JPH0951903A - 義 歯 - Google Patents

義 歯

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JPH0951903A
JPH0951903A JP7205899A JP20589995A JPH0951903A JP H0951903 A JPH0951903 A JP H0951903A JP 7205899 A JP7205899 A JP 7205899A JP 20589995 A JP20589995 A JP 20589995A JP H0951903 A JPH0951903 A JP H0951903A
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JP
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magnetic
magnet
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thin
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Application number
JP7205899A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
Yoshie Komanaka
美江 駒中
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、義歯を支持する支持歯にかかる負
担を軽減し、支持歯を傷めることがより少ない義歯を提
供することを、解決すべき課題とする。 【解決手段】 義歯本体11と、歯肉Gに当接し義歯本
体11を保持する義歯床12とを有する人工歯1と、人
工歯1と一体的に形成され隣接する支持歯Sに固定され
る維持装置2とからなる義歯。維持装置2は、支持歯S
の側面に接合固定される厚みが0.4mm以下の薄型被
吸着体4と、人工歯1に一体的に形成され薄型被吸着体
4と互いに磁気的に吸着する厚みが0.8mm以下の主
磁石3をもつ維持本体部(鉤腕14を含む)とからな
る。主磁石3は、対向集積型磁気アタッチメントまたは
変形対向集積型磁気アタッチメントで形成可能。極めて
薄い板材状の主磁石3と薄型被吸着体4との磁気吸引力
により、支持歯Sに対して人工歯1が保持されるので、
過大な噛合力がかかった場合にも支持歯Sを傷めること
がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医療分野にお
いて利用されるもので、義歯の技術分野に属し、特に、
人工歯が隣接する支持歯に対して磁気吸引力を利用して
固定保持される義歯に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから、クラスプおよびレストにより
隣接する支持歯に固定保持される義歯が、最も多用され
てきた。クラスプは、有髄歯である支持歯を抱え込む金
具であり、レストは、義歯から突出して隣接する支持歯
に食い込む突起である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術の義歯では、クラスプとレストで隣接する支持歯に機
械的かつ強固に固定されている。ところが、上記義歯に
おいては、食事等で噛合圧が義歯にかかる度に、義歯
は、歯肉としての歯茎に接する義歯床ごと歯茎にわずか
に沈み込む。それゆえ、上記義歯の支持歯は、噛合の度
に傾斜と復元とを繰り返す。その結果、せっかくの有髄
歯である支持歯までが損傷して、抜けるにいたる場合も
少なくなかった。
【0004】また、クラスプが歯列の前面に露出するの
で著しく美観を損ない、美容上の不利が生じるという不
都合もあった。さらに、クラスプが大きく突起している
ので、万一誤飲した場合には、消化管を損傷して大事に
至る危険があるという不都合もあった。そこで、本発明
は、上記不都合を解消し、他人の補助を必要とせずに義
歯装用者本人でワンタッチで着脱できるとともに、あま
り美容を損なうことがない義歯を提供することを解決す
べき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の義歯は、義歯本
体と、歯肉に当接して支持され該義歯本体を保持する義
歯床とを有する人工歯と、該人工歯と一体的に形成さ
れ、隣接する支持歯に固定される維持装置とからなる義
歯であって、前記維持装置は、前記支持歯の側面に接合
固定される薄型磁石または薄型被吸着体と、前記人工歯
に一体的に形成され、該薄型磁石または該薄型被吸着体
と互いに磁気的に吸着する主被吸着体または主磁石をも
つ維持本体部とからなることを特徴とする。
【0006】前記薄型磁石および前記主磁石のうち少な
くとも一方は厚みが0.8mm以下であり、前記薄型被
吸着体および前記主被吸着体のうち少なくとも一方は厚
みが0.4mm以下であって、該薄型磁石と該主被吸着
体との間および該主磁石と該薄型被吸着体との間のうち
いずれかに、互いに対向する面の単位面積当たり20g
f/mm2 以上の磁気吸引力が生じることが望ましい。
【0007】ここで、前記薄型磁石および前記主磁石の
うち少なくとも一方は、同一磁極が互いに対向するよう
に配列された2個以上の永久磁石と、互いに隣接する該
永久磁石の間に配置されたヨークとからなり、該永久磁
石の配列方向と平行な一側面が吸着側面となることを特
徴とする対向集積型磁気アタッチメントである構成が可
能である。
【0008】また、前記薄型磁石および前記主磁石のう
ち少なくとも一方は、一面が吸着側面となる板状の磁気
アタッチメントであって、永久磁石および軟磁性体のい
ずれか一方で形成され、一端面が該吸着側面を形成し互
いに間隔を隔てて配置された複数の第1磁性部材と、該
永久磁石および該軟磁性体のいずれか他方で形成され、
該第1磁性部材の該一端面と交差する側面を覆い該第1
磁性部材とで板状となる第2磁性部材と、該第1磁性部
材および該第2磁性部材の該吸着側面と背向する他端を
覆い該吸着側面と背向する軟磁性体で形成された背向側
部材とからなり、かつ該永久磁石で形成された該第1磁
性部材または該第2磁性部材は、該吸着側面側の該一端
面が全てN極またはS極の一方の同一極となり、該一端
面と背向する他端面が全てN極またはS極の他方の同一
極となっていることを特徴とする変形対向集積型磁気ア
タッチメントである構成も可能である。
【0009】
〔実施例1〕
(実施例1の構成)本発明の実施例1としての義歯は、
図1に示すように、人工歯1と、人工歯1と一体に形成
され、隣接する支持歯Sに固定される維持装置2とから
なる部分床義歯である。
【0010】まず、人工歯1は、左右一対の複数の義歯
本体11,11’と、歯肉Gに当接して義歯本体11を
支持する左右それぞれの義歯床12と、口腔を上壁に沿
って横断し左右の義歯床12を連結する左右連結部13
とから構成される。次に、維持装置2は、義歯本体11
に隣接する支持歯Sに接合固定された薄型被吸着体(後
述)と、支持歯Sに隣接する義歯11側に一体的に形成
され、上記薄型被吸着体と互いに磁気的に吸着する主磁
石3と、主磁石3をもつ維持本体部(後述)からなる。
【0011】すなわち、図2に示すように、薄型被吸着
体4は、支持歯Sの内側側面から義歯11に隣接する側
面にかけて連続して固着された軟磁性合金の薄板であ
る。同軟磁性合金の材料には、19Cr−2Mo鋼(飽
和磁束密度16,000G,透磁率4,000)が使用
されている。薄型被吸着体4の板厚は、0.0625m
mであり、薄型被吸着体4の表面は、上下方向(噛合方
向)に沿った一次曲面をなして、被吸着側面43を形成
している。
【0012】一方、主磁石3は、対向集積型磁気アタッ
チメント(後述)と呼ばれる薄板状の磁石構造体であっ
て、人工歯1と一体に形成されている。すなわち、主磁
石3は、義歯本体11の支持歯Sに隣接する側面から鉤
腕14の内周面にかけて形成された窪み10の底面に固
着保持されている。鉤腕14および義歯本体11の窪み
10を形成する凹部は、主磁石3を義歯11に固定して
おり、維持本体部を形成している。
【0013】鉤腕14は、維持装置2の一部をなすバネ
弾性をもつ合成樹脂性の部材であり、義歯本体11と一
体に形成され支持歯Sの内側面を抱え込むように湾曲し
た略板状の形状をしている。鉤腕14の先端部14t
は、板厚がテーパして支持歯Sの縁部に当接している。
なお、鉤腕14は、義歯本体11から突出しているが、
義歯本体11を形成する材料とは異なりバネ弾性を有す
る金属材料等で形成されていることが好ましい。
【0014】義歯本体11および鉤腕14に背向する主
磁石3の面には、磁束を放出回収する吸着側面34が形
成されている。本実施例の義歯装用時には、吸着側面3
4が薄型被吸着体4の被吸着側面43に当接し、両者の
間に働く磁気吸着力により、主磁石3と薄型被吸着体4
とは互いに密着する(両者の他の部分での密着性を確保
するためには、角部Cなどで僅かの間隙を開けておくこ
とが望ましい)。それゆえ、支持歯Sに対して義歯本体
11は歯列中に保持され、不用意に人工歯1が歯茎Gや
歯列Tから外れることはない。
【0015】ここで、主磁石3および薄型被吸着体4
は、義歯本体11および鉤腕14の窪み10の中に収容
されているので、外見上に顕れない。 (対向集積型磁気アタッチメント)対向集積型磁気アタ
ッチメント3Aの構成を示す目的で、その任意の一部
(3mm四方)を切り取り、図3に示す。この3mm四
方の部分は、集積された16個の永久磁石31と、17
個のヨーク32,32’とから構成されている。各永久
磁石31は、ヨーク32を挟持して、隣接する永久磁石
31と同一磁極が互いに対向するように配列されてい
る。永久磁石31および17個のヨーク32,32’の
集積方向は、一次曲面への集積時の組み立ての容易さ、
または集積後の曲げ加工の容易さを考慮して、図2紙面
に平行な水平面内にとられている。
【0016】ここで、永久磁石31は、最大エネルギ積
30〔MGOe〕の希土類磁石(NdFeB)からな
り、ヨーク32,32’は、軟磁性合金(19Cr-2Mo鋼=
飽和磁束密度 16,000 G ,透磁率 4,000)から形成され
ている。ヨークには、互いに隣接する永久磁石31の間
に配置された15個のヨーク32と、積層方向両端の永
久磁石31の外側に配置された二つの側方ヨーク32’
との、2種類がある。側方ヨーク32’の積層方向の厚
みは、ヨーク32のそれの半分である。(側方ヨーク3
2’を廃したり、ヨーク32と同一の寸法形状にしたり
した構成を取ることも可能である。集積された永久磁石
31の個数が多ければ、ほとんど磁気吸引力が落ちるこ
とはない。) ここで、各永久磁石31の積層方向の厚みは共通に0.
0625mmである。一方、各磁石32の間に配置され
たヨーク32の積層方向の厚みは、共通に同磁石の倍の
0.125mmであり、両端に位置する側方ヨーク3
2’の積層方向の厚みは、それぞれ0.0625mmで
ある。
【0017】そして、永久磁石31およびヨーク32,
32の集積方向と平行な一側面が、吸着側面34になっ
ている。対向集積型磁気アタッチメント3Aの外形は、
前述のように一次曲面を形成する薄板状であり、板厚は
0.156mmである。一方、被吸着体4の板厚は0.
0625mmである。したがって、図4(部分拡大図)
に示すように、対向集積型磁気アタッチメント3Aであ
る主磁石3の板厚Hと、被吸着体4の板厚tとを合計し
ても、わずか0.2185mmに過ぎない。
【0018】以上のように構成された対向集積型磁気ア
タッチメント3Aの吸着側面34に被吸着体4が当接す
ると、各永久磁石31から発生した磁束が、それぞれ隣
接するヨーク32,32’に導かれて被吸着体4内部を
通り、各々磁力線ループmを形成する。すなわち、対向
集積型磁気アタッチメント3Aの各部と、その吸着側面
34に当接する被吸着体4との間に、磁束密度が高い磁
力線ループmが多数形成され、薄型形状でありながら強
力な磁気吸引力が発揮される。
【0019】対向集積型磁気アタッチメント3Aは、吸
着側面34に垂直な厚みがわずか0.156mmという
薄型でありながら、分厚い従来型の磁石構造体に見劣り
しない磁気吸着力を発揮する。すなわち、主磁石3と被
吸着体4との間には、吸着側面34の単位面積あたり6
0〔gf/mm2 〕の磁気吸引力が発生する。したがっ
て、対向集積型磁気アタッチメント3Aによれば、本実
施例の義歯を支持歯に対して固定するのに十分な磁気吸
引力が得られる。ちなみに、この磁気吸引力は、吸着側
面面積が2×5=10mm2 では600gf、3×6=
18mm2 では1080gfにも及ぶ。
【0020】(実施例1の作用効果)主磁石3および被
吸着体4は、十分に薄いので可撓性を有し、再び図2に
示すように、それぞれ義歯本体11、鉤腕14および支
持歯Sの曲面にフィットして形成されている。本実施例
の義歯では、変形対向集積型磁気アタッチメント3Aは
主磁石3で形成されているので、一次曲面を形成してい
る主磁石3は、その吸着側面34で支持歯S側の被吸着
体4の表面にスライド可能に磁気吸着している。それゆ
え、過大な噛合力が人工歯1にかかった場合には、吸着
面に滑りを生じて人工歯1は支持歯Sに対し沈み込み、
負荷を支持歯Sに掛けることがないので、支持歯Sを傷
める心配がない。
【0021】さらに、本実施例の義歯特有の作用効果と
して次のようなものがある。第1に、係合溝や係合突条
などの複雑な嵌合部がなく、維持装置2の形状が単純
で、互いに吸着する支持歯Sおよび被吸着体4は極めて
薄い形状をしている。特に、被吸着体4が支持歯S側面
に接合固定される際に、支持歯Sを切削する量は、極め
て少ないか場合によっては皆無である。また、鉤腕14
の先端に支持歯Sに嵌合する突起を有しないので、その
ための嵌合溝を支持歯Sに設ける必要もない。
【0022】したがって、支持歯Sの切削加工は極めて
少なくて済むので、支持歯Sを傷めることがより少ない
という効果がある。また、同様の理由で、義歯の製作に
あたり、歯科技工の工数が少なくて済むという効果もあ
る。さらに、本実施例の義歯および支持歯の双方に複雑
な凹凸が少ないので、両者の掃除と維持整備が極めて容
易になるという効果もある。
【0023】第2に、主磁石3と被吸着体4の厚みの合
計は、0.2185mmと極めて薄いので、両者を収容
する義歯本体11側面の窪み10の深さもわずかで済
み、義歯本体11の強度低下も少なくて済む。その結
果、本実施例の義歯は、より堅牢であるという効果を有
する。第3に、主磁石3の体積は少ないので、材料の使
用量が極めてわずかである。したがって、高価な磁性材
料の使用量が減り、より安価な義歯を提供することがで
きるという効果も生じる。
【0024】(対向集積型磁気アタッチメントのバリエ
ーション)前述の本実施例の主磁石3を形成している対
向集積型磁気アタッチメント3Aの集積方向は、上下方
向としてもよい。あるいは、被吸着体4の被吸着側面4
3に主磁石3の吸着側面34が当接する限り、集積方向
をいずれの方向へ設けてもよい。
【0025】前述の本実施例に装備された主磁石3で
は、集積方向3mmあたり16個の集積密度としたが、
この集積密度は必要に応じて増減することができる。例
えば、吸着側面34の面積を同一に保ち、同じ材料を使
用して集積方向3mmあたり永久磁石100個の集積密
度をもつ対向集積型磁気アタッチメントである薄型磁石
3A’を形成したとする。すると、板厚僅か0.025
mmの薄型磁石3A’で、板厚0.01mmの被吸着体
34との間に、46〔gf/mm2 〕の吸着側面34の
単位面積当たり磁気吸引力が発揮される。ちなみに、こ
の磁気吸引力は、吸着側面面積が2×7=14mm2
は640gf、3×6=18mm2 では820gfにも
及び、本実施例の義歯を支持するのに十分強力である。
【0026】なお、薄型磁石3Aの永久磁石31が耐食
性に優れたPtCo系もしくはPtFe系の材料で形成
されていれば、耐食皮膜なしでも、耐蝕性と無毒性によ
り優れた義歯を提供することができる。PtCo系の場
合、吸着側面34の単位面積当たり磁気吸引力は、30
〔gf/mm2 〕である。ちなみに、この磁気吸引力
は、吸着側面面積が2×10=20mm2 では600g
f、3×8=24mm2では720gfになり、本実施
例の義歯を支持するのに十分強力である。
【0027】また、主磁石3の吸着側面34は1次曲面
(平面も含む)で形成され、薄い主磁石3は、その可撓
性で支持歯Sの吸着側面4に沿った曲面に曲げ加工され
ている(発明者らは、対向集積型磁気アタッチメントお
よび後述の変形対向集積型磁気アタッチメントを、薄く
て曲げ加工が可能なことから「ペーパー・アタッチメン
ト」と呼びならわしているほどである)。もちろん、予
め楔状または台形断面状に形成された永久磁石31また
はヨーク32,32’を集積して、曲率をもった薄型磁
石3Aを形成することも可能である。
【0028】さらに、被吸着体4は、軟磁性合金の薄板
から形成される代わりに、主磁石3と同様の対向集積型
磁気アタッチメントである構成(薄型磁石である被吸着
体4’)も可能である。この構成では、主磁石3および
被吸着体4’としての両対向集積型磁気アタッチメント
の集積方向が上下面に垂直方向に合わされており、本実
施例の義歯が上下にスライドする動作が妨げられること
はない。また、主磁石3Aおよび被吸着体4’双方の各
永久磁石および各ヨークの集積方向の厚みは等しく、互
いに異なる磁極同士で当接して吸引し合うべく、配設さ
れている。
【0029】薄型磁石である被吸着体4’を有する本構
成によれば、主磁石3Aばかりでなく、被吸着体4’も
対向集積型磁気アタッチメントで構成されているので、
より強力な磁気吸引力が発揮される。さらに、主磁石3
Aおよび被吸着体4’の間で、水平面内でのずれが磁気
的に阻止される作用も生じるので、本実施例の義歯の座
りがいっそう良くなるという効果もある。
【0030】(実施例1の変形態様1)本変形態様の義
歯は、主磁石3が変形対向集積型磁気アタッチメント3
Bで構成されている点が、実施例1と異なっている。本
変形態様の特徴である、変形対向集積型磁気アタッチメ
ント3Bの構成について、図5を参照して解説する。す
なわち、主磁石3を形成する変形対向集積型磁気アタッ
チメント3Bは、一面が吸着側面34となる板状の磁気
アタッチメントである。本アタッチメント3Bにおいて
は、吸着側面34の展開形は実施例1のそれと同様であ
るが、吸着側面34に垂直な方向の厚みは、前述の対向
集積型磁気アタッチメント3Aに比較してもよりいっそ
う薄い0.875mmである。
【0031】ちなみに、被吸着体4の吸着側面34と対
面する部分の板厚は0.044mmであり、両者の厚み
を合計しても、わずか0.1315mmに過ぎない。本
アタッチメント3Bは、図5に部分拡大斜視図(透視
図)を示すように、複数個の第1磁性部材としての永久
磁石35と、軟磁性合金製の第2磁性部材36および背
向側部材37から構成されている。3mm四方をサンプ
ルとして本アタッチメント3Bから取り上げると、その
中に永久磁石35は256個ある。これらの永久磁石3
5は、全て吸着側面34に同一磁極(例えばS極)を向
けて、第2磁性部材36内に縦横3mmあたりに縦16
行×横16行の碁盤目状に挿置されている。
【0032】すなわち、本アタッチメント3Bでは、吸
着側面34に平行な任意の断面が正方形の四角柱状の永
久磁石35が、第2磁性部材36の吸着側面34に開口
した同形の凹部(または孔)に挿置されて構成されてい
る。吸着側面34に面する各永久磁石35の一端は、全
てS極であり、逆に、背向側部材37に当接する各永久
磁石35の他端は、全てN極である(S極とN極とを、
全て逆にしても構わない)。
【0033】各永久磁石35の寸法は、0.14mm四
方で厚み0.05mmである。一方、第2磁性部材36
の外形寸法は、厚み0.05mmであり、厚み0.03
75mmの背向側部材37が、吸着側面34と背向する
側に一体に形成されている。したがって、前述のように
本アタッチメント3Bは、板厚0.0875mmの薄板
状である。
【0034】なお、永久磁石35の材料と、軟磁性体で
ある第2磁性部材36および背向側部材37の材料に
は、実施例1の変形対向集積型磁気アタッチメント3A
と同一のものが使用されている。本変形態様に主磁石3
として採用された変形対向集積型磁気アタッチメント3
Bは、実施例1のもつ主磁石3と同様に、薄型ながら強
力な磁気吸引力を発揮する。すなわち、各永久磁石35
は、周囲の軟磁性体からなる第2磁性部材36および背
向側部材37を通じて、被吸着体4を経由する磁力線ル
ープ(閉回路)を形成する。
【0035】この磁力線ループは、幅等の寸法は微小な
がら、軟磁性体の磁束飽和密度程度の高密度な磁束で、
極めて高い磁力を発揮する。それゆえ、本変形態様での
変形対向集積型磁気アタッチメント3Bは、前述の対向
集積型磁気アタッチメント3Aと同様に、磁石本体が極
めて薄いのみならず、さらに薄い被吸着体4に対して
も、強力な磁気吸引力を作用させることができる。
【0036】その磁気吸引力は、吸着側面34の単位面
積当たり磁気吸引力で32〔gf/mm2 〕である。ち
なみに、この磁気吸引力は、吸着側面面積が2×10=
20mm2 では640gf、3×8=24mm2 では7
70gfになり、本変形態様の義歯を支持するのに十分
強力である。ここで、さらに永久磁石35がPtCo系
の磁性材料から形成されている場合には、吸着側面34
の単位面積当たり磁気吸引力は、23〔gf/mm2
である。ちなみに、この磁気吸引力は、吸着側面面積が
3×10=30mm2 では690gfになり、本変形態
様の義歯を支持するのに十分強力である。
【0037】したがって、本変形態様の義歯によれば、
実施例1同様の効果が得られる他、次のような効果も生
じる。すなわち、本変形態様での変形対向集積型磁気ア
タッチメント3Bは、第1磁性部材36および背向側部
材37が軟磁性合金で一体に形成されているので、実施
例1での対向集積型磁気アタッチメント3Aよりも曲げ
加工性に優れている。それゆえ、変形対向集積型磁気ア
タッチメント3Bは、一次曲面状ばかりではなく二次曲
面状への加工も可能であるから、義歯の設計上の自由度
はより増えるという効果もある。
【0038】(実施例1の変形態様2)本変形態様の義
歯は、主磁石3として変形対向集積型磁気アタッチメン
ト3Cを装備しており、変形対向集積型磁気アタッチメ
ント3Cの構成は、上記変形対向集積型磁気アタッチメ
ント3Bと幾分異なっている。すなわち、本変形態様で
の変形対向集積型磁気アタッチメント3Cは、その任意
の一部を図6に示すように、第1磁性部材としての複数
の円筒状の永久磁石35’と、軟磁性体からなる第2磁
性部材36’および背向側部材37とから構成されてい
る。
【0039】第2磁性部材36’および背向側部材37
とは、一体に形成されて(または接合されて)、軟磁性
合金の有孔板367を形成している。有孔板367に
は、吸着側面34側に開口する有底孔が秩序正しく配列
されて、形成されている。すなわち、第2磁性部材3
6’には、吸着側面34から円筒状の孔が複数個形成さ
れており、各孔に嵌合する円筒状の各永久磁石35’が
嵌着されている。永久磁石35’は、吸着側面34に平
行な断面で互いに隣接する任意の三個の永久磁石35’
が正三角形Δを形成するように、配設されている永久磁
石35’は全て、図7に示すように、S極である一端で
吸着側面34の一部を形成しており、逆に、N極である
他端は、背向側部材37に対面当接している。(同一極
が同一方向を向いていれば、逆でもよい。) 本アタッチメント3Cは、以上のように構成された変形
対向集積型磁気アタッチメントであるから、各永久磁石
35’の周囲には略ドーナツ状の磁力線ループの渦輪が
生じる。その結果、吸着側面34に当接した軟磁性合金
製の被吸着体4との間に、小型ながら磁束密度が軟磁性
体の飽和磁束密度程度である磁力線ループが閉じて、閉
磁路が形成され、強力な磁気吸引力が発揮される。
【0040】したがって、本変形態様の義歯によって
も、前述の実施例1およびその変形態様1と同様の効果
が得られる。なお、永久磁石35’が保持される孔を丸
孔で形成したので、実施例3よりも製造が容易になると
いう効果もある。なお、上記有底孔の底面が、本変形態
様の平面と異なって円錐面で形成されていれば、ドリル
等による製造がより容易になるという効果がある(上記
円錐面はドリルの切っ先の形状に合致したものとす
る)。かように構成されていれば、より強い磁気吸引力
を発揮することができる。
【0041】(実施例1の変形態様3)本変形態様の義
歯は、主磁石3として変形対向集積型磁気アタッチメン
ト3Dを装備している。同アタッチメント3Dの構成
は、上記変形態様2の有する変形対向集積型磁気アタッ
チメント3Cの構成と幾分異なっており、第1磁性部材
の材料と第2磁性部材の材料とが逆転している。
【0042】すなわち、本アタッチメント3Dは、その
任意の一部を図8(拡大斜視図)に示すように、軟磁性
合金からなる複数の円筒状の第1磁性部材35”と、永
久磁石からなる第2磁性部材36”および軟磁性合金か
らなる背向側部材37とからなる。第2磁性部材36”
は、吸着側面34に一極(S極)を向けており、図9に
示すように、各第1磁性部材35”の内部を通る磁束
で、その周囲の第2磁性部材36”内に略ドーナツ状の
磁力線ループmの渦輪が生じる。その結果、吸着側面3
4に当接した軟磁性体からなる被吸着体4との間に、小
型ながら磁束密度が軟磁性体の飽和磁束密度程度である
磁力線ループmが閉じて閉磁路が形成され、強力な磁気
吸引力が発揮される。
【0043】したがって、本変形態様の義歯によって
も、前述の実施例1およびその変形態様1,2と同様の
効果が生じる。 (実施例1の変形態様4)本変形態様の義歯は、主磁石
3として変形対向集積型磁気アタッチメント3Eを装備
している。本アタッチメント3Eの構成は、前述の変形
態様1および変形態様2の有する前述のアタッチメント
3C,3Dの構成と幾分異なっており、吸着側面34と
集積方向とに垂直な断面が、いずれも同一である二次元
形状をしている。
【0044】すなわち、本アタッチメント3Eは、その
一部を図10に拡大して示すように、第2磁性部材38
および背向側部材37から一体に形成される軟磁性合金
製の有溝板389と、角柱状の複数個の永久磁石39と
からなる。有溝板389には、吸着側面34側に断面矩
形の溝が一定間隔を開けて平行に形成されており、各同
溝内にそれぞれ一つの永久磁石38が三方を同溝に当接
させて嵌着されている。永久磁石38は、長い四角柱状
に形成されており、同角柱の一側面にS極を有し、これ
と背向する他の側面にN極を有している。そして、上記
一側面は、吸着側面34の一部を形成している。
【0045】各永久磁石39は、そのN極に当接する背
向側部材37および隣接する第2磁性部材38に導かれ
て、吸着側面34から磁束を放出する。吸着側面34に
軟磁性体からなる被吸着体4が当接していると、上記磁
束は被吸着体34の内部を通って吸着側面34に面した
永久磁石39のS極に貫流する。その結果、二次元的な
磁力線ループmの渦輪が生じる(図9と同様)。その結
果、吸着側面34に当接した軟磁性体からなる被吸着体
4との間に、細かいながら磁束密度が軟磁性体の飽和磁
束密度程度である磁力線ループが閉じて閉磁路が形成さ
れ、強力な磁気吸引力が発揮される。
【0046】したがって、本変形態様の義歯によって
も、前述の実施例1およびその各変形態様と同様の効果
を上げることができる。なお、本変形態様の義歯におい
ても、実施例1と同様に、被吸着体4”として逆の極性
をもつ変形対向集積型磁気アタッチメント3E”で相手
部材を構成することも可能である。
【0047】(実施例1の変形態様5)前述の実施例1
において、薄型被吸着体4に代わって薄型磁石4’を、
主磁石3にかわって主被吸着体3’を用いて維持装置2
を構成することもできる。その際、薄型磁石4’は、前
述の各種磁気アタッチメント3A〜3Eのうちいずれか
で構成することができる。主被吸着体3’も、前述の軟
磁性合金の薄板か、薄型磁石4’に対応する上記各種磁
気アタッチメントで形成されうる。
【0048】(磁石の耐食処理)本発明の義歯には、各
種の磁石材料からなる永久磁石を使用することができる
が、現況においては、強力な磁石材料の中には腐食や摩
耗に弱いものもある。また、本発明の義歯は、人体の口
腔中で使用される義歯であり、小型のものは誤飲の可能
性もあるので、無毒性も要求される。
【0049】したがって、前述の実施例1(後述の実施
例2も)およびその各変形態様で使用する各永久磁石ま
たは磁気アタッチメントについても、メッキや樹脂の塗
布、磁石の外部に露出する部分を薄いフィルムで覆う手
段などを取ることも可能である。また、対向集積型磁気
アタッチメント、変形対向集積型磁気アタッチメントの
全外周を耐食非磁性膜で覆うことも可能である。
【0050】最も信頼性の高い耐食処理法としては、化
学的に安定な金属被服が、永久磁石の吸着側面に面する
部分のみを覆っている構成をとることもできる。その一
例は、図11に示すように、永久磁石35の吸着側面3
4に面する磁極端面が、その中央部を化学的に安定な軟
磁性の薄板C1で、その周縁部を非磁性の薄板C2で覆
われた構成である。非磁性の薄板C2は、軟磁性体36
と軟磁性の薄板C1との間で、磁束回路の短絡が起きな
いよう、磁気的に絶縁する作用がある。軟磁性体36、
薄板C1,C1の接合縁は、それぞれ電子ビーム溶接ま
たはレーザ溶接で水密に接合されており、唾液等が永久
磁石35に触れることはない。サイズが小さくなり、厚
みが膜といえるレベルになると、非磁性の薄板C2の作
成が困難な場合は、例えば薄板C1を形成する高耐食性
軟磁性材料に、例えばフェライト系ステンレス鋼SUS
444にNiCr合金膜を薄板C2に相当する位置に蒸
着し添加して、エキシマレーザー等で改質すれば、より
製造しやすい。
【0051】薄板C1を形成する高耐食性軟磁性材料と
しては、例えばフェライト系ステンレス鋼SUS444
が好適である。あるいは、SUS444にNiおよびC
rが添加されて、改質されている材料を用いれば、より
望ましい。ここで、実施例1のように、永久磁石31が
吸着側面34と平行に磁化方向をもつ場合には、一枚の
非磁性体の薄板で吸着側面34に面する永久磁石31の
側面をシールすれば事足りる。
【0052】以上の耐食水密構造が構成されていれば、
比較的腐食に弱い希土類磁石をもって永久磁石31が形
成されていても、十分高い耐蝕性が確保される。なお、
永久磁石31が、PtCo系もしくはPtFe系の磁性
材料から形成されている場合には、元々十分な耐蝕性を
有しているので、前述のような耐食処理や耐食性の水密
構造を形成する必要はなく、口腔環境に露出していて構
わない。このことは、他の実施例および変形態様でも同
様に成り立つ。
【0053】〔実施例2〕 (実施例2の構成)本発明の実施例2としての義歯は、
図12に水平断面図を示すように、人工歯1’と、人工
歯1’と一体に形成され、隣接する支持歯Sに固定され
る維持装置2とからなる部分床義歯である。したがっ
て、実施例1と異なり、本実施例の義歯は連結部13を
もたない。(なお、図12中には、本実施例の義歯の前
後両端に維持装置2が設けられている旨を明示するた
め、中心線が引かれて図中右半面が省略されている。図
中右半面の形状は、模式的には左半面の形状と同一であ
るが、前後両端の二つの維持装置2は、歯列中の位置の
差で義歯11および支持歯Sが異なるので、互いに寸法
形状が微妙に異なる。) まず、人工歯1’は、二本の義歯本体11と、歯肉Gに
当接して義歯本体11を支持する左右それぞれの義歯床
12とから構成される。
【0054】次に、維持装置2は二組あり、両者は、二
本並んだ義歯本体11をそれぞれ両端で隣接する両方の
支持歯Sの側面に保持している。各組の維持装置2は、
実施例1のそれと同様の構成である。すなわち、維持装
置2は、義歯本体11に隣接する支持歯Sに接合固定さ
れた薄型被吸着体4と、支持歯Sに隣接する義歯11に
一体的に形成され薄型被吸着体4と互いに磁気的に吸着
する主磁石3と、主磁石3を固定する構造部材である維
持本体部からなる。鉤腕14および義歯本体11の窪み
10を形成する凹部は、主磁石3を義歯11に固定して
おり、維持本体部を形成している。
【0055】ここで、薄型被吸着体4は、支持歯Sの内
側側面から義歯11に隣接する側面にかけて連続して固
着された軟磁性合金の薄板である。同軟磁性合金の材料
には、実施例1のそれと同じ19Cr−2Mo鋼が使用
されている。一方、主磁石3も、実施例1同様の対向集
積型磁気アタッチメント3Aであって、人工歯1の側面
および鉤腕14内側面に固着されている。
【0056】本実施例の義歯装用時には、主磁石3の吸
着側面34が薄型被吸着体4の表面に当接し、磁気吸引
力をもって互いに吸着する。その結果、義歯本体11は
支持歯Sに支持されて歯列T中に安定に保持され、食物
の粘着力などで不用意に外れることはない。また、過大
な噛合力が加わった場合には、主磁石3の吸着側面34
が薄型被吸着体4の表面との間で上下方向に滑り(スラ
イド)が生じ、支持歯Sに対して本実施例の義歯が沈み
込んで負荷を歯肉Gに転嫁する。したがって、支持歯S
に繰り返し過大な負荷を与えてこれを劣化せしめること
がない。
【0057】その際、主磁石3および薄型被吸着体4
は、義歯本体11の支持歯Sに隣接する側面から鉤腕1
4の内周面にかけて形成された窪み10の底面に固着保
持されており、外見に表れることがないので、美容上好
ましい。なお、主磁石3および被吸着体4に関しては、
実施例1同様、変形対向集積型磁気アタッチメント3B
〜3Eのうちからも、適切に選ぶことができる。
【0058】また、薄型被吸着体4に代わって薄型磁石
4’を、主磁石3にかわって主被吸着体3’を用いて、
維持装置2を構成することもできる。その際、薄型磁石
4’は、前述の各種磁気アタッチメント3A〜3Eのう
ちいずれかで構成することができる。主被吸着体3’
も、前述の軟磁性合金の薄板か、薄型磁石4’に対応す
る上記各種磁気アタッチメントで形成されうる。
【0059】(実施例2の作用効果)本実施例の義歯
は、義歯前端および後端の二つの維持装置2によってそ
れぞれ隣接する支持歯Sに支持され、歯列T中の所定の
位置を保っている。すなわち、実施例1同様に、主磁石
3および被吸着体4は、それぞれ義歯本体11、鉤腕1
4および支持歯Sの曲面にフィットして形成されてい
る。その結果、主磁石3は、それぞれ、その吸着側面3
4で両隣の支持歯Sの被吸着体4の表面にスライド可能
に磁気吸着している。
【0060】それゆえ、本実施例の義歯は、左右連結部
なしでも歯列T中に安定して支持され、歯列Tから不用
意に脱落することはない。また、過大な噛合力が人工歯
1’にかかった場合にも、実施例1同様にスライドす
る。その結果、負荷を支持歯Sに掛けることがないの
で、支持歯Sを傷める心配がない。以上の作用に加え、
本実施例の義歯は、実施例1同様の効果を有する。さら
に、旧来のクラスプ&レストからなる維持装置をもつ義
歯に比較して、鋭い突起がなく、万一の誤飲時にもより
安全であるという効果もある。
【0061】(実施例2の変形態様)本実施例の義歯本
体11の数は2個であるが、義歯本体11,11’の数
が1本または3本以上で構成される義歯としてもよい。
義歯本体11が1本のみの場合には、その変形態様の義
歯は、一本の義歯本体11の両脇に互いに背向する二組
の維持装置2をもつ。
【0062】また、本実施例または変形態様の義歯が二
つ、歯列Tの左右両側に設けられ、左右連結部で連結さ
れた構成の部分床義歯として本発明の義歯を実施するこ
とも可能である。なお、前述の各実施例および各変形態
様の義歯において、必ずしもスライド可能に維持装置2
は構成されていなくても良い。したがって、例えば、支
持歯Sに対し本発明の義歯が沈み込まないよう、維持装
置2の一部として摺動を規制する突起等の部材を設けて
もよい。
【0063】〔実施例3〕 (実施例3の構成)本発明の実施例3としての義歯は、
図13(上顎歯列Tの下面図)に示すように、連結子1
3を有する部分床義歯である。すなわち、本実施例の義
歯は、二本の義歯本体11”と義歯床12’とからなる
人工歯1’と、支持歯S1〜S4に固定されて人工歯
1’を口腔内の所定位置に保持する維持装置2’とから
構成されている。ここで義歯床12’は、金属床とこれ
を覆って歯肉に当接するレジン床とからなる。
【0064】維持装置2’は、大きく分けて、左側(図
中右側)の維持本体部20と、反対側の右側(図中左
側)の維持本体部20’,20”と、上顎の壁面に沿い
口腔内を横断して両者を連結する連結子13とを有す
る。維持本体部20は、鉤腕16,17からなる構造部
材であり、維持本体部20’,20”は、それぞれ鉤腕
15,15’からなる構造部材である。先ず、鉤腕1
5,15’は、図14に示すように、それぞれ、右(図
中左側)の支持歯S1,S2の内側面に沿って当接し、
連結子13を介して反対側の人工歯1’を安定させる作
用をもつ。支持歯S1,S2の内側面に対面する鉤腕1
5,15’の内周面には、それぞれ窪み(図示せず)が
形成されて、その中に摺動係合部材としての薄型磁石3
が格納されている。薄型磁石3は、その吸着側面をもっ
て、支持歯S1,S2の内側面に固定された相手部材と
しての被吸着体(図示せず)に当接しており、両者は互
いに磁気吸引力により着脱自在に固定保持されている。
ただし、鉤腕15,15’には噛合力が作用しないの
で、支持歯S1,S2に対してスライド可能に保持され
ている必要はない。したがって、薄型磁石3と被吸着体
とが磁気吸引力により互いに吸着接合するとともに、支
持歯S1,S2側に固定された係合部材(図示せず)と
鉤腕15,15’とが係合して、互いにスライドするこ
となく固定されている。
【0065】ここで、薄型磁石3は、前述の対向集積型
磁気アタッチメント3A、または変形対向集積型磁気ア
タッチメント3B〜3Eで構成されている。いずれも、
厚みが十分に薄いので可撓性をもち、支持歯S1,S2
内側面に固着している被吸着体4(図示せず)の曲面に
沿った形状に曲げ加工されている。支持歯S1,S2内
側面の被吸着体4および薄型磁石3は、鉤腕15,1
5’の上記窪みに収容され、外観に表れることが無いば
かりでなく、食物などにより汚染されたりすることも少
ない。
【0066】なお、前述のように、支持歯S1,S2と
鉤腕15,15’との間では、スライド可能である必要
は無い。したがって、被吸着体4および薄型磁石3の両
者を対向集積型磁気アタッチメント3Aまたは変形対向
集積型磁気アタッチメント3B〜3Eで形成する場合に
も、両者(被吸着体4および薄型磁石3)の極性と集積
方向がマッチしていれば、両者は任意の集積方向を取り
うる。さらに、被吸着体4および薄型磁石3の一方は、
変形対向集積型磁気アタッチメント3Cで構成され、そ
の他方は、変形対向集積型磁気アタッチメント3Dで構
成される組み合わせも可能である。
【0067】次に、維持本体部20’,20”の鉤腕1
6,17は、図15に示すように、それぞれ左(図13
中右側)奥歯である支持歯S3,S4の内側面に沿って
当接するとともに、互いに連結された二本の義歯本体1
1”に固定されている。そして、鉤腕16,17は、薄
型磁石3および被吸着体4(後述)により、支持歯S
3,S4に対して吸着保持されている。
【0068】すなわち、支持歯S3,S4の内側面に対
面する鉤腕16,17の内周面には、それぞれ窪み10
(後述)が形成されて、その中に摺動係合部材としての
薄型磁石3が格納されている。薄型磁石3は、その吸着
側面34をもって、支持歯S3,S4の内側面に固定さ
れた相手部材としての被吸着体4(後述)に当接してお
り、両者は互いに磁気吸引力により着脱自在に固定保持
されている。
【0069】ここで、薄型磁石3は前述の鉤腕15,1
5’に固定されたものと同一であり、被吸着体4は軟磁
性合金の薄板である。なお、薄型磁石3および被吸着体
4の両者を、磁極性の互いに反転した対向集積型磁気ア
タッチメント3Aまたは変形対向集積型磁気アタッチメ
ント3B,3Eで形成することも可能である。さらに、
磁気アタッチメント3A,3Eを使用の場合には、集積
方向が上下方向と直交する方向に設定されており、上下
方向にスライド可能になっている。
【0070】なお、連続する二本の義歯本体11”を歯
肉Gに当接して支持している義歯床12’は、連結子1
3および鉤腕16,17と連続して形成されており、両
鉤腕16,17を互いに連結する構造部材としても機能
している。義歯床12’の内部には、連結子13および
鉤腕16,17の間に掛かって互いの連結を補強する金
属床12’aが埋設されている。金属床12’aによっ
て義歯床12’はより強固に補強されている。
【0071】さて、支持歯S3と鉤腕16(維持本体部
20’の一部)とは、図16(義歯床12’は図略)に
示すように、鉤腕16と、同鉤腕内周面に形成された窪
み10に収容された薄型磁石3および被吸着体4とが互
いに吸着して、保持されている。鉤腕16は、支持歯S
3の側面に沿って湾曲した外形が滑らかな略板状の保持
部材であり、義歯本体11”に接合固定されるととも
に、金属床12’に連続している。
【0072】薄型磁石3は、鉤腕16内周面の窪み10
の底面に固定されており、その吸着側面34は、上下方
向に平行に形成されている。一方、被吸着体4は、支持
歯S3の二側面に固着しており、その表面は、薄型磁石
3の吸着側面34に当接する。薄型磁石3および被吸着
体4は、鉤腕16内周面に形成された窪み10に収容さ
れており、窪み10の周縁は支持歯S3および義歯本体
11”に近接して閉じている。それゆえ、薄型磁石3お
よび被吸着体4は、外観に表れることがなく、また、食
物などの浸入により汚染されることもない。
【0073】図略とするが、支持歯S4および鉤腕17
(維持本体部20”の一部)も、前述の支持歯S3およ
び鉤腕16と同様に構成されている。 (実施例3の作用効果)したがって、義歯本体11”に
噛合力が掛かって歯肉Gに沈みこんだ場合にも、薄型磁
石3と被吸着体4との間で上下方向に摺動(スライド)
するので、支持歯S3,S4に過大な負担を強いたりこ
れを傾けたるすることはない。それゆえ、本実施例の義
歯によれば、複数本の義歯義歯本体11”をもつ部分床
義歯の人工歯1’の場合にも、支持歯S3,S4を傷め
ることがない。
【0074】そればかりではなく、支持歯S1〜S4に
溝を彫るなどの施工がなく、被吸着体4を接合するだけ
の簡単な施工で済むので、支持歯S1〜S4を傷めるこ
とが少ないばかりか、施工費も施工機関も圧縮すること
ができる。また、本実施例の義歯によれば、薄型磁石3
を使用するので、高価な磁性材料の使用量が少なく、安
価に軽量な義歯を提供することができるという効果もあ
る。
【0075】(実施例3の変形態様)本実施例の義歯を
構成する薄型磁石3および被吸着体4は、前述のように
各種の対向集積型磁気アタッチメント、変形対向集積型
磁気アタッチメントおよび軟磁性合金の薄板の中から、
適正な組み合わせで選定することが可能である。あるい
は、支持歯S1〜S4の側面に薄型磁石4を固定し、各
鉤腕15〜17に被吸着体4が固定された構成を実施す
ることも可能である。
【0076】また、最も奥の奥歯に本実施例の義歯を適
用する際には、片側の支持歯S4(図15参照)がなく
ても連結子13により、本発明の義歯を安定に保持する
ことが可能である。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の義歯は、
噛合力による繰り返し回転力を低減し、支持歯を傷めな
くなるという効果がある。また、外観に表れる維持装置
部分が少なく、表れる部分の歯列や歯肉に対する外観上
の違和感も少ないので、審美性に優れ美容が損なわれな
いという効果がある。
【0078】さらに、クラスプやレストなどを使用した
従来の義歯と異なり、鋭利な突起が無いので誤飲時の安
全性が高く、同様の理由で洗浄・掃除などのメンテナン
スも容易になるという効果もある。あわせて、義歯を入
れる施工時に、支持歯(有髄歯が多い)を削る量が少な
くて済むので、施工時の支持歯の傷みも少なくなって、
歯科衛生上好ましいという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】
【図1】 実施例1の義歯の構成を示す斜視図
【図2】 実施例1の義歯の要部の構成を示す部分水平
断面図
【図3】 実施例1の義歯の薄型磁石の構成を示す部分
斜視図
【図4】 実施例1の義歯の薄型磁石の作用を示す部分
斜視図
【図5】 変形態様1の義歯の薄型磁石の構成を示す部
分斜視図
【図6】 変形態様2の薄型磁石の構成を示す部分斜視
【図7】 図6のVII−VII断面を示す断面図
【図8】 変形態様3の薄型磁石の構成を示す部分斜視
【図9】 図8のIX−IX断面を示す断面図
【図10】変形態様4の薄型磁石の構成を示す部分斜視
【図11】永久磁石の耐食構造の一例を示す部分断面図
【図12】実施例2の義歯の構成を示す部分水平断面図
【図13】実施例3の義歯の構成を示す平面図
【図14】図13中のA矢視である内側面図
【図15】図13中のB矢視である内側面図
【図16】図15中のC矢視である部分断面平面図
【符号の説明】
1,1’:人工歯 10:窪み 11,11’,11”:義歯本体(維持本体部含まず) 12,12’:義歯床 13:連結子 14〜17:鉤腕(維持本体部の一
部) 2:維持装置 20,20’,20”:維持本体部 3:主磁石 31:永久磁石 32:ヨーク 3
4:吸着側面 35,35’,39:第1磁性部材(永久磁石) 36,36’,38:第2磁性部材(軟磁性体) 35”:第1磁性部材(軟磁性体) 36”:第2磁性部材(永久磁石) 37:背向側部
材(軟磁性体) 3A:対向集積型磁気アタッチメント(薄型磁石) 3B,3C,3D,3E:変形対向集積型磁気アタッチ
メント(薄型磁石) 4:薄型被吸着体(軟磁性合金板) 4’,4”:被
吸着体(薄型磁石) S:支持歯 G:歯茎(歯肉) T:歯列

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 義歯本体と、歯肉に当接して支持され該
    義歯本体を保持する義歯床とを有する人工歯と、 該人工歯と一体的に形成され、隣接する支持歯に固定さ
    れる維持装置とからなる義歯であって、 前記維持装置は、前記支持歯の側面に接合固定される薄
    型磁石または薄型被吸着体と、前記人工歯に一体的に形
    成され、該薄型磁石または該薄型被吸着体と互いに磁気
    的に吸着する主被吸着体または主磁石をもつ維持本体部
    とからなることを特徴とする義歯。
  2. 【請求項2】 前記薄型磁石および前記主磁石のうち少
    なくとも一方は厚みが0.8mm以下であり、前記薄型
    被吸着体および前記主被吸着体のうち少なくとも一方は
    厚みが0.4mm以下であって、 該薄型磁石と該主被吸着体との間および該主磁石と該薄
    型被吸着体との間のうちいずれかに、互いに対向する面
    の単位面積当たり20gf/mm2 以上の磁気吸引力が
    生じる請求項1記載の義歯。
  3. 【請求項3】 前記薄型磁石および前記主磁石のうち少
    なくとも一方は、 同一磁極が互いに対向するように配列された2個以上の
    永久磁石と、互いに隣接する該永久磁石の間に配置され
    たヨークとからなり、該永久磁石の配列方向と平行な一
    側面が吸着側面となることを特徴とする対向集積型磁気
    アタッチメントである、請求項1または請求項2に記載
    の義歯。
  4. 【請求項4】 前記薄型磁石および前記主磁石のうち少
    なくとも一方は、 一面が吸着側面となる板状の磁気アタッチメントであっ
    て、 永久磁石および軟磁性体のいずれか一方で形成され、一
    端面が該吸着側面を形成し互いに間隔を隔てて配置され
    た複数の第1磁性部材と、 該永久磁石および該軟磁性体のいずれか他方で形成さ
    れ、該第1磁性部材の該一端面と交差する側面を覆い該
    第1磁性部材とで板状となる第2磁性部材と、 該第1磁性部材および該第2磁性部材の該吸着側面と背
    向する他端を覆い該吸着側面と背向する軟磁性体で形成
    された背向側部材とからなり、 かつ該永久磁石で形成された該第1磁性部材または該第
    2磁性部材は、該吸着側面側の該一端面が全てN極また
    はS極の一方の同一極となり、該一端面と背向する他端
    面が全てN極またはS極の他方の同一極となっているこ
    とを特徴とする変形対向集積型磁気アタッチメントであ
    る、請求項1または請求項2に記載の義歯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200104689A (ko) * 2019-02-27 2020-09-04 이병우 마그넷 플렉시블 덴쳐 제조방법

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