JP2000024004A - 無歯顎に固定されるインプラント - Google Patents
無歯顎に固定されるインプラントInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インプラント本体に対する回転または横ずれ
が生じないようにキーパを固定して，かつキーパ自身は
変形しないよう強度を向上させて安定した義歯の維持固
定を提供する． 【解決手段】フィクスチャー１，アバットメント２及び
フィクスチャー１にアバットメント２をとめるためのア
バットメントスクリュー３から構成されるインプラント
１０に対して，磁石構造体を吸引し，かつ磁石構造体を
吸引するためのキーパ本体１１とアバットメントスクリ
ュー３に連結するためのネジ１２とから構成され，アバ
ットメント２と前記キーパ本体１１との連結部には，多
角形の凹凸２０１、１１１によるはめ合いを設けた義歯
アタッチメント用のキーパを提供する．またキーパ本体
１１及びネジ１２は，変形を低減するため冷間加工して
強度を向上した．
が生じないようにキーパを固定して，かつキーパ自身は
変形しないよう強度を向上させて安定した義歯の維持固
定を提供する． 【解決手段】フィクスチャー１，アバットメント２及び
フィクスチャー１にアバットメント２をとめるためのア
バットメントスクリュー３から構成されるインプラント
１０に対して，磁石構造体を吸引し，かつ磁石構造体を
吸引するためのキーパ本体１１とアバットメントスクリ
ュー３に連結するためのネジ１２とから構成され，アバ
ットメント２と前記キーパ本体１１との連結部には，多
角形の凹凸２０１、１１１によるはめ合いを設けた義歯
アタッチメント用のキーパを提供する．またキーパ本体
１１及びネジ１２は，変形を低減するため冷間加工して
強度を向上した．
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は，磁石を利用した義
歯アタッチメントを無歯顎に固定されるインプラントに
関する。
歯アタッチメントを無歯顎に固定されるインプラントに
関する。
【０００２】
【従来の技術】インプラントに義歯を固定するにあた
り，永久磁石と軟磁性合金との間に働く吸引力を利用し
ようとする試みはすでに種々行われている。例えば，特
開６−２９６６２５号公報で公開されている磁気式義歯
維持装置は，図２に示したごとく，フィクチャー１にア
バットメント２を磁性ステンレス合金からなる頭つきネ
ジ形状であるキーパネジ５で固定し，これに義歯に埋入
された磁石構造体を磁気吸引力で維持固定させるもので
ある。ここでフィクチャー１とアバットメント２をあわ
せて、インプラント本体１０という。
り，永久磁石と軟磁性合金との間に働く吸引力を利用し
ようとする試みはすでに種々行われている。例えば，特
開６−２９６６２５号公報で公開されている磁気式義歯
維持装置は，図２に示したごとく，フィクチャー１にア
バットメント２を磁性ステンレス合金からなる頭つきネ
ジ形状であるキーパネジ５で固定し，これに義歯に埋入
された磁石構造体を磁気吸引力で維持固定させるもので
ある。ここでフィクチャー１とアバットメント２をあわ
せて、インプラント本体１０という。
【０００３】また特開７−１３６１９０号公報で公開さ
れている無歯顎に固定されるインプラントでは，図３に
示したごとく，無歯顎８に固定される非磁性材料で形成
されたフィクスチャー１に非磁性材料で形成されたアバ
ットメント２をアバットメントスクリュー３にて固定
し，このアバットメントスクリュー３に磁性材料のキー
パ本体１１を磁性材料のネジ１２で固定する。なお、キ
ーパ２０は、磁性材料のキーパ本体１１と磁性材料のネ
ジ１２とよりなる。これに磁石構造体を磁気吸引力で維
持固定させるものである。ここでフィクチャー１、アバ
ットメント２とアバットメントスクリュー３をあわせ
て、インプラント本体１０という。インプラント本体
は、キーパの下部に取り付けられる顎骨および歯肉内に
埋め込まれる部分をいい、１部品もしくは複数の部品で
構成されるものである。
れている無歯顎に固定されるインプラントでは，図３に
示したごとく，無歯顎８に固定される非磁性材料で形成
されたフィクスチャー１に非磁性材料で形成されたアバ
ットメント２をアバットメントスクリュー３にて固定
し，このアバットメントスクリュー３に磁性材料のキー
パ本体１１を磁性材料のネジ１２で固定する。なお、キ
ーパ２０は、磁性材料のキーパ本体１１と磁性材料のネ
ジ１２とよりなる。これに磁石構造体を磁気吸引力で維
持固定させるものである。ここでフィクチャー１、アバ
ットメント２とアバットメントスクリュー３をあわせ
て、インプラント本体１０という。インプラント本体
は、キーパの下部に取り付けられる顎骨および歯肉内に
埋め込まれる部分をいい、１部品もしくは複数の部品で
構成されるものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述したインプ
ラント用の義歯維持装置は，次のような問題点がある。
まず特開６−２９６６２５号公報の磁気式義歯維持装置
については，フィクスチャー１にアバットメント２をネ
ジ形状のキーパネジ５により固定する構造のためアバッ
トメント２とキーパネジ５との間に隙間ができやすい。
これはこの隙間がキーパネジの加工精度に大きく依存す
ると考えられるためである。この隙間は口腔内に露出さ
れるため腐食や，食べ滓がつまって不衛生状態を招く危
険がある。また通常のインプラント本体においては、フ
ィクスチャー１にアバットメント２をアバットメントス
クリューにてネジ止めする際に約３０Ｎという人の全体
重に相当する非常に大きな負荷がかかる。したがって、
通常、強度及び耐食性の面からこれらの部品は一般にTi
合金が用いられる。これは顎骨に埋め込まれるフィクチ
ャー１と歯肉内に埋め込まれるアバットメント２の連結
が緩んで隙間ができると致命的な欠陥となる危険がある
ためである。
ラント用の義歯維持装置は，次のような問題点がある。
まず特開６−２９６６２５号公報の磁気式義歯維持装置
については，フィクスチャー１にアバットメント２をネ
ジ形状のキーパネジ５により固定する構造のためアバッ
トメント２とキーパネジ５との間に隙間ができやすい。
これはこの隙間がキーパネジの加工精度に大きく依存す
ると考えられるためである。この隙間は口腔内に露出さ
れるため腐食や，食べ滓がつまって不衛生状態を招く危
険がある。また通常のインプラント本体においては、フ
ィクスチャー１にアバットメント２をアバットメントス
クリューにてネジ止めする際に約３０Ｎという人の全体
重に相当する非常に大きな負荷がかかる。したがって、
通常、強度及び耐食性の面からこれらの部品は一般にTi
合金が用いられる。これは顎骨に埋め込まれるフィクチ
ャー１と歯肉内に埋め込まれるアバットメント２の連結
が緩んで隙間ができると致命的な欠陥となる危険がある
ためである。
【０００５】ところがアバットメントスクリュー３の代
わりとなるキーパネジ５として磁性ステンレス合金を用
いると，強度面からこのネジ止めの負荷には耐えられ
ず，ネジの緩みを招く危険性がある。さらにこのキーパ
ネジ５にはアバットメント２あるいはフィクスチャー１
との連結部に回転を防止する機構はないため義歯からの
負荷によりキーパネジ５にわずかに回転を生じて緩む恐
れがあり，義歯の維持固定が不安定となることがある。
わりとなるキーパネジ５として磁性ステンレス合金を用
いると，強度面からこのネジ止めの負荷には耐えられ
ず，ネジの緩みを招く危険性がある。さらにこのキーパ
ネジ５にはアバットメント２あるいはフィクスチャー１
との連結部に回転を防止する機構はないため義歯からの
負荷によりキーパネジ５にわずかに回転を生じて緩む恐
れがあり，義歯の維持固定が不安定となることがある。
【０００６】一方特開７−１３６１９０号公報の無歯顎
に固定されるインプラントについては，アバットメント
スクリュー３にキーパ２０を取り付ける構造となってい
る。ここでは、キーパー部材を磁性材料のキーパ本体１
１を磁性材料のネジ１２の２部品に分けてアバットメン
トスクリュー３に固定する構造となっており，上記公報
の問題点のうちアバットメント２とキーパ２０との隙間
の問題が解決されている。しかしながらこのキーパ本体
１１にもアバットメントもしくはインプラント本体との
連結部に回転または横ずれを防止する機構はなく，義歯
からの負荷によりキーパ本体１１がわずかに回転または
横ずれを生じる恐れがある。これに連動してキーパ本体
１１を固定するためのネジ１２が緩み，義歯の維持固定
が不安定となる。またこれらのキーパ本体１１及びネジ
１２は，通常Ｔｉ製のアバットメント若しくはインプラ
ント本体等又はＴｉ合金製のアバットメント若しくはイ
ンプラント本体等と接触するため，１３０００Ｇ以上の
飽和磁束密度及び３０００以上の透磁率を有するクロム
モリブデン合金等の磁性材料では強度が不足し，キーパ
自身やネジ山等の変形を生じ，義歯の維持固定が安定し
なくなってしまう。
に固定されるインプラントについては，アバットメント
スクリュー３にキーパ２０を取り付ける構造となってい
る。ここでは、キーパー部材を磁性材料のキーパ本体１
１を磁性材料のネジ１２の２部品に分けてアバットメン
トスクリュー３に固定する構造となっており，上記公報
の問題点のうちアバットメント２とキーパ２０との隙間
の問題が解決されている。しかしながらこのキーパ本体
１１にもアバットメントもしくはインプラント本体との
連結部に回転または横ずれを防止する機構はなく，義歯
からの負荷によりキーパ本体１１がわずかに回転または
横ずれを生じる恐れがある。これに連動してキーパ本体
１１を固定するためのネジ１２が緩み，義歯の維持固定
が不安定となる。またこれらのキーパ本体１１及びネジ
１２は，通常Ｔｉ製のアバットメント若しくはインプラ
ント本体等又はＴｉ合金製のアバットメント若しくはイ
ンプラント本体等と接触するため，１３０００Ｇ以上の
飽和磁束密度及び３０００以上の透磁率を有するクロム
モリブデン合金等の磁性材料では強度が不足し，キーパ
自身やネジ山等の変形を生じ，義歯の維持固定が安定し
なくなってしまう。
【０００７】本発明は，これらの従来技術の問題点を解
決し，インプラント本体に対する回転または横ずれが生
じないようにキーパ本体を固定して，かつキーパ本体及
びネジ自身は変形しないよう強度を向上させて安定した
義歯の維持固定を提供することを目的とする。
決し，インプラント本体に対する回転または横ずれが生
じないようにキーパ本体を固定して，かつキーパ本体及
びネジ自身は変形しないよう強度を向上させて安定した
義歯の維持固定を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者等はキーパ本体
とアバットメント（すなわちインプラント本体）との連
結部を凹凸によるはめ合いにすることによりキーパの回
転及び横ずれを防止できることかつ冷間での加工により
材料強度を向上できることに思い至り，本発明を完成し
たのもである。すなわち、本発明は、インプラント本体
はその頂部より軸方向に伸びるネジ穴を有し、義歯に保
持された磁石と磁気回路を構成する磁性材料で形成され
たキーパは円盤状のキーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キ
ーパ本体を該インプラント本体の頂部に固定するネジと
からなる無歯顎に固定されるインプラントにおいて、前
記キーパ本体および前記インプラント本体のうち一方
は、他方と嵌合して該キーパ本体および該インプラント
本体との軸中心の回転移動および軸の平行移動（すなわ
ち横ずれ）を防止する凸部を有し、該キーパ本体および
該インプラント本体のうち他方は、該凸部に嵌合する凹
部を有することを特徴とするものである。さらに、前記
の発明において嵌合する凹凸部が多角形であることを特
徴とするものである。また、前記の発明において冷間加
工した磁性材料を用いたキーパ本体とネジ本体よりなる
キーパを有することを特徴とするものである。
とアバットメント（すなわちインプラント本体）との連
結部を凹凸によるはめ合いにすることによりキーパの回
転及び横ずれを防止できることかつ冷間での加工により
材料強度を向上できることに思い至り，本発明を完成し
たのもである。すなわち、本発明は、インプラント本体
はその頂部より軸方向に伸びるネジ穴を有し、義歯に保
持された磁石と磁気回路を構成する磁性材料で形成され
たキーパは円盤状のキーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キ
ーパ本体を該インプラント本体の頂部に固定するネジと
からなる無歯顎に固定されるインプラントにおいて、前
記キーパ本体および前記インプラント本体のうち一方
は、他方と嵌合して該キーパ本体および該インプラント
本体との軸中心の回転移動および軸の平行移動（すなわ
ち横ずれ）を防止する凸部を有し、該キーパ本体および
該インプラント本体のうち他方は、該凸部に嵌合する凹
部を有することを特徴とするものである。さらに、前記
の発明において嵌合する凹凸部が多角形であることを特
徴とするものである。また、前記の発明において冷間加
工した磁性材料を用いたキーパ本体とネジ本体よりなる
キーパを有することを特徴とするものである。
【０００９】また、前記発明において、インプラント本
体がアバットメントスクリューを有し、キーパ本体のイ
ンプラント本体対向面において該アバットメントスクリ
ューを非接触で収納する凹部を有するこを特徴とするも
のである。さらに、本発明は、インプラント本体はその
頂部より軸方向に伸びるネジ穴を有し、義歯に保持され
た磁石と磁気回路を構成する磁性材料で形成されたキー
パは円盤状のキーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キーパ本
体を該インプラント本体の頂部に固定するネジとからな
る無歯顎に固定されるインプラントに使用するキーパ本
体において、前記キーパ本体および前記インプラント本
体のうち一方は、他方と嵌合して該キーパ本体および該
インプラント本体との軸中心の回転移動および軸の平行
移動（すなわち横ずれ）を防止する凸部を有し、該キー
パ本体および該インプラント本体のうち他方は、該凸部
に嵌合する凹部を有することを特徴とするものである。
体がアバットメントスクリューを有し、キーパ本体のイ
ンプラント本体対向面において該アバットメントスクリ
ューを非接触で収納する凹部を有するこを特徴とするも
のである。さらに、本発明は、インプラント本体はその
頂部より軸方向に伸びるネジ穴を有し、義歯に保持され
た磁石と磁気回路を構成する磁性材料で形成されたキー
パは円盤状のキーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キーパ本
体を該インプラント本体の頂部に固定するネジとからな
る無歯顎に固定されるインプラントに使用するキーパ本
体において、前記キーパ本体および前記インプラント本
体のうち一方は、他方と嵌合して該キーパ本体および該
インプラント本体との軸中心の回転移動および軸の平行
移動（すなわち横ずれ）を防止する凸部を有し、該キー
パ本体および該インプラント本体のうち他方は、該凸部
に嵌合する凹部を有することを特徴とするものである。
【００１０】本発明の義歯アタッチメント用のキーパ本
体は，従来よりインプラントして使用されているフィク
チャー，アバットメント及びアバットメントスクリュ
ー、すなわち、インプラント本体に連結してそのまま利
用できるが、インプラント本体のキーパ本体接合面には
凹凸が付与されたものを用いる必要がある。なおフィク
スチャーとアバットメントの連結面には凹凸が付与され
たもの、好ましくは多角形のはめ合い等の回転防止機構
が付与されているもたものを用いることが好ましい。ま
た、キーパのネジを受ける、インプラント本体がアバッ
トメントスクリューを有する場合、キーパ本体のインプ
ラント本体対向面において該アバットメントスクリュー
を非接触で収納する凹部を有することが好ましい。非接
触で収納する凹部を有することにより、該アバットメン
トスクリューに回転力がかかる事を防止することができ
る。
体は，従来よりインプラントして使用されているフィク
チャー，アバットメント及びアバットメントスクリュ
ー、すなわち、インプラント本体に連結してそのまま利
用できるが、インプラント本体のキーパ本体接合面には
凹凸が付与されたものを用いる必要がある。なおフィク
スチャーとアバットメントの連結面には凹凸が付与され
たもの、好ましくは多角形のはめ合い等の回転防止機構
が付与されているもたものを用いることが好ましい。ま
た、キーパのネジを受ける、インプラント本体がアバッ
トメントスクリューを有する場合、キーパ本体のインプ
ラント本体対向面において該アバットメントスクリュー
を非接触で収納する凹部を有することが好ましい。非接
触で収納する凹部を有することにより、該アバットメン
トスクリューに回転力がかかる事を防止することができ
る。
【００１１】また、アバットメントスクリューの多角形
の凸部とインプラント本体の凹若しくは凸部を同時に嵌
め合わせることは難しいためである。すなわち、両者の
締めつけ方、部品の寸法精度により両者の相対的位置関
係が異なるためである。本発明のキーパ本体をインプラ
ント本体に固定するためのネジは，義歯内に埋入された
磁石構造体とともに磁気回路を形成し，磁力で義歯をキ
ーパに固定するため部材である。これらの材料は磁性材
料で形成されている。かかる材料には，従来より磁力を
利用する磁性アタッチメントのキーパとして用いられて
いる歯科用の耐食性磁性材料を使用できる。具体的に
は，クロムモリブデン合金や，１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．
２Ｔｉ，１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ等の軟磁性ステ
ンレス鋼等を用いることが好ましい．但し，これらのキ
ーパ本体とネジに用いる磁性材料は，冷間にて圧延また
は鍛造等の加工を施して強度を向上させたものを用い
る．
の凸部とインプラント本体の凹若しくは凸部を同時に嵌
め合わせることは難しいためである。すなわち、両者の
締めつけ方、部品の寸法精度により両者の相対的位置関
係が異なるためである。本発明のキーパ本体をインプラ
ント本体に固定するためのネジは，義歯内に埋入された
磁石構造体とともに磁気回路を形成し，磁力で義歯をキ
ーパに固定するため部材である。これらの材料は磁性材
料で形成されている。かかる材料には，従来より磁力を
利用する磁性アタッチメントのキーパとして用いられて
いる歯科用の耐食性磁性材料を使用できる。具体的に
は，クロムモリブデン合金や，１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．
２Ｔｉ，１７Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ等の軟磁性ステ
ンレス鋼等を用いることが好ましい．但し，これらのキ
ーパ本体とネジに用いる磁性材料は，冷間にて圧延また
は鍛造等の加工を施して強度を向上させたものを用い
る．
【００１２】アバットメント等のインプラント本体に固
定するためのキーパ本体は，インプラント本体の形状に
合わせて円盤形状であることが好ましい．キーパ本体と
インプラント本体（アバットメント等）との連結部の形
状としては，六角形，八角形等の多角形が好ましく，キ
ーパ本体側は凸部でも凹部でもよい．キーパ本体を固定
するためのネジは，頭つきネジ形状であり，その頭には
ネジを回すためのマイナスあるいはプラス溝が付与され
ていることが望ましい．
定するためのキーパ本体は，インプラント本体の形状に
合わせて円盤形状であることが好ましい．キーパ本体と
インプラント本体（アバットメント等）との連結部の形
状としては，六角形，八角形等の多角形が好ましく，キ
ーパ本体側は凸部でも凹部でもよい．キーパ本体を固定
するためのネジは，頭つきネジ形状であり，その頭には
ネジを回すためのマイナスあるいはプラス溝が付与され
ていることが望ましい．
【００１３】
【発明の実施の形態】以下，本発明を実施例にしたがっ
て詳述するが，本発明はこれらの実施例にのみ限定され
るものではない．図１は，本発明の一例を示すインプラ
ントに連結した義歯アタッチメント用のキーパの概略模
式図である．３ｉ社製の直径４ｍｍ，長さ１０ｍｍで、
頂面に六角形の凸部を有するチタン製フィクスチャー１
に、六角形の凹部を有する直径４．５ｍｍ，高さ３ｍｍ
のＴｉ製のアバットメント２を嵌合しする．このアバッ
トメント２は頂面に六角形の凹部２０１を有する．この
アバットメント用の直径２ｍｍ，長さ７．５ｍｍのＴｉ
合金製のアバットメントスクリュー３にて前記３部品を
螺合したインプラント本体１０がある．このインプラン
ト本体１０に対して、アバットメント２に合わせた六角
形の凸部１１１を設けた直径４．５ｍｍのキーパ本体１
１を設ける。このキーパ本体１１は、底面においてアバ
ットメントスクリュー３の直径２．４ｍｍのネジ１２の
ネジ頭を収納する凹部１１２を持つ。前記ネジ頭を収納
する凹部を嵌合させないのは、アバットメントスクリュ
ー３に回転力を加えないためである。キーパ本体１１は
ネジ１２によってアバットメントスクリュー３を通じて
インプラント本体１０に連結している。このキーパ本体
１１は１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉステンレス鋼製で
ある。
て詳述するが，本発明はこれらの実施例にのみ限定され
るものではない．図１は，本発明の一例を示すインプラ
ントに連結した義歯アタッチメント用のキーパの概略模
式図である．３ｉ社製の直径４ｍｍ，長さ１０ｍｍで、
頂面に六角形の凸部を有するチタン製フィクスチャー１
に、六角形の凹部を有する直径４．５ｍｍ，高さ３ｍｍ
のＴｉ製のアバットメント２を嵌合しする．このアバッ
トメント２は頂面に六角形の凹部２０１を有する．この
アバットメント用の直径２ｍｍ，長さ７．５ｍｍのＴｉ
合金製のアバットメントスクリュー３にて前記３部品を
螺合したインプラント本体１０がある．このインプラン
ト本体１０に対して、アバットメント２に合わせた六角
形の凸部１１１を設けた直径４．５ｍｍのキーパ本体１
１を設ける。このキーパ本体１１は、底面においてアバ
ットメントスクリュー３の直径２．４ｍｍのネジ１２の
ネジ頭を収納する凹部１１２を持つ。前記ネジ頭を収納
する凹部を嵌合させないのは、アバットメントスクリュ
ー３に回転力を加えないためである。キーパ本体１１は
ネジ１２によってアバットメントスクリュー３を通じて
インプラント本体１０に連結している。このキーパ本体
１１は１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉステンレス鋼製で
ある。
【００１４】一方磁石構造体２０については，図４の断
面模式図に示したごとく，直径３．１ｍｍ，厚さ０．６
ｍｍの円筒状のＮｄ系の希土類磁石２１を１９Ｃｒ−２
Ｍｏ−０．２Ｔｉステンレス鋼製の直径４．４ｍｍ，高
さ１．３ｍｍのキャップ状のヨーク２２で吸着面側を除
いて覆い，１７Ｃｒ−１２Ｎｉ−２Ｍｏステンレス鋼製
の非磁性のリング２３，１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ
ステンレス鋼製の直径２．７６ｍｍ，厚さ０．２ｍｍの
ディスク２４で吸着面側を封鎖してその接合部を溶接し
たものである。
面模式図に示したごとく，直径３．１ｍｍ，厚さ０．６
ｍｍの円筒状のＮｄ系の希土類磁石２１を１９Ｃｒ−２
Ｍｏ−０．２Ｔｉステンレス鋼製の直径４．４ｍｍ，高
さ１．３ｍｍのキャップ状のヨーク２２で吸着面側を除
いて覆い，１７Ｃｒ−１２Ｎｉ−２Ｍｏステンレス鋼製
の非磁性のリング２３，１９Ｃｒ−２Ｍｏ−０．２Ｔｉ
ステンレス鋼製の直径２．７６ｍｍ，厚さ０．２ｍｍの
ディスク２４で吸着面側を封鎖してその接合部を溶接し
たものである。
【００１５】この実施例において，吸引力は８００ｇｆ
を有し，耐食性については，３７℃の人工唾液中に６ケ
月浸漬して腐食が観察されず，またキーパ本体１１とア
バットメント２すなわちインプラント本体１０とは六角
形の凹凸のはめ合いによって回転及び横ずれのない良好
なインプラントに連結した義歯アタッチメントを提供す
ることができた。そのため、この実施例はではアバット
メント２とキーパ本体１１との間に隙間がなく、口腔内
に露出されるため腐食や，食べ滓がつまって不衛生状態
を招く危険がない。キーパ本体１１の回転、及び、ネジ
１２の緩みがなく、義歯の維持固定が安定となる、義歯
の使用が不能になることがない。
を有し，耐食性については，３７℃の人工唾液中に６ケ
月浸漬して腐食が観察されず，またキーパ本体１１とア
バットメント２すなわちインプラント本体１０とは六角
形の凹凸のはめ合いによって回転及び横ずれのない良好
なインプラントに連結した義歯アタッチメントを提供す
ることができた。そのため、この実施例はではアバット
メント２とキーパ本体１１との間に隙間がなく、口腔内
に露出されるため腐食や，食べ滓がつまって不衛生状態
を招く危険がない。キーパ本体１１の回転、及び、ネジ
１２の緩みがなく、義歯の維持固定が安定となる、義歯
の使用が不能になることがない。
【００１６】
【発明の効果】インプラント本体はその頂部より軸方向
に伸びるネジ穴を有し、義歯に保持された磁石と磁気回
路を構成する磁性材料で形成されたキーパは円盤状のキ
ーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キーパ本体を該インプラ
ント本体の頂部に固定するネジとからなる無歯顎に固定
されるインプラントにおいて、前記キーパ本体および前
記インプラント本体のうち一方は、他方と嵌合して該キ
ーパ本体および該インプラント本体との軸中心の回転移
動および軸の平行移動を防止する凸部を有し、該キーパ
本体および該インプラント本体のうち他方は、該凸部に
嵌合する凹部を有することにより、キーパ本体とインプ
ラント本体との隙間が生じにくくし，腐食や食べ滓がつ
まる等の不衛生状態をが生じないようにしている。さら
に、義歯からの負荷によりキーパのわずかな回転または
横ずれを防止し，これに連動するキーパを固定するため
のネジの緩みを防止して義歯を安定して維持固定できる
ようにしている。さらにこれらのキーパ及びネジには冷
間にて加工した磁性材料を用いることにより，キーパ自
身やネジ山の変形を低減することができる。
に伸びるネジ穴を有し、義歯に保持された磁石と磁気回
路を構成する磁性材料で形成されたキーパは円盤状のキ
ーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キーパ本体を該インプラ
ント本体の頂部に固定するネジとからなる無歯顎に固定
されるインプラントにおいて、前記キーパ本体および前
記インプラント本体のうち一方は、他方と嵌合して該キ
ーパ本体および該インプラント本体との軸中心の回転移
動および軸の平行移動を防止する凸部を有し、該キーパ
本体および該インプラント本体のうち他方は、該凸部に
嵌合する凹部を有することにより、キーパ本体とインプ
ラント本体との隙間が生じにくくし，腐食や食べ滓がつ
まる等の不衛生状態をが生じないようにしている。さら
に、義歯からの負荷によりキーパのわずかな回転または
横ずれを防止し，これに連動するキーパを固定するため
のネジの緩みを防止して義歯を安定して維持固定できる
ようにしている。さらにこれらのキーパ及びネジには冷
間にて加工した磁性材料を用いることにより，キーパ自
身やネジ山の変形を低減することができる。
【図１】 本発明の実施例を示す。インプラント体及び
インプラントに連結した義歯アタッチメント用のキーパ
の概略模式図である。
インプラントに連結した義歯アタッチメント用のキーパ
の概略模式図である。
【図２】 従来の磁気式義歯維持装置の断面図である。
【図３】 従来の無歯顎に固定されるインプラントの概
略模式図である。
略模式図である。
【図４】 本発明の実施例を示す磁石構造体の断面図で
ある。
ある。
１ フィクスチャー ２ アバットメント ２０１ アバットメント頂面の凹部 ３ アバットメントスクリュー ５ キーパネジ １０ インプラント本体 １１ キーパ本体 １１１ キーパ本体底面の凸部 ２０ キーパ １２ ネジ １１２ キーパ本体底面の凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田 蕾 愛知県東海市荒尾町ワノ割１番地 愛知製 鋼株式会社内
Claims (3)
- 【請求項１】 インプラント本体はその頂部より軸方向
に伸びるネジ穴を有し、義歯に保持された磁石と磁気回
路を構成する磁性材料で形成されたキーパは円盤状のキ
ーパ本体と該ネジ穴に螺合し該キーパ本体を該インプラ
ント本体の頂部に固定するネジとからなる無歯顎に固定
されるインプラントにおいて、 前記キーパ本体および前記インプラント本体のうち一方
は、他方と嵌合して該キーパ本体および該インプラント
本体との軸中心の回転移動および軸の平行移動を防止す
る凸部を有し、 該キーパ本体および該インプラント本体のうち他方は、
該凸部に嵌合する凹部を有することを特徴とするインプ
ラント - 【請求項２】 嵌合する凹凸部が多角形であることを
特徴とする請求項１及び２に記載のインプラント - 【請求項３】 冷間加工した磁性材料を用いたキーパ
本体とネジ本体よりなるキーパを有することを特徴とす
る請求項１及び２に記載のインプラント
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10201369A JP2000024004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 無歯顎に固定されるインプラント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10201369A JP2000024004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 無歯顎に固定されるインプラント |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000024004A true JP2000024004A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16439930
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10201369A Pending JP2000024004A (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 無歯顎に固定されるインプラント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000024004A (ja) |
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