JPH0951902A - スライド式義歯 - Google Patents

スライド式義歯

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JPH0951902A
JPH0951902A JP20588195A JP20588195A JPH0951902A JP H0951902 A JPH0951902 A JP H0951902A JP 20588195 A JP20588195 A JP 20588195A JP 20588195 A JP20588195 A JP 20588195A JP H0951902 A JPH0951902 A JP H0951902A
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JP
Japan
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magnetic
magnet
denture
attracted
slide type
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JP20588195A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Yoshie Komanaka
美江 駒中
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他人の補助を要せず、利用者本人にもワンタ
ッチで着脱できるスライド式義歯を提供することを解決
すべき課題とする。 【解決手段】 義歯本体11と歯肉Gに当接して支持さ
れ義歯本体11を保持する義歯床12とからなる人工歯
1と、隣接する支持歯Sに固定される相手部材4と相手
部材4と摺動可能に係合し人工歯1に固定された摺動係
合部材20とからなる維持装置2とを持つスライド式義
歯であって、相手部材4および摺動係合部材20のうち
一方は磁石3Aを有し、他方は磁石3Aにより吸着され
る被吸着体4を有し、相手部材4および摺動係合部材2
0は磁気吸引力によりスライド可能に吸着されているこ
とを特徴とする。磁気吸引力により保持されているの
で、スライド式義歯の着脱に精密な挿入操作やネジ回し
などの操作を要せず、利用者本人にもワンタッチで着脱
することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医療分野にお
いて利用されるもので、人工歯を隣接する支持歯に対し
てスライド可能に保持するスライド式義歯に関し、義歯
または人工歯の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】古くから、クラスプおよびレストにより
隣接する支持歯に固定保持される義歯が、最も多用され
てきた。クラスプは、有髄歯である支持歯を抱え込む金
具であり、レストは、義歯から突出して隣接する支持歯
に食い込む突起である。ところが、上記義歯において
は、食事などで噛合圧が義歯にかかる度に、義歯は、歯
肉としての歯茎に接する義歯床ごと歯茎にわずかに沈み
込む。それゆえ、上記義歯の支持歯は、噛合の度に傾斜
と復元とを繰り返す。その結果、せっかくの有髄歯であ
る支持歯まで損傷して、抜けるにいたる場合も少なくな
かった。
【0003】また、クラスプが歯列の前面に露出するの
で美観を損ない、美容上の不利が生じるという不都合も
あった。さらに、クラスプが大きく突起しているので、
万一誤飲した場合には、消化管を損傷して大事に至る危
険があるという不都合もあった。これらの不都合を解消
する目的で、すでにスライド式義歯が開発されている。
この従来技術によるスライド式義歯は、図19に示すよ
うに、ブレースB(支持歯の裏面に回す腕状の補強材)
と、係合突条Rおよび係合溝Gとからなるスライド・ア
タッチメントを維持装置として有する(商品名ミニ・コ
ネックス)。同図のスライド式義歯においては、係合突
条Rが支持歯の側面に設けられ、係合溝Gが義歯本体A
の側面に設けられているが、これを逆にした製品もある
(商品名バイロック)。いずれも、左右一対の奥歯の義
歯で、左右の人工歯を連結する連結子Cが口腔内を横断
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
ライド式義歯は、美観の点では向上が認められるもの
の、維持装置の製造に極めて精緻な工作を要し、高価で
あるという不都合があった。また、ワンタッチで着脱で
きないので、取り付け取り外しが利用者本人のみでは難
しい場合もあり、取扱が面倒であるという不都合も有し
ていた。さらに、同スライド式義歯は、主に連結子をも
つ形式の部分床義歯に適し、一本単体の義歯や、2〜数
本程度の部分床義歯には好適ではないという不都合もあ
った。
【0005】そこで、本発明は、常に他人の補助を要せ
ず、利用者本人にもワンタッチで着脱できるスライド式
義歯を提供することを解決すべき課題とする。また、維
持装置の製造に極めて精緻な工作を要さず、安価なスラ
イド式義歯を提供することをも解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のスライド式義歯
は、義歯本体と歯肉に当接して支持され該義歯本体を保
持する義歯床とからなる人工歯と、隣接する支持歯に固
定される相手部材と該相手部材と摺動可能に係合し該人
工歯に固定された摺動係合部材とからなる維持装置とを
持つスライド式義歯であって、前記相手部材および前記
摺動係合部材のうち、一方は磁石を有し、他方は該磁石
により吸着される被吸着体を有し、該相手部材および該
摺動係合部材は磁気吸引力によりスライド可能に吸着さ
れていることを特徴とする。
【0007】ここで、前記磁石としては、前記被吸着体
に当接する吸着側面の単位面積当たり20gf/mm2
以上の磁気吸引力を発揮し、該吸着側面に垂直な方向の
厚みが0.8mm以下の薄型磁石を用いることが好まし
い。かかる薄型磁石としては、例えば、対向集積型磁気
アタッチメントまたは変形対向集積型磁気アタッチメン
トと呼ばれる磁石を使用することができる。
【0008】ここで、対向集積型磁気アタッチメント
は、同一磁極が互いに対向するように配列された2個以
上の永久磁石と、互いに隣接する該永久磁石の間に配置
されたヨークとからなり、該永久磁石の配列方向と平行
な一側面が吸着側面となることを特徴とする磁気アタッ
チメントである。また、変形対向集積型磁気アタッチメ
ントは、一面が前記吸着側面となる板状の磁気アタッチ
メントであって、永久磁石および軟磁性体のいずれか一
方で形成され、一端面が該吸着側面を形成し互いに間隔
を隔てて配置された複数の第1磁性部材と、該永久磁石
および該軟磁性体のいずれか他方で形成され、該第1磁
性部材の該一端面と交差する側面を覆い該第1磁性部材
とで板状となる第2磁性部材と、該第1磁性部材および
該第2磁性部材の該吸着側面と背向する他端を覆い該吸
着側面と背向する軟磁性体で形成された背向側部材とか
らなり、かつ該永久磁石で形成された該第1磁性部材ま
たは該第2磁性部材は、該吸着側面側の該一端面が全て
N極またはS極の一方の同一極となり、該一端面と背向
する他端面が全てN極またはS極の他方の同一極となっ
ていることを特徴とする磁気アタッチメントである。
【0009】さらに、前述の被吸着体は、軟磁性体から
なり、該被吸着体の厚みは0.4mm以下であることが
望ましい。ところで、前記支持歯に隣接する前記義歯本
体は、該支持歯に対面する側面に形成された窪みを有
し、前記維持装置(相手部材および摺動係合部材)は、
前記窪みに収容される構成をとることも可能である。
【0010】
【作用】本発明のスライド式義歯では、支持歯に固定さ
れた相手部材と、人工歯に固定された摺動係合部材と
は、一方が磁石で他方は被吸着体であるため、磁気吸引
力により互いに吸着して当接している。相手部材と摺動
係合部材の間に凹凸による係合や接着・溶接等の機械的
接合はないので、所定の摩擦力以上の力が作用すると、
相手部材と摺動係合部材の間に滑りが生じ、人工歯は支
持歯に対してスライドする。
【0011】その結果、本発明のスライド式義歯に過大
な噛合力が掛かっても、スライド式義歯のみが沈み込
み、噛合力は義歯床に当接する歯肉によって支持され
る。したがって、本発明のスライド式義歯に過大な噛合
力が加わっても、隣接する支持歯に過大な力や回転力が
加わることがない。また、維持挿置の磁石が、対向集積
型磁気アタッチメントや変形対向集積型磁気アタッチメ
ントなどの薄型磁石であれば、複数の小さな磁力線ルー
プが形成されるので、被吸着体は、極めて薄い軟磁性体
の板材で済む。その結果、磁気吸引力をあまり落とすこ
となく維持装置の厚みを薄くできるので、支持歯および
人工歯への装着が容易となる。
【0012】さらに、維持装置が義歯本体の窪みに収容
されれば、維持装置が外見に表れないので、義歯を使用
していることが、外見からは判別されにくくなる。
【0013】
〔実施例1〕
(実施例1の構成)本発明の実施例1としてのスライド
式義歯は、図1に示すように、両側に隣接する支持歯S
に挟持され、義歯床12を歯茎Gの歯肉に当接して、口
腔内の所定位置に保持されている。その構成は、大きく
分けて、義歯本体11と義歯床12とからなる人工歯1
と、その両側に隣接する二本の支持歯Sに対して人工歯
1を保持する二組の維持装置2とからなる。二つの維持
装置2は、それぞれ、両側の支持歯Sと隣接する義歯本
体11の両側面に形成された窪み10に収容されてお
り、周囲の義歯本体11に遮られて外見上に顕れない。
【0014】維持装置2は、図1および図2に示すよう
に、義歯本体11内側から順に、磁石保持部材21およ
び磁石3からなる係合摺動部材20と、相手部材として
の被吸着体4とからなる。磁石保持部材21は、軟磁性
合金(19Cr−2Mo鋼=飽和磁束密度16,000
G,透磁率4,000)からなる部材で、義歯本体11
の窪み10の上内側面の一部、両内側面および底面に、
接着剤等で強固に固定されている。(必要であれば、ビ
ス等の螺合部材を使用してもよい。) 永久磁石3は、最大エネルギ積30〔MGOe〕の希土
類磁石(NdFeB)であって、磁石保持部材21を介
して義歯本体11に強固に固定されている。永久磁石3
と磁石保持部材21との接合部の全周縁は、レーザビー
ム溶接等で微小局部を溶接もしくは溶着封印されてお
り、唾液等が両者の間隙に浸入することはない。また、
永久磁石3が露出する部分(吸着側面34を含む)に
は、薄くて摩耗しにくい耐蝕性皮膜が形成されて、耐蝕
性および無毒性を高めている。
【0015】永久磁石3は、一方の磁極を義歯本体11
の外側に向けて吸着側面34とし、他方の磁極を磁石保
持部材21に密着させている。磁石保持部材21の周縁
部は、永久磁石3の両磁極面と垂直な四方の側面を覆っ
ており、上記周縁部の端面は、支持歯Sに固定された相
手部材4の周縁部に対面して当接している。相手部材と
しての被吸着体4は、磁石保持部材21と同じ軟磁性合
金からなる部材で、スライド式義歯に隣接する両側の支
持歯Sの側面に、強固に固定されている。一対の永久磁
石3の吸着側面34に当接する両側の被吸着体4の当接
面は、任意の縦断面で互いに平行になるよう支持歯Sに
固定されている。
【0016】被吸着体4は、前後両側から磁石3の側面
の一部を摺動自在に挟持して、磁石保持部材21周縁部
の前後の両端面に対面して当接する一対のガイド部4g
を前後両周縁部に有する。また、被吸着体4は、図2に
示すように、下端周縁部に磁石保持部材21に向かって
突出するストッパ部4sを有している。 (実施例1の作用)磁石3は、軟磁性体からなる磁石保
持部材21および被吸着体4により、前後左右上下の六
方から囲まれており、いわゆるキャップ型磁気アタッチ
メントと同様の閉じた磁力線回路が形成されている。そ
の結果、係合摺動部材20と相手部材としての被吸着体
4との間には、強力な磁気吸引力が作用して、義歯本体
11が支持歯Sに保持されている。
【0017】その際、図1に示すように、義歯本体11
の前後左右の動きは、左右両側の相手部材としての被吸
着体4とそれらの前後両端のガイド部4gによって制限
されており、ほとんど動く余地がない。一方、図2に示
すように、相手部材としての被吸着体4下端のストッパ
部4sの上面と永久磁石3の下面との間には、適切な間
隙G2が設けられている。したがって、吸着側面34と
被吸着体4との間では、間隙G2に相当するだけのスト
ロークで摺動することが可能であり、義歯本体11が歯
茎Gに沈み込んでも、支持歯Sに回転力が加わって支持
歯Sが傾くことがない。
【0018】それゆえ、義歯本体11に過大な噛合力P
が加わっても、人工歯1が沈み込んで義歯床12に当接
する歯茎Gに噛合力Pを負担させ、支持歯Sに負担をか
けて傷めることがない。なお、相手部材としての被吸着
体4の上端面と義歯本体11の窪み10の内側面との間
には、間隙G1が空けられており、この間隙G1は、上
記間隙G2よりもわずかに大きい。したがって、義歯本
体11が沈み込んで永久磁石3下端面が被吸着体4のス
トッパ部4sに当接しても、被吸着体4の上端面が義歯
本体11の窪み10の内側面に当接してこれを傷めるこ
とはない。
【0019】(実施例1の取り付け取り外し)本実施例
のスライド式義歯は、図3に(矢印Iで)示すように、
歯列の上方から垂直に差し込むだけで、二つの支持歯S
の間に挿入して装着することができる。その際、挿入時
の嵌め合わせをスムーズに行うために、被吸着体4の上
端部には面取り4tおよび4t’が施されており、同様
に、磁石保持部材21の下端部もテーパ形状をしてい
て、斜面21tおよび21t’が形成されている。ま
た、義歯本体11に窪み10を形成する面にも、同様の
工夫がなされている。すなわち、図1に示すように、窪
み10の前後の開口端は、外側に少し開いたテーパ面を
有している。同様に、図2に示すように、窪み10の下
端部は斜面100tを形成して下方へ開放しており、被
吸着体4を窪み10内に容易に導入することができる。
【0020】したがって、本実施例のスライド式義歯
は、取り付け時に、ネジ止め等の工作や精密な位置合わ
せをする必要がない。また、外す場合も、単に磁気吸引
力を上回る力で上方に引張上げるだけでよく、特別な工
具や精密な操作を必要としない。それゆえ、本実施例の
スライド式義歯は、他人の協力を要せず、利用者本人に
よって、容易に取り付け取り外しをすることが出来る。
【0021】(実施例1の変形態様)本実施例の変形態
様として、連続する複数本の義歯本体11を一つの義歯
床上12に植えた部分床義歯であるスライド式義歯を、
実施することもできる。すなわち、義歯列の両端の義歯
本体11に、上記本実施例と同様に窪み10を設け、そ
の中に同様の維持装置2を左右一対、収納するスライド
式義歯である。
【0022】また、本実施例とは維持装置2の上下左右
を逆にし、支持歯S側の相手部材に永久磁石3を有し、
義歯本体11側の係合摺動部材として被吸着体4を設け
た構成も可能である。あるいは、維持装置2の摺動係合
部材20の永久磁石3に代えて、吸着側面34に平行な
磁化方向をもつ永久磁石と、その両極を挟持する二つの
軟磁性体のヨークとからなるサンドイッチ型磁石構造体
を設けている構成も可能である。
【0023】(実施例1の効果)本実施例およびその各
変形態様によれば、次の4点の効果が発揮される。第1
に、移動装置がスライド式義歯の維持装置、ブレーズB
とブレーズBをうける支持歯の裏面の溝による係合を満
たす、極めて精緻な加工及び、係合突条Rおよび係合溝
Gによるスライド可能部分を係合を可能にする極めて精
緻で高価な加工と異なり、磁気アタッチメントを収納す
る部分を義歯側に設けるだけの簡単な安価な加工ですむ
という効果がある。また、支持歯に溝をほって歯を傷め
る工程がなくなるという効果がある。
【0024】第2に、取り付け取り外しの項で述べたよ
うに、他人の協力を要せず、利用者本人によって、ワン
タッチで着脱することができ、たいへん便利になるとい
う効果がある。第3に、従来の嵌合溝と嵌合突条とによ
るスライド式義歯と異なって連結子を要さないので、一
本単体の義歯や二〜数本程度の部分床義歯にも好適であ
るという効果がある。
【0025】第4に、旧来のクラスプ&レスト方式の義
歯とは異なって、コンパクトでありながら義歯から突出
した突起がなく、万一の誤飲時にも利用者の安全が保証
されるので、安全性も高まるという効果がある。また、
審美性が向上するという効果もある。 〔実施例2〕 (実施例2の構成)本実施例のスライド式義歯は、図4
および図5に示すように、前述の実施例1(図1,2参
照)とほぼ同様の構成をとっているが、最大の相違点と
して、磁石に薄型磁石3Aが採用されている。薄型磁石
3Aは、後述の対向集積型磁気アタッチメントであり、
この使用に伴って、相手部材としての被吸着体4の板厚
は極めて薄いものに成っている。
【0026】また、磁石保持部材21には、実施例1の
キャップ型磁気アタッチメントと異なり、ヨークとして
の機能が求められないばかりか、非磁性であることが求
められる。それゆえ、磁石保持部材21は、化学的に安
定な非磁性ステンレス鋼を材料として形成されており、
構造部材として薄型磁石3Aを周囲から固定保持してい
る。
【0027】そして、薄型磁石3Aと磁石保持部材21
との当接面の周縁は、レーザ溶接によって水密に接合さ
れており、唾液等が両者の間隙に浸入することはない。
さらに、薄型磁石3Aが摺動係合部材20の表面に露出
する部分には、極めて薄く摩耗しにくい耐蝕性皮膜が形
成されている。同皮膜は、薄型磁石3Aを形成する材料
を唾液等による腐食から保護して耐蝕性を高めるととも
に、人体に対する無毒性をも高めて、耐久性と安全性に
貢献している。
【0028】さらに、相手部材としての被吸着体4の両
ガイド部4gおよびストッパ部4sの各端面は、磁石保
持部材21に適当な間隙を空けて対面している。したが
って、上記各端部の左右方向の寸法は、実施例1ほど精
密に形成されていなくても、被吸着体4に薄型磁石3A
の吸着側面34が密着することを妨げない。なお、図4
および図5では理解を容易にするために、薄型磁石3A
を含む維持装置2の(左右方向の)厚みを、拡大して作
図してある。したがって、実際には維持装置は極めて薄
い板状であって、これと対応して浅い窪み10に収容さ
れている。
【0029】(対向集積型磁気アタッチメント)上記薄
型磁石3Aは、対向集積型磁気アタッチメントである旨
をすでに述べたが、ここでは同アタッチメントについて
具体的に説明する。薄型磁石3Aは、図6に示すよう
に、3mm四方に集積された16個の永久磁石31と、
17個のヨーク32,32’とから構成されている。各
永久磁石31は、ヨーク32を挟持して、隣接する永久
磁石31と同一磁極が互いに対向するように配列されて
いる。
【0030】ここで、永久磁石31は、最大エネルギ積
30〔MGOe〕の希土類磁石(NdFeB)からな
り、ヨーク32,32’は、軟磁性合金(19Cr-2Mo鋼=
飽和磁束密度 16,000 G ,透磁率 4,000)から形成され
ている。ヨークには、互いに隣接する永久磁石31の間
に配置された15個のヨーク32と、積層方向両端の永
久磁石31の外側に配置された二つの側方ヨーク32’
との、2種類がある。側方ヨーク32’の積層方向の厚
みは、ヨーク32のそれの半分である。(側方ヨーク3
2’を廃したり、ヨーク32と同一の寸法形状にしたり
した構成を取ることも可能である。集積された永久磁石
31の個数が多ければ、ほとんど磁気吸引力が落ちるこ
とはない。) そして、永久磁石31およびヨーク32,32の集積方
向と平行な一側面が、吸着側面34になっている。
【0031】対向集積型磁気アタッチメントである薄型
磁石3Aの外形は、偏平な直方体または正方形板であ
る。薄型磁石3Aの前後方向および上下方向の寸法はと
もに3.00mmであるが、左右方向の厚みは0.15
6mmである。したがって、吸着側面34の面積は9.
00平方mmであり、体積はわずか1.404立方mm
である。
【0032】なお、被吸着体4のうち、薄型磁石3Aの
吸着側面34に当接する部分は、板厚が0.0625m
mである。したがって、その体積を含めても、薄型磁石
3Aおよび被吸着体4の被吸着部を合わせた総体積は、
1.971立方mmに過ぎない。また、各永久磁石31
の積層方向の厚みは共通に0.0625mmである。一
方、各磁石32の間に配置されたヨーク32の積層方向
の厚みは、共通に同磁石の倍の0.125mmであり、
両端に位置する側方ヨーク32’の積層方向の厚みは、
それぞれ0.0625mmである。
【0033】(実施例2の作用効果)以上のように構成
された対向集積型磁気アタッチメントである薄型磁石3
Aの吸着側面34に被吸着体4を当接させると、上記1
6個の永久磁石31から発生した磁束が、それぞれ隣接
するヨーク32,32’に導かれて被吸着体4内部を通
り、各々磁力線ループm1〜m16を形成する。すなわ
ち、図7に拡大して示すように、薄型磁石3Aの各部
と、その吸着側面34に当接する被吸着体4との間に、
磁束密度が高い磁力線ループmが多数形成され、薄型形
状でありながら強力な磁気吸引力が発揮される。
【0034】薄型磁石3Aは、吸着側面34に垂直な厚
みがわずか0.156mmという薄型でありながら、分
厚い従来型の磁石(例えば実施例1の磁石3)に見劣り
しない磁気吸引力F=542〔gf〕を発揮する。これ
は、吸着側面34の単位面積あたりの磁気吸引力に換算
して、60〔gf/mm2 〕に相当する。(因みに、吸
着側面34が2mm×5mmの矩形であれば600g
f、3mm×6mmの矩形であれば1080gfの強力
な磁気吸引力が得られる。) 本実施例のスライド式義歯では、変形対向集積型磁気ア
タッチメントである薄型磁石3Aを採用しているので、
実施例1の作用効果の全てを有するほか、次のような効
果を有する。
【0035】第1に、薄型磁石3Aの厚みが0.156
mmと極めて薄いので、義歯本体11側面の窪み10の
深さもわずかで済み、義歯11の強度低下も少なくて済
む。その結果、より堅牢なスライド式義歯を提供するこ
とができる。第2に、薄型磁石3Aの占める体積も少な
いので、材料の使用量が極めてわずかである。したがっ
て、高価な磁性材料の使用量が減り、より安価にスライ
ド式義歯を提供することができる。
【0036】第3に、被吸着体4の被吸着部分の板厚は
0.0625mmで足り、極めて薄い板で形成される。
したがって、支持歯Sの側面に容易に固定することがで
き、かつ、支持歯Sを傷めることが少ないという効果も
ある。(仮に、分厚い被吸着体ないし固定支持具を支持
歯S側面に固定しなくてはならないとすると、支持歯S
の切削量が増えて技工が大変であるばかりではなく、支
持歯Sの損傷も大きい。)また、被吸着体4が薄くて目
立たないので、義歯を外した場合にも外見を損なうこと
がなく、審美性も向上する。
【0037】(実施例2の変形態様1)上記実施例2で
は、薄型磁石3Aの集積方向を前後としたが、集積方向
を上下方向として、義歯本体11内に固定してもよい。
あるいは、集積方向を、被吸着体4に当接する吸着側面
34に平行な範囲で、いずれの方向へ設けてもよい。ま
た、実施例2では集積個数を16としたが、この個数は
必要に応じて増減することができる。例えば、吸着側面
34の面積を同一に保ち、同じ材料を使用して集積個数
100個の対向集積型磁気アタッチメントである薄型磁
石3A’を形成したとする。すると、板厚僅か0.02
5mmの薄型磁石3A’で、板厚0.01mmの被吸着
体34との間に、415〔gf〕の磁気吸引力が発揮さ
れる。これは、吸着側面34の単位面積当たり磁気吸引
力に換算して、46〔gf/mm2 〕の相当する。(ち
なみに、吸着側面面積が2×7=14mm2 では640
gf、3×6=18mm2 では820gfの磁気吸引力
が得られる。) さらに、吸着側面34の形状(薄型磁石34の平面形)
が、3mm角以外の任意の形状(例えば、円形、楕円
形、多角形、その他)であってもよい。
【0038】なお、薄型磁石3Aの永久磁石31がPt
Co系もしくはPtFe系の材料で形成されていれば、
耐食皮膜なしでも、耐蝕性と無毒性により優れたスライ
ド式義歯を提供することができる。因みにPtCo系の
場合、磁気吸引力としては30gf/mm2 が発揮さ
れ、吸着側面面積が2×10=20mm2 では600g
f、3×8=24mm2 では720gfの磁気吸引力が
得られる。
【0039】(実施例2の変形態様2)実施例2では、
被吸着体4に永久磁石3Aが当接する吸着側面34は、
平面で形成されるものとしたが、1次曲面で形成される
ことも可能である。薄型磁石3Aは、板厚が薄いので、
曲げ加工が比較的楽にできる。もちろん、予め楔状また
は台形断面状に形成された永久磁石31またはヨーク3
2,32’を集積して、曲率をもった薄型磁石3Aを形
成することも可能である。
【0040】こうすれば、例えば、支持歯Sの側面の曲
面に沿って被吸着体4を固着させることが可能になる。
その結果、被吸着体4の支持歯Sへの取り付けに際し、
取り付け部の成形のため、支持歯Sを切削する量が少な
くてすむ。したがって、支持歯Sを傷めることがより少
なくなるという効果がある。 (実施例2の変形態様3)実施例2では、被吸着体4は
軟磁性体で構成されていたが、薄型磁石3Aと同様の対
向集積型磁気アタッチメントで被吸着体4’が構成され
る変形態様も可能である。この構成では、薄型磁石3A
および被吸着体4’としての両対向集積型磁気アタッチ
メントの集積方向が前後方向に合わされており、本変形
態様のスライド式義歯が上下にスライドする動作が妨げ
られることはない。また、薄型磁石3Aおよび被吸着体
4’双方の各永久磁石および各ヨークの集積方向の厚み
は等しく、互いに異なる磁極同士で当接して吸引し合う
べく、配設されている。
【0041】本変形態様によれば、薄型磁石3Aばかり
でなく、被吸着体4’も対向集積型磁気アタッチメント
で構成されているので、より強力な磁気吸引力が発揮さ
れる。さらに、薄型磁石3Aおよび被吸着体4’の間
で、前後方向へのずれが磁気的に阻止される作用も生じ
るので、スライド式義歯の座りがいっそう良くなるとい
う効果もある。
【0042】〔実施例3〕 (実施例3の構成)本発明の実施例3としてのスライド
式義歯は、再び図4および図5に示すように、義歯本体
11および義歯床12からなる人工歯1と、維持装置2
とを有する。維持装置2は、支持歯S側面に固定された
相手部材としての被吸着体4と、薄型磁石を義歯本体1
1側面の窪み10に保持する磁石保持部材21をもつ摺
動係合部材20とからなる。
【0043】以上の点では、実施例2と同様であるが、
本実施例のスライド式義歯は、実施例2の対向集積型磁
気アタッチメントである薄型磁石3Aに代えて、変形対
向集積型磁気アタッチメントである薄型磁石3Bを装備
している。したがって、本実施例で図4および図5を参
照する際は、図中の符号3Aを3Bと読み代えられた
い。
【0044】(変形対向集積型磁気アタッチメント)本
実施例の特徴である、変形対向集積型磁気アタッチメン
トである薄型磁石3Bの構成について、図8および図9
を参照して解説する。すなわち、薄型磁石3Bは、一面
が吸着側面34となる板状の磁気アタッチメントであ
る。その外形寸法のうち、平面形は、実施例2に装備さ
れている薄型磁石3Aと同様に3mm四方の正方形であ
るが、吸着側面34に垂直な方向の厚みは、薄型磁石3
Aに比較してもよりいっそう薄い0.875mmであ
る。ちなみに、被吸着体4の吸着側面34と対面する部
分の板厚は0.044mmであり、両者の厚みを合計し
ても、わずか0.1315mmに過ぎない。したがっ
て、発明者らは、実施例2の薄型磁石3Aとともに、本
実施例の薄型磁石3Bを、ペーパー・アタッチメントと
呼び習わしている。
【0045】薄型磁石3Bは、第1磁性部材としての永
久磁石35と、軟磁性体である第2磁性部材36および
背向側部材37から構成されている。永久磁石35は、
256個あって、全て吸着側面34に同一磁極を向け
て、第2磁性部材36内に縦16行×横16行の碁盤目
状に挿置されている。その任意の一部は、図8に示すよ
うに、吸着側面34に平行な任意の断面が正方形の四角
柱状の永久磁石35が、第2磁性部材36の吸着側面3
4に開口した同形の凹部(または孔)に挿置されて構成
されている。吸着側面34に面する各永久磁石35の一
端は、全てS極であり、逆に、背向側部材37に当接す
る各永久磁石35の他端は、全てN極である(S極とN
極とを、全て逆にしても構わない)。
【0046】各永久磁石35の寸法は、0.14mm四
方で厚み0.05mmである。一方、第2磁性部材36
の外形寸法は、3mm四方で厚み0.05mmである
が、四方同寸で厚み0.0375mmの背向側部材37
が吸着側面34と背向する側に一体に形成されている。
したがって、前述のように薄型磁石3Bの外形寸法は、
厚み0.0875mmの3mm四方の正方形の薄板状に
なっている。
【0047】なお、永久磁石35の材料と、軟磁性体で
ある第2磁性部材36および背向側部材37の材料に
は、実施例2と同一のものを使用している。 (実施例3の作用効果)本実施例のスライド式義歯に採
用された変形対向集積型磁気アタッチメントである薄型
磁石3Bは、実施例2と同様に薄型ながら強力な磁気吸
引力を発揮する。すなわち、各永久磁石35は、周囲の
軟磁性体からなる第2磁性部材36および背向側部材3
7を通じて、被吸着体4を経由する磁力線ループ(閉回
路)を形成する。
【0048】この磁力線ループは、幅等の寸法は微小な
がら、軟磁性体の磁束飽和密度程度の高密度な磁束密度
を有し、極めて高い磁力を発揮する。それゆえ、本実施
例の薄型磁石3Bは、前述の薄型磁石3Aと同様に、磁
石本体が極めて薄いのみならず、さらに薄い被吸着体4
に対しても、強力な磁気吸引力を作用させることができ
る。
【0049】ここで、その磁気吸引力は、288gfで
ある。これは、吸着側面34の単位面積当たり磁気吸引
力に換算して、32gf/mm2 に相当する。(ちなみ
に、吸着側面面積が2×10=20mm2 では640g
f、3×8=24mm2 では770gfの磁気吸引力が
得られる。) したがって、本実施例のスライド式義歯によれば、実施
例2と同様の効果が得られる。
【0050】さらに、本実施例の薄型磁石3Bは、第1
磁性部材36および背向側部材37が軟磁性合金で一体
に形成されているので、実施例2よりも曲げ加工性に優
れている。それゆえ、薄型磁石3Bは、一次曲面状ばか
りではなく二次曲面状への加工も可能であるから、スラ
イド式義歯の設計上の自由度はより増えるという効果も
ある。
【0051】なお、永久磁石35がPtCo系の磁石材
料で形成されている場合には、23gf/mm2 の磁気
吸引力が得られる。(ちなみに、吸着側面面積が3×1
0=30mm2 では690gfの磁気吸引力が得られ
る。) (実施例3の各種変形態様)実施例3のスライド式義歯
においても、実施例2同様の各種変形態様を実施するこ
とが可能である。その外に、変形対向集積型磁気アタッ
チメントである薄型磁石3Bの構成等を変えた、次のよ
うな変形態様も可能である。
【0052】(実施例3の変形態様1)本変形態様のス
ライド式義歯は、変形対向集積型磁気アタッチメントで
ある薄型磁石3Cを装備しており、同薄型磁石3Cの構
成は、上記薄型磁石3Bと幾分異なっている。薄型磁石
3Cは、その任意の一部を図9に示すように、第1磁性
部材としての複数の円筒状の永久磁石35’と、軟磁性
体からなる第2磁性部材36’および背向側部材37と
からなる。
【0053】第2磁性部材36’および背向側部材37
とは、一体に形成されて(または接合されて)、軟磁性
合金の有孔板367を形成している。有孔板367に
は、吸着側面34側に開口する有底孔が秩序正しく配列
されて、形成されている。すなわち、第2磁性部材3
6’には、吸着側面34から円筒状の孔が複数個形成さ
れており、各孔に嵌合する円筒状の各永久磁石35’が
嵌着されている。永久磁石35’は、吸着側面34に平
行な断面で互いに隣接する任意の三個の永久磁石35’
が正三角形Tを形成するように、配設されている 永久磁石35’は全て、図10に示すように、S極であ
る一端で吸着側面4の一部を形成しており、逆に、N極
である他端は、背向側部材37に面している。(同一極
が同一方向を向いていれば、逆でもよい。) 薄型磁石3Cは、以上のように構成された変形対向集積
型磁気アタッチメントであるから、各永久磁石35’の
周囲には略ドーナツ状の磁力線ループの渦輪が生じる。
その結果、吸着側面34に当接した軟磁性体からなる被
吸着体4との間に、小型ながら磁束密度が軟磁性体の飽
和磁束密度程度である磁力線ループが閉じて、閉磁路が
形成され、強力な磁気吸引力が発揮される。
【0054】したがって、本変形態様のスライド式義歯
によっても、前述の実施例3と同様の効果が生じる。な
お、永久磁石35’が保持される孔を丸孔で形成したの
で、実施例3よりも製造が容易になる。なお、上記有底
孔の底面が、本変形態様の平面と異なって円錐面で形成
されていれば、ドリル等による製造がより容易になると
いう効果がある。その場合、永久磁石35’の背向側部
材37側の端部が上記底面に係合する円錐形状に形成さ
れていれば、強い磁気吸引力を保持することができる。
【0055】(実施例3の変形態様2)本変形態様のス
ライド式義歯は、変形対向集積型磁気アタッチメントで
ある薄型磁石3Dを装備している。薄型磁石3Dの構成
は、変形態様1の有する薄型磁石3Cの構成と幾分異な
っており、第1磁性部材の材料と第2磁性部材の材料と
が逆転している。
【0056】すなわち、薄型磁石3Dは、その任意の一
部を図11に示すように、軟磁性合金からなる複数の円
筒状の第1磁性部材35”と、永久磁石からなる第2磁
性部材36”および軟磁性合金からなる背向側部材37
とからなる。第2磁性部材36”は、吸着側面34に一
極(S極)を向けており、図11に示すように、各第1
磁性部材35”の内部を通る磁束で、その周囲の第2磁
性部材36”内に略ドーナツ状の磁力線ループmの渦輪
が生じる。その結果、吸着側面34に当接した軟磁性体
からなる被吸着体4との間に、小型ながら磁束密度が軟
磁性体の飽和磁束密度程度である磁力線ループmが閉じ
て閉磁路が形成され、強力な磁気吸引力が発揮される。
【0057】したがって、本変形態様のスライド式義歯
によっても、前述の実施例3および変形態様1と同様の
効果が生じる。 (実施例3の変形態様3)本変形態様のスライド式義歯
は、変形対向集積型磁気アタッチメントである薄型磁石
3Eを装備している。薄型磁石3Eの構成は、前述の変
形態様1および変形態様2の有する薄型磁石3C,3D
の構成と幾分異なっており、吸着側面34と集積方向と
に垂直な断面が、いずれも同一である二次元形状をして
いる。
【0058】すなわち、薄型磁石3Eは、その任意の一
部を図13に示すように、第2磁性部材38および背向
側部材37から一体に形成される軟磁性合金製の有溝板
389と、角柱状の複数個の永久磁石39とからなる。
有溝板389には、吸着側面34側に断面矩形の溝が一
定間隔を開けて平行に形成されており、各同溝内にそれ
ぞれ一つの永久磁石38が三方を同溝に当接させて嵌着
されている。永久磁石38は、長い四角柱状に形成され
ており、同角柱の一側面にS極を有し、これと背向する
他の側面にN極を有している。そして、上記一側面は、
吸着側面34の一部を形成している。
【0059】各永久磁石39は、そのN極に当接する背
向側部材37および隣接する第2磁性部材38に導かれ
て、吸着側面34から磁束を放出する。吸着側面34に
軟磁性体からなる被吸着体4が当接していると、上記磁
束は被吸着体34の内部を通って吸着側面34に面した
永久磁石39のS極に貫流する。その結果、二次元的な
磁力線ループmの渦輪が生じる(図12と同様)。その
結果、吸着側面34に当接した軟磁性体からなる被吸着
体4との間に、細かいながら磁束密度が軟磁性体の飽和
磁束密度程度である磁力線ループが閉じて閉磁路が形成
され、強力な磁気吸引力が発揮される。
【0060】したがって、本変形態様のスライド式義歯
によっても、前述の実施例3、変形態様1および変形態
様2と同様の効果を上げることができる。なお、本変形
態様のスライド式義歯においても、実施例2と同様に、
被吸着体4”として逆の極性をもつ薄型磁石3E”で相
手部材を構成することも可能である。
【0061】〔磁石の耐食性に関する付記〕本発明のス
ライド式義歯には、各種の磁石材料からなる永久磁石を
使用することができるが、現況においては、強力な磁石
材料の中には腐食や摩耗に弱いものもある。また、本発
明のスライド式義歯は、人体の口腔中で使用される義歯
であり、誤飲の可能性もあるので、無毒性も要求され
る。
【0062】したがって、前述の各実施例およびその各
変形態様で使用する各磁石についても、メッキや樹脂の
塗布、磁石の外部に露出する部分を薄いフィルムで覆う
手段などを取ることも可能である。また、対向集積型磁
気アタッチメント、変形対向集積型磁気アタッチメント
の全外周を耐食非磁性膜で覆うことも可能である。もっ
とも信頼性の高い耐食処理法として、化学的に安定な金
属被服が永久磁石に施された構成をとることもできる。
【0063】その一例は、図14に示すように、永久磁
石35の吸着側面34に面する端面が、化学的に安定な
軟磁性の薄板C1および非磁性の薄板C2で覆われた構
成である。非磁性の薄板C2は、軟磁性体36と軟磁性
の薄板C1との間で、磁束回路の短絡が起きないよう、
磁気的に絶縁する作用がある。軟磁性体36、薄板C
1,C1の接合縁は、それぞれ電子ビーム溶接またはレ
ーザ溶接で水密に接合されており、唾液等が永久磁石3
5に触れることはない。サイズが小さくなり、厚みが膜
といえるレベルになると、非磁性の薄板C2の作成が困
難な場合は、例えば薄板C1を形成する高耐食性軟磁性
材料に、例えばフェライト系ステンレス鋼SUS444
にNiCr合金膜を薄板C2に相当する位置に蒸着し添
加して、エキシマレーザー等で改質すれば、より製造し
やすい。
【0064】ここで、永久磁石32が実施例2のそれの
ように吸着側面34と平行に磁化方向をもつ場合には、
一枚の非磁性体の薄板で吸着側面34に面する永久磁石
32の側面をシールすれば事足りる。以上の耐食水密構
造が構成されていれば、比較的腐食に弱い希土類磁石を
もって永久磁石31が形成されていても、十分高い耐食
性が確保される。
【0065】なお、永久磁石31が、PtCo系および
PtFe系の磁性材料から形成されている場合には、元
々十分な耐食性を有しているので、前述のような耐食処
理や耐食性の水密構造を形成する必要はなく、口腔環境
に露出していて構わない。このことは、他の実施例およ
び変形態様でも同様に成り立つ。 〔実施例4〕 (実施例4の構成)本発明の実施例4としてのスライド
式義歯は、図15(上顎歯列の下面図)に示すように、
二本の義歯本体11’と義歯床12’とからなる人工歯
1’と、これを口腔内の所定位置に保持する維持装置2
0’とから構成されている。ここで義歯床12’は、金
属床12aとこれを覆って歯肉に当接するレジン床12
bとからなる。
【0066】維持装置20’は、大きく分けて、左側
(図中右側)の鉤腕16,17と、反対側の右側(図中
左側)の鉤腕14,15と、上顎の壁面に沿い口腔内を
横断して両者を連結する連結子13とからなる。先ず、
鉤腕14,15は、図16に示すように、それぞれ、右
側(図中左側)の支持歯S1,S2の内側面に沿って当
接し、連結子13を介して反対側の人工歯1’を安定さ
せる作用をもつ。支持歯S1,S2の内側面に対面する
鉤腕14,15の内周面には、それぞれ窪み(図示せ
ず)が形成されて、その中に摺動係合部材としての薄型
磁石30が格納されている。薄型磁石30は、その吸着
側面をもって、支持歯S1,S2の内側面に固定された
相手部材としての被吸着体(図示せず)に当接してお
り、両者は互いに磁気吸引力により着脱自在に固定保持
されている。ただし、鉤腕14,15には噛合力が作用
しないので、薄型磁石30と被吸着体とは、かならずし
もスライド可能に吸着するを要しない。
【0067】ここで、薄型磁石30には、前述の実施例
2で説明した対向集積型磁気アタッチメント、または、
実施例3とその変形態様で説明した変形対向集積型磁気
アタッチメントで構成されている。いずれも、厚みが十
分に薄いので可撓性をもち、支持歯S1,S2内側面に
固着している被吸着体の曲面に沿った形状に曲げ加工さ
れている。
【0068】支持歯S1,S2内側面の被吸着体および
薄型磁石30は、鉤腕14,15の上記窪みに収容さ
れ、外観に表れることが無いばかりでなく、食物などに
より汚染されたりすることもない。なお、前述のよう
に、支持歯S1,S2と鉤腕14,15との間では、ス
ライド可能である必要は無い。したがって、被吸着体お
よび薄型磁石30の両者を対向集積型磁気アタッチメン
トまたは変形対向集積型磁気アタッチメントで形成する
場合にも、両者の極性と集積方向がマッチしていれば、
両者は任意の集積方向を取りうる。さらに、被吸着体お
よび薄型磁石30の一方は、実施例3の変形態様1で説
明した変形対向集積型磁気アタッチメントで構成され、
その他方は、実施例3の変形態様2で説明した変形対向
集積型磁気アタッチメントで構成される組み合わせも可
能である。
【0069】次に、鉤腕16,17は、図17に示すよ
うに、それぞれ、左側(図15中右側)奥歯である支持
歯S3,S4の内側面に沿って当接するとともに、互い
に連結された二本の義歯本体11’に固定されている。
そして、鉤腕16,17は、薄型磁石30および被吸着
体(後述)からなる維持装置により、支持歯S3,S4
に対して上下にスライド可能に吸着している。
【0070】すなわち、支持歯S3,S4の内側面に対
面する鉤腕16,17の内周面には、それぞれ窪み(後
述)が形成されて、その中に摺動係合部材としての薄型
磁石30が格納されている。薄型磁石30は、その吸着
側面34をもって、支持歯S3,S4の内側面に固定さ
れた相手部材としての被吸着体(後述)に当接してお
り、両者は互いに磁気吸引力により着脱自在に固定保持
されている。
【0071】ここで、薄型磁石30は前述の鉤腕14,
15に格納されたものと同一であり、上記被吸着体は軟
磁性合金の薄板である。なお、薄型磁石30および上記
被吸着体の両者を、磁極性の反転した実施例2記載の対
向集積型磁気アタッチメントまたは実施例3の変形態様
3記載の変形対向集積型磁気アタッチメントで形成する
ことも可能である。ただし、その場合には、集積方向が
上下方向と直交する方向に設定されていることが必要で
あり、さもないと、義歯本体11’が支持歯S3,S4
に対し、自由に上下方向にスライドすることができなく
なる。
【0072】さて、支持歯S3と鉤腕16とをそれぞれ
互いに吸着保持している維持装置は、図18に示すよう
に、鉤腕16と、同鉤腕内周面に形成された窪み10に
収容された薄型磁石30および被吸着体40からなる。
鉤腕16は、支持歯S3の側面に沿って湾曲した外形が
滑らかな略板状の保持部材であり、義歯本体11’と相
互に固定されるとともに、背面の一部で金属床12aに
連続している。
【0073】薄型磁石30は、鉤腕16内周面の窪み1
0の底面に固定されており、その吸着側面34は、上下
方向に平行に形成されている。一方、被吸着体40は、
支持歯S3の二側面に固着しており、その表面は、薄型
磁石30の吸着側面34に当接する。薄型磁石30およ
び被吸着体40は、鉤腕16内周面に形成された窪み1
0に収容されており、窪み10の周縁は支持歯S3およ
び義歯本体11’に近接して閉じている。それゆえ、薄
型磁石30および被吸着体40は、外観に表れることが
なく、また、食物などの浸入により汚染されることもな
い。
【0074】また、支持歯S4と鉤腕17との維持装置
も、支持歯S3と鉤腕16との上記維持装置と同様に構
成されている。 (実施例4の作用効果)したがって、義歯本体11’に
噛合力が掛かって歯肉Gに沈みこんだ場合にも、薄型磁
石30と被吸着体40との間で上下方向に摺動(スライ
ド)するので、支持歯S3,S4に過大な負担を強いた
りこれを傾けたりすることはない。それゆえ、本実施例
のスライド式義歯によれば、複数本の義歯本体11’を
もつ部分床義歯の人工歯1’の場合にも、支持歯S3,
S4を傷めることがない。
【0075】また、本実施例のスライド式義歯によれ
ば、薄型磁石30を使用するので、高価な磁性材料の使
用量が少なく、安価にスライド式義歯を提供することが
できるという効果もある。さらに、磁力による吸着で口
腔内に保持されるので、義歯挿着時に精密な挿入操作を
要せず、着脱にネジ回しなどの工具を必要とすることも
ない。それゆえ、補助員を要せず、利用者本人により容
易にワンタッチで着脱できるという効果が生じる。な
お、誤飲時の安全性については、本実施例のスライド式
義歯は大きくて誤飲する危険がないので、特に論じる必
要はない。
【0076】(実施例4の変形態様)本実施例のスライ
ド式義歯を構成する薄型磁石30および被吸着体40
は、前述のように各種の対向集積型磁気アタッチメン
ト、変形対向集積型磁気アタッチメントおよび軟磁性合
金の薄板の中から、適正な組み合わせで選定することが
可能である。
【0077】また、最も奥の奥歯の義歯に適用する際に
は、片側の支持歯S4(図17参照)がなくても連結子
13により、本発明のスライド式義歯を安定に保持する
ことが可能である。
【0078】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のスライド
式義歯によれば、磁力による吸着で口腔内に保持される
ので、義歯挿着時に精密な挿入操作を要せず、着脱にネ
ジ回しなどの工具を必要とすることもない。それゆえ、
他人の補助を要せず、利用者本人によりワンタッチで着
脱できるという効果が生じる。
【0079】また、本発明のスライド式義歯によれば、
維持装置の製造に極めて精緻な工作を要することがない
ので、安価に製造することが可能であるという効果もあ
る。さらに、磁石に薄型磁石を採用していれば、高価な
磁性材料の使用量が減り、なお安価に製造することがで
きるうえ、スマートな形状に形成されうるという効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のスライド式義歯の構成を示す水平
断面図
【図2】 実施例1のスライド式義歯の構成を示す垂直
部分断面図
【図3】 実施例1のスライド式義歯の挿入法を示す垂
直部分断面図
【図4】 実施例2のスライド式義歯の構成を示す水平
断面図
【図5】 実施例2のスライド式義歯の構成を示す垂直
部分断面図
【図6】 実施例2のスライド式義歯の薄型磁石の構成
を示す斜視図
【図7】 実施例2のスライド式義歯の薄型磁石の作用
を示す部分斜視図
【図8】 実施例3のスライド式義歯の薄型磁石の構成
を示す部分斜視図
【図9】 実施例3の変形態様1の薄型磁石の構成を示
す部分斜視図
【図10】図9のX−X断面を示す断面図
【図11】実施例3の変形態様2の薄型磁石の構成を示
す部分斜視図
【図12】図11のXII−XII断面を示す断面図
【図13】実施例3の変形態様2の薄型磁石の構成を示
す部分斜視図
【図14】永久磁石の防食構造の一例を示す断面図
【図15】実施例4のスライド式義歯の構成を示す平面
【図16】図15中のA矢視である内側面図
【図17】図15中のB矢視である内側面図
【図18】図17中のC矢視である部分断面平面図
【図19】従来のスライド式義歯の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1:人工歯 1’:部分床義歯 10:窪み 11,11’:義歯本体 12,12’:義歯床 13:連結子(維持装置の一部) 14〜17:鉤腕
(維持装置の一部) 2:維持装置 20:摺動係合部材 21:磁石保
持部材 3:磁石 31:永久磁石 32:ヨーク 3
4:吸着側面 35,35’,39:第1磁性部材(永久磁石) 36,36’,38:第2磁性部材(軟磁性体) 35”:第1磁性部材(軟磁性体) 36”:第2磁性部材(永久磁石) 37:背向側部材(軟磁性体) 3A:対向集積型磁気アタッチメント(薄型磁石) 3B,3C,3D:変形対向集積型磁気アタッチメント
(薄型磁石) 4:被吸着体(軟磁性体) 4’,4”:被吸着体
(薄型磁石) S,S1〜S4:支持歯 G:歯茎(歯肉) T:
歯列

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 義歯本体と歯肉に当接して支持され該義
    歯本体を保持する義歯床とからなる人工歯と、 隣接する支持歯に固定される相手部材と該相手部材と摺
    動可能に係合し該人工歯に固定された摺動係合部材とか
    らなる維持装置とを持つスライド式義歯であって、 前記相手部材および前記摺動係合部材のうち、一方は磁
    石を有し、他方は該磁石により吸着される被吸着体を有
    し、該相手部材および該摺動係合部材は磁気吸引力によ
    りスライド可能に吸着されていることを特徴とするスラ
    イド式義歯。
  2. 【請求項2】 前記磁石は、前記被吸着体に当接する吸
    着側面の単位面積当たり20gf/mm2 以上の磁気吸
    引力を発揮し、該吸着側面に垂直な方向の厚みが0.8
    mm以下の薄型磁石である、請求項1記載のスライド式
    義歯。
  3. 【請求項3】 前記薄型磁石は、 同一磁極が互いに対向するように配列された2個以上の
    永久磁石と、互いに隣接する該永久磁石の間に配置され
    たヨークとからなり、該永久磁石の配列方向と平行な一
    側面が吸着側面となることを特徴とする対向集積型磁気
    アタッチメントである、請求項2記載のスライド式義
    歯。
  4. 【請求項4】 前記薄型磁石は、 一面が前記吸着側面となる板状の磁気アタッチメントで
    あって、 永久磁石および軟磁性体のいずれか一方で形成され、一
    端面が該吸着側面を形成し互いに間隔を隔てて配置され
    た複数の第1磁性部材と、 該永久磁石および該軟磁性体のいずれか他方で形成さ
    れ、該第1磁性部材の該一端面と交差する側面を覆い該
    第1磁性部材とで板状となる第2磁性部材と、 該第1磁性部材および該第2磁性部材の該吸着側面と背
    向する他端を覆い該吸着側面と背向する軟磁性体で形成
    された背向側部材とからなり、 かつ該永久磁石で形成された該第1磁性部材または該第
    2磁性部材は、該吸着側面側の該一端面が全てN極また
    はS極の一方の同一極となり、該一端面と背向する他端
    面が全てN極またはS極の他方の同一極となっているこ
    とを特徴とする変形対向集積型磁気アタッチメントであ
    る、請求項2記載のスライド式義歯。
  5. 【請求項5】 前記被吸着体は軟磁性体からなり、該被
    吸着体の厚みは0.4mm以下である、請求項1〜4の
    うちいずれかに記載のスライド式義歯。
  6. 【請求項6】 前記支持歯に隣接する前記義歯本体は、
    該支持歯に対面する側面に形成された窪みを有し、前記
    維持装置は、前記窪みに収容される、請求項1〜5のう
    ちいずれかに記載のスライド式義歯。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170019708A (ko) * 2015-08-12 2017-02-22 유창민 착탈가능한 틀니
WO2020138095A1 (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 正 河北 義歯とその取付けアタッチメント
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