第2平
行面とが互いに当接した場合にも、押圧力によって第1
平行面と第2平行面との間に分力としての接線力が生じ
ない。その結果、吸着方向に作用する引っ張り力以外で
は磁石体とキーパーとを離すことはできなくなるので、
外力によって不用意に義歯が外れることがより有効に防
止されるという効果がある。
【0012】
【実施例】以下、本発明の義歯アタッチメントの各種実
施例を図面を参照して示し、より具体的に本発明につい
て説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての義歯アタ
ッチメントは、図1に示すように、義歯Tに埋設して固
定されている磁石体としての磁石構造体1と、支持歯S
に埋設された根面板Rに固定されているキーパー2とか
らなる。すなわち、本実施例の義歯アタッチメントは、
永久磁石をもち磁気吸引力を発揮する磁石体としての磁
石構造体1と、磁石構造体1に磁気吸引力で吸着される
キーパー2とからなる。
【0013】図2に示すように、キーパー2は、被吸着
面2aから突出し、磁石構造体1と嵌合して磁石構造体
1とキーパー2との吸着方向以外の相対移動を制限する
二つの凸部22を、被吸着面2aを挟んで互いに反対側
に離れた外縁部に有する。一方、磁石構造体1には、互
いに離れて背向する外縁部に、キーパー2の二つの凸部
22が嵌合する二ヶ所の凹部10が形成されている。
【0014】磁石構造体1は、図3に示すように、吸着
方向に磁極をもつ強力な希土類系の永久磁石11と、永
久磁石11の背面および側周面を覆い先端面は吸着面1
aの一部をなす軟磁性ステンレス鋼からなるヨーク12
とを有する。すなわち、磁石構造体1は、永久磁石11
と、ヨークと、永久磁石11の一極を覆い吸着面1aの
一部を形成する薄い軟磁性ステンレス鋼製の封止円盤1
3および非磁性金属製の封止リング14とからなる薄型
の磁石構造体である。封止円盤13と封止リング14と
の接合面は、吸着面1a側からのレーザ溶接による溶接
部Wによって互いに固定されて封止されている。同様
に、封止リング14とヨーク12の内周面との接合面
は、吸着面1a側からのレーザ溶接による溶接部Wによ
って互いに固定されて封止されている。それゆえ、永久
磁石11は、封止円盤13および封止リング14によっ
て、ヨーク12内の空間に水密に封止されている。
【0015】ここで、ヨーク12の二つの凹部10は、
図3(側断面図)および図4(底面図)に示すように、
ヨーク12の外周面と吸着面1aとに接し、ヨーク12
から削りだしにより形成された部分円弧状の窪みであ
る。各凹部10は、吸着面1aから所定の段差をもち吸
着面1aと平行に形成された扇状の底面10aと、円筒
面状の外周面である側面10bと、凹部10の両端を形
成する側面10cとから形成されている。
【0016】一方、キーパー2は、再び図3に示すよう
に、所定の厚みをもつ本体部21と、本体部21の吸着
面1aを挟んで互いに反対側にあって吸着面1aから突
出している二つの凸部22とからなる。凸部22は、図
3(側断面図)および図5(平面図)に示すように、被
吸着面2aと所定の段差をもち吸着面1aに平行に形成
された扇状の端面22aと、円筒面状の内周面である側
面22bと、凸部22の両端を形成する側面22cとを
有する。
【0017】ここで、キーパー2の凸部22の側面22
b,22cは、吸着方向に平行な第1平行面で形成され
ており、磁石構造体1の凹部10の側面10b,10c
は、吸着方向に平行で第1平行面と対向する第2平行面
で形成されている。なお、凸部22および凹部20の各
角部および隅部ならびに稜線部等には、図示しない適正
なアールが形成されていて、磁石構造体1とキーパー2
とのはめ合わせが容易になるように配慮されている。ま
た、一対の凸部22と一対の凹部10とのはめあいは、
互いに極めてわずかなトレーランスを残したきつい緩み
嵌め(隙間嵌め)であり、磁石構造体1の吸着面1aと
キーパー2の被吸着面2aとは完全に密着する。この
際、凸部22の端面22aは、凹部10の底面10aに
対向ないし当接しており、凸部22の側面22b,22
は、それぞれ凹部10の側面22b,22cに対向ない
し当接している。
【0018】(実施例1の作用効果)本実施例の義歯ア
タッチメントは、以上のように構成されているので、以
下のような作用効果を発揮する。本発明の義歯アタッチ
メントでは、キーパー2の一対の凸部22と磁石構造体
1の一対の凹部10とが互いに嵌合することにより、凸
部22と凹部10とのはめあい公差の範囲でしか磁石構
造体1とキーパー2との相対移動が起こり得ない。すな
わち、支持歯Sの歯根部に埋設された根面板Rに固定さ
れたキーパー2に対し、吸着方向と直交する吸着面1a
内での磁石構造体1の前後左右の並進移動および回転移
動は、凸部22と凹部10とのはめあい公差以内に制限
されている。さらに、凸部22および凹部10が、それ
ぞれ二つずつ、キーパー2および磁石構造体1の互いに
反対側の外縁部に設定されているので、二つの凸部22
および凹部20の間に大きなモーメントアームが形成さ
れ、吸着面1a内での回転運動も強固に防止されてい
る。すなわち、吸着方向と直交する吸着面1a内でのキ
ーパー2に対する磁石構造体1の相対的な並進移動およ
び回転移動の全てが、凸部22と凹部10とのはめあい
公差以内に規制される。その結果、磁石構造体1は、キ
ーパー2に対して吸着方向に着脱される以外には、吸着
面1aの面内方向でのずれを生じない。
【0019】したがって、本実施例の義歯アタッチメン
トによれば、キーパー2に対する磁石構造体1の吸着面
1aの面内方向での相対移動をはめあい公差の範囲内に
規制することができ、同相対移動をほとんど無くするこ
とができる。すなわち本発明によれば、吸着方向と垂直
な吸着面1aの面内方向のずれがほとんど生じない義歯
アタッチメントを提供することができる。その結果、磁
石構造体1がキーパー2からいっそう外れにくくなり、
不用意に義歯Tが外れることがより確実に防止されるだ
けではなく、自然歯により近い噛み合わせが得られるの
で、義歯Tの装用感がいっそう良好になるという効果が
ある。
【0020】また、本実施例においては、凸部22と凹
部10とのはめあいがきつい緩み嵌めであるので、磁石
構造体1とキーパー2との間で正確な位置決めができ
る。そればかりではなく、上記はめあいがゆるみばめで
あり、凸部22および凹部20の角部および稜線に適正
なアールが形成されているので、磁石構造体1とキーパ
ー2とを互いに吸着させる際にはめ込みが容易になると
いう効果がある。また、上記はめあいが中間嵌めや締ま
り嵌めではなくゆるみばめであるので、凸部22と凹部
10とのはめあい時に摩擦力を生じることが防止されて
いる。その結果、上記はめあいの摩擦力がほとんど生じ
ないので、キーパー2から磁石構造体1を外すときに必
要な吸着方向の引っ張り力は、磁気吸引力だけで決ま
り、一定になるという効果もある。
【0021】[実施例2]本発明の実施例2としての義
歯アタッチメントは、図6に示すように、永久磁石11
を両側からヨーク12で挟んでいるサンドイッチ型の磁
石構造体1と、軟磁性体からなるキーパー2とから構成
されている。磁石体としての磁石構造体1は義歯T(図
1参照)内に埋設固定され、キーパー2は支持歯Sに埋
設された根面板Rに固定されて使用される点は、前述の
実施例1と同様である。
【0022】磁石構造体1は、図6および図7(縦断面
図)に示すように、吸着面1aに平行に磁極をもつ永久
磁石11と、永久磁石11の両磁極に当接して永久磁石
11を挟持する一対のヨーク12と、永久磁石11を取
り巻くキャップ15とから構成されている。キャップ1
5は、非磁性の薄い金属製の帯部材からなり、両側で両
ヨーク12にレーザー溶接されて固定されて、永久磁石
11を水密に封止している。なお、磁石構造体1の内部
構造の理解を容易にするために、図6には、キャップ1
5が一部はがされた状態で磁石構造体1が図示されてい
る。
【0023】磁石構造体1には、両ヨーク12の側面か
ら吸着面1aにかかる稜線の中央部に、すなわち吸着面
1aの外縁部に、互いに離れた一対の直方体状の凹部1
0が形成されている。各凹部10は、吸着面1aと平行
で吸着面1aと所定の段差をもって形成されている底面
10aと、吸着面1aに直交する三方の側面10b,1
0cとから形成されている。
【0024】一方、キーパー2は、図6および図8(縦
断面図)に示すように、磁石構造体1の吸着面1aの形
状に合わせて角を適正に丸めた被吸着面2aを有する一
体部材であり、被吸着面2aが形成された本体部21と
一対の凸部22とから構成されている。両凸部22は、
略直方体状のブロックであって、それぞれ被吸着面2a
の外縁部に、被吸着面2aを挟んで互いに離れて配設さ
れておいる。各凸部22は、被吸着面2aに平行で被吸
着面2aから所定の段差をもって突出している端面22
aと、内側を向いた側面22bと、横方向の両端面を形
成する二つの側面22cとを有する。端面22aと各側
面22b,22cとが形成する各稜線には適正な面取り
cが施されており、側面2bと両側面22cとが形成す
る両稜線にも適正な面取りcが施されている。また、端
面22aと各側面22b,22cとが形成する二つの角
部にも、適当な面取りが施されている。
【0025】ここで、キーパー2の凸部22の側面22
b,22cは、吸着方向に平行な第1平行面で形成され
ており、磁石構造体1の凹部10の側面10b,10c
は、吸着方向に平行で第1平行面と対向する第2平行面
で形成されている。一対の凸部22と一対の凹部10と
のはめあいは、わずかなトレーランスを残したきつい緩
み嵌めであり、磁石構造体1の吸着面1aとキーパー2
の被吸着面2aとは完全に密着する。この際、凸部22
の端面22aは、凹部10の底面10aに対向ないし当
接しており、凸部22の側面22b,22は、それぞれ
凹部10の側面22b,22cに対向ないし当接してい
る。
【0026】(実施例2の作用効果)本実施例において
も、前述の実施例1と同様の作用効果が得られる。すな
わち、前述の実施例1と同様の理由で、本実施例の義歯
アタッチメントによっても、キーパー2に対する磁石構
造体1の吸着面1aの面内方向での相対移動をはめあい
公差の範囲内に規制することができ、同相対移動をほと
んど無くすることができる。その結果、磁石構造体1が
キーパー2からいっそう外れにくくなり、不用意に義歯
Tが外れることがより確実に防止されるだけではなく、
自然歯により近い噛み合わせが得られるので、義歯Tの
装用感がいっそう良好になるという効果がある。
【0027】また、本実施例においても、磁石構造体1
とキーパー2との間で正確な位置決めができうえ、磁石
構造体1とキーパー2とを互いに吸着させる際にはめ込
みが容易になる。さらに、凸部22と凹部10と間では
めあいの摩擦力がほとんど生じないので、キーパー2か
ら磁石構造体1を外すときに必要な吸着方向の引っ張り
力は、磁気吸引力だけで決まり、一定になるという効果
もある。
【0028】[実施例3] (実施例3の構成)本発明の実施例3としての義歯アタ
ッチメントは、図9に示すように、インプラント用の義
歯アタッチメントである。すなわち、本実施例の義歯ア
タッチメントは、義歯Tに埋設固定された磁石体として
の磁石構造体1と、フィクスチャー4と一体に固定され
たショルダー・アバットメント3に固定された軟磁性金
属材料からなるキーパー2とを有する。フィクスチャー
4は、義歯Tを支持するために支持歯Sに代わって顎骨
に埋設される部材であり、ショルダー・アバットメント
3は、周囲に歯肉Fに支持されて傾かないようにすると
ともに、キーパー2をフィクスチャー4に固定する中間
部材である。
【0029】図10に示すように、ショルダー・アバッ
トメント3は、軸心部に配設されたアバットメント・ス
クリュー31によって、フィクスチャー4と同軸にフィ
クスチャー4に固定されている。そして、キーパー2
は、アバットメント・スクリュー31の軸心部に形成さ
れた雌ねじに螺合するキーパースクリュー23によっ
て、ショルダー・アバットメント3およびフィクスチャ
ー4に対して同軸に固定される。キーパースクリュー2
3は、軟磁性ステンレス鋼からなるマイナスネジであ
り、中央部に円形の凹部および貫通孔が形成された軟磁
性ステンレス鋼からなるキーパーリング24と一体にな
って、キーパー2の本体部を構成する。なお、キーパー
スクリュー23の頭部は、表面にマイナス状のドライバ
ー溝が形成された円筒体から形成されており、キーパー
スクリュー23の頭部の表面は、キーパーリング24の
表面と面一になって被吸着面2aを形成する。
【0030】キーパー2の吸着面1aの外縁部からは、
周方向等間隔に互いに離れて配設された四つの凸部22
が突出しており、磁石構造体1の外縁部には、キーパー
2の凸部22が嵌合する四ヶ所の凹部10が形成されて
いる。磁石構造体1は、図11に示すように、吸着方向
に磁極を向けた円盤状の永久磁石11と、永久磁石11
の背面および側周面に当接して永久磁石11を覆うヨー
ク12と、封止円盤13とからなる薄型の磁石構造体で
ある。図11および図12に示すように、封止円盤13
は、軟磁性ステンレス鋼からなる薄板の円盤状部材であ
り、全周囲でヨーク12に溶接されている。封止円盤1
3の外周部とヨーク12との間は、非磁性の溶着金属か
らなる溶接部Wによって所定の幅で隔てられており、封
止円盤13とヨーク12との間で磁気回路の短絡が起き
ることが防止されている。
【0031】また、磁石構造体1のヨーク12に形成さ
れている四ヶ所の凹部10は、図12に示すように、そ
れぞれ磁石構造体1の中心からみて45°弱の幅の扇状
をしており、互いに周方向に45°強の等間隔を開けて
形成されている。各凹部10が、底面10aおよび三方
の側面10b,10cから形成されていることは、実施
例1と同様である。
【0032】一方、キーパー2のキーパーリング24
は、図10、図13および図14に示すように、被吸着
面2aから突出した四つの凸部22を外縁部に有する。
四つの凸部22は、それぞれキーパーリング24の中心
からみて45°弱の幅の扇状の突出部分であり、互いに
周方向に45°強の等間隔を開けて形成されている。各
凸部22が、扇状の端面22aと、内周面である側面2
2bと、周方向の両端面である側面22cとを有するこ
とは、実施例1と同様である。
【0033】なお、キーパーリング24の中央部には、
被吸着面2aから所定の深さで形成された円筒形の凹部
25と、被吸着面2aに背向する面から所定の深さで形
成された六角形の凹部27と、両凹部25,27と同軸
である円形断面の貫通孔26とが形成されている。凹部
25にはキーパースクリュー23の円筒体状の頭部が嵌
合し、凹部17にはアバットメント・スクリュー31の
六角柱状の頭部が嵌合し、貫通孔26にはキーパースク
リュー23のねじ部が貫通する。
【0034】ここで、磁石構造体1とキーパー2とが磁
気吸引力により接合され、各凸部22が各凹部10に嵌
合すると、凸部22の端面22aおよび側面22bは、
凹部10の底面10aおよび側面10bと緩み嵌めで嵌
合し、それぞれ互いに対向する。一方、周方向の側面で
ある各凸部22の両側面22cと各凹部10の両側面1
0cとは、中間嵌めで嵌合している。また、各凸部22
の側面22b,22cは、吸着方向に平行で被吸着面2
aに垂直な第1平行面を形成しており、各凹部10の側
面10b,10cは、吸着方向に平行で吸着面1aに垂
直であって上記第1平行面に対向する第2平行面を形成
している。なお、各凸部22および各凹部10の全ての
角部および稜線は、適正なアールで丸められており、凸
部22と凹部10とが嵌合しやすいように配慮されてい
る。
【0035】(実施例3の作用効果)本実施例のように
インプラント用の義歯アタッチメントであっても、前述
の実施例1とほぼ同様な作用効果が得られる。すなわ
ち、前述の実施例1と同様の理由で、本実施例の義歯ア
タッチメントによっても、キーパー2に対する磁石構造
体1の吸着面1aの面内方向での相対移動をはめあい公
差の範囲内に規制することができ、同相対移動をほとん
ど無くすることができる。また、凹部10と凹部10に
嵌合する凸部22とがそれぞれ四つあるので、よりいっ
そう強固に外力に対向できるようになり、凸部22の力
学的な強度も総合的に増す。その結果、磁石構造体1が
キーパー2からいっそう外れにくくなり、不用意に義歯
Tが外れることがより確実に防止されるだけではなく、
自然歯により近い噛み合わせが得られるので、義歯Tの
装用感がいっそう良好になるという効果がある。
【0036】また、本実施例においては、磁石構造体1
とキーパー2との間で正確な位置決めができうえ、凸部
22と凹部20とに適正なアールが付いているので、磁
石構造体1とキーパー2とを互いに吸着させる際にはめ
込みが容易になる。さらに、凸部22と凹部10と間
で、側面22cと側面10cとが中間嵌めであるから、
適正なはめあい摩擦力が生じることがある。それゆえ、
キーパー2から磁石構造体1を外すときに必要な吸着方
向の引っ張り力は、磁気吸引力だけではなく、はめ合い
摩擦力も加わることがあり、その場合にはより強固に義
歯アタッチメントの固定力が発揮されるという効果があ
る。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の義歯アタ
ッチメントによれば、磁石体が薄型であれサンドイッチ
型であれ、あるいは支持歯を使用する場合にもインプラ
ントする場合にも、義歯アタッチメントにずれが生じな
いという効果がある。すなわち、吸着方向に垂直な吸着
面の面内方向における磁石体とキーパーとの間の相対的
な移動は、並進移動であれ回転移動であれ規制され、ほ
とんど起こり得ないので、より自然歯に近い良好な義歯
の装用感が得られるという効果がある。
【0038】また、吸着方向に沿った十分に強い引っ張
り力によらなければ、キーパーから磁石体を剥がせない
ので、不用意に義歯が外れることがより有効に防止され
るという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての義歯アタッチメントの配置
を示す断面図
【図2】 実施例1としての義歯アタッチメントの形状
を示す斜視図
【図3】 実施例1としての義歯アタッチメントの構成
を示す断面図
【図4】 実施例1の磁石構造体の形状を示す底面図
【図5】 実施例1のキーパーの形状を示す平面図
【図6】 実施例2としての義歯アタッチメントの形状
を示す斜視図
【図7】 実施例2の磁石構造体の構成を示す断面図
【図8】 実施例2のキーパーの構成を示す断面図
【図9】 実施例3としての義歯アタッチメントの配置
を示す断面図
【図10】実施例3の義歯アタッチメントの構成を示す
一部透視斜視図
【図11】実施例3の磁石構造体の構成を示す半断面図
【図12】実施例3の磁石構造体の構成を示す底面図
【図13】実施例3のキーパーの構成を示す平面図
【図14】実施例3のキーパーの構成を示す半断面図
【符号の説明】
1:磁石構造体(磁石体として) 1a:吸着面 10:凹部 10a:底面 10b,10c:側面
(第2平行面) 12:ヨーク(軟磁性体) 13:封止円盤(軟磁性
体) 14:封止リング 15:キャップ 2:キーパー(軟磁性体) 2a:被吸着面 21:本体部 22:凸部 22a:端面 22b,22c:側面
(第1平行面) 23:キーパースクリュー(軟磁性体) 24:キーパーリング(軟磁性体) 3:ショルダー・アバットメント 31:アバットメ
ント・スクリュー4:フィクスチャー F:歯肉 R:根面板 S:支持歯 T:義歯
W:溶接部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石をもち磁気吸引力を発揮する磁石
    体と、該磁石体に吸着されるキーパーとを有する義歯ア
    タッチメントにおいて、 前記磁石体および前記キーパーのうち一方は、他方と嵌
    合して該磁石体と該キーパーとの吸着方向以外の相対移
    動を制限する凸部を有し、 該磁石体および該キーパーのうち他方は、該凸部が嵌合
    する凹部を有することを特徴とする義歯アタッチメン
    ト。
  2. 【請求項2】前記磁石体および前記キーパーのうち一方
    は、互いに離れた複数の前記凸部を有する請求項1記載
    の義歯アタッチメント。
  3. 【請求項3】前記磁石体および前記キーパーのうち一方
    は、外縁部に形成された前記凸部を有する請求項2記載
    の義歯アタッチメント。
  4. 【請求項4】前記凸部の側面は、前記吸着方向に平行な
    第1平行面を有し、 前記凹部の側面は、該吸着方向に平行で該第1平行面に
    対向する第2平行面を有する請求項1記載の義歯アタッ
    チメント。
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