JP2021093491A - スペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】表面が2次曲面である被吸着物に対して磁石をより安定して吸着させるスペーサを提供する。【解決手段】磁石2が固定された被取付物1と、磁石2の磁力を用いて被取付物1が取り付けられる被吸着物4と、の間に挟持されるスペーサ3であって、被吸着物4と接する側の縁部に、被吸着物4に向かって突出する複数の突起部36a〜36dを備え、複数の突起部36a〜36dのうち隣り合う突起部同士の間にそれぞれ凹形状が33a〜33d形成されており、凹形状33a〜33dのそれぞれが、所定範囲内の曲率の円に当接可能である、スペーサ。【選択図】図6

Description

本発明は、スペーサに関する。
センサ等の製品を既存設備の表面に取り付ける方法として、磁石を使用する方法が知られている。既存設備の表面が平面である場合、製品は、吸着面が平面である汎用の磁石を用いて、既存設備の表面に安定して取り付けられる。近年、表面が曲面である既存設備に製品を取り付ける需要が高まっている。既存設備の表面が曲面である場合、汎用の磁石を用いると、磁石の吸着面と既存設備の表面との間にガタツキが生じるため、製品を既存設備の表面に安定して取り付けることができない。表面が曲面である既存設備に磁石を用いて製品を安定して取り付ける方法として、例えば、既存設備の表面を削って平面にする、及び既存設備の表面に対応する形状の磁石を使用する、等の方法が考えられる。
他の方法として、特許文献1には、一対のヨークの吸着面に先端側に向かうにしたがって互いの距離が大きくなる拡幅吸着部を形成し、当該一対のヨークを磁化して被吸着物を当該吸着面に吸着する技術が開示されている。
特開2014−152558号公報
発明者は、スペーサに関し、以下の課題を見出した。
特許文献1に開示されている技術では、一対のヨークをスペーサとしても機能させている。特許文献1に開示されている技術では、一対のヨークに拡幅吸着部が形成されているため、被吸着物の表面が1次曲面である場合、拡幅吸着部が、被吸着物に安定して吸着することができる。しかしながら、被吸着物の表面が2次曲面である場合、拡幅吸着部は、被吸着物の表面に対してガタツキを生じてしまい、安定して吸着することができない虞がある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、表面が2次曲面である被吸着物に対して磁石をより安定して吸着させるスペーサを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るスペーサは、
磁石が固定された被取付物と、前記磁石の磁力を用いて前記被取付物が取り付けられる被吸着物と、の間に挟持されるスペーサであって、
前記被吸着物と接する側の縁部に、前記被吸着物に向かって突出する複数の突起部を備え、
前記複数の突起部のうち隣り合う突起部同士の間にそれぞれ凹形状が形成されており、
前記凹形状のそれぞれが、所定範囲内の曲率の円に当接可能である。
本発明によれば、表面が2次曲面である被吸着物に対して磁石をより安定して吸着させるスペーサを提供することができる。
第1の実施形態に係る取付具の分解斜視図である。 第1の実施形態に係る取付具の側面図である。 第1の実施形態に係る取付具の側面図である。 第1の実施形態に係る取付具の側面図である。 第1の実施形態に係る取付具の断面図である。 第1の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 第1の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。 軸受に設置された、第1の実施形態に係る取付具の斜視図である。 第2の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(第1の実施形態)
まず、図1〜7を参照して、本発明の第1の実施形態に係るスペーサの構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るスペーサを備える取付具(第1の実施形態に係る取付具)の分解斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る取付具の側面図である。図3は、第1の実施形態に係る取付具の側面図である。図4は、第1の実施形態に係る取付具の側面図である。図5は、第1の実施形態に係る取付具の断面図である。図6は、第1の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図である。
なお、当然のことながら、図1及びその他の図面に示した右手系XYZ直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、Z軸正方向が鉛直上向き、XY平面が水平面であり、図面間で共通である。
取付具10は、磁石2の磁力を用いて被取付物1を被吸着物4に取り付ける器具である。取付具10は、図1に示すように、磁石2、及びスペーサ3を備える。取付具10は、図1に示した構成に加えて、図5に示す固定部材5をさらに備える。なお、図1〜5には、取付具10に加えて、被取付物1及び被吸着物4を図示している。
被取付物1は、センサ等の機器である。被取付物1の下面には、磁石2が固定されている。磁石2は、強磁性体を吸着可能である。磁石2の下面は、吸着面である。磁石2の形状は特に限定されず、例えば図2に示すように円柱形状である。磁石2は、固定部材5を用いて被取付物1に固定される。図5に示す例では、固定部材5は、ねじである。なお、固定部材5は、磁石2を被取付物1に固定可能であれば特に限定されず、例えばくぎであってもよい。
磁石2は、被吸着物4を吸着する。磁石2として、汎用の磁石を使用可能である。被吸着物4は、鉄等の強磁性体を含む部材である。被吸着物4は、磁石2の磁力によって吸着される。被吸着物4の表面は、例えば、2次曲面であってもよい。2次曲面は、直交する2方向にそれぞれ曲率を有する面である。図1に示す例では、被吸着物4の上面は、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ異なる曲率を有し、Z軸正方向に向かって凸な2次曲面である。被吸着物4は、例えば、回転体を備える設備であり、具体的には、軸受、モータ、ポンプ、及びファン等である。
磁石2を用いて被吸着物4を吸着する際には、図1等に示すように、磁石2と被吸着物4との間にスペーサ3を挟持する。図6に示すように、スペーサ3は、4つの突起部36a〜36d、及び4つの凹形状33a〜33dを備える。4つの突起部36a〜36dは、図6に示すように、スペーサ3の被吸着物4と接する側の縁部に設けられている。4つの突起部36a〜36dは、図2及び図3等に示すように、被吸着物4に向かって突出している。
4つの突起部36a〜36dのうち隣り合う突起部同士の間には、それぞれ凹形状が形成されている。具体的には、図2に示すように、突起部36a、36bの間に凹形状33aが形成されている。図6に示すように、突起部36b、36cの間に凹形状33bが形成されている。図3に示すように、突起部36c、36dの間に凹形状33cが形成されている。図4に示すように、突起部36d、36aの間に凹形状33dが形成されている。
取付具10を用いて被取付物1を被吸着物4に取り付ける際には、まず、固定部材5を用いて被取付物1に磁石2を固定する。次に、スペーサ3を被吸着物4の表面の所望の位置に配置する。続いて、スペーサ3の上側に被取付物1に固定された磁石2を配置する。磁石2は、スペーサ3の上側に配置されると、被吸着物4を吸着することによって被取付物1を被吸着物4の表面に取り付ける。このように、取付具10は、被吸着物4の表面に切削等の加工を行うことなく被取付物1を取り付けることができる。
スペーサ3は、4つの突起部36a、36b、36c、36d及び4つの凹形状33a、33b、33c、33dを備えているため、図1に示すように表面が2次曲面である被吸着物4に配置される際に、ガタツキが生じにくい。したがって、磁石2は、スペーサ3の上側に配置されると、被吸着物4の表面に直接配置される場合に比較して、安定して被吸着物4を吸着することができる。
スペーサ3は、被吸着物4が磁石2に吸着される際に、被取付物1と被吸着物4との間に挟まれて固定される。したがって、非磁性材料を用いてスペーサ3を構成可能である。また、スペーサ3を被吸着物4に固定する固定手段を別途に設ける必要がない。このように、スペーサ3を挟み込むことによって、汎用の磁石を用いて被取付物1を被吸着物4に容易かつ安価に取り付けることができる。
図6に示すように、スペーサ3は、さらに、4つの平面部37a〜37dを備えていてもよい。図6に示すように、平面部37a〜37dは、突起部36a〜36dからスペーサ3の中央部に向かって突出するように形成されている。磁石2は、被吸着物4を吸着する際に、図5に示すように、4つの平面部37a〜37bを挟み込む。
4つの平面部37a〜37dは、磁石2の下面と接する。4つの平面部37a〜37dは、図7に示すように、それぞれの上面が同一平面上となるように形成されている。磁石2として使用される汎用の磁石は、通常、図5に示すように吸着面が平面である。したがって、4つの平面部37a〜37dが設けられている場合、磁石2は、スペーサ3の上面により安定して配置され、被吸着物4をより安定して吸着することができる。
図7に示すように、スペーサ3は、さらに、磁石保持部35を備えていてもよい。磁石保持部35は、スペーサ3に対する磁石2のずれを抑制する。磁石保持部35は、スペーサ3の上側縁部に磁石2を囲うように形成されている。具体的には、磁石保持部35は、例えば図7に示すように、スペーサ3の上側縁部に設けられた壁である。磁石保持部35は、スペーサ3に対する磁石2のずれを抑制可能であればどのような形状であってもよく、例えば複数の爪等であってもよい。
磁石保持部35は、磁石2と被吸着物4とによってスペーサ3が挟持されているときに、スペーサ3の上面に平行な方向に磁石2が動くことを抑制する。したがって、磁石保持部35が設けられている場合、スペーサ3と磁石2とがずれにくく、磁石2は、被吸着物4をより安定して吸着することができる。
次に、図8を参照して、4つの凹形状33a〜33dについてさらに説明する。図8は、第1の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。円100a〜100cは、凹形状33aが当接可能な円である。円100d〜100fは、凹形状33bが当接可能な円である。
円100a、100b、100cは、この順に半径が大きな円である。ここで、円100a、100b、100cの半径をr、r、rとすると、円100a、100b、100cの曲率は、1/r、1/r、1/rである。凹形状33aは、図8に示すように、半径がr以上r以下の円と2点以上で接する。換言すると、凹形状33aは、曲率が1/r以上1/r以下の円に当接可能である。すなわち、凹形状33aは、曲率が1/r以上1/r以下の曲面に当接可能である。
円100d、100e、100fは、この順に半径が大きな円である。ここで、円100d、100e、100fの半径をr、r、rとすると、円100d、100e、100fの曲率は、1/r、1/r、1/rである。凹形状33bは、図8に示すように、半径がr以上r以下の円と2点以上で接する。換言すると、凹形状33bは、曲率が1/r以上1/r以下の円に当接可能である。すなわち、凹形状33bは、曲率が1/r以上1/r以下の曲面に当接可能である。
4つの凹形状33a〜33dのうち向かい合う凹形状同士は、同じ形状であってもよい。具体的には、凹形状33aと凹形状33cとが同じ形状であり、凹形状33bと凹形状33dとが同じ形状であってもよい。4つの凹形状33a〜33dのうち向かい合う凹形状同士が同じ形状である場合、被吸着物4のスペーサ3が配置される点における接平面に対して、上面が平行になるようにスペーサ3を配置することができる。
図2〜4に示すように、4つの凹形状33a〜33dのうち向かい合う2つの凹形状33b、33dが、他の2つの凹形状33a、33cよりも、大きな曲率の円に当接可能であってもよい。このような構成によって、被吸着物4の表面が、直交する2方向で異なる曲率を有する2次曲面である場合に、スペーサ3は、全ての凹形状が同じ曲率範囲の円に当接可能なスペーサに比較して、より安定して被吸着物4の表面に配置されることができる。
次に、図9を参照して、スペーサ3を配置する具体的な例を説明する。図9は、軸受6に設置された、第1の実施形態に係る取付具の斜視図である。軸受6は、図示しない軸を支持すると共に当該軸を滑らかに回転させる部材である。軸受6の上面61は、方向62、63に曲率を有する2次曲面である。センサ8は、加速度センサであり、軸受6の振動、傾き等をセンシングする。図9に示すように、軸受6の上面にセンサ8を取り付ける際に、スペーサ3を挟み込むことによってガタツキの発生を抑制し、より安定してセンサ8を取り付けることができる。したがって、センサ8は、スペーサ3を挟み込まずに軸受6に取り付けられた場合に比較して、安定したセンシングを行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係るスペーサの構成を説明する。図10は、第2の実施形態に係るスペーサの下面図及び側面図である。スペーサ32は、3つの突起部36a〜36c及び3つの凹形状33a〜33cを備える点で第1の実施形態において説明したスペーサ3と異なる。その他の構成については第1の実施形態において説明したものと同様であるため、重複した説明は適宜省略する。
3つの凹形状33a〜33cは、図10に示すように同じ形状であってもよい。すなわち、3つの凹形状33a〜33cは、同じ範囲内の曲率の円に当接可能であってもよい。3つの凹形状33a〜33cが同じ形状である場合、スペーサ32は、例えば直交する2方向に同じ又は近い曲率を有する2次曲面に配置される場合に、ガタツキを生じにくい。さらに、スペーサ32は、第1の実施形態において説明した効果と同様の効果を奏することができる。
以上で説明した本実施の形態に係る発明により、表面が2次曲面である被吸着物に対して磁石をより安定して吸着させるスペーサを提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 取付具
1 被取付物
2 磁石
3、32 スペーサ
33a〜33d 凹形状
36a〜36d 突起部
37a〜37d 平面部
35 磁石保持部
4 被吸着物
5 固定部材
6 軸受
61 上面
8 センサ

Claims (6)

  1. 磁石が固定された被取付物と、前記磁石の磁力を用いて前記被取付物が取り付けられる被吸着物と、の間に挟持されるスペーサであって、
    前記被吸着物と接する側の縁部に、前記被吸着物に向かって突出する複数の突起部を備え、
    前記複数の突起部のうち隣り合う突起部同士の間にそれぞれ凹形状が形成されており、
    前記凹形状のそれぞれが、所定範囲内の曲率の円に当接可能である、
    スペーサ。
  2. 前記磁石と接する部分に形成された平面部をさらに備える、請求項1に記載のスペーサ。
  3. 前記磁石を囲うように縁部に形成された磁石保持部をさらに備える、請求項1又は2に記載のスペーサ。
  4. 前記スペーサが4つの突起部を有し、前記4つの突起部のうち隣り合う突起部同士の間に4つの凹形状が形成されており、前記4つの凹形状のうち向かい合う2つの凹形状が同じ形状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスペーサ。
  5. 前記4つの凹形状のうち、向かい合う2つの凹形状が、他の2つの凹形状よりも、大きな範囲内の曲率の円に当接可能である、請求項4に記載のスペーサ。
  6. 前記スペーサが3つの突起を有し、前記3つの突起部同士の間に3つの凹形状が形成されており、前記3つの凹形状が全て同じ形状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスペーサ。
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